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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】不織布及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/4291 20120101AFI20230410BHJP
   D01F 8/06 20060101ALI20230410BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
D04H1/4291
D01F8/06
A61F13/51
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020519074
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2018076782
(87)【国際公開番号】W WO2019068704
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-06
(31)【優先権主張番号】17194485.3
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506211827
【氏名又は名称】フィテサ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】517231906
【氏名又は名称】フィテサ・スウェーデン・アー・ベー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノバリノ,エレナ
(72)【発明者】
【氏名】フォーリーン,ダーグ
【審査官】静野 朋季
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-336033(JP,A)
【文献】特表2016-528954(JP,A)
【文献】特表2007-535623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00-18/04
D01F 8/00-8/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、前記第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、前記第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;前記第1の成分が、エチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、前記第2の成分が、ASTM D792により決定される0.93~0.95g/cmの範囲の密度を有する直鎖状低密度ポリエチレンを含み;前記エチレン/α-オレフィンコポリマーにおいて、存在する前記α-オレフィンの量が、全コポリマーに対して2~70モル%の範囲であり;前記2成分繊維が、芯部分が第1の成分を含み、鞘部分が第2の成分を含む、芯鞘構造を有し;前記第1の成分及び前記第2の成分の両方が、ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定される10~40g/10分の範囲のメルトフローレートを有し;前記不織ウェブが、個別化結合領域のパターンを備える面を含み、前記結合領域の表面が、前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布。
【請求項2】
前記第1の成分が、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の不織布。
【請求項3】
前記第1の成分及び前記第2の成分の両方が、ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定される10~30g/10分の範囲のメルトフローレートを有する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項4】
前記第1の成分及び前記第2の成分の両方が、ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定される10~25g/10分の範囲のメルトフローレートを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項5】
前記結合領域の表面が、前記面の全表面に対して8~20%の範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項6】
前記結合領域の表面が、前記面の全表面に対して8~15%の範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項7】
前記不織ウェブが、5~50g/mの範囲の坪量を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項8】
各繊維の全重量に対して、前記第1の成分が83~93重量%の範囲の量で存在し、前記第2の成分が7~17重量%の範囲の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項9】
前記エチレン/α-オレフィンコポリマーが、シングルサイト触媒によるコポリマーである、請求項1~8のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項10】
前記結合領域が、円、菱形、長方形、正方形、楕円、三角形、ロッド、ハート、六角形、八角形又は別の多角形の形状を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の弾性不織布を調製する方法であって、
(a)溶融又は半溶融エチレン/α-オレフィンコポリマーの第1の流れを提供するステップであって、前記エチレン/α-オレフィンコポリマーにおいて、存在する前記α-オレフィンの量が、全コポリマーに対して2~70モル%の範囲である、ステップ、
(b)ASTM D792により決定される0.93~0.95g/cmの範囲の密度を有する溶融又は半溶融直鎖状低密度ポリエチレンの第2の流れを提供するステップであって、前記エチレン/α-オレフィンコポリマー及び前記ポリエチレンの両方が、ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定される10~40g/10分の範囲のメルトフローレートを有する、ステップ
(c)前記第1の流れ及び前記第2の流れから、各々が、前記エチレン/α-オレフィンコポリマーを含む第1の成分及び前記ポリエチレンを含む第2の成分を含む、複数の2成分繊維を形成するステップであって、前記第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、前記第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量が各繊維の全重量に対するものであり、前記2成分繊維が、芯部分が第1の成分を含み、鞘部分が第2の成分を含む、芯鞘構造を有する、ステップ、
(d)ステップ(c)で得られた前記2成分繊維から不織ウェブを形成するステップ、及び
(e)ステップ(d)で形成された前記不織ウェブを、対向して配置された第1ロールと第2ロールとの間に画定されたニップ中へ供給するステップであって、それにより、前記ロールの少なくとも1つが、個別化結合領域のパターンを前記不織ウェブに施すためのパターン化された外表面を有し、前記不織ウェブが、前記個別化結合領域のパターンを備える面を含み、前記結合領域の表面が、前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、ステップ
を含む、方法。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の不織布を含む、物品。
【請求項13】
パーソナルケア製品である、請求項12に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布、特に弾性不織布、不織布を調製する方法、及び不織布を含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布は、使い捨て医療製品、衣類、及びおむつ又は女性衛生製品などのパーソナルケアにおいて広く適用されている。
【0003】
弾性不織布は、不規則な形状に順応し、限られた弾性を有する不織布より自由な体の動きを可能にするそれらの能力のために、これらの製品における構成要素として使用するのに望ましい。
【0004】
米国特許第4,657,802号に、複合不織弾性ウェブの製造が記述されている。この文書に開示される手法は、弾性ウェブを形成し延伸するステップ、次に繊維状のひだ寄せ可能なウェブを弾性ウェブに結合するステップ、続いてそのように得た複合物を緩めるステップを含んでいる。この手法の欠点は、張られた状態で最終複合物を形成する必要があり、一方、さらに結合するステップが必要であることである。
【0005】
米国特許出願公開第2003/0207640号に別の手法が開示されており、不織ウェブを未変性フィルムに接着剤を用いて結合することによってラミネートが形成され、そうして得られたラミネートは、続いて延伸されて、快適さ及びフィット性に有用な弾性を有する通気性のウェブを得ている。
【0006】
しかしながら、弾性不織布を調製するこうした公知の方法は、延伸及び結合するステップが、追加の装置及び制御システムを必要とするという欠点を有している。そのうえ、フィルム又はラミネートが必要であり、接着剤が使用される必要があり得る。
【0007】
さらに、KR20120034918Aには、エチレン/オレフィンコポリマー成分及び高密度ポリエチレン成分を含む2成分繊維で作製された不織布が記載されている。
【0008】
さらに、WO2005/111291は、異なるエチレン/1-オクテンコポリマーのブレンドである1成分繊維で作製された不織布を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第4,657,802号明細書
【文献】米国特許出願公開第2003/0207640号明細書
【文献】韓国公開特許第2012-0034918号公報
【文献】国際公開第2005/111291号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、優れた弾性特性を示し、より複雑でない方法で製造することができる不織布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
不織布が、繊維成分の特定の組合せから作られた2成分繊維から形成される場合に、このことを確立できることが今回見出された。
【0012】
その結果、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、個別化結合領域のパターンを備える面を含み、結合領域の表面が前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布に関する。
【0013】
本発明による不織ウェブは、伸び及び復元性の両方の点から優れた弾性を示し、それらは追加の装置及び制御システムを伴わずに容易に調製することができ、一方、ラミネート、フィルム及び接着剤などの材料はさらに必要とされない。そのうえ、不織布は優れた柔軟性及び機械的強さを示す。さらに、エチレン系ポリマーを含む2つの繊維成分の使用は、不織布の非常に効率的な再生利用を可能にする。
【0014】
本発明の目的はまた、優れた弾性を示す不織布の調製方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、優れた弾性を示す不織布を含む吸収性物品を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、不織布は複数の繊維から作られた不織ウェブを含み、前記繊維は各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維である。各繊維の全重量に対して、第1の成分は80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分は5~20重量%の範囲の量で存在する。
【0017】
好ましくは、各繊維の全重量に対して、第1の成分は83~93重量%の範囲の量で存在し、第2の成分は7~17重量%の範囲の量で存在する。
【0018】
より好ましくは、第1の成分は86~92重量%の範囲の量で存在し、第2の成分は8~14重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものである。
【0019】
第1の成分は、エチレン/α-オレフィンコポリマーを含む。
【0020】
好適には、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、エチレンとC3~C30 α-オレフィンのコポリマーである。こうしたα-オレフィンの好適な例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ヘプテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、オクタジエン等が挙げられる。好ましくは、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、エチレンとC4~C10 α-オレフィンのコポリマーである。より好ましくは、α-オレフィンは、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ヘプテン又は4-メチル-1-ペンテンである。最も好ましくは、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、エチレンと1-オクテンのコポリマーである。
【0021】
エチレン/α-オレフィンコポリマーにおいて、存在するα-オレフィンの量は、好適には全コポリマーに対して2~70モル%の範囲である。好ましくは、存在するα-オレフィンの量は、全コポリマーに対して、好適には5~50モル%の範囲、より好ましくは10~40モル%の範囲である。
【0022】
好ましくは、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーである。ブロックコポリマーでは、コモノマー由来単位は長い配列に沿って発生する。
【0023】
エチレン/α-オレフィンコポリマーは、シングルサイト触媒、例えば、メタロセン触媒を使用することによって、好適に調製され得る。
【0024】
本発明によって使用することができる、好適な市販のエチレン/α-オレフィンコポリマーの例は、例えば、INFUSE(商標)9817及びINFUSE(商標)9807、すなわち、Dow Chemical Companyから市販されているエチレン/1-オクテンコポリマーである。
【0025】
エチレン/α-オレフィンコポリマーは、10~40g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。好ましくは、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、12~35g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。より好ましくは、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、15~30g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。メルトフローレートは、ASTM D1238(190℃;2.16kg)によって決定される。
【0026】
第2の成分は、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む。
【0027】
好ましくは、ポリエチレンは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。第2の成分は、好適には低密度ポリエチレンと、異なる低密度ポリエチレン及び/又は異なる直鎖状低密度ポリエチレンなどの異なる1種以上のポリエチレンとの、ブレンドであり得る。
【0028】
第2の成分として使用されるポリエチレンは、メタロセン及びチーグラーナッタ触媒系を含む、任意の周知のプロセスから製造され得る。
【0029】
本発明によって使用される低密度ポリエチレンは、0.90~0.95g/cmの範囲、好適には0.92~0.95g/cmの範囲、好ましくは0.93~0.95g/cmの範囲、より好ましくは0.93~0.945g/cmの範囲、最も好ましくは0.93~0.94g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する。好ましくは、低密度ポリエチレンは、0.90~0.95g/cmの範囲、好適には0.92~0.95g/cmの範囲、好ましくは0.93~0.95g/cmの範囲、より好ましくは0.93~0.945g/cmの範囲の密度を有する、直鎖状低密度ポリエチレンである。最も好ましくは、0.93~0.94g/cmの範囲(ASTM D792により決定)である。第2の成分として使用される好適なポリエチレンの例は、ASPUN(商標)6000(19g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238(190℃、2.16kg)によって決定)、及び0.935g/cmの密度(ASTM D792により決定)を有し、Dow Chemical Companyから入手可能なポリエチレンポリマー樹脂)である。
【0030】
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、好ましくは第2の成分として使用される。LLDPEは、触媒溶液又は流動床プロセスによって、当該技術分野においてよく確立された条件下で典型的には製造される。結果として得られるエチレンポリマーは、本質的に直鎖状主鎖を特徴とする。密度は、他の直鎖状ポリマー主鎖へ組み込まれたコモノマーのレベルによって、制御される。LLDPEを製造する際に、様々なα-オレフィンが、エチレンとともに典型的には共重合される。α-オレフィンは好ましくは4~8個の炭素原子を有し、ポリエチレン中に約10重量%までの量で存在し得る。最も典型的なコモノマーは、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、及び1-オクテンである。
【0031】
第2の成分として使用されるポリエチレンは、10~40g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。好ましくは、ポリエチレンは、12~35g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。より好ましくは、ポリエチレンは、15~30g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。最も好ましくは、ポリエチレンは、15~25g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。メルトフローレートは、ASTM D1238(190℃、2.16kg)によって決定される。
【0032】
好適には、第1の成分及び第2の成分の両方は、10~40g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。好ましくは、第1の成分及び第2の成分の両方は、12~35g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。より好ましくは、第1の成分及び第2の成分の両方は、15~30g/10分の範囲のメルトフローレートを有する。メルトフローレートは、ASTM D1238(190℃、2.16kg)によって決定される。
【0033】
本発明による2成分繊維は、サイドバイサイド構造又は芯鞘構造を有することができる。好ましくは、2成分繊維は、芯部分が第1の成分を含み、鞘部分が第2の成分を含む、芯鞘構造を有する。
【0034】
特に魅力的な実施形態において、本弾性不織布は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含み、前記繊維は各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり;第1の成分は80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分は5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;2成分繊維は、芯部分が第1の成分を含み、鞘部分が第2の成分を含む芯鞘構造を有し;第1の成分はエチレン/1-オクテンコポリマーを含み、第2の成分は0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分は、10~40g/10分の範囲、好ましくは12~35g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;第2の成分は、15~27g/10分の範囲、好ましくは15~25g/10分の範囲、より好ましくは15~22g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブは個別化結合領域のパターンを備える面を含み、結合領域の表面は、前記面の全表面に対して8~25%の範囲である。
【0035】
エチレン/α-オレフィンコポリマー及び/又はポリエチレンにすでに含有されている添加剤に加えて、さらなる添加剤を添加して繊維に追加の特性を提供することが可能である。好適なさらなる添加剤としては、熱安定剤、光安定剤、スリップ剤、ワックス、及び布地を親水性又は疎水性にする添加剤が挙げられる。充填材の添加も、時には利点になり得る。好適な充填材としては、有機及び無機充填材が挙げられる。無機充填材の好適な例としては、炭酸カルシウムなどのミネラル、アルミニウム及びステンレス鋼などの金属が挙げられる。有機充填材の好適な例としては、糖系ポリマーが挙げられる。
【0036】
本発明による不織布は、優れた弾性を示す。本不織布は、バイアス力を加えると、その緩んだバイアスのない長さの200パーセントを超えるまで延伸することができ、延伸力、伸ばす力を解放すると、その伸びの75パーセントを超えて短時間で回復する。この75パーセントを超える伸びの回復は、不織ウェブの横方向及び縦方向の両方に当てはまる。不織布の200パーセントを超える伸びにおいては、伸びの回復は好ましくは78パーセントを超え、より好ましくは80パーセントを超える。こうした高い伸びの回復範囲とともに、不織布は人体の動きに順応する優れた能力を有するので、本不織布はおむつ及び衛生物品において非常に魅力的に使用され得る。伸び回復の程度は、永久歪みという用語によっても表現することができ、永久歪みは、伸び及び回復に伴う不織布における保持された伸びとして定義される。本発明の文脈において、永久延伸は、100パーセントの伸びまで不織布を延伸した際の、回復後の不織布の最終長さと不織布の初期長さ(すなわち、歪みレベル)の差と等しい。本発明による不織布は、好適には25%未満、好ましくは22%未満、より好ましくは20%未満の永久歪みを示す。伸び及び伸びの回復は、Zwick引張試験装置によってヒステリシス試験を使用して測定され、ここで永久歪みは、試験片が一定期間張力を加えられ、一定期間解放された後に残存する変形である。既知の長さの標準的な試験片は、規定のパーセントだけ一定時間延伸され、次に解放される。回復後に長さが測定され、長さの変化(すなわち、未回復長さ)がもとの長さのパーセントとして表現される(ASTM D412によって決定される。)。
【0037】
本発明による不織布は、横方向及び縦方向の両方において魅力的な引張強さも示す。
【0038】
好適には、本発明による不織ウェブは、グラム坪量当たり0.4~2Nの範囲、好ましくはグラム坪量当たり0.5~1.9Nの範囲、より好ましくはグラム坪量当たり0.6~1.5Nの範囲の、縦方向でのWSP110.4による引張強さを有する。こうした引張強さを有する不織ウェブは、高い引張強さを有する不織物品を提供する。
【0039】
好適には、本発明による不織ウェブは、グラム坪量当たり0.1~1.5Nの範囲、好ましくはグラム坪量当たり0.2~1.3Nの範囲、より好ましくはグラム坪量当たり0.3~1Nの範囲の横方向でのWSP110.4による引張強さを有する。こうした引張強さを有する不織ウェブは、高い引張強さを有する不織物品を提供する。
【0040】
このWSP試験法は、当業者が理解する、不織布の産業界において国際的に認められた試験法である。
【0041】
好ましくは、不織ウェブは、個別化結合領域のパターンを備える面を含み、結合領域の表面は、前記面の全表面に対して8~25%の範囲、より好ましくは8~15%の範囲、最も好ましくは10~12%の範囲である。
【0042】
好適には、不織ウェブは、5~100g/mの範囲の坪量を有する。好ましくは、不織ウェブは、5~60g/mの範囲、より好ましくは5~50g/mの範囲の坪量を有する。
【0043】
結合領域は、線状又は非線状の形状を有することができる。本出願の文脈においては、非線状の形状は、それ自体が線状ではない又は1つ以上の線状部分を含有していない形状として定義される。
【0044】
結合領域は、円、菱形、長方形、正方形、楕円、三角形、ロッド、ハート、ムーンスター、六角形、八角形、又は別の多角形の形状を有することができる。個別化結合領域のパターンは、菱形パターン、六角形ドットパターン、長円-楕円パターン、ロッド形状パターン又は任意のこれらの組合せなどの、様々な形状であり得る。好適には、個別化結合領域のパターンは連続的なパターンである。
【0045】
好適には、個別化結合領域のパターンは、非結合領域のパターンを画定し、それにより非結合領域の表面は、前記面の全表面に対して80~92%の範囲、好ましくは85~92%の範囲、より好ましくは88~90%である。
【0046】
本発明によって使用される非結合領域の大きい表面は、高い柔軟性を魅力的に提供する。そのうえ、大きい非結合領域は、繊維をかさ高くし、布地のかさ高性を増加させる。これは視覚及び触覚の両方の観点から、さらにより高い柔軟性として知覚される。
【0047】
好ましくは、不織布の面は結合領域のパターン及び非結合領域のパターンだけを備え、これは、結合又は非結合領域のさらなるパターンは不織布の面に提供されないことを意味する。
【0048】
よって、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、第1のパターン及び第2のパターンからなる全体のパターンを備える面を含み、第1のパターンが、非結合領域の第2のパターンを画定する個別化結合領域のパターンであり、結合領域の表面が前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布にも関する。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、非結合領域は六角形タイプの形状を有する。
【0050】
その結果、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、個別化結合領域のパターンを備える面を含み、個別化結合領域が、六角形タイプの形状を有する個別化非結合領域のパターンを画定し、結合領域の表面が、前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布にも関する。
【0051】
好適には、非結合領域は、規則的な六角形又は1つ以上の面が異なる長さを有する不規則的な六角形の形状を有する。好ましくは、非結合領域は規則的な六角形の形状を有する。好適には、非結合領域は、20~50mmの範囲、好ましくは22~45mmの範囲、より好ましくは23~40mmの範囲の表面を有する。
【0052】
好ましくは、六角形の形状を有する個別化された非結合領域のパターンを画定する、
個別化結合領域は、非線状の形状を有する。
【0053】
個別化結合領域が非線状の形状を有する場合、それらは好適には、円、菱形、長方形、正方形、楕円、三角形、ハート、ムーンスター、六角形、八角形、又は別の多角形の形状などの対称形状を有することができる。好ましくは、非線状の結合領域は、円又は六角形の形状を有する。より好ましくは、非線状の結合領域は円形状を有する。
【0054】
この好ましい実施形態において、結合領域は、好適には0.7~1.5mmの範囲、好ましくは0.75~1.25mmの範囲、より好ましくは0.8~1.2mmの範囲の最大幅を有する。
【0055】
好適には、結合領域は、0.38~1.77mmの範囲、好ましくは0.44~1.22mmの範囲、より好ましくは0.50~1.13mmの範囲の表面を有する。
【0056】
六角形タイプの形状を有する不連続な非結合領域は、好適には0.4~1.5mmの範囲、好ましくは0.4~0.9mmの範囲、より好ましくは0.4~0.8mmの範囲、最も好ましくは0.5~0.7mmの範囲の深さを有する。
【0057】
好適には偶数の結合領域が、六角形タイプの形状を有する個々の非結合領域を画定する。好ましくは、六角形タイプの形状を有する個々の非結合領域は、6個、12個、18個又は24個の個別化結合領域、より好ましくは12個、18個又は24個の個別化結合領域、最も好ましくは12個又は18個の個別化結合領域によって画定される。六角形タイプの形状を有する個別化非結合領域が、12個の個別化結合領域、好ましくは円形状の結合領域によって画定される場合、結合領域の表面は、前記面の全表面に対して8~15%の範囲である。六角形タイプの形状を有する個別化非結合領域が、18個の個別化結合領域、好ましくは円形状の結合領域によって画定される場合、結合領域の表面は、前記面の全表面に対して12~20%の範囲である。
【0058】
好適には、非結合領域が六角形状を有するこうした不織布は、5~100g/mの範囲の坪量、好ましくは5~60g/mの範囲の坪量、より好ましくは5~50g/mの範囲の秤量を有する。
【0059】
六角形タイプの形状を有する非結合領域使用の主な利点は、本パターンは比較的作るのが簡単であり、それが改善された知覚される柔軟性を有するという事実にある。そのうえ、本発明の不織布の三次元表面は、その使用者に美的に心地よい外観を提供する。追加の主な利点は、本不織布は、改善された柔軟性、及び同時に高い引張強さを示すという事実である。サーマルボンド不織布(thermobonded nonwoven fabric)の柔軟性及び寸法安定性(すなわち、高い引張強さ)は、相互に互いを排除する機能であると一般に認められるので、これは驚くべきことである。
【0060】
好ましくは、不織布の面は、結合領域のパターン及び非結合領域のパターンだけを備え、これは、不織布の面に結合又は非結合領域のさらなるパターンは提供されないことを意味する。
【0061】
このため、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、第1のパターン及び第2のパターンからなる全体のパターンを備える面を含み、第1のパターンが、個別化非結合領域の第2のパターンを画定する、個別化結合領域のパターンであり、結合領域の表面が前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布にも関する。
【0062】
別の実施形態において、不織ウェブは、楕円形状を有する個別化結合領域の交互パターンを有する面を含む。
【0063】
その結果、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、楕円形の個別化結合領域のパターンを備える面を含み、結合領域の表面が前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布にも関する。
【0064】
結合領域が楕円の形状である場合、結合領域の表面は、好ましくは前記面の全表面積の12~20%の範囲、より好ましくは面の全表面積の14~18%の範囲である。好適には、楕円形の個別化結合領域は、0.28~0.40mmの範囲、好ましくは0.30~0.38mmの範囲、より好ましくは0.32~0.36mmの範囲の表面を有する。
【0065】
楕円形である個別化結合領域は、ウェブの任意の方向に配置され得る。好ましくは、楕円形の結合領域は、図2に示されるような様式で配置される。この実施形態において、横方向に配置された隣接する楕円は、今度は各々がウェブの縦方向と反対の角度を形成する。横方向は、ウェブ材料が製造される製造ラインを通るウェブ材料の前方移動方向(すなわち縦方向)に実質的に垂直な、ウェブ材料に沿った方向であることが理解される。いずれの当業者も理解するように、図1~4において、横方向は水平に走り、一方、縦方向は垂直に走る。
【0066】
楕円は、縦方向において、複数の非断続(uninterrupted)領域がウェブに沿って連続的に広がり、一方横方向において、非断続領域はウェブに沿って存在しないという様式で、好適に配置され得る。
【0067】
ロッドのこの好ましい配置における横方向のこれらの非断続領域の幅は、好適には300μmより大きく、好ましくは幅は500~800μmの範囲である。
【0068】
楕円は、好適には350~550mmの範囲、好ましくは400~500μmの範囲、より好ましくは420~480μmの範囲の最大幅を有する。
【0069】
楕円は、好適には700~1000μmの範囲、好ましくは800~900μmの範囲、より好ましくは820~850μmの範囲の最大長さを有する。
【0070】
好適には、楕円形の個別化結合領域は、それらの幅の1.1~2.5倍、好ましくは1.5~2.2倍である長さを有する。
【0071】
好適には、隣接する楕円の各組間の距離は、横方向において2.0~4.0mmの範囲、好ましくは2.2~3.0mmである。
【0072】
好適には、隣接する楕円の各組間の距離は、縦方向において0.9~2.5mmの範囲、好ましくは1.2~2.0mmである。好適には、交互パターンは、楕円形である個別化結合領域からなる。よって、交互パターンは、楕円のパターンに加えて追加の結合領域を含有しない。
【0073】
このため、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、第1のパターン及び第2のパターンからなる全体のパターンを備える面を含み、第1のパターンが、非結合領域の第2のパターンを画定する、楕円形の個別化結合領域のパターンであり、結合領域の表面が前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布にも関する。
【0074】
本発明による別の好ましい実施形態において、不織布は、ウェブの横方向に配置されたロッド形である個別化結合領域の交互パターンを備える面を含む不織ウェブを形成する、複数のポリプロピレン含有繊維を含む。
【0075】
その結果、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、ウェブの横方向に配置されるロッド形である個別化結合領域の交互パターンを備える面を含み、結合領域の表面が前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布にも関する。
【0076】
本発明の文脈において、「ロッド」という用語は、直線の棒又はスティックなどの線状の直線形状を定義することを意味する。
【0077】
ロッド形である結合領域の表面は、好ましくは前記面の全表面積の8~15%の範囲、より好ましくは前記面の全表面積の9~12%の範囲である。
【0078】
好ましくは、ロッド形である個別化結合領域は、各々が長さ方向においてウェブの縦方向と90°の角度を形成する。
【0079】
好ましくは、縦方向において、非断続領域がウェブに沿って存在せず、一方横方向において、ウェブに沿って連続的に広がる複数の非断続領域をロッドの配置が画定するような様式で、ロッドは配置される。ロッドのこうした好ましい配置は、いくつかの改善された布地特性をもたらす。
【0080】
フィラメントがそれらの好ましいレイダウン(lay-down)方向と垂直に、強く結合されるので、横方向への引張強さは著しく改善される。そのため、非断続領域が非結合フィラメントの弱い領域を作り出し、低減された引張強さをもたらすので、好ましいレイダウン方向(すなわち、縦方向)に非断続領域が存在しないことが重要である。そのうえ、ウェブに沿った縦方向において非断続領域が存在しないので、自由繊維長さ(free fiber length)(すなわち、第1及び第2結合間の単繊維の平均長さ)は比較的短く、改善された耐摩耗性をもたらす。さらにロッドのこの特定の配置は、横方向における非断続非結合領域を提供し、布地を曲げる力を著しく低減し、機械的強さを犠牲にすることなく優れたドレープ性に変換する。これらの2つの特性は通常互いを排除するので、この発見は驚くべきことである。
【0081】
ロッドのこの好ましい配置における横方向のこれらの非断続領域の幅は、好適には750μmより大きく、好ましくは、幅は1000~2000μmの範囲である。
【0082】
ロッドは、平らな端及び/又は曲がった端を有してもよい。好ましくは、曲がった端は円形の形状を有する。好ましくは、ロッドは線状の形状を有する。
【0083】
好適には、ロッド形である個別化結合領域は、0.7~1.5mmの範囲、好ましくは0.9~1.3mmの範囲、より好ましくは1.1~1.2mmの範囲の表面を有する。
【0084】
ロッド形である個別化結合領域を有する弾性不織ウェブは、好適には5~100g/mの範囲、好ましくは5~60g/mの範囲、より好ましくは5~50g/mの範囲、さらにより好ましくは8~22g/mの範囲、最も好ましくは10~29g/mの範囲の坪量を有する。
【0085】
ロッドは、好適には0.1~1.2mmの範囲、好ましくは0.3~0.8mmの範囲、より好ましくは0.4~0.6mmの範囲の最大幅を有する。
【0086】
ロッドは、好適には1.2~3.5mmの範囲、好ましくは1.8~3.0mmの範囲、より好ましくは2.2~2.6mmの範囲の最大長さを有する。
【0087】
好適には、ロッド形である個別化結合領域は、それらの幅の2~10倍、好ましくは2~8倍の長さを有する。
【0088】
不連続な非結合領域は、好適には、0.1~0.8mmの範囲、好ましくは0.1~0.6mmの範囲、より好ましくは0.15~0.5mmの範囲、最も好ましくは0.15~0.4mmの範囲の深さを有する。
【0089】
好適には、隣接するロッドの各組間の距離は、横方向において1.8~3.0mm、好ましくは2.2~2.6mmの範囲である。
【0090】
好適には、隣接するロッドの各組間の距離は、縦方向において2.5~5.0mm、好ましくは3.3~4.2mmの範囲である。
【0091】
この点で、縦方向は、ウェブ材料が製造される製造ラインを通るウェブ材料の前方移動方向に実質的に平行な、ウェブ材料に沿った方向であることが認められる。
【0092】
横方向に配置された、ロッド形である個別化結合領域からなる特定の交互パターンと、本発明によって使用される非結合領域の大きい表面の組合せは、驚くほど高い柔軟性を提供する。そのうえ、大きい非結合領域は、繊維をかさ高くし、布地のかさ高性を増加させる。これは視覚及び触覚の両方の観点から、さらにより高い柔軟性として知覚される。
【0093】
好適には、交互パターンは、ロッド形である個別化結合領域からなる。よって、交互パターンは、ウェブの横方向に配置されたロッドに加えて、追加の結合領域を含有しない。
【0094】
このため、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布であって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量は各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(90℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、第1のパターン及び第2のパターンからなる全体のパターンを備える面を含み、第1のパターンが、非結合領域の第2のパターンを画定する、ロッド形である個別化結合領域のパターンであり、結合領域の表面が、前記面の全表面に対して8~25%の範囲である、弾性不織布にも関する。
【0095】
本発明の特定の魅力的な実施形態において、不織布は、芯鞘が配置された2成分繊維からから形成された不織ウェブを含み、芯部分は、エチレン/1-オクテンコポリマー(INFUSE(商標)9817、Dow Chemical Companyから入手可能)を含み、鞘部分は、直鎖状低密度ポリエチレン(ASPUN(商標)6000、Dow Chemical Companyから入手可能で、19g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定)及び0.935g/cmの密度(ASTM D792により決定)を有する)を含む。各繊維の全重量に対して、芯部分は90重量%を形成し、鞘部分は10重量%を形成する。不織ウェブは、六角形タイプの形状を有する非結合領域を画定する、円形状の結合領域を有する面を有する。結合領域は、前記面の全表面積の11%である。この不織布は、横方向において魅力的な永久歪み、引張強さを示し、縦方向において魅力的な引張強さを示す。
【0096】
本発明の別の特に魅力的な実施形態において、不織布は、芯鞘が配置された2成分繊維から形成された不織ウェブを含み、芯部分は、エチレン-1-オクテンコポリマー(INFUSE(商標)9807、Dow Chemical Companyから入手可能)を含み、鞘部分は、直鎖状低密度ポリエチレン(ASPUN(商標)6000、Dow Chemical Companyから入手可能で、19g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定)及び0.935g/cmの密度(ASTM D792により決定)を含む。各繊維の全重量に対して、芯部分は85重量%を形成し、鞘部分は15重量%を形成する。不織ウェブは、CDロッドの形である結合領域を有する面を有する。結合領域は、前記面の全表面積の11%である。さらに、この不織布は、横方向において魅力的な永久歪み、引張強さを示し、縦方向において魅力的な引張強さも示す。
【0097】
本発明によって使用される2成分繊維は、さらにスリップ剤を含有してもよい。
【0098】
スリップ剤は、布地の製造プロセス中、例えば、紡糸プロセス中にマスターバッチの形で、ポリプロピレン材料に好適に添加される。
【0099】
本発明によって使用されるスリップ剤は、不織布の製造において好適に使用することができる任意のスリップ剤であり得る。好適には、スリップ剤は、1種以上の官能基、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、エステルなどの酸素含有基、アミン、アミドなどの窒素含有基、燐含有官能基、又はケイ素(silicone)含有官能基を作り出す、ヘテロ原子を好ましくは含有する炭化水素化合物である。そのうえ、アリール基及び官能性アリール基(functional aryl group)、並びに1種以上の不飽和C-C-結合も、好適に存在することができる。
【0100】
特に魅力的なスリップ剤の典型例は例えば、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックス、例えば、エルカ酸アミド及びオレイン酸アミドなどの第一級及び第二級アミド、並びにステアリル誘導体である。
【0101】
スリップ剤は、ポリプロピレン含有繊維の全重量に対して、0.1~5wt%の範囲の量で、好ましくは0.5~3wt%の量で好適に存在する。
【0102】
円形の繊維断面が好ましい。他の好適な繊維断面としては、例えばリボン形状の断面が挙げられる。
【0103】
繊維は、結合することによって好適に接合されて、密着ウェブ構造を形成する。好適な接着技法としては、限定されるものではないが、化学的結合及び熱的結合、例えば、熱的カレンダー加工又は高温気体流による結合が挙げられる。
【0104】
好適な不織ウェブは、不織ウェブを作る当該技術分野において公知である任意の方法によって製造され得る。本発明による不織布は、不織布を作る任意の公知の方法によって製造され得る。
【0105】
本発明による弾性不織布の利点は、いずれの他の層も必要とすることなく、単一層として単独で使用することができることである。
【0106】
弾性不織布は、例えば、メルトブローン不織ウェブの少なくとも1層に接合された少なくとも1層のスパンボンドウェブ、ステープル繊維のカード不織ウェブ、又は他の好適な材料を有する、単一層又は多層の不織布であり得る。好適には本発明による不織布は、さらに第2の不織ウェブを含む、又は不織布はラミネートに結合される。
【0107】
弾性不織ウェブは、スパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、エアレイドウェブ、又はカードウェブであり得る。不織ウェブがメルトブローン繊維のウェブである場合、それはメルトブローンマイクロファイバーを含んでもよい。
【0108】
繊維は、当該技術分野において公知の紡糸技術によって作ることができる。最も簡便に用いられるのは、スパンボンド及びメルトブローンプロセスであり、不織布が直接形成され得る。
【0109】
好ましくは、本発明による不織ウェブは、スパンボンド繊維から調製される不織ウェブである。
【0110】
スパンボンド繊維は、リニアメーター当たり数千孔を有する大きな紡糸口金を通して、又は、例えば、わずか40孔を含有するより小さな紡糸口金のバンクから、溶融ポリマーを押し出すことによって一般に製造される。紡糸口金を出た後、溶融繊維は、クロスフロー空気急冷システムによって急冷され、次に高速空気によって紡糸口金から引き離され、細められる。不織層を作り出すためのフィラメントのレイダウンは、透過性の搬送ベルト上で行われる。スパンボンド繊維は一般に連続的であり、繊維径は約10~100μmの範囲である。
【0111】
他方、メルトブローン繊維は一般に繊維径がはるかに小さく、通常0.1~4μmの範囲である。さらに、メルトブローン繊維は、主に不連続であると考えられる。
【0112】
メルトブロープロセスは、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイキャピラリーを通して、溶融糸又は溶融フィラメントとして、高速の、通常は加熱された気体流の中へ押し出すことによって繊維が形成されるプロセスであり、気体流は、溶融熱可塑性材料のフィラメントを細めてそれらの直径を低減する。メルトブローンプロセスは、通常ダイの幅にわたるフィラメントの単一の列に、フィラメントを有する。その後、メルトブローン繊維は高速気体流によって運ばれ、収集表面上に堆積され、ランダムに分散したメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続又は不連続であり得るマイクロファイバーである。
【0113】
本発明による弾性不織布は、特定の特性を付加するためにさらに処理され得る。最も一般的なのは、布地を親水性又は疎水性にするための局所的処理である。最も一般的なのは、親水性界面活性剤又はケイ素材料を用いる布地の処理である。本発明の文脈において、その表面に配置された水の接触角が約90未満である場合、不織布又は不織ウェブの表面は「親水性」であり、その表面に配置された水の接触角が90以上である場合、表面は「疎水性」である。好ましくは、本発明による不織布は、疎水性の不織布である。
【0114】
本発明による弾性不織布は、1つのタイプの繊維又は繊維層、例えばスパンボンドウェブだけからなることができるが、それは互いと異なり得る追加の不織ウェブを好適に含むことができる。好適な多層布地は、本発明による不織布に接着したSMS、SMMS、SSMMS、その他などの、1つ以上のスパンボンド層(S)及びメルトブローン層(M)を含んでもよい。通常、これらの多層布地は多数のビームを有する単一ライン上の1ステップで作られ、これは、一般にスパンボンドビーム及びメルトブローンビームの組合せを包含する。場合によっては、本発明による多層を2つ以上の別のステップで作ることが、有利又は技術的に必要であり得る。
【0115】
スパンボンド層の繊維断面又は繊維タイプが異なる、スパンボンド層の使用は可能である。
【0116】
本発明による弾性不織布が追加の不織ウェブを含有する場合、追加のものは5~80グラム/mの範囲、好ましくは6~50グラム/mの範囲の坪量を有し得る。
【0117】
スパンボンド層の天然繊維との組合せは、同様に可能である。好ましくは、本発明により使用される追加の不織ウェブは、メルトブローン繊維から作られる。
【0118】
本弾性不織布は、好適には1~6dtexの範囲、好ましくは1.5~5dtexの範囲、より好ましくは1.8~4dtexの範囲の重量を有する繊維から作られる。
【0119】
好適には、本発明により使用される不織ウェブは、不織ウェブの全重量に対して25wt%以下のメルトブローン繊維を含む。好ましくは、不織ウェブは、不織ウェブの全重量に対して20wt%以下のメルトブローン繊維を含む。
【0120】
好適には、本不織ウェブは、スパンボンド繊維と別のタイプの繊維の混合物ではなく、スパンボンド繊維だけを含有する。
【0121】
本発明は、本発明による弾性不織布を形成するための方法にも関する。
【0122】
その結果、本発明は、本発明によるスパンボンド不織布を調製するための方法であって、
(a)溶融又は半溶融エチレン/α-オレフィンコポリマーの第1の流れを提供するステップ、
(b)0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する、溶融又は半溶融低密度ポリエチレンの第2の流れを提供するステップであって、エチレン/α-オレフィンコポリマー及びポリエチレンの両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定)を有する、ステップ、
(c)第1の流れ及び第2の流れから、各々が、エチレン/α-オレフィンコポリマーを含む第1の成分及びポリエチレンを含む第2の成分を含む、複数の2成分繊維を形成するステップであって、各繊維の全重量に対して、第1の成分は80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分は5~20重量%の範囲の量で存在する、ステップ、
(d)ステップ(c)で得られた2成分繊維から不織ウェブを形成するステップ、及び
(e)ステップ(d)で形成された不織ウェブを、対向して配置された第1ロールと第2ロールの間に画定されたニップ中へ供給するステップであって、少なくとも1つのロールが、個別化結合領域のパターンを不織ウェブに施すためのパターン化された外表面を有する、ステップ
を含む方法にも関する。
【0123】
ステップ(c)において、当業者が理解するように、溶融又は半溶融ポリマーが連続繊維へ押し出される、紡糸口金が使用される。次に、連続繊維は急冷され、高速流体によって空気で細められ、ランダムな配置で収集表面上に収集される。繊維収集の後、任意の熱的、化学的又は機械的結合が、ステップ(d)において好適に適用され、密着不織ウェブ構造が形成され得る。好適には、ホットエアナイフによる熱風を不織ウェブを通して押し付け、連続2成分繊維の交点に結合を形成するように、2成分繊維の外側を軟化させることができる。
【0124】
本発明による方法のステップ(e)において使用されるロールは、好適には、任意の好適で耐久性のある材料から形成することができる円筒である。こうしたロールは、当該技術分野において公知の様式で運転される。
【0125】
対向して配置されたロールの位置は、好適に変更してロール間のニップを形成することができる。ニップ内のニップ圧は、処理される1種以上の不織ウェブの特性に応じて好適に変更することができる。カレンダーロールの必要な温度についても同様であり、要求される最終特性及び結合される繊維の種類によって調節しなければならない。
【0126】
結合領域は、融着によって、少なくとも1つのロールの温度を制御することによって好適に形成される。少なくとも1つのロールの外表面の温度は、ロールを加熱又は冷却することによって調節することができる。加熱及び冷却は、処理されるウェブの機能、及びそれぞれのロール間で形成されるニップを通過する単一又は多数のウェブの結合度に影響を与え得る。
【0127】
使用されるロールの1つは、複数の不連続なオープニング、アパーチャ又はホールを画定する、ランド領域の連続パターンを含む結合パターンを、その最外表面に含有する。1つ以上のロールの各オープニングは、不織布又は不織ウェブの少なくとも1つの面に不連続な非結合領域を形成する。他のロールは、他のロールよりはるかに平滑である外表面を好適に有する。好ましくは他のロールの外表面は、平滑又は平らである。それぞれのロールの回転速度は、実質的に同一である。
【0128】
本発明は、本発明による不織布を含む物品にも関する。
【0129】
本発明による不織布を含み得る好適な物品としては、感染対策製品及びパーソナルケア製品が挙げられる。
【0130】
感染対策製品の好適な例としては、外科手術のガウン及びドレープ、フェイスマスク、外科手術のキャップ及び他のヘッドカバー、靴及びブーツのカバー、創傷被覆材、包帯、減菌ラップ並びにワイパーが挙げられる。
【0131】
パーソナルケア製品の好適な例としては、衛生物品、失禁物品、おむつ、生理用ナプキン、ワイプ及び女性ケア物品が挙げられる。
【0132】
好ましくは、本弾性不織布は、おむつ又は衛生物品などのパーソナルケア製品のウエストバンド、サイドパネル及び/又はレッグカフとして使用される。
【0133】
本発明による物品は、別のスパンボンド不織ウェブ、メルトブローン不織ウェブ及び/又はステープル繊維のカード不織ウェブに結合された、本発明による弾性不織布を含むラミネートでも、好適にあり得る。
【0134】
その結果、本発明は、複数の繊維から作られた不織ウェブを含む弾性不織布を含むラミネートであって、前記繊維が、各々が第1の成分及び第2の成分を含む2成分繊維であり、第1の成分が80~95重量%の範囲の量で存在し、第2の成分が5~20重量%の範囲の量で存在し、両重量が各繊維の全重量に対するものであり;第1の成分がエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、第2の成分が、0.90~0.95g/cmの範囲の密度(ASTM D792により決定)を有する低密度ポリエチレンを含み;第1の成分及び第2の成分の両方が、10~40g/10分の範囲のメルトフローレート(ASTM D1238(190℃、2.16kg)により決定)を有し;不織ウェブが、個別化結合領域のパターンを備える面を含み、結合領域の表面が前記面の全表面に対して8~25%の範囲であり;不織布が、スパンボンド不織ウェブ、メルトブローン不織ウェブ及び/又はステープル繊維のカード不織ウェブに結合される、ラミネートにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0135】
図1】本発明による第1及び第2のパターンを含む結合パターンを有する、不織布の面を示す図である。個別化結合領域1の第1のパターンは、非結合領域2の第2のパターンを画定する。個別化結合領域1は円形であり、非結合領域2は六角形タイプの形状を有する。
図2】楕円形の個別化結合領域の交互パターンを有する、不織布の面を示す図である。
図3】非結合領域を画定する、ウェブの横方向に、ロッド形の個別化結合領域の交互パターンを有する、不織布の面を示す図である。
図4】菱形の個別化結合領域のパターンを有する、不織布を示す図である。
【実施例
【0136】
実施例1及び2において、芯/鞘構造を有する2成分繊維を製造するために、バイコ(bico)芯/鞘装置を有する、1メートル幅のReicofil 3スパンボンドパイロットラインを使用した。ラインは、第1の成分(芯)のための押出機A及び第2の成分(鞘)のための押出機Bを装備した。両成分は、対応する芯/鞘比でホッパーを介して押出機に供給され、230℃に加熱され、2つの別の流れとして紡糸パックへ送られた。全ラインの処理能力は、170kg/時間/mであった。
【0137】
使用する紡糸パックは、Hills芯/鞘バイコプレートを装備し、0.6mmの直径、及び1リニアメーター当たり5000ホールを有する円形紡糸ノズルからなった。芯/鞘繊維を形成する2つの組み合わされた溶融物の流れは、ノズルを出て、急冷チャンバーに入った。繊維は同時に急冷され、細いフィラメントに引っ張られ(急冷空気温度は20℃)、結果として得られるフィラメントはコンベヤーベルト上に収集され、結合パターンを伝える上部カレンダーロール及び平滑な表面を有する下部カレンダーロールを含むカレンダーに輸送され、圧力及び熱を介してフィラメントを統合した。
【0138】
表1において、本発明(実施例1)による布地と、本発明によらない布地(比較例である例2)とを比較している。
【0139】
【表1】
【0140】
CDにおける伸び及び10%伸びにおける引張強さは、DIN 53857によってZwick引張試験機にて決定し、永久歪みは、DIN 53835によってZwick引張試験機でのヒステリシス試験を介して決定した。表1から、本発明による布地(実施例1)が、本発明の範囲から外れる布地(例2)と比較して、はるかに魅力的な伸び及び復元特性を示していることは明白である。
図1
図2
図3
図4