(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】電気パルス工具
(51)【国際特許分類】
B25B 21/02 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
B25B21/02 B
(21)【出願番号】P 2020531665
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2018083980
(87)【国際公開番号】W WO2019115387
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-11-12
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】502212604
【氏名又は名称】アトラス・コプコ・インダストリアル・テクニーク・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】レンブロム ヨーアン
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-508710(JP,A)
【文献】米国特許第02061843(US,A)
【文献】実公昭45-021198(JP,Y1)
【文献】実開昭60-074962(JP,U)
【文献】特開2016-175144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B21/00-21/02
H02K7/02;7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気パルス工具(100)であって、
駆動要素(40)及び圧縮ばね(50)を包囲する円筒形状のフライホイール(20)に駆動連結された電気モータ(10)と、
前記駆動要素(40)に駆動連結された出力シャフト(30)と、を備え、前記電気パルス工具(100)が、前記フライホイール(20)を第1及び第2の方向に往復動させるように作動し、前記フライホイール(20)は、駆動要素(40)を第1方向に駆動させ前記出力シャフト(30)にトルクパルスを前記第1方向に提供するように構成され、これによって、前記駆動要素(40)が第1及び第2のカム面(21、41)を介して前記圧縮ばね(50)を圧縮し、
前記駆動要素(40)は、前記第1のカム面(21)を有する、又は、前記第1のカム面(21)に接続され、前記フライホイール(20)は、前記第2のカム面(41)を有し、又は、前記第2のカム面(41)に接続され、
前記駆動要素(40)が、前記圧縮ばね(50)が復元され
て前記駆動要素(40)を第2の方向に駆動し、前記駆動要素(40)が第2方向に回転させられたときに、前記フライホイール(20)を前記第2方向に駆動するように構成されている、
ことを特徴とする電気パルス工具(100)。
【請求項2】
前記駆動要素(40)が、第1のカム面(41)を備える、
請求項1に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項3】
前記フライホイール(20)が、第2のカム面(21)を備える、または前記第2のカム面(21)に連結されている、
請求項2に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項4】
前記第2のカム面(21)が前記フライホイール(20)の一ベース側の内側に配置されている、
請求項3に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項5】
前記第1及び前記第2のカム面(41、21)が、前記第1及び前記第2のカム面に当接するボールまたはローラ用の溝を備える、
請求項3または4に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項6】
前記圧縮ばね(50)が、少なくとも1つのディスク状ばねによって形成されている、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項7】
前記第1方向のトルクパルスが、前記第2方向のトルクパルスよりも高い値である、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項8】
前記フライホイール(20)と前記駆動要素(40)とが、前記第2方向よりも前記第1方向により高い電気モータ(10)へのねじれ抵抗を提供するように構成されている、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項9】
前記電気パルス工具が、前記第2方向の各パルスの後に、前記フライホイール(20)を前記第1方向に加速させるように更に作動する、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項10】
前記電気パルス工具(100)が、前記第2方向の各パルスの後に、前記フライホイール(20)を前記第1方向に加速させ、前記第1方向の各パルスの後に前記フライホイール(20)を前記第2方向に加速させるように、更に作動する、
請求項9に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項11】
前記出力シャフト(30)は前記駆動要素(40)
の孔に挿入され、前記駆動要素(40)は前記出力シャフト(30)の周りに位置している、
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項12】
前記
電気モータ(10)のロー
タの回転速度を測定するように構成されたセンサを更に備える、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の電気パルス工具(100)。
【請求項13】
前記フライホイール(20)は、前記フライホイール(20)と前記駆動要素(40)とが第1の相対位置にあるとき、前記駆動要素(40)を前記第1方向に駆動するように構成され、前記駆動要素(40)は、前記駆動要素(40)と前記フライホイール(20)とが第2の相対
位置にあるとき、前記フライホイール(20)を前記第2方向に駆動するように構成されている、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の電気パルス工具(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気パルス工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ボルト、ねじ、ナットを締め付けることのできる電気工具が、多くの異なる用途で使用されている。これらの用途の大部分では、クランプ力または少なくとも関連したトルクを制御することを可能にすることが望まれたり、求められている。
【0003】
電気工具、特にハンドル付き電気工具、を使用する際に遭遇する問題は、オペレータが反力を受けることである。オペレータに伝わる反力を減らす1つの方法は、パルスされた状態で電気モータを駆動する一連のエネルギーパルスを供給されるパルス電気モータを使用することである。エネルギーは、典型的には、電流パルスとして供給することができる。このようにして、オペレータが対処する必要のある反力を減らすことができる。この方法の欠点は、高い往復動である。
【0004】
反力を減らすもう1つの方法は、慣性質量を加速させ、クラッチ手段で慣性質量をワークピースに係合することである。クラッチ手段の1つのタイプは、機械的クラッチである。これらのタイプの工具は、しばしば、インパクトレンチと称される。インパクトレンチに関する1つの問題は、残念ながらクラッチの係合と係合解除が、騒音と摩耗をもたらすことである。
【0005】
インパクトレンチに関するもう1つの問題は、トルクインパクトパルスが極めて短い時間であるために、ジョイントに伝えられるトルクを制御し、測定することが不可能なことである。
【0006】
もう1つのタイプのクラッチ手段は、油圧クラッチである。これらのタイプの工具は、しばしば、パルス工具と称される。既存の機械的クラッチより、作動中は静かであるが、パルス工具は、油圧流体の損失限界に対する感度も高い。パルス工具のもう1つの問題は、パルスユニット内での高いエネルギー損失である。
【0007】
国際公開第9853960号公報は、回転可能な共振往復動体と、往復動体を回転摩擦セットワークピースに連結する二重剛体ばねとを有する共振往復動質量体ベースの工具を開示している。しかしながら、この工具に関する問題は、ばねの設計が、弾性的に湾曲されるべき4つの「フィンガ」で構成されていることである。フィンガが非常に大きく、非常に重いもので作られない場合、数千回の締め付けの後に、これらが壊れてしまうと考えられることである。この種の工具に対する要件は、故障しないで度々の250,000回以上の締め付けが可能なことである。
【0008】
電動工具の作動を改良する要望が常に存在しているので、改良された電動工具への需要が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、よりエネルギー効率的であり、容易に製造でき、機能不全の少ない改良された電気パルス工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本目的は、本開示の第1形態に従ってフライホイールに駆動連結された電気モータを備えた電気パルス工具によって達成される。電気パルス工具は、更に、駆動要素に駆動連結された出力シャフトを備える。また、電気パルス工具は、圧縮ばねも備え、それにより第1及び第2方向との間をフライホイールを往復動させるように電気パルス工具を動かす。フライホイールは、第1方向に駆動要素を駆動し、出力シャフトへトルクパルスを第1方向に提供し、それによって駆動要素が圧縮ばねを圧縮するように構成されている。駆動要素は、圧縮ばねが復元し駆動要素を第2方向に回転させたときに、第2方向のフライホイールを駆動させるように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本開示の例示の実施形態の1つの利点は、電気パルス工具が、例えば油圧パルス工具よりもかなり高いエネルギー効率を有することである。これは、数ある中の電気パルス工具が、パルスユニットに摩擦を引き起こすどのガスケットも保有せず、バウンシング動作の間、ばね内でエネルギーが再利用されるからである。
【0013】
本発明を、非限定的な例示及び添付の図面を用いて、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、例示の実施形態による電気パルス工具100を通る長手方向の断面を示す。
【
図2】
図2は、電気パルス工具100の例示の実施形態の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、電気パルス工具を説明する。図では、同一の引用番号が、いくつかの図にわたって同一の、または対応する要素を指し示す。これらの図は、単に図示を目的とし、本発明の範囲を限定するものではないことは認められるだろう。また、特定の実施のニーズを満たすため、説明された異なる実施形態の特徴を組み合わせることも可能である。
【0016】
図1は、本開示による電気パルス工具100の例示の実施形態を示す。電気パルス工具100は、スクリュージョイントのような締め具を締め付けるためにトルクを伝える締め付け動作または電気パルス工具100によって行われる回転作用を伴う同様の動作を行うように構成されている。この目的のため、電気パルス工具100は、ロータ11とステータ12とを有する電気モータ10を備える。電気パルス工具100は、第1方向及び第2方向の両方に電気モータ10を回転させることができるように作動可能である。
【0017】
電気パルス工具100は、更に、電気モータ10に駆動連結されたフライホイール20を備える。更に加えて、電気パルス工具100は、駆動要素40を備え、出力シャフトがこの駆動要素40に駆動連結されている。電気パルス工具100は、圧縮ばね50を更に備える。電気パルス工具100は、フライホイール20を第1及び第2方向の間を往復動させるように作動する。フライホイール20は、駆動要素40を第1の方向に駆動させ、出力シャフト30にトルクパルスを第1方向に提供するように構成され、これによって駆動要素40が圧縮ばね50を圧縮するように構成されている。そして、駆動要素40は、フライホイール20を第2方向に駆動させるように構成され、これによって圧縮ばね50が駆動要素40を押し出し、圧縮ばね50が復元される。
【0018】
まず、電気パルス工具100がジョイントを締め付けるとき、ロータ11のトルクは、連続運動でジョイントを止めるのに十分である。必要とされるトルクが、立ち上がり始め、ジョイントを締め続けるのに必要なトルクが、ロータ11からのトルクを超えたとき、ロータ11によって加えられたトルクは、連続運動でこれ以上ジョイントを締め続けることはできない。この段階で、電気パルス工具100は、第1及び第2方向との間でフライホイール20を往復動させるように作動する。この段階で、フライホイール20が、第1方向に駆動要素40を駆動させ、第1方向にトルクパルスを出力シャフト30に提供し、これによって駆動要素40が圧縮ばね50を圧縮する。そして、駆動要素40は、フライホイール20を第2方向に駆動させるように構成され、これによって駆動要素40が圧縮ばね50を圧縮し、圧縮ばね50が復元される。
【0019】
このようにして、ロータ11によって生じるトルクよりも高いトルクのパルスを提供する出力シャフト30のパルス作用が得られる。ジョイントは、所望のトルクがジョイントに伝えられるまでパルス出力シャフト30によって、更に締め付けられることができる。
【0020】
したがって、フライホイール20の往復動する質量体を使用して、電気モータ10の出力トルクを何回も達成することを可能にする。このプロセスでは、いくらかのエネルギーが、電気パルス工具100の往復動部分から取り除かれる。電気モータ10が、このエネルギーと付加とを反復往復動に置き換え、往復動が高まり続けるのを可能にする。所望の締め具のトルクが達成されると、電気モータ10は、フライホイール20の励起を停止する。
【0021】
締め付け動作では、電気パルス工具100は、第2方向より第1方向に高いトルクを提供するように作動する。一実施形態によれば、これは、フライホイール20と駆動要素40とが、第2方向よりも第1方向により高い電気モータ10へのねじれ抵抗を提供するように構成されることによって達成される。これは、電気パルス工具100が、第2方向よりも第1方向に、より高いトルクを出力シャフト30に提供するように作動する効果がある。
【0022】
もう1つの例示の実施形態によれば、電気パルス工具100は、電気モータ10が、第2方向と比べて第1方向により高いトルクを提供するように構成されている。電気モータ10によってもたらされるトルクの差は、即ち、ジョイントが第2方向にゆるむのを防ぐ。
【0023】
もう1つの例示の実施形態によれば、第2方向が締め付け方向の場合、電気パルス工具100は、第2の方向の各パルスの後にフライホイール20を加速させるように作動する。
【0024】
更にもう1つの例示の実施形態によれば、電気パルス工具100は、第2方向の各パルスの後、及び第1方向の各パルスの後にフライホイールを加速させるように作動する。この実施形態に関する利点は、(複数の)パルス間の時間が短縮されることである。
【0025】
本発明の例示の実施形態による利点は、低い反力と低い振動である。本開示の例示の実施形態によるもう1つの利点は、電気パルス工具100が、制御し易く、より高いトルク精度を示すことができることである。本開示の電気パルス工具100は、より小さい、より高頻度のトルクパルスで、ジョイントへトルクを加える。これらのより小さいトルクパルスは、付与されるトルクのより細かい制御を可能にし、ジョイント剛性への依存を少なくする。更なる利点は、圧縮ばね50が復元されたときに圧縮ばね50に保存されたエネルギーが駆動要素40を駆動するために使用されるため、高エネルギー効率であることである。油圧パルス工具と比較して、本開示による電気パルス工具は、本開示による電気パルス工具の摩擦損失が少ないことから、はるかにエネルギー効率が良い。
【0026】
電気パルス工具100の例示の実施形態の分解図を開示した
図2を参照する。
図2に示すように、フライホイール20が、円筒形状であり、第2のカム面21がフライホイール20の一ベース側の内側に配置、または連結されている。本実施形態では、円筒形状のフライホイールが、駆動要素40と圧縮ばね50とを包囲している。本実施形態では、駆動要素40が、電気パルス工具100の出力シャフト30に軸方向に配置されている。
【0027】
本例示の実施形態によれば、駆動要素40は、第1のカム面41を備え、または第1のカム面41に連結されている。第1のカム面41及び第2のカム面21は、フライホイール20が、駆動要素40を駆動、そして出力シャフト30を第1方向に駆動するように構成されている。第1のカム面41及び第2のカム面21は、駆動要素40が圧縮ばね50を圧縮するように、更に構成されている。更に、第1のカム面41及び第2のカム面21は、圧縮ばね50が復元され、駆動要素40を押し出すとき、駆動要素40がフライホイール20を第2方向の出力シャフト30に駆動させるように構成されている。
【0028】
電気パルス工具100のもう1つの例示の実施形態では、第1のカム面41及び第2のカム面21は、第1のカム面41及び第2のカム面21に当接するボールまたはローラ用の溝を備える。グローブは、第2方向よりも第1の方向により急峻な傾斜を有することができる。これは、第2方向のトルクを、次いで第1方向よりも低くするように設計することができ、これによりジョイントが緩まないように作用するため有利である。
【0029】
傾斜した溝の端部では、ボールが駆動要素40を押し、フライホイール20を離し、これにより圧縮ばね50を圧縮する。
【0030】
一実施形態によれば、フライホイール20は、フライホイール20と駆動要素40とが第1の相対位置にあるとき、駆動要素40を、そして出力シャフト30を第1の方向に駆動するように構成されている。同時に、圧縮ばね50が圧縮され、いくらかのエネルギーを保存する。本実施形態では、フライホイール20と駆動要素40とが第2の相対位置にあるとき、駆動要素40は、フライホイール20を、そして出力シャフト30を第2方向に駆動するように構成されている。
【0031】
一実施形態では、第1のカム面41及び第2のカム面21は、フライホイール20と駆動要素40とが第1の相対位置にあるとき、フライホイール20が、駆動要素40、そして出力シャフト30を第1方向に駆動するように構成されている。同時に、圧縮ばね50が圧縮され、幾らかのエネルギーが保存される。そして、駆動要素40とフライホイール20とが第2の相対位置にあるとき、駆動要素40が、フライホイール20を、そして出力シャフト30を第2方向に駆動する。
【0032】
一実施形態によれば、圧縮ばね50は、少なくとも1つのディスク状ばね、波状ばね、またはコイル状のばねによって形成される。一実施形態によれば、電気パルス工具100は、ロータの回転速度を測定するように構成された更なるセンサを備える。更なるもう1つの実施形態では、電気パルス工具100は、電気パルス工具100によって行われる作動に関する1つまたは2つ以上のパラメータを監視するためのセンサを更に備える。このようなパラメータは、典型的には、伝えられたトルクパルスなどである。センサは、例えば、1つまたは2つ以上のトルクセンサ、角度センサ、加速度計、ジャイロセンサなどがよい。
【0033】
電気パルス工具100は、図示した実施形態では、ピストル型であるハンドル22を更に備える。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されず、電気パルス工具100のあらゆるタイプに適用され、
図1の設計に限定されない。電源24は、電気モータ10に連結されている。図示された実施形態では、電源24は、電気パルス工具100のハンドルの下方部分に配置することのできるバッテリーである。電力を電気ケーブルを介して電気パルス工具100に供給する外部電源のような他のタイプの電源も想定される。電気パルス工具100は、電気モータ10の動力を制御するために、オペレータによって操作されるように構成されたトリガー23も備えることができる。
【0034】
電気パルス工具100は、更に、電気モータ11を制御するように構成されたプロセッサ16を備える。電気パルス工具10は、更に、プロセッサ16によって実行可能なインストラクションを保有するメモリ26を備える。プロセッサ16は、中央処理装置、CPU、デジタル信号処理装置、またはコンピュータプログラムコードを実行することのできる他の適当なタイプのプロセッサである。メモリ26は、ランダムアクセスメモリ、RAM、リードオンリーメモリ、ROM、または、磁気メモリ、光学的メモリ、またはソリッドステートメモリの、あるいは外部メモリの単体または組合せのような永続的ストレージである。
【0035】
本開示は、電気パルス工具100で実行されたとき、電気パルス工具10にフライホイール20を第1方向と第2方向との間で往復動させるコンピュータプログラムをコンピュータ可読記憶媒体に記憶させたコンピュータ可読記憶媒体にも関する。コンピュータプログラムは、電気パルス工具100内で動かされたとき、更に、本開示で説明された他の例示の説明された実施形態に従って電気パルス工具10を動かすことになる。
【0036】
例示の一実施形態によれば、上述のコンピュータプログラムコードは、電気パルス工具100のプロセッサ16で実行されたとき、電気パルス工具10にフライホイール20を第1と第2方向との間で往復動させ、電気パルス工具10が、本開示で説明した他の例示の説明された実施形態に従って作動させられる。
【0037】
したがって、例示の一実施形態によれば、電気パルス工具100は、プロセッサ16と、プロセッサ16によって実行可能なインストラクションを保有するメモリとを備え、これにより、電気パルス工具10が、フライホイール20を第1と第2方向との間で往復動させるように作動し、電気パルス工具10は、本開示で説明した他の例示の説明された実施形態に従って作動する。
【0038】
一実施形態によれば、本明細書中で説明した電気パルス工具100のトルク測定は、回転速度、特にロータ11の第2方向(即ち、締め付ける方向と反対の方向)の最大回転速度の計測によって得ることができる。換言すれば、第2方向の回転速度は、特定の電気パルス工具100の特定のトルクに対応する。このことは、本明細書中で説明した電気パルス工具100のバウンシング性能のためジョイントを締め付けたときに、第2方向の回転速度が、ジョイントに導入されたトルクの良好な測定を提供するので、電気パルス工具100を使用して可能になる。