(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】気化可能な配合物
(51)【国際特許分類】
A24B 15/167 20200101AFI20230410BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230410BHJP
【FI】
A24B15/167
A24F40/10
(21)【出願番号】P 2020556897
(86)(22)【出願日】2019-05-03
(86)【国際出願番号】 GB2019051244
(87)【国際公開番号】W WO2019211629
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-11-10
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マティ, クラウス
(72)【発明者】
【氏名】モントセラット サンチェス ペナ, マリア
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106962971(CN,A)
【文献】国際公開第2017/103136(WO,A1)
【文献】特開2018-052892(JP,A)
【文献】特開2017-036298(JP,A)
【文献】特開2009-148233(JP,A)
【文献】特表2015-513393(JP,A)
【文献】特表2010-513657(JP,A)
【文献】特許第6061900(JP,B2)
【文献】国際公開第2016/174137(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0144544(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027454(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/167
A24F 40/00-40/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子蒸気供給システムのための気化可能な配合物であって、
(i)1種又は複数の溶媒と、
(ii)大気圧において
230℃~500℃の範囲内の温度で揮発する、前記気化可能な配合物の重量に基づいて
0.1~1wt%未満の冷却剤と
を含む、気化可能な配合物であって、
前記冷却剤が、N,2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミド、
(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル-p-メンタンカルボキサミド、(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、及び3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオールからなる群から選択される、気化可能な配合物。
【請求項2】
前記気化可能な配合物の重量に基づいて
0.1~0.9wt%の前記冷却剤を含む、請求項1に記載の気化可能な配合物。
【請求項3】
前記気化可能な配合物の重量に基づいて
0.1~0.75wt%の前記冷却剤を含む、請求項2に記載の気化可能な配合物。
【請求項4】
前記気化可能な配合物の重量に基づいて
0.1~0.5wt%の前記冷却剤を含む、請求項3に記載の気化可能な配合物。
【請求項5】
前記冷却剤が、25℃でメンソールの蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の気化可能な配合物。
【請求項6】
前記冷却剤が、25℃で0.008mmHgよりも低い蒸気圧を有する、請求項
5に記載の気化可能な配合物。
【請求項7】
前記冷却剤が、
(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル-p-メンタンカルボキサミド、(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、及び3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオールからなる群から選択される、請求項1~
6のいずれか一項に記載の気化可能な配合物。
【請求項8】
前記冷却剤がN,2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミドである、請求項1~
6のいずれか一項に記載の気化可能な配合物。
【請求項9】
電子蒸気供給システムのための気化可能な配合物であって、
(i)1種又は複数の溶媒と、
(ii)大気圧において
230℃~500℃の範囲内の温度で揮発する、前記気化可能な配合物の重量に基づいて0.001~12wt%未満の冷却剤と
を含む、気化可能な配合物であって、
前記冷却剤が、
エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル-p-メンタンカルボキサミド、(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、及び3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオールからなる群から選択される、気化可能な配合物。
【請求項10】
前記気化可能な配合物の重量に基づいて0.001~11wt%の前記冷却剤を含む、請求項
9に記載の気化可能な配合物。
【請求項11】
前記気化可能な配合物の重量に基づいて0.005~10wt%の前記冷却剤を含む、請求項
10に記載の気化可能な配合物。
【請求項12】
前記1種又は複数の溶媒が、水、グリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物から選択される、請求項1~
11のいずれか一項に記載の気化可能な配合物。
【請求項13】
前記1種又は複数の溶媒が、グリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物から選択される、請求項1~
11のいずれか一項に記載の気化可能な配合物。
【請求項14】
活性剤をさらに含む、請求項1~
13のいずれか一項に記載の気化可能な配合物。
【請求項15】
前記活性剤がニコチンである、請求項
14に記載の気化可能な配合物。
【請求項16】
(a)請求項1~
15のいずれか一項に定義された気化可能な配合物を用意するステップと、
(b)前記気化可能な配合物を気化させるステップと
を含む、蒸気を生成する方法。
【請求項17】
(a)容器と、
(b)請求項1~
15のいずれか一項に定義された気化可能な配合物と
を含む、収容された気化可能な配合物。
【請求項18】
電子蒸気供給システムであって、
(a)前記電子蒸気供給システムの使用者による吸入のための液体を気化させる気化器と、
(b)前記気化器に電力を供給する電池又はバッテリーを備える電源と
を備え、
(c)請求項1~
15のいずれか一項に定義された気化可能な配合物
を含む電子蒸気供給システム。
【請求項19】
電子蒸気供給システムのための気化可能な配合物の貯蔵寿命を延ばすために使用するための冷却剤であって、前記冷却剤が大気圧において
230℃~500℃の範囲内の温度で揮発する、冷却剤。
【請求項20】
前記気化可能な配合物が、請求項1~
15のいずれか一項に定義された気化可能な配合物である、請求項
19に記載の冷却剤。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本開示は、気化可能な配合物、気化可能な配合物が収容されている容器、及び前記気化可能な配合物を組み込んでいる電子蒸気送達システム(例えばeシガレット)などの電子蒸気供給システムに関する。
【発明の背景】
【0002】
eシガレットなどの電子蒸気供給システムは、ニコチンを典型的に含む気化される液体のリザーバを一般に含む。使用者がデバイスで吸入すると、ヒーターが作動して少量の液体を気化させ、したがって気化した液体が使用者により吸入される。eシガレット用の液体は、感覚経験を使用者に与えるメンソールなどの香料成分を含むこともある。ある状況においては、この液体は、ニコチンを含まずに香料成分を含むことがある。
【0003】
しかし、メンソールは極めて揮発性が高く、熱の存在下で容易に気化する。この高い揮発性は、香料品質及び顧客満足度の低下をもたらす可能性があるため、現在のeシガレットデバイスに問題を引き起こす。メンソールの揮発性は、eシガレットデバイス内又はeシガレットデバイス用の液体の貯蔵寿命にとって有害でもある。
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴において、気化可能な配合物であって、(i)1種又は複数の溶媒と、(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する、気化可能な配合物の重量に基づいて約1wt%未満の冷却剤とを含む、気化可能な配合物が提供される。
【0005】
第2の特徴において、気化可能な配合物であって、(i)1種又は複数の溶媒と、(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発し、式(I):
【化1】
(式中、Xは、水素又はOR’であり、R’は、R
1と一緒になって3~5員ヘテロシクリル基を形成してもよいアルキル基又はアルケニル基であり、ヘテロシクリル基は、OH、O-アルキル、アルキル-OH、アルキル-O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2及びCNから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており、R
1及びR
2は、水素、OH、OR
a、C(O)NR
bR
c及びC(O)OR
bR
cからそれぞれ独立に選択されており、ただしR
1がOHである場合、式(I)の化合物はメンソールではなく、二重結合が存在する場合、R
2は存在せず、
R
aは、アルキル基、アルケニル基、C(O)R
f基、又はC(O)-アルキル-C(O)R
f基であり、アルキル基及びアルケニル基は、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2及びCNから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており、R
fは、アルキル基、アルケニル基、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル又はN-(アルキル)
2であり、アルキル基及びアルケニル基は、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2及びCNから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており、
R
b及びR
cは、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、又はヘテロアラルキル基であり、アルキル基、アルケニル基、アリール基及びヘテロアリール基は、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2、CN及びC(O)R
fから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されている)
の化合物、又はその塩及び/若しくは溶媒和物である、気化可能な配合物の重量に基づいて約12wt%未満の、好ましくは約10wt%以下の冷却剤とを含む、気化可能な配合物が提供される。
【0006】
特に指定のない限り、以下の詳細な説明は、本発明の第1の特徴及び第2の特徴の両方に当てはまる。
【0007】
本発明は、(a)本明細書に定義された気化可能な配合物を用意するステップと、(b)気化可能な配合物を気化させるステップとを含む、蒸気を生成するプロセスをさらに提供する。
【0008】
本発明は、(a)容器と、(b)本明細書に定義された気化可能な配合物とを含む、収容された気化可能な配合物をさらに提供する。
【0009】
本発明は、電子蒸気供給システムであって、(a)電子蒸気供給システムの使用者による吸入のための液体を気化させる気化器と、(b)気化器に電力を供給する電池又はバッテリーを備える電源とを備え、(c)本明細書に定義された気化可能な配合物を含む電子蒸気供給システムをさらに提供する。
【0010】
本発明は、気化可能な配合物の貯蔵寿命を延ばす冷却剤の使用であって、冷却剤が大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する、使用をさらに提供する。
【詳細な説明】
【0011】
本明細書で論じるように、本発明は、(i)1種又は複数の溶媒と、(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する、気化可能な配合物の重量に基づいて約1wt%未満の冷却剤、或いは大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発し、上記及び本明細書に定義された式(I)の化合物又はその塩及び/若しくは溶媒和物である、気化可能な配合物の重量に基づいて約12wt%未満の冷却剤のいずれかとを含む気化可能な配合物を提供する。
【0012】
知覚的化合物、特に冷却剤の使用は、食品及び医薬品産業において十分に記述されている。冷却剤は、典型的には、口腔、鼻腔及び/又は皮膚と接触したときに使用者に冷却感を送達するメンソールのような有機小分子である。この冷却感は、化学的感覚的感覚のカテゴリーに入り、有機小分子が皮膚内及び/又は粘膜内の特定の受容体を活性化するため生じる。したがって、冷却感の経験は、使用者の化学的感覚に依拠する。化学的感覚は、三叉神経により媒介され、嗅覚及び味覚と区別する体性感覚系の要素である感覚を典型的に指すため、当技術分野では「共通化学感覚」又は三叉神経の化学感覚とも呼ばれる。
【0013】
メンソールは、広く使用される冷却剤である。メンソールは、例えば、冷却効果を与えるためにマウスウォッシュ及び局所鎮痛クリームにおいて使用される。この冷却効果は、メンソールにより化学的に誘発される、口腔内、鼻腔内及び/又は皮膚内の使用者の低温感受性TRPM8受容体に起因すると考えられる。メンソールがタバコ添加剤として使用されているとき、同様の効果が見られる。メンソールは、使用者により吸入されたときにハッカのような匂い及び風味を与える。
【0014】
しかし、メンソールは、より高い濃度で使用されたとき呼吸刺激を引き起こす可能性があり、苦味及び灼熱感を伴うため、eシガレットデバイス用の液体に含まれるとき問題となる。メンソールは、極めて揮発性が高い化合物でもある。メンソールは、室温で高い蒸気圧を有し、大気圧において低い沸点を有する。25℃で、例えば、メンソールは、およそ7.67×10-3mm Hg(およそ1.02Pa)の蒸気圧を有する。大気圧(760mmHg又は101325Pa)において、メンソールは、212℃の沸点を有する。この揮発性は、メンソールのハッカのような匂いを生じるが、メンソールを含む液体の貯蔵安定性にとって有害である。特に、メンソールは、典型的な貯蔵条件下で、例えば使用者によりeリキッドカートリッジに加えられる周囲圧力下及び周囲温度下で容易に揮発するため、液体の貯蔵寿命は、メンソールの存在により著しく短縮される。
【0015】
本発明者らは、メンソールよりも大気圧において低揮発性であり、任意選択で式(I)の化合物又はその塩及び/若しくは溶媒和物である冷却剤を組み込むことにより、改善された貯蔵安定性を有し、したがってメンソールを含む気化可能な配合物と比べてより長い貯蔵寿命を有する気化可能な配合物を提供することができることを見出した。本明細書に記載された冷却剤はさらに、気化可能な配合物から使用者により蒸気が生成されたとき冷却感を送達し、メンソールと比べて異なる感覚利益を導入することが示された。
参照を容易にするため、ここで適切なセクション見出しの下、本発明のこれらの態様及びさらなる態様を論じる。しかし、各セクションの教示は、各特定のセクションに必ずしも限定されない。
【0016】
冷却剤
【0017】
本明細書で論じるように、本発明の第1の特徴の気化可能な配合物は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1wt%未満の量の冷却剤を含む。「未満」という用語により、1wt%よりも少ないがゼロを含まない任意の量を意味する。言い換えれば、気化可能な配合物は、ある量の冷却剤を含んでいなければならない。
【0018】
一態様において、冷却剤は、約0.9wt%を超えない量で存在する。
【0019】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.002wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.003wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.004wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.006wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.007wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.008wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.009wt%~約0.9wt%の量で存在する。
【0020】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.02wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.03wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.04wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて0.06wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.07wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.08wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.09wt%~約0.9wt%の量で存在する。
【0021】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.2wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.3wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4wt%~約0.9wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.5wt%~約0.9wt%の量で存在する。
【0022】
別の態様において、冷却剤は、約0.8wt%を超えない量で存在する。
【0023】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.002wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.003wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.004wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.006wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.007wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.008wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.009wt%~約0.8wt%の量で存在する。
【0024】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.02wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.03wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.04wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.06wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.07wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.08wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.09wt%~約0.8wt%の量で存在する。
【0025】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.2wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.3wt%~約0.8wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4wt%~約0.8wt%の量で存在する。
【0026】
別の態様において、冷却剤は、約0.75wt%を超えない量で存在する。
【0027】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.002wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.003wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.004wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.006wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.007wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.008wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.009wt%~約0.75wt%の量で存在する。
【0028】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.02wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.03wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.04wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.06wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.07wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.08wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.09wt%~約0.75wt%の量で存在する。
【0029】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.2wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.3wt%~約0.75wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4wt%~約0.75wt%の量で存在する。
【0030】
一態様において、冷却剤は、約0.5wt%を超えない量で存在する。
【0031】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.002wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.003wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.004wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.006wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.007wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.008wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.009wt%~約0.5wt%の量で存在する。
【0032】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.02wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.03wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.04wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.06wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.07wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.08wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.09wt%~約0.5wt%の量で存在する。
【0033】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.2wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.3wt%~約0.5wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4wt%~約0.5wt%の量で存在する。
【0034】
別の態様において、冷却剤は、約0.3wt%を超えない量で存在する。
【0035】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.002wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.003wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.004wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.006wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.007wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.008wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.009wt%~約0.3wt%の量で存在する。
【0036】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.02wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.03wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.04wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.06wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.07wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.08wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.09wt%~約0.3wt%の量で存在する。
【0037】
一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約0.3wt%の量で存在する。一態様において、冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.2wt%~約0.3wt%の量で存在する。
【0038】
本明細書に記載された気化可能な配合物は、1種を超える冷却剤を含むことができることが当業者に理解されるであろう。配合物が、1種を超える冷却剤を含むとき、各冷却剤が約1wt%未満の量で含まれるように、各冷却剤を、上記で定義された量で含めることができる。例えば、第1の冷却剤が、気化可能な配合物の重量に基づいて約0.001wt%~0.9wt%の量で含まれていてもよく、第2の冷却剤が、気化可能な配合物の重量に基づいて約0.001wt%~0.9wt%の量で含まれていてもよい。或いは第2の冷却剤が、気化可能な配合物の重量に基づいて約0.05wt%~0.9wt%の量で含まれていてもよい。これらの範囲の組合せは純粋に例示目的であり、気化可能な配合物は、この点に関して限定されないと理解される。
【0039】
本発明の第2の特徴において、冷却剤は、式(I)の化合物又はその塩及び/若しくは溶媒和物と定義され、気化可能な配合物は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約12wt%未満の量の前記冷却剤を含む。「未満」という用語は、第1の特徴における意味と同じ意味を有する。以下の開示は第2の特徴に関する。
【0040】
一態様において、第2の特徴の前記冷却剤は、約11wt%を超えない量で存在する。
【0041】
一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約11wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約11wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約11wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約11wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約11wt%の量で存在する。
【0042】
別の態様において、前記冷却剤は、約10wt%を超えない量で存在する。
【0043】
一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約10wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約10wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約10wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約10wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約10wt%の量で存在する。
【0044】
別の態様において、前記冷却剤は、約8wt%を超えない量で存在する。
【0045】
一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約8wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約8wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約8wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約8wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約8wt%の量で存在する。
【0046】
別の態様において、前記冷却剤は、約5wt%を超えない量で存在する。
【0047】
一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約5wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約5wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約5wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約5wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約5wt%の量で存在する。
【0048】
別の態様において、前記冷却剤は、約3wt%を超えない、例えば約2.5wt%の量で存在する。
【0049】
一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.001wt%~約3wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.005wt%~約3wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.01wt%~約3wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.05wt%~約3wt%の量で存在する。一態様において、前記冷却剤は、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.1wt%~約3wt%の量で存在する。
【0050】
第1の特徴に関して、第2の特徴について本明細書に記載された気化可能な配合物は、1種を超える冷却剤を含むことができることが当業者に理解されるであろう。配合物が、1種を超える冷却剤を含むとき、各冷却剤が約12wt%未満の量で含まれるように、各冷却剤を、上記で定義された量で含めることができる。或いは、1種の冷却剤が、本発明の第2の特徴に従って約12wt%未満の量で含まれていることもあり、第2の冷却剤が、本発明の第1の特徴に従って約1wt%未満の量で含まれていることもある。これらの範囲の組合せは純粋に例示目的であり、気化可能な配合物は、この点に関して限定されないと理解される。
【0051】
第1の特徴及び第2の特徴の両方において、冷却剤は、大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する化合物である。「冷却剤」という用語により、蒸気として吸入されたときに使用者に冷却感又は清涼感を送達する化合物を意味する。
【0052】
「揮発する」という用語により、液体状態から気体状態への化合物の物理的変化を意味する。「揮発する」という用語は、「気化する」と交換可能に使用することができる。化合物の気化又は揮発は、液相から蒸気への相転移であり、2つのタイプ:蒸発及び沸騰が存在する。蒸発が表面現象であるのに対し、沸騰はバルク現象である。
【0053】
沸騰は、液体の表面下の蒸気泡としての蒸気の生成であり、化合物の平衡蒸気圧が環境圧以上であると起こる。沸騰が起こる温度は沸騰温度、すなわち沸点である。蒸発は、化合物の蒸気の分圧が平衡蒸気圧未満であると起こるため、所与の圧力において沸騰温度を下回る温度で起こる。
【0054】
本説明の文脈における「揮発する」という用語は蒸発又は沸騰を指す。したがって「大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する」という表現は、大気圧において冷却剤が、蒸発によるものか沸騰によるものかを問わず、メンソールよりも高い温度で蒸気に移行することを意味する。
【0055】
「大気圧」という用語により、760mmHgと等しい101325Paを意味する。
【0056】
一態様において、冷却剤は、大気圧において212℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において220℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において230℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において250℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において300℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において350℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において375℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において400℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において450℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において460℃を上回る沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において212℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において220℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において230℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において250℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において300℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において350℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において375℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において400℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において450℃を上回る温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において460℃を上回る温度で揮発する。
【0057】
一態様において、冷却剤は、大気圧において約230℃~約500℃の範囲内の沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約250℃~約500℃の範囲内の沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約300℃~約500℃の範囲内の沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約340℃~約500℃の範囲内の沸点を有する。
【0058】
一態様において、冷却剤は、大気圧において約230℃~約465℃の範囲内の沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約250℃~約465℃の範囲内の沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約300℃~約465℃の範囲内の沸点を有する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約340℃~約465℃の範囲内の沸点を有する。
【0059】
一態様において、冷却剤は、大気圧において約230℃~約500℃の範囲内の温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約250℃~約500℃の範囲内の温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約300℃~約500℃の範囲内の温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約340℃~約500℃の範囲内の温度で揮発する。
【0060】
一態様において、冷却剤は、大気圧において約230℃~約465℃の範囲内の温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約250℃~約465℃の範囲内の温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約300℃~約465℃の範囲内の温度で揮発する。一態様において、冷却剤は、大気圧において約340℃~約465℃の範囲内の温度で揮発する。
【0061】
化合物が液体から蒸気へと変わる温度は、当技術分野において公知の技法を用いて当業者により容易に決定することができる。周知の方法は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)によりhttp://www.fao.org/docrep/009/a0691e/a0691e00.htmに記載されているものなどの蒸留である。この方法は、初留点を決定するための蒸留温度計の使用に依拠する。大気圧において蒸留が行われない場合は、観察された温度を、それぞれ2.7mmの差異に対して0.1°と見込んで補正すべきである。
【0062】
一態様において、冷却剤は、室温でメンソールよりも低い蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃でメンソールよりも低い蒸気圧、例えば7.67×10-3mm Hg(1.02Pa又は102mPa)を下回る蒸気圧を有する。
【0063】
蒸気圧は、平衡蒸気圧としても公知であり、閉鎖系において所与の温度で蒸気の凝縮相(固体又は液体)と熱力学的平衡にある蒸気により加えられる圧力と定義される。蒸気圧は、液体(又は固体)から逃げる粒子の傾向に関係があるため、液体の蒸発速度の指標である。メンソールなど、常温で高い蒸気圧を有する物質は揮発性と呼ばれる。
【0064】
当分野で公知のように、蒸気圧はアイソテニスコープにより測定される。このデバイスは、沈められたマノメーター、及び蒸気圧が測定される物質を保持する容器からなる。マノメーターが沈められた液体は、必要な温度まで、本明細書では25℃まで加熱され、マノメーターの開放端は、圧力測定デバイスに接続される。系の圧力を調整し、サンプルを精製するために真空ポンプが使用される。
【0065】
一態様において、冷却剤は、25℃で50mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で25mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で15mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で10mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で5mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で1mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.5mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.1mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.05mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.01mPaを下回る蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.005mPaを下回る蒸気圧を有する。
【0066】
一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~15mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~12mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~10mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~8mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~5mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~3mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~1mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~0.5mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~0.1mPaの範囲内の蒸気圧を有する。一態様において、冷却剤は、25℃で0.001mPa~0.003mPaの範囲内の蒸気圧を有する。
【0067】
一態様において、冷却剤は、式(I):
【化2】
(式中、Xは、水素又はOR’であり、R’は、R
1と一緒になって3~5員ヘテロシクリル基を形成してもよいアルキル基又はアルケニル基であり、ヘテロシクリル基は、OH、O-アルキル、アルキル-OH、アルキル-O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2及びCNから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており、R
1及びR
2は、水素、OH、OR
a、C(O)NR
bR
c及びC(O)OR
bR
cからそれぞれ独立に選択されており、ただしR
1がOHである場合、式(I)の化合物はメンソールではなく、二重結合が存在する場合、R
2は存在せず、
R
aは、アルキル基、アルケニル基、C(O)R
f基、又はC(O)-アルキル-C(O)R
f基であり、アルキル基及びアルケニル基は、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2及びCNから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており、R
fは、アルキル基、アルケニル基、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル又はN-(アルキル)
2であり、アルキル基及びアルケニル基は、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2及びCNから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており、
R
b及びR
cは、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、又はヘテロアラルキル基であり、アルキル基、アルケニル基、アリール基及びヘテロアリール基は、OH、O-アルキル、NH
2、NH-アルキル、N-(アルキル)
2、NO
2、CN及びC(O)R
fから選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されている)
の化合物又はその塩及び/若しくは溶媒和物である。
【0068】
一態様において、Xは水素である。
【0069】
一態様において、XはOR’(式中、R’は、R1と一緒になって3~5員ヘテロシクリル基を形成するアルキル基又はアルケニル基であり、ヘテロシクリル基は、OH、O-アルキル又はアルキル-OHで任意選択で置換されている)である。一態様において、XはOR’(式中、R’は、R1と一緒になって4員又は5員ヘテロシクリル基を形成するアルキル基であり、ヘテロシクリル基は、アルキル-OHで任意選択で置換されている)である。一態様において、XはOR’(式中、R’は、R1と一緒になって4員又は5員ヘテロシクリル基を形成するアルキル基であり、ヘテロシクリル基は、アルキル-OHで任意選択で置換されている)であり、R1はORa(式中、Raはアルキル基である)であり、R2は存在しないか、又は水素である。
【0070】
一態様において、R1は、OH、ORa及びC(O)NRbRcから選択され、R2は、存在しないか、又はOH及びORaから選択される。一態様において、式(I)の化合物がメンソールではないという条件でR1はOHである。一態様において、R1はOHであり、R2は、OH及びORaから選択される。
【0071】
一態様において、Xは水素であり、R1は、OH、ORa及びC(O)NRbRcから選択され、ただし、R1がOHである場合、式(I)の化合物はメンソールではない。R2は、存在しないか、又はOH及びORaから選択される。一態様において、Xは水素であり、R1は、ORa及びC(O)NRbRcから選択され、R2は、存在しないか、又はOH及びORaから選択される。
【0072】
一態様において、R1はORaであり、Raは、1個又は複数のOH置換基で置換されたアルキル基である。R2は水素であってもよい。
【0073】
一態様において、R1はORaであり、RaはC(O)Rf基、又はC(O)-アルキル-C(O)Rf基(式中、Rfは、1個又は複数のOH置換基で任意選択で置換されたアルキル基であり、又はRfはOHである)である。R2は水素であってもよい。
【0074】
一態様において、R1はC(O)NRbRc(式中、Rb及びRcは、それぞれ独立に水素、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、又はヘテロアラルキル基である)である。一態様において、R1はC(O)NRbRcであり、Rb及びRcのうちの少なくとも1つは水素である。R2は水素であってもよい。
【0075】
一態様において、R1はC(O)NRbRc(式中、Rbは水素であり、Rcは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロアラルキル基からなる群から選択される)である。R2は水素であってもよい。
【0076】
本明細書において使用されるとき、「アルキル」という用語は、置換(モノ-又はポリ-)されていても、置換されていなくてもよい飽和直鎖アルキル基及び分岐アルキル基の両方を含む。一態様において、アルキル基はC1-10アルキル基である。一態様において、アルキル基はC1-8アルキル基である。一態様において、アルキル基はC1-6アルキル基である。一態様において、アルキル基はC1-3アルキル基である。一態様において、アルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル及びヘキシルを含む。一態様において、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルを含む。
【0077】
本明細書において使用されるとき、「アルケニル」という用語は、置換(モノ-又はポリ-)されていても、置換されていなくてもよい不飽和直鎖アルケニル基及び不飽和分岐アルケニル基の両方を含む。一態様において、アルケニル基はC2-10アルケニル基である。一態様において、アルケニル基はC2-8アルケニル基である。一態様において、アルケニル基はC2-6アルケニル基である。一態様において、アルケニル基はC2-3アルケニル基である。
【0078】
本明細書において使用されるとき、「アリール」という用語は、置換(モノ-又はポリ-)されていても、置換されていなくてもよいC6-12芳香族基を指す。典型例は、フェニル及びナフチルなどを含む。一態様において、アリール基はフェニルである。
【0079】
「アラルキル」という用語は、上述のアルキル及びアリールという用語の結合として使用される。例えば、アリール基は、二官能アルキレン架橋(-CH2-)n(式中、nは1~10である)を介して式(I)の化合物に結合されていてもよく、「アリール」は上記で定義された通りである。或いはアルキル基は、二官能アリール架橋、例えばフェニルを介して式(I)の化合物に結合されていてもよく、「アルキル」は上記で定義された通りである。一態様において、「アラルキル」という用語は、フェニルが式(I)の化合物に結合されているフェニル-アルキル基を指す。
【0080】
本明細書において使用されるとき、「ヘテロアリール」という用語は、環内に1個又は複数の酸素、窒素及び硫黄ヘテロ原子を有する、1~12個の炭素原子の一価の芳香族基を指す。一態様において、環内に1~4個の酸素、窒素及び/又は硫黄ヘテロ原子が存在する。一態様において、環内に1~3個の酸素、窒素及び/又は硫黄ヘテロ原子が存在する。一態様において、環内に2個の酸素及び/又は窒素ヘテロ原子が存在する。一態様において、環内に1個の酸素又は窒素ヘテロ原子が存在する。窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意選択で酸化されてもよい。このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジル又はフリル)又は縮合多環を有することができる。ただし、結合点はヘテロアリール環原子を介するものとする。
【0081】
一態様において、ヘテロアリールは、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フラニル、チオフェニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリルベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択される。ヘテロアリール環は置換されていなくても、置換されていてもよい。一態様において、ヘテロアリールは、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル及びピロリルからなる群から選択される。一態様において、ヘテロアリールはピリジルである。
【0082】
本明細書において使用されるとき、「ヘテロシクリル」という用語は、環内に1個若しくは複数の酸素、硫黄又は窒素ヘテロ原子を有する完全飽和又は不飽和の単環式基を指す。一態様において、ヘテロシクリルは、環内に1~3個のヘテロ原子を有する。一態様において、ヘテロシクリルは、環内に1~3個の酸素及び/又は窒素ヘテロ原子を有する。一態様において、ヘテロシクリルは、環内に1~3個の酸素ヘテロ原子を有する。窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意選択で酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されてもよい。複素環式基は置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0083】
例示的な単環式複素環式基は、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキシラニル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3-ジオキソラン及びテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、トリアゾリル、並びにトリアジニルを含むが、これらに限定されない。
【0084】
一態様において、ヘテロシクリルは、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、及び1,3-ジオキソランからなる群から選択される。一態様において、ヘテロシクリルは1,3-ジオキソランである。
【0085】
すべての態様は、適切な場合には、式(I)の化合物のすべての鏡像異性体及び互変異性体を含む。光学特性(1個又は複数のキラル炭素原子)又は互変異性の特徴を持つ化合物を当業者は認識するであろう。対応する鏡像異性体及び/又は互変異性体が、当技術分野において公知の方法により単離/調製されてもよい。式(I)の化合物のいくつかは、立体異性体及び/又は幾何異性体として存在してもよく、例えば、1つ若しくは複数の不斉中心及び/又は幾何学的中心を持っていてもよく、したがって、2つ以上の立体異性形態及び/又は幾何学的形態で存在してもよい。すべての態様は、適切な場合には、それらの化合物のすべての個々の立体異性体及び幾何異性体、並びにそれらの混合物の使用を含む。特許請求の範囲において使用される用語は、これらの形態を包含する。
【0086】
式(I)の化合物の適した塩は、その適した酸付加塩又は塩基塩を含む。式(I)の化合物のこのような塩及び溶媒和物は当技術分野において公知であろう。適した酸付加塩は、カルボン酸塩(例えばギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ヘプタン酸塩、デカン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ステアリン酸塩、アクリル酸塩、カプロン酸塩、プロピオル酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、α-ヒドロキシ酪酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、サリチル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、ケイ皮酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、馬尿酸塩、フタル酸塩又はテレフタル酸塩)、ハロゲン化物塩(例えば塩化物塩、臭化物塩又はヨウ化物塩)、スルホン酸塩(例えばベンゼンスルホン酸塩、メチル-、ブロモ-又はクロロ-ベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、1-若しくは2-ナフタレンスルホン酸塩又は1,5-ナフタレンジスルホン酸塩)又は硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩又は硝酸塩を含む。
【0087】
一態様において、冷却剤は、
N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、
エチル-2-(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニルアミノ)アセテート、
N-(4-メトキシフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、
N-2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミド、
N-(2-ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、
メントン-1,2-グリセロールケタール、
乳酸メンチル、
イソプレゴール、
3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、及び
コハク酸メンチル
からなる群から選択される。
【0088】
一態様において、冷却剤は、
N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、
エチル-2-(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニルアミノ)アセテート、
N-(4-メトキシフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、
N-2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミド、
N-(2-ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、
メントン-1,2-グリセロールケタール、
乳酸メンチル、
3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、及び
コハク酸メンチル
からなる群から選択される。
【0089】
第2の特徴において、冷却剤は、
N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、
エチル-2-(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニルアミノ)アセテート、
N-(4-メトキシフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、
N-(2-ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、
メントン-1,2-グリセロールケタール、
乳酸メンチル、
イソプレゴール、
3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、及び
コハク酸メンチル
からなる群から、
又は
N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、
エチル-2-(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニルアミノ)アセテート、
N-(4-メトキシフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、
N-(2-ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、
メントン-1,2-グリセロールケタール、
乳酸メンチル、
3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、及び
コハク酸メンチル
からなる群から選択されてもよい。
【0090】
第1の特徴の一態様において、冷却剤は、
【化3】
からなる群から選択される。
【0091】
一態様において、冷却剤は、WS-23、すなわちN,2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミドではない。
【0092】
第1の特徴の一態様において、冷却剤は、WS-23、すなわちN,2-3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミドである。WS-23は、本発明の第2の特徴により包含されない。
【0093】
一態様において、冷却剤は、(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル-p-メンタンカルボキサミド、(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、(-)-イソプレゴール、3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール、及び(-)-コハク酸メンチルからなる群から選択される。
【0094】
一態様において、冷却剤は、(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル-p-メンタンカルボキサミド、(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール、及び(-)-コハク酸メンチルからなる群から選択される。
【0095】
一態様において、冷却剤は、(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル-p-メンタンカルボキサミド、(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、(-)-イソプレゴール、及び3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオールからなる群から選択される。
【0096】
一態様において、冷却剤は、(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、((1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、(-)-イソプレゴール、及び3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオールからなる群から選択される。
【0097】
一態様において、冷却剤は、(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド、エチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート、((1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド、(-)-メントン1,2-グリセロールケタール、(-)-乳酸メンチル、及び3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオールからなる群から選択される。
【0098】
一態様において、冷却剤は(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミドである。
【0099】
別の態様において、冷却剤は(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミドである。
【0100】
上記で述べたように、すべての態様は、適切な場合には、化合物のすべての鏡像異性体及び互変異性体を含む。光学特性(1個又は複数のキラル炭素原子)又は互変異性の特徴を持つ化合物を当業者は認識するであろう。対応する鏡像異性体及び/又は互変異性体が、当技術分野において公知の方法により単離/調製されてもよい。
【0101】
気化可能な配合物
【0102】
本発明の気化可能な配合物は、1種又は複数のさらなる成分を含んでもよい。これらの成分は、配合物の性質に応じて選択されてもよい。
【0103】
一態様において、配合物は、「香料」又は「香味料」をさらに含む。「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者向け製品において所望の味又は香りを作り出すために、局所調節が許す場合に配合物に加えられる材料を指す。「香料」又は「香味料」への本明細書における言及は、単成分香料及び多成分香料の両方を含む。
【0104】
一態様において、香料は、抽出物、例えばカンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは感覚受容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えばスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などのその他の添加剤からなる群から選択される。これらは、模倣原料、合成原料若しくは天然原料又はそれらのブレンドであってもよい。これらは、任意の適した形態、例えば、油、液体、又は粉末であってもよい。
【0105】
一態様において、配合物は、活性剤をさらに含む。「活性剤」により、蒸気が吸入されたときに対象に生物学的影響を与える薬剤を意味する。1種又は複数の活性剤は、ニコチン、植物性物質、及びそれらの混合物から選択されてもよい。1種又は複数の活性剤は、合成起源又は天然起源のものであってもよい。活性剤は、タバコ科の植物などの植物性物質からの抽出物であり得る。
【0106】
例の活性剤はニコチンである。
【0107】
したがって、一態様において、本発明は、
(i)1種又は複数の溶媒と、
(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1wt%未満の冷却剤と、
(iii)活性剤と
又は
(i)1種又は複数の溶媒と、
(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発し、本明細書に定義された式(I)の化合物又はその塩及び/若しくは溶媒和物である、気化可能な配合物の全重量に基づいて約12wt%未満の冷却剤と、
(iii)活性剤と
を含む気化可能な配合物を提供する。
【0108】
一態様において、活性剤はニコチンである。
したがって、一態様において、本発明は、
(i)1種又は複数の溶媒と、
(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1wt%未満の冷却剤と、
(iii)ニコチンと
又は
(i)1種又は複数の溶媒と、
(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発し、本明細書に定義された式(I)の化合物又はその塩及び/若しくは溶媒和物である、気化可能な配合物の全重量に基づいて約12wt%未満の冷却剤と、
(iii)ニコチンと
を含む気化可能な配合物を提供する。
【0109】
ニコチンは、使用者により吸入されたときに所望の用量に応じて任意の適した量で供給することができる。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約6wt%を超えない量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約6wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約6wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約6wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.8~約6wt%の量で存在する。
【0110】
一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約5wt%を超えない量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約5wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約5wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約5wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.8~約5wt%の量で存在する。
【0111】
一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約4wt%を超えない量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約4wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約4wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約4wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.8~約4wt%の量で存在する。
【0112】
一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約3wt%を超えない量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約3wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約3wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約3wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.8~約3wt%の量で存在する。
【0113】
一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.9wt%を超えない量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.8wt%を超えない量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約1.9wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約1.8wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.5~約1.9wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.5~約1.8wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約1.9wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約1.8wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約1.9wt%の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約1.8wt%の量で存在する。
【0114】
一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.9wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1.8wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約1.9wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.4~約1.8wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.5~約1.9wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.5~約1.8wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約1.9wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約0.8~約1.8wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約1.9wt%未満の量で存在する。一態様において、ニコチンは、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1~約1.8wt%未満の量で存在する。
【0115】
一態様において、気化可能な配合物は、1つ又は酸を含んでもよい。いくつかの実施形態において、気化可能な配合物は、(活性剤としての)ニコチンに加えて、1種又は複数の酸を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1種又は複数の酸は、1種又は複数の有機酸であってもよい。いくつかの実施形態において、1種又は複数の酸は、安息香酸、レブリン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数の有機酸であってもよい。ニコチンと組み合わせた配合物に含まれるとき、1種又は複数の酸は、ニコチンが少なくとも部分的にプロトン化(モノプロトン化及び/又はジプロトン化など)形態である配合物を生成することができる。
【0116】
溶媒
【0117】
本明細書で論じるように、気化可能な配合物は、1種又は複数の溶媒を含む。
【0118】
1種又は複数の溶媒は、任意の適した溶媒であってもよい。一態様において、1種又は複数の溶媒は、水、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物から選択される。その他の適した溶媒は、当業者に明らかになるであろう。
【0119】
1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物中に任意の適した量で存在してもよい。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも5wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも10wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも15wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも20wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも25wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも30wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも35wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも40wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも45wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも50wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも55wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも60wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも65wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも70wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも75wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも80wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも85wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物の全重量に基づいて少なくとも90wt%の総量で存在する。
【0120】
一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて5~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて10~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて15~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて20~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて25~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて30~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて35~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて40~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて45~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて50~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて55~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて60~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて65~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて70~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて75~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて80~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて85~99wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて90~99wt%の総量で存在する。
【0121】
一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて5~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて10~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて15~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて20~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて25~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて30~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて35~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて40~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて45~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて50~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて55~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて60~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて65~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて70~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて75~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて80~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて85~95wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて90~95wt%の総量で存在する。
【0122】
一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて5~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて10~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて15~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて20~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて25~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて30~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて35~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて40~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて45~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて50~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて55~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて60~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて65~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて70~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて75~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて80~90wt%の総量で存在する。一態様において、1種又は複数の溶媒は、気化可能な配合物に基づいて85~90wt%の総量で存在する。
【0123】
本明細書で論じるように、一態様において、溶媒は少なくともグリセロールである。グリセロールは、気化可能な配合物中に任意の適した量で存在してもよい。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも10wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも20wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも30wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも35wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも40wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも45wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも55wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも60wt%の総量で存在する。
【0124】
一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて10~60wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて20~60wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて25~60wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて30~60wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて35~60wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて40~60wt%の総量で存在する。一態様において、グリセロールは、気化可能な配合物に基づいて45~60wt%の総量で存在する。
【0125】
本明細書で論じるように、一態様において、溶媒は少なくともプロピレングリコールである。プロピレングリコールは、気化可能な配合物中に任意の適した量で存在してもよい。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも10wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも15wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも20wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも25wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも30wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも35wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて少なくとも40wt%の総量で存在する。
【0126】
一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて10~40wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて15~40wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて20~40wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて25~40wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて30~40wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて32~40wt%の総量で存在する。一態様において、プロピレングリコールは、気化可能な配合物に基づいて35~40wt%の総量で存在する。
【0127】
本明細書で論じるように、1種又は複数の溶媒は水を含んでもよい。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~25wt%の総量で存在する。この量は、気化可能な配合物に基づいて0%の水を含み、したがって、気化可能な配合物は、水を含んでも、水を含まなくてもよい。
【0128】
一態様において、気化可能な配合物は水を含む。水は、気化可能な配合物中に任意の適した量で存在してもよい。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~24wt%の総量で存在する。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~22wt%の総量で存在する。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~20wt%の総量で存在する。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~19wt%の総量で存在する。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~18wt%の総量で存在する。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~17wt%の総量で存在する。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~16wt%の総量で存在する。一態様において、水は、気化可能な配合物に基づいて0~15wt%の総量で存在する。
【0129】
代替の実施形態において、溶媒は、実質的に水を含まない。この点に関して、いくつかの配合物は吸湿性であることがあり、したがって、水が配合物に侵入することは排除できないことに留意されたい。したがって、「実質的に水なし」により、存在する水の量が、気化可能な配合物に基づいて0.1wt%未満であることを意味する。
【0130】
プロセス
【0131】
本明細書で論じるように、本発明は、(i)1種又は複数の溶媒と、(ii)大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する、気化可能な配合物の全重量に基づいて約1wt%未満の冷却剤、或いは大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発し、本明細書に定義された式(I)の化合物又はその塩及び/若しくは溶媒和物である、気化可能な配合物の全重量に基づいて約12wt%未満の冷却剤とを含む気化可能な配合物を気化させるステップを含む、蒸気を生成するプロセスを提供する。
【0132】
一態様において、蒸気は、気化可能な配合物を約100℃を上回る温度まで加熱することにより生成される。一態様において、蒸気は、気化可能な配合物を約110℃を上回る温度まで加熱することにより生成される。一態様において、蒸気は、気化可能な配合物を約120℃を上回る温度まで加熱することにより生成される。
【0133】
別の態様において、蒸気は、約100℃を下回る温度で実施されるプロセスにより生成される。一態様において、蒸気は、約90℃を下回る温度で実施されるプロセスにより生成される。一態様において、蒸気は、約80℃を下回る温度で実施されるプロセスにより生成される。
【0134】
一態様において、蒸気は、気化可能な配合物に超音波エネルギーを加えることにより生成される。
【0135】
さらなる態様
【0136】
気化可能な配合物は、任意の手段により収容又は送達されてもよい。一態様において、本発明は、
(a)容器と、
(b)本明細書において上記で定義された気化可能な配合物と
を含む、収容された気化可能な配合物を提供する。
【0137】
容器は、例えば溶液の貯蔵又は送達を可能にするための、任意の適した容器であってもよい。一態様において、容器は、電子蒸気供給システムとの係合のために構成されている。容器は瓶であってもよい。容器は、溶液を電子蒸気供給システムに送達することができるように、電子蒸気供給システムと流体的に連通するように構成されてもよい。上述のように、本開示は、eシガレットなどの電子蒸気供給システムにおいて使用することができる容器に関する。以下の説明全体にわたって、「eシガレット」という用語が使用されるが、この用語は、電子蒸気供給システムと交換可能に使用することができる。
【0138】
本明細書で論じるように、本発明の容器は、eシガレットへの、又はeシガレット内の気化可能な配合物の送達のために典型的に提供される。気化可能な配合物は、eシガレット内に保持されてもよく、又はeシガレットとの、若しくはeシガレット内のその後の使用のための別個の容器として販売されてもよい。当業者に理解されるように、eシガレットは、気化可能な配合物のリザーバ、ウィック材、及び気化可能な配合物を気化させるデバイスを典型的に備える取外し可能なカトマイザとして公知のユニットを含んでもよい。いくつかのeシガレットにおいて、カトマイザは、一体成形デバイスの一部であり、取り外せない。一態様において、容器はカトマイザであり、又はカトマイザの一部である。一態様において、容器はカトマイザではなく、又はカトマイザの一部ではなく、タンクなどの容器であり、容器は、eシガレットに、又はeシガレット内で気化可能な配合物を送達するために使用することができる。
【0139】
一態様において、容器は、eシガレットなどの電子蒸気供給システムの一部である。したがって、さらなる態様において、本発明は、
(a)電子蒸気供給システムの使用者による吸入のための配合物を気化させる気化器と、
(b)気化器に電力を供給する電池又はバッテリーを備える電源と
を備え、
(c)本明細書で上述の気化可能な配合物
を含む電子蒸気供給システムを提供する。
【0140】
本発明の気化可能な配合物並びにそれを収容する容器及び電子エアロゾル供給システムなどのシステムに加えて、本発明は、気化可能な配合物の貯蔵寿命を延ばす冷却剤の使用であって、冷却剤が大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発する、使用を提供する。
【0141】
貯蔵寿命は、典型的には、使用、消費又は販売に適さなくなることなく消費者製品を貯蔵することができる時間の長さである。「貯蔵寿命を延ばす」という表現により、冷却剤によって、メンソールを含む同様の配合物と比べたとき、気化可能な配合物を、その成分が化学分解することなく、より長い期間貯蔵することが可能になることを意味する。典型的な貯蔵条件は、周囲温度及び周囲圧力を含む。
【0142】
ここで、以下の添付図面を参照して、単なる例として本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【
図1】
図1A~
図1Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)の(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド(WS-3)の熱重量分析トレースである。
【
図2】
図2A~
図2Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)のエチル-2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセテート(WS-5)の熱重量分析トレースである。
【
図3】
図3A~
図3Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)の(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル-p-メンタンカルボキサミド(WS-12)の熱重量分析トレースである。
【
図4】
図4A~
図4Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)のN,2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミド(WS-23)の熱重量分析トレースである。
【
図5】
図5A~
図5Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)の(1R,2S,5R)-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)メンチルカルボキサミド(エバークール(登録商標)190)の熱重量分析トレースである。
【
図6】
図6A~
図6Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)の(-)-メントン1,2-グリセロールケタール(フレスコラット(登録商標)MGA)の熱重量分析トレースである。
【
図7】
図7A~
図7Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)の(-)-乳酸メンチル(フレスコラット(登録商標)ML)の熱重量分析トレースである。
【
図8】
図8A~
図8Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)の3-((-)-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール(クールアクト(登録商標)10)の熱重量分析トレースである。
【
図9】
図9A~
図9Dは、空気中(A及びB)及び窒素中(C及びD)の(-)-コハク酸メンチル(コハク酸モノメンチル)の熱重量分析トレースである。
【
図10】以下に[表1]に示す化合物及びメンソールの分子量(g/mol)に対するT
peak質量損失(℃)の散布図である。
【
図11】以下の実施例1に記載されているように行われた主観的な冷却強度試験による結果を示す図である。
【
図12】以下の実施例2に記載されているように行われた冷却強度試験による結果を示す図である。
【実施例】
【0144】
ここで、以下の非限定的な例を参照して、本発明を説明する。
【0145】
9種の冷却剤を実施例において使用した。これらの化合物は、化学名、商品名、おおよその沸点及びおおよその蒸気圧と共に以下の表1に示されている。化合物は公知であることから、化合物の沸点及び蒸気圧は文献から得た。
【0146】
【0147】
分析試験
【0148】
熱重量分析
パネル試験の前に、冷却剤が加熱されたときの冷却剤の挙動を理解するために、冷却剤を熱重量分析(TGA)にかけた。当分野で公知のように、TGAは、サンプルが最高1000℃以上の温度まで加熱されたときのサンプルの質量損失を監視することができる分析法である。
【0149】
すべての測定をPerkin Elmer STA6000 TGA熱重量分析装置で行った。固体サンプルの場合、スパチュラを使用して、5~20mgの材料を分析装置のるつぼ内に移した。油は、パスツールピペットを使用して、るつぼ内に置かれたCambridgeフィルターパッドのごく一部の上に5~20mg移すことにより装置に導入した。すべてのサンプルを30℃から600℃まで5℃/分の一定速度で加熱した。加熱を各化合物について空気中で2回、窒素中で2回行った。少数のサンプルの場合、完全な質量損失が観察されたら試験を500~600℃で中止した。比較のために、メンソールも分析した。
【0150】
各化合物のTGAトレース(空気中のリピート1及びリピート2;並びに窒素中のリピート1及びリピート2)が
図1~
図9(A~D)に示されている。コンピュータソフトウェア上のTGAトレースの目視検査により、各化合物の質量損失の開始温度を決定した。結果は表2にまとめられている。エバークール(商標)190は、1回を超える質量損失現象を示したが、およそ65~75℃における質量損失は、サンプル中の水の存在に起因することを確認した。
【0151】
【0152】
これらの結果から、実験の良好な再現性が実現されたこと、並びに空気中及び窒素中のTGAトレースの間に有意でない差が存在したことが分かる。後者は、質量損失が観察された温度で化合物が熱酸化されにくいことを示唆する。
【0153】
これらの結果は、メンソールとは異なり、試験された冷却剤すべての質量損失が85℃を上回る温度で起こったことも示す。この質量損失は、分子量と一般に正に相関した(
図10参照)ため、分解よりもむしろ揮発/気化に起因する可能性がある。したがって、試験された化合物はすべてメンソールよりも低揮発性であり、大気圧においてメンソールよりも高い温度で揮発すると言える。冷却剤の低い揮発性は、冷却剤がメンソールよりも貯蔵下でより安定であることを意味するため有利である。
【0154】
実施例1
観察試験
10名のボランティアにVype eTank Pro(電子タバコデバイス)内の各冷却剤サンプルを使用するよう依頼した。1つのサンプルにおいて1.235%の現在の商業的な濃度で使用したメンソールを除いて、すべての冷却剤を0.18%の濃度で使用した。メンソールサンプルのそれぞれを比較のために試験した。
【0155】
各ボランティアに客観的に(すなわち個人の好みを考慮せずに)、及び主観的に冷却強度を評価するよう依頼した。客観的評価は、冷却感を例えば口内、喉内などに与える全体的に知覚された冷却強度を0~10で格付けすることをボランティアに求め、0は知覚可能な冷却なし、10は非常に強い冷却感であった。主観的評価は、冷却強度が(1)はるかに低すぎる、(2)わずかに低すぎる、(3)ちょうど良い、(4)わずかに高すぎる、又は(5)はるかに高すぎると格付けされることを求めた。
【0156】
結果
ボランティアの客観的評価及び主観的評価による結果が以下の表3及び
図11に示されている。
【0157】
【0158】
結果は、いくつかの化合物が0.18%で同じ濃度のメンソールよりも多くの冷却感を与えることを示す。特に、1.235%のメンソールの8/10の冷却感と比べて、0.18%のエバークール(登録商標)190は7.1/10の冷却感を与える。
【0159】
冷却感送達は、メンソール配合物と比べて非メンソール冷却剤に一般により有利であったので、メンソール冷却剤は、メンソールよりもはるかに低い濃度で本発明の気化可能な配合物に含めることができ、なお依然として、使用者により気化されたとき冷却感を送達することができる。上記の熱重量分析によって示されるように、TGAにより測定される質量損失は、はるかに高い温度で起こるので、冷却剤は、メンソール配合物と比べて改善された貯蔵安定性にもつながる。最後に、結果は、冷却剤がメンソールと異なる冷却感を送達することを示す。送達の領域は主に口及び喉の奥である一方、舌上は最低限の送達である。これは、メンソールで経験される口のドライアウトを回避する。
【0160】
実施例2
最低4名のボランティアにeTank Pro(電子タバコデバイス)内の以下のeリキッドサンプルのそれぞれを試験するよう依頼した:
【0161】
グリセロール/プロピレングリコール中の2.5wt%のWS-3;
グリセロール/プロピレングリコール中の5wt%のWS-3;及び
グリセロール/プロピレングリコール中の10wt%のWS-3。
【0162】
WS-3は式(I)の化合物であり、(1S,2R,5S)-N-エチル-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミドの化学名で公知である。
【0163】
各ボランティアに実施例1と同じ方法で客観的に(すなわち個人の好みを考慮せずに)、及び主観的に冷却強度を評価するよう依頼した。客観的評価は、冷却感を例えば口内、喉内などに与える全体的に知覚された冷却強度を0~10で格付けすることをボランティアに求め、0は知覚可能な冷却なし、10は非常に強い冷却感であった。主観的評価は、冷却強度が(1)はるかに低すぎる、(2)わずかに低すぎる、(3)ちょうど良い、(4)わずかに高すぎる、又は(5)はるかに高すぎると格付けされることを求めた。
【0164】
ボランティアの客観的評価及び主観的評価による結果が以下の表4及び
図12に示されている。
【0165】
【0166】
これらの結果は、濃度が増加するにつれてWS-3冷却強度が高くなること、及びこの化合物は、冷却感覚経験を使用者に送達しながら10wt%の量で含めることができることを示す。ボランティアのコメントから、より高い濃度でも冷却感の位置がメンソールと異なることも確認された。送達の領域は主に喉の奥であり、舌上の最低限の送達を伴った。この感覚は持続性でもあった。この感覚は、「高メンソール」又は強い冷却感を積極的に求める市場において特に有益であろう。
【0167】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な修正及び変形が当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明が説明されてきたが、特許請求の範囲に記載の本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、化学分野又は関連分野の当業者に自明である、本発明を行うための記載されたモードの様々な修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。