IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アクセスクロージャー,インク.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】拡張可能支持部を配置するデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021060001
(22)【出願日】2021-03-31
(62)【分割の表示】P 2020506326の分割
【原出願日】2018-09-14
(65)【公開番号】P2021104362
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】62/558,462
(32)【優先日】2017-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507343626
【氏名又は名称】アクセスクロージャー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】デイリー、 エリック クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】アブトゥ、 スラバンティ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特許第6862606(JP,B2)
【文献】特表2003-521270(JP,A)
【文献】特表2008-538519(JP,A)
【文献】国際公開第2014/006730(WO,A1)
【文献】特開2015-231542(JP,A)
【文献】特表2011-508626(JP,A)
【文献】特開2008-023318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能支持部を配置するデバイスであって、
ハンドルと、
管腔を有して前記ハンドルから延びるカテーテルアセンブリと、
前記ハンドルから前記カテーテルアセンブリの管腔を通って延びるコアワイヤであって、前記ハンドルに接続された近位端、及び前記カテーテルアセンブリの遠位端から延びる遠位端を有するコアワイヤと、
前記カテーテルアセンブリの遠位端に接続された近位端、及び前記コアワイヤの遠位端に接続された遠位端を有する拡張可能支持部と
を含み、
前記カテーテルアセンブリの近位端が前記ハンドルの中に位置決めされ、前記カテーテルアセンブリの遠位端が前記ハンドルの外に位置決めされ、
前記カテーテルアセンブリは、前記ハンドル及び前記コアワイヤの双方に対して摺動可能である、デバイス。
【請求項2】
前記拡張可能支持部は、低プロファイル構成、中間プロファイル構成及び高プロファイル構成の間で可動である、請求項1のデバイス。
【請求項3】
デバイス状態インジケータをさらに含み、
前記デバイス状態インジケータは、
前記拡張可能支持部が、前記低プロファイル構成、前記中間プロファイル構成又は前記高プロファイル構成のいずれにあるかと、
前記カテーテルアセンブリに張力が及ぼされているか否かと
を示す、請求項2のデバイス。
【請求項4】
前記ハンドルの遠位端と前記カテーテルアセンブリの遠位端との間の距離は、前記拡張可能支持部が前記低プロファイル構成から前記中間プロファイル構成へと動くにつれて増加し、
前記距離はさらに、前記拡張可能支持部が前記中間プロファイル構成から前記高プロファイル構成へと動くにつれて増加する、請求項2のデバイス。
【請求項5】
前記ハンドルの遠位端と前記コアワイヤの遠位端との間の距離は、前記拡張可能支持部が前記低プロファイル構成、前記中間プロファイル構成及び前記高プロファイル構成の間で実質的に一定のままとなる、請求項2のデバイス。
【請求項6】
前記ハンドルに配置されたばねをさらに含み、
前記ばねは、前記カテーテルアセンブリに前記ハンドル及びコアワイヤに対して近位方向の力を及ぼす、請求項1のデバイス。
【請求項7】
前記ハンドルは、
流体チャンバと、
前記流体チャンバとの連通を許容する膨張ポートと
を含む、請求項1のデバイス。
【請求項8】
前記カテーテルアセンブリの管腔が前記流体チャンバと連通する、請求項7のデバイス。
【請求項9】
前記カテーテルアセンブリはカテーテル及びプランジャを含む、請求項1のデバイス。
【請求項10】
前記カテーテルアセンブリは、前記ハンドル及び前記コアワイヤに対する前記カテーテルアセンブリの近位方向の動きを制限する休止ストッパを含む、請求項1のデバイス。
【請求項11】
前記カテーテルアセンブリは、前記カテーテルアセンブリに対する前記ハンドル及び前記コアワイヤの近位方向の動きを制限する張力ストッパを含む、請求項1のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/558,462号
の利益を主張し、その全体が参照によりここに組み入れられる。
【0002】
ここに記載される動脈切開部配置デバイスは、血管アクセスを必要とする診断又は治療
処置を行うときに有用となり得る。本デバイスは、血管における動脈切開部に対して拡張
可能な支持体を配置するべく使用することができる。
【背景技術】
【0003】
いくつかの診断又は治療処置は、患者の脈管構造へのアクセスを必要とする(例えばイ
メージング処置、血管形成術、ステント送達等)。患者の脈管構造に経皮的にアクセスす
るべく、患者の皮膚及びそこに横たわる組織を通して血管の中に中空針を挿入することが
ある。ガイドワイヤを、針の管腔を貫通させて血管の中へと通し、その後すぐに針を除去
することができる。その後、導入器シースを、一つ以上の拡張器とともに又はそれに引き
続いてガイドワイヤに沿って血管内へと前進させることができる。カテーテル又は他のデ
バイスを、導入器シースを通してかつガイドワイヤに沿って、医療処置を行うための位置
へと前進させることができる。
【0004】
脈管構造へのアクセスを必要とする診断又は治療処置の完了後、動脈切開部を、機械的
又は生物学的ソリューションにより、例えば、外部圧力をかけることにより(例えば手動
で及び/又はサンドバッグを使用して)、締め付け、縫合、及び/又は金属のインプラン
ト、プラグ若しくはシーラントを送達することにより、閉鎖させることができる。しかし
ながら、これらの閉鎖処置の多くは、患者を長い時間、手術室、カテーテル検査室又は保
持エリアにおいて不動のままにする必要があるので、時間がかかり、高価であり、患者に
とって不快となり得る。加えて、これらの長時間の閉鎖処置のいくつかは、止血前の出血
による血腫のリスクを高め得る。
【0005】
金属のインプラント、プラグ、シーラント又は他の適切なシーリング部材を使用して動
脈切開部を閉鎖するとき、医療専門家は、シーリング部材を配置及び展開するべく血管閉
鎖デバイスを使用することがある。血管閉鎖デバイスは、動脈切開部に対してシーラント
を配置するのを支援するため当該デバイス遠位端近くにバルーンを含み得る。バルーンは
、デバイスが与えられるときは膨らんでいない。デバイスの遠位端は、未膨張のバルーン
が血管内に配置されるまで穿刺孔の中に挿入される。その後バルーンが膨らまされ、ユー
ザは、多くの方法によって膨張を確認することができる。一つの方法は、デバイス近位端
の膨張インジケータを見ることを含む。その後デバイスは、動脈切開部まわりの血管壁に
膨張済みバルーンが接触してシーラントが正しい位置にあることを示すまで近位方向へと
引き抜かれることによって配置され得る。かかる目安は多くの場合、触覚フィードバック
によって与えられる。ひとたびバルーンが血管壁に接触すると、医療専門家は、バルーン
が膨らんで血管壁に近位方向の力を及ぼしている間にデバイスを引き戻し続ける。既存の
デバイスにおいて、血管壁に近位方向の力を及ぼすことによっては、実質的に、バルーン
の形状は実質的に変化しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2008/009794(A1)号明細書
【発明の概要】
【0007】
ここに記載される動脈切開部配置デバイスは、動脈切開部に隣接するようにシーリング
部材を配置するべく使用され得る。動脈切開部配置デバイスは、ハンドル、カテーテルア
センブリ、コアワイヤ及び拡張可能部材を有してよい。コアワイヤは、デバイスが少なく
とも位置決め状態及び/又は張力状態(以下に記載)にある間、ハンドルに対して実質的
に固定され得る。カテーテルアセンブリは、ハンドル及びコアワイヤに対して可動とする
ことができる。拡張可能支持部の近位端はカテーテルアセンブリに接続されてよく、拡張
可能支持部の遠位端はコアワイヤに接続されてよい。拡張可能支持部の遠位端とハンドル
の遠位端との間の距離が、デバイスが少なくとも位置決め状態及び/又は張力状態にある
間は実質的に固定される一方、拡張可能支持部の近位端は、ハンドルに対して可動となり
得る。拡張可能支持部の近位端は、近位方向に付勢されるが、デバイスに及ぼされる様々
な力に応答してハンドルに対して遠位方向に可能となり得る。
【0008】
動脈切開部配置デバイスは、休止状態、位置決め状態、及び張力状態を含むいくつかの
状態をとり得る。休止状態において、拡張可能支持部は、動脈切開部を通るのに適合する
程度に十分小さな幅を有してよい。位置決め状態において、拡張可能支持部は、動脈切開
部を通るのに適合しない程度に十分大きな幅を有してよいが、小さな血管を自由に通って
動くことができる程度に小さくてもよい。これにより、ユーザが拡張可能支持部を動脈切
開部に隣接する位置へと動かしている間に当該拡張可能支持部が血管の分岐部又は石灰化
部と相互作用する確率を低減することができる。最終的に、張力状態において、拡張可能
支持部は、デバイスが休止状態及び位置決め状態にあるときよりも幅が大きくなって、動
脈切開部を閉塞して一時的な止血をもたらすことができる。拡張可能支持部の幅が位置決
め状態と張力状態との間で変わり得るので、当該拡張可能支持部の幅は、所与の時刻に当
該拡張可能支持部が行う機能に基づいて最適化され得る。拡張可能支持部は、デバイスを
動脈切開部に対して位置決めをするときに小さな血管を通るのに適合する程度に十分狭く
なり得るが、張力が及ぼされるときには動脈切開部を閉塞して一時的な止血をもたらす程
度に十分広くなり得る。
【0009】
この動脈切開部配置デバイスの他の利点は、当該デバイスの状態インジケータが、ユー
ザにとっていくつかの目安を与えることができることにある。デバイス状態インジケータ
は、拡張可能支持部が低プロファイル、中間プロファイル、又は高プロファイル構成にあ
るかを示すことができる。デバイス状態インジケータはまた、カテーテルアセンブリに張
力が及ぼされているか否かを示すことができ、そうである場合には及ぼされている張力の
量が適切か否かを示すことができる。デバイス状態インジケータはまた、デバイスが動脈
切開部に対して正しい位置にあるときを示すことができる。デバイスは、拡張可能部材が
ひとたび血管壁に対して引っ張られると張力が及ぼされていることを示すからである。例
えば、拡張可能支持部がバルーンである場合、デバイス状態インジケータは、当該バルー
ンが膨らんでいるか否か、デバイスが動脈切開部に対して正しい位置にあるか否か、及び
/又は張力がカテーテルアセンブリに及ぼされているか否か(そうであれば、及ぼされて
いる張力の量が適切であるか否か)を示すことができる。
【0010】
拡張可能支持部を配置するデバイスの一例は、ハンドルと、当該ハンドルから延びて管
腔を有するカテーテルアセンブリと、当該カテーテルアセンブリの管腔を通って当該ハン
ドルから延びるコアワイヤと、拡張可能支持部とを含み、当該コアワイヤは、当該ハンド
ルに接続された近位端と、当該カテーテルアセンブリの遠位端から延びる遠位端とを有し
、当該拡張可能支持部は、当該カテーテルアセンブリの遠位端に接続された近位端と、当
該コアワイヤの遠位端に接続された遠位端とを含み、当該カテーテルアセンブリは当該ハ
ンドル及びコアワイヤの双方に対して摺動可能である。拡張可能部材は、低プロファイル
構成、中間プロファイル構成及び高プロファイル構成の間で可動としてよい。デバイスは
さらに、拡張可能支持部が低プロファイル構成、中間プロファイル構成又は高プロファイ
ル構成のいずれにあるのかと、張力がカテーテルアセンブリに及ぼされているか否かとを
示すデバイス状態インジケータを含んでよい。ハンドルの遠位端とカテーテルアセンブリ
の遠位端との間の距離は、拡張可能部材が低プロファイル構成から中間プロファイル構成
へと動くにつれて増加し得る。この距離はさらに、拡張可能部材が中間プロファイルから
高プロファイルへと動くにつれても増加し得る。ハンドルの遠位端とコアワイヤの遠位端
との間の距離は、拡張可能部材が低プロファイル構成、中間プロファイル構成及び高プロ
ファイル構成の間で実質的に一定のままとなり得る。デバイスはさらに、ハンドルに配置
されたばねを含み得る。ばねは、カテーテルアセンブリにハンドル及びコアワイヤに対し
て近位方向の力を及ぼす。ハンドルは、流体チャンバと、当該流体チャンバとの連通を許
容する膨張ポートとを含み得る。カテーテルアセンブリの管腔は、流体チャンバと連通し
得る。カテーテルアセンブリは、カテーテル及びプランジャを含み得る。カテーテルアセ
ンブリは、ハンドル及びコアワイヤに対する当該カテーテルアセンブリの近位方向の動き
を制限する休止ストッパを含み得る。カテーテルアセンブリは、カテーテルアセンブリに
対するハンドル及びコアワイヤの近位方向の動きを制限する張力ストッパを含み得る。
【0011】
血管の動脈切開部に隣接するようにデバイスを配置する典型的な方法は、デバイスの遠
位端を血管の中に挿入することであって、当該デバイスは、ハンドルに接続されたコアワ
イヤと、当該ハンドル及びコアワイヤに対して摺動可能なカテーテルアセンブリと、一定
長さ、一定幅、当該カテーテルアセンブリに接続された近位端、及び当該コアワイヤに接
続された遠位端を有する拡張可能支持部とを含み、当該拡張可能支持部は低プロファイル
構成にあることと、当該拡張可能支持部の幅を増加させかつ当該拡張可能支持部の長さを
減少させることにより、当該拡張可能支持部を当該低プロファイル構成から中間プロファ
イル構成へと動かすことと、当該動脈切開部に隣接する血管壁に当該拡張可能支持部が接
触するまで当該デバイスを近位方向に引き抜くことと、当該カテーテルアセンブリに張力
を及ぼし、さらに当該拡張可能支持部の幅を増加させかつ長さを減少させて当該拡張可能
支持部を高プロファイル構成までもたらすこととを含み得る。ハンドルとコアワイヤとの
相対位置は、デバイスを近位方向に引き抜くステップ、及びカテーテルアセンブリに張力
を及ぼすステップの間、実質的に一定のままとなり得る。拡張可能支持部を中間プロファ
イル構成までもたらすステップは、コアワイヤに対してカテーテルアセンブリを遠位方向
に動かし得る。カテーテルアセンブリに張力を及ぼすステップは、当該カテーテルアセン
ブリに対してコアワイヤを近位方向に動かし得る。デバイスは、一つのインジケータ特徴
物と一連のインジケータ標識とを有する可視インジケータを含み、拡張可能支持部を中間
プロファイル構成までもたらすステップは、当該一連のインジケータ標識に対して当該一
つのインジケータ特徴物を動かし得る。カテーテルアセンブリに張力を及ぼすステップは
、一連のインジケータ標識に対して一つのインジケータ特徴物を動かし得る。拡張可能支
持部はバルーンを含み、幅は、当該バルーンの最大直径となり得る。拡張可能支持部の幅
を増加させかつ当該拡張可能支持部の長さを減少させるステップは、カテーテルアセンブ
リを通して膨張流体を当該拡張可能支持部の中に押し込むことによって当該拡張可能支持
部を膨らませることを含み得る。方法はさらに、デバイスを低プロファイル構成に戻す処
置を行うことと、当該デバイスを血管から引き抜くこととを含み得る。処置は、血管閉鎖
処置となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】休止状態にある動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
図1B】休止状態にある図1Aの動脈切開部配置デバイスのハンドルの、側部から示された断面図である。
図1C】休止状態にある図1Aの動脈切開部配置デバイスの拡張可能支持部の、側部から示された断面図である。
図2A】位置決め状態にある動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
図2B】位置決め状態にある図2Aの動脈切開部配置デバイスのハンドルの、側部から示された断面図である。
図2C】位置決め状態にある図2Aの動脈切開部配置デバイスの拡張可能支持部の、側部から示された断面図である。
図3A】力が小さすぎる張力状態にある動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
図3B】力が小さすぎる張力状態にある図3Aの動脈切開部配置デバイスのハンドルの、側部から示された断面図である。
図3C】力が小さすぎる張力状態にある図3Aの動脈切開部配置デバイスの拡張可能支持部の、側部から示された断面図である。
図4A】力が適切な量の張力状態にある動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
図4B】力が適切な量の張力状態にある図4Aの動脈切開部配置デバイスのハンドルの、側部から示された断面図である。
図4C】力が適切な量の張力状態にある図4Aの動脈切開部配置デバイスの拡張可能支持部の、側部から示された断面図である。
図5A】力が大きすぎる張力状態にある動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
図5B】力が大きすぎる張力状態にある図5Aの動脈切開部配置デバイスのハンドルの、側部から示された断面図である。
図5C】力が大きすぎる張力状態にある図5Aの動脈切開部配置デバイスの拡張可能支持部の、側部から示された断面図である。
図6】休止状態にある動脈切開部配置デバイスのハンドルの代替実施形態の、側部から示された断面図を示す。
図7】休止状態にある動脈切開部配置デバイスのハンドルの代替実施形態の、側部から示された断面図を示す。
図8】休止状態にある動脈切開部配置デバイスのハンドルの代替実施形態の、側部から示された断面図を示す。
図9】休止状態にある動脈切開部配置デバイスのハンドルの代替実施形態の、側部から示された断面図を示す。
図10】休止状態にある動脈切開部配置デバイスのハンドルの代替実施形態の、側部から示された断面図を示す。
図11】休止状態にある動脈切開部配置デバイスのハンドルの代替実施形態の、側部から示された断面図を示す。
図12A】休止状態にある動脈切開部配置デバイスの代替実施形態の斜視図である。
図12B】位置決め状態にある図12Aの動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
図12C】拡張状態にある図12Aの動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
図13A】休止状態にある図12Aの拡張可能支持部とともに使用されるハンドルの、側部から示された断面図である。
図13B】位置決め状態にある図12Bの拡張可能支持部とともに使用される図13Aのハンドルの、側部から示された断面図である。
図13C】拡張状態にある図12Cの拡張可能支持部とともに使用される図13Aのハンドルの、側部から示された断面図である。
【0013】
例示目的で添付図面において様々な実施形態が描かれるが、決して実施形態の範囲を制
限するものと解釈してはならない。さらに、開示される異なる実施形態の様々な特徴を組
み合わせて追加の実施形態を形成することができるが、これらも本開示の一部となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の記載として意図され
ており、ここに記載される概念を実施することができる唯一の構成を表すことは意図され
ていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を与える目的のための特定の詳細を含
む。しかしながら、これらの概念が、これらの特定の詳細なしで実施できることは当業者
にとって明らかである。
【0015】
動脈切開部配置デバイスの様々な側面が、結合され、取り付けられ、接続され、気圧的
に関連付けられ、及び/又は一緒に接合されるコンポーネントを記載することによって例
示され得る。ここで使用されるように、「結合」、「取り付け」、「接続」、「空気圧的
に関連」、「連通」、及び/又は「接合」との用語は、2つのコンポーネント間の直接的
な接続、又は、適切な場合に、介在若しくは中間コンポーネントを介した互いの間接的な
接続のいずれかを示すべく、交換可能に使用される。対照的に、コンポーネントが他のコ
ンポーネントに「直接的に結合」、「直接的に取り付け」、「直接的に接続」、及び/又
は「直接的に接合」されると言及されるとき、上記例に示される介在要素は存在しない。
【0016】
動脈切開部配置デバイス100の実施形態の一例が、図1A~5Cに示され、ハンドル
110を含み得る。ハンドル110からカテーテルアセンブリ120が延びてよい。カテ
ーテルアセンブリ120は、プランジャ130及びカテーテル140を含んでよい。ハン
ドル110からカテーテルアセンブリ120の管腔125を通してコアワイヤ150が延
びてよい。ハンドル110の中にばね170が配置される。拡張可能支持部160が、デ
バイス100の遠位端に位置決めされてよく、コアワイヤ150及びカテーテルアセンブ
リ120の双方に接続されてよい。
【0017】
動脈切開部配置デバイス100は、図1A~5Bに示されるハンドル110を含んでよ
い。ハンドル110は、近位端111と遠位端112との間に長手方向に延びてよい。ハ
ンドル110は、図1Bに示される内部ハウジング110a及び外部ハウジング110b
を含み得る。一側面において、内部ハウジング110a及び外部ハウジング110bは、
一つのコンポーネントとしてモールドされてよい。ハンドル110に含まれているように
記載される特徴物は、内部ハウジング110a又は外部ハウジング110bの一方又は双
方に含まれ得る。内部ハウジング110aに含まれているように記載される特徴物は、代
替的に外部ハウジング110bに含まれてもよくその逆でもよい。ハンドル110はまた
、図面に示されない他のコンポーネント又は特徴物を含んでもよい。
【0018】
ハンドル110の内部には、流体チャンバ113が存在してよい。流体チャンバ113
は、内部ハウジング110aによって形成され得る。ハンドル110は、流体チャンバ1
13と連通する膨張ポート114を含み得る。流体チャンバ113は、カテーテルアセン
ブリ120の管腔125を介して拡張可能支持部160の内部と連通してよい。したがっ
て、膨張流体を流体チャンバ113に与えるべく、シリンジ又は他の膨張流体源を、膨張
ポート114に結合してよい。それにより、拡張可能支持部160は、以下に記載される
ように拡張することができる。膨張流体は、生理食塩水、空気、又は膨張に適した他の流
体としてよい。バルブ(図示せず)もまた、流体が流体チャンバ113に出入りするのを
選択的に許容するべく膨張ポート114に結合してよい。これらの特徴物は、拡張可能支
持部が膨張可能バルーンである場合に特に有用となり得る。
【0019】
ハンドル110の遠位端112はまた、デバイス100の長手軸103に沿って整列さ
れた遠位ポート115を含み得る。遠位ポート115は、ハンドル110の内部と連通し
てよい。カテーテルアセンブリ120は、遠位ポート115を貫通してよい。その結果、
カテーテルアセンブリ120の近位端を、ハンドル110の内部に位置決めすることがで
き、カテーテルアセンブリ120の遠位端を、ハンドル110の外部に位置決めすること
ができる。
【0020】
ハンドル110の内部はまた、図1Bに示される第2チャンバ109を有し得る。第2
チャンバ109は、内部ハウジング110aの内側だが流体チャンバ113の外側のエリ
アとしてよい。第2チャンバ109は、ばね170と、カテーテルアセンブリ120のポ
ートとを収容し得る。図1Bに示されるように、第2チャンバ109は、プランジャ13
0のポートと、カテーテル140のポートとを収容し得る。第2チャンバ109は、流体
チャンバ113よりも遠位としてよく、シール118によって分割されてよい。他実施形
態において、ばね170及び/又はプランジャ130は、流体チャンバ113の内側又は
ハンドル110の内側のいずれかに配置されるが、流体チャンバ113及び第2チャンバ
109の双方の外側としてよい。さらなる他実施形態において、第2チャンバは省略して
よく、ばね170及び/又はプランジャ130は、流体チャンバ113の中に、及び/又
はハンドル110の内側であるが流体チャンバ113の外側に、位置決めしてよい。
【0021】
ハンドル110は、流体チャンバ113の遠位端の開口まわりにシール118(例えば
Oリング)を含み得る。シール118は、流体チャンバ113を、ハンドル110の内部
の残りから分離し得る。シール118は、流体が流体チャンバ113に出入りするのを許
容するチャネル119を有し得る。シール118内のチャネル119は、デバイス100
の長手軸103に沿って整列され得る。シール118は、ハンドル110に対して実質的
に固定され得る。ハンドル110はさらに、シール118が流体チャンバ113内を動く
のを防止するべく、近位及び/又は遠位シール保持壁(図7に718a及び718bそれ
ぞれとして示されるものと同様)を有し得る。代替的に、シール118は、接着剤を使用
してハンドル110に接続され得る。または、シール118は、ハンドル110内の溝に
挿入され、又は、任意の他の適切な機構によってハンドル110に対する所定位置に保持
され得る。
【0022】
動脈切開部配置デバイス100はさらに、コアワイヤ150を含んでよい。コアワイヤ
150は、近位端151及び遠位端152を有する細長い部材となり得る。コアワイヤ1
50は、すべての実施形態において中実であるように示されるが、いずれの実施形態も代
替的に、一つ以上の管腔を有するコアワイヤを使用し得る。
【0023】
コアワイヤ150、好ましくはコアワイヤ150の近位端151が、ハンドル110に
接続され得る。ハンドル110の動きがまた、デバイス100が少なくとも位置決め状態
及び張力状態にあるときに、以下に記載されるようにコアワイヤ150を動かし得る。図
1Aの実施形態において、コアワイヤ150は、内部ハウジング110aに接続される。
正確には、コアワイヤ150の近位端151が、流体チャンバ113の近位端に接続され
る。コアワイヤ150は、実質的にデバイス100の長手軸103に沿って延び得る。コ
アワイヤ150は、シール118内のチャネル119及びハンドル110の遠位ポート1
15の少なくとも一方、好ましくは双方を貫通し得る。
【0024】
動脈切開部配置デバイス100はさらに、カテーテル140を含んでよい。カテーテル
140は、近位端141及び遠位端142を有する細長い管状部材となり得る。管腔14
5は、近位端141から遠位端142へと延び得る。すなわち、カテーテル140は、外
表面143及び内表面144を有し得る。
【0025】
動脈切開部配置デバイス100はさらに、プランジャ130を含んでよい。プランジャ
130は、近位端131及び遠位端132を有し得る。プランジャ130は、近位端13
1から遠位端132へと延び得る管腔135を有し得る。すなわち、プランジャ130は
、外表面133及び内表面134を有し得る。
【0026】
カテーテル140は、プランジャ130に接続されてカテーテルアセンブリ120を形
成し得る。プランジャ130に対するカテーテル140の位置は、カテーテル140がプ
ランジャ130と一緒に動くように実質的に固定され得る。すなわち、カテーテル140
は、プランジャ130が動くときに可動である。カテーテル140は、カテーテル140
の外表面143が、プランジャ130の内表面134に接触、好ましくは接続されるよう
に、プランジャ130の管腔135の中に挿入され得る。
【0027】
カテーテルアセンブリ120は、管腔125を有してよい。管腔125は、カテーテル
140の管腔145及びプランジャ130の管腔135の一つ以上により形成され得る。
図1B~5Bに示されるように、カテーテル140は、カテーテルアセンブリ120の管
腔125がカテーテル140の管腔145となるようにプランジャ130の管腔135全
体に沿って延びてよい。代替的に、カテーテル140は、カテーテルアセンブリ120の
管腔125が、カテーテル140の管腔145及びプランジャ130の管腔135の双方
により形成されるように、プランジャ130の管腔135の一部に沿って延びてよい。
【0028】
カテーテルアセンブリ120は、近位端121及び遠位端122を有し得る。好ましく
は、カテーテル140の遠位端142が、カテーテルアセンブリ120の遠位端122を
形成する。カテーテル140の近位端141、プランジャ130の近位端131、又はこ
れらの双方が、カテーテルアセンブリ120の近位端121を形成し得る。
【0029】
他実施形態において、プランジャ130及びカテーテル140は、一つの部品として形
成され得る。さらなる他実施形態において、プランジャ130及びカテーテル140は、
接着剤、締まり嵌め、又は業界周知の他の適切な取り付け機構を使用して互いに接続され
る別個の部品としてよい。いくつかの実施形態において、プランジャ130に含まれるよ
うに記載される特徴物(張力ストッパ126、休止ストッパ127、及び/又は(以下で
説明される)デバイス状態インジケータ104の様々な特徴物)は、代替的に、カテーテ
ル140に含まれてよい。
【0030】
カテーテルアセンブリ120は、デバイス100の長手軸103に沿って延び、部分的
にハンドル110の内側に配置されてよい。カテーテルアセンブリ120の近位端121
は、ハンドル110の内側、好ましくは流体チャンバ113の内側に配置されてよい。カ
テーテルアセンブリ120の管腔125は、ハンドル110の流体チャンバ113及び膨
張ポート114と連通し得る。コアワイヤ150は、カテーテルアセンブリ120の管腔
125を貫通してよい。コアワイヤ150の遠位端152は、カテーテルアセンブリ12
0の遠位端122よりも遠位となり得る。
【0031】
カテーテルアセンブリ120は、シール118におけるチャネル119及びハンドル1
10の遠位ポート115の一方又は双方を摺動可能に貫通してよい。カテーテルアセンブ
リ120は、ハンドル110のシール118に密封係合してよい。これにより、シール1
18におけるチャネル119を通って流体チャンバ113から出る流体が、カテーテルア
センブリ120の管腔125を通って流れる。プランジャ130が、図1B~5Bに示さ
れるようにシール118を貫通する場合、プランジャ130は、ハンドル110のシール
118とともにシールを形成し得る。代替的に、プランジャ130の近位端131及び遠
位端132が双方とも、流体チャンバ113の内側又は流体チャンバ113の外側(図6
に示す)のいずれかとなる場合、カテーテル140は、ハンドル110のシール118を
貫通してこのシール118とともにシールを形成し得る。したがって、カテーテルアセン
ブリ120がハンドル110のシール118と係合すると、流体がカテーテルアセンブリ
120の管腔125及びハンドル110の膨張ポート114を通って流体チャンバ113
に入り及び/又は流体チャンバ113から出る。
【0032】
デバイス100は、2セットのストッパ、すなわち休止ストッパ及び張力ストッパを含
んでよい。カテーテルアセンブリ120がハンドル110及びコアワイヤ150に対して
近位方向に動くと、カテーテルアセンブリ120上の休止ストッパ127が、ハンドル1
10の、対応する休止ストッパ117に接触する。これにより、カテーテルアセンブリ1
20のさらなる近位方向の動きを防止することができる。ハンドル110及びコアワイヤ
150がカテーテルアセンブリ120に対して近位方向に動くと、カテーテルアセンブリ
120上の張力ストッパ126が、ハンドル110の、対応する張力ストッパ116に接
触する。これにより、ハンドル110及びコアワイヤ150のさらなる近位方向の動きを
防止することができる。
【0033】
図1B及び5Bの実施形態において、ハンドル110の休止ストッパ117は、シール
118の遠位表面(又は図示しない遠位シール保持壁)となり得る。ハンドル110の張
力ストッパ116は、シール118の近位表面(又は図示しない近位シール保持壁)とな
り得る。代替的に、ハンドル110の張力ストッパ及び休止ストッパは、ハンドル110
及びカテーテルアセンブリ120の構成に基づいて、ハンドル110の他の壁及び/又は
特徴物から形成してよい。例えば、流体チャンバ113の近位壁が、休止ストッパを形成
してよい。流体チャンバ113の遠位壁、又はハンドル110の遠位端112の壁が、張
力ストッパを形成してよい。図に示されない様々な他の特徴物もまた、張力ストッパ及び
休止ストッパとして作用するべくハンドルに含まれ得る。
【0034】
カテーテルアセンブリ120における張力ストッパ126及び休止ストッパ127は、
好ましくはプランジャ130の中に含まれ得る。ストッパ126、127は、図1B及び
5Bに示されるように、プランジャ130の外表面133から延びる突起としてよい。代
替的に、カテーテルアセンブリ120の近位端121が休止ストッパを形成してよく、及
び/又はプランジャ130の遠位端132が張力ストッパを形成してよい。ハンドル11
0及びカテーテルアセンブリ120の構成に基づいて、図に示されない様々な他の特徴物
もまた、張力ストッパ及び休止ストッパとして作用するべく当該カテーテルアセンブリに
含まれ得る。
【0035】
カテーテルアセンブリ120は、カテーテルアセンブリ120の張力ストッパ126及
び休止ストッパ127がハンドル110の内側に存在するように配置され得る。ただし、
これらのハンドル110内の位置は、カテーテルアセンブリ120及びハンドル110の
構成に依存する。図1B~5Bに示される実施形態において、張力ストッパ126は、ハ
ンドル110の流体チャンバ113の内側に配置され得る。休止ストッパ127は、流体
チャンバ113の外側であるがハンドル110の内側に配置されてよく、図1B~5Bに
示されるように、休止ストッパ127は、第2チャンバ109の内側に配置されてよい。
代替的に、休止ストッパが、ハンドル110の流体チャンバ113の内側に配置される一
方、張力ストッパが、流体チャンバ113の外側であるがハンドル110の内側に配置さ
れ得る。張力ストッパ及び休止ストッパはまた、双方が(図7に示されるように)ハンド
ル110の流体チャンバ113の内側に存在してよく、双方が流体チャンバ113の外側
だがハンドル110の内側に存在し得る(図示せず)。
【0036】
図1Bに示される実施形態において、ハンドル110及びカテーテルアセンブリ120
における休止ストッパ117、127は、対応する張力ストッパ116、126に対して
遠位方向に配置される。プランジャ130及びハンドル110の構成に応じて、ハンドル
110及びカテーテルアセンブリ120の休止ストッパは、代替的に、ハンドル110及
びカテーテルアセンブリ120における対応する張力ストッパに対して近位方向に配置さ
れ得る。
【0037】
カテーテルアセンブリ120は、ハンドル110及びコアワイヤ150に対して可動と
なり得る。好ましくは、カテーテルアセンブリ120は、デバイス100の長手軸103
に沿ってハンドル110及びコアワイヤ150に対して摺動可能である。カテーテルアセ
ンブリ120は、シール118におけるチャネル119又はハンドル110の遠位ポート
115の一方又は双方を通るように摺動することができる。
【0038】
動脈切開部配置デバイス100はさらに、拡張可能支持部160を含んでよい。拡張可
能支持部160は、低プロファイル構成、中間プロファイル構成及び高プロファイル構成
の間で動き得るバルーン、一群のスプライン、これらの組み合わせ、又は任意の拡張可能
構造物としてよい。拡張可能支持部160は、近位端の近位接合領域161と、遠位端の
遠位接合領域162とを有し得る。拡張可能支持部160の軸方向長さ(又は長さとも称
される)は、デバイス100の長手軸103に沿って測定される近位接合領域161と遠
位接合領域162との間の距離となり得る。拡張可能支持部160の幅は、拡張可能支持
部160の最も幅広の部分において、デバイス100の長手軸103に実質的に垂直に測
定され得る。拡張可能支持部160がバルーンの場合、バルーンは、標準の形状及びサイ
ズで与えられ、従来型材料から作られる。拡張可能支持部が球体又は楕円体の形状にある
場合、幅は、デバイス100の長手軸103に実質的に垂直な方向における拡張可能支持
部160の最大直径となる。以下に記載されることだが、拡張可能支持部160の長さ及
び幅は、拡張可能支持部160が、低プロファイル構成、中間プロファイル構成及び高プ
ロファイル構成の間で動かされると、変化し得る。
【0039】
拡張可能支持部160は、カテーテル140及びコアワイヤ150に接続され得る。拡
張可能支持部の近位接合領域161は、カテーテルアセンブリ120の遠位端122に接
続され得る。詳しくは、拡張可能支持部160の近位接合領域161は、カテーテル14
0の遠位端142に接続してよい。したがって、拡張可能支持部160の近位接合領域1
61は、カテーテルアセンブリ120に対して実質的に固定され得るが、コアワイヤ15
0及びハンドル110に対しては可動となり得る。拡張可能支持部160の遠位接合領域
162は、コアワイヤ150の遠位端152に接続され得る。したがって、拡張可能支持
部160の遠位接合領域162は、コアワイヤ150及びハンドル110に対して実質的
に固定され得るが、カテーテルアセンブリ120に対しては可動となり得る。拡張可能支
持部160がバルーンである場合、カテーテル140の管腔145は、バルーンの内部と
連通し得る。したがって、バルーンの内部は、カテーテルアセンブリ120の管腔125
及びハンドル110の流体チャンバ113を介して膨張ポート114と連通し得る。
【0040】
拡張可能支持部160の長さは、カテーテルアセンブリ120がコアワイヤ150に沿
って動かされるときに変化し、拡張可能支持部160が低プロファイル構成、中間プロフ
ァイル構成、及び高プロファイル構成の間で動くことが許容され得る。低プロファイル構
成において、拡張可能支持部160は、図1Cに示されるように第1長さ164a及び第
1幅163aを有してよい。中間プロファイル構成において、拡張可能支持部160は、
図2Cに示されるように第2長さ164b及び第2幅163bを有してよい。高プロファ
イル構成において、図3C、4C及び5Cそれぞれに示されるように、拡張可能支持部1
60は、第3長さ164c1、164c2又は164c3、及び第3幅163c1、16
3c2又は163c3を有し得る。一般に、拡張可能支持部160が、低プロファイル構
成から中間プロファイル構成へと、高プロファイル構成へと動くにつれ、長さが減少して
幅が増加し得る。第1長さ164aは第2長さ164bよりも長く、その双方は、第3長
さ164c1、164c2及び164c3よりも長くなり得る。第1幅163aは、第2
幅163bと同様であるが、その双方は、第3幅163c1、163c2及び163c3
よりも小さくなり得る。
【0041】
簡略のため、第1幅163a、第1長さ164a、第2幅163b、第2長さ164b
、第3幅163c1、163c2、163c3、及び第3長さ164c1、164c2及
び164c3がそれぞれ、「幅」又は「長さ」と称されるが、各幅が一定範囲の幅を包含
してよく、各長さが一定範囲の長さを包含してよい。例えば、図3C、4C及び5Cは、
第3幅が幅163c1、163c2及び163c3(最狭から最広へと記載)を含んでよ
く、第3長さが長さ164c1、164c2及び164c3(最長から最短へと記載)を
含んでよい。幅163c1、163c2及び163c3はそれぞれが、第1幅163a及
び第2幅163bのいずれよりも広くてよく、長さ164c1、164c2及び164c
3はそれぞれが、第1長さ164a又は第2長さ164bのいずれよりも短くてよい。
【0042】
動脈切開部配置デバイス100はまた、ばね170を含んでよい。ばね170は、ハン
ドル110及びコアワイヤ150に対してカテーテルアセンブリ120を近位方向に付勢
するべく、同様に、カテーテルアセンブリ120に対してハンドル110及びコアワイヤ
150を遠位方向に付勢するべく、カテーテルアセンブリ120に近位方向の力を及ぼし
得る。ばね170は、ハンドル110の内側に配置することができ、流体チャンバ113
図1Bに示す)の外側に存在してよく、代替的に、流体チャンバ113(図7に示す)
の内側に存在してよい。ばね170は、ハンドル110のばね接触面と、カテーテルアセ
ンブリ120のばね接触面との間に延び得る。ばね接触面の箇所は、ハンドル110及び
カテーテルアセンブリ120の構成に基づいて変わり得る。好ましくは、ばね170が圧
縮ばねである場合、ハンドル110のばね接触面は、カテーテルアセンブリ120のばね
接触面よりも遠位に存在し得る。ばね接触面は、ハンドル110の近位方向面、及びカテ
ーテルアセンブリ120の遠位方向面となり得る。例えば、図1Bに示される実施形態に
おいて、ばね接触面は、内部ハウジング110aの遠位壁、及びカテーテルアセンブリ1
20の休止ストッパ127である。しかしながら、ハンドル110及びカテーテルアセン
ブリ120の様々な特徴物が、ばね接触面としての役割を果たし得る。
【0043】
デバイス100は、ユーザが、カテーテルアセンブリ120に張力を及ぼしているとき
に、意図せず血管001を通して拡張可能支持部160を引っ張ることがないよう設計さ
れ得る。カテーテルアセンブリ120に張力を及ぼしているときに、ばね170を圧縮し
てカテーテルアセンブリ120に対してハウジング110及びコアワイヤ150を近位方
向に動かすのに必要な力は、血管001を通して拡張可能支持部160を引っ張るのに必
要な力よりも小さいことが好ましい。血管001を通して拡張可能支持部160を引っ張
るのに必要な力は、拡張可能支持部160の幅163が増加するにつれて増加する。例え
ば、拡張可能支持部160が高プロファイル構成にあるときに動脈切開部を通して拡張可
能支持部160を引っ張るのに必要な力は、拡張可能支持部が中間プロファイル構成にあ
るときに動脈切開部を通して拡張可能支持部160を引っ張る力よりも大きくなり得る。
したがって、カテーテルアセンブリ120に及ぼされる張力を増加させることはまた、血
管001を通して拡張可能支持部160を引っ張るのに必要な力も増加させる。これによ
り、ユーザは、血管を通して拡張可能支持部160を引っ張ることなく、増加した量の力
を及ぼすことができるようになる。
【0044】
使用中、動脈切開部配置デバイス100は、少なくとも3つの状態、すなわち休止状態
、位置決め状態、及び張力状態の間で可動となり得る。
【0045】
動脈切開部配置デバイス100が休止状態にある場合(図1A~1C参照)、拡張可能
支持部160は、休止幅(又は第1幅)163a及び休止長さ(又は第1長さ)164a
を有する低プロファイル構成にあってよい。ばね170は、カテーテルアセンブリ120
を、コアワイヤ150及びハンドル110に対して最も近位の位置へと近位方向に付勢す
ることにより、拡張可能支持部160の近位端161を近位方向へと引っ張ることができ
る。これにより、拡張可能支持部160の休止幅163が最小になる。カテーテルアセン
ブリ120の休止ストッパ127は、ハンドル110の休止ストッパ117上に支えられ
てよい。したがって、デバイス100が休止状態にあると、休止ストッパ127は、カテ
ーテルアセンブリ120がハンドル110及びコアワイヤ150に対して近位方向に動く
ことを防止する。ばね170は、ハンドル110及びコアワイヤ150に対するカテーテ
ルアセンブリ120の遠位方向の動きに抵抗し得る。
【0046】
デバイスは、拡張可能支持部160を休止状態に維持する解除可能休止ロックを含んで
よい。この休止ロックは係合すると、ハンドル110及びコアワイヤ150に対してカテ
ーテルアセンブリ120が遠位方向に動くことを防止する。これにより、拡張可能支持部
160が低プロファイル構成から中間プロファイル構成又は高プロファイル構成へと動く
ことも防止する。休止ロックが係合解除されると、カテーテルアセンブリ120は、ハン
ドル110及びコアワイヤ150に対して遠位方向に動くことができるので、拡張可能支
持部160が低プロファイル構成から中間プロファイル構成又は高プロファイル構成へと
動くことも許容する。ユーザは、休止ロックを選択的に係合及び係合解除することができ
る。
【0047】
拡張可能支持部160がバルーンの場合、休止ロックは、膨張ポート114に関連付け
られたバルブとしてよい。休止ロックは、バルブを閉にすることによって係合され得る。
これにより、膨張流体が膨張ポート114を通って流体チャンバ113に入ることが防止
される。休止ロックは、バルブを開にすることによって係合解除し得る。これにより、膨
張流体が膨張ポートを通って流体チャンバ113に入ることが許容される。
【0048】
動脈切開部配置デバイス100が位置決め状態にある場合(図2A~2C参照)、拡張
可能支持部160は、位置決め幅(又は第2幅)163b及び位置決め長さ(又は第2長
さ)164bを有する中間プロファイル構成にあってよい。位置決め幅163bは、休止
幅163aよりも大きくてよい。位置決め長さ164bは、休止長さ164aよりも短く
てよい。位置決め状態において、カテーテルアセンブリ120は、コアワイヤ150及び
ハンドル110に対し、休止状態のそれぞれの位置と比べて遠位方向に配置され得る。カ
テーテルアセンブリ120の遠位端122とハンドル110の遠位端112との間の距離
は、休止状態と比べて位置決め状態において増加され得る。カテーテルアセンブリ120
の遠位端122とハンドル150の遠位端152との間の距離は、休止状態と比べて位置
決め状態において増加され得る。コアワイヤ150の遠位端152とハンドル110の遠
位端112との間の距離は、休止状態と位置決め状態との間において実質的に一定となり
得る。カテーテルアセンブリ120の休止ストッパ127は、ハンドル110の休止スト
ッパ117から離間され得る。ばね170は、休止状態と比べて位置決め状態の方で圧縮
され得る。したがって、ばね170は、依然として、ハンドル110及びコアワイヤ15
0に対するカテーテルアセンブリ120の遠位方向の動きに抵抗し得る。拡張可能支持部
160がバルーンの場合、バルーンは、デバイスが位置決め状態にあるときに膨らまされ
得る。
【0049】
デバイスは、デバイス100が意図せず位置決め状態(又は張力状態)から休止状態に
戻ることのないように、解除可能位置決めロックを含み得る。この位置決めロックは係合
すると、ハンドル110及びコアワイヤ150に対してカテーテルアセンブリ120が近
位方向に動くことを防止するので、拡張可能支持部160は、中間プロファイル構成と高
プロファイル構成との間で動くことができるが、低プロファイル構成まで動くことはでき
ない。位置決めロックが係合解除されると、拡張可能支持部160は、中間プロファイル
構成(又は高プロファイル構成)と低プロファイル構成との間で動くことができる。ユー
ザは、位置決めロックを選択的に係合及び係合解除することができる。
【0050】
拡張可能支持部160がバルーンの場合、位置決めロックは、膨張ポート114に関連
付けられたバルブ(図示せず)としてよい。同じバルブが、休止ロック及び位置決めロッ
クとして作用し得る。位置決めロックは、膨張流体が流体チャンバ113に入った後にバ
ルブを閉にすることによって係合され得る。これにより、当該流体が膨張ポート114を
通って流体チャンバ113に入ることが防止される。位置決めロックは、バルブを開にす
ることによって係合解除し得る。これにより、膨張流体が膨張ポート114を通って流体
チャンバ113に入ることが許容される。
【0051】
動脈切開部配置デバイス100が張力状態にある場合(図3A~5C参照)、拡張可能
支持部160は、張力幅(又は第3幅)163c1、163c2及び163c3並びに張
力長さ(又は第3長さ)164c1、164c2及び164c3を有する高プロファイル
構成にあってよい。張力幅163c1、163c2及び163c3は、休止幅163a及
び位置決め幅163bの双方よりも大きくてよい。張力長さ164c1、164c2及び
164c3は、休止長さ164a及び位置決め長さ164bの双方よりも短くてよい。張
力状態において、コアワイヤ150及びハンドル110は、カテーテルアセンブリ120
に対し、休止状態及び位置決め状態の双方におけるそれぞれの位置と比べて近位方向に配
置され得る。カテーテルアセンブリ120の遠位端122とハンドル110の遠位端11
2との間の距離は、休止状態及び位置決め状態と比べて張力状態において増加され得る。
カテーテルアセンブリ120の遠位端122とコアワイヤ150の遠位端152との間の
距離は、休止状態及び位置決め状態と比べて張力状態において減少され得る。コアワイヤ
150の遠位端152とハンドル110の遠位端112との間の距離は、休止状態、位置
決め状態及び張力状態の間において実質的に一定となり得る。拡張可能支持部160がバ
ルーンの場合、バルーンは、デバイスが張力状態にあるときに膨張したままとなり得る。
デバイスは、張力状態において、位置決め状態と実質的に同じ量の膨張流体を有し得る。
【0052】
図3C、4C及び5Cは、拡張可能支持部が高プロファイル構成にある場合に張力幅及
び張力長さが変わり得ることを示す。この変動は、カテーテルアセンブリ120に及ぼさ
れる張力の量に相関し得る。例えば、図4Cに示されるように妥当な量の張力がカテーテ
ルアセンブリ120に及ぼされている場合、拡張可能支持部は、幅163c2及び長さ1
64c2を有し得る。図5Cに示されるように過大な張力がカテーテルアセンブリ120
に及ぼされている場合、拡張可能支持部160は、幅163c2よりも大きな幅163c
3、及び長さ164c2よりも短い長さ164c3を有し得る。図3Cに示されるように
過小な張力がカテーテルアセンブリ120に及ぼされている場合、拡張可能支持部160
は、幅163c2よりも小さな幅163c1、及び長さ164c2よりも長い長さ164
c1を有し得る。
【0053】
動脈切開部配置デバイス100が張力状態にある場合、カテーテルアセンブリ120の
休止ストッパ127は、ハンドル110の休止ストッパ117から離間され得る。カテー
テルアセンブリの張力ストッパ126は、必ずしもハンドル110上の張力ストッパ11
6に接触するとは限らない。しかしながら、カテーテルアセンブリ120への張力を望ま
しくないほど高いレベルまで増加させると、張力ストッパ126がハンドル110の張力
ストッパ116に接触するようになるので、カテーテルアセンブリ120に対してコアワ
イヤ150及びハンドル110がさらに近位方向に動くことが防止される。これにより、
カテーテルアセンブリ120への張力の量が制限される。ばね170は、休止状態及び位
置決め状態と比べて張力状態の方が圧縮され得る。したがって、ばね170は、カテーテ
ルアセンブリ及びハンドル110の張力ストッパ126、116が接触していない場合で
あっても、依然として、カテーテルアセンブリ120に対するハンドル110及びコアワ
イヤ150の近位方向の動きに抵抗し得る。
【0054】
動脈切開部配置デバイス100は、デバイス100の状態(すなわちデバイスが休止状
態、位置決め状態又は張力状態のいずれにあるか)、及び、もしあれば、カテーテルアセ
ンブリ120に及ぼされる張力の量の双方を視覚的に示すデバイス状態インジケータ10
4を含んでよい。デバイス状態インジケータ104によりユーザは、コアワイヤ150に
対するカテーテルアセンブリ120の長手方向位置を決定するべく、カテーテルアセンブ
リ120の特徴物とハンドル110の特徴物とを比較することができる。
【0055】
デバイス状態インジケータ104は、一つのコンポーネント上のインジケータ特徴物1
05を含む。インジケータ特徴物105は、他のコンポーネント上の一連の標識106(
線、色付き帯、隆起又は陥凹特徴物等を含むがこれらに限られない)に対して動く。デバ
イス状態インジケータ104は、ハンドル110上の一連の標識106、及びカテーテル
アセンブリ120上のインジケータ特徴物105を含み得る。例えば、インジケータ特徴
物105は、プランジャ130上の突起としてよく、標識106は、図1Aに示されるよ
うにハンドル110上に存在してよい。代替的に、デバイス状態インジケータは、カテー
テルアセンブリ上の一連の標識、及びハンドル上のインジケータ特徴物を含んでよい。例
えば、インジケータ特徴物は、図8に示されるハンドルにおける窓としてよく、単に、図
11に示されるハンドルの遠位ポートとしてよい。いずれにせよ、カテーテルアセンブリ
120がハンドル110に対して摺動すると、インジケータ特徴物105が標識106の
一つに整列し、デバイス100の状態、及び、もしあれば、カテーテルアセンブリ120
に及ぼされる張力の量を示す。ハンドル110は、インジケータ窓107を含み得る。こ
れにより、ユーザは、インジケータ窓107近くにおいて、カテーテルアセンブリ120
上の標識106、又はハンドル110上の標識106に対するカテーテルアセンブリ上の
インジケータ特徴物105の位置のいずれかを見ることができる。
【0056】
デバイス状態インジケータ104は、以下の標識106を含んでよい。1)デバイス1
00が休止状態にあること、拡張可能支持部160が低プロファイル構成にあること、及
びカテーテルアセンブリ120が張力を受けていないことを示す標識106a。2)デバ
イス100が位置決め状態にあって拡張可能支持部160が中間プロファイル構成にある
こと、及びカテーテルアセンブリ120が張力を受けていないことを示す標識106b。
3)デバイス100が張力状態にあること、拡張可能支持部160が高プロファイル構成
にあること、及びカテーテルアセンブリ120が張力を受けていることを示す一つ以上の
標識106c1、106c2、106c3。標識106c1は、カテーテルアセンブリ1
20が過小な力の張力を受けていることを示し、標識106c2は、カテーテルアセンブ
リ120が適切な力の張力を受けていることを示し、標識106c3は、カテーテルアセ
ンブリ120が過大な力の張力を受けていることを示してよい。標識106がカテーテル
アセンブリ120に含まれる場合、標識106aを最も遠位の標識とし、それに引き続き
、標識106b、そして標識106c1、そして標識106c2、最後に最も近位の標識
となる標識106c3の順序にするのが好ましい。標識106がハンドル110に含まれ
る場合、標識106aを最も近位の標識とし、それに引き続き、標識106b、そして標
識106c1、そして標識106c2、最後に最も遠位の標識となる標識106c3の順
序にするのが好ましい。しかしながら、逆の順序も使用することができ、標識は、デバイ
ス100及びデバイス状態インジケータ104の構成に応じて異なる順序で配列してよい
。標識106a、106b、106c1、106c2及び106c3の一つ以上を省略し
てもよく、付加的な標識を含めてもよい。
【0057】
動脈切開部を位置決めして処置を行うとき、以下の典型的な方法(以下の段落において
詳述)を使用してよい。方法は、動脈切開部を通して血管の中に拡張可能支持部を挿入す
るステップと、デバイスを位置決め状態まで動かすステップと、ハンドルを、拡張可能支
持部が動脈切開部に接触するまで近位方向に引き抜くステップと、カテーテルアセンブリ
に張力を及ぼしてデバイスを張力状態まで動かすべくハンドルを近位方向に引き抜き続け
るステップと、処置を行うステップと、デバイスをその休止状態に戻すステップと、デバ
イスを患者から引き抜くステップとを含み得る。これらのステップの一つ以上が省略され
て他のステップがこの方法に含められ得ることが理解される。
【0058】
まず、図1Aに示されるように、ユーザは、デバイス100を患者の中に挿入し、これ
により、動脈切開部002を通して拡張可能支持部を血管001の中に挿入する。挿入中
、動脈切開部配置デバイス100は休止状態にあり、デバイス状態インジケータ104は
、デバイス100が休止状態にあることを示す位置となる。休止ロックが係合して、デバ
イス100が挿入中に休止状態にあることが保証される。図1Aにおいて矢印により示さ
れるように、拡張可能支持部160、カテーテルアセンブリ120の遠位端122(好ま
しくはカテーテル140の遠位端142)、及びコアワイヤ150の遠位端152が、動
脈切開部002を通して血管001の中に挿入される。拡張可能支持部160は、低プロ
ファイル構成にある。拡張可能支持部の休止幅163aは、動脈切開部002の幅よりも
小さい。これにより、拡張可能支持部が動脈切開部002を通るように適合することが許
容される。挿入中、ハンドル110、コアワイヤ150及びカテーテルアセンブリ120
はすべて一緒に動く。遠位方向の力が、カテーテル140の遠位端142に及ぼされてい
ないからである。デバイス100の挿入が完了して拡張可能支持部160が血管001内
に配置されると、休止ロックが係合解除され、デバイス100が休止状態から位置決め状
態まで動くことが許容される。
【0059】
拡張可能支持部160が血管の内側に配置されると、ユーザは、動脈切開部配置デバイ
ス100を休止状態から位置決め状態まで動かすことができる。拡張可能支持部160が
、低プロファイル構成から中間プロファイル構成まで動く一方、カテーテルアセンブリ1
20は、ハンドル110及びコアワイヤ150に対して遠位方向に動く。拡張可能支持部
160の幅163が、休止幅163aから位置決め幅163bまで増加する。位置決め幅
163bは、動脈切開部002の幅よりも大きい。これにより、デバイスが位置決め状態
にある間に動脈切開部002を通して拡張可能支持部が引き抜かれることが防止される。
拡張可能支持部160の長さ164は、休止長さ164aから位置決め長さ164bまで
減少する。カテーテルアセンブリ120の遠位休止ストッパ127は、ハンドル110の
休止ストッパ117から離れるように動くので、もはや接触が存在しない。ばね170は
、依然として、ハンドル110及びコアワイヤ150に対するカテーテルアセンブリ12
0の遠位方向の動きに抵抗し得る。ばね170は、デバイス100が休止状態から位置決
め状態まで動かされると圧縮される。デバイス状態インジケータ104は、デバイス10
0が休止状態にあることを示す位置から、デバイス100が位置決め状態にあることを示
す位置まで動く。ひとたびデバイス100が位置決め状態に到達すると、位置決めロック
が係合されて使用中にデバイス100が意図せず休止状態まで戻ることが防止される。
【0060】
拡張可能支持部160がバルーンの場合、動脈切開部配置デバイス100を休止状態か
ら位置決め状態まで動かすステップは、バルーンを膨らませることを含み得る。デバイス
100は、膨張流体を、膨張ポート114を通してハンドル110の流体チャンバ113
の中に、カテーテルアセンブリ120の管腔125を通してバルーンの中に押し込むこと
によって、休止状態から位置決め状態まで動かされる。ひとたびデバイス100が位置決
め状態に到達すると、膨張ポート114に関連付けられたバルブ(図示せず)が閉にされ
、膨張流体が膨張ポート114を通って流れて流体チャンバ113から出ることが防止さ
れる。
【0061】
図2Aにおいて矢印により示されるように、動脈切開部配置デバイス100が位置決め
状態にある場合、ユーザは、拡張可能支持部160を動脈切開部002に近づけるべくハ
ンドル110を近位方向に引き抜く。カテーテルアセンブリ120は、この時点で張力を
受けていない。遠位方向の力が、カテーテル140の遠位端142に及ぼされていないか
らである。したがって、ハンドル110、コアワイヤ150及びカテーテルアセンブリ1
20はすべてが、近位方向に一緒に動き、デバイス100は、ユーザが動脈切開部002
の位置決めをするまで(換言すれば拡張可能支持部160が動脈切開部002における血
管001に接触するまで)位置決め状態のままとなる。デバイス状態インジケータ104
は、カテーテルアセンブリ120に少量の張力が及ぼされていることを示し得る。これは
、拡張可能支持部160が血管001に接触してデバイス100が正しい位置にあること
の目安となる。
【0062】
拡張可能支持部160が動脈切開部002に接触すると、ユーザは、カテーテルアセン
ブリ120に張力を及ぼしてデバイス100を張力状態にするべく、引き続きハンドル1
10を近位方向に引っ張る(図3A、4A及び5Aにおいて矢印により示される)。デバ
イス100が張力を受けると、カテーテルアセンブリ120は、血管壁001により拘束
されて実質的に静止したままとなる。近位方向の力をハンドル110に及ぼすことにより
、血管壁001は遠位方向の力を拡張可能支持部160に及ぼす。この遠位方向の力は、
カテーテルアセンブリ120の遠位端122(好ましくはカテーテル140の遠位端14
2)に伝えられる。一方、ユーザは、ハンドル110に近位方向の力を及ぼす。これによ
り、ばね170が圧縮され、カテーテルアセンブリ120の近位端121(好ましくはプ
ランジャ130)に近位方向の力が伝えられる。カテーテルアセンブリ120の遠位端1
22近くで及ぼされる遠位方向の力と、カテーテルアセンブリ120の近位端121の近
くで及ぼされる近位方向の力とにより、張力がもたらされる。デバイスが位置決め状態か
ら張力状態まで動かされると、拡張可能支持部160の幅163が位置決め幅163bか
ら張力幅163cまで増加し、拡張可能支持部160の長さ164が、位置決め長さ16
4bから張力長さ164cまで減少する。デバイス状態インジケータ104は、適切な量
の張力が及ぼされているか否かを示し得る。デバイス状態インジケータ104が、過大又
は過小な張力がカテーテルアセンブリ120に及ぼされていることを示す場合、ユーザは
、適切な量の張力がカテーテルアセンブリ120に及ぼされていることをデバイス状態イ
ンジケータ104が示すまで、ハンドル110及び/又はコアワイヤ150に及ぼされる
近位方向の力を(それぞれ)増加又は減少させる。カテーテルアセンブリ120上の張力
ストッパ126をハンドル110上の張力ストッパ116に接触させることにより、ユー
ザはまた、過大な張力をカテーテルアセンブリ120に及ぼすことがなくなる。位置決め
ロックはまた、デバイスが位置決め状態から張力状態まで動くときに係合されたままなの
で、デバイスが休止状態まで動くことが防止される。
【0063】
拡張可能支持部160がバルーンの場合、動脈切開部配置デバイス100が位置決め状
態と張力状態との間で動かされるときにバルーンは膨張したままでよい。デバイス100
が位置決め状態と張力状態との間で動かされるとバルーンの形状が変化し得るにもかかわ
らず、デバイス内の膨張流体の量は、実質的に一定のままとなり得る。したがって、膨張
ポートに関連付けられたバルブは、デバイスが位置決め状態と張力状態との間で動かされ
るときに閉のままとしてよい。
【0064】
デバイス状態インジケータ104が、適切な量の張力がカテーテルアセンブリ120に
及ぼされていることを示すとき、ユーザは、意図された処置(例えば血管閉鎖処置の場合
にシーラント又は他の閉鎖デバイスの適用)を行うことができる。ハンドル110及び/
又はコアワイヤ150に及ぼされる近位方向の力は、処置の少なくとも一部分の間中維持
することができるので、デバイス状態インジケータ104は、適切な量の張力がカテーテ
ルアセンブリ120に及ぼされていることを示し続ける。
【0065】
処置の完了後、ユーザは、動脈切開部配置デバイス100を休止状態に戻してよい。ハ
ンドル110に及ぼされる近位方向の力が減少すると、カテーテル140への張力が解放
され、カテーテルアセンブリ120は、ハンドル110及びコアワイヤ150に対して近
位方向に動くことが許容され、デバイスは位置決め状態に戻る。位置決めロックが係合解
除され、カテーテルアセンブリ120は、ハンドル110及びコアワイヤ150に対して
さらに近位方向に動かされ、デバイス100は休止状態に戻る。拡張可能支持部160が
バルーンの場合、位置決めロックは、膨張ポート114に関連付けられたバルブを開にす
ることによって係合解除される。これにより、膨張流体が、ハンドル110上の膨張ポー
ト114を通って流体チャンバ113から出ることが許容され、バルーンが収縮してデバ
イス100は休止状態に戻る。
【0066】
動脈切開部配置デバイス100が休止状態に戻ったとき、拡張可能支持部160は、動
脈切開部002の幅よりも小さな休止幅163aを有していたかもしれない。したがって
、拡張可能支持部は、動脈切開部002を通るように適合され、デバイス100を患者か
ら除去することができる。近位方向の力がハンドル110に及ぼされ、動脈切開部配置デ
バイス100全体が患者から引き抜かれる。
【0067】
様々な他のコンポーネントを、動脈切開部配置デバイス100内に与えることができる
。加えて、動脈切開部配置デバイス100はまた、患者の脈管構造にアクセスする必要が
ある処置において他のデバイスに組み入れることができる。例えば、動脈切開部配置デバ
イス100は、血管閉鎖デバイスに組み入れることができる。血管閉鎖デバイスはさらに
、シーラント、プッシャ部材、保護スリーブ、及び様々な他のコンポーネントを含む特徴
物を組み入れてよい。シーラントは、拡張可能部材よりも近位にあるカテーテルアセンブ
リの遠位端近くに配置してよい。プッシャ部材は、シーラントの近位方向への動きを防止
し及び/又はシーラントを詰めるべく、シーラントよりも近位に配置される。シーラント
及びプッシャ部材は、シーラントを展開するべく引き抜き可能な保護スリーブの内側に与
えることができる。上述した動脈切開部配置デバイスを血管閉鎖デバイスの中に組み入れ
ることは、ユーザがシーラントを展開し及び/詰める前にシーラントが正確に(血管の外
側であるが動脈切開部の近くに)配置されることの保証に役立ち得る。デバイスはさらに
、シーラントを露出させ、シーラントを詰め、カートリッジアセンブリ及び拡張可能支持
部をシーラント及び/又は保護スリーブに対して引き抜いている間にデバイスを制御する
ための付加的なコンポーネント、アクチュエータ及び/又は安全機構を含み得る。
【0068】
動脈切開部配置デバイスの一定数の代替実施形態が想定され、図6~11に示されるも
のが含まれる。代替実施形態のいくつかが、一つ以上の特徴物を共通に有してよい。他実
施形態が、ハンドル、カテーテルアセンブリ、コアワイヤ及び拡張可能部材を有してよい
。コアワイヤは、デバイスが少なくとも位置決め状態及び/又は張力状態にある間、ハン
ドルに対して実質的に固定され得る。カテーテルアセンブリは、カテーテルに対して実質
的に固定されたプランジャを含み得る。カテーテルアセンブリは、ハンドル及びコアワイ
ヤに対して可動とすることができる。拡張可能支持部の近位端はカテーテルに接続されて
よく、拡張可能支持部の遠位端はコアワイヤに接続されてよい。拡張可能支持部の遠位端
とハンドルの遠位端との間の距離が、デバイスが少なくとも位置決め状態及び/又は張力
状態にある間は実質的に固定される一方、拡張可能支持部の近位端は、ハンドルに対して
可動となり得る。拡張可能支持部の近位端は、近位方向に付勢されるが、デバイスに及ぼ
される様々な力に応答してハンドルに対して遠位方向に可能となり得る。張力をカテーテ
ルアセンブリに及ぼすことにより、拡張可能支持部の幅が増加し得る。デバイスはまた、
拡張可能支持部の構成とカテーテルアセンブリに及ぼされている張力の量との双方を示す
ことができるデバイス状態インジケータを有し得る。図6~11に示される典型的な代替
実施形態は、動脈切開部配置デバイスの異なる構成を示す。理解されることだが、当業者
であれば、一実施形態からの一つ以上の特徴部を他実施形態からの他の特徴部と組み合わ
せることができることがわかる。
【0069】
図6は、プランジャ630が流体チャンバ113の中に延びていない動脈切開部配置デ
バイス600の代替実施形態を示す。デバイス600はデバイス100と同様である。た
だし、カテーテルアセンブリ620(特にプランジャ630)及びシール618(特にシ
ール618内のチャネル619)がカテーテルアセンブリ120及びシール118と異な
る点を除く。図6は、プランジャ630が、ハンドル110の流体チャンバ113の完全
に外側に配置される一実施形態を示す。カテーテルアセンブリ620の休止ストッパ62
7及び張力ストッパ626が双方とも、流体チャンバ113の外側に配置されてよい。シ
ール618が、カテーテルアセンブリ620の近位方向の動きを制限するべくハンドル1
10の休止ストッパを形成し得る。ハンドル110の一表面(図6においてはこの表面は
内部ハウジング110aの遠位面となり得る)が、カテーテルアセンブリ620に対する
コアワイヤ150及び/又はハウジング110の近位方向の動きを制限するハンドル11
0の張力ストッパを形成し得る。シール618におけるチャネル619は、シールを目的
としてカテーテル140よりも小さな直径を有し得る。プランジャ630がシール618
におけるチャネル619を貫通しないからである。
【0070】
図7は、ハンドル110が流体チャンバ713を含むが第2チャンバを含まない動脈切
開部配置デバイス700の他の代替実施形態を示す。デバイス700はデバイス100と
同様である。ただし、ハンドル710(特に内部ハウジング710a)及びカテーテルア
センブリ720(特にプランジャ730)がデバイス100のハンドル100及びカテー
テルアセンブリ120と異なる点を除く。図7において、ばね170は流体チャンバ71
3の中に配置されるように示されるが、流体チャンバ713の外側に、ただしハンドル7
10の中に、配置されてもよい。例えば、ばねを、カテーテル140を覆うように挿入す
ることができる。これにより、ばね170の遠位端が、ハンドル710の一表面(可能で
あればハンドル710の遠位端712)に接触し、ばねの近位端が、プランジャ730の
一表面(可能であればプランジャ730の遠位端732)に接触し得る。加えて、図7
ハンドル710は、近位及び遠位のシール保持壁718a、718bを示す。これは、シ
ール718がハンドルにおいて固定され得る一つの態様である。これらのシール保持壁は
、ハンドルに対してシールの位置を維持するべく、様々な他実施形態に適用することがで
きる。
【0071】
図7の他の独特な特徴は、カテーテルアセンブリ720の近位端721が休止ストッパ
727を形成することにある。図7に示されるように、カテーテルアセンブリ720は、
カテーテルアセンブリ720の管腔725と連通する横チャネル728を含み得る。図7
に示されるように、横チャネル728により、デバイス700が休止位置にあるときの、
膨張ポート114からカテーテルアセンブリ720の管腔725への流体の動きが許容さ
れる。この概念はまた、流体チャンバ及び第2チャンバの双方を有する実施形態にも当て
はまり得る。代替的に、プランジャは、プランジャの休止ストッパが流体チャンバ713
の外側に位置決めされるように設計され得る。これにより、休止ストッパは、デバイス7
00が休止位置にあるとき内部ハウジング710aの最も遠位の表面上に支えられる。
【0072】
図8は、代替的なデバイス状態インジケータを有する動脈切開部配置デバイス800の
、さらなる他の代替実施形態を示す。デバイス800は、デバイス100と同様である。
ただし、ハンドル810(特に外部ハウジング810b)及びカテーテルアセンブリ82
0(特にプランジャ830)が、ハンドル110及びカテーテルアセンブリ120と異な
る。インジケータ特徴部805はハンドル810に存在し、標識806はカテーテルアセ
ンブリ820に存在する。インジケータ特徴部805は、ハンドル110における窓とし
てよい。窓は、標識806の一つを一回に示す及び/又はこれと整列するサイズとしてよ
い。これにより、ユーザは、カテーテルアセンブリ820の標識806(図8において隆
起特徴部として示す)が、ハンドル810の窓を通過するように摺動するときに、デバイ
スの状態を決定することができる。
【0073】
図9は、動脈切開部配置デバイス900の、なおもさらなる他の典型的な実施形態を示
す。デバイス900はデバイス100と同様である。ただし、ハンドル910及びカテー
テルアセンブリ920(特にプランジャ930)が、ハンドル110及びカテーテルアセ
ンブリ120と異なる点を除く。この実施形態において、インジケータ特徴部905はま
た、休止ストッパとして機能する。ばね170は、ハンドル910の内側に、ただし流体
チャンバ113の外側に、位置決めされる。ばね接触面は、プランジャ930の遠位端9
32、及び外部ハウジング910bの遠位端912に存在してよい。
【0074】
図10は、動脈切開部配置デバイス1000の他の典型的な実施形態を示す。デバイス
1000はデバイス100と同様である。ただし、デバイス1000のハンドル1010
が、デバイス100のハンドル110とは異なる点を除く。デバイス1000のハンドル
1010は、内部ハウジング及び外部ハウジングを有しないが、その代わりに、一つのハ
ウジングから形成され得る。インジケータ特徴部1004は、カテーテルアセンブリ10
20とハンドル1010との間の相対的な動きの目安となる。ハンドル1010は、カテ
ーテルアセンブリ1020の(好ましくはプランジャ1030の)インジケータ特徴部1
005をユーザが見ることを許容する窓1007を含んでよい。標識(図10に示さず)
は、ハウジング1010の外表面において窓1007に隣接してよい。
【0075】
図11は、代替的なデバイス状態インジケータ1104を有する動脈切開部配置デバイ
ス1100の、なおもさらなる典型的な実施形態を示す。デバイス1100はデバイス1
000と同様である。ただし、ハンドル1110及びカテーテルアセンブリ1120が、
デバイス1000のハンドル1010及びカテーテルアセンブリ1020とは異なる点を
除く。詳しくは、インジケータ特徴部1105は、ハンドル1110における単なる遠位
開口1115である。カテーテルアセンブリ1120の(好ましくはプランジャ1130
の外表面1133の)一連の標識1106が、遠位開口1115に対して摺動してよい。
遠位開口1115と整列された標識1106が、デバイス1100の状態を示す。ハンド
ル1010における窓1007と、図10のインジケータ特徴部1005を形成した突起
とが、デバイス1100において省略され得る。このデバイス状態インジケータ1104
はまた、動脈切開部配置デバイスの他実施形態にも当てはまる。
【0076】
デバイスは、拡張可能支持部が膨張可能バルーンではない場合に修正してよい。例えば
、ハンドルにおける膨張ポート、流体チャンバ、バルブ及びシールを省略してよい。デバ
イスは、コアワイヤに対してカテーテルアセンブリを遠位方向に動かすことによって(又
はカテーテルアセンブリに対してコアワイヤを近位方向に動かすことによって)、休止状
態から位置決め状態まで動かすことができる。これは、手動で又はハンドルにおけるアク
チュエータ若しくは制御機構によって成し遂げることができる。いずれの場合も、デバイ
スがどのようにして休止状態から位置決め状態まで動かされるのかにかかわらず、デバイ
スは依然として、位置決め状態と張力状態との間を自由に動くことができる。デバイスは
、カテーテルアセンブリの位置を維持する一つ以上のロック特徴部を有してよい。例えば
、休止ロックにより、デバイスが休止状態にあるときにハンドル及びコアワイヤに対する
カテーテルアセンブリの遠位方向の動きを防止することができる。ひとたびデバイスが位
置決め状態まで動かされると、位置決めロックが、ハンドル及びコアワイヤに対するカテ
ーテルアセンブリの近位方向の動きを制限し得る一方、デバイスは依然として位置決め状
態と張力状態との間を動くことが許容される。
【0077】
図12Aは、休止状態にある拡張可能支持部1260の代替実施形態の斜視図である。
拡張可能支持部1260は、図13A~Cを参照して以下に記載されるハンドルの実施形
態とともに、図1A~5Cを参照して記載された配置デバイス100のような動脈切開部
配置デバイスに接続されるように構成される。
【0078】
図12A~Cに描かれる実施形態において、拡張可能支持部1260は拡張可能ワイヤ
メッシュである。これは、低プロファイル構成(図12Aに休止状態を示す)、中間プロ
ファイル構成(図12Bに位置決め状態を示す)、及び高プロファイル構成(図12C
拡張状態を示す)の間で動くことができる。
【0079】
図12Bは、位置決め状態にある図12Aの動脈切開部配置デバイスの斜視図である。
上述したように、ここで位置決め状態はまた、中間プロファイル構成とも称してよい。拡
張可能支持部1260が球体又は楕円体の形状にある場合、その幅は、デバイス100の
長手軸に実質的に垂直な方向における拡張可能支持部1260の最大直径となる。以下に
記載されることだが、拡張可能支持部1260の長さ及び幅は、拡張可能支持部1260
が、低プロファイル構成、中間プロファイル構成及び高プロファイル構成の間で動かされ
ると、変化し得る。
【0080】
拡張可能支持部1260は、例えばカテーテル140のようなカテーテル、及び例えば
コアワイヤ150のようなコアワイヤに接続され得る。
【0081】
拡張可能支持部1260の長さは、カテーテルアセンブリがコアワイヤに対して動かさ
れると変わり得る。これにより、拡張可能支持部1260は、低プロファイル構成、中間
プロファイル構成及び高プロファイル構成の間で動くことが許容される。一般に、拡張可
能支持部1260が、低プロファイル構成から中間プロファイル構成へと、高プロファイ
ル構成へと動くにつれ、長さが減少して幅が増加し得る。
【0082】
図13A~Cは、図12A~Cの拡張可能支持部とともに使用され得るプランジャ13
10を含むハンドル1300の一例を描く。いくつかの実施形態において、ハンドル13
00は、ハンドル110と同様に一定数の特徴物を含み得る。図13A~Cの実施形態に
特有の所定の特徴物を、以下に詳述する。
【0083】
図13Aは、休止状態にある図12Aの拡張可能支持部とともに使用されるハンドル1
300の、側部から示された断面図を描く。図13Aにおいて、プランジャ1310は、
プランジャ1310が動くのを防止するロック1320によるロック位置にあるように示
される。これにより、低プロファイル構成又は休止状態のままの拡張可能支持部1260
がもたらされる。
【0084】
操作において、ひとたびユーザが患者の動脈の中へのデバイスの挿入を完了すると、ユ
ーザは、プランジャ1310のロック1320をロック解除することができる。これによ
り、プランジャ1310の、図13Bに示される位置への動きが許容される。図13B
、位置決め状態にある図12Bの拡張可能支持部とともに使用される図13Aのハンドル
の、側部から示された断面図である。
【0085】
図13Bに示されるように、ハンドル1300内での遠位方向へのプランジャ1310
の動きは、拡張可能支持部1260に力を及ぼす。及ぼされた力により、拡張可能支持部
1260の拡張が引き起こされ、図12Bに中間プロファイル構成又は位置決め状態にあ
るように示される拡張可能支持部1260の部分的な拡張がもたらされる。
【0086】
図13Cは、拡張状態にある図12Cの拡張可能支持部とともに使用される図13A
ハンドルの、側部から示された断面図である。プランジャ1310がハンドル1300内
を遠位方向に動くと、プランジャは、ハンドル1300内に存在するばね1330に接触
及び係合する。プランジャ1310の連続的な遠位方向の動きにより、ばね1330に圧
力が及ぼされてばね1330が圧縮される。これにより、図13Cに描かれる構成がもた
らされる。ユーザがデバイスを引っ込めて拡張可能支持部1260が動脈切開部を押圧す
ると、プランジャ1310の張力により、拡張可能支持部1260のさらなる拡張が与え
られ、図12Cに示される高プロファイル構成がもたらされる。ばね1320は摩擦を与
え、ひいては拡張可能支持部1260の拡張比を制御する。
【0087】
ここで使用されるように、相対的な用語「近位」及び「遠位」は、動脈切開部配置デバ
イスの観点から定義される。すなわち、近位は、ハンドルの方向を言及し、遠位は、拡張
可能部材の方向を言及する。
【0088】
本開示の目的のため、所定の側面、利点、及び新規な特徴がここに記載される。理解さ
れることだが、そのような利点の必ずしもすべてが、いずれかの特定の実施形態において
達成されるというわけではない。よって、例えば、当業者にわかることだが、ここに教示
される一つの利点又は一群の利点を、ここに教示又は示唆される他の利点を必ずしも達成
することなく、達成する態様で、本開示を具体化し又は実行することができる。上記説明
は、ここに記載される様々な実装例をいずれの当業者もが実施することができるように与
えられる。これらのバリエーションに対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであ
り、ここに定義される一般的な原理は他の実装に当てはめることができる。当業者に周知
の又は後に周知となる本開示全体にわたって記載された様々な優れた例の要素に対するす
べての構造的等価物及び機能的等価物は、参照によりここに明示的に組み入れられる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C