(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】光電子用途の高速データ伝送用のトランジスタアウトラインヘッダ
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02212 20210101AFI20230410BHJP
H01S 5/042 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
H01S5/02212
H01S5/042 612
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021143427
(22)【出願日】2021-09-02
【審査請求日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オン ワイ リー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ディーン タン
(72)【発明者】
【氏名】アミー スン リー ピン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス クラウゼ
(72)【発明者】
【氏名】アーティト アオウドムスク
(72)【発明者】
【氏名】カーステン ドレーゲミュラー
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-124351(JP,A)
【文献】特開2000-353846(JP,A)
【文献】特開2004-063852(JP,A)
【文献】国際公開第2020/111257(WO,A1)
【文献】特開2020-053565(JP,A)
【文献】特開2011-203458(JP,A)
【文献】特開2019-029394(JP,A)
【文献】特開2020-098837(JP,A)
【文献】特開2020-036008(JP,A)
【文献】特開2021-153100(JP,A)
【文献】特開2003-163512(JP,A)
【文献】特開2019-050372(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0203922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
H01L 33/00 - 33/64
H01L 23/00 - 23/26
H01L 31/00 - 31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子用途のためのヘッダ(1)であって、
前記ヘッダ(1)は、ヘッダベース(3)を備え、前記ヘッダベース(3)は、高さ方向(Z)、幅方向(X)および長手方向(Y)に延びていて、ベース背面(59)およびベース前面(58)と、少なくとも1つの開口(8)と、を備え、前記開口(8)は、前記ベース背面(59)から前記
ヘッダベース(3)の体積を通って前記幅方向(X)に沿って前記ベース前面(58)まで延びていて、前記開口(8)を通して差し込まれる少なくとも1つの電気的に絶縁されたピン(6)を前記開口(8)ごとに収容するようになっており、少なくとも第1のペデスタル(7a)は、前記ベース前面(
58)に配置されており、前記
第1のペデスタル(7a)は、前記高さ方向(Z)において前記開口(8)の中心の下方に配置されていて、少なくともペデスタル取り付け面(40)と、前記ペデスタル取り付け面(40)とは反対側のペデスタル自由面(41)と、ペデスタルサブマウント(9)を取り付けかつ支持するための少なくとも1つの上面(42)と、を備え、前記第1のペデスタル(7a)の前記ペデスタル取り付け面(40)は、少なくとも部分的に前記ベース前面(58)と前記ペデスタル取り付け面(40)との間に配置された導電性材料によって、前記ベース前面(58)に固定して取り付けられて
おり、
前記第1のペデスタル(7a)は、第1のバー(51)を備え、前記第1のバー(51)は、前記第1のバー(51)の側面(52)が前記第1のペデスタル(7a)の第1の側面(43)を延長させることにより、前記上面(42)に隣接した側壁(55)を形成するように、前記上面(42)に配置されており、前記第1のペデスタル(7a)のL字形は、前記第1のバー(51)および前記上面(42)によって形成されている、
ヘッダ(1)。
【請求項2】
光電子用途のためのヘッダ(1)であって、
前記ヘッダ(1)は、ヘッダベース(3)を備え、前記ヘッダベース(3)は、高さ方向(Z)、幅方向(X)および長手方向(Y)に延びていて、ベース背面(59)およびベース前面(58)と、少なくとも1つの開口(8)と、を備え、前記開口(8)は、前記ベース背面(59)から前記
ヘッダベース(3)の体積を通って前記幅方向(X)に沿って前記ベース前面(58)まで延びていて、前記開口(8)を通して差し込まれる少なくとも1つの電気的に絶縁されたピン(6)を前記開口(8)ごとに収容するようになっており、少なくとも第1のペデスタル(7a)は、前記ベース前面(
58)に配置されており、前記
第1のペデスタル(7a)は、前記高さ方向(Z)において前記開口(8)の中心の下方に配置されていて、少なくともペデスタル取り付け面(40)と、前記ペデスタル取り付け面(40)とは反対側のペデスタル自由面(41)と、ペデスタルサブマウント(9)を取り付けかつ支持するための少なくとも1つの上面(42)と、を備え、前記第1のペデスタル(7a)の前記ペデスタル取り付け面(40)は、少なくとも部分的に前記ベース前面(58)と前記ペデスタル取り付け面(40)との間に配置された導電性材料によって、前記ベース前面(58)に固定して取り付けられて
おり、
前記第1のペデスタル(7a)は、第1のバー(51)および第2のバー(53)を備え、
前記第1のバー(51)は、前記第1のバー(51)の側面が前記第1のペデスタル(7a)の第1の側面(43)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
前記第2のバー(53)は、前記第2のバー(53)の側面(52)が前記第1のペデスタル(7a)の第2の側面(44)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
これにより、前記上面(42)に隣接した2つの側壁(55)が形成されており、
前記第1のペデスタル(7a)のU字形は、前記第1のバー(51)と前記第2のバー(53)との間に位置決めされた前記上面(42)によって形成されている、
ヘッダ(1)。
【請求項3】
光電子用途のためのヘッダ(1)であって、
前記ヘッダ(1)は、ヘッダベース(3)を備え、前記ヘッダベース(3)は、高さ方向(Z)、幅方向(X)および長手方向(Y)に延びていて、ベース背面(59)およびベース前面(58)と、少なくとも1つの開口(8)と、を備え、前記開口(8)は、前記ベース背面(59)から前記
ヘッダベース(3)の体積を通って前記幅方向(X)に沿って前記ベース前面(58)まで延びていて、前記開口(8)を通して差し込まれる少なくとも1つの電気的に絶縁されたピン(6)を前記開口(8)ごとに収容するようになっており、少なくとも第1のペデスタル(7a)は、前記ベース前面(
58)に配置されており、前記
第1のペデスタル(7a)は、前記高さ方向(Z)において前記開口(8)の中心の下方に配置されていて、少なくともペデスタル取り付け面(40)と、前記ペデスタル取り付け面(40)とは反対側のペデスタル自由面(41)と、ペデスタルサブマウント(9)を取り付けかつ支持するための少なくとも1つの上面(42)と、を備え、前記第1のペデスタル(7a)の前記ペデスタル取り付け面(40)は、少なくとも部分的に前記ベース前面(58)と前記ペデスタル取り付け面(40)との間に配置された導電性材料によって、前記ベース前面(58)に固定して取り付けられて
おり、
前記第1のペデスタル(7a)は、第1のバー(51)および第2のバー(53)を備え、
前記第1のバー(51)は、前記第1のバー(51)の側面が前記第1のペデスタル(7a)の第1の側面(43)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
前記第2のバー(53)は、前記第2のバー(53)の側面(52)が前記第1のペデスタル(7a)の第2の側面(44)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
これにより、前記上面(42)に隣接した2つの側壁(55)が形成されており、
前記第1のペデスタル(7a)の一方のバー(51,53)は、他方のバーよりも小さい長さを有し、これにより、前記第1のペデスタル(7a)の部分的なU字形が形成されており、前記上面(42)は、前記第1のバー(51)と前記第2のバー(53)との間に位置決めされている、
ヘッダ(1)。
【請求項4】
前記ヘッダは、第2のペデスタル(7b)を備え、前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)は、前記高さ方向(Z)および前記幅方向(X)に対して平行な仮想平面に関して鏡面対称に配置されていることを特徴とする、
請求項1から3までのいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項5】
前記ヘッダは、第2のペデスタル(7b)を備え、
-前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)は、2つの端面を有する等しい形状であり、反対側の端面によって前記
ヘッダベース(3)に取り付けられている、かつ/または
-前記第1のペデスタル(7a)および/または前記第2のペデスタル(7b)は、少なくとも前記長手方向(Y)および前記高さ方向(Z)に対して平行な鏡面に関して鏡面対称に成形されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項6】
各ペデスタル(7)の前記上面(42)は、縁部(49)によって前記ペデスタル自由面(41)および/または取り付け面(40)に接続されており、前記縁部(49)は、前記上面(42)と、前記取り付け面(40)および/または前記ペデスタル自由面(41)と、の間に、これらに隣接して配置されており、
-前記縁部(49)は、面取り縁部として形成されているか、または
-前記縁部(49)は、調和縁部として形成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項7】
前記ヘッダは、第2のペデスタル(7b)を備え、
前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)は、第1のバー(51)を備え、前記第1のバー(51)は、前記第1のバー(51)の側面(52)が前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の第1の側面(43)を延長させることにより、前記上面(42)に隣接した側壁(55)を形成するように、前記上面(42)に配置されており、前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)のL字形は、前記第1のバー(51)および前記上面(42)によって形成されている、
請求項1記載のヘッダ(1)。
【請求項8】
前記ヘッダは、第2のペデスタル(7b)を備え、
前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)は、第1のバー(51)および第2のバー(53)を備え、
前記第1のバー(51)は、前記第1のバー(51)の側面が前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の第1の側面(43)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
前記第2のバー(53)は、前記第2のバー(53)の側面(52)が前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の第2の側面(44)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
これにより、前記上面(42)に隣接した2つの側壁(55)が形成されており、
前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)のU字形は、前記第1のバーと前記第2のバーとの間に位置決めされた前記上面(42)によって形成されている、
請求項2記載のヘッダ(1)。
【請求項9】
前記ヘッダは、第2のペデスタル(7b)を備え、
前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)は、第1のバー(51)および第2のバー(53)を備え、
前記第1のバー(51)は、前記第1のバー(51)の側面が前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の第1の側面(43)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
前記第2のバー(53)は、前記第2のバー(53)の側面(52)が前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の第2の側面(44)を延長させるように前記上面(42)に配置されており、
これにより、前記上面(42)に隣接した2つの側壁(55)が形成されており、
各ペデスタル(7)の一方のバー(51,53)は、他方のバーよりも小さい長さを有し、これにより、前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の部分的なU字形が形成されており、前記上面(42)は、前記第1のバー(51)と前記第2のバー(53)との間に位置決めされている、
請求項3記載のヘッダ(1)。
【請求項10】
前記ヘッダ(1)は、前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の前記上面(42)に取り付けられた少なくとも2つのペデスタルサブマウント(9)を備え、各ペデスタルの少なくとも一方の側壁(55)、特に2つの側壁(55)の高さ(H1)は、前記ペデスタルサブマウント(9)の高さ(H2)に対応する、
請求項4、5、7から9までのいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項11】
前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の長さ(L1)は、前記ペデスタルサブマウント(9)の長さ(L2)より大きい、
請求項10記載のヘッダ(1)。
【請求項12】
少なくとも1つの側壁(55)の高さ(H1)は、0.1mmより大き
いかつ/または0.6mmより小さい
、
請求項1から11までのいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項13】
前記第1のバー(51)の幅(W1)は、0.05mmより大き
いかつ/または0.3mmより小さい
、
請求項1から10までのいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項14】
少なくとも1つのバー(51,53)の幅(W1)は、0.05mmより大き
いかつ/または0.3mmより小さい
、
請求項2、3、8、9のいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項15】
前記ヘッダ(1)は、少なくとも2つのピン(6)を備え、各ピン(6)は、前記第1のペデスタル(7a)および前記第2のペデスタル(7b)の上方に配置された2つの開口(8)のうちの1つに配置されており、前記ピン(6)の少なくとも1つは、
-
前記ピン(6)のヘッド面が、前記ベー
ス前面(
58)と平坦に配置されているという特徴と、
-前記ピン(6)は、ネイルヘッドを備えるという特徴と、
のうちの少なくとも一方を備える、
請求項4、5、7から11のいずれか1項記載のヘッダ(1)。
【請求項16】
前記上面(42)に取り付けられた前記
ペデスタルサブマウント(9)の導体トレース(132)は、特に導電性材料(19)によって、同一平面導波路の一部である少なくとも1つのバー(51,53)に電気的に接続されている、
請求項3または10記載のヘッダ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子部品のパッケージングに関する。詳細には、本発明は、ヘッダ、好ましくは、電子デバイスを取り付けるためのトランジスタアウトラインヘッダ(TO-ヘッダ)の設計に関する。本発明は、電子デバイスとしてのレーザダイオードに特に適している。
【背景技術】
【0002】
一部の光電子用途では、レーザチップによって放射されるビームの波長が正確に制御されなければならない。レーザの波長は温度に依存する。したがって、レーザの温度は狭い温度範囲内で安定させられるべきである。これを達成するために、熱電クーラ(TEC)を使用することが知られている。TECは、トランジスタアウトライン(TO)パッケージなどの、レーザダイオード用のハウジング内に含まれてよい。TECは、中距離の場合、直接変調レーザ(DML)と連携して使用されてよい。DMLは、外部変調レーザ(EML)よりも廉価である。しかしながら、多くのレーザドライバICは、差動信号を用いてDMLを駆動している。この場合、ヘッダは、2つのRF信号ラインを必要とする。これらの2つの信号ラインは、DML以外からの反射による信号劣化を回避するために、好ましくは、特性インピーダンスZ0=25オームを有するべきである。
【0003】
さらに、TECは、高温側および低温側を有する。高温側は、放熱のためにヘッダに接続されている。DMLは、低温側に取り付けられている。低温側は、熱フィードバックおよび自己発熱効果を防止するために、高温側から断熱されるべきである。他方、2つのRFラインがDMLに接続されなければならない。よく知られている概念の1つは、2つの別個のRFラインを使用することである。各RFラインは、信号をヘッダ内のDMLに送るための小さなプリント配線板を含む。各プリント配線板は、別個のペデスタルに取り付けられてよい。ヘッダのアイレットまたはベースは、例えば、プリント配線板をそれぞれのペデスタルに電気的に接続するために、ピンを収容するための複数の開口を含む。つまり、各ペデスタルは、それぞれの開口に対応する。通常、ペデスタルとヘッダのアイレットまたはベースとは、1回のスタンピングプロセスで1つの部品として形成される。しかしながら、スタンピングにより、ヘッダとペデスタルとの間の接続領域に縁部が生じる。このような縁部は、プリント配線板が取り付けられたペデスタルの上面に対して角張っており、このことは、ヘッダとプリント配線板との間の小さなオフセットにつながる。これらのオフセットは、RF性能に重大な悪影響を及ぼし、特にdBの大幅な損失を生じる。
【0004】
さらに、現在の設計では、RFラインは、接地に電気的に接続されたペデスタル上に配置されたプリント配線板の上側における信号ラインおよび下側における接地を備える接地基準マイクロストリップラインであってよい。TECの低温側でキャリアに取り付けられたDMLを接続するために、ボンドワイヤが使用される。なぜならば、ボンドワイヤの熱伝導率が極めて低いからである。ボンドワイヤ相互接続のための接地にアクセスするために、各プリント配線板に2つのスルーホールビアが使用されてよい。これらのビアは、プリント配線板の下側から上側への相互接続を提供する。2つのビアを使用することにより、単純な接地-信号構成よりもはるかに優れたRF性能を有する接地-信号-接地(GSG)のボンドワイヤ構成が可能になる。しかしながら、ビアは、追加の製造ステップを必要とし、全体的な設計を複雑にする。なぜならば、プリント配線板およびペデスタルは、互換性のある設計を有するべきであるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、例えば、オフセットおよびビアを回避することによって組み立てを容易にし、それにもかかわらず、改善されたRF性能を提供するヘッダの設計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、特許請求の範囲の主題によって達成される。したがって、光電子用途のためのヘッダは、高さ方向、幅方向および長手方向に延びるヘッダベースを備える。ベースは、ベース背面およびベース前面と、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの開口と、を備え、開口は、ベース背面からベースの体積を通って幅方向に沿ってベース前面まで延びていて、少なくとも1つの電気的に絶縁されたピンを開口ごとに収容する。ピンは、それぞれ開口を通して差し込まれているかまたは開口を通って延びている。少なくとも第1のペデスタルが、ベース前面に配置されており、ペデスタルは、高さ方向において開口の中心の下方に配置されていて、少なくともペデスタル取り付け面と、ペデスタル取り付け面とは反対側のペデスタル自由面と、を備える。ペデスタルは、ペデスタルサブマウントを取り付けかつ支持するための少なくとも1つの面をさらに備える。この面は、以下では上面と呼ばれる。ペデスタルのペデスタル取り付け面は、少なくとも部分的にベース前面とペデスタル取り付け面との間に配置された導電性材料によって、ベース前面に固定して取り付けられている。ピンがベースから電気的に絶縁されていることを保証するために、開口内に、特にベースとピンとの間に、電気絶縁材料、例えばガラスが配置されている。
【0007】
一体型で形成されたベースおよびペデスタルとは対照的に、ベースに取り付けられたペデスタルを備えることにより、ペデスタルの位置をベース上で所望の位置に調節することができる。有利には、その場所は、ペデスタルがベースから打ち抜かれる従来の設計において可能であるよりも、ベースのアイレットまたは開口に近くてよい。理想的には、少なくとも1つのペデスタル、特に2つ以上のペデスタルが、少なくとも部分的に開口に重なるように配置されてよく、これにより、上面に、特にピンに直接接触して、サブマウントを配置することができる。それにより、ピンとサブマウントとの間のオフセットを回避でき、したがって、RF性能が高められる。さらに、ペデスタルは打ち抜かれていないので、ペデスタルとベースとの間の縁部は存在しない。したがって、ペデスタルの上面は、ベース前面に接触して配置されてよく、これにより、サブマウントは、オフセットなしでかつ/または特にベース前面に直接接触して取り付け可能である。
【0008】
改良された電気的接触を提供しかつペデスタルとベースとの間の電気的相互接続を可能にするために、ベースおよび/またはペデスタルは、導電性材料、特に金属材料から形成されている。好ましくは、ペデスタルの取り付け面は、ベース前面に面しており、特に、Auを含んでよい導電性材料、特に、Auおよびその他の金属、例えばSnまたはGeを含む金属合金を用いてベース前面に固定して取り付けられている。理想的には、導電性材料は、ベースおよびペデスタルの改良された固定および電気的伝導を保証するためのはんだまたはろう付け材料である。したがって、取り付け面は、ろう付け領域またははんだ接合部においてベース前面に好ましくは固定して取り付けられ、特に、はんだによってベース前面に固定される。
【0009】
ペデスタルまたはペデスタルの1つまたは複数の面は、少なくとも部分的に導電性材料、特に金属材料、好ましくはAuおよび/またははんだまたはろう材料の成分に類似した1つまたは複数の成分を含む金属材料によってコーティングまたはめっきされている。これにより、めっきまたはコーティングされたペデスタルは、ベースおよびペデスタルの固定プロセスに補助を提供してよい。
【0010】
一態様では、ペデスタルのうちの少なくとも1つは、3つ、5つまたは例えば6つの面を備える直方体または角柱形状を有する。好ましくは、ペデスタルは、上面を取り囲む、少なくとも2つの側面と、取り付け面と、自由面と、を備える直方体に成形されている。直方体または角柱形状は製造が容易であり、サブマウントを配置することができる少なくとも1つの面を提供する。したがって、上面は平坦であってよく、特に、ペデスタル上における確実な定着を保証するように平面であってよい。理想的には、自由面は、取り付け面と対向し、取り付け面も、ベース前面におけるギャップのない取り付け、特に良好な導電性能を実現するように平坦に製造されてよい。さらに、取り付け面および自由面および/または2つの側面は、平行に配置されている。ペデスタルが角柱状である場合、側面は、ある角度で、例えば鋭角または鈍角で配置されてよい。ペデスタルの全ての縁部または単一の縁部は、鋭くまたは丸みを帯びて形成されてよい。また、ペデスタルは、少なくとも1つの側面、取り付け面および/または自由面に隣接して配置されてよい底面を備えてよい。
【0011】
本発明の一態様によれば、ヘッダは、第2のペデスタルを備え、第1および第2のペデスタルは、高さ方向および幅方向に対して平行な仮想平面に関して鏡面対称に配置されている。好ましくは、ペデスタルは、側面が互いに面するように、特に上面が同一平面上に配置されるように、鏡面対称に配置される。これにより、TECおよびDMLまたはEMLは、ペデスタルの間、好ましくは、ペデスタルと、その上に取り付けられたサブマウントによって提供されるRFラインと、の間に配置することができると最善である。さらに、RFラインの同一平面上の配置により、信号劣化が低減される。
【0012】
好ましい実施形態では、第1および第2のペデスタルは、2つの端面を有する等しい形状であり、反対側の端面によってベースに取り付けられている。この実施形態では、各ペデスタルの端面は、取り付け面および自由面を表す。最善には、第1および第2のペデスタルの形状は互いに対応している。さらに、第1および/または第2のペデスタルは、少なくとも長手方向および高さ方向に対して平行な鏡面に関して鏡面対称的に成形されていてよい。さらに、第1および/または第2のペデスタルは、幅方向および高さ方向に対して平行または長手方向および幅方向に対して平行な鏡面のうちの少なくとも1つに関して鏡面対称に成形されることが可能である。換言すれば、各ペデスタルの少なくとも1つの断面形状は、鏡面対称に形成されている。例えば、ペデスタルの対称的な構造などの単純な構造は、複雑な構造よりもはるかに製造が容易であり、多くの異なるベースに対して互換性がある可能性が最も高く、ペデスタルの広い適用範囲を可能にする。
【0013】
別の実施形態では、各ペデスタルの上面は、縁部によって自由面および/または取り付け面に接続されており、縁部は、上面と、取り付け面および/または自由面と、の間に、これらに隣接して配置されており、
-縁部は、面取り縁部として形成されているか、または
-縁部は、調和縁部として形成されている。
【0014】
ペデスタルの対称的な形状を維持するために、調和縁部または面取り縁部が、ペデスタルの両端部に配置されている。しかしながら、調和縁部または面取り縁部が、ペデスタルの一方の端部に、例えば取り付け面に隣接して配置されることが可能であってよい。ペデスタルは、はんだを使用してベース前面に固定されることが意図されている。通常、余分なはんだは、ペデスタルの輪郭の周囲に膨らみを形成する。調和縁部または面取り縁部は、余分なはんだのための貯留部を提供し、これにより、サブマウントを上面に平坦に取り付けることができ、特に、サブマウントをオフセットなしでベース前面に直接接触させて配置することができる。好ましくは、調和縁部または面取り縁部の縁面は、上面、取り付け面および/または自由面に対して鈍角で、理想的には100°~160°の角度で配置される。調和縁部または面取り縁部によって形成されかつベース前面と、上面と、縁面との間に配置された貯留部は、余分なはんだの全質量を収容するように十分な大きさであってよい。ピンおよび/またはベース前面へのサブマウントの最小のスペースでサブマウントの正確な調整を提供するために、貯留部および/または調和縁部または面取り縁部がアイレット/開口の少なくとも一部に重なって配置されるように、ペデスタルがベース前面に位置決めされることもさらに可能である。ペデスタルのうちの1つが面取り縁部を備える一方、別のペデスタルが調和縁部を備えることが可能であってよい。
【0015】
本発明の別の態様では、第1および第2のペデスタルは、第1のバーを備え、第1のバーは、第1のバーの側面が第1および第2のペデスタルの第1の側面を延長させることにより、上面に隣接した側壁を形成するように、上面に配置されている。第1のバーおよび上面は、第1および第2のペデスタルのL字形を形成する。したがって、高さ方向および長手方向に沿った断面輪郭は、L字形を有する。バーは、好ましくは、上面とペデスタルの側面との間に配置されており、理想的には、ペデスタルの幅方向において全幅にわたって、特に上面の全幅にわたって延びている。換言すれば、バーの長さは、上面の幅に似ており、バーの長さは、長手方向に対して垂直かつ幅方向に対して平行に配置されている。特に、バーの長さが上面の幅および少なくとも1つの調和縁部または面取り縁部の幅に似ている場合、バーの長さが上面の幅よりも短いまたは大きいことが可能であってよい。側壁は、特にバーの側面に対向するバーの内面として定義されてよく、より好ましくは、バーの側面に対して平行に配置されている。バーは、さらに、理想的にはバーの上部に、バーの側壁および側面に隣接して配置された上面を備えてよく、上面と、側壁および/または側面と、の間の縁部は、丸み付けられていてよいまたは鋭くてよい。好ましくは、バーは、さらに、長方形の断面を有する。
【0016】
理想的には、バーおよびペデスタルは、一体型に形成されている、かつ/または同じ材料を含む。このように、バーは、ペデスタルの上面に取り付けられたサブマウントのための側壁を提供してよいバーの上面から極めて容易にアクセス可能な接地を提供する。したがって、バーは、低インダクタンスの接地領域を提供するために、ペデスタルサブマウントおよび/または上面と同じ長さであってよい。さらに、バーまたはむしろ側壁は、電磁シールドとして機能する。したがって、ペデスタルサブマウント内の電磁界は、側壁/バーがなければ可能となるように、負の幅方向においてペデスタルを越えて広がることができない。それにより、トランジスタアウトラインの金属キャップを、キャップと電磁結合することなく、ペデスタルのより近くに配置することができるという効果が得られる。言い換えると、バーは、ペデスタル上のサブマウントをキャップとの電磁結合から保護する。改善された電磁シールドを達成するために、バーおよび/またはペデスタルは、固体金属材料から形成されている。したがって、バーは、サブマウントRF信号経路の性能を向上させる。さらに、バーは、ペデスタルサブマウント組み立てプロセスにおいて整列ツールとして機能してよく、これにより、ペデスタルサブマウントをより正確に、特にTEC、DMLおよび/またはキャップまでの最小距離で組み立てることができる。
【0017】
好ましい実施形態では、第1および第2のペデスタルは、第1のバーであって、第1のバーの側面が第1および第2のペデスタルの第1の側面を延長させるように上面に配置された第1のバーを備える。さらに、第1および第2のペデスタルは、第2のバーであって、第2のバーの側面が第1および第2のペデスタルの第2の側面を延長させるように上面に配置され第2のバーを備え、これにより、上面に隣接した2つの側壁が形成されている。第1および第2のペデスタルのU字形は、第1および第2のバーの間に位置決めされた上面によって形成されている。したがって、高さ方向および長手方向に沿った断面輪郭は、U字形を有する。この実施形態では、ペデスタルは、2つのバーまたはむしろ2つの側壁を提供し、各側壁は、好ましくは、ペデスタルの反対側に位置決めされており、これにより、サブマウントを側壁の間に配置することができる。有利には、バーおよびペデスタルの両方が、一体型に、特に固体の金属材料から形成されてよい。それにより、サブマウントまたはむしろサブマウントのRFラインは、曲げによって生じることがある反射を低減させるために、直線的に形成することができる。さらに、2つの側壁は、RFラインの両側に電磁シールドを提供し、これにより、RFラインの性能はさらに向上させられる。さらに、サブマウントの中央における余分な接地パッドは不要である。なぜならば、サブマウントを、サブマウントの各側におけるバーによって提供された2つの接地の間に取り付けることができるからである。
【0018】
本発明の有利な態様では、第1および第2のペデスタルは、第1のバーであって、第1のバーの側面が第1および第2のペデスタルの第1の側面を延長させるように上面に配置された第1のバーを備える。第1および第2のペデスタルは、第2のバーであって、第2のバーの側面が第1および第2のペデスタルの第2の側面を延長させるように上面に配置された第2のバーを備え、これにより、上面に隣接した2つの側壁が形成されている。各ペデスタルの一方のバーは、他方のバーよりも小さい長さを有し、これにより、第1および第2のペデスタルの部分的なU字形が形成されており、上面は、第1と第2のバーとの間に位置決めされている。側壁またはバーの長さは、長手方向および高さ方向に対して垂直に向けられている。側壁/バーの第1の端部は、ペデスタルの端面、特に自由面に対して所定の距離を置いて配置されてよい。しかしながら、側壁/バーの端部が取り付け面に対して距離を置いて配置されることが可能である。この実施形態では、ペデスタルは、高さ方向および長手方向に沿って2つの異なる断面輪郭、すなわちU字形の断面輪郭と、L字形の断面輪郭と、を含む。さらに、バーの端部とペデスタルの端面との間の距離が、バーの他方の端部とペデスタルの他方の端面との間の距離よりも大きい、例えば、バーの第2の端部と取り付け面との間の距離が、バーの第1の端部とペデスタルの自由面との間の距離よりも小さいことが可能である。
【0019】
部分的なU字形を有することにより、サブマウントのRF信号ラインを、ペデスタルとサブマウントとの間に配置されてよいDMLのより近くに配置することができる。特に、部分的なU字形は、バー/側壁の端部とペデスタルの端面との間に自由領域を生じる。好ましくは、その自由領域は、自由面とバーの第1の端部との間に配置され、これにより、サブマウントの信号ラインの一方の端部をペデスタルの自由縁部の近くに配置することができ、そこでは、それはDMLのより近くに配置されてよい。ペデスタルの一方または両方が部分的なU字形である場合、ヘッダは、それぞれが部分的なU字形を有する2つの異なるペデスタルを備え、各ペデスタルは、幅方向および高さ方向に対して平行な鏡面および/または長手方向および高さ方向に対して平行な鏡面に沿って他方のペデスタルの鏡像となっている。このように、2つのL字形のサブマウントを上面に鏡面対称に配置することができ、これにより、DMLは、サブマウントの2つのRF信号ラインの近くにかつこれらの間に配置され、RF信号ラインおよびDMLの全体的な接続性を向上させる。他方、部分的なU字形ペデスタルにより、サブマウントのRF信号ラインは、TECに近い領域においてTECとの相互作用から保護されてよい。
【0020】
部分的なU字形ペデスタルの別の態様では、バーは、ペデスタルの両端面から距離を置いて配置されてよく、第1の端部は、自由面から距離を置いて配置されてよく、第2の端部は、取り付け面から距離を置いて配置されてよい。好ましくは、バーは、ペデスタルの取り付け面と自由面との間の中央に配置され、特に、これにより、ペデスタルは、少なくとも長手方向および高さ方向に対して平行な鏡面に関して鏡面対称に成形されている。言い換えれば、ペデスタルは、2つの自由領域、すなわちバーのそれぞれの反対側の端部において、特にバーの各端部とペデスタルの端面との間に1つの自由領域を備える。このように、U字形サブマウントを、上面に、特に接地として機能する2つのバーとその側壁との間に配置することができるが、同時に、上面またはむしろ上面の自由領域は、サブマウントのRF信号ラインをDMLの極めて近くに配置する可能性を提供する。
【0021】
更なる実施形態によれば、ヘッダは、第1および第2のペデスタルの上面に取り付けられた少なくとも2つのペデスタルサブマウントを備える。各ペデスタルの少なくとも1つの側壁、特に2つの側壁の高さは、ペデスタルサブマウントの高さに対応し、これは特に、少なくとも1つの側壁の高さがサブマウントの高さに類似していることを意味する。各ペデスタルの両側壁の高さが、ペデスタル上に取り付けられたサブマウントの高さに対応するまたはそれと類似であることが可能であってよい。このように、サブマウントのRFラインは、良好な性能を保証するために、電磁結合またはその他の相互作用から最善に保護される。しかしながら、電気的および/または磁気的相互作用を回避するために、少なくとも1つの側壁の高さは、サブマウントの高さよりも僅かに大きくてよく、例えば、0.5%~10%大きくてよい。さらに、第1の側壁の高さは、第2の側壁の高さよりも大きくてもまたは小さくてよい。
【0022】
本発明の更なる態様では、第1および第2のペデスタルの長さは、ペデスタルサブマウントの長さよりも大きい。このように、サブマウントに加えて上面に1つまたは2つのバーを配置するのに十分なスペースが設けられている。さらに、ペデスタルの長さがサブマウントの長さよりも長い場合、ペデスタル上にサブマウントを配置するためのより大きなスペースが提供されてよく、これにより、サブマウントのより正確な調整を可能にする。好ましくは、ペデスタルの長さは、上面の長さと、少なくとも一方または両方のバーの幅と、の合計によって規定され、その結果、理想的には上面の長さに対応するサブマウントの長さは、第1および第2のバーの側壁の間または1つのバーの側壁と、上面およびペデスタルの側面の縁部と、の間に適合する。
【0023】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの側壁の高さは、0.1mmよりも大きく、好ましくは0.2mmよりも大きく、好ましくは0.3mmよりも大きくかつ/または0.6mmよりも小さく、好ましくは0.5mmよりも小さく、好ましくは0.4mmより小さい。サブマウントなどの他の電気部品は通常、省スペース設計であるため、0.1mm~0.6mmの側壁の高さは、サブマウントの良好な配置およびまたペデスタルおよびそのバーの省スペース設計を保証するための最適な高さであり、これにより、その他の部品をヘッダおよび/またはTOのキャップに配置することができる。
【0024】
好ましい態様によれば、少なくとも1つのバーの幅は、0.05mmよりも大きく、好ましくは0.1mmよりも大きく、好ましくは0.15mmよりも大きくかつ/または0.3mmよりも小さく、好ましくは0.25mmよりも小さく、好ましくは0.2mmよりも小さい。0.1mm~0.3mmの小さな幅を有することにより、バーは、ペデスタルおよびサブマウントをキャップの非常に近くに配置することを可能にし、同時に、サブマウントのRF信号ラインがキャップとの電磁結合から保護されることを保証する。バーの幅が小さいことにより、さらに、2つのペデスタルおよびその上に取り付けられたサブマウントを互いに離れた距離に配置することができ、これにより、例えば、ペデスタルの間に配置された電子、光学および/または光電子部品の寸法はより大きな寸法を有することができる。したがって、光電子性能は、互いに大きな距離を置いて配置されたペデスタルを備えたTO設計において改善されてよい。
【0025】
「電子部品」という用語は、とりわけ、光電子部品を包含する。電子または特に光電子用途における適切な電子部品は、電界吸収変調レーザダイオード(EML)、分布帰還型レーザ(DFB)、ファブリ・ペローレーザ(FP)、光変調器、フォトダイオード(PD)および光通信のために使用されるその他の電子部品などの、レーザダイオード(LD)であり得るが、これらに限定されない。
【0026】
有利な実施形態では、ヘッダは、少なくとも2つのピンを含み、各ピンは、第1および第2のペデスタルの上方に配置された2つの開口のうちの1つに配置されており、ピンの少なくとも1つは、
-ピンのヘッド面が、ベースの前面と平坦に配置されているという特徴、
-ピンは、ネイルヘッドを備えるという特徴
のうちの少なくとも一方を含む。両機能は、ピンおよびサブマウントのRF信号ラインの電子結合、特にRF結合を向上させることができる。ピンのヘッド面がベース前面と平坦に配置されていることにより、特に、ペデスタルおよび/またはサブマウントが開口と少なくとも部分的に重なるように配置されているとき、ペデスタルおよび/またはペデスタル上のサブマウントをピンのより近くに配置することができる。さらに、サブマウントをピンのより正確に近くに配置することができる。さもなければ、ペデスタルと、ベース前面から突出したピンと、の間にサブマウントを配置することが技術的に非常に困難になるからである。このような場合、製造コストが上昇する。サブマウントのRFラインは、ピンの突出したセグメント、またはむしろピンのヘッドに電子的、音響的またはその他の方法で接続されているので、ネイルヘッドピンは、一般に、サブマウントとの電子的または音響的接続のためのより大きな表面を提供し、これにより、ネイルヘッドピンの使用は、全体的な構造、特にピンとサブマウントとの結合を改善する。さらに、標準的なピンと比較してネイルヘッドピンの直径が大きいため、アイレットにおいてより良好なインピーダンス整合が達成される。
【0027】
一般に、少なくとも1つのピン、好ましくは、各ピンは、好ましくは開口の中央に配置されており、かつ/または開口の中心は、高さ方向において各ペデスタルの長さの中心の上方に配置されている。このような構成は、ピンと、ペデスタルに取り付けられた、特にペデスタルの、長手方向に延びる長さに関して中心に取り付けられたサブマウントのRF信号ラインとの、良好な電子結合を可能にする。L字形またはU字形のペデスタルの構成では、サブマウントは、理想的には、ペデスタルの長さの中心から長手方向に、特にペデスタルの両側にサブマウントに隣接して配置された1つまたは2つのバーへシフトされて配置されている。サブマウントのRF信号ラインとピンとの効率的な結合を維持するために、ペデスタルは、サブマウントの長さの中心がピンの中心の下に配置されるように、ピンに対してシフトして配置されている。言い換えれば、ペデスタルの形状に関係なく、ピンの中心は、高さ方向においてサブマウントの長さの中心の下に配置されており、これにより、ピンとサブマウントのRF信号ラインとの有効な電子結合またはRF結合を保証する。したがって、ピンはまた、ベース前面から0.1mm~1mm、理想的には0.2mm~0.6mmの距離だけ突出してよく、かつ/または0.1mm~0.4mm、理想的には0.2mm~0.3mmの直径を有してよい。
【0028】
好ましい実施形態では、サブマウントの導体トレースは、上面に取り付けられ、特に導電性材料によって、同一平面導波路の一部である少なくとも1つのバーに電気的に接続されている。サブマウントの導体トレースは、サブマウントが、少なくとも1つのRF信号ラインパッドおよび/または少なくとも1つ以上の接地パッドを備えることを意味する。この構成では、側壁、特にバーの上面およびサブマウント上側は、同様の高さを有し、これにより、バーの上面とサブマウントの接地パッドの上側とは、同一平面に配置されている。バー、特にペデスタルは、好ましくは導波材料から形成されているので、サブマウントまたはむしろサブマウントの接地パッドを電子的に接続することができるように最適な接地を形成する。このような接続は、サブマウントを接地するためのボンドワイヤなどの導電性材料の適用によって実現されてよい。サブマウントおよびバーの上面が同じ高さに、特に互いに隣接して配置されているので、接続される距離が極めて小さく、材料コストを節約することができ、さらに、接地性能が向上させられるという効果を生じる。さらに、そのようなボンドワイヤ接続はビアホールの代替として機能し、したがって、複雑でコストのかかるビアホールの生成および構成要素の調整を避けることができる。
【0029】
以下に、添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】2つのペデスタルを備えたヘッダの斜視図である。
【
図2】ヘッダのベースに取り付けられたペデスタルの断面の概略図である。
【
図5】長いバーを備えた部分的なU字形のペデスタルの斜視図である。
【
図6】短いバーを備えた部分的なU字形のペデスタルの斜視図である。
【
図7】ネイルヘッドピンでヘッダのベースに取り付けられたペデスタルの断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1および
図2は、それぞれ、斜視図または断面の概略図でヘッダ1を示している。
図1および
図2の両方において、ヘッダ1は、幅方向X、長手方向Yおよび高さ方向Zに沿って向けられている。ヘッダ1は、ベース前面58およびベース背面59と、2つ以上の電気フィードスルー5と、を有するベース3を備える。フィードスルーは、ヘッダ1の内外に電気信号を送信するように機能する。各フィードスルー5は、ベース3を貫通して延びかつベース3に対して電気的に絶縁されたフィードスルーピン6を備える。この目的のために、ベース3は、アイレット(または開口)8を備え、アイレット8は、絶縁材料60、好ましくはガラスが充填されており、この絶縁材料60にフィードスルーピン6が固定されている。
図3~
図6により詳細に説明される2つのペデスタル7a,7bは、ベース3に接続されかつベース3から突出している。示された特定の例に限定されることなく、好ましい実施形態では、ペデスタル7a,7bは、それらの間にギャップ2を有するように所定の距離を置いて配置されている。ギャップ2は、直接変調レーザ(DML)などの電子部品、特に電子部品を支持するためのアセンブリを収容するのに役立つ。各ペデスタル7a,7bには、サブマウント9が取り付けられている。
【0032】
さらに、ベース3の例示的なろう付け領域70が示されている。一般的に、ろう付け領域は、少なくともそのサブポーションにおいて更なる構成要素または部品に接合されることが意図されたまたは少なくとも接合されるのに適した構成要素または部品の一部を指すと理解される。例えば、構成要素の表面、すなわち、ヘッダ1のベース3のベース前面58である。さらに、接合される構成要素の表面を少なくとも部分的にニッケルおよび/金などの金属でコーティングまたはめっきすることが公知である。ニッケルは、例えば銅のはんだ付け性を改善することが公知であるが、ニッケル層の酸化を回避するために薄い金の層が使用されてよい。ヘッダ1の場合、少なくとも、更なる構成要素がベース前面58に接合されてよいろう付け領域70において、ベース前面58は、したがって、少なくとも部分的にAuめっき(または金めっき)されてよいことが理解されてよい。もちろん、一般的に、ベース3の表面全体が金めっきされることが可能である。さらに、ベース3、特にベース前面58は、少なくとも部分的にニッケル化されてよい。
【0033】
ペデスタル7a,7bの少なくとも一方、好ましくは両方、またはヘッダ1が、例示的に描かれたペデスタル7a,7bよりも多くを備える場合、ヘッダ1の全てのペデスタル7は、ろう付け接合部24を介してベース3に接合される。ここでは、ろう付け接合部24は、ペデスタル7a,7bとベース3またはサブマウント9とピン6などの、隣接する部品(または構成要素)の間のオフセットの正確な制御による、緊密で密閉した結合において接合される部品、特に金属部品の間の接合を指すと理解される。説明のために、ここで
図2が参照される。ここで、サブマウント9は、はんだ接合部23を介してピン6に電気的に接続されている。例示的なヘッダ1では、ピン6は、フィードスルー5の開口8の中心にあるが、一般に、
図2に示された例示的なヘッダ1に限定されることなく、開口8におけるピン6の位置は、製造公差により変化する。
【0034】
理想的には、ピン6とサブマウント9の表面との間のオフセット(ピンオフセットd1)は、少なくとも0.05mm~最大0.2mmに設定される。しかしながら、ピンオフセットd1を最小化することが信号帯域幅の観点から好ましい場合でも、取り付けプロセスが考慮されるべきであるため、ピンオフセットの最小値は、更なる好ましい実施形態によれば、少なくとも0.05mmである。これは、まず第1のろう付けプロセスにおいてペデスタル7a,7bをベース3に接合し、引き続きサブマウント9への損傷のリスクなしに更なる第2のろう付けプロセスにおいてサブマウント9をペデスタル7a,7bに接合する。理想的には、サブマウント9の側面または縁部と、ベース前面58と、の間のオフセットd2(サブマウントオフセット)は、0.1mm~さらには0mmに設定される。密閉して嵌合する(または一致する)部品であるペデスタル7およびベース3を接合するためにろう付けプロセスが使用されるので、溶融したろうは、毛細管現象によってこれらの部品の間の非常に小さなギャップに引き込まれる。これにより、非常に少量の余分なろう付け材料25のみが生じてよく、その結果、小さなろう付け膨らみ25のみが生じる。これはさらに、隣接する部品の間の最小のまたは少なくとも厳密に制御されたオフセットで非常に緊密でかつ密閉された接続を可能にする。
【0035】
ペデスタル7a,7bは、ベース前面58と、ペデスタル7a,7bの取り付け面40と、の間に配置されたろう付け接合部24を介してベース3(またはベース3の表面)に接合される。さらに、サブマウント9は、ペデスタル7a,7bの上面42とサブマウント9の裏側または下側との間に配置された更なるろう付け接合部(図示せず)を介してペデスタル7a,7bに接合される。ここでは、上面42とは、ピン6に面したペデスタルの側に関し、サブマウント9の底側または裏側は、(サブマウント9の構成要素側とは対照的に)サブマウント9のキャリア側を指すと理解される。ピン6は、はんだ接合部23を介してサブマウント9に電気的に接続されている。ろう付けを容易にするために、ベース前面58および/またはペデスタル7a,7bの取り付け面40および/またはペデスタル7a,7bの上面42および/またはサブマウント9の裏側は、少なくとも部分的にそのろう付け領域においてAuめっきされている。好ましくは、ろう付け接合部および/またははんだ接合部のうちの少なくとも一方は、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)および/またはスズ(Sn)を含む。
【0036】
一般に、サブマウント9は等しく形成されており、ピン6に接続された導体トレース13のそれぞれの端部が理想的には互いに向き合うように、それぞれがペデスタル7a,7bの1つに取り付けられる。好ましくは、サブマウント9の構造化された導体めっき13のパターンは、鏡面対称性を有する。これにより、異なる端部がベース3の方を向くように取り付けられたサブマウントを使用することが可能になり、それにより、互いに面した導体トレース132の端部135を有することができる。これにより、例えば、ペデスタル7a,7bに取り付けられた2つのサブマウントは同じタイプであるが、単に、サブマウントの一方を180°回転させて取り付けられる。サブマウント9は、2つの反対側の端部を有してよく、一方の端部がベース3に面しかつ他方の端部が別のサブマウント9に面するように取り付けられており、端部の間には、鏡面対称導体めっき13の対称平面が配置されてよい。
【0037】
少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、例えば2つのペデスタル7a,7bは、例えば、スタンピング、金属引抜きまたは押出成形によって、ベースとは別の製造プロセスにおいて形成される。これにより、少なくとも1つのペデスタル7a,7bは、特別な、さらには複雑な形状、例えば、面取りされた縁部および/またはバックテーパおよび/またはL字形またはU字形などのペデスタル輪郭の複雑な形状を備えて形成されてよい。面取りおよび/または調和縁部は、ペデスタルのバックテーパを提供してよい。示された例示的なペデスタル7a,7bに限定されることなく、ペデスタル7a,7bは、両端部に配置された調和縁部および/または面取り縁部50を有してよく、特に、上面42および取り付け面40に隣接した1つの縁面50と、上面42および自由面41に隣接した1つの縁面50(ここには図示されていない)と、を有してよい。これにより、ペデスタル7a,7bは、一方の端部における面取り縁部50と、他方の端部における調和縁部50と、の両方を備えることが可能である。ペデスタル7a,7bが両端部において調和縁部または面取り縁部のいずれかを含んでよいことも可能であってよい。典型的には、余分なろう付け材料25は、ペデスタル7a,7bの輪郭の周囲に膨らみを形成し、これにより、縁部50は、余分なろう付け材料25を収容するための貯留部48空間を形成してよい。これにより、サブマウント9を、上面42に平坦にかつベース前面58に直接に、特にベース前面58に接触して配置することができる。
図1において、ペデスタル7a,7bは、L字形の輪郭を有し、対称的なサブマウントがペデスタルの上面42に取り付けられている。このような輪郭は有利である。なぜならば、このような輪郭は、サブマウント9のためのストッパを提供し、これは、サブマウント9の位置決めを容易にするからである。さらに、L字形またはU字形のペデスタルの突出部またはバーは、信号経路の更なる遮蔽を提供する。
【0038】
好ましくは、容易な製造のために、ペデスタルは、6つの面を備える直方体の形状を有する。したがって、ペデスタル7a,7bは、取り付け面40をベース前面58に取り付ける、またはむしろろう付けするための取り付け面40と、第1の側面43と、第2の側面44と、取り付け面とは反対側の自由面41と、サブマウント9をその上に収容するための上面42と、下面(図示せず)と、を備える。このような実施形態は、好ましくは、特に少なくとも3つの鏡面に関して対称である長方形の輪郭を有する。この場合、取り付け面40を備えるペデスタル7a,7bの側面は、平面である。したがって、導体めっき13またはむしろサブマウント9を接地するためのボンドワイヤは、接地と接触するためにペデスタル7a,7bの上面42まで下降しなければならない。これは、ボンドワイヤを長くする。これは、非常に高い周波数の用途には有利でないことがある。他方、この設計は単純であり、2つの等しいペデスタルを使用することを可能にする。この実施形態は、コストを節約するために、より低い信号速度を有する用途に特に適している。
【0039】
図1に示したように、ペデスタルは、理想的にはL字形であり、バー51,53は、上面42に配置されており、側面43,44のうちの一方を延長させている。バーは、上面54、側壁55および側面52(ここでは示されていない)を備えてよく、側壁55は、理想的にはサブマウント9に面して配置され、特に、側壁55の高さは、サブマウント9の高さと等しいまたは少なくとも類似であり、これにより、バー51,53の上面54と導体めっき13とは、同一平面上に配置されている。バー51,53の上面54の幅W1は、好ましくは、バー51,53の幅W1を表す。理想的には、全ての面は、60°~130°の角度で配置されており、特に、上面42は、取り付け面40に対して80°~100°、特に90°の角度で配置されている。
【0040】
図3aは、上面42および取り付け面40に隣接する調和縁面50を備えたL字形ペデスタル7a,7bを示している。示された例示的なペデスタル7a,7bに限定されることなく、ペデスタルは、両端部に配置された調和縁部50、特に、上面42および取り付け面40に隣接する1つの縁面50と、上面42および自由面41(ここには示されていない)に隣接する1つの縁面と、を有してよい。理想的には、調和縁部の面はバー51,53まで延びており、これにより、上面42およびバー51,53の上面に隣接して配置された側壁も、調和縁部を備えてよいまたは調和縁部として形成されている。
図3bは、
図3aと同様であり、上面42および取り付け面40に隣接する面取り縁面50を備えるL字形ペデスタル7a,7bを示している。示された例示的なペデスタル7a,7bに限定されることなく、ペデスタルは、両端部に配置された面取り縁部50、特に、上面42および取り付け面40に隣接する1つの縁面50と、上面42および自由面41(ここには示されていない)に隣接する1つの縁面50と、を有してよい。
【0041】
したがって、
図3a、
図3bおよび
図1は、
図1の実施形態の一部としてのペデスタル7を示している。ペデスタル7a,7bは、2つの端面40,41を有する。ペデスタル7a,7bは、その端面40,41のうちの一方によってベース3に取り付けられている。ベース3へのペデスタル7の固定は、好ましくは、例えば、AuSn-はんだを使用して、ろう付けによって行われる。ペデスタル7a,7bの輪郭は、リブまたはバー51,53の形態の側方突出部4によりL字形である。突出部75は、取り付け面40に沿って横方向に延びている。ペデスタル7a,7bの輪郭は対称的ではないが、ペデスタル7a,7bは、2つの端面40,41の間にかつ幅方向Xおよび高さ方向Zに対して平行に延びる鏡面に関して鏡面対称性を有する。この対称性特徴は、サブマウント9のものと類似であってよい。したがって、
図1、
図3aおよび
図3bの実施形態の特定の輪郭に限定することなく、ヘッダ1の好ましい実施形態は、2つの等しいペデスタル7a,7bが設けられており、各ペデスタル7a,7bがサブマウント9のうちの1つを支持しており、ベース3上のペデスタル7a,7bが鏡面対称性を有するという特徴に基づく。さらに、サブマウント9の向きと同様に、ペデスタルのうちの一方7aは、一方の端面40によってベース3に取り付けられており、他方のペデスタル7bは、反対側の端面41によってベース3に取り付けられている。両ペデスタル7a,7bならびにサブマウント9は、ベース3に面したそれぞれの反対側によって取り付けられてよいので、
図1に示したように、等しいサブマウントアセンブリを得るようにサブマウント9およびペデスタル7a,7bを組み立て、サブマウント9アセンブリをそれぞれの反対側の端面によってベース3に固定することが可能である。
【0042】
好ましい実施形態では、バー51,53は、サブマウント9/H2と同じ高さH1を有してよいまたはサブマウント9の高さH2に対するバー51,53の高さH1の比は、0.5~1.5である。突出部の高さH1は、好ましくは0.1mm~0.5mmである。通常の高さは約0.2mmである。突出部の幅は、0.1mm~0.3mmであってよい。通常の幅は0.175mmである。L字形の輪郭は、複数の利点を有する。接地は、ペデスタルサブマウント9の上側から容易にアクセス可能である。バーは、固体金属から成り、ペデスタルサブマウント9自体と同じ長さであるため、この接地領域は低いインダクタンスを有し、したがって、RF用途にとって好ましい。さらに、バー51,53は、電磁シールドとして機能する。ペデスタルサブマウント9内の電磁場は、側壁55がなければあり得るように、ペデスタル7a,7bを越えて負のY方向に広がることはできない。
【0043】
図4は、ペデスタル7a,7bの代替的な実施形態を示している。
図1および
図3a、
図3bの実施形態とは異なり、この実施形態は、上面42の反対側の面43,44に沿って延びるバー51,53を備えるU字形プロファイルを有する。U字形輪郭によっても実現される一実施形態によれば、ペデスタル7a,7bは、一般に、鏡面対称輪郭を有してよい。この場合、少なくとも1つの鏡面が、輪郭の中心を通ってバー51,53に対して平行にかつ幅方向Xおよび高さ方向Zに対して平行に延びている。別の鏡面は、長手方向Yおよび高さ方向Zに対して平行に延びている。この二重鏡面対称の場合、ペデスタル7a,7bは、設計を変更することなく、端面40,41のいずれかによってベース3に取り付けることができる。
【0044】
図1および
図3a,
図3bの例と同じく、これらのバー51,53は、同様に、接地-信号-接地構成を提供するのに役立ってよい。特に、ペデスタル7a,7bのL字形輪郭(
図1、
図3a、
図3b)を備える実施形態では、バー51,53は、D字形導体トレースに面した側と反対側の、C字形導体トレース132の側面に位置する接地導体である。
図4の実施形態では、信号導体トレース132の両側には、電気的に接地されているバー51,53の側壁55が位置していてよい。
【0045】
図5は、端部41におけるL字形輪郭と、反対側の端部40におけるU字形輪郭と、を有し、したがって部分的なU字形を有する、ペデスタル7a,7bの実施形態を示す。異なる輪郭は、バーのうちの一方53がバー51よりも短いことにより生じる。この設計により、上面42もL字形であってよく、自由面41と、バーの第1の端部56と、の間に自由領域74を有する。したがって、L字形サブマウント9が、ペデスタル7a,7bのL字形上面42に合致する。これにより、左右のペデスタル7a,7bおよび左右のサブマウント9を等しい部品として製造することができる。具体的には、サブマウントのキャリアの両方の反対側の面に、構造化された導電性めっき13が配置されてよく、導電性めっき13は、それぞれサブマウント9またはキャリアの側面の間に中央で延びる対称面に関して鏡面対称性を有する。もちろん、この特徴は、特定のL字形設計に限定されない。むしろ、表側および裏側のめっきは、本明細書に開示されたサブマウント9の全ての実施形態に存在してよい。
【0046】
しかしながら、
図6に示したように、少なくとも2つの鏡面、すなわち高さ方向Zおよび長手方向Yに対して平行な鏡面と、幅方向Xおよび高さ方向Zに対して平行な鏡面と、に沿って対称的なペデスタル7a,7bの対称的な部分的なU字形を実現するために、より短いバー53が配置されてよく、第1の端部56および第2の端部57がペデスタル7a,7bの両端部40,41から距離を置かれる。有利には、より短いバー53は、ペデスタル7a,7bの両端部40,41の間の中央に配置される。この場合、サブマウントもU字形輪郭を有して対称的に製造することができ、これにより、異なる構成要素のコストのかかる製造を回避する。
【0047】
図7は、
図2に示したものと同様の、ヘッダ1、ピン6、ペデスタル7a,7bおよびサブマウント9の集合体の代替的な実施形態を示している。しかしながら、ピン6は、ベース前面58と平坦または同一平面上に配置されたネイルヘッドを備える。ネイルヘッドピン6、特にネイルヘッドは、サブマウント9および/またははんだ接合部23のはんだに対してはるかに大きな接触面積を提供する。この例では、ペデスタル7a,7bは、開口8に少なくとも部分的に重なって配置されており、開口8には、少なくとも部分的に絶縁材料60が充填されている。余分なろう付け材料25のための潜在的な貯留部48が、開口、特にペデスタル取り付け面40と絶縁材料60との間の重なり合う領域において少なくとも部分的に形成されている。この構成では、サブマウント9は、非常に正確にかつピンの非常に近くに、特にピンにほぼ直接接触して配置することができ、これにより、RFおよび/または電子的性能を最大化させることができる。さらに、ピンとサブマウント9との接続のために、よりコストの低いはんだ付け材料が必要とされる。
【符号の説明】
【0048】
1 ヘッダ
2 ギャップ
3 1のベース
5 電気フィードスルー
6 フィードスルーピン
7 ペデスタル
7a 第1のペデスタル
7b 第2のペデスタル
8 アイレット/開口
9 ペデスタルサブマウント
13 導体めっき
21 ボンドワイヤ接続
23 はんだ接合部
24 ろう付け接合部
25 余分なろう付け材料
40 取り付け面
41 自由面
42 上面
43 第1の側面
44 第2の側面
47 自由領域
48 貯留部
49 縁部
50 縁面
51 第1のバー
52 バーの側面
53 第2のバー
54 バーの上面
55 側壁
56 バーの第1の端部
57 バーの第2の端部
58 ベース前面
59 ベース背面
60 絶縁材料
70 ろう付け領域
132 導体トレース
135 導体トレースの端部
d1 ピンオフセット
d2 サブマウントオフセット
H1 側壁の高さ
H2 ペデスタルサブマウントの高さ
W1 バーの幅
X 幅方向
Y 長手方向
Z 高さ方向