(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】部品の2つの面をラミネートするための機械及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 63/02 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
B29C63/02
(21)【出願番号】P 2021500556
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(86)【国際出願番号】 FR2019051629
(87)【国際公開番号】W WO2020012089
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-02-03
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519292796
【氏名又は名称】アシディウム
【氏名又は名称原語表記】ASIDIUM
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100163463
【氏名又は名称】西尾 光彦
(72)【発明者】
【氏名】ミリオティ,ステファン
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-036359(JP,A)
【文献】特開昭56-070949(JP,A)
【文献】国際公開第2018/145721(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00-65/82
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な経路に沿って移動させられる平坦な部品(3)の第一面(3
1)及び第二面(3
2)を、アプリケーションユニットを使用して配置された保護フィルム(5)でラミネートするための方法であって、前記第一面(3
1)及び前記第二面(3
2)のそれぞれは、前記部品の下端(3i)及び上端(3s)の間で定められた、被覆されるべき所定の高さと、前記部品の前端(3a)及び後端(3b)の間で定められ、それぞれ、前縁(3’a)及び後縁(3’b)によって範囲が定められている、被覆されるべき所定の長さ(L)と、を持つ、被覆されるべき表面を有し、前記方法は、
いくつかの第一アプリケーションユニット(Ua1、Ua2、…)を、前記部品の第一面の前記水平な経路に接して直列に配置し、かつ、前記第一面に接して位置する第一アプリケーションユニットに向かい合わせて位置決めされた、いくつかの第二アプリケーションユニット(Ub1、Ub2、…)のそれぞれを、前記部品の前記第二面の前記水平な経路に接して直列に配置することと、
前記部品の前記第一面及び前記第二面のそれぞれにおける前記保護フィルムの重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき前記高さに対応するように、鉛直方向の異なる位置に、前記いくつかの第一アプリケーションユニット(Ua1、Ua2、…)及び前記いくつかの第二アプリケーションユニット(Ub1、Ub2、…)を配置することと、
前記第一アプリケーションユニット及び前記第二アプリケーションユニットを使用して、それぞれ、前記部品の前記第一面及び前記第二面に、被覆されるべき前記表面の前記前縁(3’a)から始めて、被覆されるべき前記表面の前記長さにわたって、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて、前記保護フィルムを段階的に貼り付けて前記部品の2つの面の同時ラミネーションをなすことと、
被覆されるべき前記長さの前記後縁の位置で、前記第一アプリケーションユニット及び前記第二アプリケーションユニットを使用して、前記保護フィルムを、前記部品の前記水平な経路に応じて逐次的に切断することと、を含む、方法。
【請求項2】
フィルムを貼り付けるためのドラム(T)を各アプリケーションユニットに配置し、かつ、第一ユニットの各アプリケーションドラム(T)を、第二ユニットのアプリケーションドラムに向かい合わせて位置決めすることを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記部品の前記前端(3a)からマージンだけ離れた前記前縁(3’a)から始めて、前記アプリケーションユニットを使用して、前記部品の前記面に、前記保護フィルムを、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて段階的に貼り付けることと、
前記部品の前記後端(3b)からマージンだけ離れた前記後縁(3’b)の位置で、前記アプリケーションユニットを使用して、前記保護フィルムを、前記部品の前記水平な経路に応じて逐次的に切断することと、を含むことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記部品のいずれかの側に配置され、かつ、前記部品の前記水平な経路に配置された各アプリケーションユニットの上流と最後尾のアプリケーションユニットの下流とに位置決めされた、複数対のローラーの、それぞれ異なる複数のシステム(D1、D2、D3)を使用して、前記水平な経路に沿った前記部品の移動を確実にすることを含むことを特徴とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、アプリケーションドラムに接触する各フィルム(5)を、フィルムの切断後かつ前記部品へのそのフィルムの貼り付けまで、静電荷によって保持することを含むことを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
水平な経路に沿って移動させられる平坦な部品(3)をラミネートするための機械であって、前記部品は、第一面及び第二面において、前記部品の下端(3i)及び上端(3s)の間で定められた被覆されるべき所定の高さ(H)と、前記部品の前端(3a)及び後端(3b)の間で定められ、それぞれ、前縁(3’a)及び後縁(3’b)によって範囲が定められている、被覆されるべき所定の長さLとを持つ、被覆されるべき表面を有し、
前記機械は、
水平な経路に沿って鉛直方向に直立した位置にある、ラミネートされるべき部品を搬送するためのシステム(4)と、
前記部品の第一面の前記水平な経路に接して直列に配置され、かつ、いくつかの第一フィルムアプリケーションユニット(Ua1、Ua2、…)のそれぞれは、駆動部材(16)によって鉛直方向に移動させられる、いくつかの第一フィルムアプリケーションユニット(Ua1、Ua2、…)であって、各第一アプリケーションユニットは、
保護フィルムを貼り付けるために、モーター駆動のラミネート部材(13)によって前記部品に対して進退させられる少なくとも1つのドラム(T)と、前記ドラム上に位置決めされた前記
保護フィルムを切断するために据え付けられたカッティングモジュール(9)と、を含む、第一フィルムアプリケーションユニット(Ua1、Ua2、…)と、
前記部品の前記第二面の前記水平な経路に接して直列に配置され、かつ、いくつかの第二フィルムアプリケーションユニット(Ub1、Ub2、…)のそれぞれは、前記第一面に接して配置された第一アプリケーションユニットに向かい合わせて位置決めされた、いくつかの第二フィルムアプリケーションユニット(Ub1、Ub2、…)であって、各第二アプリケーションユニットは、駆動部材(16)によって鉛直方向に移動させられ、かつ、
保護フィルムを貼り付けるために、モーター駆動のラミネート部材(13)によって、前記部品に対して進退させられる少なくとも1つのドラム(T)と、前記ドラム上に位置決めされた前記
保護フィルムを切断するために据え付けられたカッティングモジュール(9)と、を含む、第二フィルムアプリケーションユニット(Ub1、Ub2、…)と、
前記アプリケーションドラム(T)に対して、前記部品の前記前端(3a)、前記後端(3b)、及び前記上端(3s)の位置を検出するためのシステム(20)と、
前記搬送システム(4)、前記検出システム(20)、前記ドラム(T)を移動させるための前記駆動部材(16)、及び前記カッティングモジュール(9)に接続された、計算制御ユニット(22)であって、被覆されるべき前記部品の前記表面の前記高さ(H)と前記
保護フィルムの幅とに応じて、前記保護フィルムを貼り付けるための前記ドラム(T)の鉛直方向における位置を決定するユニット(22)と、を備え、前記ユニット(22)は、
前記部品の前記第一面及び前記第二面のそれぞれにおける、前記保護フィルムの重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき前記表面の前記高さ(H)に対応するように、前記ドラムの前記駆動部材(16)を制御して、鉛直方向における位置に前記ドラムを配置し、
被覆されるべき前記表面の前記前縁(3’a)から始めて、前記部品の各面に前記保護フィルムを同時に貼り付けるように、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて、前記部品の前記前端(3a)の位置に応じて、モーター駆動のラミネート部材(13)を連続して制御し、
被覆されるべき前記表面の前記後縁(3’b)の位置で前記保護フィルムを切断するために、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて、前記部品の前記後端(3b)の位置に応じて、前記カッティングモジュール(9)を連続して制御するために設計されている、機械。
【請求項7】
前記機械は、前記部品のいずれかの側に配置され、かつ、前記部品の前記水平な経路に接して配置された、各対のアプリケーションユニットの上流と最後尾の一対のアプリケーションユニットの下流とに位置決めされた、複数対のローラーのそれぞれ異なるシステムを特に含む、捕捉支持システム(D1、D2、D3)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の機械。
【請求項8】
各アプリケーションユニットは、各アプリケーションドラム(T)と共に、
前記保護フィルムの切断後かつ前記部品への
前記保護フィルムの貼り付けまで、アプリケーションドラムに接触する各
保護フィルムを保持するように制御される静電荷バー(11)を含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の機械。
【請求項9】
前記機械は、互いに向かい合わせて配置された少なくとも一対のアプリケーションユニットに対して、
前記部品の前記水平な経路を横切る方向における保護フィルムの貼り付け位置
にドラム
を固定するための固定システム(15)を含むことを特徴とする、請求項6から8に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、全般的な意味合いにおいて水平な経路に沿って移動される平坦な部品につき、保護フィルムで保護することを目的としたラミネーションの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の主題は、建設用ガラス産業の分野、特に一時的な保護フィルムを使用してドア及び窓のガラスを保護するために、特に有利な用途を見出す。
【0003】
建設用ガラス産業の分野では、製造ラインでの生産性を変えることなく、製造ラインを出たガラスを保護する必要がある。フィルムを用いたガラスの保護は、ガラスとその支持材との間でフィルムが挟まれることを避けるために、ガラスの端から後退してフィルムを貼り付けることを必要とする。なぜなら、そのようなガラスは、その周囲に沿ってドア又は窓に取り付けられることを目的としているからである。加えて、ガラスを製造するための技術は、それらが異なる寸法で連続的に製造されることにつながる。そのため、ラミネーションの技術は、異なるサイズのガラスに適合しなければならない。結局、ラミネート機械は、製造されたガラスを鉛直方向に取り扱う方法に組み込むことができるものの、空間を節約するという理由のために、限られたサイズを有しなければならない。
【0004】
ガラスのラミネーションを確実にするために、特許FR 2 852 553は、保護されるべきガラスを支持し、逐次的に移動させるための構造を含む機械を提案しており、その機械は、フィルム貼り付けアセンブリの正面において、ガラスを、鉛直方向に直立した姿勢で移動させることを可能にする。各フィルムのリーダーが、その移動中に、ガラスの一方の面に対して貼り付けられるように、このアセンブリは、フィルムのリールが据え付けられている少なくとも1つの軸を含む。いくつかのリールは、リールアセンブリを用いて、各ガラスに形成するために高さを調整でき、送り出されたコーティングがガラスの目的とする表面を被覆できる。各フィルムのリーダーは、吸引ノズルを使用して所定の位置に保持され、各フィルムは、フィルムを加熱することによって切断される。
【0005】
この特許は、ガラスの1つの面のみに、フィルムを送って貼り付けることを記載している。そのため、そのような機械によってガラスの両面にラミネーションをなすことは、最適ではない。さらに、吸引によるフィルムの保持では、フィルムをガラス上に精密かつ正確に位置決めできないように思われる。
【0006】
保護フィルムのアプリケーションの技術分野において、特許出願FR 3 053 662には、横方向に移動させられる、保護されるべき部品上に保護フィルムをラミネートするアプリケーターローラーを備えたラミネートモジュールを含む、保護フィルムを一時的に又は永久に貼り付けるための産業機械が記載されている。このアプリケーターローラーは、フィルムをアプリケーターローラーに付着させる静電荷バーと協働する。このラミネートモジュールは、また、アプリケーターローラーに接触するフィルムを切断することを目的としたカッティングモジュールを含む。
【0007】
このラミネートモジュールは、アプリケーターローラーによって運ばれたフィルムを部品の前端の位置に配置するように、アクチュエーターによって移動させられる。部品の後端の位置に応じて、カッティングモジュールは、部品の後端の位置に対応するフィルムの位置でフィルムを切断する。この機械は、切断片を有することなく、一方の端から他方の端までフィルムで部品を保護するために使用される。この文献には、部品の両面にフィルムを貼り付けることは記載されておらず、異なる寸法を持つ部品に適応させることはできない。
【0008】
本発明の目的は、1つの部品の2つの面をフィルムで同時に保護し、ラミネート操作の期間を最適化するために設計されると同時に、被覆されるべき表面の寸法に関係なく、部品上に、フィルムの正確かつ効率的な位置決めを確実にするための方法を提案することによって、従来技術の欠点を改善する。
【発明の概要】
【0009】
この目的を達成するために、本発明の主題は、水平な経路に沿って移動させられる平坦な部品の第一面及び第二面を、アプリケーションユニットを使用して配置された保護フィルムでラミネートする方法に関し、第一面及び第二面のそれぞれは、部品の下端及び上端の間で定められた、被覆されるべき所定の高さと、部品の前端及び後端の間で定められ、それぞれ、前縁及び後縁によって範囲が定められている、被覆されるべき所定の長さとを持つ。
【0010】
本発明によれば、本方法は、
いくつかの第一アプリケーションユニットを、前記部品の第一面の前記水平な経路に接して直列に配置し、かつ、前記第一面に接して位置する第一アプリケーションユニットに向かい合わせて位置決めされた、いくつかの第二アプリケーションユニットのそれぞれを、前記部品の前記第二面の前記水平な経路に接して直列に配置することと、
前記部品の前記第一面及び前記第二面のそれぞれにおける前記保護フィルムの重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき前記高さに対応するように、鉛直方向の異なる位置に、前記いくつかの第一アプリケーションユニット及び前記いくつかの第二アプリケーションユニットを配置することと、
前記第一アプリケーションユニット及び前記第二アプリケーションユニットを使用して、それぞれ、前記部品の前記第一面及び前記第二面に、被覆されるべき前記表面の前記前縁から始めて、被覆されるべき前記表面の前記長さにわたって、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて、前記保護フィルムを段階的に貼り付けて前記部品の2つの面の同時ラミネーションをなすことと、
被覆されるべき前記長さの前記後縁の位置で、前記第一アプリケーションユニット及び前記第二アプリケーションユニットを使用して、前記保護フィルムを、前記部品の前記水平な経路に応じて逐次的に切断することと、を含む。
【0011】
加えて、本発明による方法は、以下の追加の特徴の少なくとも一方及び/又は他方を組み合わせて実施できる。
フィルムを貼り付けるためのドラムを各アプリケーションユニットに配置し、かつ、第一ユニットの各アプリケーションドラムを、第二ユニットのアプリケーションドラムに向かい合わせて位置決めすること。
前記部品の前記前端からマージンだけ離れた前記前縁から始めて、前記アプリケーションユニットを使用して、前記部品の前記面に、前記保護フィルムを、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて段階的に貼り付けること。
前記部品の前記後端からマージンだけ離れた前記後縁の位置で、前記アプリケーションユニットを使用して、前記保護フィルムを、前記部品の前記水平な経路に応じて逐次的に切断すること。
前記部品のいずれかの側に配置され、かつ、前記部品の前記水平な経路に接して配置された、各アプリケーションユニットの上流と最後尾のアプリケーションユニットの下流とに位置決めされた、複数対のローラーの、それぞれ異なる複数のシステムを使用して、前記水平な経路に沿った前記部品の移動を確実にすること。
アプリケーションドラムに接触する各フィルムを、フィルムの切断後かつ前記部品へのそのフィルムの貼り付けまで、静電荷によって保持すること。
【0012】
本発明の別の主題は、フィルムによって1つの部品の2つの面を保護するための機械を提案することであり、その機械は、ラミネート操作の期間を最適化するために設計されると同時に、被覆されるべき表面の寸法に関係なく、部品上にフィルムの正確かつ効率的な位置決めを確実にする。
【0013】
本発明によれば、本機械は、
水平な経路に沿って鉛直方向に直立した位置にある、ラミネートされるべき部品を搬送するためのシステムと、
前記部品の第一面の前記水平な経路に接して直列に配置され、かつ、いくつかの第一フィルムアプリケーションユニットのそれぞれは、駆動部材によって鉛直方向に移動させられる、いくつかの第一フィルムアプリケーションユニットであって、各第一アプリケーションユニットは、フィルムを貼り付けるために、モーター駆動のラミネート部材によって前記部品に対して進退させられる少なくとも1つのドラムと、前記ドラム上に位置決めされた前記フィルムを切断するために据え付けられたカッティングモジュールと、を含む、第一フィルムアプリケーションユニットと、
前記部品の前記第二面の前記水平な経路に接して直列に配置され、かつ、いくつかの第二フィルムアプリケーションユニットのそれぞれは、前記第一面に接して配置された第一アプリケーションユニットに向かい合わせて位置決めされた、いくつかの第二フィルムアプリケーションユニットであって、各第二アプリケーションユニットは、駆動部材によって鉛直方向に移動させられ、かつ、フィルムを貼り付けるために、モーター駆動のラミネート部材によって、前記部品に対して進退させられる少なくとも1つのドラムと、前記ドラム上に位置決めされた前記フィルムを切断するために据え付けられたカッティングモジュールと、を含む、第二フィルムアプリケーションユニットと、
前記アプリケーションドラムに対する前記部品の前記前端、前記後端、及び前記上端の位置を検出するためのシステムと、
前記搬送するためのシステム、前記検出するためのシステム、前記ドラムを移動させるための前記駆動部材、及び前記カッティングモジュールに接続された、計算制御ユニットであって、前記ユニットは、前記部品の被覆されるべき前記表面の前記高さと前記フィルムの幅とに応じて、前記保護フィルムを貼り付けるための前記ドラムの鉛直方向における位置を決定し、前記ユニットは、前記部品の前記第一面及び前記第二面のそれぞれにおける、前記保護フィルムの重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき前記表面の前記高さに対応するように、前記ドラムの前記駆動部材を制御して、鉛直方向における位置に前記ドラムを配置し、前記ユニットは、被覆されるべき前記表面の前記前縁から始めて、前記部品の各面に前記保護フィルムを同時に貼り付けるように、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて、前記部品の前記前端の位置に応じて、モーター駆動のラミネート部材を連続して制御し、前記ユニットは、被覆されるべき前記表面の前記後縁の位置で前記保護フィルムを切断するために、前記水平な経路に沿って前記部品が移動するにつれて、前記部品の前記後端の位置に応じて、前記カッティングモジュールを連続して制御するために設計されている、計算制御ユニットと、を含む。
【0014】
加えて、本発明による機械は、以下の追加の特徴の少なくとも一方及び/又は他方の組み合わせをさらに含むことができる。
前記部品のいずれかの側に配置され、かつ、前記部品の前記水平な経路に接して配置された、各対のアプリケーションユニットの上流と最後尾の一対のアプリケーションユニットの下流とに位置決めされた、複数対のローラーのそれぞれ異なるシステムを特に含む、捕捉支持システム。
各アプリケーションユニットは、各アプリケーションドラムと共に、フィルムの切断後かつ前記部品へのそのフィルムの貼り付けまで、アプリケーションドラムに接触する各フィルムを保持するように制御される静電荷バーを含む。
互いに向かい合わせて配置された少なくとも一対のアプリケーションユニットに対して、フィルムの貼り付け位置において、ドラムを横方向に固定するための固定システム。
【0015】
様々な他の特徴が、非限定的な例として、本発明の主題の実施形態の形態を示す添付の図面を参照して、以下に与えられる説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明による貼り付け機械の例示的な実施形態の正面図である。
【
図2】
図2は、本発明による貼り付け機械の構成を示す概略上面図である。
【
図3】
図3は、本発明による貼り付け機械の一部を形成する、いわゆる背面のアプリケーションユニットの例示的な実施形態の図である。
【
図4】
図4は、本発明による貼り付け機械の一部を形成する、いわゆる正面のアプリケーションユニットの例示的な実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図から明らかなように、本発明の主題は、全般的な意味において、ガラス等の平坦な部品3のための、支持及び移動フレーム2を含む本発明に係るラミネート機械1に関する。この機械1は、矢印Fにより示された水平な経路に沿って、直立姿勢で部品3を搬送するためのシステム4を含む。実用的には、部品3は、鉛直方向に対して6°程度の角度で後方に傾けられている。
【0018】
図1からより具体的に明らかなように、各平坦な部品3は、直立での搬送位置を考慮して、いわゆる正面である第一面3
1及びいわゆる背面である第二面3
2を有し、部品の搬送方向を考慮して、下端3i、上端3s、前端3a、及び後端3bを有する。部品3の各面は、フィルムによって被覆されるべき表面を有し、一方では、部品の下端3i及び上端3sの間で範囲が定められた所定の高さHを有し、他方では、前端3a及び後端3bの間で所定の長さLを有する。被覆されるべきこの表面は、したがって、それぞれ、部品の前端、後端、下端、及び上端に対応して延びている、前縁3’a、後縁3’b、下縁3’i及び上縁3’sによって範囲が定められている。部品がドア又は窓のガラスである有利な変形例によれば、フィルムによって被覆されるべき表面の高さH及び長さLは、それぞれ、部品の高さ及び幅よりも短く、これにより、部品の周囲に、フィルムによって被覆されず、ドア又は窓の一片にはめ込むことを目的としたマージンを残すことを可能にする。もちろん、本発明の主題は、部品の端に対してマージンを有することなくフィルムを貼り付けることを可能にする。
【0019】
部品の平行移動に対して定められた方法で据え付けられたフィルムアプリケーションユニットに向かい合わせて部品を連続して運ぶように、搬送システム4は、参照面に沿って下端3iのそばで支持された部品3を平行移動させる。
【0020】
本発明によれば、このラミネート機械1は、部品の第一面31の水平な経路に接して直列に配置された、いくつかの第一フィルムアプリケーションユニットUa1、Ua2、…を含む。図示された例において、いわゆる正面の第一アプリケーションユニットUa1、Ua2、…の数は2である。しかし、機械は、より多い数のフィルムアプリケーションユニットを含みうる。部品の移動する方向を考慮して、第一アプリケーションユニットを、Ua1及びUa2と示す。
【0021】
本発明によれば、このラミネート機械1は、また、部品の第二面3
2の水平な経路に接して直列に配置された、いくつかの第二フィルムアプリケーションユニットUb1、Ub2、…を含む。各第二フィルムアプリケーションユニットは、第一面に接して位置する第一アプリケーションユニットに向かい合わせて位置決めされている。図示された例において、いわゆる背面の第二アプリケーションユニットUb1、Ub2、…の数は2である。しかし、機械は、より多い数のフィルムアプリケーションユニットを含みうる。部品の移動する方向を考慮して、第二アプリケーションユニットを、Ub1及びUb2と示す。
図2から明らかなように、機械1は、複数対のアプリケーションユニットを含み、図示された例では、部品の経路を考慮して、第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1及び第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2を含む。これらの対のそれぞれは、正面のアプリケーションユニット及び背面のアプリケーションユニットによって形成されており、それらの対は、部品の経路に接して連続的に配置されている。同一の対のアプリケーションユニットは、第一面3
1及び第二面3
2にフィルムを貼り付けるために対称に作動する。言い換えると、同一の対の正面及び背面のアプリケーションユニットは、部品にかかる応力が釣り合うように、同一の操作を実施する。
【0022】
機械1は、部品の経路に接して位置する、各対のアプリケーションユニットの上流及び最後尾の一対のアプリケーションユニットの下流に位置決めされた、部品を捕捉して支持するためのシステムD1、D2、D3を含む。図面に示された例示的な実施形態では、機械1は、部品3の経路を考慮して3つの捕捉支持システムを含む。すなわち、機械1は、いわゆる導入の第一捕捉支持システムD1、いわゆる中間の第二捕捉支持システムD2、及びいわゆる排出の第三捕捉支持システムD3を含む。
【0023】
各捕捉支持システムD1、D2、D3は、部品3のいずれかの側に配置された一対のローラーDa、Dbを含む。ローラーの一方、例えばDaは、アクチュエーターDa1によって部品の経路に対して横方向に移動可能に据え付けられている。加えて、Daは、固定されているものの図示しないモーターによって回転駆動されるように据え付けられた他方のローラーDbに対して、横方向に移動可能に据え付けられている。各対のアプリケーションユニットの上流に配置された一対のローラーは、これにより、下流に配置されたアプリケーションユニットへの部品の導入を確実にする。部品3の経路に接して位置する最後尾の一対のアプリケーションユニット(例ではUa2-Ub2)の下流に配置された一対のローラーは、これにより、上流のアプリケーションユニットから部品の排出を確実にする。
【0024】
アプリケーションユニットUa1、Ua2、Ub1、及びUb2のそれぞれは、特に、固定スプール6から繰り出されるフィルム5を貼り付け、アプリケーションドラムでそのフィルムが接触することを最適化するためのカウンターローラー7と協働するためのドラムTを含む。各アプリケーションドラムTは、その回転軸Aが部品の面に対して平行であるように位置決めされる。各アプリケーションドラムTは、ドラムに位置決めされたフィルムを切断するために据え付けられたカッティングモジュール9を備える可動ヘッド8によって支持される。典型的には、各カッティングモジュール9は、有利には、アプリケーションドラムの母線に従って移動可能であり、かつ、アプリケーションドラムTに接触するフィルムを切断するカッティングブレードを含む。各可動ヘッド8は、静電荷発生器に接続され、かつ、フィルムの切断後かつ部品へのそのフィルムの貼り付けまで、アプリケーションドラムに接触する各フィルムを保持するように制御される静電荷バー11を備えている。
【0025】
各アプリケーションドラムTは、モーター駆動のラミネート部材13を使用して、部品3に対して進退させられる。より正確には、各モーター駆動のラミネート部材13は、特にアプリケーションドラムTを支持する可動ヘッド8に作用するように据え付けられている。複数対のアプリケーションユニットに属するモーター駆動のラミネート部材13のそれぞれは、相対して配置された一対のドラムのそれぞれが、部品のラミネーション又は部品のフィルムコーティングのための進出位置及び部品を導入するための後退位置のいずれかの位置をとるように、制御される。各対のアプリケーションユニットのアプリケーションドラムは、部品にはたらく圧力のバランスをとるために、部品3の面のいずれかの側に対称的に位置決めされる。
【0026】
有利な実施形態の特徴によれば、機械1は、互いに向かい合わせて配置された、少なくとも一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1、Ua2-Ub2に対して、フィルムの貼り付け位置において、ドラムTを横方向に固定するための固定システム15を含む。
図3からより具体的に明らかなように、各背面のアプリケーションユニットUb1、Ub2は、横方向における所定の位置に、各背面のアプリケーションユニットのドラムTを固定するために使用される、スナップ止めタイプの固定システム15を含む。各背面のアプリケーションユニットのドラムは、ドラムの対に基準位置を与える。正面のアプリケーションユニットUa1、Ua2の各ドラムは、圧力の制御を含むアクチュエーターによって動かされる。設定圧力に達したとき、アプリケーションユニットのドラムは、所定の位置にあり、この圧力の値は、部品3の厚さに適合する。
【0027】
本発明の特徴によれば、各アプリケーションユニットUa1、Ua2、Ub1、及びUb2は、モーター駆動のボールねじ等の駆動部材16を使用して、鉛直方向に移動可能に据え付けられている。したがって、同一の一連のアプリケーションユニットのアプリケーションドラムTは、部品の一方の面上で、保護フィルムの重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき表面の高さHに対応するように、鉛直方向の異なる位置に配置されうる。もちろん、同一の一連のアプリケーションユニットに属する2つのアプリケーションドラムに取り付けられたフィルムの高さの累積高さは、被覆されるべき表面の高さHより大きい。2つのフィルムの重なりの程度は、フィルムの累積高さ及び被覆されるべき表面の高さHの差によって決まる。
【0028】
本発明の特徴によれば、機械は、アプリケーションドラムTに対して、部品の前端3a、後端3b、及び上端3sの位置を検出するためのシステム20を含む。この検出システム20は、被覆されるべき表面の高さで、部品の面にフィルムを正しく位置決めすることを可能にするのに適した様々な位置センサーを備えている。
【0029】
本発明の別の特徴によれば、機械1は、機械の構成要素を制御するために使用され、各部品へのフィルムコーティングの操作を確実にするために使用される計算制御ユニット22を含む。この計算制御ユニット22は、プログラマブルオートマトン又はコンピュータの形態等の任意の適切な方法で実行される。この計算制御ユニット22は、搬送システム4、検出システム20、アプリケーションユニットの鉛直方向の移動を駆動する部材16、モーター駆動のラミネート部材13、及びカッティングモジュール9に接続されている。
【0030】
この計算制御ユニット22は、各部品3に対して、部品の端及び被覆されるべき表面の間で定義されるマージンと同様に、アプリケーションドラムTに取り付けられたフィルムの高さに関する情報を受け取る。これらの情報は、ヒューマンマシンインターフェースによって又は部品に関するコード化された情報の読み取りに続いて、このユニット22に供給される。部品の端の位置を検出し、各部品3に対するマージンを識別する、この計算及び制御ユニット22は、被覆されるべき表面から縁の位置を決定できる。
【0031】
計算制御ユニット22は、検出システム20によって、部品3の高さを識別する。注目すべきことに、下端3iが、搬送システム4によって支持される位置と同じ位置を常にとる限り、部品の上端3sの位置のみを検出することによって部品の高さが検出されうる。
【0032】
計算制御ユニット22は、部品3の高さ、被覆されるべき部品の表面に対するマージン、及びフィルム5の幅に応じて、部品の面のそれぞれにおける、保護フィルムの重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき高さに対応するように、シリーズのそれぞれに属する、保護フィルムを貼り付けるためのドラムの鉛直方向における位置を決定する。したがって、計算制御ユニット22は、部品の面のそれぞれにおける、保護フィルムの重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき高さHに対応するように、ドラムTの駆動部材16を制御して、鉛直方向における位置にドラムを配置する。
【0033】
計算制御ユニット22は、被覆されるべき表面の前縁3’aから始めて、部品の各面に保護フィルムを貼り付けるように、水平な経路に沿って部品3が移動するにつれて、部品の前端3aの位置に応じて、モーター駆動のラミネート部材13を連続して制御する。
【0034】
計算制御ユニット22は、被覆されるべき表面の後縁3’bの位置で保護フィルムを切断するために、水平な経路に沿って部品3が移動するにつれて、部品の後端3bの位置に応じて、カッティングモジュール9を連続して制御する。
【0035】
上記した機械1は、様々な高さ及び長さを持つ部品3の2つの面に、オンラインでのラミネーションをなす自動工程をさらに実行することを可能にする。
【0036】
各部品3は、搬送システム4によって水平方向に移動させられ、部品の前端3aは、第一の一対のアプリケーションユニットの上流に配置され、いわゆる導入の捕捉支持システムと呼ばれる捕捉支持システムD1の上流に位置する検出システム20によって、検出される。部品3の移動を確実にし、かつ、第一の一対のアプリケーションユニット、すなわちUa1-Ub1にその部品を運ぶために、この導入の捕捉支持システムD1のアクチュエーターDa1が制御されて、このシステムの一対のローラーDa、Dbが近づく。
【0037】
さらに、注目すべきことに、計算制御ユニット22は、部品の被覆されるべき表面の高さHに適応するために、第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1を位置決めするのに適している。ガラス板の下端3iのマージンが識別され、第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1の駆動部材16は、被覆されるべき表面の下縁3’iの位置でフィルムの下端が位置決めされるように、この第一の一対のアプリケーションドラムTの配置を制御する。
【0038】
部品の前端3aの検出に応じて、第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1のモーター駆動のラミネート部材13は、ドラム上に支持されたフィルムが、被覆されるべき表面の前縁3’aの位置で、部品の第一面及び第二面に位置決めされるように、この第一の一対のアプリケーションドラムTの配置を同時に制御する。明細書の残りの部分から理解されるように、各フィルムは、できる限り部品の近くに位置されたその母線、すなわち、アプリケーションドラムの回転軸Aを通り、かつ、部品3の経路に対して垂直な面に位置する母線まで、アプリケーションドラムTに付着する。この母線は、明細書の残りの部分において、アプリケーション母線Gと呼ばれる。
【0039】
アプリケーションドラムTによる、部品の2つの面31、32の同時ラミネーションは、部品3の前進に続いてなされる。第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2の上流への部品の前端3aの到達は、第二の一対のアプリケーションユニットの上流に配置され、いわゆる中間の捕捉支持システムと呼ばれる捕捉支持システムD2の上流に位置する検出システム20によって検出される。部品3の移動を確実にし、かつ、第二の一対のアプリケーションユニット、すなわちUa2-Ub2にその部品を運ぶために、この中間の捕捉支持システムD2のアクチュエーターDa1が制御されて、このシステムの一対のローラーDa、Dbが近づく。
【0040】
さらに注目すべきことに、計算制御ユニット22は、被覆されるべき部品の表面の高さHに適応するために、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2を位置決めするのに適している。ガラス板の上端3sのマージンが識別され、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2の駆動部材16は、被覆されるべき表面の上縁3’sの位置でフィルムの上端が位置決めされるように、この第二の一対のアプリケーションドラムTの配置を制御する。
【0041】
部品の前端3aの検出に応じて、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2のモーター駆動のラミネート部材13は、ドラムによって支持されたフィルム5が、被覆されるべき表面の前縁3’aの位置で、部品の第一面31及び第二面32に位置決めされるように、この第二の一対のアプリケーションドラムTの配置を同時に制御する。各フィルムは、できる限り部品の近くに位置されたその母線G、すなわち、アプリケーションドラムの回転軸Aを通り、かつ、部品3の経路に対して垂直な面に位置する母線まで、アプリケーションドラムTに付着することが理解される。
【0042】
第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2のアプリケーションドラムTのフィルム5による、部品3の2つの面の同時ラミネーションは、部品3が前進するにつれてなされる。
【0043】
部品3が移動するとき、部品3の前端3aは、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2の下流に配置された捕捉支持システムD3の上流に位置する検出システム20によって検出される。この、いわゆる排出の捕捉支持システムD3は、第二の一対のアプリケーションユニットから部品が抜け出るまで、部品が前進するのを制御する。部品3の移動を確実にし、かつ、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2からその部品が抜け出るために、この排出の捕捉支持システムD3のアクチュエーターDa1が制御されて、このシステムの一対のローラーDa、Dbが近づく。
【0044】
部品3が移動するとき、部品3の後端3bは、第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1の上流に配置された導入の捕捉支持システムD1の上流に位置する検出システム20によって検出される。この導入の捕捉支持システムD1が制御されて、第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1のアプリケーションドラムによって支持されたフィルムの切断が起こる定められた所定の位置に、部品が前進させられる。部品3がこの位置にあるとき、部品の移動が停止される。導入の捕捉支持システムD1及び中間の捕捉支持システムD2、あるいは排出の捕捉支持システムD3さえも停止する。
【0045】
この位置において、被覆されるべき表面の後縁3’b及びアプリケーション母線Gの間の距離が、このアプリケーション母線Gとカッティングモジュール9のカッティングブレードが作用する母線との間で把握されるアプリケーションドラムTの周長に等しくなるような位置に、部品3が配置される。したがって、部品3がその移動を続けると、ラミネート操作は、フィルムの一部がアプリケーションドラムT上で切断されて終了し、その端部は、その後、被覆されるべき表面の後縁3’bの位置、すなわち後端3bから所望のマージンだけ後退した位置に位置決めされる。
【0046】
これを行うために、計算制御ユニット22は、この第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1の各アプリケーションドラムの静電荷バー11の作動を制御して、そのアプリケーションドラムに接触する各フィルム5を保持する。この第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1の各カッティングモジュール9は、また、ドラムに接触するフィルムを切断するために、ユニット22によって制御される。フィルムを切断したあと、フィルムは、静電荷バー11の起動により、アプリケーションドラムTに接触して残る。
【0047】
フィルムの切断後、部品3の移動が再開する。導入の捕捉支持システムD1、中間の捕捉支持システムD2、そして排出の捕捉支持システムD3さえも再び始動される。部品3の移動により、第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1によるラミネート操作が終了可能になる。第一の一対のアプリケーションユニットUa1-Ub1のドラムTは、モーター駆動のラミネート部材13によって離れるように移動し、静電荷バー11は、停止状態にされる。
【0048】
部品が移動するとき、部品3の後端3bは、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2にその部品が到達する前に検出システム20によって検出される。中間の捕捉支持システムD2及び排出の捕捉支持システムD3が制御されて、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2のアプリケーションドラムTによって支持されたフィルムの切断が起こる、定められた所定の位置に部品が前進させられる。部品3がこの位置にあるときに、部品の移動が停止される。排出の捕捉支持システムD3及び中間の捕捉支持システムD2が停止する。
【0049】
この位置において、被覆されるべき表面の後縁3’b及びアプリケーション母線Gの間の距離が、このアプリケーション母線Gとカッティングモジュール9のカッティングブレードが作用するドラムの母線との間で把握されるアプリケーションドラムTの周長に等しくなるような位置に、部品3が配置される。したがって、部品3がその移動を続けると、ラミネート操作は、フィルムの一部がアプリケーションドラムT上で切断されて終了し、その端部は、その後、被覆されるべき表面の後縁3’bの位置、すなわち後端から所望のマージンだけ後退した位置に位置決めされる。
【0050】
この第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2の各アプリケーションドラムTの静電荷バー11が制御されて、そのアプリケーションドラムに各フィルム5を接触させ、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2の各カッティングモジュール9を制御して、ドラムに接触しているフィルムを切断する。
【0051】
フィルム5の切断後、部品3の移動が再開する。排出の捕捉支持システムD3及び中間の捕捉支持システムD2は、再び始動される。部品3の移動により、第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2によるラミネート操作が終了することを可能にする。第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2のドラムTは、モーター駆動のラミネート部材13によって離れるように移動し、静電荷バー11は、停止状態にされる。第二の一対のアプリケーションユニットUa2-Ub2から部品が完全に排出された後、排出の捕捉支持システムD3は、停止される。別の部品3のためのラミネート処理が開始されうる。
【0052】
前述の記載から、本発明によるラミネート方法は、以下を含むことが明らかである。
いくつかの第一アプリケーションユニットUa1、Ua2、…を、部品の第一面31の水平な経路に接して直列に配置し、かつ、第一面に接して位置する第一アプリケーションユニットに向かい合わせて位置決めされた、いくつかの第二アプリケーションユニットUb1、Ub2、…のそれぞれを、部品の第二面32の水平な経路に接して直列に配置すること。
部品の第一面及び第二面のそれぞれにおける、保護フィルム5の重なりを伴う組み合わせられた貼り付けが、被覆されるべき高さに対応するように、鉛直方向の異なる位置に、いくつかの第一アプリケーションユニットUa1、Ua2、…及びいくつかの第二アプリケーションユニットUb1、Ub2、…を配置すること。
第一アプリケーションユニット及び第二アプリケーションユニットを使用して、それぞれ、部品の第一面及び第二面に、被覆されるべき表面の前縁3’aから始めて、被覆されるべき長さにわたって、水平な経路に沿って部品が移動するにつれて、保護フィルムを段階的に貼り付けること。
被覆されるべき表面の後縁3’bの位置で、第一アプリケーションユニット及び第二アプリケーションユニットを使用して、保護フィルムを、部品の水平な経路に応じて逐次的に切断すること。
【0053】
本発明による方法は、部品の前端3aからマージンだけ離れた前縁3’aから始めて、アプリケーションユニットを使用して、部品の面に保護フィルム5を、水平な経路に沿って部品が移動するにつれて段階的に貼り付けることを可能にする。同様に、本発明による方法は、部品の後端3bからマージンだけ離れた後縁3’bの位置で、アプリケーションユニットを使用して、保護フィルムを、部品3の水平な経路に応じて逐次的に切断することを可能にする。
【0054】
本発明は、その範囲から逸脱することなく様々な修正を加えることができるので、説明及び示された例に限定されない。