(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】尿管鏡装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/307 20060101AFI20230410BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230410BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20230410BHJP
A61B 1/05 20060101ALI20230410BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
A61B1/307
A61B1/00 711
A61B1/045 622
A61B1/05
A61B1/06 531
(21)【出願番号】P 2021533705
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(86)【国際出願番号】 US2019065616
(87)【国際公開番号】W WO2020123588
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-08-06
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519288962
【氏名又は名称】シー.アール.バードゥ,インク.
【氏名又は名称原語表記】C.R.BARD,INC.
【住所又は居所原語表記】730 Central Avenue, Murray Hill,NJ 07974 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン マイケル ノウルマン
(72)【発明者】
【氏名】カイラ コーモス ウェスナー
(72)【発明者】
【氏名】エミリー ロレイン ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ジャネット キム ハドナル
【審査官】鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-535311(JP,A)
【文献】特開2005-237817(JP,A)
【文献】特表2016-522006(JP,A)
【文献】特開平05-123286(JP,A)
【文献】特開昭63-189821(JP,A)
【文献】特開2016-123790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿管鏡システムであって、
ハンドピースであって、
カテーテル端と、
前記カテーテル端に対向する制御端と、
前記カテーテル端と前記制御端との間に位置決めされた中心部分であって、前記中心部分が、丸形の第1の表面と、前記丸形の第1の表面に対向する丸形の第2の表面と、前記丸形の第1の表面と前記丸形の第2の表面との間の2つの対向する実質的に平坦な側面とを有し、前記ハンドピースの長手方向中心平面が、前記2つの対向する実質的に平坦な側面の間に位置決めされている、中心部分と、
前記長手方向中心平面に沿って前記カテーテル端の近位であって前記制御端の遠位で前記丸形の第1の表面に配置された作業通路ポートと、
前記長手方向中心平面に沿って前記カテーテル端の近位であって前記制御端の遠位で前記丸形の第2の表面に配置されたケーブルポートと、
前記制御端の近位に位置決めされ、かつ前記長手方向中心平面とほぼ一直線に位置決めされた1つ以上の制御部と、
を含む、ハンドピースと、
前記ハンドピースの前記カテーテル端から延びているカテーテルであって、前記作業通路ポートと流体連通する作業通路と、遠位端と、少なくとも1つの光源と、前記カテーテルの前記遠位端に位置決めされた画像センサとを含むカテーテルと、
を備え、
前記1つ以上の制御部は、少なくとも1つの光源と前記画像センサとを起動および停止するように構成されており、
前記作業通路ポート、前記ケーブルポートおよび前記1つ以上の制御部は、前記ハンドピースの前記長手方向中心平面とほぼ一直線に位置決めされており、これにより前記ハンドピースを左手または右手で使用するかまたは使用中に手を変えることを可能にする、
尿管鏡システム。
【請求項2】
前記ハンドピースが、1つ以上の電子デバイスと通信するように構成された通信インタフェースを含む、請求項1記載の尿管鏡システム。
【請求項3】
前記1つ以上の電子デバイスが、前記画像センサによって収集された1つ以上の画像を表示するように動作可能なディスプレイを少なくとも含む、請求項2記載の尿管鏡システム。
【請求項4】
前記1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つが、前記ディスプレイに表示された前記1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整するように構成されている、請求項3記載の尿管鏡システム。
【請求項5】
前記1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つが、前記画像センサを起動または停止するか、前記画像センサの画像収集モードを静止画像モードからビデオストリームモードに変更するか、または前記ビデオストリームモード中に静止画像を記録するためにフレームグラブを起動するように構成されている、請求項3記載の尿管鏡システム。
【請求項6】
前記ハンドピースが、ケーブルであって、前記ケーブルポートで前記ハンドピースに接続されているかまたは接続可能であり、前記画像センサに電力を供給し、前記1つ以上の電子デバイスおよび前記通信インタフェースと通信するように構成されたケーブルを含む、請求項3記載の尿管鏡システム。
【請求項7】
少なくともホストマシンと前記ディスプレイとを含む1つ以上の電子デバイスをさらに備え、前記ホストマシンが、前記1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つの作動に応答して、前記ディスプレイに1つ以上の表示設定を表示するように構成されており、前記1つ以上の表示設定が、前記ディスプレイに表示された前記1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを含む、請求項6記載の尿管鏡システム。
【請求項8】
尿管鏡システムであって、
カテーテルであって、遠位端と、前記カテーテルの前記遠位端に位置決めされた画像センサとを含むカテーテルと、
ハンドピースであって、カテーテル端と、前記カテーテル端に対向する制御端と、1つ以上の電子デバイスのうちの少なくとも1つと通信するように構成された通信インタフェースと、前記制御端の近位で前記ハンドピースに位置決めされた1つ以上の制御部とを有するハンドピースと、
前記ケーブルポートで前記ハンドピースに接続されているかまたは接続可能であり、前記画像センサに電力を供給し、前記1つ以上の電子デバイスおよび前記通信インタフェースと通信するように構成されたケーブルと、
を備え、
前記1つ以上の電子デバイスが、前記画像センサによって収集された1つ以上の画像を表示するように動作可能なディスプレイを少なくとも含み、前記1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つが、前記ディスプレイに表示された前記1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整するように構成されており、
前記ディスプレイに表示された前記1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整するように構成されている前記1つ以上の制御部は、前記ハンドピースの前記制御端において長手方向中心平面とほぼ一直線に位置決めされており、これにより前記ハンドピースを左手または右手で使用するかまたは使用中に手を変えることを可能に
し、
前記ハンドピースが、前記カテーテル端の近位であって前記制御端の遠位に位置決めされた作業通路ポートと、前記カテーテル端の近位であって前記制御端の遠位に位置決めされたケーブルポートとを含み、
前記カテーテルが、前記作業通路ポートと流体連通する作業通路を含み、
前記作業通路ポートおよび前記ケーブルポートがそれぞれ、前記ハンドピースの前記長手方向中心平面上で互いに対向して位置決めされており、
前記ハンドピースが、前記カテーテル端と前記制御端との間に位置決めされた中心部分を含み、前記中心部分が、丸形の第1の表面と、前記丸形の第1の表面に対向する丸形の第2の表面と、前記丸形の第1の表面と前記丸形の第2の表面との間の2つの対向する実質的に平坦な側面とを含み、
前記長手方向中心平面が、前記丸形の第1の表面と前記丸形の第2の表面との間に延びており、
前記作業通路ポートが、長手方向中心軸線に沿って前記丸形の第1の表面に位置決めされており、
前記ケーブルポートが、長手方向中心軸線に沿って前記丸形の第2の表面に位置決めされている、
尿管鏡システム。
【請求項9】
前記カテーテルの前記遠位端に少なくとも1つの光源をさらに備え、前記1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの光源を起動および停止するように構成されている、請求項8記載の尿管鏡システム。
【請求項10】
前記1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つが、前記画像センサを起動または停止するか、前記画像センサの画像収集モードを静止画像モードからビデオストリームモードに変更するか、または前記ビデオストリームモード中に静止画像を記録するためにフレームグラブを起動するように構成されている、請求項8記載の尿管鏡システム。
【請求項11】
少なくとも前記ディスプレイとホストマシンとを含む前記1つ以上の電子デバイスをさらに備え、前記ホストマシンが、前記1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つの作動に応答して、前記ディスプレイに1つ以上の表示設定を表示するように構成されており、前記1つ以上の表示設定が、前記ディスプレイに表示された前記1つ以上の画像の前記明るさ、前記ズーム、前記フォーカス、または前記コントラストのうちの少なくとも1つを含む、請求項8記載の尿管鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2018年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/779,263号の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0002】
多くの産業および医療の用途で、小型サイズの内視鏡が望まれている。例えば、ある人体の生まれ持っての開口および内腔が小さい場合、そのような開口および内腔を通して体内の標的位置に挿入するために、小型の内視鏡が使用される。単孔式腹腔鏡検査の場合、特に切開自体の寸法が最小の場合には、手術部位の体内像を提供するために、より小型の内視鏡が好ましい。内視鏡が患者の体に挿入されているときに、患者が刺激を感じることがあり、内視鏡が小さいほど、そのような不快な経験は軽減され、患者への外傷を最小限に抑えることができる。さらに、医師は、より小型の内視鏡によって診断および手順のプロトコルを改善することができる。例えば、経鼻内視鏡検査は経口腔内視鏡検査に取って代えることができることが多々ある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に開示される実施形態は、尿管鏡システムおよび尿管鏡システムを動作させる方法に関する。一実施形態では、尿管鏡システムが開示されている。尿管鏡システムは、ハンドピースと、カテーテルと、ケーブルとを含む。ハンドピースは、カテーテル端と、カテーテル端に対向する制御端と、カテーテル端の近位であって制御端の遠位に位置決めされた作業通路ポートと、カテーテル端の近位であって制御端の遠位に位置決めされたケーブルポートとを有する。カテーテルは、ハンドピースのカテーテル端から延びている。カテーテルは、作業通路ポートと流体連通する作業通路と、遠位端と、カテーテルの遠位端に位置決めされた画像センサとを含む。ケーブルは、ケーブルポートでハンドピースに接続されているかまたは接続可能であり、画像センサに電力を供給し、1つ以上の電子デバイスと通信するように構成されている。
【0004】
一実施形態では、別の尿管鏡システムが開示されている。尿管鏡システムは、ハンドピースと、カテーテルとを含む。ハンドピースは、カテーテル端と、カテーテル端に対向する制御端と、中心部分と、作業通路ポートとを有する。中心部分は、カテーテル端と制御端との間に位置決めされている。中心部分は、丸み付けられた、つまり、丸形の第1の表面と、丸形の第1の表面に対向する丸形の第2の表面と、丸形の第1の表面と丸形の第2の表面との間の2つの対向する実質的に平坦な側面とを有する。ハンドピースの長手方向中心平面は、2つの対向する実質的に平坦な側面の間に位置決めされている。作業通路ポートは、長手方向中心平面に沿ってカテーテル端の近位であって制御端の遠位で丸形の第1の表面に配置されている。カテーテルは、ハンドピースのカテーテル端から延びている。カテーテルは、作業通路ポートと流体連通する作業通路と、遠位端と、カテーテルの遠位端に位置決めされた画像センサとを含む。
【0005】
一実施形態では、別の尿管鏡システムが開示されている。尿管鏡システムは、カテーテルと、ハンドピースとを含む。カテーテルは、遠位端と、カテーテルの遠位端に位置決めされた画像センサとを含む。ハンドピースは、カテーテル端と、カテーテル端に対向する制御端と、1つ以上の電子デバイスのうちの少なくとも1つと通信するように構成された通信インタフェースと、制御端の近位でハンドピースに位置決めされた1つ以上の制御部とを有する。1つ以上の電子デバイスは、画像センサによって収集された1つ以上の画像を表示するように動作可能なディスプレイを少なくとも含む。1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つは、ディスプレイに表示された1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整するように構成されている。
【0006】
一実施形態では、尿管鏡システムを動作させる方法が開示されている。方法は、尿管鏡を1つ以上の電子デバイスに動作可能に接続することであって、1つ以上の電子デバイスは、少なくともディスプレイを含み、尿管鏡は、ハンドピースと、ハンドピースのカテーテル端に接続されたカテーテルとを含む、接続することを含む。方法は、また、尿管鏡のカテーテルを患者に挿入することであって、カテーテルは、遠位端と、カテーテルの遠位端に位置決めされた画像センサとを含む、挿入することを含む。方法は、また、画像センサによって収集された1つ以上の画像をディスプレイに表示することを含む。方法は、また、カテーテル端の遠位にあるハンドピースの制御端に位置決めされた1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つを使用して、ディスプレイに表示された1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整することを含む。
【0007】
開示された実施形態のいずれかのうちの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。
【0008】
図面は、本開示の幾つかの実施形態を示し、同一の参照番号は、図面に示される異なる図または実施形態における同一または類似の要素または特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】一実施形態による、内視鏡システムの一部としてのデジタル尿管鏡を示す図である。
【
図1B】
図1Aの尿管鏡のカテーテルの遠位端の端面図である。
【
図2】ハンドピースの側面が取り外された、
図1Aの尿管鏡のハンドピースの側面図である。
【
図3】
図1Aの尿管鏡のハンドピースの側面図である。
【
図4】
図1Aの尿管鏡のハンドピースのカテーテル端を示す図である。
【
図5】
図1Aの尿管鏡のハンドピースの制御端を示す図である。
【
図6】
図1Aの尿管鏡のハンドピースの上面図である。
【
図7】
図1Aの尿管鏡のハンドピースの底面図である。
【
図8】
図1Aの尿管鏡のハンドピースの等角図である。
【
図9】尿管鏡システムを動作させるための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で開示される実施形態は、尿管鏡のような内視鏡を使用する装置、システム、および方法に関する。内視鏡システムは、ハンドピースと、カテーテルとを含む。従来の内視鏡は、使用中に保持または操作することが困難または非効率である場合が多々ある。例えば、従来の内視鏡のハンドピースは、通常、左手でも右手でも使用できるようには設計されていない。本明細書に記載の尿管鏡システムの一実施形態では、尿管鏡は、右手または左手のいずれによっても使用することができ、また、使用中に一方の手からもう一方の手に替えることができる。尿管鏡システムは、ハンドピースと、カテーテルとを含む。ハンドピースは、カテーテル端と、カテーテル端に対向する制御端と、中心部分と、作業通路ポートとを含む。中心部分は、カテーテル端と制御端との間に位置決めされている。中心部分は、丸形の第1の表面と、丸形の第1の表面に対向する丸形の第2の表面と、丸形の第1の表面と丸形の第2の表面との間の2つの対向する実質的に平坦な側面とを有する。ハンドピースの長手方向中心平面は、2つの対向する実質的に平坦な側面の間に位置決めされている。作業通路ポートは、長手方向中心平面に沿ってカテーテル端の近位であって制御端の遠位で丸形の第1の表面に配置されている。カテーテルは、ハンドピースのカテーテル端から延びており、作業通路ポートと流体連通する作業通路と、遠位端と、カテーテルの遠位端に位置決めされた画像センサとを含む。ハンドピースの中心平面にまたは中心平面に沿って作業通路ポートを位置決めすることにより、尿管鏡を左手もしくは右手で使用するか、または使用中に手を替えることが可能となる。
【0011】
使用中のハンドピースの操作性は、作業ポート通路および/またはハンドピースに接続されたケーブルの位置によっても改善される。一実施形態では、尿管鏡システムは、ハンドピースと、カテーテルと、ケーブルとを含む。ハンドピースは、カテーテル端と、カテーテル端に対向する制御端と、カテーテル端の近位であって制御端の遠位に位置決めされた作業通路ポートと、カテーテル端の近位であって制御端の遠位に位置決めされたケーブルポートとを有する。カテーテルは、ハンドピースのカテーテル端から延びている。カテーテルは、作業通路ポートと流体連通する作業通路と、遠位端と、カテーテルの遠位端に位置決めされた画像センサとを含む。ケーブルはケーブルポートでハンドピースに接続され、画像センサに電力を供給し、1つ以上の電子デバイスと通信するように構成されている。さらに、作業ポート通路およびハンドピースに接続されたケーブルの両方がハンドピースのカテーテル端の近位に位置決めされた状態で、作業ポート通路およびケーブルは、ハンドピースを保持する手とカテーテルとの間にある。ケーブルポートおよび作業通路ポートの両方を、カテーテル端の遠位ではなく、ハンドピースのカテーテル端の近位に位置決めすると、使用中におけるハンドピースの人間工学および操作性が改善する。
【0012】
本明細書に記載の内視鏡の多くの実施形態はまた、内視鏡の機能性および使用性を改善する、ハンドピースに位置決めされた1つ以上の制御部を含む。一実施形態では、尿管鏡システムは、カテーテルと、ハンドピースとを含む。カテーテルは、遠位端と、カテーテルの遠位端に位置決めされた画像センサとを含む。ハンドピースは、カテーテル端と、カテーテル端に対向する制御端と、1つ以上の電子デバイスの少なくとも1つと通信するように構成された通信インタフェースと、制御端の近位でハンドピースに位置決めされた1つ以上の制御部とを有する。1つ以上の電子デバイスは、画像センサによって収集された1つ以上の画像を表示するように動作可能なディスプレイを少なくとも含み、1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つは、ディスプレイに表示された1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整するように構成されている。内視鏡の1つ以上の制御部により、ユーザは、ユーザの好みに応じて、かつ尿管鏡の使用中に必要に応じて、ディスプレイおよび/またはコンピュータに提示される表示を調整することができる。幾つかの実施形態では、ハンドピースは、光電子モジュールの画像モードを切り替えるために、かつ光電子モジュールによって生成されたビデオストリーム出力から静止画像を作成するようにフレームグラバーを起動するために、光電子モジュールを起動するように構成された少なくとも1つの制御部を含むことができる。幾つかの実施形態では、ハンドピースはまた、カテーテルの遠位端で照明をオンまたはオフにするように構成されたハンドピース上の照明起動制御部を含むことができる。使用例によっては、単に照明を段階的に調整するのではなく、ガイドワイヤを介した内視鏡のバックロード中に内視鏡の照明を完全にオフにすることが望ましい。
【0013】
図1Aは、内視鏡システム10を示している。一実施形態では、内視鏡システム10は、ホストマシン170、ならびにディスプレイ190およびコンピュータ180を含む1つ以上の外部端末などの1つ以上の電子デバイスに動作可能に接続されたデジタル尿管鏡100を含む。尿管鏡100は、無線で、またはケーブル102を介して、ホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190のうちの1つ以上に動作可能に接続することができる。尿管鏡100は、カテーテル104と、カテーテル端114およびカテーテル端114に対向するか、または遠位にある制御端112を有するハンドピース110とを含む。制御端112は、カテーテル端114に対向するため、制御端112およびカテーテル端114は、ハンドピース110の異なる端部にあり、互いに対して異なる方向を向くことができる。一実施形態では、カテーテル104およびハンドピース110の両方が使い捨て可能である。幾つかの実施形態では、カテーテル104およびハンドピース110は、一体部品として製造されるか、またはカテーテル104は、ハンドピース-カテーテルコネクタ103を介してハンドピース110に固定される。代替的に、カテーテル104のみが使い捨て可能であり、ハンドピース110は、滅菌され、複数回再利用することができる。この場合、カテーテル104は、ハンドピース-カテーテルコネクタ103を介して、ハンドピース110およびカテーテル端114に取り外し可能に接続されている。
【0014】
尿管鏡100のカテーテル104は、ヒトまたは動物の体の内腔などの管状構造の内面を撮像するために使用することができる。例えば、カテーテル104は、尿路の様々な部分にアクセスするために、対象の尿道を介して挿入することができる。しかしながら、尿管鏡100は、管状構造が産業用器具、設備、製品、機械、生産ラインなどの一部である場合、産業用内視鏡として使用できることを理解されたい。幾つかの実施形態では、カテーテル104は、テザーとして機能することができ、医師が光電子モジュールによって体の内腔などの管状構造に移動した距離を測定することを可能にする複数の目盛りまたは基準を含むことができる。必要に応じて、他の構造を尿管鏡100に組み込むことができる。例えば、ハンドピース110は、カテーテル104の能動的屈曲部分に接続されて遠位端105を所望の位置に偏向させる1つ以上の操縦ワイヤ158(
図2)を制御するように構成された操縦コントローラ124を含むことができる。したがって、ユーザは、ハンドピース110上の操縦コントローラ124を動かすことによって、カテーテル102を屈曲するか、または湾曲することができる。
【0015】
尿管鏡100は、対象の内部を撮像するための光電子モジュール(例えば、カメラまたは他の撮像装置)を含むことができる。例えば、
図1Bを参照すると、光電子モジュール109および少なくとも1つの光源111は、カテーテル104の遠位端105またはカテーテル104の他の位置に位置決めすることができる。光電子モジュール109は、画像センサマイクロチップと、マイクロレンズのセットと、マイクロ照明モジュールとを有するマイクロカメラモジュールを含むことができる。適切な光電子モジュールは、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,942,452号明細書に開示されている。幾つかの実施形態では、光電子モジュール109を、管状構造の内面を撮像するために管状構造に挿入するように構成された遠位端105の剛性または半剛性のシェル状ハウジング内に位置決めすることができる。例えば、光電子モジュール109は、口、鼻、尿道、膀胱、膣、または肛門などの体の生まれ持っての開口を通して患者の体内に挿入することができる。したがって、尿管鏡100は、胃腸、結腸鏡、超音波内視鏡(EUS)、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)、または他の適切な用途として使用するための異なる構成を有することができる。尿管鏡100の用途には、子宮内膜ポリープ、不妊症、異常出血、および骨盤痛に関連する診断観察と、胚成長停止および子宮奇形などの外科的処置とが含まれる。
【0016】
尿管鏡100は、光電子モジュール109内の画像センサから信号を受信するために、一般にカテーテル104の外側に位置決めされた受信装置または通信インタフェース150(
図2)を含むことができる。例えば、カテーテル104は、光電子モジュール109に接続され、光電子モジュール109から通信インタフェース150に電気信号を伝達する少なくとも1つの電気リード線162(
図2)を含むことができる。通信インタフェース150は、ハンドピース110内に、または隣接して位置決めすることができる。
【0017】
カテーテル104は、光電子モジュール109をハンドピース110内の回路に適切に接続するように構成することができる。例えば、低コストのモジュール式撮像システムコンポーネントを使用することによって、極めて低コストで尿管鏡100の使い捨てコンポーネントの製造が可能となる。一実施形態では、カテーテル104は、光電子モジュール109をハンドピース110内の回路に取り外し可能に接続するように構成される。このようにして、カテーテル104および光電子モジュール109は使い捨てであり、患者が1度使用した後にハンドピース110から取り外すことができ、したがって、滅菌または再処理の必要性を排除し、汚染リスクを低減させる。ハンドピース110は、その後に再利用するために別の患者用のカテーテル104および光電子モジュール109とともに消毒することができる。
【0018】
図1Aに戻ると、内視鏡システム10は、尿管鏡100の光電子モジュール109から受信した画像データを処理および表示するための1つ以上の電子デバイスを含むことができる。例えば、内視鏡システム10は、マイクロプロセッサを有するホストマシン170、マイクロプロセッサを有するコンピュータ180、およびディスプレイ190のうちの1つ以上を含むことができる。ホストマシン170は、光電子モジュール109からの画像データをさらに処理および表示するために、コンピュータ180およびディスプレイ190の1つ以上の端子に接続することができる。ホストマシン170またはコンピュータ180は、尿管鏡100の光電子モジュール109から出力された画像データを入力として、ディスプレイ190に表示することができる体腔の二次元または三次元の再構成像を生成する画像処理ソフトウェアをプログラムすることができる。したがって、ホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190のうちの少なくとも1つのプロセッサは、光電子モジュール109によって生成された対象の複数の静止画像を入力として受信し、その後、複数の静止画像に基づいて対象の三次元レンダリングを表示用に出力するソフトウェアをプログラムすることができる。ディスプレイ190は、任意の適切なディスプレイを含むことができ、光電子モジュール109の画像センサによって収集された動画画像(動画)または静止画像を表示するように構成することができる。
図1Aには別個のブロックとして示されているが、ホストマシン170、コンピュータ180、およびディスプレイ190は、単一の装置、2つの装置、3つの装置、または3つ以上の装置を含むことができる。
【0019】
内視鏡システムはまた、尿管鏡をホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190のうちの少なくとも1つに動作可能に接続するように構成されたケーブル102を含むことができる。ケーブル102は、尿管鏡100の検索装置150(
図2)を、ホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190のうちの少なくとも1つに電気的に接続することができる。ケーブル102はまた、通信インタフェース150が、ホストマシン170または他の電源と通信し、そこから電力を受け取ることを可能にすることができる。ケーブル102はまた、通信インタフェース150が、光電子モジュール109でキャプチャされた画像データを、処理、保存、および表示するためにホストマシン170に送信することを可能にするように構成することができる。
【0020】
ハンドピース110の一部を備えたハンドピース110の側面図を示す
図2を参照すると、尿管鏡100は、ハンドピース110に収容された通信インタフェース150またはホストインタフェースを含むことができる。通信インタフェース150は、例えば、プロセッサボード、カメラボードおよびフレームグラバー、または電源のうちの1つ以上を含むことができる。プロセッサボードは、尿管鏡100によって生成された画像の保存および検索のために、ケーブル102によってホストマシン170に接続することができる。通信インタフェース150はまた、ケーブル102を介してホストマシン170または他の電源と通信し、そこから電力を受け取るように構成することができる。通信インタフェース150はまた、遠位端105でキャプチャされた画像データを、処理、保存、および表示するためにホストマシン170に送信することができる。通信インタフェース150は、1つ以上のワイヤ154を介してケーブル102に接続することができ、かつ/または1つ以上の電気リード線162を介して光電子モジュール109に接続することができる。
【0021】
代替的にまたは追加して、通信インタフェース150またはハンドピース110は、ケーブル102を使用せずに、尿管鏡100によって生成されたビデオまたは静止画像をホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190に無線で送信するための、例えばIEEE 802.11 WiFi規格に準拠したアンテナおよび無線チップセットを含むことができる。例えば、通信インタフェース150は、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBee、Z-Waveなどを含むがこれらに限定されない様々なプロトコルを実装するように構成された無線インタフェースを含むことができる。この構成は、コンピュータおよびディスプレイを無菌領域の外側に位置決めすることを可能にすると同時に、尿管鏡100の使用中の医師のより優れた操作性を可能にするので、診療所で有用である可能性がある。他の実施形態では、通信インタフェース150を省略して、画像データをホストマシン170および/またはコンピュータ180に直接送信することができる。
【0022】
尿管鏡100は、ハンドピース110の制御端112に、または制御端112の近位に位置決めされた1つ以上の制御部122を含むことができる。1つ以上の制御部122は、スイッチ、ボタン、回転可能なノブ、可動タブなどのうちの1つ以上を含むことができる。1つ以上の制御部は、1つ以上のワイヤ156を介して通信インタフェース150に電気的に接続することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の制御部122は、ディスプレイ190に提示される表示を調整するように構成されている。例えば、1つ以上の制御部は、ディスプレイ190に表示された1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整するように構成することができる。したがって、1つ以上の制御部122は、ユーザが、ユーザの好みに従って、かつ必要に応じて尿管鏡100の使用中に、ディスプレイ190および/またはコンピュータ180に提示される表示を調整することを可能にする。
【0023】
ディスプレイ190に表示された1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つの調整は、1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つが、光電子モジュール109上の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整することで行うことができる。ディスプレイ190に表示された1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つの調整は、1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つが、ディスプレイ190の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整することで行うことができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つは、光電子モジュール109上の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整することと、ディスプレイ190上の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整することとの間でユーザが切り替えることができるように構成されている。
【0024】
尿管鏡100は、1つ以上の制御部122を光電子モジュール109に接続する1つ以上のワイヤを含むことができ、ユーザが光電子モジュール109の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストの少なくとも1つを調整できるようになっている。例えば、1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つは、通信インタフェース150と1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つとに接続された1つ以上のワイヤ156と、通信インタフェース150と光電子モジュール109とに接続された電気リード線162とを介して、光電子モジュール109に接続することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上のワイヤまたは電気リード線を、光電子モジュール109および1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つに直接的に接続することができる。1つ以上の制御部122を通信インタフェース150に接続することにより、ユーザは、無線またはケーブル102を介して、ディスプレイ190上の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整することができる。
【0025】
幾つかの実施形態では、ホストマシン170のプロセッサまたは尿管鏡100に接続された別のプロセッサは、ディスプレイ190に1つ以上の表示設定を表示するように構成される。1つ以上の表示設定は、1つ以上の制御部122、または代替的に、ハンドピース110もしくはディスプレイ190上の追加のボタンの応答性の作動を表示することができる。ディスプレイ190および/またはコンピュータ180に表示された1つ以上の表示設定は、明るさ、ズーム、コントラスト、またはフォーカスのうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つの作動に応答して、明るさ設定をディスプレイ190に表示させることができる。明るさ設定がディスプレイ190に表示された後、ユーザは、1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つを使用して、ディスプレイ190に表示された1つ以上の画像の明るさを調整することができる。他の表示設定は、同様にディスプレイ190に表示され、1つ以上の制御部122を用いてユーザが調整することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の表示設定は、ハンドピース110またはホストマシン170のプロセッサディスプレイにも表示させることができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、1つ以上の制御部122の少なくとも1つは、カテーテル104の遠位端105で少なくとも1つの光源111(
図1B)を起動(例えば、オンにする)または停止(例えば、オフにする)するように構成される。例えば、光源111は、カテーテルの遠位端105に位置決めされた発光ダイオード(LED)を含むことができる。代替的に、またはさらに、尿管鏡100は、ハンドピース110などの他の場所に位置決めされたLED光源を含むことができ、これは、カテーテル104を通って延びている1つ以上の光ファイバーのセットを介して、遠位端105の少なくとも1つの光源111に照明を提供する。使用の幾つかの例では、単に照明を段階的に調整するのではなく、ガイドワイヤを介した尿管鏡100のバックロード中に、尿管鏡100の少なくとも1つの光源111を完全にオフにすることが望ましい。したがって、1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つは、ユーザの必要に応じて、ユーザが光源111を選択的にオフおよびオンにすることを可能にする。
【0027】
幾つかの実施形態では、1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つは、光電子モジュール109を起動および停止するように構成される。また、1つ以上の制御部122の少なくとも1つは、光電子モジュール109、検索装置150、または1つ以上の電子デバイスの少なくとも1つにおける画像モードを、静止画像が記録される静止画像モードと、ビデオストリームが記録されるビデオ画像モードとの間で切り替えるように構成することができる。また、1つ以上の制御部122の少なくとも1つは、光電子モジュール109、検索装置150、または光電子モジュール109によって生成されたビデオストリーム出力から静止画像を作成する1つ以上の電子デバイスの少なくとも1つにおいて、フレームグラバーモードを起動するように構成することができる。例えば、1つ以上の制御部122のうちの少なくとも1つは、ホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190のうちの1つ以上と通信して、ユーザがディスプレイ190に表示されているビデオストリームから静止画像を作成し、ホストマシン170またはコンピュータ180のうちの少なくとも1つに静止画像を保存または記録することができるように構成することができる。
【0028】
尿管鏡100は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで実行または完了するように動作させることができる。一部の尿管鏡の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせを含むコンポーネントを使用して実装することができる。汎用コンピュータまたはオシロスコープなどの汎用コンポーネントを尿管鏡100で使用することができるが、回路、集積回路またはソフトウェアなどの専用またはカスタムコンポーネントも使用することができる。例えば、幾つかの機能は、汎用またはカスタムコンピュータの一部である1つ以上のデータプロセッサによって実行される複数のソフトウェア命令で実装される。1つ以上のデータプロセッサは、通信インタフェース150、ホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190のうちの少なくとも1つの中にあることができる。幾つかの実施形態では、データプロセッサまたはコンピュータは、命令および/もしくはデータを保存するための揮発性メモリ、および/または、命令および/もしくはデータを保存するための不揮発性ストレージ、例えば、磁気ハードディスクおよび/もしくはリムーバブルメディアを備える。幾つかの実施形態では、実装はネットワーク接続を含む。幾つかの実施形態では、実装は、一般に1つ以上の入力装置(例えば、コマンドおよび/またはパラメータの入力を可能にする)および出力装置(例えば、動作および結果のパラメータを報告することを可能にする)を備えるユーザインタフェースを含む。
【0029】
尿管鏡100のハンドピース110もまた、操作性および使用効率を改善するように構成されている。
図3は、ハンドピース110の側面図であり、
図4は、ハンドピース110のカテーテル端114の図であり、
図5は、ハンドピース110の制御端112の図であり、
図6は、ハンドピース110の上面図であり、
図7は、ハンドピース110の底面図であり、
図8は、ハンドピース110の等角図である。
図3~8への参照は以下でなされる。ハンドピース110は細長く、カテーテルに近位のカテーテル端114と、カテーテル端114に対向するか、または遠位にある制御端112とを含む。制御端112は、ほぼ球根状の形状を含むことができ、ハンドピース110は、制御端112とカテーテル端114との間で先細りにすることができる。
【0030】
制御端112が、カテーテル端114に対向するか、または遠位にある状態で、ハンドピース110の中間部分または中心部分116は、カテーテル端114と制御端112との間に位置決めされる。中心部分110は、丸形の第1の表面または頂面126と、丸形の第2の表面または底面128と、頂面126と底面128との間に位置決めされた2つの対向する実質的に平坦な側面124とを含む。2つの対向する実質的に平坦な側面124の第1の実質的に平坦な側面は、第1の方向を向くことができ、2つの対向する実質的に平坦な側面124の第2の実質的に平坦な側面は、第1の実質的に平坦な側面の第1の方向とは異なるか、または離れている第2の方向を向くことができる。理論上または想像上の長手方向中心平面132(
図4~
図6)は、中心部分116を実質的に半分に分割することができる。例えば、長手方向中心平面132は、丸形の頂面126のほぼ中心と丸形の底面128のほぼ中心を通って延びていることができ、それによって長手方向中心平面132は、ハンドピース110の中心軸を通って延びており、2つの対向する実質的に平坦な側面124のほぼ中間に位置している。
【0031】
ハンドピース110はまた、作業通路ポート118と、作業通路ポート118とカテーテル104の遠位端105との間の流体連通を提供する作業通路107(
図1B)とを含む。ハンドピース110はまた、作業通路ポート118に接続または取り付けられた作業通路コネクタ130と、ハンドピース110を介して作業通路ポート118と作業通路107との間の流体連通を提供する導管152(
図2)とを含むことができる。作業通路ポート118または作業通路コネクタ130のうちの少なくとも1つは、結石の破壊および回収などの動作のために、必要に応じて、様々な外科用器具および洗浄装置と係合するように構成される。
図4~
図6に示されるように、作業通路ポート118は、長手方向中心平面132とほぼ一直線に位置決めされている。例えば、作業通路ポート118は、丸形の頂面126から、長手方向中心平面132にほぼ沿って延びている。したがって、作業通路ポート118は、長手方向中心平面132の中心に位置決めされるように、丸形の頂面126に位置決めすることができる。ハンドピース110の長手方向中心平面132とほぼ一直線の作業通路ポート118の位置決めは、ハンドピース110を左手または右手で使用するかまたは使用中に手を替えることを可能にする。
【0032】
作業通路ポート118はまた、ハンドピース110のカテーテル端114の近位でハンドピース110の下部分または底部分に位置決めすることができる。例えば、作業通路ポート118は、カテーテル端114から制御端112までの距離の2分の1以下、カテーテル端114から制御端112までの距離の3分の1以下、カテーテル端114から制御端112までの距離の4分の1以下、またはカテーテル端114から制御端112までの距離の5分の1以下に位置決めすることができる。
【0033】
ハンドピース110はまた、ケーブル102(
図1Aおよび
図8)を受け入れるまたは接続するためのケーブルポート120を含むことができ、それにより、尿管鏡100を、ホストマシン170、コンピュータ180、またはディスプレイ190のうちの少なくとも1つに動作可能に接続する。
図4~
図6に示されるように、ケーブルポート120は、長手方向中心平面132とほぼ一直線に位置決めされている。例えば、ケーブルポート120は、丸形の底面128から、長手方向中心平面132にほぼ沿って延びている。したがって、ケーブルポート120は、長手方向中心平面132の中心に位置決めされるように、丸形の底面128に位置決めすることができる。ケーブルポート120をハンドピース110の長手方向の中心平面132とほぼ一直線に位置決めすることにより、ハンドピース110を左手または右手で使用するかまたは使用中に手を替えることが可能となる。
【0034】
ケーブルポート120および作業通路ポート118の両方はまた、ハンドピース110のカテーテル端114の近位でハンドピース110の下部分または底部分に位置決めすることができる。例えば、ケーブルポート120および作業通路ポート118の両方は、カテーテル端114から制御端112までの距離の2分の1以下、カテーテル端114から制御端112までの距離の3分の1以下、カテーテル端114から制御端112までの距離の4分の1以下、またはカテーテル端114から制御端112までの距離の5分の1以下の位置に位置決めすることができる。ハンドピース110の下部分または底部分に位置決めされたケーブルポート120にケーブル102を接続すると、ハンドピース110の人間工学が改善される。例えば、ケーブル102は、カテーテルに対向するか、または遠位にあるハンドピースの端部にあるケーブルの従来の位置とは対照的に、ケーブル102がハンドピース110の下部分または底部分に位置決めされるとき、尿管鏡100の使用に干渉する可能性が低い。
【0035】
代替的に、ハンドピース110は、光電子モジュール109および少なくとも1つの光源111に電力を供給するためのコンパクトな電池モジュールをさらに含むことができる。ハンドピース110の電源は、例えば、1つ以上の従来の乾電池式の使い捨てバッテリまたはリチウムイオン充電式バッテリとすることができる。
【0036】
開示された実施形態のいずれかの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用することができる。例えば、
図1~
図8に示される尿管鏡100は、ハンドピース110の制御端112に位置決めされた1つ以上の制御部122を含むが、幾つかの実施形態では、1つ以上の制御部122が、ハンドピース110に存在しない。したがって、幾つかの実施形態では、1つ以上の制御部122が、ハンドピース110に存在しないが、ハンドピース110は、カテーテル端114の近位に位置決めされたケーブルポート120と、ケーブルポート120でハンドピース110に接続されているか、または接続可能なケーブル102と、カテーテル端114の近位で長手方向中心平面132に沿って丸形の第1の表面126に配置された作業通路ポート118とを含む。ケーブル102は、ケーブルポート120でハンドピース110に直接的または間接的に接続するかまたは繋ぐことができる。
【0037】
さらに、
図1~
図8に示す尿管鏡100は、カテーテル端114の近位であって制御端112の遠位に位置決めされたケーブルポート120を含むが、幾つかの実施形態では、ケーブルポート120が、ハンドピース110に存在しないか、または制御端112の近位であってカテーテル端114の遠位に位置決めされている。したがって、幾つかの実施形態では、ケーブルポート120が、ハンドピース110に存在しないか、または制御端112の近位に位置決めされているが、ハンドピース110は、ハンドピース110の制御端112に位置決めされた1つ以上の制御部122と、カテーテル端114の近位で長手方向中心平面132に沿って丸形の第1の表面126に配置された作業通路ポート118とを含む。さらに他の実施形態では、1つ以上の制御部122が、ハンドピース110に存在せず、ケーブルポート120が、ハンドピース110に存在しないか、または制御端112の近位に位置決めされているが、しかし、ハンドピースは、カテーテル端114の近位で長手方向中心平面132に沿って丸形の第1の表面126に配置された作業通路ポート118を含む。
【0038】
さらに、
図1~
図8に示す尿管鏡100は、カテーテル端114の近位であって制御端112の遠位にある長手方向中心平面132に沿って丸形の第1の表面126に配置された作業通路ポート118を含むが、幾つかの実施形態では、作業通路ポート118は、ハンドピース110の他の場所に配置することができる。したがって、幾つかの実施形態では、作業通路ポート118は、カテーテル端114の近位で長手方向中心平面132に沿って配置することができるが、ハンドピースは、ハンドピース110の制御端112に位置決めされた1つ以上の制御部122と、カテーテル端114の近位に位置決めされたケーブルポート120とを含むことができる。さらに他の実施形態では、1つ以上の制御部122がハンドピース110に存在せず、作業通路ポート118は、カテーテル端114の近位で長手方向中心平面132に沿って配置されるのではなく、他の場所に配置することができるが、ハンドピース110は、カテーテル端114の近位に位置決めされたケーブルポート120を含む。幾つかの実施形態では、ケーブルポート120は、ハンドピース110に存在しないか、または制御端112の近位に位置決めされており、作業通路ポート118は、カテーテル端114の近位で長手方向中心平面132に沿って配置されるのではなく、他の場所に配置することができるが、ハンドピース110は、ハンドピース110の制御端112に位置決めされた1つ以上の制御部122を含む。
【0039】
図9は、尿管鏡システムを動作させるための方法900のフローチャートである。方法は、尿管鏡を1つ以上の電子デバイスに接続する行為905を含む。方法はまた、尿管鏡のカテーテルを患者に挿入する行為910を含む。方法はまた、尿管鏡の画像センサによって収集された1つ以上の画像をディスプレイに表示する行為915を含む。方法はまた、尿管鏡のハンドピース上の1つ以上の制御部を使用して1つ以上の設定を調整する行為920を含む。
【0040】
方法900の行為905、910、915、および920は、例示を目的とするものである。例えば、方法900の行為905、910、915、および920は、異なる順序で実行し、複数の行為に分割し、修正し、補足し、または組み合わせることができる。一実施形態では、方法900の行為905、910、915、および920のうちの1つ以上は、方法900から省略してよい。方法900の行為905、910、915、および920のいずれも、本明細書に開示されるハンドピース110、尿管鏡100、またはシステム10のいずれかを使用することを含むことができる。
【0041】
尿管鏡を1つ以上の電子デバイスに接続する行為905は、尿管鏡を1つ以上の電子デバイスに動作可能に接続することを含むことができる、1つ以上の電子デバイスは、少なくともディスプレイを含み、尿管鏡は、ハンドピースと、ハンドピースのカテーテル端に接続されたカテーテルとを含む。幾つかの実施形態では、尿管鏡を1つ以上の電子デバイスに動作可能に接続することは、尿管鏡のケーブルを1つ以上の電子デバイスの少なくとも1つに接続することを含むことができ、ケーブルが尿管鏡のハンドピースに接続される。幾つかの実施形態では、尿管鏡を1つ以上の電子デバイスに動作可能に接続することは、ハンドピースの回収装置を1つ以上の電子デバイスの少なくとも1つに無線で接続することを含む。
【0042】
尿管鏡のカテーテルを患者に挿入する行為910は、カテーテルの遠位先端をヒトまたは動物の体の内腔に挿入することを含むことができる。例えば、カテーテルを対象の尿道から挿入して、尿路の様々な部分にアクセスすることができる。
【0043】
尿管鏡の画像センサによって収集された1つ以上の画像をディスプレイに表示する行為915は、画像センサによって収集された1つ以上の画像を使用して、静止画像またはビデオストリームのうちの少なくとも1つをディスプレイに表示することを含むことができる。行為915はまた、ディスプレイに体の内腔の二次元または三次元の再構成像を表示するステップを含むことができる。体腔の二次元または三次元の再構成像は、尿管鏡の画像センサから出力された画像データを入力として受信する画像処理ソフトウェアでプログラムされたホストマシンまたはコンピュータの少なくとも1つを使用して生成することができる。
【0044】
尿管鏡のハンドピース上の1つ以上の制御部を用いて1つ以上の設定を調整する行為920は、カテーテル端から遠位にあるハンドピースの制御端に位置決めされた1つ以上の制御部のうちの少なくとも1つを用いて、ディスプレイに表示された1つ以上の画像の明るさ、ズーム、フォーカス、またはコントラストのうちの少なくとも1つを調整することを含むことができる。尿管鏡のハンドピース上の1つ以上の制御部を使用して1つ以上の設定を調整する行為920は、1つ以上の制御部の少なくとも1つを使用して画像センサを起動または停止することを含むことができる。尿管鏡のハンドピース上の1つ以上の制御部を使用して1つ以上の設定を調整する行為920は、1つ以上の制御部の少なくとも1つを使用してカテーテルの遠位端で少なくとも1つの光源を起動させることを含むことができる。尿管鏡のハンドピース上の1つ以上の制御部を使用して1つ以上の設定を調整する行為920は、1つ以上の制御部を使用して、画像センサの画像収集モードを静止画像モードからビデオストリームモードに変更することを含むことができる。尿管鏡のハンドピース上の1つ以上の制御部を使用して1つ以上の設定を調整する行為920は、1つ以上の制御部の少なくとも1つを使用してビデオストリームモード中に静止画像を記録するためにフレームグラブを起動させることを含むことができる。
【0045】
方法900の行為905、910、915、および920は、例示を目的とするものである。例えば、方法900の行為905、910、915、および920を、異なる順序で実行し、複数の行為に分割し、修正し、補足し、または組み合わせることができる。一実施形態では、方法900の行為905、910、915、および920のうちの1つ以上を、方法900から省略することができる。方法900の行為905、910、915、および920のいずれも、本明細書に開示されるハンドピース110、尿管鏡100、またはシステム10のいずれかを使用することを含むことができる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「約」または「実質的に」という用語は、「約」または「実質的に」によって修飾された用語の±10%または±5%の許容可能な変動を指す。さらに、「未満(less than)」、「以下(or less)」、「より大きい(greater than)」、「より多い(more than)」、または「以上(or more)」という用語は、「未満(less than)」、「以下(or less)」、「より大きい(greater than)」、「より多い(more than)」、または「以上(or more)」という用語によって修飾された値を端点として含むものである。
【0047】
本明細書には、様々な態様および実施形態が開示されているが、その他の態様および実施形態も想定される。本明細書に開示されている様々な態様および実施形態は、例示を目的とするものであり、限定することを意図するものではない。