(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】ディスプレイ、電子デバイス、及びディスプレイ製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20230410BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230410BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230410BHJP
G09G 3/32 20160101ALI20230410BHJP
G09G 3/3216 20160101ALI20230410BHJP
G09G 3/3225 20160101ALI20230410BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20230410BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20230410BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20230410BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230410BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20230410BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20230410BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230410BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230410BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 309
G09F9/30 338
G09F9/30 349C
G09F9/30 365
G09G3/20 621J
G09G3/20 621M
G09G3/20 624B
G09G3/20 642K
G09G3/20 680G
G09G3/32 A
G09G3/3216
G09G3/3225
H01L29/78 612
H01L29/78 613Z
H01L33/00 L
H01L33/62
H05B33/02
H05B33/04
H05B33/10
H05B33/14 A
H10K59/00
(21)【出願番号】P 2021537755
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2018124694
(87)【国際公開番号】W WO2020133161
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521218881
【氏名又は名称】オナー デバイス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジア,イエンフオン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0294451(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108133671(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108878493(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0166512(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108986678(CN,A)
【文献】特開2004-191487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/30-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38
H01L33/00
33/48-33/64
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイであって、
前記ディスプレイの構成要素を支えるように構成された基板と、
複数のドライバ回路ユニットを含むドライバ回路バックプレーンであって、前記ドライバ回路バックプレーンは前記基板の上に配置されている、ドライバ回路バックプレーンと、
複数のピクセルを含む第1ピクセル層であって、前記第1ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、前記第1ピクセル層の各サブピクセルは1つの有機発光ダイオードOLED構成要素を含み、前記第1ピクセル層は前記ドライバ回路バックプレーンの上に配置され、前記第1ピクセル層の各サブピクセルの前記OLED構成要素は、前記ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第1ピクセル層と、
第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層及び前記第2電極層の間に配置された複数のピクセルとを含む第2ピクセル層であって、前記第2ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、前記第2ピクセル層の各サブピクセルは1つのマイクロ発光ダイオード・マイクロLED構成要素を含み、前記第2ピクセル層は、前記基板の上に配置され且つ前記第1ピクセル層を包囲し、前記第2ピクセル層の面積は前記第1ピクセル層の面積より小さい、第2ピクセル層と
を含み、各ドライバ回路ユニットは複数のトランジスタを含み、前記ドライバ回路バックプレーンの全てのトランジスタの
ソース電極及びドレイン電極は
第3電極層を形成し、
前記ドライバ回路バックプレーンの前記全てのトランジスタのゲート電極は第4電極層を形成し、前記第1電極層は前記
第3電極層又は前記第4電極層と同じ層に位置しているディスプレイ。
【請求項2】
前記マイクロLED構成要素は縦型マイクロLED構成要素であり、前記縦型マイクロLED構成要素はトップ電極とボトム電極とを含み、前記第2電極層は前記第1電極層より上にあり、前記縦型マイクロLED構成要素の前記ボトム電極は前記第1電極層に接続され、前記縦型マイクロLED構成要素の前記トップ電極は前記第2電極層に接続されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記第2ピクセル層はパッシベーション層を更に含み、前記パッシベーション層は、前記第1電極層と前記第2電極層との間に配置され、前記縦型マイクロLED構成要素の側面を覆っている、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記パッシベーション層は、前記縦型マイクロLED構成要素のトップ電極の上にある開口とともに提供され、前
記トップ電極は前記開口を介して前記第2電極層に接続されている、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記第1電極層は電源の正電位に接続され、前記第2電極層は前記電源の負電位に接続されている、請求項1-
4のうちの何れか1項に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記第2ピクセル層のサブピクセル配置方式は、ペンタイル配置又はベイヤー配置である、請求項1-
4のうちの何れか1項に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記ディスプレイは薄膜パッケージ層を更に含み、前記薄膜パッケージ層は前記第2電極層の上に配置され且つ前記第2電極層を覆っているか;又は
前記ディスプレイは光遮蔽層を更に含み、前記光遮蔽層は前記ドライバ回路バックプレーンの上に配置され且つ前記第1電極層を覆っているか;又は
前記縦型マイクロLED構成要素はnドープ層及びpドープ層を含み、前記nドープ層は前記縦型マイクロLED構成要素の前記トップ電極に接続され、前記pドープ層は前記縦型マイクロLED構成要素の前記ボトム電極に接続されている;
請求項
3に記載のディスプレイ。
【請求項8】
ディスプレイであって、
前記ディスプレイの構成要素を支えるように構成された基板と、
複数のドライバ回路ユニットを含むドライバ回路バックプレーンであって、前記ドライバ回路バックプレーンは前記基板の上に配置されている、ドライバ回路バックプレーンと、
複数のピクセルを含む第1ピクセル層であって、前記第1ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、前記第1ピクセル層の各サブピクセルは1つの有機発光ダイオードOLED構成要素を含み、前記第1ピクセル層は前記ドライバ回路バックプレーンの上に配置され、前記第1ピクセル層の各サブピクセルの前記OLED構成要素は、前記ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第1ピクセル層と、
第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層及び前記第2電極層の間に配置された複数のピクセル
とを含む第2ピクセル層であって、前記第2ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、前記第2ピクセル層の各サブピクセルは1つのマイクロ発光ダイオード・マイクロLED構成要素を含み、前記第2ピクセル層は、前記ドライバ回路バックプレーンの上に配置され且つ前記第1ピクセル層を包囲し、前記第2ピクセル層の面積は前記第1ピクセル層の面積より小さく、前記第2ピクセル層の各サブピクセルの前記マイクロLED構成要素は、前記ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されており、各ドライバ回路ユニットは複数のトランジスタを含み、前記ドライバ回路バックプレーンの全てのトランジスタの
ソース電極及びドレイン電極は
第3電極層を形成し、
前記ドライバ回路バックプレーンの前記全てのトランジスタのゲート電極は第4電極層を形成し、前記第1電極層は前記
第3電極層又は前記第4電極層と同じ層に位置している、第2ピクセル層と
を含むディスプレイ。
【請求項9】
前記マイクロLED構成要素はフリップ・タイプのマイクロLED構成要素であり、前記フリップ・タイプのマイクロLED構成要素はP電極及びN電極を含み、前記P電極及び前記N電極は前記フリップ・タイプのマイクロLED構成要素と同じ側に位置している、請求項
8に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記フリップ・タイプのマイクロLED構成要素の前記P電極又は前記N電極は、少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、請求項
9に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記ディスプレイは薄膜パッケージ層を更に含み、前記薄膜パッケージ層は前記第1ピクセル層と前記第2ピクセル層とを覆っている、請求項
10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記ドライバ回路ユニットは、2T1Cドライバ回路ユニット又は5T1Cドライバ回路ユニットである、請求項
11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記フリップ・タイプのマイクロLED構成要素のドライバ回路ユニットは、電源の負電位に接続され、前記フリップ・タイプのマイクロLED構成要素の前記P電極は、前記電源の正電位に接続されている、請求項
12に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記フリップ・タイプのマイクロLED構成要素はボンディングにより前記ドライバ回路ユニットに接続されているか;又は
前記薄膜パッケージ層は第1無機パッケージ層、第2有機パッケージ層、及び第3無機パッケージ層を含んでいるか;又は
前記ディスプレイはパッシベーション層を更に含み、前記パッシベーション層は、前記ドライバ回路バックプレーンより上に、且つ第1ピクセル層及び前記第2ピクセル層より下に配置されているか;又は
前記ディスプレイはパッシベーション層を更に含み、平坦化層が、前記ドライバ回路バックプレーンより上に、且つ第1ピクセル層及び前記第2ピクセル層より下に配置されているか;又は
前記ディスプレイは
、前記第1電極層を覆う光遮蔽層を更に含み、前記光遮蔽層は前記ドライバ回路バックプレーンより上にある、
請求項
13に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はディスプレイの分野、特にマイクロLEDとAMOLED技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブ・マトリクス有機発光ダイオード(Active-matrix Organic Light Emitting Diode, AMOLED)ディスプレイ技術は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode, OLED)の分野で最も広く使用されている。独立した薄膜トランジスタTFTドライブ制御ユニットが、AOLEDディスプレイにおける各OLEDピクセルの発光を制御するためにAOLEDディスプレイにおいて使用される。OLED画素に使用される有機発光材料は、酸素ガス及び水蒸気に特に敏感である。従って、有機発光材料が水や空気と接触した後に酸化されることに起因して生じるAOLEDディスプレイのパフォーマンスの急激な劣化を回避するために、特定の幅を有するパッケージ層、即ちベゼルがAOLEDディスプレイの周囲に設けられる。先行技術では、ベゼル領域にディスプレイ・ユニットは存在しないので、ピクチャの内容をベゼル領域で表示することはできない。従って、AMOLEDディスプレイの非表示領域を如何にして狭く絞り込むかが重要な課題となる。
【発明の概要】
【0003】
上記の技術的課題を解決するために、本願の実施形態は、ディスプレイ、ディスプレイ製造方法、及びディスプレイを使用する電子デバイスを提供する。技術的解決策は以下のとおりである。
【0004】
第1態様によれば、本願の実施形態はディスプレイを提供し、ディスプレイは:ディスプレイの構成要素を支えるように構成された基板と、複数のドライバ回路ユニットを含むドライバ回路バックプレーンであって、ドライバ回路バックプレーンは基板の上に配置されている、ドライバ回路バックプレーンと、複数のピクセルを含む第1ピクセル層であって、第1ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第1ピクセル層の各サブピクセルは1つの有機発光ダイオードOLED構成要素を含み、第1ピクセル層はドライバ回路バックプレーンの上に配置され、第1ピクセル層の各サブピクセルのOLED構成要素は、ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第1ピクセル層と、第1電極層と、第2電極層と、第1電極層及び第2電極層の間に配置された複数のピクセルとを含む第2ピクセル層であって、第2ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第2ピクセル層の各サブピクセルは1つのマイクロ発光ダイオード・マイクロLED構成要素を含み、第2ピクセル層は、基板の上に配置され且つ第1ピクセル層を包囲し、第2ピクセル層の面積は第1ピクセル層の面積より小さい、第2ピクセル層とを含む。これは、ディスプレイの非表示領域を狭く絞り込むことを促す。
【0005】
第1態様に関し、タッチ・センシティブ表面がディスプレイ上に更に配置されていてもよい。
【0006】
可能な実装において、マイクロLED構成要素は縦型マイクロLED構成要素であり、縦型マイクロLED構成要素はトップ電極とボトム電極とを含み、第2電極層は第1電極層より上にあり、縦型マイクロLED構成要素のボトム電極は第1電極層に接続され、縦型マイクロLED構成要素のトップ電極は第2電極層に接続される。このようにして、縦型マイクロLED構成要素に接続された2つの電極層を別々に製造することが可能であり、製これにより製造プロセスの困難性を低減することができる。
【0007】
可能な実装において、第2ピクセル層はパッシベーション層を更に含み、パッシベーション層は、第1電極層と第2電極層との間に配置され、縦型マイクロLED構成要素を覆っている。このように、パッシベーション層は、第1電極層を第2電極層から絶縁することが可能であり、また、異なる縦型マイクロLED構成要素を互いに絶縁することも可能である。
【0008】
可能な実装において、パッシベーション層は、縦型マイクロLED構成要素のトップ電極の上にある開口とともに提供され、第トップ電極は開口を介して第2電極層に接続される。このように、縦型マイクロLED構成要素は、第2電極層の位置を考慮せずに、第1電極層においてのみ正確に配置されることを要する。
【0009】
第1態様に関し、パッシベーション層は、第1電極層の上に配置されてもよく、縦型マイクロLED構成要素は、スタンピングによって第1電極層に接続される。
【0010】
第1態様に関し、第1電極層が形成された後に、縦型マイクロLED構成要素は、ボンディングによって第1電極層に接続されることが可能であり、その後、パッシベーション層は、縦型マイクロLED構成要素を覆うように形成される。このように、縦型マイクロLED構成要素と第1電極層とを設置するプロセスはよりシンプルになる。
【0011】
可能な実装において、各ドライバ回路ユニットは複数のトランジスタを含み、ドライバ回路バックプレーンの全てのトランジスタのソース電極及びドレイン電極は第3電極層を形成し、ドライバ回路バックプレーンの全てのトランジスタのゲート電極は第4電極層を形成し、第1電極層は第3電極層又は第4電極層と同じ層に位置している。このようにして、第1電極層は、個別的に設計されることを必要とせずに、既存のプロセス及びデバイスを使用することによって製造することが可能である。
【0012】
可能な実装において、第1電極は電源の正電位に接続され、第2電極は電源の負電位に接続される。このようにして、第1電極及び第1ピクセル層は、正電位を提供する回路を共有することができる。
【0013】
可能な実装において、第2ピクセル層のサブピクセル配置方式は、ペンタイル配置又はベイヤー配置である。このように、2つのサブピクセルを各ピクセルに配置する必要があるだけであり、それによってサブピクセルの量を低減する。
【0014】
可能な実装において、ディスプレイは薄膜パッケージ層を更に含み、薄膜パッケージ層は第2電極の上に配置され且つ第2電極を覆っているか;又はディスプレイは光遮蔽層を更に含み、光遮蔽層はドライバ回路バックプレーンの上に配置され且つ第1電極層を覆っているか;又は縦型マイクロLED構成要素はnドープ層及びpドープ層を含み、nドープ層は縦型マイクロLED構成要素のトップ電極に接続され、pドープ層は縦型マイクロLED構成要素のボトム電極に接続されているか;又は第1電極は不透明な電極層であり、第2電極層は透明な電極層である。
【0015】
第2態様によれば、本願の実施形態はディスプレイを提供し、ディスプレイは:ディスプレイの構成要素を支えるように構成された基板と、複数のドライバ回路ユニットを含むドライバ回路バックプレーンであって、ドライバ回路バックプレーンは基板の上に配置されている、ドライバ回路バックプレーンと、複数のピクセルを含む第1ピクセル層であって、第1ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第1ピクセル層の各サブピクセルは1つの有機発光ダイオードOLED構成要素を含み、第1ピクセル層はドライバ回路バックプレーンの上に配置され、第1ピクセル層の各サブピクセルのOLED構成要素は、ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第1ピクセル層と、複数のピクセルを含む第2ピクセル層であって、第2ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第2ピクセル層の各サブピクセルは1つのマイクロ発光ダイオード・マイクロLED構成要素を含み、第2ピクセル層は、ドライバ回路バックプレーンの上に配置され且つ第1ピクセル層を包囲し、第2ピクセル層の面積は第1ピクセル層の面積より小さく、第2ピクセル層の各サブピクセルのマイクロLED構成要素は、ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第2ピクセル層とを含む。これは、ディスプレイの非表示領域を狭く絞り込むことを促す。
【0016】
第1態様に関し、タッチ・センシティブ表面がディスプレイ上に更に配置されていてもよい。
【0017】
可能な実装において、マイクロLED構成要素はフリップ・タイプのマイクロLED構成要素であり、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素はP電極及びN電極を含み、P電極及びN電極は前記フリップ・タイプのマイクロLED構成要素と同じ側に位置する。このように、P電極及びN電極は、同じ層に配置され、一緒に製造することができる。
【0018】
可能な実装において、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素のP電極又はN電極は、少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続される。
【0019】
可能な実装において、ディスプレイは薄膜パッケージ層を更に含み、薄膜パッケージ層は第1ピクセル層と第2ピクセル層とを覆う。このように、薄膜パッケージ層は可撓性であり、その結果、ディスプレイの可撓性を維持することができる。
【0020】
可能な実装において、ドライバ回路ユニットは、2T1Cドライバ回路ユニット又は5T1Cドライバ回路ユニットである。このようにして、5T1Cドライバ回路ユニットは、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素をより安定に且つ均一に発光させることができる。
【0021】
第2態様に関し、ドライバ回路ユニットは4T2Cドライバ回路ユニットであってもよい。
【0022】
可能な実装において、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素のドライバ回路ユニットは、電源の負電位に接続され、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素のP電極は、電源の正電位に接続されている。このように、P電極及び第1ピクセル層は、正電位を提供する回路を共有することができる。
【0023】
可能な実装において、第2ピクセル層のサブピクセル配置方式は、ペンタイル配置又はベイヤー配置である。このようにして、2つのサブピクセルを各ピクセルに配置する必要があるだけであり、それによってサブピクセルの量を低減する。
【0024】
可能な実装において、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素はボンディングによりドライバ回路ユニットに接続されているか;又は薄膜パッケージ層は第1無機パッケージ層、第2有機パッケージ層、及び第3無機パッケージ層を含んでいるか;又はディスプレイはパッシベーション層を更に含み、パッシベーション層は、ドライバ回路バックプレーンより上に、且つ第1ピクセル層及び第2ピクセル層より下に配置されているか;又はディスプレイはパッシベーション層を更に含み、平坦化層が、ドライバ回路バックプレーンより上に、且つ第1ピクセル層及び第2ピクセル層より下に配置されているか;又はディスプレイは光遮蔽層を更に含み、光遮蔽層はドライバ回路バックプレーンより上にあり、且つ第1電極層を覆っているか;又は第1電極層及び第2電極層は不透明な電極層である。
【0025】
第3態様によれば、本願は、ディスプレイとバッテリとを含む電子デバイスを提供する。ディスプレイは:ディスプレイの構成要素を支えるように構成された基板と、複数のドライバ回路ユニットを含むドライバ回路バックプレーンであって、ドライバ回路バックプレーンは基板の上に配置されている、ドライバ回路バックプレーンと、複数のピクセルを含む第1ピクセル層であって、第1ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第1ピクセル層の各サブピクセルは1つの有機発光ダイオードOLED構成要素を含み、第1ピクセル層はドライバ回路バックプレーンの上に配置され、第1ピクセル層の各サブピクセルのOLED構成要素は、ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第1ピクセル層と、第1電極層と、第2電極層と、第1電極層及び第2電極層の間に配置された複数のピクセルとを含む第2ピクセル層であって、第2ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第2ピクセル層の各サブピクセルは1つのマイクロ発光ダイオード・マイクロLED構成要素を含み、第2ピクセル層は、基板の上に配置され且つ第1ピクセル層を包囲し、第2ピクセル層の面積は第1ピクセル層の面積より小さい、第2ピクセル層とを含む。ドライバ回路バックプレーン、第1電極層、及び第2電極層はバッテリに結合されている。これは、ディスプレイの非表示領域を狭く絞り込むことを促す。
【0026】
可能な実装において、マイクロLED構成要素は縦型マイクロLED構成要素であり、縦型マイクロLED構成要素はトップ電極とボトム電極とを含み、第2電極層は第1電極層より上にあり、縦型マイクロLED構成要素のボトム電極は第1電極層に接続され、縦型マイクロLED構成要素のトップ電極は第2電極層に接続されている。このように、縦型マイクロLED構成要素に接続された2つの電極層を別々に製造することができ、製造プロセスの困難性を低減することができる
【0027】
可能な実装において、第2ピクセル層はパッシベーション層を更に含み、パッシベーション層は、第1電極層と第2電極層との間に配置され、縦型マイクロLED構成要素を覆っている。このようにして、パッシベーション層は、第1電極層を第2電極層から絶縁させることが可能であり、また、異なる縦型マイクロLED構成要素を互いに絶縁させることも可能である。
【0028】
可能な実装において、パッシベーション層は、縦型マイクロLED構成要素のトップ電極の上にある開口とともに提供され、第トップ電極は開口を介して第2電極層に接続される。このように、縦型マイクロLED構成要素は、第2電極層の位置を考慮せずに、第1電極層においてのみ正確に配置されることを要する。
【0029】
第3態様に関し、パッシベーション層は、第1電極層の上に配置されてもよく、縦型マイクロLED構成要素は、スタンピングによって第1電極層に接続される。
【0030】
第3態様に関し、第1電極層を形成した後に、縦型マイクロLED構成要素がボンディングにより第1電極層に接続されることが可能であり、その後、縦型マイクロLED構成要素を覆うために、パッシベーション層が形成される。このように、縦型マイクロLED構成要素と第1電極層とを設置するプロセスはよりシンプルになる。
【0031】
可能な実装において、各ドライバ回路ユニットは複数のトランジスタを含み、ドライバ回路バックプレーンの全てのトランジスタのソース電極及びドレイン電極は第3電極層を形成し、ドライバ回路バックプレーンの全てのトランジスタのゲート電極は第4電極層を形成し、第1電極層は第3電極層又は第4電極層と同じ層に位置する。このようにして、第1電極層は、個別的に設計されることを必要とせずに、既存のプロセス及びデバイスを使用することによって製造することが可能である。
【0032】
可能な実装において、第1電極はバッテリの正電位に接続され、第2電極はバッテリの負電位に接続される。このようにして、第1電極及び第1ピクセル層は、正電位を提供する回路を共有することができる。
【0033】
可能な実装において、第2ピクセル層のサブピクセル配置方式は、ペンタイル配置又はベイヤー配置である。このように、2つのサブピクセルを各ピクセルに配置する必要があるだけであり、それによってサブピクセルの量を低減する。
【0034】
可能な実装において、ディスプレイは薄膜パッケージ層を更に含み、薄膜パッケージ層は第2電極の上に配置され且つ第2電極を覆っているか;又はディスプレイは光遮蔽層を更に含み、光遮蔽層はドライバ回路バックプレーンの上に配置され且つ第1電極層を覆っているか;又は縦型マイクロLED構成要素はnドープ層及びpドープ層を含み、nドープ層は縦型マイクロLED構成要素のトップ電極に接続され、pドープ層は縦型マイクロLED構成要素のボトム電極に接続されているか;又は第1電極は不透明な電極層であり、第2電極層は透明な電極層であるか;又は縦型マイクロLED構成要素はボンディングにより第1電極層に接続されている。
【0035】
第4態様によれば、本願は、ディスプレイとバッテリとを含む電子デバイスを提供する。ディスプレイは:ディスプレイの構成要素を支えるように構成された基板と、複数のドライバ回路ユニットを含むドライバ回路バックプレーンであって、ドライバ回路バックプレーンは基板の上に配置されている、ドライバ回路バックプレーンと、複数のピクセルを含む第1ピクセル層であって、第1ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第1ピクセル層の各サブピクセルは1つの有機発光ダイオードOLED構成要素を含み、第1ピクセル層はドライバ回路バックプレーンの上に配置され、第1ピクセル層の各サブピクセルのOLED構成要素は、ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第1ピクセル層と、複数のピクセルを含む第2ピクセル層であって、第2ピクセル層の各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、第2ピクセル層の各サブピクセルは1つのマイクロ発光ダイオード・マイクロLED構成要素を含み、第2ピクセル層は、ドライバ回路バックプレーンの上に配置され且つ第1ピクセル層を包囲し、第2ピクセル層の面積は第1ピクセル層の面積より小さく、第2ピクセル層の各サブピクセルのマイクロLED構成要素は、ドライバ回路バックプレーンの少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続されている、第2ピクセル層とを含む。ドライバ回路バックプレーンはバッテリに結合される。これは、ディスプレイの非表示領域を狭く絞り込むことを促す。
【0036】
可能な実装において、マイクロLED構成要素はフリップ・タイプのマイクロLED構成要素であり、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素はP電極及びN電極を含み、P電極及びN電極はフリップ・タイプのマイクロLED構成要素と同じ側に位置する。このように、P電極及びN電極は、同じ層に配置され、一緒に製造することができる。
【0037】
可能な実装において、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素のP電極又はN電極は、少なくとも1つのドライバ回路ユニットに接続される。
【0038】
可能な実装において、ディスプレイは薄膜パッケージ層を更に含み、薄膜パッケージ層は第1ピクセル層と第2ピクセル層とを覆う。このように、薄膜パッケージ層は可撓性であり、その結果、ディスプレイの可撓性を維持することができる。
【0039】
可能な実装において、ドライバ回路ユニットは、2T1Cドライバ回路ユニット又は5T1Cドライバ回路ユニットである。このようにして、5T1Cドライバ回路ユニットは、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素をより安定に且つ均一に発光させることができる。
【0040】
第4態様に関し、ドライバ回路ユニットは4T2Cドライバ回路ユニットであってもよい。
【0041】
可能な実装において、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素のドライバ回路ユニットは、バッテリの負電位に接続され、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素のP電極は、バッテリの正電位に接続される。このように、P電極及び第1ピクセル層は、正電位を提供する回路を共有することができる。
【0042】
可能な実装において、第2ピクセル層のサブピクセル配置方式は、ペンタイル配置又はベイヤー配置である。このようにして、2つのサブピクセルを各ピクセルに配置する必要があるだけであり、それによってサブピクセルの量を低減する。
【0043】
可能な実装において、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素はボンディングによりドライバ回路ユニットに接続されているか;又は薄膜パッケージ層は第1無機パッケージ層、第2有機パッケージ層、及び第3無機パッケージ層を含んでいるか;又はディスプレイはパッシベーション層を更に含み、パッシベーション層は、ドライバ回路バックプレーンより上に、且つ第1ピクセル層及び第2ピクセル層より下に配置されているか;又はディスプレイはパッシベーション層を更に含み、平坦化層が、ドライバ回路バックプレーンより上に、且つ第1ピクセル層及び第2ピクセル層より下に配置されているか;又はディスプレイは光遮蔽層を更に含み、光遮蔽層はドライバ回路バックプレーンより上にあり、且つ第1電極層を覆っているか;又は第1電極層及び第2電極層は不透明な電極層である。
【0044】
第5態様によれば、本願の実施形態はディスプレイ表示方法を提供し、本方法は:基板を準備するステップと、基板にドライバ回路バックプレーンを形成するステップであって、ドライバ回路バックプレーンは複数のドライバ・ユニットと電極層とを含む、ステップと、ドライバ回路バックプレーン上の領域であってドライバ・ユニットを含む領域より上に、第1ピクセル層を形成するステップであって、第1ピクセル層は有機発光ダイオードOLED構成要素を含む、ステップと、ドライバ回路バックプレーン上の領域であって電極層を含む領域の上に、第2ピクセル層を形成するステップであって、第2ピクセル層はマイクロ発光ダイオード・マイクロLED構成要素を含み、第2ピクセル層は第1ピクセル層を包囲し、第2ピクセル層の面積は前記第1ピクセル層の面積より小さい、ステップとを含む。このように、電極層は、ドライバ回路バックプレーンの製造プロセスを使用することによって製造することができ、それによって、ディスプレイの製造プロセスを単純化する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1A】AMOLEDディスプレイを用いた携帯電話の正面の模式図である。
【0046】
【
図1B】本願の実施形態による電子デバイスの構造図である。
【0047】
【
図1C】本願の実施形態によるAMOLEDディスプレイの平面図である。
【0048】
【
図2】本願の実施形態によるAMOLEDディスプレイの側断面図である。
【0049】
【
図3A】
図2に示すAMOLEDディスプレイの側断面図である。
【0050】
【
図3B】本願の実施形態によるOLED構造を示す。
【0051】
【
図4】本願の実施形態によるピクセル・ドライバ回路の概略図である。
【0052】
【
図5】本願の実施形態によるAMOLEDディスプレイの平面図である。
【0053】
【
図6】
図5に示すAMOLEDディスプレイの側断面図である。
【0054】
【
図7】本願の実施形態によるマイクロLED構成要素の概略図である。
【0055】
【
図8A】本願の実施形態によるサブピクセル配置方式の概略図である。
【0056】
【
図8B】本願の実施形態によるサブピクセル配置方式の概略図である。
【0057】
【
図9】本願の実施形態による別のサブピクセル配置方式の概略図である。
【0058】
【
図10】本願の実施形態による別のAMOLEDディスプレイの側断面図である。
【0059】
【
図11】本願の実施形態による別のマイクロLED構成要素の概略図である。
【0060】
【
図12】本願の実施形態による別のピクセル・ドライバ回路の概略図である。
【0061】
【
図13】本願の実施形態による電極製造方法を示す。
【0062】
【
図14】本願の実施形態によるドライバ・バックプレーンの製造方法を示す。
【0063】
【
図15】本願の実施形態による別のAMOLEDディスプレイの側断面図である。
【0064】
【
図16】本願の実施形態による別のAMOLEDディスプレイの側断面図である。
【0065】
【
図17】本願の実施形態による別のAMOLEDディスプレイの側断面図である。
【0066】
【
図18】本願の実施形態による携帯電話の正面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本願の実施形態による技術的解決策は添付の図面を参照しながら以下で明確かつ完全に説明される。
【0068】
本願の実施形態で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するように意図されているに過ぎず、本願を限定するようには意図されていない。本明細書及び本願の添付の特許請求の範囲で使用される単独形式の「1つの」、「ある」、「前記」、「上記」及び「これ」という用語は、文脈上別段の指定がない限り、複数の形態を含むようにも意図されている。本明細書で使用される「~の上方に」、「~の間に」及び「~の上に」という用語は、ある層の別の層に対する位置を示す可能性がある。「他の層の情報に又はその上に、又は他の層に結合される」は、他の層との直接的な接触を意味する可能性があり、或いは1つ以上の中間層が存在することを意味する可能性がある。層が複数の層の「間」にあるということは、その層は複数の層と直接的に接触していることを意味する可能性があり、或いは、1つ以上の中間層が存在することを意味する可能性がある。
【0069】
実施形態は添付図面を参照して説明される。しかしながら、幾つかの実施形態は、これらの特定の詳細のうちの1つ以上を伴わずに実施されてもよいし、或いは他の公知の方法及び構成と組み合わせて実施されてもよい。場合によっては、本願を不明瞭にすることを避けるために、周知の半導体プロセス及び製造技術は特に詳述されてはいない。
【0070】
本願の実施形態で説明されるディスプレイは、携帯電話、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、ウルトラ・モバイル・パーソナル・コンピュータ(Ultra-mobile Personal Computer, UMPC)、ハンドヘルド・コンピュータ、ネットブック、パーソナル・デジタル・アシスタント(Personal Digital Assistant, PDA)、ウェアラブル電子デバイス、及びバーチャル・リアリティ・デバイスのような、様々な電子デバイスに適用することが可能である。
【0071】
ピクセルは基本的な画像表示ユニットである。本願の実施態様で説明されるピクセルは、仮想ピクセル及び物理ピクセルを含む。仮想ピクセルは、概念的なカラー・ブロックを指し、画像表示における最小の完全なカラー・ブロックである。物理ピクセルは、サブピクセルを含むサブピクセル・グループを指す。異なる表示技術に基づいて、1つのサブピクセル・グループは、2つのサブピクセル、3つのサブピクセル、又は4つのサブピクセルを含むことができる。1つの物理ピクセルは、別々に1つの仮想ピクセルを表示することが可能であり、又は別のサブピクセル又は物理ピクセルと組み合わせて1つの仮想ピクセルを表示することが可能である。特に明記しない限り、本願の実施形態におけるピクセルは物理ピクセルである。
【0072】
例えば、1つのマイクロLED物理ピクセルは、3つのサブピクセル、例えば赤色光を放出する1つのマイクロLED構成要素、青色光を放出する1つのマイクロLED構成要素、及び緑色光を放出する1つのマイクロLED構成要素を含むことができる。3つのマイクロLED構成要素は、1つの物理ピクセルを形成する。このような物理ピクセルは、1つの仮想ピクセルを別々に表示することができる。例えば、3つのマイクロLED構成要素が同時に発光すると、赤色光を放出するマイクロLED構成要素、青色光を放出するマイクロLED構成要素、緑色光を放出するマイクロLED構成要素がそれぞれ赤色光、青色光、緑色光を放出する。このようにして、1つの白い仮想ピクセルを表示することができる。
【0073】
幾つかの他の実施形態では、1つのマイクロLED物理ピクセルは2つのサブピクセルを含んでもよい。例えば、2つのサブピクセルは、青のサブピクセル及び緑のサブピクセルであってもよく、又は赤のサブピクセル及び緑のサブピクセルであってもよい。このような物理ピクセルは、隣接する物理ピクセルの1つのサブピクセルを使用することによって、1つの仮想ピクセルを表示することができる。例えば、1つの物理ピクセルが青のサブピクセル及び緑のサブピクセルを含む場合に、1つの仮想ピクセルの表示中に、隣接する物理ピクセル内の赤のサブピクセルが、仮想ピクセルを表示するために使用されてもよい。
【0074】
本願の実施態様において、サブピクセル駆動方式は、パッシブ・ドライブ(Passive Matrix)及びアクティブ・ドライブ(Active Matrix)を含む。OLEDディスプレイがアクティブ・ドライブ方式を使用する場合、OLEDディスプレイは、AMOLEDディスプレイと称される場合がある。OLEDディスプレイがパッシブ・ドライブ方式を使用する場合、OLEDディスプレイは、PMOLEDディスプレイと称される場合がある。パッシブ・ドライブは、受動駆動とも呼ばれる。カソード及びアノードはマトリクスを形成し、アレイ内のサブピクセルはスキャン・モードで点灯され、サブピクセルは各スキャニング中に瞬間的に点灯される。パッシブ・ドライブは、単純な構造の利点を有し、従って、製造コストを効果的に低減することができる。しかしながら、パッシブ・ドライブは、応答速度が低いという欠点を有する。従って、パッシブ・ドライブを中型又は大型ディスプレイに適用することは困難である。更に、パッシブ・ドライブは、サブピクセルの寿命を短くする。アクティブ・ドライブ方式は能動駆動方式とも呼ばれ、これは単一ピクセルを制御して発光させるためにTFTドライバ回路が使用されることを意味する。アクティブ・ドライブ方式は、必要とされる駆動電圧が低く、サブピクセルの寿命が長いという利点を有するが、複雑な製造プロセス及び比較的コストが高いという欠点を有する。
【0075】
図1Aは、AMOLEDディスプレイを用いる携帯電話正面の平面図である。
図1Aに関し、携帯電話の正面は、表示領域及び非表示領域を含むこと可能性がある。表示領域は、ピクチャを表示することが可能な領域であり、非表示領域はピクチャを何ら表示することができない領域である。カメラ及びマイクロホンは、非表示領域に配置されることが可能である。フル・スクリーンの概念の発展に伴い、携帯電話正面の面積に対する携帯電話正面の表示領域の面積の比率は増加している。しかしながら、AMOLEDディスプレイに使用されるOLED有機発光材料は親水性有機材料であるので、OLED有機発光材料が水蒸気及び酸素ガスに接触すると、不可逆的な光酸化反応が生じる。これは、OLED有機発光材料のディスプレイ・パフォーマンスに影響を与える。更に、水蒸気及び酸素ガスは、AMOLEDディスプレイに一般的に使用されるアルミニウム、マグネシウム、及び銀のような電極材料に対して極めて強い浸食効果を有する。従って、AMOLEDディスプレイは、外部の水蒸気及び酸素ガスから隔離するために非常に高い要求を課している。従来技術では、AMOLEDディスプレイは、外部の水蒸気及び酸素ガスから隔離するための特定の幅を有するベゼル領域を備えている。ベゼル領域は、水蒸気及び酸素ガスを隔離するために使用されるパッケージ設計、例えば、TFE薄膜パッケージ層の設計のために提供される。従来技術のベゼル領域で使用されるパッケージ設計は、OLEDピクセルの実装配置を行うことができない。そのため、ベゼル領域でピクチャを表示することができない。たとえ携帯電話の正面がAMOLEDディスプレイで完全に覆われていたとしても、比較的広い面積の非表示領域が依然として存在する。
【0076】
本願の以下の実施態様に適用可能な電子デバイスの例を以下に説明する。
【0077】
【0078】
電子装置100は、プロセッサ110、外部メモリ・インターフェース120、内部メモリ121、ユニバーサル・シリアル・バス(universal serial bus, USB)ポート130、充電管理モジュール140、電力管理ユニット141、バッテリ142、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオ・モジュール170、スピーカ170A、受信機170B、マイクロホン170C、ヘッドセット・ジャック170D、センサー・モジュール180、キー190、モーター191、インジケータ192、カメラ193、ディスプレイ194、加入者識別モジュール(subscriber identification module, SIM)カード・インターフェース195等を含んでもよい。センサー・モジュール180は、圧力センサー180A、ジャイロスコープ・センサー180B、気圧センサー180C、磁気センサー180D、加速度センサー180E、距離センサー180F、光近接センサー180G、指紋センサー180H、温度センサー180J、タッチ・センサー180K、周辺光センサー180L、骨伝導センサー180M等を含んでもよい。
【0079】
本願のこの実施形態における例示的な構造は、電子デバイス100に対する特定の制限を構成しないことが理解されるであろう。本願の他の幾つかの実施形態において、電子デバイス100は、図示されているものよりも多い又は少ない構成要素を含んでもよく、或いは、幾つかの構成要素が組み合わせられてもよく、或いは、一部の構成要素は分割されてもよく、或いは、異なる構成要素のレイアウトが存在してもよい。図に示す構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0080】
プロセッサ110は、1つ以上の処理ユニットを含んでもよい。例えば、プロセッサ110は、アプリケーション・プロセッサ(application processor, AP)、モデム・プロセッサ、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit, GPU)、画像信号プロセッサ(image signal processor, ISP)、コントローラ、メモリ、ビデオ・コーデック、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、ベースバンド・プロセッサ、ニューラル・ネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit, NPU)及び/又はそれらに類するものを含むことが可能である。様々な処理ユニットは、独立したデバイスであってもよいし、又は1つ以上のプロセッサに統合されてもよい。
【0081】
コントローラは、電子デバイス100の神経中枢及び指令中枢である可能性がある。コントローラは、命令の読み込み及び命令の実行の制御を完了するために、命令動作コード及び時間シーケンス信号に基づいて、動作制御信号を生成することができる。
【0082】
メモリは、更に、プロセッサ110内に配置されることが可能であり、命令及びデータを記憶するように構成される。幾つかの実施形態において、プロセッサ110内のメモリはキャッシュである。メモリは、プロセッサ110によってちょうど使用されるか又は周期的に使用される命令又はデータを記憶することができる。プロセッサ110が命令又はデータを再度使用する必要がある場合、プロセッサ110は、メモリから命令又はデータを直接的に呼び出すことができる。これは、繰り返されるアクセスを回避し、プロセッサ110の待ち時間を短縮し、それによってシステム効率を改善する。
【0083】
幾つかの実施形態では、プロセッサ110は、1つ以上のインターフェースを含んでもよい。インターフェースは、集積回路間(inter-integrated circuit, I2C)インターフェース、集積回路間サウンド(inter-integrated circuit sound, I2S)インターフェース、パルス・コード変調(pulse code modulation, PCM)インターフェース、ユニバーサル非同期送受信(universal asynchronous receiver/transmitter, UART)インターフェース、モバイル・インダストリ・プロセッサ・インターフェース(mobile industry processor interface, MIPI)、汎用入出力(general-purpose input/output, GPIO)インターフェース、加入者識別モジュール(subscriber identity module, SIM)インターフェース、ユニバーサル・シリアル・バス(universal serial bus, USB)ポート及び/又はそれに類するものを含む可能性がある。
【0084】
本願のこの実施形態で説明されるモジュール間のインターフェース接続関係は、説明のための単なる例に過ぎず、電子デバイス100の構造に対する制限を構成しないことを理解することができる。本願の幾つかの他の実施形態において、電子装置100は、前述の実施形態のものとは異なるインターフェース接続モードを代替的に使用してもよいし、又は複数のインターフェース接続モードの組み合わせを使用してもよい。
【0085】
充電管理モジュール140は、充電器からの充電入力を受けるように構成されている。充電器は、無線充電器又は有線充電器であってもよい。有線充電の幾つかの実施形態では、充電管理モジュール140は、USBインターフェース130を介して有線充電器から充電入力を受けることができる。無線充電の幾つかの実施形態では、充電管理モジュール140は、電子装置100の無線充電コイルを使用することによって、無線充電入力を受けることができる。充電管理モジュール140は、バッテリ142を充電しながら、電力管理ユニット141を使用することによって電子デバイスに電力を供給する。
【0086】
電力管理モジュール141は、バッテリ142、充電管理モジュール140、及びプロセッサ110を接続するように構成される。電力管理ユニット141は、バッテリ142及び/又は充電管理モジュール140から入力を受け取り、プロセッサ110、内部メモリ121、外部メモリ、ディスプレイ194、カメラ193、無線通信モジュール160等に電力を供給する。電力管理モジュール141は、更に、バッテリ容量、バッテリ・サイクル回数、及びバッテリの健全性状態(漏電又はインピーダンス)のようなパラメータを監視するように構成することが可能である。幾つかの他の実施形態では、電力管理ユニット141は、代替的にプロセッサ110内に配置されてもよい。幾つかの他の実施形態では、電力管理ユニット141及び充電管理モジュール140は、代替的に、同デバイス内に配置されてもよい。
【0087】
電子デバイス100の無線通信機能は、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデム・プロセッサ、ベースバンド・プロセッサ等を用いることにより実現されることが可能である。
【0088】
アンテナ1とアンテナ2は電磁波信号を送受信するように構成される。電子デバイス100内の各アンテナは、1つ以上の通信帯域をカバーするように構成することが可能である。アンテナの利用性を改善するために、異なるアンテナを更に多重化することができる。例えば、アンテナ1は、無線ローカル・エリア・ネットワークのダイバーシチ・アンテナとして多重化されてもよい。幾つかの他の実施形態において、アンテナは、同調スイッチと組み合わせて使用されてもよい。
【0089】
移動通信モジュール150は、2G/3G/4G/5G等を含む無線通信ソリューションであって電子デバイス100に適用されるものを提供することができる。移動通信モジュール150は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、低雑音増幅器(low noise amplifier, LNA)等を含むことができる。移動通信モジュール150は、アンテナ1を介して電磁波を受信し、受信した電磁波に対するフィルタリング又は増幅のような処理を行い、処理された電磁波を復調のためにモデム・プロセッサに送ることができる。移動通信モジュール150は、モデム・プロセッサによって変調された信号を更に増幅し、アンテナ1により放射するために信号を電磁波に変換することができる。幾つかの実施形態では、移動通信モジュール150の少なくとも幾つかの機能モジュールは、プロセッサ110に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、移動通信モジュール150の少なくとも幾つかの機能モジュール及びプロセッサ110の少なくとも幾つかのモジュールは、同じデバイス内に配置されてもよい。
【0090】
モデム・プロセッサは、変調器と復調器を含むことができる。幾つかの実施形態において、モデム・プロセッサは、独立した構成要素であってもよい。幾つかの他の実施形態において、モデム・プロセッサは、プロセッサ110から独立していてもよく、移動通信モジュール150又は別の機能モジュールと同じデバイスに配置される。
【0091】
無線通信モジュール160は、無線ローカル・エリア・ネットワーク(wireless local area networks, WLAN)(例えば、ワイヤレス・フィデリティ(wireless fidelity, Wi-Fi)ネットワーク)、ブルートゥース(Bluetooth,BT)、グローバル・ナビゲーション衛星システム(global navigation satellite system, GNSS)、周波数変調(frequency modulation, FM)、近距離通信(near field communication, NFC)技術、赤外線(infrared, IR)技術などを含む無線通信ソリューションであって、電子デバイス100に適用されるものを提供することが可能である。無線通信モジュール160は、少なくとも1つの通信処理モジュールを統合する1つ以上のデバイスであってもよい。無線通信モジュール160は、アンテナ2を介して電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調及びフィルタリングを行い、処理された信号をプロセッサ110に送る。無線通信モジュール160は、更に、プロセッサ110からの送信対象の信号を受信し、その信号に対して周波数変調及び増幅を行い、その信号を電磁波に変換して、アンテナ2を介して放射することができる。
【0092】
幾つかの実施形態では、電子デバイス100内のアンテナ1と移動通信モジュール150とが結合され、アンテナ2と電子デバイス100内の無線通信モジュール160とが結合され、その結果、電子デバイス100は、無線通信技術を使用することによってネットワーク及び他のデバイスと通信することができる。無線通信技術は、移動通信のためのグローバル・システム(global system for mobile communications, GSM)、ゼネラル・パケット無線サービス(general packet radio service, GPRS)、符号分割多元接続(code division multiple access, CDMA)、ワイドバンド符号分割多元接続(wideband code division multiple access, WCDMA)、時分割符号分割多元接続(time-division code division multiple access, TD-SCDMA)、ロング・ターム・エボリューション(long term evolution, LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、IR技術及び/又はそれに類するものを含んでもよい。GNSSは、グローバル・ポジショニング・システム(global positioning system, GPS)、グローバル・ナビゲーション衛星システム(global navigation satellite system, GLONASS)、北斗航法衛星システム(BeiDou navigation satellite system, BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system, QZSS)、及び/又は衛星ベースの増強システム(satellite based augmentation systems, SBAS)を含んでもよい。
【0093】
電子デバイス100は、GPU、ディスプレイ194、アプリケーション・プロセッサ等を用いて表示機能を実現する。GPUは画像処理のためのマイクロプロセッサであり、ディスプレイ194及びアプリケーション・プロセッサに接続される。GPUは、数学的及び幾何学的な計算を実行し、画像をレンダリングするように構成される。プロセッサ110は、表示情報を生成又は変更するプログラム命令を実行する1つ以上のGPUを含んでもよい。
【0094】
ディスプレイ194は、画像、ビデオ等を表示するように構成されている。ディスプレイ194は、ディスプレイ・パネルを含む。液晶ディスプレイ(liquid crystal display, LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode, OLED)、アクティブ・マトリクス有機発光ダイオード(active-matrix organic light emitting diode, AMOLED)、フレキシブル発光ダイオード(flex light-emitting diode, FLED)、ミニLED、マイクロ発光ダイオード・マイクロLED、マイクロOLED、量子ドット発光ダイオード(quantum dot light emitting diodes, QLED)等が、ディスプレイ・パネルに使用されてもよい。幾つかの実施形態では、電子デバイス100は、1つ又はN個のディスプレイ194を含んでもよく、ここで、Nは、1より大きな正の整数である。
【0095】
電子デバイス100は、ISP、カメラ193、ビデオ・コーデック、GPU、ディスプレイ194、アプリケーション・プロセッサ等を用いて撮影機能を実現することができる。
【0096】
ISPは、カメラ193からフィードバックされるデータを処理するように構成されている。例えば、撮影中にシャッターを押すと、レンズを介してカメラの受光素子に光が送られ、光信号が電気信号に変換され、カメラの受光素子は処理のためにISPに電気信号を送り、電気信号を可視的な画像に変換する。ISPは更に、画像のノイズ、輝度、及び外観に関してアルゴリズム最適化を実行することができる。ISPは更に、撮影シナリオの露出及び色温度のようなパラメータを最適化することができる。幾つかの実施形態において、ISPは、カメラ193に配置されてもよい。
【0097】
カメラ193は、静止画像又はビデオを取り込むように構成されている。物体の光学画像は、レンズを通して生成され、受光素子に投影される。受光素子は、電荷結合素子(charge coupled device, CCD)又は相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide-semiconductor, CMOS)光電トランジスタであってもよい。受光素子は、光信号を電気信号に変換し、次いで電気信号をISPに送って、電気信号をデジタル画像信号に変換する。ISPは、デジタル画像信号を処理のためにDSPに出力する。DSPは、デジタル画像信号をRGBフォーマット、YUVフォーマット等の標準画像信号に変換する。幾つかの実施形態では、電子デバイス100は、1つ又はN個のカメラ193を含んでもよく、ここで、Nは、1より大きな正の整数である。
【0098】
デジタル信号プロセッサは、デジタル信号を処理するように構成されており、デジタル画像信号に加えて、別のデジタル信号を更に処理することができる。例えば、電子デバイス100が周波数を選択した場合に、デジタル信号プロセッサは、周波数エネルギーに対してフーリエ変換などを実行するように構成されている。
【0099】
ビデオ・コーデックは、デジタル・ビデオを圧縮又は解凍するように設定されている。電子デバイス100は、1つ以上のタイプのビデオ・コーデックをサポートすることができる。このようにして、電子デバイス100は、複数の符号化フォーマット、例えば、動画エキスパート・グループ(moving picture experts group, MPEG)-1、MPEG-2、MPEG-3、MPEG-4などでビデオを再生又は記録することができる。
【0100】
NPUはニューラル・ネットワーク(neural-network, NN)計算プロセッサである。NPUは、例えば、生物学的な神経網の構造を参照することにより、例えば人の脳のニューロン間の伝達様式を参照することにより、入力情報を迅速に処理し、更に継続的に自己学習を実行することができる。電子デバイス100の知的な認知、例えば画像認識、顔認識、会話認識、及びテキスト理解のようなアプリケーションは、NPUを使用することによって実現することができる。
【0101】
外部メモリ・インターフェース120は、電子デバイス100の記憶能力を拡張するために、例えばマイクロSDカードのような外部記憶カードに接続するように構成されることが可能である。外部記憶カードは、外部メモリ・インターフェース120を介してプロセッサ110と通信し、データ記憶機能を実現する。例えば、音楽やビデオのようなファイルは外部メモリ・カードに保存される。
【0102】
内部メモリ121は、コンピュータ実行可能プログラム・コードを格納するように構成されててもよい。実行可能プログラム・コードは命令を含む。プロセッサ110は、内部メモリ121に記憶された命令を実行して、電子デバイス100の様々な機能アプリケーションを実行し、データを処理する。内部メモリ121は、プログラム記憶エリア及びデータ記憶エリアを含む可能性がある。プログラム記憶エリアは、オペレーティング・システム、少なくとも1つの機能(例えば、音声再生機能又は画像再生機能)によって必要とされるアプリケーション等を記憶することができる。データ記憶エリアは、電子デバイス100が使用された場合に作成されたデータ(例えば、オーディオ・データ及び電話帳)等を記憶することができる。更に、内部メモリ121は、高速ランダム・アクセス・メモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュ・メモリ・デバイス、又はユニバーサル・フラッシュ・ストレージ(universal flash storage, UFS)を更に含んでもよい。
【0103】
電子デバイス100は、オーディオ・モジュール170、スピーカ170A、受信機170B、マイクロホン170C、ヘッドセット・ジャック170D、アプリケーション・プロセッサ等を使用することにより、オーディオ機能、例えば音楽の再生及び録音を実現することができる。
【0104】
オーディオ・モジュール170は、デジタル・オーディオ情報をアナログ・オーディオ信号出力に変換するように構成され、更に、アナログ・オーディオ入力をデジタル・オーディオ信号に変換するように構成されている。オーディオ・モジュール170は、更に、オーディオ信号を符号化及び復号化するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、オーディオ・モジュール170は、プロセッサ110内に配置されてもよく、又はオーディオ・モジュール170の幾つかの機能モジュールがプロセッサ110内に配置される。
【0105】
「ホーン」とも呼ばれるスピーカ170Aは、オーディオ電気信号をサウンド信号に変換するように構成されている。電子デバイス100は、スピーカ170Aを使用することによって、音楽を聴いたり、ハンズ・フリー通話に応答したりするように構成されてもよい。
【0106】
「イヤピース」とも呼ばれる受信機170Bは、オーディオ電気信号をサウンド信号に変換するように構成されている。電子デバイス100を使用することにより、呼に応答したり、音声情報を受信したりする場合に、音声を受けるために受信機170Bは人の耳の近くに置くことが可能である。
【0107】
「マイク」又は「マイクロホン」とも呼ばれるマイクロホン170Cは、サウンド信号を電気信号に変換するように構成されている。発呼時や音声情報の送信時に、ユーザーは、マイク170Cの近くでユーザーの口で音を発し、マイク170Cにサウンド信号を入力することができる。少なくとも1つのマイクロホン170Cが、電子デバイス100内に配置されてもよい。幾つかの他の実施形態において、2つのマイクロホン170Cを電子デバイス100内に配置して、サウンド信号を収集することに加えて、ノイズ低減機能を実現してもよい。幾つかの他の実施形態において、代替的に、3つ、4つ、又はそれより多いマイクロホン170Cが、サウンド信号を収集し、ノイズを低減するために、電子デバイス100内に配置されてもよい。マイクロホンは、更に、指向性記録機能などを実現するために、音源を識別することができる。
【0108】
ヘッドセット・ジャック170Dは、有線ヘッドセットに接続するように構成されている。ヘッドセット・ジャック170Dは、USBインターフェース130又は3.5mmオープン移動端末プラットフォーム(open mobile terminal platform, OMTP)標準インターフェース、又は米国のセルラー通信業界団体(cellular telecommunications industry association of the USA, CTIA)の標準インターフェースであってもよい。
【0109】
圧力センサー180Aは、圧力信号を感知するように構成され、圧力信号を電気信号に変換することができる。幾つかの実施形態において、圧力センサー180Aは、ディスプレイ194上に配置されてもよい。抵抗性圧力センサー、誘導性圧力センサー、及び容量性圧力センサーのような複数のタイプの圧力センサー180Aが存在する。容量性圧力センサーは、導電性材料で作られた少なくとも2つの平行プレートを含む可能性がある。圧力センサー180Aに力が加えられると、電極間のキャパシタンスが変化する。電子デバイス100は、容量変化に基づいて圧力の強さを決定する。タッチ操作がディスプレイ194上で実行されると、電子デバイス100は、圧力センサー180Aを使用することによりタッチ操作の強度を検出する。電子デバイス100はまた、圧力センサー180Aの検出信号に基づいてタッチ位置を計算してもよい。幾つかの実施形態では、同じタッチ位置で実行されるが、異なるタッチ操作強度を有するタッチ操作は、異なる操作命令に対応する可能性がある。例えば、タッチ操作強度が第1圧力閾値未満であるタッチ操作が、SMSメッセージ・アプリケーション・アイコンの上で実行された場合、SMSメッセージを閲覧する命令が実行される。タッチ操作強度が第1圧力閾値以上であるタッチ操作が、SMSメッセージ・アプリケーション・アイコンの上で実行された場合、新しいSMSメッセージを作成するための命令が実行される。
【0110】
ジャイロスコープ・センサー180Bは、電子デバイス100の運動姿勢を決定するように構成されてもよい。
【0111】
気圧センサー180Cは、気圧を測定するように構成されている。
【0112】
磁気センサー180Dは、ホール・センサーを含む。
【0113】
加速度センサー180Eは、電子デバイス100の様々な方向(通常は3軸)における加速度を検出することができ、電子デバイス100が静止している場合に重力の大きさ及び方向を検出することができる。加速度センサー180Eは、更に、電子デバイスの姿勢を識別するように構成されてもよく、ランドスケープ・モードとポートレート・モードとの間の切り替えや歩数計などのアプリケーションに適用される。
【0114】
距離センサー180Fは、距離を測定するように構成される。
【0115】
光学的近接センサー180Gは、例えば、発光ダイオード(LED)及び光学検出器、例えば、フォトダイオードを含んでもよい。
【0116】
周辺光センサー180Lは、周辺光の明るさを感知するように構成されている。
【0117】
指紋センサー180Hは、指紋を収集するように構成されている。電子デバイス100は、収集された指紋の特徴を利用して、指紋ベースのロック解除、アプリケーション・ロック・アクセス、指紋ベースの写真撮影、指紋ベースの呼応答などを実行することができる。
【0118】
温度センサー180Jは、温度を検出するように構成されている。幾つかの実施形態では、電子デバイス100は、温度センサー180Jによって検出された温度に基づいて温度処理ポリシーを実行する。
【0119】
タッチ・センサー180Kは、「タッチ・パネル」とも呼ばれる。タッチ・センサー180Kは、ディスプレイ194上に配置されてもよく、タッチ・センサー180K及びディスプレイ194は、「タッチ・スクリーン」とも呼ばれるタッチ・スクリーンを形成する。タッチ・センサー180Kは、タッチ・センサー180Kの上又は近くで実行されるタッチ操作を検出するように構成される。タッチ・センサーは、タッチ・イベントのタイプを決定するために、検出されたタッチ操作をアプリケーション・プロセッサに伝えることができる。タッチ操作に関連する視覚的な出力は、ディスプレイ194を使用することによって提供されてもよい。幾つかの他の実施形態では、タッチ・センサー180Kは、代替的に、ディスプレイ194の表面とは異なる位置の電子デバイス100の表面上に配置されてもよい。
【0120】
骨伝導センサー180Mは振動信号を得ることができる。幾つかの実施形態において、骨伝導センサー180Mは、人間の声帯部の振動骨の振動信号を取得することができる。骨伝導センサー180Mはまた、血圧拍動信号を受信するために、人間の脈に接していてもよい。幾つかの実施形態において、骨伝導センサー180Mは、代替的に、骨伝導ヘッドセットを形成するためにヘッドセットに配置されてもよい。オーディオ・モジュール170は、音声機能を実現するために、声帯部分の振動骨の振動信号であって骨伝導センサー180Mによって得られる振動信号に基づく解析によって音声信号を得ることができる。アプリケーション・プロセッサは、骨伝導センサー180Mによって得られた血圧拍動信号に基づいて心拍数情報を解析して、心拍数検出機能を実施することができる。
【0121】
キー190は、電源キー、ボリューム・キー等を含む。キー190は、機械的なボタンであってもよいし、又はタッチ・センシティブ・キーであってもよい。電子デバイス100は、キー入力を受け取り、電子デバイス100のユーザー設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができる。
【0122】
モーター191は、振動プロンプトを発生することができる。モーター191は、着呼振動プロンプト及びタッチ振動フィードバックを提供するように構成することができる。例えば、異なるアプリケーションで実行されるタッチ操作(例えば、撮影及びオーディオ再生)は、異なる振動フィードバック効果に対応する可能性がある。モーター191はまた、ディスプレイ194の異なるエリアで実行されるタッチ操作に対する異なる振動フィードバック効果に対応してもよい。異なるアプリケーション・シナリオ(例えば、時間リマインダ、情報受信、アラーム・クロック、ゲーム)もまた、異なる振動フィードバック効果に対応してもよい。タッチ振動フィードバック効果は更にカスタマイズされてもよい。
【0123】
インジケータ192は、インジケータ・ライトであってもよく、充電状態及び電力変化を示すように構成されてもよいし、又はメッセージ、不在着信、通知などを示すように構成されてもよい。
【0124】
SIMカード・インターフェース195は、SIMカードに接続するように構成されている。SIMカードは、電子デバイス100との接触又は電子デバイス100からの分離を実現するために、SIMカード・インターフェース195に挿入されてもよいし、又はSIMカード・インターフェース195から取り外されてもよい。電子デバイス100は、1つ又はN個のSIMカード・インターフェースをサポートすることが可能であり、Nは1より大きな正の整数である。SIMカード・インターフェース195は、ナノSIMカード、マイクロSIMカード、SIMカードなどをサポートすることができる。複数のカードが同じSIMカード・インターフェース195に同時に挿入されてもよい。複数のカードは、同じタイプの又は異なるタイプのものであってもよい。SIMカード・インターフェース195はまた、異なるタイプのSIMカードと互換性がある可能性がある。SIMカード・インターフェース195は、更に、外部メモリ・カードと互換性がある可能性がある。電子デバイス100は、SIMカードを介してネットワークと相互作用し、呼び出しやデータ通信のような機能を実現する。幾つかの実施形態において、電子デバイス100は、eSIM、即ち、埋め込みSIMカードを使用する。eSIMカードは、電子デバイス100内に埋め込まれてもよく、電子デバイス100から分離することはできない。
【0125】
図1CはAMOLEDディスプレイの平面図である。
図1Cを参照すると、AMOLEDディスプレイ200は、表示領域102及びベゼル領域101を含む。ベゼル領域101は、表示領域102を包囲する。ベゼル領域101は、
図1Aに示す非表示領域に位置し、非表示領域の面積に対するベゼル領域101の面積の比率は、様々な端末メーカの技術によって決定される。
【0126】
ディスプレイ200は、可撓性、屈曲性、又は折り曲げ可能である可能性がある。表示領域102は、複数のピクセル103を含み、各ピクセルは複数のサブピクセルを含む。例えば、ピクセル103は、サブピクセル104、サブピクセル105、及びサブピクセル106を含む。サブピクセル104は赤色光を放射することが可能であり、サブピクセル105は緑色光を放射することが可能であり、サブピクセル106は青色光を放射することが可能である。
図1Cのサブピクセル配置は、単に一例として使用されるに過ぎないことが理解されるべきである。代替的に、サブピクセルは、ペンタイル配列方式で配列されてもよい。各ピクセルは、2つのサブピクセルのみを含む。発光の間、単一のピクセルは、隣接するピクセルの1つのサブピクセルを使用することによって発光する。
【0127】
図2は、ディスプレイ200の側断面図である。
図2を参照すると、ディスプレイ200は、主に基板110、AMOLEDコア層250、及びTFEパッケージ層230を含む。基板110は、ディスプレイ200に含まれる構成要素を支えるように構成されることが可能である。構成要素は、トランジスタ、キャパシタ、電極、OLED構成要素、及びマイクロLED構成要素のようなディスプレイの様々な構成要素である可能性がある。
【0128】
基板110は、表示領域102及びベゼル領域101を含む。オプションとして、バッファ層111が基板110上に配置されてもよい。AMOLEDコア層250は、バッファ層111上に配置されてもよいし、又は基板110上に直接配置されてもよい。TFEパッケージ層230は、AMOLEDコア層250をパッケージ化する。なお、TFEパッケージ層230は、単に一例として使用されているに過ぎず、外部の水蒸気及び酸素ガスを隔離するために用いられていることに留意すべきである。従来技術において、AMOLEDコア層250をパッケージングするために、ガラスが代替的に使用されてもよい。TFEパッケージ層230と比較すると、ガラス材料は、外部の水蒸気及び酸素ガスを隔離する良好な効果を有するが、ガラス材料は、自由に折り畳んだり或いは曲げたりすることが困難であり、可撓性のある折り曲げ可能なAMOLEDディスプレイには不適当である。本願のこの実施形態では、AMOLEDディスプレイは、TFEパッケージ層230を使用することが可能であり、そのため、AMOLEDディスプレイは折り曲げ可能であり且つ折り畳み可能になる。
【0129】
AMOLEDコア層250は、発光フロント・プレーン(Front Plane)252及びドライバ回路バックプレーン(Back Plane)251を含む。ドライバ回路バックプレーンは、ドライバ・バックプレーンと言及される場合もある。発光フロント・プレーンは、主に、OLED有機発光材料で作られたサブピクセルを含む。ドライバ回路バックプレーンは、主にTFT薄膜トランジスタを含み、発光フロント・プレーン内のサブピクセルを駆動して発光させるために使用される。オプションとして、ディスプレイ100は、偏光子260を更に含むことが可能である。偏光子260は、TFEパッケージ層230の上方に位置し、外部光がAMOLEDディスプレイに入射した後に生成される反射光を相殺することができる。これは、外部光の反射によって発生する干渉を低減し、ディスプレイのコントラストを高める。
【0130】
図3Aは、
図1Cの線A-Bに沿って切断することによって得られる断面図であり、主に、TFTパッケージ層230、発光フロント・プレーン251、ドライバ回路バックプレーン252、及び基板110を含む。
図3Aを参照すると、基板110は、ガラス材料又はプラスチック材料で作ることが可能であり、AMOLEDコア層250を支持する基本的機能を有する。オプションとして、バッファ層111が基板110上に配置されてもよい。バッファ層111は、TFT薄膜トランジスタを保護するために、発光フロント・プレーン及びドライバ回路バックプレーンへの異物、水蒸気、又は酸素ガスの浸透を低減又は防止することが可能であり、また基板110のための平坦な表面を提供することも可能である。バッファ層111は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素のような無機材料で作ることができる。バッファ層111は、1つ以上の無機層を交互に積層することによって得られる複数の層によって形成することができる。
【0131】
図2に示すドライバ回路バックプレーン251のより詳細な構造は、
図3Aに示す部分断面図で示すことができる。ドライバ回路バックプレーン251は、ゲート絶縁層112、絶縁中間層(an insulating interlayer)113、及び複数のTFTドライバ回路を含んでもよい。各TFTドライバ回路は、1つ以上のトランジスタTと1つ以上のキャパシタCとを含むことが可能であり、AMOLEDディスプレイ内の単一のサブピクセルを制御して光を放射させ、例えば
図3Aのサブピクセル240を制御して光を放射する。別の例では、
図1Cに示す各サブピクセルの下に、TFTドライバ回路が設けられている。
【0132】
図3(a)に示す断面図は、ドライバ回路バックプレーン251の特定の構造を含む。
図3Aに示すように、トランジスタT1は、半導体層205と、ゲート電極208と、ソース電極206と、ドレイン電極207とを含む。同様に、トランジスタT2は、半導体層201と、ゲート電極204と、ソース電極202と、ドレイン電極203とを含む。トランジスタ内の半導体層は、低温多結晶シリコン(p-Si)又はアモルファス・シリコン(a-Si)で作ることが可能である。ソース電極、ドレイン電極、及びゲート電極はそれぞれ、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、及び銅(Cu)、又はそれらの合金の単層もしくは複数層の合金のうちの1つによって形成することができる。
【0133】
ゲート絶縁層112は、半導体層上に配置されてもよい。例えば、
図3Aに示すゲート絶縁層は、半導体層205及び半導体層201を覆う。ゲート絶縁層112は、酸化シリコン、窒化シリコン、又はオキシ窒化シリコンなどの材料で作ることができる
【0134】
絶縁中間層113は、ゲート電極上に配置されてもよい。例えば、絶縁中間層113は、ゲート電極204及びゲート電極208を覆う。絶縁中間層113は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素のような材料で作ることができる。
図3Aに示すように、トランジスタT2を一例として使用すると、トランジスタT2のソース電極202及びドレイン電極203は、ゲート絶縁層112上に配置され、ゲート絶縁層112及び絶縁中間層113の一部分を除去することによって形成されるコンタクト・ホールを介して半導体層201と接触する。
【0135】
ドライバ回路バックプレーン内のTFTドライバ回路は、複数の構造によるものであってもよい。例えば、
図3Aに示すAMOLEDディスプレイは、従来の2T1C構造のTFTドライバ回路を使用してもよい。具体的には、各TFTドライバ回路は、2つのトランジスタと1つのキャパシタとを含む。一方のトランジスタは、電流がドライバ回路に入るかどうかを制御するスイッチング・トランジスタとして使用され、他方のトランジスタはドライバ・トランジスタとして使用され、電源の電圧に接続され、特定の時間的な期間内にサブピクセルに対して安定した電流を提供する。キャパシタは、電圧を記憶するために使用され、各スキャンが完了した後に、ドライバ・トランジスタが、特定の時間的な期間内にサブピクセルに対して安定した電流を提供することを確実にする。
【0136】
例えば、
図3Aに示すトランジスタT1、T2、及び1つのキャパシタC(
図3(A)には示されていない)は、サブピクセルを駆動して発光させる2T1C構造のTFTドライバ回路を形成することができる。
図4は、
図3AのTFTドライバ回路に対応する論理回路図である。T1はスイッチング・トランジスタであってもよく、T2はドライバ・トランジスタであってもよい。
図3Aに示すT1のゲート電極208は、
図4に示すスキャン信号Vscanに接続される。
図3Aに示すT1のソース電極206は、
図4に示すデータ信号Vdataに接続される。
図3Aに示すT1のドレイン電極207は、
図4に示すT2のゲート電極204とキャパシタCの一端に接続される。
【0137】
図3Aに示すT2のソース電極202は、
図4に示す電源の正電圧VDDに接続され、キャパシタCの他端と接触している。
図3Aに示すT2のドレイン電極203は、
図4に示すサブピクセル240の一方の電極に接続される。サブピクセル240の他方の電極は、電源の負電位VSSに接続され、負電位VSSは、全てのサブピクセルに対して提供されることが可能である。
【0138】
OLEDサブピクセルは電流駆動方式で発光する。具体的には、電流がサブピクセルを介して流れる際に、サブピクセルは光を放射することができる。従って、サブピクセルが光を放射するかどうか及び発光強度は、サブピクセルを通過する電流を制御することによって制御することができる。具体的には、AMOLEDディスプレイのドライバ・チップは、間隔をおいてスキャン信号Vscanを送信し、光を放射するように予定されるサブピクセルを探索する。T1がスキャン信号Vscanを受信すると、トランジスタT1はオンになる。従って、データ信号VdataはT2のゲート電極に伝わることが可能である。T2がデータ信号Vdataを受信した後、トランジスタT2がオンになり、電流はサブピクセルに到達することが可能になり、サブピクセルは光を放射し始める。スキャン・サイクルにおいて、スキャン信号Vscanは、高レベルから低レベルへ変化するので、トランジスタT1はオフにされ、Vdataは、トランジスタT2のゲート電極へ伝わることができない。従って、トランジスタT2がデータ信号Vdataを連続的に受信できることを確実にするために、サブピクセルは、Vscanの次のスキャン・サイクルが到来するまで、連続的に光を放射するように構成される。キャパシタCは、データ信号VdataをT2のゲート電極に格納して、サブピクセルが電流スキャン・サイクルで光を連続的に放射できることを確実にするために使用される。
【0139】
本願のこの実施形態で説明した2T1Cドライバ回路は、単に一例として使用されているに過ぎず、別のタイプの回路構造及び別のタイプのトランジスタ構造、例えば、低ゲート・トランジスタ又はより複雑な補償回路設計もまた適用可能であることに留意すべきである。例えば、AMOLEDディスプレイの製造プロセス中に、異なる位置にあるTFTトランジスタは、異なる性能を有する可能性がある。これは、明るさの表示に差異を引き起こす可能性がある。従って、AMOLEDディスプレイは、プロセスに起因する2T1C構造の不安定性又は性能差異を補償するために、7T1C、6T1C、又は5T2Cのような構造を代替的に使用してもよい。
【0140】
図2に示す発光フロント・プレーン252は、
図3Aに示すゲート絶縁層112上に配置されてもよい。
図3Aに示されるように、発光フロント・プレーンは、平坦化層114、パッシベーション層119、サブピクセル240、及びピクセル定義層115を含んでもよい
【0141】
平坦化層114は、トランジスタを保護して平坦な表面を提供するために、ソース電極及びドレイン電極上に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、パッシベーション層(図示せず)は、ソース電極及びドレイン電極上に配置されてもよく、パッシベーション層は、ソース電極及びドレイン電極を分離するために使用されてもよく、平坦化層114は、パッシベーション層上に配置されてもよい。
【0142】
平坦化層114は、有機ガラスのような有機化合物(ポリメチル・メタクリレート)又はシリコン化合物若しくは金属酸化物のような無機物質を含んでもよい。オプションとして、平坦化層114は、パッシベーション層119を覆ってもよく、パッシベーション層119は、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiO2)、メチル・メタクリレート(PMMA)、又はベンゾシクロブテン(BCB)のような無機絶縁材料で作られてもよい。パッシベーション層119は、基板110から透過する水蒸気及び酸素ガスを更に隔離することができる。
【0143】
ピクセル定義層115は、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、又はナノインプリント・リソグラフィなどの方法を用いることで処理を行って開口を形成してもよい。開口の幅は、ディスプレイの解像度、ピクセル密度、及びサブピクセル密度に基づいてもよい。開口部は、凹状構造の形状であってもよく、開口部の長手方向部分は、M字型構造又はダム構造によるものであり、長手方向部分の凹部は、垂直な又は傾斜した側壁を備えていてもよい。更に、三角錐、ピラミッド、半円のような複数のタイプの凹状構造が、ピクセル定義層115の表面に形成されてもよい。例えば、
図3Aに示すピクセル定義層115は、傾斜した側壁を備えたM字型構造の開口を形成する。オプションとして、ピクセル定義領域115は、平坦化層114上に配置されてもよい。ピクセル定義層115は、インクジェット印刷、シルク・スクリーン印刷、ラミネーション、及びスピン・コーティングのような複数の技術を使用して形成されてもよい。ピクセル定義層115は、有機絶縁材料又は無機絶縁材料、例えば、アクリル樹脂、酸化シリコン、窒化シリコン、又はベンゾシクロブテンで作ることができる。
【0144】
サブピクセルは、ピクセル定義層115の開口部に形成され、第1電極と、有機発光層と、第2電極とを含む。例えば、
図3Aに示すサブピクセル240は、第1電極211と、有機発光層212と、第2電極213とを含む。第1電極211はアノード電極であってもよく、第2電極213はカソード電極であってもよい。第1電極211は、平坦化層114の一部を除去することによって形成されたコンタクト・ホールを介してドライバ・トランジスタT2のドレイン電極203と接触し、開口を通じて露出され、有機発光層212と接触する。第1電極211は、金属、金属合金、導電性金属酸化物、透明な導電性材料などで作ることができる。有機発光層212は、第1電極211上に配置され、有機発光層212は、小分子有機発光層又は高分子有機発光層であってもよい。高分子有機発光層は1層のみを含む構造によるものであり、小分子有機発光層は多層構造によるものである。
図3Bに示すように、小分子構造の有機発光層は、電子注入(Electron Injection)層、電子輸送(Electron Transport)層、発光(Emission)層、正孔輸送(Hole Transport)層、及び正孔注入(Hole Injection)層を含んでもよい。具体的には、電子はカソードから電子注入層へ注入され、電子は電子注入層を通過した後に電子輸送層に入る。正孔は、アノードから正孔注入層へ注入され、正孔は、正孔注入層を通過した後に正孔輸送層に到達する。発光層に到達した後、電子と正孔は電子正孔対を形成し、その後に発光する。有機発光層の種類は、本願のこの実施形態では限定されない。
【0145】
第2電極213は、有機発光層212上に配置されており、金属、金属合金、導電性金属酸化物、透明な導電性材料などであってもよい。第1電極211及び第2電極213は、異なるケースでは異なる材料で作られてもよい。例えば、トップ・エミッションが実行される場合に、即ちサブピクセルが第2電極213の方向に光を放射する場合に、第2電極213は、透明な導電材料(酸化インジウム亜鉛IZO又は酸化インジウム錫ITOなど)により作られてもよい。第1電極211は、不透明な導電性材料(例えば、銀Ag又はITO/Ag/ITO)で作られてもよい。このように、有機発光層212から発生した光は、第2電極213を通じて放射される。トップ・エミッションの利点は、光がドライバ回路によって遮られないことである。
【0146】
TFE薄膜パッケージ層230は、発光フロント・プレーン上に配置され、AMOLEDコア層250を覆ってもよい。TFE薄膜パッケージ技術は、無機層と有機層が発光フロント・プレーン上に積層され、酸素ガスや水分の侵入を防ぐことが可能な技術である。TFE薄膜パッケージ層230は、折り曲げ可能なAMOLEDディスプレイに適用可能である。TFE薄膜パッケージ層230は、1つの有機パッケージ層及び少なくとも1つの無機パッケージ層を含んでもよい。無機パッケージ層は、酸素ガス及び水分を隔離するために使用することが可能であるが、無機パッケージ層は、不均一な特性を有する。この場合、無機パッケージ層を安定化させるために、有機パッケージ層が無機パッケージ層上に配置されてもよい。TFE薄膜パッケージ層は、低温原子層堆積(ALD)技術又は誘導結合プラズマ強化化学気相堆積(ICP‐CVD)技術を用いて作られてもよい。
【0147】
例えば、
図3AのTFE薄膜パッケージ層230は、第1無機パッケージ層116、有機パッケージ層117、及び第2無機パッケージ層118を含む。第1無機パッケージ層116は、発光フロント・プレーン252を覆い、無機材料(酸化シリコンSiO
2など)で作られる。有機パッケージ層117は、第1無機パッケージ層116の上方に配置され、ポリエチレン・テレフタレート(PET)又はポリオキシメチレン(Polyoxymethylene)のような材料で作られてもよい。第2無機パッケージ層118は、有機パッケージ層117を覆う。第2無機パッケージ層118は、酸化ケイ素(SiO
2)又は窒化ケイ素(SiN
x)のような材料で作ることが可能である。なお、本願のこの実施形態で説明されるTFE薄膜パッケージ層は、単に一例として使用されているに過ぎず、TFE薄膜パッケージ層は、代替的に、11個の無機パッケージ層と1個の有機パッケージ層とを積層することによって形成されてもよい。技術の発達に伴い、TFE薄膜パッケージ層は、代替的に、材料の層を含む可能性がある。TFE薄膜パッケージ層の構造は、本願のこの実施形態では限定されない。
【0148】
更に、ディスプレイ領域102の側面からの酸素ガス及び水蒸気の侵入を防止するために、ダム(dam)221が、絶縁中間層113上に配置されてもよい。ダム211の材料は、平坦化層114の材料と同じであってもよい。代替的に、ダム211の材料は、ピクセル定義層115の材料と同じであってもよい。
図3Aに示すように、第1無機パッケージ層116と第2無機パッケージ層118は、ダム221の近くに接続され、ダム221を覆う。従って、有機パッケージ層117の製造中に、ダム221は、有機パッケージ層の有機材料が基板110から流出するのを防止することができる。更に、ダム221は、ディスプレイ・エッジと有機発光層又は金属電極層との間の侵入距離を増加させるために使用することができ、それによって、シーリング性能を確実にする。1つ以上のダム221が存在してもよい。
【0149】
従来技術では、TFE薄膜パッケージ層は、AMOLEDディスプレイの側面をパッケージング比較的貧弱なパフォーマンスを有するので、通常、複数のダム構造が、ディスプレイの側面からの酸素ガス及び水蒸気の侵入を防止するために必要とされ、サブピクセルは、ダム構造の位置に配置することができない。その結果、AMOLEDディスプレイは、特定の幅を有する非表示領域を含む。
【0150】
マイクロLEDディスプレイ技術では、従来の無機LED構造は、マイクロ薄膜アレイ構造であるように設計され、単一のマイクロLED構成要素のサイズは約1~10μmに過ぎない。マイクロLED構成要素が製造された後、マイクロLED構成要素がTFTドライバ回路に接続され、TFTドライバ回路は単一のマイクロLED構成要素を制御して発光させる。マイクロLEDは、AMOLEDと比較して、高輝度、超高分解能、及び高発光効率の特徴を有している。更に重要なことに、マイクロLED構成要素は、水蒸気及び酸素ガスの影響を受けない。しかしながら、マイクロLEDディスプレイの量産を実現するためには、例えば、既存のミリメートル・レベルのLED構成要素のサイズをオリジナル・サイズの僅か1%に縮小する方法、及び、各々のマイクロLED構成要素が1つのTFTドライバ回路に接続されることを可能にするために、大量の加工されたマイクロLED構成要素をTFTドライバ・バックプレーンに転写する方法、のような幾つかの問題が解決されることを必要とする。特に、後者の問題については、先行技術において適切な方法は利用できない。フルハイビジョン(Full High Definition, FHD)携帯電話ディスプレイを例とし、ディスプレイの解像度が2160×1080である場合、各ピクセルは3つのサブピクセルを含む。マイクロLEDディスプレイ技術を使用することによりディスプレイが製造される場合、約700万個(2,160×1080×3個)のマイクロLED構成要素が製造され、製造された約700万個のマイクロLED構成要素がTFTドライバ・バックプレーンに移される必要がある。各マイクロLED構成要素は、1つのTFTドライバ回路に正確に接続されることを必要とする。これは、プロセスに大きな課題を課す。また、マイクロLED構成要素が移される前に、700万個のマイクロLED構成要素が発光できるかどうかが検出されることを要する。通常、発光することができないマイクロLED構成要素は、マイクロLED構成要素が移された後に修理又は交換されることを必要とする。これは、マイクロLEDディスプレイを製造する莫大なコストを生じさせる。そのため、スマートフォンの分野では、マイクロLEDディスプレイの量産はまだ実現できていない。
【0151】
本願の実施形態におけるディスプレイを説明する。ディスプレイは、ディスプレイ領域とベゼル領域に分割される。ディスプレイ領域にはAMOLEDディスプレイ技術が使用され、ベゼル領域には限られた数のマイクロLED構成要素及びドライバ回路が配置される。本願のこの実施形態によれば、ベゼル領域においても内容を表示することができ、それによって、非表示パッケージ領域を大幅に狭める。更に、大量のマイクロLEDを転写することの困難性は、現在の技術的条件の下で克服され、OLEDのシーリング条件が満たされる。
図18は、本願のこの実施形態で説明されるディスプレイを使用する携帯電話を示す。
図1Aに示した携帯電話の正面と比較すると、携帯電話の正面の面積に対する非表示領域の面積の比率は、大幅に低減されている。
【0152】
本願の実施形態は、P-Nダイオードを含むマイクロLED構成要素に関する。他のマイクロ半導体装置も、マイクロLED構成要素と同様な方式で配置されてもよいことを理解することができる。
【0153】
マイクロ発光ダイオード(micro Light Emitting Diode, micro LED)ディスプレイ技術では、LED構造はマイクロ薄膜アレイ構造であるように設計され、単一のマイクロLED構成要素のサイズは約1~10μmに過ぎない。大量のマイクロLED構成要素は、マイクロLED構成要素が製造された後、アドレス指定方式で回路基板に移され、超微小間隔のLEDを含むディスプレイを形成する。このようなディスプレイは、超高ピクセル及び超高解像度を有する。理論的には、マイクロLEDディスプレイ技術は、種々のサイズのスクリーンを製造するために使用することができる。しかしながら、大量のマイクロLED構成要素を移す技術的ボトルネックに起因して、マイクロLED技術は、現在のところ、マイクロLEDディスプレイの大量生産を実施することができない。
【0154】
以下の実施形態では、マイクロLED構成要素が水蒸気及び酸素ガスの影響を受けないという特性を利用することにより、マイクロLED構成要素をAMOLEDディスプレイのベゼル領域に配置し、ダム構造を置き換え、外部の水蒸気及び酸素ガスがAMOLEDディスプレイの側面から発光フロント・プレーンに入るのを防止する。マイクロLED構成要素は、画像を表示するように構成されてもよいので、このディスプレイ製造方法を使用することによって、ディスプレイのうちの領域であってピクチャを表示することができない領域を、効果的に低減することができる。更に、ベゼル領域を完全に覆うためには、比較的少量のマイクロLED構成要素が必要とされ、大量のマイクロLED構成要素を転写するという技術的問題は含まれない。
【0155】
マイクロLED技術は、RGB三色法、UV/青色光法、光学レンズ組成法などのような様々なフル・カラー表示法を含む。RGBの3色法は、RGBの3原色の原理に基づいており、赤色光を放出するマイクロLED構成要素、青色光を放出するマイクロLED構成要素、及び緑色光を放出するマイクロLED構成要素を使用することにより、様々な色を構成するために使用される。この方法は、現在LEDスクリーンに主に使用されている。UV/青光方法は:青色光を放射するマイクロLED構成要素の上で赤色光又は緑色光を放射する発光媒体を配置して、青色光を放射するマイクロLED構成要素に、赤色光又は緑色光を放射させることを含む。例えば、UV/青色光法が使用される場合、青色光を放出する3つのマイクロLED構成要素が1つのピクセルに配置され、緑色光を放出する発光媒体がマイクロLED構成要素の1つの上に配置され、赤色光を放出する発光媒体が別のマイクロLED構成要素の上に配置される。このようにして、ピクセルは、白色光又は任意の他の色の光を放射することができる。発光媒体は、通常、蛍光体粉末及び量子ドットに分類されるかもしれない。蛍光体粉末は、硫化物、アルミン酸塩、酸化物、ケイ酸塩、又は窒化物のような材料であってもよく、青色光を放出するマイクロLED構成要素の励起の下で、特定の波長の光を放出する。蛍光体粉末粒子のサイズは、100nm~1μmの範囲であってもよい。量子ドットは、ナノ粒子の一種であり、光によって励起された後に異なる色の光を発することができる。
【0156】
説明を容易にするため、以下の実施形態ではRGBの3色表示方法が使用される。本願の実施形態は、別の表示方法にも適用可能であることが理解され得る。
【0157】
この実施形態では、ベゼル幅、ピクセル密度、マイクロLED構成要素のサイズに基づいて、ベゼル領域内の物理ピクセルを配置する必要がある。例えば、先行技術では、ベゼル幅は通常1mmである。ディスプレイのピクセル密度が400 PPIである場合(対角線の長さが1インチであるエリアに400ピクセルがある場合)、各ピクセルの幅は約63.5μmである。例えば、15ピクセル(15×63.5μm=952.5μm)が、
図1Cに示されるベゼル領域101の幅の範囲内C-Dに配置される必要がある。従来技術では、マイクロLED構成要素のサイズは15~30μmである可能性がある。従って、2つ又は3つのマイクロLED構成要素を各ピクセルに配置することができる。
【0158】
一部の実施形態では、従来のRGB構成方式を使用してもよい。具体的には、3つのマイクロLED構成要素、即ち、赤色光を放出するマイクロLED構成要素、青色光を放出するマイクロLED構成要素、緑色光を放出するマイクロLED構成要素が、各マイクロLEDピクセルに配置される。1つのピクセルは白色光又は任意の色の光を表示することが可能である。
【0159】
幾つかの他の実施形態では、2つのマイクロLED構成要素がペンタイル配置で各マイクロLEDピクセルに配置することができ、2つのマイクロLED構成要素は、赤色光を放出するマイクロLED構成要素及び緑色光を放出するマイクロLED構成要素であってもよいし、或いは青色光を放出するマイクロLED構成要素及び緑色光を放出するマイクロLED構成要素であってもよい。1つの仮想ピクセルが光を放出する場合、少なくとも3つの色:赤、緑、及び青が必要とされる。従って、1つの仮想ピクセルを表示する場合、各マイクロLEDピクセルは、赤色光を放出するマイクロLED構成要素、又は隣接するマイクロLEDピクセルに含まれる青色光を放出するマイクロLED構成要素を使用する必要がある。
【0160】
図8Aを例として使用することにより、以下、ペンタイル配置を詳細に説明する。
図8Aに示すように、
図8A-1はペンタイル配置を示し、
図8A-2はRGB配置を示す。ペンタイル配置における各ピクセルは、2つのサブピクセルを含み、RGB装置の各ピクセルは、3つのサブピクセルを含む。例えば、ピクセル810は赤色光サブピクセル801及び緑色光サブピクセル802を含み、ピクセル820は青色光サブピクセル803及び緑色光サブピクセル804を含み、ピクセル830は赤色光サブピクセル805、緑色光サブピクセル806、及び青色光サブピクセル807を含む。発光中に、ピクセル810が白色光を発するように期待される場合、ピクセル820内の青色光サブピクセル803を使用する必要がある。この場合、ピクセル810内の赤色光サブピクセル801及び緑色光サブピクセル802、及びピクセル820内の青色光サブピクセル803は、一緒に光を放出し、1つの白色仮想ピクセルを表示する。このように、同じ解像度が実現される場合に、サブピクセルの量は減る。
【0161】
本願のこの実施形態では、ピクセルは、異なる数のサブピクセルを含んでもよく、サブピクセルは、異なるソリューション、例えば、レッド_グリーン_ブルー_イエロー,レッド_グリーン_ブルー_イエロー_シアン,レッド_グリーン_ブルー_ホワイトーを使用することにより配列されてもよいことに留意すべきである。本願のこの実施形態で説明されるサブピクセル配置方法は、単に例として使用されているにすぎない。
【0162】
従来技術では、マイクロLED構成要素のサイズを更に小さくすることは困難であるので、例えば、本願の実施形態では、2つのマイクロLED構成要素が各マイクロLEDピクセルに配置される。
図5は、本願の実施形態によるAMOLEDディスプレイの平面図である。
図1に示すAMOLEDディスプレイ200と同様に、
図5に示すAMOLEDディスプレイもまた、表示領域102とベゼル領域101を含む。
図1と
図5の違いは、
図5に示すベゼル領域101は複数のピクセルを含み、各ピクセルは2つのサブピクセルを含み、各サブピクセルはマイクロLED構成要素であり、マイクロLED構成要素は赤色光、青色光、又は緑色光のうちの1つを発光することができる。例えば、ピクセル510は、サブピクセル511及び512を含むことが可能である。幾つかの実施形態において、サブピクセル511は、赤色光を放出してもよく、サブピクセル512は、緑色光を放出してもよい。幾つかの他の実施形態において、サブピクセル511は青色光を放射してもよく、サブピクセル512は緑色光を放射してもよい。マイクロLEDピクセルは、
図5に示すベゼル領域101に配置されるので、ピクチャの内容を、ベゼル領域101に表示することが可能であるが、先行技術におけるベゼルの概念が依然として使用されている。従って、
図5に示される新しいAMOLEDスクリーンの領域101は、依然としてベゼル領域と呼ばれる。
【0163】
図6は、
図5における線E-Fに沿って切断することにより得られる断面図であり、マイクロLED構成要素はパッシブ・マトリクス(Passive Matrix)駆動方式を使用している。
図3Aに示すディスプレイと同様に、
図6に示すディスプレイのディスプレイ領域102は、ドライバ回路バックプレーン、発光フロント・プレーン、及びTFEパッケージ層を含む。
図3Aに示すディスプレイの構造と比較して、マイクロLED構成要素は、
図6に示すディスプレイのベゼル領域101に配置され、マイクロLED構成要素は、ダム構造の機能を有し、且つグラフィカル・ユーザ・インターフェースを表示することができる。
【0164】
図6に示すマイクロLED構成要素500は、
図7に示す垂直型のマイクロLED構造であってもよい。
図6に示すマイクロLED構成要素の構造は、単に一例として使用されていることに留意すべきである。異なる駆動方法に基づいて、マイクロLED構成要素は代替的にフリップ・タイプのマイクロLED構成要素であってもよい。以下、詳細を説明する。
【0165】
図7は縦型マイクロLED構造を示す。
図7に示すように、マイクロLED構成要素500は、トップ電極511、ボトム電極512、及びp-nダイオードを含んでもよい。p-nダイオードは、nドープ層(n-doped layer)523、pドープ層(p-doped layer)521、及び量子井戸層(quantum well layers)522を含んでもよい。1つ以上の量子井戸層が存在してもよい。
図7に示すように、pドープ層521は、nドープ層523の上方に位置する。幾つかの他の実施形態では、nドープ層523は、pドープ層521の上方に位置してもよい。トップ電極511及びボトム電極512は、金属、導電性酸化物、及び導電性ポリマーを含む様々な導電性材料で作られていてもよい。トップ電極511は、第4電極502と接触してもよく、ボトム電極512は、ボンディング層513を使用することによって、第3電極501に結合されてもよい。ボンディング層513は、錫、インジウム、又はそれらの合金のようなはんだ材料で作ることができる。
【0166】
図11は、フリップ・タイプのマイクロLED構成要素を示す。
図7に示すマイクロLED構成要素と同様に、
図11に示すマイクロLED構成要素は、トップ電極511、ボトム電極512、及びp-nダイオードを含む。p-nダイオードは、nドープ層(n-doped layer)523、pドープ層(p-doped layer)521、及び量子井戸層(quantum well layers)522を含んでもよい。
図7に示すマイクロLED構成要素とは異なり、
図11に示すマイクロLED構成要素500のトップ電極511及びボトム電極512の双方は、マイクロLED構成要素500のボトムに位置し、ボンディング層513に接続される。nドープ層(n-doped layer)523は、1つの電極、例えば、
図10に示す第3電極501と、ボトム電極512及びボンディング層513を介して接触する。pドープ層(p-doped layer)521は、別の電極、例えば、
図10に示す第4電極502と、トップ電極511及びボンディング層513を介して接触する。フリップ・タイプのマイクロLED構成要素の利点は、第3電極と第4電極を同一平面に配置することができる点である。このようにして、第3電極と第4電極は、別々に製造されることを必要とせずに、同時に製造されることが可能である。これは、製造プロセスの困難性を低減する。
【0167】
マイクロLED構成要素に接続される第3電極と第4電極は、プロセスや要件に応じて、AMOLEDディスプレイのベゼル領域内の異なる位置に配置されてもよい。AMOLEDディスプレイの既存の製造プロセスを最大限に活用して、本願の実施形態におけるディスプレイを製造する困難性を軽減するために、
図6に示す第3電極501は絶縁中間層113の上に配置されてもよい。幾つかの他の実施形態では、
図16に示すように、第3電極501は、ゲート絶縁層112上に配置され、絶縁中間層113におけるホールを貫通した後に露出され、マイクロLED構成要素500と接触する。マイクロLED構成要素500は、ボンディング層513を使用することにより、第3電極501に固定されてもよい。パッシベーション層119は、第3電極501及びマイクロLED構成要素500を覆い、マイクロLED構成要素500に接続されたボトム電極を、マイクロLED構成要素500に接続されたトップ電極から絶縁することができる。更に、パッシベーション層119は、マイクロLED構成要素500の側壁を、トップ電極又はボトム電極から更に絶縁することができる。幾つかの実施形態において、パッシベーション層119は、マイクロLED構成要素500が設置された後に製造されてもよい。オプションとして、パッシベーション層119は、先ず、マイクロLED構成要素500及び第3電極501を完全に覆うように作られてもよい。次いで、マイクロLED構成要素500を露出させるために、パッシベーション層119にスルー・ホールが設けられる。以下、その具体的な製造方法を詳細に説明する。
【0168】
幾つかの実施形態では、マイクロLED構成要素500はパッシベーション層の上に突出し、マイクロLED構成要素500のトップ電極のパッシベーション層の残存がエッチングによって除去され、その後、第4電極502が形成され、マイクロLED構成要素500に接続される。
【0169】
図6に示す第4電極502は、パッシベーション層119の上に配置されてもよく、パッシベーション層119によって形成されたノッチを介して、露出されたマイクロLED構成要素500と接触する。第3電極501及び第4電極502は、異なるケースでは異なる材料で構成されてもよい。例えば、第3電極501は、透明な導電材料(酸化インジウム亜鉛IZO又は酸化インジウム錫ITOなど)で作られてもよい。第4電極502は、不透明な導電性材料(銀Ag又はITO/Ag/ITOなど)で作られてもよい。一部の実施形態では、第3電極501はカソードとして使用されることが可能であり、第4電極502はアノードとして使用されることが可能であり、第3電極501と第4電極502の両方がドライバICに接続され、ドライバICはマイクロLEDドライバICである。幾つかの実施形態では、
図6に示すように、LS光遮蔽層(light-shield layer)120が、第3電極501の上に配置されてもよい。LS光遮蔽層120は、絶縁機能を有し、マイクロLED構成要素500のボトムから放射された光、又はマイクロLED構成要素500の側部から漏れた光を吸収することが可能であり、これによりLEDピクセル間の光のクロストークを低減することができる。
【0170】
図15は、パッシブ・マトリクス駆動方式が使用される別の実施形態の概略図である。
【0171】
図6に示すディスプレイ200と同様に、マイクロLED構成要素が、
図15に示すディスプレイ200のベゼル領域101に配置され、第3電極501が絶縁中間層113に配置され、マイクロLED構成要素が第3電極501に配置され、第4電極502がパッシベーション層119に配置される。
図6と
図15の間の相違は、
図15に示されるディスプレイ200の平坦化層114が、第3電極501を覆うためにベゼル領域まで延びている点である。第3電極501は、平坦化層114の部分領域を除去することによって露出され、その後、マイクロLED構成要素500に接続される。
【0172】
図8Bは、本願の実施形態による、ディスプレイのベゼル領域におけるマイクロLED構成要素の配列シーケンスの概略図である。
【0173】
図8Bに示すように、マイクロLED構成要素はパッシブ・マトリクス駆動方式を使用し、複数の第3電極501及び複数の第4電極502は全てマイクロLEDドライバIC (図示せず)に接続されている。第3電極501は、電極層として理解することが可能であり、複数のマイクロLED構成要素のそれぞれの1つの電極は、電極層に接触している。同様に、第4電極502は電極層として理解されてもよい。
【0174】
図8Bに示すように、ベゼル領域のマイクロLED構成要素はペンタイル状に配列されている。例えば、ピクセル702は、1つの赤色サブピクセル及び1つの緑色サブピクセルを含み、ピクセル701は、1つの青色サブピクセル及び1つの緑色サブピクセルを含む。第4電極502上に位置するサブピクセルは、ブルー_グリーン_ブルー_グリーンとレッド_グリーン_レッド_グリーンの2つのシーケンスで左から右へ交互に配置される。サブピクセルが交互に2つのシーケンスで配列される
図8Bに示される方法、即ち、レッド_グリーンとブルー_グリーンは、単に一例として使用されているに過ぎないことに留意すべきである。幾つかの他の実施態様において、
図9に示すように、第4電極502に位置するサブピクセルは、レッド_グリーン_ブルー_グリーンの順で左から右に配列される。この配列シーケンスは、赤色ピクセル又は青色ピクセルが、垂直線を形成することを防ぎ、それによって表示品質を改善することができる。幾つかの他の実施形態では、ベゼル領域内のマイクロLED構成要素は、ベイヤー形態で配置されてもよい。
【0175】
図10は、
図5の線C-Dに沿って切断することによって得られる別の断面図を示しており、マイクロLED構成要素は、
図11に示されるフリップ・タイプ構造によるものであり、アクティブ・マトリクス(Active Matrix)駆動方式で発光を駆動する。
【0176】
図10に示すように、マイクロLED構成要素に加えて、マイクロLED構成要素を制御するために使用されるTFTドライバ回路が、ベゼル領域101に更に配置される。例えば、TFTドライバ回路は、
図10のトランジスタT3及びトランジスタT4を含んでもよい。例えば、
図10に示す実施形態では、2T1Cピクセル・ドライバ回路を使用して、マイクロLED構成要素を駆動して発光させることができる。オプションとして、平坦化層114は、ベゼル領域101まで延びる。このようにして、平坦化層114は、マイクロLED構成要素のための平面を提供することができ、電極形成プロセスは、よりシンプルである。
【0177】
図10に示すマイクロLED構成要素は、
図11に示すフリップ・タイプのマイクロLED構成要素であり、2つの電極に接続されている。例えば、
図10に示すマイクロLED構成要素500は、第3電極501及び第4電極502に接続される。
図11に示すマイクロLED構成要素のボトム電極512は、第3電極501と接触し、マイクロLED構成要素のトップ電極511は、第4電極502と接触する。オプションとして、全てのマイクロLED構成要素は、同じ第4電極502に接続されてもよい。第4電極502はアノードであってもよい。オプションとして、第3電極501及び第4電極502の両方が、パッシベーション層119に配置される。フリップ・タイプのマイクロLED構成要素を使用する利点は、第3電極及び第4電極の製造中に、第3電極及び第4電極を第1電極と同時に製造することができ、それにより、ディスプレイ製造の困難性を軽減できることである。
【0178】
第3電極501及び第4電極502は、ITO/Ag/ITOを用いて構成することが可能であり、第3電極501及び第4電極502の形成プロセスは、第1電極211の形成プロセスと同じである。
図10に示すように、第3電極501は、パッシベーション層119及び平坦化層114の一部を除去することによって形成されたコンタクト・ホールを介して、2T1Cドライバ回路内のドライバ・トランジスタのドレイン電極と接触している。例えば、
図10に示すマイクロLED構成要素500に接続された第3電極501は、トランジスタT4のドレイン電極と接触している。
【0179】
TFE薄膜パッケージ構造230は、マイクロLED構成要素500を覆う。オプションとして、
図10に示す第3電極501及び第4電極502は、LS遮光層(図示せず)で覆ってもよい。
図10に示すマイクロLED構成要素は、
図8Bに示すRGBG方式で配置されてもよい。マイクロLED構成要素の配置方式は、本願のこの実施形態では限定されないことが理解されよう。
【0180】
図17に示すように、他の幾つかの実施形態では、ディスプレイ200の平坦化層114は、ベゼル領域101まで延びておらず、第3電極501は、パッシベーション層119の一部を除去することによって形成されたコンタクト・ホールを介してトランジスタT4と接触する。このように、パッシベーション層の既存の製造プロセスを変更する必要はない。
【0181】
図12は、マイクロLED構成要素用のアクティブ・ドライバ回路の接続方式を示す。
図12は、3つの破線ボックスを示し、各ボックスは、発光するためにマイクロLED構成要素を駆動するために使用されるドライバ回路を表す。
図12に示す3つのマイクロLED構成要素のドライバ回路の接続方式は、単に一例として使用されているに過ぎないことが理解されるべきである。この接続方式は、全てのマイクロLED構成要素に対するドライバ回路の接続に使用することができる。
【0182】
図4に示す2T1Cドライバ回路と同様に、各ドライバ回路は、2つのトランジスタと1つのキャパシタを含む。一方のトランジスタはスイッチング・トランジスタであり、他方のトランジスタはドライバ・トランジスタである。例えば、T3がスイッチング・トランジスタであってもよく、T4がドライバ・トランジスタであってもよい。T3、T4、及びキャパシタCは、マイクロLED構成要素を共同で駆動して発光させる。
図4に示す2T1Cドライバ回路とは異なり、
図12に示すマイクロLED構成要素は、ドライバ・トランジスタ及び正電位VDDに接続される。例えば、全てのマイクロLED構成要素は、正電位VDDを伝達する電極、例えば、
図10に示す第4電極502に共に接続される。ドライバ・トランジスタのソース電極は、負電位VSSに接続される。オプションとして、光調整方式は、パルス幅変調(PWM)方式であってもよい。この回路接続方式の利点は、OLEDドライバ回路を部分的に利用できる点である。例えば、
図12に示すスイッチング・トランジスタに接続されるスキャン信号Vscanは、AMLOEDスクリーンのゲート・ドライバ回路を使用することにより出力されてもよい。オプションとして、ゲート・ドライバ回路は、集積ゲート・ドライバ回路(Gate driver On Array, GOA)であってもよく、ゲート・ドライバ回路は、ドライブ・バックプレーンに集積される。このようにして、材料コスト及び製造プロセス・コストを低減することができる。信号Vdataは、マイクロLEDドライバICによって出力されてもよい。このように、マイクロLED構成要素を駆動してスキャン信号Vscanを出力する回路を別々に配置する必要はない。
【0183】
本願のこの実施形態では、AMOLEDディスプレイの製造上の困難性を軽減するために、ベゼル領域のマイクロLED構成要素に接続された第3電極及び第4電極は、AMOLEDディスプレイの既存の処理プロセスを用いて製造することができる。
【0184】
幾つかの実施形態では、
図6に示す第4電極502、
図10に示す第3電極及び第4電極はすべて、第1電極211の処理プロセスを用いて形成されてもよい。以下、
図13を参照して具体的な説明を行う。
【0185】
【0186】
S1401.導電性材料をコーティングする。
【0187】
図6に示すように、AMOLEDがトップ・エミッション・モードを使用する場合、第1電極211は、ITO/Ag/ITO薄膜材料を使用することによって形成されてもよい。ITO/Ag/ITO薄膜材料の製造方法は、パッシベーション層119上にITO層、Ag層、及びITO層を連続的にコーティングし、次いで、ITO/Ag/ITO薄膜材料を形成することを含む。ITO層は透明層であり、Ag層は不透明層である。マイクロLED構成要素が上方に発光することを確実にするために、第4電極502は、透明な材料で作られる必要がある。従って、Ag層の製造中に、フォトマスクがベゼル領域101の上方に追加されてもよく、ITO層のみが保持される。換言すれば、表示領域102にコーティングされる導電性材料は、ITO/Ag/ITO薄膜材料であり、ベゼル領域101でコーティングされた導電性材料は、ITO薄膜材料である。
【0188】
S1402.導電性材料に感光性材料をコーティングする。
【0189】
感光性物質はフォトレジストであってもよく、光を照射した後に溶解する。
【0190】
S1403.フォトマスクを使用する露光によって回路パターンを形成する。
【0191】
既存のプロセスでは、第1電極221の回路パターンがフォトマスクに追加されてもよく、第1電極221の回路パターンは露光によって感光性材料の上に表示される。光が照射される部品は除去されることを要し、保持されることを要する回路は、フォトマスクで遮蔽される部分であって光で照射されない部分である。幾つかの実施形態では、マイクロLED構成要素が受動駆動方式を使用する場合に、
図6に示す第1電極221及び第4電極502の回路パターンはフォトマスクに追加されてもよい。露光が回路パターンに対して実行された後に、第1電極211と第4電極502の回路パターンが表示される。
【0192】
他の実施形態において、マイクロLED構成要素がアクティブ・マトリクス駆動方式を使用する場合、
図10に示す第1電極221、第3電極501、第4電極502の回路パターンがフォトマスクに追加されてもよい。露光が回路パターンに対して実行された後に、第1電極211、第3電極501、第4電極502の回路パターンが表示される。
【0193】
S1404.電極を形成する。
【0194】
回路パターン領域の導電性材料はエッチングにより保持され、次いで感光性材料は電極を得るために除去される。幾つかの実施形態では、電極は、
図6に示す第1電極221及び第4電極502を含む。
【0195】
幾つかの他の実施形態では、電極は、
図10に示す第1電極221、第3電極501、第4電極502を含む。
【0196】
幾つかの実施形態では、
図6に示す第3電極501は、TFTドライバ回路バックプレーンの処理プロセスを使用することにより形成されてもよい。以下、
図14を参照して具体的な説明を行う。
【0197】
図14は、TFTドライバ回路バックプレーンの製造方法を示す。
【0198】
S1501.半導体層を形成する。
【0199】
多結晶シリコン層がバッファ層に形成され、半導体層はパターニング・プロセスを使用することにより形成される。
【0200】
S1502.ゲート絶縁層を形成する。
【0201】
酸化ケイ素のような無機材料が半導体層の全面に堆積されてゲート絶縁層を形成する。
【0202】
S1503.ゲート電極を形成する。
【0203】
具体的には、スパッタリング法を使用することにより、金属層がゲート絶縁層に堆積され、次いで、ゲート電極を形成するためにパターニング・プロセスを使用することにより処理されてもよい。パターニング・プロセスについては、
図13に示す電極処理プロセスが参照されてもよい。幾つかの実施形態では、フォトマスクに第3電極501の回路パターンを追加することにより、ゲート電極が形成される場合に、第3電極501を形成することができる。第3電極501は、ゲート絶縁層に位置する。
【0204】
S1504.絶縁中間層を形成する。
【0205】
酸化ケイ素のような無機材料がゲート電極に堆積され、絶縁中間層を形成する。
【0206】
S1505.ソース電極とドレイン電極を形成する。
【0207】
半導体層を露出させるために、絶縁中間層とゲート絶縁層はエッチングされる。金属層が絶縁中間層上に堆積され、パターニング・プロセスを使用することにより処理されてソース電極とドレイン電極を形成する。幾つかの実施形態において、第3電極501は代替的にこのステップで形成されてもよい。具体的な方法については、S1503を参照することができる。フォトマスクに第3電極501の回路パターンを付加することにより、ソース電極とドレイン電極とが形成される際に第3電極501を形成することができる。第3電極501は、絶縁中間層に位置する。
【0208】
本願の実施形態では、マイクロLED構成要素が水蒸気に敏感でないという性質を利用することにより、マイクロLED構成要素をAMOLEDスクリーンのベゼル領域に配置し、水蒸気を遮るために使用されるダム構造物と置換する。これは、フル・スクリーン表示の効果を達成する。更に、ベゼル領域では、少数のマイクロLED構成要素が転写されることを必要とし、それによって多数のマイクロLED構成要素を転写する困難性を効果的に回避することができる。本願の実施形態で説明されるAMOLEDスクリーンのマイクロLED領域は、AMOLEDスクリーンを製造するための既存の技術を使用することによって形成され、製造上の困難性を可能な限り低減することができる。
【0209】
説明の目的のため、上記説明は、具体的な実施形態を参照して説明されている。しかしながら、前述の例示的な説明は、詳らかに詳述されるようには意図されておらず、本願を開示された厳密な形態に限定するようにも意図されていない。上記の教示内容によれば、多くの修正の形態及び変形の形態が可能である。実施形態は、本願の原理及び原理の実際的な適用を完全に説明するために選択されて説明され、それにより、当業者は、想定される特定の用途に適用可能な種々の修正を有する種々の実施形態及び本願を十分に使用することができる。