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特許7259111物体の少なくとも1つの寸法を測定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】物体の少なくとも1つの寸法を測定する方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/04 20060101AFI20230410BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20230410BHJP
   B23Q 17/20 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
G01B11/04 H
B23Q17/24 B
B23Q17/20 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022051743
(22)【出願日】2022-03-28
(62)【分割の表示】P 2016131200の分割
【原出願日】2016-07-01
(65)【公開番号】P2022095744
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】15174953.8
(32)【優先日】2015-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モージュ, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャコ, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ペランジャケ, オリヴィエ
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-091007(JP,A)
【文献】特開2006-234399(JP,A)
【文献】特開2002-170799(JP,A)
【文献】特開2005-172046(JP,A)
【文献】特開昭59-136608(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0170049(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/04
B23Q 17/24
B23Q 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体(1)の少なくとも1つの寸法(L)を測定する方法であって、光センサ(111)を含む第1光学システム(11)の使用を含む方法において、
前記物体が前記第1光学システムに対して動いているときに、前記光センサから少なくとも1つの連続データを得るステップと、
前記少なくとも1つの寸法を数値化するために、前記連続データを処理するステップと、を含み、
前記処理は、前記連続データから、前記物体の2つの端部または2つの特徴的要素の距離を判断して、前記少なくとも1つの寸法に対応する複数の見掛け値を推測し、前記複数の見掛け値に基づく計算により、前記少なくとも1つの寸法の値を決定することを含み、
前記複数の見掛け値に基づく計算は、前記物体の回転軸に関する角度位置(α)に対する見掛け値の極値を抽出して、前記寸法の値を決定する、
測定方法。
【請求項2】
前記光センサは、テレセントリックレンズ(112)と連携する、
請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
リメート光源の使用、またはテレセントリックレンズ(122)と連携する光源(121)を含むテレセントリック照明第2光学システム(12)の使用を含む、
請求項1または2に記載の測定方法。
【請求項4】
記複数の見掛け値のそれぞれは、前記第1光学システムに対する前記物体の位置と連携する、及びまたは複数の寸法に関する複数の連続データが光センサから同時に得られる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項5】
記計算は、前記複数の見掛け値の平均の計算、及びまたは前記複数の見掛け値の補間の計算を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの連続データを得るステップは、前記物体が液体(22)に浸されるときに実施され、前記データは前記液体の容器(21)の少なくとも1つの壁(211)を介して及び前記液体を介して得られる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項7】
体(1)の少なくとも1つの寸法(L)を測定するための装置(100)であって、
センサ(111)を含む、第1光学システム(11)と、
光センサから連続データを取得するための要素(31)と、
前記連続データを処理するための要素(32)と、
を含む装置において、
前記装置は、前記物体を前記第1光学システムに対して動かす要素(41)、を含み、
前記処理は、前記連続データから、前記物体の2つの端部または2つの特徴的要素の距離を判断して、前記少なくとも1つの寸法に対応する複数の見掛け値を推測し、前記複数の見掛け値に基づく計算により、前記少なくとも1つの寸法の値を決定することを含み、
前記複数の見掛け値に基づく計算は、前記物体の回転軸に関する角度位置(α)に対する見掛け値の極値を抽出して、前記寸法の値を決定する、
装置(100)。
【請求項8】
リメート光源、またはテレセントリックレンズ(122)と連携する光源(121)を含むテレセントリック照明第2光学システム(12)、を含む、
請求項7に記載の測定装置。
【請求項9】
前記物体(1)の軸方向と、前記テレセントリックレンズ(112)の光軸方向は、直交または実質的に直交である、
請求項7または8に記載の測定装置。
【請求項10】
体を収容するための容器(21)を含み、前記容器は少なくとも1つの透明壁(211)を有する、
請求項7から9のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項11】
前記物体は、支持体を介して機械に結合され、前記物体が浸される液体(22)を収容する容器(21)を使用することを含み、前記測定方法は前記物体を前記機械から事前に除去することなく、前記容器の少なくとも1つの壁(211)及び前記液体経由で前記少なくとも1つの寸法を表すデータを取得することを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項12】
前記光センサ(111)は、テレセントリックレンズ(112)と連携する、
請求項7から10のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項13】
請求項1から6または11のいずれか一項に記載の測定方法の使用、及びまたは請求項7から10または12のいずれか一項に記載の測定装置の使用、を含む、物体の製造方法。
【請求項14】
前記物体は、時計の部品である、請求項13に記載の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の少なくとも1つの寸法を測定する光学的方法に関する。本発明はまた、物体を製造する方法、特に当該測定方法を用いた機械加工方法に関する。本発明は更に、上述の製造方法により作成された物体に関する。本発明は最後に、当該物体を含む、時計ムーブメントまたは時計、特に腕時計に関する。
【0002】
工作機械の開発は、機械加工誤差を低減させることにより、正確性の向上を目指すものである。多くの例の1つとして、ムーブメントの性能の向上と組立製造ラインの処理能力の向上のために、部品の製造の正確性の向上を目指す、機械時計を挙げることができる。他の例は、自動車、医療、宇宙、航空及びエレクトロニクス業界に関する。
【0003】
このような向上への探求は、工作機器の作業条件により困難となっている。これは、特に、カムタイプであれ数値制御式であれ、棒材用旋盤で特に言えることであるが、さらに切屑の生成による素材を除去する工程を有する他の全ての機械に言える。例えば、構造やガイドの正確性の最適化など、通常の方法でこれら機械の固有の正確性を更に向上させることは難しい。実際、残存する機械加工誤差、例えば熱歪み、静的歪み、可動要素(ツールを支持する機械)の位置決めの非再現性やツールの摩耗は、すでに最小閾値に達しており、それ以上の向上は難しい。しかしながら、残存する誤差は、例えば時計製造などいくつかの適用においては、大きすぎる。
【0004】
工作機器は、その場にセンサを設置することで性能を向上させることには不適応である。なぜならばセンサは、切削液や切屑の存在でもたらされる過酷な環境により著しく悪化するためである。ワークと、機械のツールまたは特定の稼働要素の製造工程中の位置を測定するセンサを用いて、またその後当該測定をリアルタイムで機械の制御または修正に用いることによる、繰り返し精度の向上のためのいくつかの方法がこれまで検討された。
【0005】
棒材用旋盤(また旋盤、トランスファーマシンなど)といった工作機器は、一般的には、ワークの製造中に認められた機械加工誤差を修正するための1以上の装置を含む。これら装置は、数値制御式工作機械の場合には数値ツール修正機、またはカム型機械の場合にはマイクロメータねじ締め装置の、いずれかである。修正は、一般的には、製造ラインで機械を監視するオペレータが手動で行う。
【0006】
例えばLVDT誘電センサまたは光学定規といった、機械のスピンドルに搭載された位置センサなど、可動機械要素を測定する様々なシステムが存在する。しかしながら、こうしたセンサは、製造されたワークの寸法を測定しない。
【0007】
例えばレーザバリアや、他の光ゲージシステム、または他の物理法則を用いたシステムなど、ワークを直接測定する解決策も存在する。原則として、このタイプの測定は、接触を引き起こすことで動作する。測定はその後、工作機械の軸追跡システム上で読み取られる。軸追跡センサを介した測定のアプローチでは、要求される性能を得ることはできない。更に、小さなワークの場合、こうした解決策の多くは非常に「侵害的」であり、したがって実装が非常に困難である。
【0008】
まとめると、これら測定解決策は、内在する欠点のため、いずれも物体の、特にミリメートル規模の旋回物体タイプの時計部品の、サイズまたは寸法(直径、長さ)を正確に測定するために必要な分解能と再現性を達成することはできない。
【0009】
特許文献1は、ワークを回転することで、円筒形ワークのさまざまな区域の直径及び同心性を測定する測定装置を開示する。ワークを光学システムに位置決めすることについてなんら情報は与えられていない。
【0010】
特許文献2は、垂直の変位と回転の変位により、円筒形物体の物体に沿った直径を測定する方法を開示する。照明システム、及び一次元タイプの検出器が用いられる。システムに物体を位置決めすることについて特段の言及はない。
【0011】
特許文献3は、一方が一次元タイプであり、他方が二次元タイプである、2つのセンサの組み合わせによるテレセントリックタイプの光学システムにおいて、円筒形物体の直径及び同心性を測定する装置を開示する。システムに物体を位置決めすることは、当該文献の主題ではない。
【0012】
特許文献4は、異なる作動距離において連続画像を取得するために、光軸に沿って移動可能なテーブルを含む、反射型顕微鏡タイプの測定システムを開示する。連続画像は、ワークの様々な高さでの焦点を判断することを可能とする。その後、関心のある寸法の測定のため、関心のあるそれぞれの位置zにおいて画像が撮られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開2008-102040号公報
【文献】フランス特許出願公開第2646904号
【文献】米国特許出願公開第2002/041381号
【文献】米国特許出願公開第2012/194673号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、製造された物体、特に素材の除去または素材の堆積により製造された物体の測定の正確性を向上する測定方法を提供することにある。特に、本発明は、小さなサイズの物体の寸法の、迅速且つ正確且つ信頼性の高い測定を実施すること、すなわち物体の寸法の測定をより単純に且つより信頼性を高くすることができる方法を提供する。更に、本発明は、同一物体の複数の寸法を同時に且つ迅速に、製造環境において、物体を事前に洗浄することなく、機械加工液内または互換性のある液体内で、正確な測定を実施することを可能とする方法を提供する。
【0015】
請求項1は、本発明に係る測定方法を定義する。
【0016】
従属請求項2から6は、前記方法の様々な実施形態を定義する。
【0017】
請求項7は、本発明に係る測定装置を定義する。
【0018】
従属請求項8から10は、前記測定装置の様々な実施形態を定義する。
【0019】
請求項11は、本発明に係る測定方法を定義する。
【0020】
請求項12は、本発明に係る測定装置を定義する。
【0021】
請求項13から14は、本発明に係る製造方法を定義する。
【0024】
添付の図面は、例として、本発明に係る装置の一実施形態および、本発明に係る測定方法の一実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明に係る装置の一実施例の図である。
図2図2は、測定支持具に搭載された、機械加工されるワークの側面図である。
図3図3は、見掛け上の測定に対する作動距離の影響を示すグラフである。
図4図4は、見掛け上の測定に対する傾斜の影響を示すグラフである。
図5図5は、見掛け上の測定に対する、傾斜と作動距離の組み合わせの影響を示すグラフである。
図6図6は、本発明に係る測定方法の一実施形態のフローチャートである。
図7図7は、本発明に係る時計の第一実施形態の図である。
図8図8は、本発明に係る時計の第二実施形態の図である。
【発明の詳細な説明】
【0026】
物体1またはワークの寸法Lを測定するための装置100の一実施形態を、図1を参照して以下に説明する。装置、及び後述する測定方法は、小さい部品、特に回転するミリメートル規模の物体、特に10mm以下の物体の測定に特に適しており、工作機械タイプの環境で用いることができる。装置及び方法は、特に、時計部品の寸法の測定に適している。
【0027】
ここで、物体は第1軸2、例えば回転軸を有すると仮定する。装置は以下を含む。
- 以下の説明で第2光軸113と称される光軸113を有し、好ましくはレンズ112と連携する光センサ111を含む、第1光学システム11と、
- 光センサからデータを取得するための要素31と、
- データの処理のための要素32と、
- 物体を第1光学システムに対して移動させるためのアクチュエータ41または要素であって、特に第1軸を第2軸に対して角運動させるための要素、及びまたは物体を第1軸周りに回転運動させるための要素、及びまたは物体を第2軸に沿って並進運動させるための要素。
【0028】
上記に代わりまたは上記に加えて、物体1の寸法Lを測定するための装置は、レンズ112と連携する光センサ111を含む第1光学システム11に加えて、
- 液体22、特に機械加工液または同様の化学的性質を有する液体、を収納するための容器21であって、透明壁211を少なくとも1つ有する容器、
を含む。
【0029】
測定装置は、有利には、以下の説明では第3光軸123と称する光学軸123を有するコリメート光源、または以下では第3光軸123と称する光学軸123、特に第2軸と一致する第3軸、を有するテレセントリックレンズ122と連携する光源121を含むテレセントリック照明第2光学システム12、を含む。
【0030】
光学センサは、二次元光学センサまたはCMOSビデオカメラまたはCCDビデオカメラであってもよい。
【0031】
第1及び第2軸は、有利には、直交または実質的に直交である。
【0032】
光センサ111は、有利には、テレセントリックレンズ112と連携する。
【0033】
測定装置は、空中で、または機械加工環境と両立できる環境で機能可能に設計される。更に詳細には、測定装置は、二次元テレセントリック光学センサの測定平面に対して物体を移動させることを含む、動的測定を可能とする。測定装置は、空中の物体に対して、または液体に浸した物体に対して、機能するよう設計される。物体は、センサの測定平面に対する物体の相対的運動を可能とする、マニピュレータに支持されてもよい。物体は、例えば光学センサまたは測定装置がワークに対して測定平面を移動可能とする移動エレメント41またはアクチュエータに設置されるときに、工作機械のスピンドルまたは把持具により把持されてもよい。代替的に、測定中把持される代わりに、物体は空気中または液浴中で自由に移動可能でもよい。
【0034】
測定装置は、測定の品質を落とすことなく、液体、特に切削油、または機械加工液、または当該液体が清潔で均質であることを条件として、加工油剤と互換性のあるまたは同様の性質の他の液体で充填されてよい。これは、特に容器の両側に位置する特に光学ガラス板で形成される透明壁211、212が実質的に、または完全に、同一である事実によって、実現可能である。装置はこのため、屈折率の観点から対称になり、この効果として、装置に入射する光に対する全ての光学変化は、装置から出射するときに修正される。
【0035】
処理要素32は、プロセッサ321及びメモリ322を含む。処理要素はまた、アクチュエータ41を制御するための要素を含んでもよい。
【0036】
測定装置はまた、ヒューマン・マシン・インターフェース33を含んでもよい。処理要素32はその場合、ヒューマン・マシン・インターフェース33に接続される。インターフェースは特に、寸法Lの計算値または決定値を表示するための要素を含む。当該要素は、その他のデータ、特に寸法の見掛け値及びまたは寸法及びまたは較正標準を表示してもよい。ヒューマン・マシン・インターフェースはまた、データ及びコマンドを取り込む要素を含んでもよい。
【0037】
取得要素及びまたは処理要素は、コンピュータで実装されてもよい。特に、取得要素は第1ソフトウェアモジュールを含み、及びまたは処理要素は第2ソフトウェアモジュールを含んでもよい。ヒューマン・マシン・インターフェース33は、コンピュータのヒューマン・マシン・インターフェースであってもよい。
【0038】
物体1の寸法Lを測定する方法の一実施形態を、図3から図6を参照して、以下に説明する。
【0039】
物体は第1軸2、特に回転軸を有すると仮定する。
【0040】
方法は、上述の測定装置、特に光センサ111含み第2光軸113を有する第1光学システム11の使用を含む。第1光学システムは、センサ111上に物体の鮮明な画像を形成する。
【0041】
このため、方法の第1ステップ510において、測定装置100が提供される。測定装置は、元の位置で、即ちワークの機械に対するセッティングを変更することなく、ワークに対して配置及びまたは位置させることができ、ワークは素材の除去または素材の堆積により形作られるために、機械上に設置される。代替的に、測定装置は、例えば1つ以上の連続するワークの形成中に、素材の除去または素材の堆積により形作られた後に、測定可能に提供されてもよい。特に、機械は工作機械、とりわけ棒材用旋盤であってもよい。
【0042】
測定装置を提供するステップは、機械上でワークを修正する処理のいかなる段階で実施されてもよいことを付記する。当該ステップは、機械上でワークが修正される前に実施されてもよい。これに代わりまたはこれに加えて、当該ステップは機械上でのワークの修正の2つの段階の間に、例えば2つの機械加工段階の間に、実施することもできる。これに代わりまたはこれに加えて、当該ステップは機械上でのワークの修正の1以上の段階を終了した後に実施することもできる。代替的に、測定装置を提供するステップは、機械加工が完了しワークが機械から除去された後に実施されてもよい。
【0043】
ステップ510中、有利には、測定装置の容器内には、機械加工液、洗浄液、または同様の化学的性質及びまたは互換性のある性質の液体、すなわちワークを当該液体に浸した後に、ワークにも、また機械上でのワークの形成処理にも影響を与えない液体、が収容される。測定装置は、ワークが容器内の液体に浸されるよう、ワークに対して及びまたは機械に対して配置される。液体の性質は、好ましくは、ワークを事前に洗浄する必要なく当該液体に浸すことができる性質のものである。
【0044】
例えば、ワークは、例えば、1以上の主軸及びまたは1以上のクランプ及びまたは1以上のスピンドル及びまたは例えば真空把持システムといった把持システムにより、把持される。
【0045】
第2ステップ520において、ワークは、測定装置に対して、特に第1光学システムに対して、移動を継続するまたは移動させられる。移動は、有利には、第1軸2周りのワークの回転を含む。当該ワークの移動は、上述の主軸または複数の主軸、及びまたはクランプまたは複数のクランプ、及びまたはスピンドルまたは複数のスピンドル、及びまたは上述した把持システムの回転によりもたらされる。当該移動は、例えば機械によりもたらされる。代替的に、当該移動は、機械と連携する補助装置によりもたらされる。これに代えてまたはこれに加えて、装置は、ワークに対して測定装置を移動可能とする。
【0046】
これに加えて、ワークは、第1軸2が第2軸113に対して、特に第4軸3または第4軸3に実質的に平行な軸周りに、角変位するよう、移動されてもよい。当該移動は、好ましくは、走査中に第1軸2及び第2軸113が少なくとも一時的に直交するような、セクタの角度的な走査を含む。当該移動は、例えば機械によりもたらされる。代替的に、当該移動は、機械と連携する補助装置によりもたらされる。これに代えてまたはこれに加えて、アクチュエータ41がワークに対して測定装置を移動させることができる。
【0047】
またこれに加えて、ワークは測定装置に対して第2軸113に沿って、特に第1光学システム11に対して、並進移動させることができる。当該移動は、好ましくは、走査中にワークが第1光学システム11からの最適な作動距離に少なくとも一時的にあるような、セグメントの走査を含む。当該移動は、例えば機械によりもたらされる。代替的に、当該移動は、機械と連携する補助装置によりもたらされる。これに代えてまたはこれに加えて、測定装置のアクチュエータ41がワークに対して測定装置を移動することができる。
【0048】
第3ステップ530において、上述のように、物体が第1光学システムに対して移動中に、光学センサから少なくとも1つの連続データを収集する。実際、光センサ111の各種ピクセルのレベルにおいて、異なる時点で、受信した照明データが、データ取得要素31に送信される。当該収集要素の出力から、数量化が求められる少なくとも1つの寸法Lの複数の見掛け寸法または複数の値を含む、少なくとも1つの連続データが得られる。当該取得要素のレベルで実施される処理は、当業者に既知である。光学システムにより、特にレンズ112により、ワークの2つの端部または2つの特徴的要素の画像に対応する光学センサの2つのピクセルを隔てている距離を判断し、当該距離からワークの寸法の見掛け値を推測することができる。換言すれば、連続データは、第1光学システムに対するワークの異なる位置に対応する連続する寸法の見掛け値、に対応する。
【0049】
有利には、物体を第1光学システムに対して移動させる要素41は、ステップ530中、物体を一定のまたは実質的に一定の速度で移動可能である。好ましくは、物体を第1光学システムに対して移動させる要素41は、ステッピングアクチュエータ、またはステッピングモータとして用いられるアクチュエータ、ではない。ステップ530において、物体が第1光学システムに対して移動中に、光学センサから少なくとも1つの連続データが収集される。しかしながら、物体が静止しているときにはデータ収集はされず、物体はデータ収集の2つの連続する段階間に移動される。
【0050】
当該第3ステップにおいて、物体が液体22に浸されている間に、少なくとも1つの連続データが有利に得られる。データはこのため、液体21の壁211を介して、また液体を介して得られる。第2光学システム12が存在する場合、光線もまた容器の壁212を通過する。
【0051】
上記に加えて、データを取得するステップは、較正標準91、92またはピンゲージに関連する、少なくとも1つの第2連続データを得ることを含む。この第2連続データは、正確に知られている較正された寸法に関連し、続く処理ステップにおいて、少なくとも1つの寸法Lの複数の見掛け値を含む連続データを修正することが可能となる。
【0052】
データを取得するステップは、有利には、物体の少なくとも1つの追加寸法L’、L”、...に関する少なくとも1つの追加連続データを取得することを含む。この少なくとも1つの追加連続データは、寸法の複数の見掛け値を含む、例えば直径、長さ、幅、厚さ、深さ、高さといった物体のいかなる寸法に関連していてもよい。本発明の決定的な利点は、同一の寸法に関する及びまたは異なる寸法に関する複数の連続データを、データを取得する同一のステップで取得することができ、単一のステップで複数の寸法を判断することができる点である。
【0053】
第4ステップ540において、少なくも1つの連続データは処理され、寸法Lが数値化される。処理は、前段階で取得された寸法Lの見掛け値に基づく計算により、寸法Lの値を決定することを含む。
【0054】
計算は、見掛け値の平均の計算を含むことができ、特に処理ステップを受けて決定されまたは計算された値は、連続データの見掛け値の平均であってもよい。
【0055】
これに代えてまたはこれに加えて、計算は、見掛け値の補間、特に多項式補間、及びまたは極値抽出を含んでもよい。これら計算は、当業者に既知である。
【0056】
これに代えてまたはこれに加えて、計算は、正確に知られている、較正された寸法に関する第2連続データに基づき見掛け値を修正することを含んでもよい。
【0057】
任意で、追加ステップにおいて、寸法Lまたは各種寸法の値を、工作機械の制御に用いてもよく、即ちサーボ制御ループまたは閉ループを用いて要求される寸法値をより良く狙うために、機械加工パラメータを修正することに用いてもよい。
【0058】
測定は、このため以下の原則に基づき、もたらされる。
- ワークは、ワークが「完璧な位置」、すなわち測定平面4内に測定すべき寸法が入る位置を通過するよう、第1光学システム11と関連付けられた(理想作動距離に対応する)測定平面4に対して動かされる。
- 一連の移動にわたり、測定装置のセンサは、複数の画像(例えば、1秒あたり30画像)を収集し、取得要素は、要求される見掛け値(見掛けの寸法)を抽出する。
- 処理要素は、見掛けの寸法の開法を、ワークの測定装置に対する移動パラメータの関数として決定し、その後、例えば状況に応じた2、4、6、または8次の多項式近似により、数値補正(適合)に進む。
- 開法関数、すなわち見掛けの寸法をワークの測定装置に対する位置を反映するデータにリンクする関係は、極値を特徴とする。極値の値は、多項式近似により抽出され、その後測定値、すなわち寸法の測定が保持される。
【0059】
ワークの動的移動中の測定は、ワークを光学場に位置するときの、主として2つのタイプの誤差を回避することができる。
I. 作動距離の影響としての、見掛け値のひずみ、
II. 光学場内の姿勢による、ワークの座屈(測定すべき寸法が、測定用に用いられる光線の方向に直角でない)。
【0060】
こうした各種影響は図3から図5に示され、以下に詳細に説明される。
【0061】
測定は、ワーク上の液膜の存在や、測定システムの光学に関連する問題を軽減することを可能とする媒体内で行うことができる。機械加工中や機械加工後のように、ワークが液体で覆われている場合、測定すべきワークはワークを洗浄し乾燥することを必要としない液体で充填された測定装置の容器内に導入される。
【0062】
測定方法は、有利には、レンズ112と連携する光センサ111を含む第1光学システム11及び物体が浸される機械加工液22または同様の化学的性質の液体を収容する容器21を用いる。測定方法はこのため、有利には、容器の壁211及び液体を経由した寸法データの取得を含む。
【0063】
有利には、測定方法は、第3光軸123を有するコリメート光源、または第3光軸123を有するテレセントリックレンズ122と連携する光源121を含むテレセントリック照明第2光学システム12の使用を含む。コリメート光源または第2光学システムは、平行光線により光学場を作成することを可能とする。当該光学場に位置される物体は光線をブロックし、これによりセンサ111の高さにおいて、画像がシルエットで形成される。
【0064】
本発明はまた、上述の測定方法の使用及びまたは上述の測定装置の使用を含む、物体の製造方法に関する。本発明はこのため、本発明に係る測定方法及びまたは本発明に係る測定装置を用いた、製造方法に関する。
【0065】
本発明は更に、上述の製造方法を用いて製造された物体1またはワーク1に関する。
【0066】
本発明は最後に、上述の物体またはワークを含む、時計ムーブメント110または時計120、特に腕時計、に関する。図7及び図8は、本発明に係る時計の第1及び第2実施形態を模式的に表示するものである。
【0067】
本解決方法は、機械加工環境(切削液)に適合し、その場でまたは機械を離れた直後に、数秒以内に、機械加工されたワークの直径と長さを、0.015μm程度の分解能及び±0.2から0.5μmの繰り返し精度で、測定することを可能とする。
【0068】
2つのタイプの装置で試験を行った。
- 0.4×の倍率と、対応する直径6mmの光学場を有するテレセントリックレンズを含む、Keyence TM 006装置。
- 14×10.7mmから3.6×2.7mmの3つのサイズの光学場をもたらす、0.5×、1×及び2×の3つの倍率の統合を可能とする装置であって、1628×1238ピクセル(200万ピクセル)を有するビデオカメラと、安定化された緑色LEDによる照明を含む、装置。
【0069】
使用される各種装置の第1特性評価及び測定環境、すなわち空気、切削液及びベンゼン型洗浄製品の影響の特性を示すため、テストベンチが用いられた。ワーク1は、較正標準の役割を果たし、図2に示すワークの測定と同時に基準測定の実施を可能とする、較正された直径の2つのクランプ91、92で把持される。
【0070】
測定安定性結果は、複数の画像の平均値を寸法の測定として使用可能とする、測定のガウス統計的性質を確認する。±0.1μmの長期安定性(寸法の測定に対する3σ)が得られた。繰り返し精度試験の結果は、±0.1μm以下の数値からなる。
【0071】
Blasomill B22型機械加工液による測定装置内に存在する切削液の影響の特性評価によると、機械加工液の存在は測定を悪化させるものの、完全に許容範囲内であることがわかる。60画像以上で平均した測定において、液体の存在の影響は、原理上は粒子の存在に最も繊細な2×の最大倍率を用いても、いくつかのケースでは事実上感知できない。
【0072】
図2は、上述の測定装置を用いて測定される物体の典型例である、香箱真を示す。測定可能な物体の典型的な特徴は以下の通りである。
- 物体の寸法は、1mmから20mm。
- 寸法公差は、±1から±50μmの範囲内。
- 測定される特徴の大まかな類型は、長さ、スパン、直径、面取り、角、ワーク、特に回転ワーク(例えばフック)の周囲の突起要素の存在、等。
【0073】
異なる手法を用いて異なる環境で得られた測定は、ガウス分布において、測定値(画像解析により抽出)にノイズが多いことを示す。分散は小さく、1μmより小さい。15回の平均測定において、静的繰り返し精度(すなわち、ワークの移動なしの繰り返し精度であり、測定間に60秒を置く)は、0.1μm以下の範囲に達する。
【0074】
測定装置の性能を深刻に悪化させることなく、ワークを、空中で、または液体内で、特に加工油剤や洗浄液が充填された容器内で、測定することができる。
【0075】
液体の影響は、平均で50%増加する、分散の段階で知覚できる。静的繰り返し精度は、完全に許容範囲に留まる。測定値のレベルにおいて、較正後の結果は、事実上空中のそれと同一である。
【0076】
測定装置に対するワークの位置が修正されると、測定値は、用語の幾何学的意味において「真の値」(つまり、ツルーイングと光学的焦点合わせを行ったもの)である、最適値を通過する。これにより、ワークの位置決めにより発生する誤差を迂回することができる。用語の計測学的意味における正確な値は、装置を較正することで得られる。ここで、装置は事前に及びまたは事後に較正することができ、例えばピンゲージまたは較正標準91、92を同時に測定することもできる。
【0077】
図3に、作動距離の関数としての、値の歪みの影響を示す。グラフは、横軸に(理想作動距離に対して表される)作動距離WDを、縦軸に香箱真の少なくとも1つの寸法Lを測定するときの見掛け値を示す。
【0078】
ワークの座屈の影響は、測定されるべき寸法が測定に用いる光学場の光線に直角でないことから引き起こされる。寸法Lの寸法または見掛けの寸法Lmは、測定されるべき寸法と光軸に直角の方向で形成される角度αと、寸法の高さでのワークの深さPの関数として、以下の数式で定義される。
【0079】
【数1】
【0080】
測定された寸法は、上述の影響に依存し、直線的に結合、すなわち重畳されて以下のようになる。
最適な作動距離において、最大または最小。
0傾斜において、 最小または最大。
【0081】
図4は、(ワークの傾斜Tにより引き起こされる)幾何学上影響と、測定に作動距離WDが与える影響の例を示す。影響は、横軸にプロットされたワークの傾斜角度と縦軸にプロットされた作動距離との関数として、公称値に対する長さ差として表される。
【0082】
このように測定装置は、特に小さなサイズの時計部品の直径及び長さを決定することを可能にすることが見て取れる。測定は、特に装置の光学場に対してワークが移動する中での画像取得及び寸法の動的測定により、迅速且つ信頼性が高い。正確な寸法は、各種画像に対する測定を処理することで事後に決定される。最終分析において、多数のぼやけた画像を元に、測定装置は測定すべき各寸法について鮮明な画像を数学的処理により演繹することができる。換言すれば、同一の寸法に対して、光学センサから、寸法の複数の異なる値を定義する連続データが得られる。連続データは処理され、寸法の正確な値が得られる。
【0083】
光学システムの倍率は、物体またはセンサを動かす必要なしに、センサが物体の全体の画像を取得できるように、選択することができる。代替的に、光学システムの倍率は、センサが、測定を必要とする重要な寸法を含む、物体の一部分の画像を取得できるように選択することもできる。
【0084】
前述の通り、測定は、例えば加工油剤の浴など液浴で行うことができ、これにより工業的製造環境での装置の使用を単純化できる。
【0085】
測定原則は、特に円筒対称性を有する回転部品に対して適用することができる。対称軸周りに部品を回転することでワークの同心性を把握することができ、同様に、例えば香箱真の角部またはフックなど、非円筒または非対称部分の寸法を把握することができる。もちろん他のタイプのワークの測定も可能である。
【0086】
本発明の全ての実施形態において、光学センサは二次元光学センサまたはCMOSビデオカメラまたはCCDビデオカメラであってもよい。
【0087】
本発明の全ての実施形態において、データを得るステップは、較正標準91、92またはピンゲージに関連する少なくとも1つの連続データを得ることを含んでもよい。
【0088】
本発明の全ての実施形態において、処理は、較正標準91、92またはピンゲージに関連する少なくとも1つの連続データを用いた、寸法の見掛け値に基づく操作による、寸法の値の決定を含んでもよい。
【0089】
本明細書において、「物体の寸法(dimension)」とは、特に、長さまたは幅または深さまたは厚さまたは高さまたは物体が回転形状を有する場合には直径を意味する。
【0090】
提案する解決策によれば、以下が可能となる。
- 一般的に測定の正確性及び繰り返し精度を悪化させる、工作機械の加工領域の望ましくない環境を回避すること。これは、ワークを、機械加工に用いられる潤滑液または加工油剤のいずれかまたは互換性のあるまたは同様の化学的性質を有する他の液体である、液体内で直接に測定することで達成される。この方法は、高品質の光学測定を可能とする。加工油剤を測定媒体として用いることで、ワークを洗浄する問題、測定すべきワークの境界問題(ワーク上の液膜の存在)から生じる誤差、及び機械加工媒体内のレンズの清潔性に関連する問題を回避することができる。
- 高解像度高周波ビデオカメラ及び非常に高速の画像分析知能の使用により、時間間隔あたり非常に大量の測定を行うこと(測定は数十分の一秒しかかからない)。当該原則は、各必要な寸法の平均値のみを記憶し、または特に小さなサイズのワークに対しては好ましくは測定の数学上の適合の曲線の値を用い、または2つの方法の組み合わせを用いることを可能とする。これにより、信頼性の高い結果が保証される。
- コリメート光源、高解像度高周波CCDまたはCMOSビデオカメラに連結したテレセントリックレンズ、及びワークの動的測定を可能とするワークまたはセンサを操作する運動学的システムを用いて、(例えば、直径や長さといった)寸法を測定すること。動的測定及びデータの処理は、ワークの「完璧な」アラインメントに対応する測定値を抽出し、光学的焦点誤差を排除することを可能にする。
- 測定すべき寸法の最終値を得るために、特に理想的な傾斜及び作動距離(焦点面及びゼロ傾斜)に対応する「完璧な」位置へ戻る必要性なくして、単一の連続画像に基づき、寸法の測定を実施すること。現存の計測機械で実装されるこうした再ポジショニングは、多くの場合、機械の有効性に不利益となるような長時間を要し、有限精度と変位手段のヒステリシスに固有のポジショニング誤差のため絶対に完全になることはない。この再ポジショニング誤差は、測定すべき寸法の最終値に対する不可避的測定誤差をもたらす。
- 光学場の物体の位置(特に、その傾斜及び作動距離)の関数として、各種見掛けの寸法に、数値あてはめ(numerical fit)を行うことで、同一の連続画像に基づき、同時に物体の複数の寸法の測定を実施すること。測定すべき各寸法に特有の画像または連続画像を取得する必要はない。
- 0.015μm程度の解像度を達成すること。測定の解像度は、光学倍率、ビデオカメラのセンサのピクセルのサイズ、および可能となる階調の数に依存する。示された解像度は、ビデオカメラを向上する(より高いピクセル密度)、及びレンズの品質を向上することで、向上することができる。
- 定期的に測定される内蔵基準を通じて、測定システムのいかなる偏差も回避すること。実際、測定の迅速さは、較正ワークを頻繁に測定することを可能とし、このため測定装置自身の潜在的ドリフト(相対的制御または測定)の多くを防止できる。このため、測定は、非常に正確な較正標準に対して得られることになる。
- この測定方法は、素材を除去する全ての工作機械、または素材を堆積する全ての機械で用いることができる。
- この測定方法は、外乱やドリフトにかかわらず、測定された寸法とその設定値間の差を制限し修正するために、工作機械の閉ループサーボ制御に用いることができる。
【0091】
現存する機械と比較した当該アプローチの利点は主として以下の通りである。
- 画像が移動中に取得される。
- (測定を含む)画像取得が、(運動学的または画像加算のない)全視野である。
- 光学システムに対してワークを傾斜させることにより、支持体の必要性をなくすことができる。
- 測定は、製造工程(機械加工、素材の堆積)と同じ環境で実施される。
【0092】
当該解決策は、他の著しい利点も有する。解決策は、同時に複数の寸法の測定を可能とする、即ち測定を一回利用することで、異なる寸法(長さ、直径等)にそれぞれ関連する複数の連続データを生成することができる。
【0093】
ワークの移動と連続画像取得の組み合わせは、以下の制御を可能とする。
- 直径/長さ比、ツールの半径、ツールの摩耗等のワークにより生じる影響。
- 傾斜の関数として最小または最大長さを探すことによる、長さの測定。
【符号の説明】
【0094】
1 物体
2 第1軸
11 第1光学システム
12 テレセントリック照明第2光学システム
21 容器
100 装置
111 光センサ
112 レンズ
113 第2軸
121 光源
122 テレセントリックレンズ
123 第3光軸
211 透明壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8