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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】シールテープ巻付装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 81/06 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
B65H81/06 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018216006
(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2020070189
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(72)【発明者】
【氏名】前田 明裕
(72)【発明者】
【氏名】宮川 英行
(72)【発明者】
【氏名】小田 邦朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝洋
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-065874(JP,A)
【文献】特開平10-025060(JP,A)
【文献】特公昭32-004174(JP,B2)
【文献】特開2008-162712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 81/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端にネジ部を形成した中空筒状ワークのネジ部を、駆動ローラと押圧ローラ間の作業空間に位置させ駆動ローラとの間にシールテープが介在するように押圧し、駆動ローラの回転に伴って従動回転させることで送出されるシールテープをネジ部に巻付けるシールテープ巻付装置であって、
ワークの軸心を前記駆動ローラの軸心と略平行となるように鉛直方向に積み重ねて収納するワークホルダと、
前記駆動ローラの軸心と略直交する方向に移動する対となる爪部を備えたワーク挟持機構と、
該ワーク挟持機構に挟持されたワークを前記作業空間まで移動させる、先端にワーク挿入ピンを配備したワーク押出機構とを備え、
前記ワークホルダは、下端部にワークを排出する排出口及び該排出口の対面に前記ワーク挟持機構の切出爪部の通過を許容する挿通口を形成し、
前記ワーク挟持機構は、前記切出爪部及び該切出爪部と対向する位置から前記排出口に向かって移動しワークを保持する保持爪部を備え、挟持したワークの軸心と前記ワーク挿入ピンの軸心とが略一致する位置まで移動させる移動機構を有し、
前記ワーク押出機構は、前記ワーク挿入ピンを、ワークに挿通するとともに、ワークと共に前記駆動ローラの軸心を略平行方向に前記作業空間まで移動させる移動機構を備えているシールテープ巻付装置。
【請求項4】
前記規制板は、前記保持爪が排出口近傍に移動したことを検知する検知手段によって作動する請求項3に記載のシールテープ巻付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端部にネジ部を形成した中空状ワークのネジ部にシールテープを巻き付けるシールテープ巻付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、中空状のワーク、例えば管用のテーパネジ継手の雄ネジ部にシールテープを巻き付けるシールテープの自動巻付機を開発し、手動によるシールテープの巻き付け作業の省力化と手作業による巻き付け品質のばらつきの低減を図ってきた。
【0003】
また、本出願人がが開発したシールテープの自動巻付機は、図5に示すように、中空筒状ワークWのネジ部Waを、駆動ローラ10と押圧ローラ11、11間の作業空間に位置させ、駆動ローラ10との間にシールテープTが介在するように押圧ローラ11、11で押圧する。そして、ネジ部Waが駆動ローラ10に押しつけられることで駆動ローラ10の回転に伴ってネジ部Waが従動回転する。これによって駆動ローラ10とネジ部Waの間に送出されるシールテープTがワークWのネジ部Waに巻付けられる。
【0004】
しかし、このシールテープの自動巻付機は、シールテープの巻き付け自体は駆動ローラと押圧ローラ間の作業空間で、自動で行われるものの、ワークを作業空間へ位置させるために図6に示すように作業者がワークを掴んで作業空間Sまで運ぶ必要があった。作業者がワークを掴んでいることから作業中にワークを落下させてしまう等の問題があった。係る点に鑑み、出願人が提案するシールテープ巻付機では、ワークをアタッチメントのワーク保持部に取り付け、アタッチメント毎駆動ローラと押圧ローラの間の作業空間に移動させるワークローダを備えることでワークを人手によって作業空間まで運ぶ作業を解消するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公昭55-18233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、のシールテープ巻付機は、ワークを1個ずつアタッチメントのワーク保持部に取り付ける作業を人手によって行わなければならず、一人の作業者が装置に張り付くこととなり、完全な自動化を行うことができないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、人手を介在させることなくシールテープを巻き付ける作業空間にワークを連続して供給することのできるシールテープ巻付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るテープ巻付装置は、少なくとも一端にネジ部を形成した中空筒状ワークのネジ部を、駆動ローラと押圧ローラ間の作業空間に位置させ駆動ローラとの間にシールテープが介在するように押圧し、駆動ローラの回転に伴って従動回転させることで送出されるシールテープをネジ部に巻付けるシールテープ巻付装置において、
ワークの軸心を前記駆動ローラの軸心と略平行となるように鉛直方向に積み重ねて収納するワークホルダと、
駆動ローラの軸心と略直交する方向に移動する対となる爪部を備えたワーク挟持機構と、
ワーク挟持機構に挟持されたワークを作業空間まで移動させる、先端にワーク挿入ピンを配備したワーク押出機構とを備え、
ワークホルダは、下端部にワークを排出する排出口及びこの排出口の対面にワーク挟持機構の切出爪部の通過を許容する挿通口を形成し、
ワーク挟持機構は、切出爪部及びこの切出爪部と対向する位置から排出口に向かって移動しワークを保持する保持爪部を備え、挟持したワークの軸心とワーク挿入ピンの軸心とが略一致する位置まで移動させ、
ワーク押出機構は、ワーク挿入ピンを、ワークに挿通するとともに、ワークと共に駆動ローラの軸心と略平行方向に作業空間まで移動させる移動機構を備えている。
【0009】
このテープ巻付装置は、ワークホルダに積み重ねられたワークを、人手によることなく順に作業空間に移動させる。
【0010】
この場合において、ワークホルダは、ワーク長手方向の端面に当接する調整板と該調整板の位置を調整する調整手段を備えることができる。
【0011】
また、ワークホルダの排出口には、ワークの排出を規制する規制板を備え、該規制板はワーク挟持機構の動作と連動して前記排出口を開閉できる。
【0012】
さらに、規制板は、前記保持爪が排出口近傍に移動したことを検知する検知手段によって作動させることができる。
【0013】
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シールテープ巻付装置の前に作業者が常駐することなく連続してワークにシールテープを巻き付ける作業を行うことができる。また、ワークホルダに調整板と調整手段を備えることで複数のワークサイズに対応することができる。更に、ワークホルダの排出口に規制板を設けることで自重により落下するワークが排出口に詰まることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係るシールテープ巻付装置の概略を正面から見た概略図である。
図2】同シールテープ巻付装置のワーク挟持機構の動作を説明する正面図で、(a)は保持爪部の先端が排出口からワークホルダ2内に侵入した状態を、(b)は(a)の状態から切出爪部が挿通口から侵入し、保持爪部との間にワークを挟持した状態を、(c)は(b)の状態からさらに切出爪部が前進するとともに、保持爪部が後退しワークの軸心とワーク挿入ピンの軸心が略一致した状態をそれぞれ示す。
図3】同シールテープ巻付装置のワーク挟持機構及びワーク押出機構を示す一部切欠きの平面図である。
図4】同シールテープ巻付装置のワークホルダの説明図、(a)は調整手段部分で切断した断面図、(b)は排出口及び挿通口の位置で切欠いた斜視図である。
図5】シールテープの巻き付けを説明するための斜視図である。
図6】従来、シールテープ巻付装置でワークにテープを巻き付ける際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0017】
<実施形態1>
図1図3に、本発明の実施形態1を示す。
【0018】
このテープ巻付装置1は、少なくとも一端にネジ部Waを形成した中空筒状ワークWのネジ部Waを、駆動ローラ10と押圧ローラ11間の作業空間Sに位置させ駆動ローラ10との間にシールテープTが介在するように押圧ローラ11によって押圧し、駆動ローラ10の回転に伴って従動回転させることで送出されるシールテープTをネジ部Waに巻付けるもので、ワークWの軸心SC0を駆動ローラ10の軸心SC1と略平行となるように鉛直方向に積み重ねて収納するワークホルダ2と、駆動ローラ10の軸心SC1と略直交する方向に移動する対となる爪部を備えたワーク挟持機構3と、ワーク挟持機構3に挟持されたワークWを作業空間Sまで移動させる、先端にワーク挿入ピン40を配備したワーク押出機構4とを備えている。そして、ワークホルダ2は、下端部にワークを排出する排出口20及びこの排出口20の対面にワーク挟持機構3の切出爪部31の通過を許容する挿通口21を形成する。ワーク挟持機構3は、切出爪部31及び切出爪部31と対向する位置から排出口20に向かって移動しワークを保持する保持爪部32を備え、挟持したワークWの軸心SC0とワーク挿入ピン40の軸心SC2とが略一致する位置まで移動させる移動機構を有している。ワーク押出機構4は、ワーク挿入ピン40を、ワークWに挿通させるとともに、ワークWと共に駆動ローラ10の軸心SC1と略平行方向に作業空間Sまで移動させる移動機構41を備えている。
【0019】
中空筒状ワークWは、例えば、R1/8~R3/4の管用のテーパ雄ネジである。通常両端にネジ部を有するが、一方がテーパのネジ部Waであれば他方は平行ネジ部であっても平行ネジ部にナットが取り付いた状態のものであっても構わない。また、一端にシールテープTを巻き付ける雄ネジ部を形成しておれば、他端側は雌ネジが形成されたアダプタであっても構わない。
【0020】
駆動ローラ10は、その材質は特に限定するものではないが、本実施形態では駆動ローラ10を駆動させる駆動手段(例えば、電動モータ等)の駆動軸又は駆動軸の先端と繋がる金属製の回転軸の周面に嵌合された弾性部材(例えば、環状のウレタンゴム)で構成されている。
【0021】
押圧ローラ11は、本実施形態においては図に示すように正面視して上下に2個配設される。押圧ローラ11は、スライドユニット14によって駆動ローラ10の軸心SC1と略直交方向に移動する。スライドユニット14は、押圧ローラ10によってワークWのネジ部Waを駆動ローラに押し付けるだけの押圧力を発揮するものであれば特に限定するものではなく、本実施形態ではガイド付きのエアシリンダを使用している。
【0022】
この押圧ローラ11は、シールテープTを巻き付けるワークWのサイズに応じて、外径、押圧ローラ間の距離が異なるように複数用意することが好ましい。例えば、R1/8用、R1/4とR3/8、R1/2とR3/4は兼用の3種類の押圧ローラ構造体13(押圧ローラ11と押圧ローラ取付体12)とすることができる。本発明者らの実験によると、押圧ローラ11の周面には対応するワークWのネジ部Waに合わせたネジ部を形成してワークWを駆動ローラ10に押圧することで、押圧ローラ11の回転に伴う軸方向の移動を抑制することができるため各ワークWのサイズR1/8~R3/4に合わせ、5種類の押圧ローラ構造体13を用意することが好ましいことが分かった。
【0023】
駆動ローラ10と2つの押圧ローラ11、11の周面近接部で結ばれた三角の領域がシールテープTを巻き付ける作業空間Sとなる。
【0024】
そして、本実施形態のテープ巻付装置1は、この作業空間SにワークWのネジ部Waを位置させるワーク押出機構4に連続的にワークWを供給するワークホルダ2とワーク挟持機構3とを備えている。
【0025】
[ワークホルダ]
ワークホルダ2は、内部にワークWの最大サイズであるR3/4の継手が収納できる空間を有し、ワークを縦積みできるように構成されている。具体的には、排出口20を下端部に備えた前板22、前板22に連なる側板23、23、両側板23、23に連なる後板24から構成され、後板24の下端部の排出口20に対向する位置に、後述するワーク挟持機構3の切出爪部31の通過を許容する挿通口21が開口されている。
【0026】
そして、両側板23、23には、ワーク長手方向の端面に当接する調整板25の位置を調整する調整手段26が配設される。調整板25は側板23と略同一の長さ(下端部が排出口20及び挿通口21に到達しない長さ)を有し、両側板23、23に合わせて対向するように2枚配設されワークホルダ2の内部空間の側板23、23間の距離を規制する。
【0027】
調整板25の位置を調整する調整手段26は、その構成は特に限定するものではなく、また、その配設位置も特に限定するものではないが、本実施形態においては、上端下端の2箇所に配設する。本実施形態の調整手段26は、調整板25に皿ビス等の固着手段で取り付けられる移動板26Aと、移動板26Aに対して回動自在に、かつ、先端が止め輪等によって抜け防止され、側板23に形成された雌ネジ部(本実施形態ではナット26Bを溶接して形成する。)に螺合する雄ネジ部を備えた先端を特殊加工したボルト26Cを使用している。
【0028】
調整手段26のボルト26Cを捻じ込むことでワークホルダ2の内部空間の側板23、23間の距離が短くなり、R1/8のサイズに対応し、反対に回すことでR3/4のサイズにも対応する。また、図に示すように、ワークの長手方向だけでなく、径方向についても調整板25とワークホルダ2の後板24に同様の構成の調整手段26を配設することが好ましい。この径方向の調整では、ワークWは調整板25と前板22の内面でその位置が規制される。
【0029】
ワークWの径方向の規制は、調整板25に後板24を貫通する軸を配設するとともに、軸にコイルばねを嵌挿させ、常時、調整板25を前板22側に付勢するように構成することもできる。
【0030】
ワークホルダ2内のワークWは、ワーク挟持機構3にワークWが挟持されて移動している間はワーク挟持機構3の切出爪部31上に載置された状態である。この状態から切出爪部31が挿通口21側に移動する際に積み上がったワーク全体がワークWの1個分の高さだけ自重により落下する。その際、一番下に位置するワークWは排出口20側に転がり積み上がった状態が崩れ、排出口前でワークが詰まることが想定される。このようにワークWが意図せず排出口20側に転がり出るとワーク挟持機構3によるワークWの挟持ができない。そのため本実施形態においては、ワークホルダ2の排出口20には、ワークWの排出を規制する規制板を配設するようにしている。この規制板は、ワーク挟持機構3の動作と連動して排出口20を開閉するようにしている。
【0031】
規制板(図示省略)は、弾性の板状部材を、排出口20の一部を覆うように配設し、自重による落下程度の衝撃で当たっても撓むことがなく、切出爪31の押圧によっては撓んでワークWの通過を許容する程度に厚みを調整することでその機能を果たすことができる。
【0032】
また、規制板は機械的なシャッタ式として、排出口20側からワークWを保持する保持爪部32が排出口20に近づいたことを検知して排出口20を開放するように構成することができる。保持爪部32の検知は近接センサ等の電気的手段により検知し、シャッタ式の規制板を電気的に上方に引き上げるようにすることができる。
【0033】
また、検知手段は、保持爪部32又は切出爪部31の下面が摺動する排出口20の近傍に機械的な突出部を設け、保持爪部32が排出部20に近接し、突起部を押し下げることによって機械的に排出口20を覆うシャッタ式の規制板が上方に引き上がるように構成しても構わない。
【0034】
[ワーク挟持機構]
ワーク挟持機構3は、ワークホルダ2の排出口20側から積み上がったワークWの一番下にあるワークWの長手方向側面に当接する保持爪部32と、挿通口21側から同じくワークWの長手方向側面に当接する切出爪部31とそれぞれの爪部を駆動ローラ10の軸心SC1と直交する方向に移動させる移動機構34、33とから構成されている。
【0035】
移動機構33、34は、爪部でワークWを挟持する程度の挟持力があれば特に限定するものではなく、本実施形態においては空圧のガイド付きシリンダを使用する。また、ワーク押出機構4の移動機構41も同様のシリンダを使用するようにしている。
【0036】
切出爪部31及び保持爪部32の原点位置は、図1に示すように、切出爪部31は挿入孔21から若干離れた位置、保持爪部32はワークWを挟持したとき、ワークWの軸心SC0が、ワーク押出機構4のワーク挿入ピン40の軸心SC02と一致する位置である。この位置はワークWのサイズによって若干異なるため、保持爪部32は、ワークWの軸心SC0と直交する方向に微調整可能に移動機構34に取り付けられる。また、移動機構34を、ワークWの軸心SC0と直交する方向に微調整可能に架体(ベースプレート)に取り付けるようにしても構わない。
【0037】
切出爪部31及び保持爪部32の動作順を、図2(a)~図2(c)に示す。まず、保持爪部32が原点位置からワークホルダ2に向かって移動し、先端が排出口20からワークホルダ2内に侵入する。この際、ワークWのサイズによって、ワークWと保持爪部32とが当接する場合と当接しない場合がある。本実施形態では、ワークWのサイズが比較的小さいとき(R1/8やR1/4)の例を示し、保持爪部32はワークWから若干離れた状態である(図2(a)参照)。但し、爪部を各ワークサイズに合致させ取り替えるようにすることでワークWと爪部の位置を合致させることは可能である。
【0038】
次いで、切出爪部31が、挿入孔21を通過し、ワークWの長手方向側面に当接し、さらにワークWの反対側の長手方向側面が保持爪部32に当接するまで移動する(図2(b)参照)。
【0039】
この際、搬送されるワークホルダ2内の一番下のワークWは、両爪部の傾斜した切欠き部(本実施形態では、ワークWの六角部に合わせた120°の鈍角で構成されている。)にワークWの六角部が当接し、底面から若干持ち上がり、搬送されるワークWより上のワークWも全体に持ち上がり、切出爪部31の上面に位置することとなる。このワークWの上側への移動は、ワークWのサイズ、爪部の厚みによって異なり、上述したように爪部もワークWに応じて取り替えることもできる。
【0040】
ワークWを、切出爪部31及び保持爪部32によって挟持した状態で両爪部はワークWの軸心SC0がワーク押出機構4のワーク挿入ピン40の軸心SC02と一致する位置まで移動する(図2(c)参照)
【0041】
その後、ワーク押出機構4の移動機構41が作動し、軸心が略一致しているワークWの中空部にワーク挿入ピン40が挿通させ、さらにワークWが挿通された状態のまま移動を継続させて作業空間SにワークWのネジ部Waが位置させる(図3の二点鎖線参照)。
【0042】
機械的スイッチ又は赤外線スイッチ等により、ワークWが作業空間Sに到達したことを検知すると、スライドユニット14が作動することで押圧ローラ11が移動し、ワークWを駆動ローラ10と押圧ローラで保持するとともに、シールテープTの送出及び駆動ローラ10の回転が開始されネジ部Waにシールテープが巻き付けられる。
【0043】
駆動ローラ10と押圧ローラ11、11とによってワークWが保持された状態の時にワーク押出機構4は後退し、ワークWからワーク挿入ピン40は離間しており、巻き付け作業が終了し、押圧ローラ11、11がワークWから離れるとワークWは自重により作業空間Sから傾斜レール(図示省略)上に落下し、収納箱(図示省略)に収納される。
【0044】
上述した動作を繰り返すことで、ワークホルダ2内に収納したワークWに連続、かつ、無人でシールテープの巻き付け作業を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように、本発明のシールテープ巻付装置は、新規設計のシールテープの巻付装置として好適に用いることができる他、既存のシールテープ巻付装置の改良としても好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 シールテープ巻付装置
10 駆動ローラ
11 押圧ローラ
2 ワークホルダ
20 排出口
21 挿通口
25 調整板
26 調整手段
3 ワーク挟持機構
31 切出爪部
32 保持爪部
33 移動機構
34 移動機構
4 ワーク押出機構
40 ワーク挿入ピン
41 移動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6