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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】揺動ボード
(51)【国際特許分類】
   B63B 32/00 20200101AFI20230411BHJP
   A63B 22/16 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B63B32/00
A63B22/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019097764
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020192826
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年6月29日より有限会社MIZUBEFITのインストラクターである畦山与里子のFacebookにて公開を行った。 2018年6月29日より有限会社MIZUBEFITのインストラクターである藤井紀江のInstagramにて公開を行った。 2018年6月30日より有限会社MIZUBEFITのインストラクターである畦山与里子のInstagramにて公開を行った。 2018年9月1日より、自社のウェブサイトにて公開を行った。 2018年9月1日より、ヨガマルシェ福岡2018のウェブサイトにて公開を行った。 2018年9月22日に、福岡県のザ・ルイガンズホテルにおけるフィットネス体験会にて公開を行った。 2018年9月27日より商号変更前の有限会社SEAGULLINNのInstagramにて公開を行った。 2018年10月13日から14日にかけてヨガマルシェ福岡2018の展示会にて公開を行った。 2018年10月13日より動画共有サイトのyoutubeにて公開を行った。 2018年10月17日より有限会社MIZUBEFITのインストラクターである門谷春香のFacebookにて公開を行った。 2018年10月29日より商号変更前の有限会社SEAGULLINNのFacebookにて公開を行った。 2018年12月15日より、INTERSTYLE2019のウェブサイトにて公開を行った。 2019年1月7日に、KBC九州朝日放送の「アサデス。」にて公開を行った。 2019年1月15日に、フェニックススポーツクラブにて公開を行った。 2019年2月13日から15日にかけてINTERSTYLE2019の展示会にて公開を行った。 2019年2月17日に商号変更前の有限会社SEAGULLINNのウェブサイトにて公開を行った。 2019年3月6日に、福岡アクシオンプールにて公開を行った。
(73)【特許権者】
【識別番号】517434792
【氏名又は名称】有限会社MIZUBEFIT
(74)【代理人】
【識別番号】230122655
【弁護士】
【氏名又は名称】利光 洋
(72)【発明者】
【氏名】門谷 千秋
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-194795(JP,A)
【文献】実開昭62-108962(JP,U)
【文献】実開昭61-109562(JP,U)
【文献】実開昭48-061963(JP,U)
【文献】特開2015-126858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0149374(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 32/00
A63B 22/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動ボードのボード本体における仮想重心部に貼着可能なように上面を平坦面に形成すると共に、底面中心部を上面平坦面よりも小面積の平坦面に形成し、底面の中心平坦面から底面周辺に向かって傾斜面を形成した補助揺動板と同一の揺動機能を保有させるために、
前記補助揺動板が貼着可能である前記ボード本体の前記仮想重心部の底面に、前記ボード本体の上面よりも小面積の所定広さの平坦部を形成し、平坦部周縁から前記ボード本体の周縁に向かって傾斜底面を形成することで、
前記平坦部及び前記傾斜底面が地上面に交互に接触することにより、前記揺動機能が働くようになっていると共に、
水面に浮遊することができるように前記ボード本体を形成することで、
前記ボード本体が地上面及び水面のいずれでも揺動可能なように形成されていることを特徴とする揺動ボード
【請求項2】
前記ボード本体における底面に前記補助揺動板を突設したことを特徴とする請求項に記載の揺動ボード。
【請求項3】
前記ボード本体は海上の波面を滑動することができるサーフィンボードやウインドサーフィンの機能を具備したことを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動ボード。
【請求項4】
前記ボード本体上面には前記仮想重心部を十文字交差部とした十文字歩行ガイド帯を表示したことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の揺動ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、床に載置し上に乗って体のバランス感覚を養うことができると共に、海上に浮遊していわゆるサーフボードとしてのスポーツ用具としても使用可能な揺動ボードに関する。
【0002】
従来、サーフボードは海上の波間に浮遊させ、その上に乗って波のうねりに応じて波上を滑動するためのスポーツ用具として多用されている。
【0003】
かかる従来のサーフボードはバランス感覚を養うために有効な用具ではあるが、海上の波間に浮遊させて使用する必要があり陸上でのバランス感覚養成のための用具として使用することはできないものであった。
【0004】
他方、アスレチック用具として床上にボードを置いて外底面に形成した突起物を介してボードの揺動を促し、ボード上でバランス感覚を養うように構成したものはある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3207318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、何れにしても従来のボードはアスレチック用かサーフボード用として用途が当初よりきめられ、かつ、用途に応じた形状構造に仕上げられているものであり、畢竟用途が限定的となり広範囲のスポーツ用兼練習鍛錬具として使用できるものではなかった。
【0007】
この発明では、揺動ボードのボード本体における仮想重心部に貼着可能なように上面を平坦面に形成すると共に、底面中心部を上面平坦面よりも小面積の平坦面に形成し、底面の中心平坦面から底面周辺に向かって傾斜面を形成した補助揺動板と同一の揺動機能を保有させるために、前記補助揺動板が貼着可能である前記ボード本体の前記仮想重心部の底面に、前記ボード本体の上面よりも小面積の所定広さの平坦部を形成し、平坦部周縁から前記ボード本体の周縁に向かって傾斜底面を形成することで、前記平坦部及び前記傾斜底面が地上面に交互に接触することにより、前記揺動機能が働くようになっていると共に、水面に浮遊することができるように前記ボード本体を形成することで、前記ボード本体が地上面及び水面のいずれでも揺動可能なように形成されていることを特徴とする揺動ボードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明では、揺動ボードのボード本体における仮想重心部に貼着可能なように上面を平坦面に形成すると共に、底面中心部を上面平坦面よりも小面積の平坦面に形成し、底面の中心平坦面から底面周辺に向かって傾斜面を形成した補助揺動板と同一の揺動機能を保有させるために、前記補助揺動板が貼着可能である前記ボード本体の前記仮想重心部の底面に、前記ボード本体の上面よりも小面積の所定広さの平坦部を形成し、平坦部周縁から前記ボード本体の周縁に向かって傾斜底面を形成することで、前記平坦部及び前記傾斜底面が地上面に交互に接触することにより、前記揺動機能が働くようになっていると共に、水面に浮遊することができるように前記ボード本体を形成することで、前記ボード本体が地上面及び水面のいずれでも揺動可能なように形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記ボード本体における底面に前記補助揺動板を突設したことを特徴とする。
【0011】
また、前記ボード本体は海上の波面を滑動することができるサーフィンボードやウインドサーフィンの機能を具備したことを特徴とする。
【0012】
前記ボード本体上面には前記仮想重心部を十文字交差部とした十文字歩行ガイド帯を表示したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項の発明によれば、上面を平坦面に形成した補助揺動板を揺動ボードのボード本体における仮想重心部に貼着可能とし、しかも、補助揺動板の底面中心部を上面平坦面よりも小面積の平坦面に形成して底面の中心平坦面から底面周辺に向かって周側面部分を傾斜面に形成したことにより、揺動ボードのボード本体底面にこの補助揺動板を貼着するだけで使用者が床上に揺動ボードを載置し、その上に乗ればそのままバランス感覚を保つための訓練具となり、この補助揺動板を取り外せば揺動ボードを海上に浮遊するだけでサーフボード等のスポーツ用具として使用することができる効果がある。しかも、揺動ボードを使用して床上運動をするため、サーフボード等のスポーツ用具での使用感を持ちながらバランス感覚等のアスレチック鍛錬が可能となり臨場感を有しながらバランス感覚を養う訓練を実施できる効果がある。
特に、補助揺動板の形状が周側面部分を傾斜面に形成し、かつ、揺動ボードの仮想重心部に貼着しているのでボード上に乗ってバランス感覚の訓練をする時に海上に浮遊する揺動ボードの使用感で訓練が行える効果がある。
【0014】
請求項の発明によれば、揺動ボードのボード本体における仮想重心部底面に所定広さの平坦部を形成すると共に、平坦部周縁からボード本体の周縁に向かって傾斜底面を形成することにより、ボード本体における仮想重心部底面に補助揺動板と同一の揺動機能を保有させることができることになり海上でのサーフボードの使用感を会得しながらバランス感覚養成のためのアスレチック訓練が容易に行え、一つの用具により両方の機能を得ることができる効果がある。
【0015】
請求項の発明によれば、揺動ボードのボード本体における底面に補助揺動板を突設したことにより、床上でのバランス感覚の訓練にも使用でき、補助揺動板を外せばサーフボードとして海上での使用もできることになり揺動ボードの使用用途が拡大して経済的に有利な構造とすることができる効果がある。
【0016】
請求項の発明によれば、揺動ボードのボード本体は海上の波面を滑動することができるサーフィンボードやウインドサーフィンの機能を具備したことにより、補助揺動板を貼着することでバランス感覚訓練用具として使用可能であり、外して使用すれば本来の海上でのサーフィンボードやウインドサーフィンとして使用可能となる効果がある。
【0017】
請求項の発明によれば、揺動ボードのボード本体上面には仮想重心部を十文字交差部とした十文字歩行ガイド帯を表示したしたことにより、ボード上に乗って所定のバランス個所に移動する際に十文字歩行ガイド帯に沿って移動すれば正確な仮想重心部に歩行移動することができ移動中に不用意にボードが傾動して転倒する事故を未然に防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態における補助揺動板を示す平面図である。
図2】本発明の実施形態における補助揺動板を示す側面図である。
図3】本発明の実施形態における揺動ボードを示すおもて面斜視図である。
図4】本発明の実施形態における揺動ボードを示す裏面斜視図である。
図5】本発明の実施形態における揺動ボードを示す平面図である。
図6】本発明の実施形態における図5の断面図であり、(a)は図5のA-A断面図、(b)は(a)のB-B拡大断面図である。
図7】本発明の実施形態における揺動ボードに補助揺動板を貼着した状態を示す側面図である。
図8】本発明の揺動ボードを使用したトレーニングの開始時を示す図である。
図9】本発明の揺動ボードを使用したトレーニングのトレーニングポジションを示す図である。
図10】本発明の揺動ボードを使用したトレーニングの平衡状態を示す図である。
図11】本発明の揺動ボードを使用したトレーニングの揺動状態を示す図であり、(a)は右足に力を加えた状態を示す図であり、(b)は左足に力を加えた状態を示す図である。
図12】本発明の揺動ボード上でのトレーニングの一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の要旨は、揺動ボードのボード本体における仮想重心部に貼着可能なように上面を平坦面に形成すると共に、底面中心部を上面平坦面よりも小面積の平坦面に形成し、底面の中心平坦面から底面周辺に向かって傾斜面を形成した補助揺動板と同一の揺動機能を保有させるために、前記補助揺動板が貼着可能である前記ボード本体の前記仮想重心部底面に、前記ボード本体の上面よりも小面積の所定広さの平坦部を形成、平坦部周縁から前記ボード本体の周縁に向かって傾斜底面を形成することで、前記平坦部及び前記傾斜底面が地上面に交互に接触することにより、前記揺動機能が働くようになっていると共に、水面に浮遊することができるように前記ボード本体を形成することで、前記ボード本体が地上面及び水面のいずれでも揺動可能なように形成されていることを特徴とし、また、前記ボード本体における底面に前記補助揺動板を突設したことを特徴とし、また、前記ボード本体は海上の波面を滑動することができるサーフィンボードやウインドサーフィンの機能を具備したことを特徴とし、また、前記ボード本体上面には前記仮想重心部を十文字交差部とした十文字歩行ガイド帯を表示したことを特徴とする揺動ボードに関する。
【0020】
この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、補助揺動板を示す平面図である。図2は、補助揺動板を示す側面図である。図3は、揺動ボードを示すおもて面斜視図である。図4は、揺動ボードを示す裏面斜視図である。図5は、揺動ボードを示す平面図である。図6は、図5のA-A断面図である。図7は、揺動ボードに補助揺動板を貼着した状態を示す側面図である。
【0021】
本発明の揺動ボードBは、ボード本体10よりなる。
【0022】
本発明は、このままの形態で揺動ボードBを海上に浮遊することでスポーツや娯楽としてのサーフボード等として使用可能である。
【0023】
この揺動ボードBには、別途形成した補助揺動板20を外底面に貼着可能に構成されている。
【0024】
すなわち、補助揺動板20はボード本体10における仮想重心部11に貼着可能なように上面を平坦面に形成して揺動ボードBの外底面に貼着可能に構成しており、しかも、底面中心部22を上面平坦面21よりも小面積の平坦面23に形成すると共に、底面24の中心平坦面25から底面周辺26に向かって傾斜面27を形成している。
【0025】
具体的には、補助揺動板20は、図1、2に示すように、上面を凹凸のない上面平坦面21としている。補助揺動板20は、下面を8角錐の頂部に向かう途中で水平状に切断して小面積の平坦面23を形成している。
【0026】
小面積の平坦面23は、略8角形状の各辺から上面の上面平坦面21の各辺に連結するように底面周辺26(上面平坦面21の周縁)に向かって滑らかに凸条の円弧形状の傾斜面27を形成している。
なお、小面積の平坦面23は、上面平坦面21の面積よりも小さく構成されていればよく、その小面積の平坦面23の面積に応じて後述するボード本体10に搭乗してトレーニングする際のボード本体10の揺動の程度を変更できる。この際、小面積の平坦面23の面積が小さくなるほど補助揺動板20は地面との設置面積が小さくなる。すなわち、小面積の平坦面23が小さくなることで補助揺動板20は揺動しやすい状態を生起し、補助揺動板20を使用したトレーニングを実施する際にバランスを取ることが難しくなる。
反対に、小面積の平坦面23の面積が大きくなるほど補助揺動板20は地面との設置面積が大きくなる。すなわち、小面積の平坦面23が大きくなることで補助揺動板20は揺動しにくい状態を生起し、補助揺動板20を使用したトレーニングを実施する際にバランスを取りやすくなる。
このように小面積の平坦面23の面積を変更することで個人個人に合わせた揺動状態を生起できる。
なお、補助揺動板20の形態は小面積の平坦面23が上面平坦面21の面積よりも小さく構成されていればよく、平面視略円形の円錐台や平面視略三角形の三角錐台で形成されていてもよい。
【0027】
また、別途用意した揺動ボードBのボード本体10における仮想重心部11の底面16(仮想重心部底面)には、図7に示すように、所定広さの平坦部12を形成すると共に、平坦部周縁13からボード本体の周縁14に向かって傾斜底面15を形成している。
【0028】
具体的には、揺動ボードBは、平面視略長方形状のボード本体10で構成されている。
【0029】
ボード本体10は、図3に示すように、上面を平面に形成すると共に、平面視略中央部に仮想重心部11を形成している。
【0030】
ボード本体10の底面側の略中央部、すなわち、仮想重心部11の底面16には、略8角形状の平坦部12を設けている。
【0031】
平坦部12は、8角形状の各辺、すなわち、平坦部周縁13からボード本体の周縁14に向かって凸状の円弧形状に傾斜底面15を設けている(図7参照)。
【0032】
かかる揺動ボードBのボード本体10における仮想重心部11の底面16を上記のように構成することで前述した補助揺動板20と同一の揺動機能を保有させている。
【0033】
また、ボード本体の周縁14には、トレーニング用に弾性体で構成したチューブ30を固定するための固定孔31、31、、、を複数穿設している。固定孔31、31、、、はボード本体10の前後端部10a、10b近傍及び前後端部10a、10bよりもボード本体10の中央寄りに穿設している。
【0034】
固定孔31、31、、、は、平面視略円形に穿設しており、固定孔31の内部に固定棒32を固定孔31の半径方向に向けて配設している。固定棒32は、図5図6(a)、(b)に示すように、中実で円柱状の金属で形成された金属棒であり、両端部をボード本体に挿貫している。そのため、固定棒32に固定されたチューブ30は、使用者が揺動ボードBを利用して激しい運動を実施したとしてもチューブ30の位置がずれることなく運動に支障をきたす虞がない。
【0035】
また、ボード本体10は、主材料を空気を多分に含んだ発泡体(例えば、ウレタンフォームやスタイロフォームなど)で構成しており、その周りをグラスファイバー(FRP)で囲繞し、さらに、その表面を撥水性の塗料でコーティングして形成されている。そのため、ボード本体10は、地上面だけでなく水面に浮遊して地上面同様に適切なトレーニング効果を生起できる。なお、ボード本体の材質は、水上に浮遊できるような材質であればどのような材質で構成されていてもよい。
【0036】
また、ボード本体10の後端部10b側の傾斜底面15の幅方向略中央には、図4に示すように、フィン設置部19を穿設している。フィン設置部19は、前後方向に細長い矩形状の孔を穿設しており、サーフィンボードなどで使用されるフィンを設置できるように構成している。このようにフィン設置部19を設けることで、揺動ボードBを水面上で使用した際、特に揺動ボードBに使用者が搭乗して左右に揺動した際に該フィンが抵抗となり揺動ボードBが水面上で回転する虞を低減し、適切なトレーニング効果を生起できる。
【0037】
また、揺動ボードBのボード本体10の底面には別途用意した補助揺動板20を突設することができるように構成している。
【0038】
すなわち、揺動ボードBは、ボード本体10の底面16を略平坦面とする平坦部12を形成することで、図7に示すように、上面を略平坦面に形成した補助揺動板20を貼着できる。なお、ボード本体10へ補助揺動板20を貼着する手段は、この揺動ボードBを利用してトレーニングする際にボード本体10から補助揺動板20が外れることがなければどのような貼着手段でもよく、例えば、粘着テープや、面ファスナーなどで貼着されている。
【0039】
補助揺動板20を貼着しない状態における揺動ボードBのボード本体10は海上の波面を滑動することができるサーフィンボードやウインドサーフィンの機能を具備し、そのままでサーフィンボードやウインドサーフィンとして使用することもできる。
【0040】
また、揺動ボードBのボード本体10の上面には、図3、5に示すように、仮想重心部11の略中央部を十文字交差部17とした十文字歩行ガイド帯18を表示している。そのため、ボード本体10に搭乗して所定のバランス箇所に移動する際に十文字歩行ガイド帯18にそって移動すれば仮想重心部11に正確に歩行移動することができる。そのため、ボード本体10の使用者が移動中に不用意にボード本体10が傾動して転倒する事故を未然に防止することができる。
【0041】
また、揺動ボードBのボード本体10の上面には、トレーニングを実施する使用者がバランスを保ちやすい箇所を示すバランス箇所、すなわち、仮想重心部11を示す平面視略円形のライン11aを表示している。
なお、仮想重心部11を示すライン11aの形態は円形状に限定されず、平面視略方形状や、花柄など揺動ボードBの仮想重心部11を示すことができればどのような形態でもよい。
【0042】
このように構成した揺動ボードBを使用してトレーニングを実施する手順について説明する。
【0043】
図8に示すように、ボード本体10の上面に表示した十文字歩行ガイド帯18の長辺ガイド18a、18a、短辺ガイド18b、18bのいずれかのガイド18a、18a、18b、18bからボード本体10の上面に足を乗せる。この際、十文字歩行ガイド帯18の幅内に足裏すべてを載置するようにすることで歩行時のバランスを適切に保つことができる。
【0044】
図9に示すように、使用者は、長辺ガイド18aの十文字歩行ガイド帯18に沿って仮想重心部11を示すライン11a内に歩行して侵入する。
【0045】
図9に示すように、ライン11a内に侵入後、使用者は、足裏の足底弓蓋(土踏まず)を十文字歩行ガイド帯18の短辺ガイド18b、18b、または、長辺ガイド18a、18aに載置する。この際、十文字交差部17を跨ぐように左右に足を開くことで該揺動ボードBを使用したことがない人でも容易にバランスを取ることができる。
【0046】
図10に示すように、仮想重心部11内で立位姿勢となった使用者は、ボード本体10の上面で仮想重心部11を示すライン11aまで足を開き、足裏をライン11a上に載置する。
【0047】
図11(a)、(b)に示すように使用者は、ライン11a上で膝を屈曲して腰を落として重心を低く保つ。この状態で左右の足に力を交互に力を入れることでボード本体10を前後方向、または、左右方向に揺動することができる。この際、ボード本体10の平坦部12、または、補助揺動板20の小面積の平坦面23に平坦な面を形成しているため、揺動ボードBが前後左右に揺動した際の平坦部周縁13、または、補助揺動板20の底面周辺26でボード本体10の揺動状態が一時的に不連続となり使用者が違和感を覚える。そのため、ボード本体10の使用者は、視線を下に移すことなくボード本体10の変位形態を想像でき、どの程度の力でボード本体10を押圧し、バランスを保てるか想像できる。その結果、使用者は連続して運動を実施できる。
【0048】
使用者は、揺動ボードBを利用してトレーニング終了後には、ボード本体10に搭乗する際の手順とは逆に仮想重心部11のライン11a内から十文字歩行ガイド帯18の短辺ガイド18b、18bと長辺ガイド18a、18aのいずれかのガイド18a、18a、18b、18bを介してボード本体10の外に降りることができる。
【0049】
揺動ボードBを使用したトレーニングの一例を示したが、本発明の揺動ボードBは、上記の使用例に限定されない。例えば、図12に示すように、使用者は、ライン11a内の仮想重心部11に立位姿勢となり、固定孔31、31、、、に固定したチューブ30の一端部を把持して揺動ボードBでバランストレーニングを実施しながら、チューブ30を利用して上半身のトレーニングを下半身のバランストレーニングと同時に実施できる。
【0050】
このように、揺動ボードBは、ボード本体10を単独の状態で使用した際にバランストレーニングを実施できるだけでなく、ボード本体10の仮想重心部11の底面16に補助揺動板20を貼着することでそのバランストレーニングの程度を使用者の熟練度に応じて変更できる。また、ボード本体10を水面に浮遊できる材質で構成し、さらに、ボード本体10の裏面にフィンを設置できる構成とすることで、揺動ボードBは地上面と同様のトレーニング効果を水上でも生起できる。また、上記内容に加えてボード本体10の上面に固定棒32を設けてチューブ30を利用できるように構成することで、揺動ボードBは、ボード本体10による下半身のバランストレーニングを実施するとともに、弾性体のチューブ30を使用して上半身をトレーニングできる効果がある。
【0051】
また、揺動ボードBの形態は、本実施形態に記載した平面視略8角形状に限定されず、適切なトレーニング効果を実現できればどのような形態でもよく、平面視略楕円形状や平面視略円形状に形成されていてもよい。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、並びに公知発明及び上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成なども含まれる、また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【符号の説明】
【0053】
B 揺動ボード
10 ボード本体
11 仮想重心部
11aライン
12 平坦部
13 平坦部周縁
14 ボード本体の周縁
15 傾斜底面
16 底面
17 十文字交差部
18 十文字歩行ガイド帯
18a長辺ガイド
18b短辺ガイド
19 フィン設置部
20 補助揺動板
21 上面平坦面
22 底面中心部
23 小面積の平坦面
24 底面
25 中心平坦面
26 底面周辺
27 傾斜面
30 チューブ
31 固定孔
32 固定棒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12