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特許7259224問診票作成支援装置、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】問診票作成支援装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/20 20180101AFI20230411BHJP
【FI】
G16H10/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018134034
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2020013245
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】出野 徹
(72)【発明者】
【氏名】土屋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】濱口 貴広
(72)【発明者】
【氏名】松岡 和
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-122846(JP,A)
【文献】特開平11-306261(JP,A)
【文献】特開2011-103056(JP,A)
【文献】特開2005-122380(JP,A)
【文献】特開2007-328740(JP,A)
【文献】特開2002-366655(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0028585(KR,A)
【文献】特開2008-197742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の個人識別情報に基づいて、当該患者に係る過去の診療データを取得する診療データ取得部と、
所定の複数の問診項目のそれぞれに対応する入力領域を有する問診票テンプレートデータにおける、複数の前記問診項目のうちの一部の問診項目に対応する入力領域に、取得された前記診療データから選択した対応するデータを記入することにより、前記患者の問診票基礎データを作成し、作成した前記問診票基礎データを表示デバイスに表示する問診票基礎データ作成部と、
表示された前記問診票基礎データにおける未記入の問診項目に対する前記患者の症状に関する申告情報の入力データを取得し、取得した前記入力データを前記未記入の前記問診項目に対応する入力領域に追加記入することにより前記患者の問診票の完成データを作成する問診票データ作成部と、
作成された前記問診票の完成データを出力する出力部と
を具備し、
前記問診票基礎データ作成部は、作成された前記問診票基礎データに、複数の前記問診項目のそれぞれに記入された各データの生成日時を表す情報を付加する、問診票作成支援装置。
【請求項2】
前記患者に係る健康状態または生活状態を表す健康管理データを取得する健康管理データ取得部を、さらに具備し、
前記問診票基礎データ作成部は、前記問診票テンプレートデータにおける、複数の前記問診項目のうちの一部の問診項目に対応する入力領域に、取得された前記診療データおよび取得された前記健康管理データから選択した対応するデータを記入することにより、前記患者の前記問診票基礎データを作成する、請求項1に記載の問診票作成支援装置。
【請求項3】
前記問診票基礎データ作成部は、作成された前記問診票基礎データのうち前記未記入の問診項目を強調する第1のマーキング情報を前記問診票基礎データに付与し、当該第1のマーキング情報が付与された状態で前記問診票基礎データを前記表示デバイスに表示させる、請求項1に記載の問診票作成支援装置。
【請求項4】
前記問診票基礎データ作成部は、作成された前記問診票基礎データに記載されたデータの前記生成日時が現在時刻より予め設定された期間以上前の場合に、当該データに対しその信頼度を表す第2のマーキング情報を付与し、当該第2のマーキング情報が付与された状態で前記問診票基礎データを前記表示デバイスに表示させる、請求項に記載の問診票作成支援装置。
【請求項5】
前記問診票データ作成部は、前記問診票基礎データのうち前記未記入の問診項目に対する入力候補の一覧情報を前記表示デバイスに表示させる、請求項1に記載の問診票作成支援装置。
【請求項6】
前記出力部は、問診票の完成データの作成完了操作に応じて、作成された前記問診票の完成データを予め設定された外部端末へ送信する、請求項1に記載の問診票作成支援装置。
【請求項7】
コンピュータを有する装置が実行する問診票作成支援方法であって、
患者の個人識別情報に基づいて、当該患者の過去の診療データを取得する過程と、
所定の複数の問診項目に関する入力領域を有する問診票テンプレートデータにおける、複数の前記問診項目のうちの一部の問診項目に対応する入力領域に、取得された前記診療データから選択した対応するデータを記入することにより、前記患者の問診票基礎データを作成し、作成した前記問診票基礎データを表示デバイスに表示する過程と、
表示された前記問診票基礎データにおける未記入の問診項目に対する前記患者の症状に関する申告情報の入力データを受け取り、当該入力データを前記未記入の問診項目に対応する入力領域に追加記入することにより前記患者の問診票の完成データを作成する過程と、
作成された前記問診票の完成データを出力する過程と
を具備し、
前記問診票基礎データを作成する過程は、作成された前記問診票基礎データに、複数の前記問診項目のそれぞれに記入された各データの生成日時を表す情報を付加する、問診票作成支援方法。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の問診票作成支援装置が備える各部の処理を、前記問診票作成支援装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
【請求項9】
前記問診票基礎データを作成する過程は、作成された前記問診票基礎データの複数の前記問診項目のそれぞれに記載された各データの前記生成日時が現在時刻より予め設定された期間以上前の場合に、当該データに対しその信頼度を表すマーキング情報を付与し、当該マーキング情報が付与された状態で前記問診票基礎データを前記表示デバイスに表示させる、請求項7に記載の問診票作成支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、例えば患者の問診票の作成を支援する機能を備える問診票作成支援装置と、この装置で実行される問診票作成支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や医院、診療所等の医療機関では、初診の場合、先ず患者本人または看護師等の医療スタッフが問診票を記入し、この問診票に基づいて医師が診察を行うことが一般的である。ところが、問診票は医療機関ごとに作成・保管されるため、患者が別の医療機関を受診した場合には、症状が同一であっても再度問診票を記入する必要があり、患者にとってはその作業が煩わしい。また、一旦治療が終了した後、日にちをおいて同じ症状で同一の医療機関を再度受診した場合にも、再度問診票の記入を求められることがあり、これも患者にとっては負担になる。
【0003】
そこで、従来では、例えば患者の問診票データを属性等を含む患者基本データと共に診療データベースに保存しておき、必要に応じて該当する患者の問診票データを読み出して診察に使用できるようにするシステムが提案されている(例えば特許文献1を参照)。このシステムであれば、一度作成した問診票を、患者の承認のもと同一の病院はもとより例えば地域内の別の病院または医院で利用することが可能となり、患者または医療スタッフの負担軽減が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-366655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載されたシステムでは、作成済みの問診票の再利用は可能であるが、初診時には患者本人または医療スタッフが問診票の全項目を記入しなければならないことに変わりはない。このため、初診時の患者または医療スタッフの負担は依然として改善されなかった。特に、患者が高齢者または子供の場合や、発熱または疼痛等により容体が悪化している患者については、問診内容を漏れなくまた適切に問診票に記入できないことがあり、有効性の高い問診票を医師に提供できない場合があった。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、問診票をより効果的に作成することを可能にする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明に係る問診票作成支援装置の第1の態様は、患者の個人識別情報に基づいて当該患者の過去の診療データを取得する診療データ取得部と、所定の複数の問診項目に関する入力領域を有する問診票テンプレートデータにおける、複数の前記問診項目のうちの一部の問診項目に対応する入力領域に、取得された前記診療データから選択した対応するデータを記入することにより、前記患者の問診票基礎データを作成し、作成した前記問診票基礎データを表示デバイスに表示する問診票基礎データ作成部と、表示された前記問診票基礎データにおける未記入の問診項目に対する前記患者の症状に関する申告情報の入力データを取得し、取得した前記入力データを前記未記入の問診項目に対応する入力領域に追加記入することにより前記患者の問診票の完成データを作成する問診票データ作成部と、作成された前記問診票の完成データを出力する出力部とを具備し、前記問診票基礎データ作成部は、作成された前記問診票基礎データに、複数の前記問診項目のそれぞれに記入された各データの生成日時を表す情報を付加するようにしたものである。
【0008】
第1の態様によれば、例えば、患者または医療スタッフが初診時に問診票を記入する際に、問診票作成支援装置により、先ず問診票テンプレートデータにおける複数の問診項目のうちの一部の問診項目に対応する入力領域に、患者の過去の診療データから選択した対応するデータを記入することにより、該当患者に関する問診票基礎データが作成される。そして、患者または医療スタッフが、問診票作成支援装置において、上記問診票テンプレートデータの未記入の問診項目、例えば今回の受診理由や症状等に関する申告情報を入力すると、この入力された申告情報が上記問診票テンプレートデータの未記入の問診項目に追加記入され、これにより問診票の完成データが作成される。従って、患者または医療スタッフは、複数の問診項目のうち未記入の項目に対してのみ申告データを記入すればよいことになり、これにより問診票作成に要する患者または医療スタッフの負荷の軽減、作成時間の短縮、誤入力の低減を図ることが可能となる。
さらに、問診票基礎データに記入されたデータにその生成日時を表す情報が付加されるので、医師等の医療スタッフが問診票データを参照する際に、問診項目ごとに記入されたデータをどの程度信頼して診断を行えばよいかを的確に判断することができる。
【0009】
従って、患者或いは医療スタッフは、初診外来時に問診票を作成する際に、今回の受診理由および現在の症状とその変化等に関する申告情報のみを入力すればよく、全問診項目について申告情報を入力する必要がなくなる。このため、問診票を作成する際の患者または医療スタッフの負担は大幅に軽減される。また、問診票を短時間に正確に作成することが可能となり、これにより患者の受診待ち時間の短縮、および外来診療の効率向上を図ることが可能となる。この効果は、特に高齢者や子供等の患者や、発熱または疼痛等により容体が悪化している患者の負担を軽減し、かつ問診票の情報の精度を高く維持する上で、きわめて有効である。
【0010】
この発明に係る装置の第2の態様は、上記第1の態様において、前記患者の健康状態または生活状態を表す健康管理データを取得する健康管理データ取得部をさらに具備し、前記基礎データ作成部により、前記問診票のテンプレートデータと、前記取得された診療データと、前記取得された健康管理データとに基づいて、前記患者の問診票基礎データを作成するようにしたものである。
【0011】
第2の態様によれば、例えば、問診票基礎データを作成する際に、EMRまたはEHRサーバから取得される診療データに加えて、患者が所持する携帯情報端末から取得される健康管理データを追加することが可能となる。このため、患者および医療スタッフは、例えば問診票作成時に身長、体重、体温、血圧等の健康管理データを測定する必要がなくなり、これにより問診票データの作成に要する負荷と時間をさらに減らすことができる。
【0012】
この発明に係る装置の第3の態様は、前記第1または第2の態様において、前記基礎データ作成部により、前記作成された問診票基礎データのうち未記入の問診項目の位置を強調する第1のマーキング情報を前記問診票基礎データに付与し、当該第1のマーキング情報が付与された状態で前記問診票基礎データを表示デバイスに表示させるようにしたものである。
【0013】
第3の態様によれば、問診票基礎データのうち未記入の問診項目に対し当該項目を強調する第1のマーキング情報が付与されて表示される。このため、患者または医療スタッフは、過去の診療データまたは健康管理データにより記入することができなかった問診項目がどれであるかを明確に認識することができ、これにより記入漏れのない問診票データを作成することができる。
【0016】
この発明に係る装置の第4の態様は、第1の態様において、前記問診票基礎データ作成部により、前記作成された問診票基礎データに記入されたデータの生成日時が現在時刻より予め設定された期間以上前の場合に、当該データに対しその信頼度を表す第2のマーキング情報を付与し、当該第2のマーキング情報が付与された状態で前記問診票基礎データを表示デバイスに表示させるようにしたものである。
【0017】
の態様によれば、例えば医師等の医療スタッフは、第2のマーキング情報により問診票基礎データに記入されたデータの新しさからその信頼の度合いを把握することができ、これにより問診票データを参照する際に各問診項目に記入されたデータの信頼性を容易にかつ確実に判断することが可能となる。
【0018】
この発明に係る装置の第の態様は、上記第1の態様において、前記問診票データ作成部により、前記問診票基礎データのうち未記入の問診項目に対する入力候補の一覧情報を表示デバイスに表示させるようにしたものである。
【0019】
の態様によれば、患者または医療スタッフは、入力候補の一覧情報のうち、例えば該当する症状をタッチ操作により選択するだけで症状の入力を行うことができ、これにより問診票の作成に要する手間と時間をさらに減らすことができる。
【0020】
この発明に係る装置の第6の態様は、上記第1の態様において、前記出力部により、問診票の完成データの作成完了操作に応じて、前記作成された問診票の完成データを予め設定された外部端末へ送信するようにしたものである。
【0021】
の態様によれば、例えば、問診票の完成データの作成操作が終了すると、当該問診票の完成データが自動的に例えば医師の端末に送信される。このため、医師は問診票の完成データの作成終了後直ちに問診票の完成データの内容を検討することが可能となり、これにより患者の受診待ち時間をさらに短縮することができる。
【発明の効果】
【0026】
すなわちこの発明の各態様によれば、問診票をより効果的に作成または管理することを可能にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る問診票作成支援装置の一適用例を示すブロック図である。
図2図2は、この発明の一実施形態に係る問診票作成支援装置を含む地域医療システムの一例を示す図である。
図3図3は、この発明の一実施形態に係る問診票作成支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、この発明の一実施形態に係る問診票作成支援装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、図4に示した問診票作成支援装置により実行される問診票作成支援処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、問診票の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
【0029】
[適用例]
先ず、この発明の一実施形態に係る問診票作成支援装置の一適用例について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る問診票作成支援装置の一適用例を周辺の装置と共に図示したブロック図である。
【0030】
問診票作成支援装置1は、例えば、病院や医院、診療所等の医療機関において、患者本人または看護師等の医療スタッフが患者の問診票を作成するために使用するもので、例えばタブレット型端末により構成される。
【0031】
なお、問診票作成支援装置1はタブレット型端末に限らず、医療機関の待合室等に設置されたパーソナルコンピュータや可搬型パーソナルコンピュータであってもよく、さらには患者が所持するスマートフォン等の携帯情報端末や、医療機関ごとに設けられる電子医療記録(Electronic Medical Records:EMR)サーバ、あるいは地域内の複数の医療機関で共有されるように設けられる電子健康記録(Electronic Health Records:EHR)サーバに、拡張機能の1つとして設けられるものであってもよい。
【0032】
問診票作成支援装置1は、記憶機能部として、プログラム記憶部に加え、テンプレート記憶部1eおよび問診票データ記憶部1fを備えている。このうち、テンプレート記憶部1eには問診票テンプレートデータが記憶される。問診票テンプレートデータは、診療科ごとに問診項目が異なるので複数種類用意される。問診票データ記憶部1fは、問診票データ作成部1aにより作成された問診票の電子データを保存するために使用される。
【0033】
また問診票作成支援装置1は、入出力機能部として、表示部1gおよび入力部1hを備えている。表示部1gおよび入力部1hは、例えば液晶表示器または有機EL表示器の表示画面上に感圧式または静電式の入力検知シートを配置した、タッチパネル型のデバイスからなる。
【0034】
さらに問診票作成支援装置1は、制御機能部として、問診票データ作成部1aと、個人健康記録(Personal Health Records:PHR)データを取得するためのPHRデータ取得部1bと、EHRデータまたはEMRデータを取得するためのEHR/EMRデータ取得部1cと、問診票データ出力部1dとを備えている。これらの制御機能部は、いずれも図示しないプログラム記憶部に格納されたプログラムをハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0035】
PHRデータ取得部1bは、患者が所持するスマートフォン等の携帯情報端末2から、患者のPHRデータを取得する。PHRデータには、ユーザの健康状態を表す健康データと、ユーザの生活状態を表す生活データが含まれる。健康データには、例えば、身長、体重、血圧値、心拍数、血糖値および体温等の生体データが含まれる。生活データには、例えば、活動量や睡眠時間、食事メニュー、歩数等が含まれる。これらを総称して健康管理データとも称する。
【0036】
EHR/EMRデータ取得部1cは、EHRサーバ3またはEMRサーバ4から患者のEHRデータまたはEMRデータを取得する。EHRデータまたはEMRデータには、患者基本データと、診療データが含まれる。患者基本データには、例えば、氏名、性別、生年月日、住所、連絡先、職業等が含まれる。診療データには、例えば、健診データと、医師が作成した電子カルテの情報が含まれる。電子カルテの情報には、例えば、病名とその症状、治療経過、手術の経験の有無、検査データおよび投薬情報に加え、輸血の履歴、薬や食物に対するアレルギの有無、たばこやアルコールの摂取状況、近親者の既往歴を表す情報等も含まれる。
【0037】
問診票データ作成部1aは、例えば以下の処理機能を有する。
(1) 初診の患者について、当該患者の氏名と生年月日等の個人識別情報の入力を受け付け、当該個人識別情報をもとに当該患者の診療記録が当該医療機関のEMRサーバ4または地域内のEHRサーバ3に記憶されているか否かを判定する処理。なお、患者が過去の受診時に使用した診察カードを所持している場合には、当該診察カードから個人識別情報を読み込み、この個人識別情報をもとに診療記録の有無を判定するようにしてもよい。診察カードについては、自己の医療機関以外に地域内の他の医療機関が発行した診察カードも含まれる。
【0038】
(2) 上記判定の結果、患者の診療記録が存在する場合に、EHR/EMRデータ取得部1cによりEMRサーバ4またはEHRサーバ3から当該患者のEMRデータまたはEHRデータを取得する処理。
【0039】
(3) PHRデータ取得部1bにより、患者の携帯情報端末2から直近のPHRデータを取得する処理。
【0040】
(4) テンプレート記憶部1eに記憶された問診テンプレートデータと、上記取得されたEHRデータまたはEMRデータと、PHRデータとを用いて、問診票基礎データを編集し、表示部1gに表示させる処理。
【0041】
(5) 上記表示された問診票基礎データにおいて、未記入の問診項目について患者または医療スタッフが入力部1hにおいて入力した申告情報を受け取り、当該申告情報を上記問診票基礎データに追加すると共に、複数の問診項目のそれぞれに記載された各データの生成日時を表す情報を付加し、上記申告情報および上記生成日時を表す情報が付加された問診票データを表示部1gに表示させると共に問診票データ記憶部1fに保存する処理。
【0042】
問診票データ出力部1dは、上記問診票データ記憶部1fから上記作成された問診票データを読み出して、医師端末5へ送信する。
【0043】
以上のような構成であるから、患者または医療スタッフが初診時に問診票を記入する際に、タブレット型端末からなる問診票作成支援装置1において、例えば患者名と生年月日を入力するか、または過去に受信した際に使用した診察カードの個人識別情報を読み込ませると、問診票作成支援装置1により、当該患者の診療記録がEHR/EMRデータに登録されているか否かが判定される。登録されている場合にはEMRサーバ4またはEHRサーバ3から該当する患者のEMRデータまたはEHRデータが取得され、さらに携帯情報端末2からPHRデータが取得される。そして、この取得された各データと問診票テンプレートデータとに基づいて、該当患者に関する問診票基礎データが作成される。
【0044】
また、患者または看護師等の医療スタッフが、問診票作成支援装置1において、上記問診票テンプレートデータの未記入の問診項目、例えば今回の受診理由や症状等に関する申告情報を入力すると、この入力された申告情報が上記問診票テンプレートデータの未記入の問診項目に追加され、この追加後の問診票データが問診票データ記憶部1fに記憶されると共に、医師の端末5へ送信される。
【0045】
従って、患者或いは看護師等の医療スタッフは、初診外来時に問診票を作成する際に、今回の受診理由および現在の症状とその変化等に関する申告情報のみを入力すればよく、全問診項目について申告情報を入力する必要がなくなる。このため、問診票を作成する際の患者または医療スタッフの負担は大幅に軽減される。
さらに、問診票基礎データに記入されたデータにその生成日時を表す情報が付加されるので、医師等の医療ステップが問診票データを参照する際に、問診項目ごとに記入されたデータをどの程度信頼して診断を行えばよいかを的確に判断することができる。
【0046】
また、問診票を短時間に正確に作成することが可能となり、これにより患者の受診待ち時間の短縮、および外来診療の効率向上を図ることが可能となる。この効果は、特に高齢者や子供等の患者や、発熱または疼痛等により容体が悪化している患者の負担を軽減し、かつ問診票の情報の精度を高く維持する上で、きわめて有効である。
【0047】
[第1の実施形態]
(構成例)
(1)システム
図2は、一実施形態に係る問診票作成支援装置を含む医療情報管理システムの全体構成を示す図であり、MS1,MS2,…,MSnは病院や医院、診療所等の医療機関を示している。
【0048】
医療機関MS1,MS2,…,MSnはいずれも、EMRサーバMSVと、問診票作成支援装置としての機能を有する問診票作成支援端末NTと、医師端末DTとを備えている。EMRサーバMSV、問診票作成支援端末NTおよび医師端末DTは、例えば院内LAN(Local Area Network)または院内無線LANを介して相互間でデータ伝送が可能となっており、さらに上記院内LANまたは院内無線LANを介して外部のネットワークNWにも接続可能となっている。
【0049】
EMRサーバMSVは、医療機関MS1,MS2,…,MSnごとに、当該医療機関MS1,MS2,…,MSnを受診した患者の診療データを、患者基本データと関連付けて記憶し管理する。患者基本データは、例えば氏名、性別、年齢、住所、連絡先、職業等の属性情報を含む。診療データは、医師が作成した電子カルテの情報を主体とするもので、例えば、病名とその症状、治療経過、手術の有無、検査データおよび投薬情報に加え、薬や食物に対するアレルギの有無や、たばこやアルコールの摂取状況、近親者の既往歴情報等も含まれる。
【0050】
また、上記EMRサーバMSVは、EHRサーバHSVとの間でネットワークNWを介してデータ伝送が可能となっている。ネットワークNWは、例えば、インターネット等の公衆網と、この公衆網にアクセスするためのアクセス網を含む。アクセス網としては、例えば上述した院内のLANまたは無線LANが用いられるが、他に有線電話網、CATV網、携帯電話網または公衆無線LAN等を使用することも可能である。
【0051】
EHRサーバHSVは、例えば市区町村等の地域別に配置される。そして、EHRサーバHSVは、地域内の医療機関MS1~MSnのEMRサーバMSVからアップロードされる患者の基本データおよび診療データをEHRデータとして記憶し管理する。これによりEHRサーバHSVは、地域内の各医療機関MS1~MSn相互間で、患者の診療データの共有を可能にしている。
【0052】
携帯情報端末UT1~UTkは、例えばスマートフォンやタブレット型端末、携帯型のパーソナルコンピュータからなり、センシング装置SS1~SSkにより得られた測定データをそれぞれ近距離無線ネットワークを介して取得し、PHRデータとして記憶する機能を有している。
【0053】
センシング装置SS1~SSkとしては、例えば、血圧計や心電計、体温計、活動量計、体重計、体組成計、これらの測定器の測定機能を複合的に備えた、ウェアラブル端末やヘルスメータ等の生体情報測定装置が用いられる。近距離無線ネットワークとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)等の小電力無線データ通信規格を採用した無線ネットワークが用いられるが、これに限定されるものではない。
【0054】
また携帯情報端末UT1~UTkは、医療機関MS1~MSnの院内無線LANの通信エリア内において、問診票作成支援端末NTからPHRデータの送信要求を受信したときに、上記記憶されたPHRデータを問診票作成支援端末NTへ送信する機能を備えている。
【0055】
(2)問診票作成支援端末NT
(2-1)ハードウェア構成
図3は、問診票作成支援端末NTのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
問診票作成支援端末NTは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサ11Aを有する。そして、このハードウェアプロセッサ11Aに対し、プログラムメモリ11B、データメモリ12、通信インタフェース(通信I/F)13、入出力インタフェース(入出力I/F)14を、バス17を介して接続したものとなっている。
【0056】
通信I/F13は、例えば院内無線LANを介してEMRサーバMSVおよび医師端末DTとの間でデータ伝送を行うと共に、上記院内無線LANおよび外部のネットワークNWを介してEHRサーバHSVとの間でデータ伝送を行う。なお、通信I/F13は、院内無線LANを使用する代わりに、携帯電話網や公衆無線LANを使用することで、ネットワークNWを介してEHRサーバHSVとの間でデータ伝送を行うことも可能である。
【0057】
入出力I/F14には、表示部15および入力部16が接続される。表示部15および入力部16は、例えば、液晶表示器または有機EL表示器の表示画面上に感圧式または静電式の入力検知シートを配置した、タッチパネル型の入出力デバイスからなる。入出力I/F14は、CPU11Aにより生成された問診票の基礎データおよび完成データを表示部15に表示させると共に、入力部16において手入力された症状等の申告情報をCPU11Aに送る。
【0058】
プログラムメモリ11Bは、記憶媒体として、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを併用したもので、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムが格納されている。
【0059】
データメモリ12は、例えば、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせたものを記憶媒体として備える。そして、問診票の作成に係る各種処理を実行する過程で取得および作成されたデータやテンプレートデータを記憶するために用いられる。
【0060】
(2-2)ソフトウェア構成
図4は、この発明の一実施形態に係る問診票作成支援端末NTのソフトウェア構成を、図3に示したハードウェア構成と関連付けて示したブロック図である。
データメモリ12の記憶領域には、テンプレート記憶部121と、問診票データ記憶部122が設けられている。テンプレート記憶部121には、問診票の作成に必要なテンプレートデータが予め記憶される。問診票の問診項目は診療科ごとに異なる。このため、上記問診票テンプレートデータは診療科ごとに作成され、テンプレート記憶部121に記憶される。問診票データ記憶部122は、問診票データ作成部117により作成される問診票の基礎データおよび完成データを記憶するために用いられる。
【0061】
制御ユニット11は、上記ハードウェアプロセッサ11Aと、上記プログラムメモリ11Bとから構成され、ソフトウェアによる処理機能部として、患者識別情報取得部111と、問診票データ表示制御部112と、EHR/EMRデータ取得部113と、PHRデータ取得部114と、問診票入力データ取得部115と、問診票完成データ出力部116と、問診票データ作成部117とを備えている。これらの処理機能部は、いずれもプログラムメモリ11Bに格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサ11Aに実行させることにより実現される。
【0062】
患者識別情報取得部111は、入力部16において患者が入力した患者の個人識別情報、または診察カードCDから読み込んだ患者の個人識別情報を、入出力I/F1を介して取得する。そして、取得された個人識別情報を問診票データ作成部117に通知する処理を行う。上記患者の個人識別情報としては、例えば「氏名」と「生年月日」を含むものが考えられるが、ほかに地域内のいずれかの医療機関が発行した診察カードの「診察券登録番号」や、運転免許証、パスポートまたはマイナンバカード等の公的な個人識別番号であってもよい。
【0063】
問診票データ表示制御部112は、問診票データ作成部117により作成された問診票の基礎データおよび完成データ(以後単に問診票データとも云う)を、入出力I/F1を介して表示部15に表示させる処理を行う。
【0064】
EHR/EMRデータ取得部113は、問診票データ作成部117の指示に従い、患者のEHRデータまたはEMRデータの取得要求を通信I/F13からEHRサーバHSVまたはEMRサーバMSVへ送信する。そして、上記取得要求に対しEHRサーバHSVまたはEMRサーバMSVから送信されたEHRデータまたはEMRデータを通信I/F13を介して受信し、問診票データ作成部117に渡す処理を行う。
【0065】
PHRデータ取得部114は、問診票データ作成部117の指示に従い、患者のPHRデータの取得要求を通信I/F13から院内無線LANを介して患者の携帯情報端末UTiへ送信する。そして、上記取得要求に対し携帯情報端末UTiから送信されたPHRデータを通信I/F13を介して受信し、問診票データ作成部117に渡す処理を行う。
【0066】
問診票入力データ取得部115は、入力部16において患者または医療スタッフが手入力した問診の申告情報を入出力I/F1を介して取り込み、問診票データ作成部117に渡す処理を行う。
【0067】
問診票完成データ出力部116は、問診票データ作成部117により作成された問診票の完成データを問診票データ記憶部122から読み出し、当該問診票の完成データを通信I/F13から医師端末DTへ送信する処理を行う。
【0068】
問診票データ作成部117は、以下の各処理機能を備える。
(1) 患者識別情報取得部111から初診患者の個人識別情報を受け取った場合に、当該個人識別情報をもとに、EHR/EMRデータ取得部113からEMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVに対し該当する患者が登録されているか否かを問い合わせる。そして、その回答結果をもとに当該患者の登録の有無を判定する。
【0069】
(2) EMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVのいずれかに患者が登録されていると判定された場合に、EHR/EMRデータ取得部113から上記EMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVに対しEMRデータまたはEHRデータの取得要求を送信し、該当する患者のEMRデータまたはEHRデータを取得する。
【0070】
(3) 上記入力された患者の個人識別情報をもとに、PHRデータ取得部114から当該患者が所持する携帯情報端末UTiに対しPHRデータの取得要求を送信し、該当する患者のPHRデータを取得する。
【0071】
(4) 上記問診テンプレートデータに基づいて、上記取得されたEMRデータまたはEHRデータ、およびPHRデータの中から、問診項目に対応する情報を選択する。そして、選択した情報と上記問診票テンプレートデータとをもとに問診票の基礎データを編集する。そして、編集された問診票基礎データを、問診票データ表示制御部112により表示部15に表示させる。
【0072】
(5) 上記表示された問診票基礎データのうち未記入の問診項目に対し、患者または医療スタッフが入力部16において申告情報を入力した場合に、当該申告情報を問診票入力データ取得部115を介して取得し、当該申告情報を上記問診票基礎データに追加することにより問診票の完成データを作成する。そして、この作成された問診票の完成データを、問診票データ表示制御部112により表示部15に表示させると共に、問診票データ記憶部122に記憶させる。
【0073】
なお、上記各処理機能のうち、(1) ~(4) が問診票基礎データの作成機能部を構成し、(5) が問診票データの作成機能部を構成する。
【0074】
(動作例)
次に、以上のように構成された問診票作成支援端末NTによる問診票作成支援処理動作を説明する。
図5は、問診票作成支援端末NTの処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0075】
(1)患者の識別
ある診療科外来において、患者または看護師等の医療スタッフが問診票作成支援端末NTを起動すると、問診票データ作成部117の制御の下、先ずステップS10においてテンプレート記憶部121から上記診療科に対応する問診票テンプレートデータが読み出され、問診票データ表示制御部112の制御により表示部15に表示される。
【0076】
この状態で、患者本人または医療スタッフが入力部16において患者の個人識別情報を入力するか、或いは当該医療機関または地域内の他の医療機関で過去に作成した診察カードを入力部16のカードリーダに読み取らせたとする。なお、患者の個人識別情報としては、例えば患者の氏名と生年月日が用いられる。
【0077】
そうすると、問診票データ作成部117の制御の下、上記入力された個人識別情報または診察カードから読み取られた診察券登録番号がステップS11により取り込まれ、問診票データ作成部117の制御の下、ステップS12において、上記個人識別情報または診察券登録番号をキーにして、EMRサーバMSVまたはEHサーバHSVに対し該当患者の登録の有無の問い合わせが行われる。
【0078】
EMRサーバMSVまたはEHサーバHSVでは、上記問合せに応じて患者基本データのデータベースを検索する処理が行われ、その検索結果が問合せ元の問診票作成支援端末NTへ返送される。問診票作成支援端末NTは、上記検索結果を受け取ると、問診票データ作成部117の制御の下、先ずステップS13により該当患者が登録済か否かを判定する。
【0079】
(2)EHR/EMRデータの取得
上記判定の結果、患者が登録済であれば、問診票データ作成部117はステップS14により、EHR/EMRデータ取得部113に対しEHRデータまたはEMRデータの取得を指示する。この結果EHR/EMRデータ取得部113により、EMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVに対しデータ取得要求が送信され、該当する患者のEMRデータまたはEHRデータが取得される。このEMRデータまたはEHRデータは、一旦データメモリ12内の作業用記憶領域に保存される。
【0080】
上記取得処理により、患者が過去に当該医療機関の他の診療科を受診した履歴がある場合には、当該医療機関のEMRサーバから該当患者のEMRデータが取得される。一方、当該医療機関の受診履歴がない場合でも、地域内の他の医療機関を受診した履歴がある場合にはEHRサーバHSVから該当患者のEHRデータが取得される。
【0081】
(3)PHRデータの取得
続いて問診票データ作成部117はステップS15により、PHRデータ取得部114に対しPHRデータの取得を指示する。この結果PHRデータ取得部114により、当該患者の携帯情報端末UTiに対しPHRデータの取得要求が送信され、該当する患者のPHRデータが取得される。このPHRデータも、一旦データメモリ12内の作業用記憶領域に保存される。
【0082】
(4)問診票基礎データの作成
問診票データ作成部117は、次にステップS1において以下のように問診票基礎データの編集処理を行う。すなわち、先ず問診テンプレートデータに基づいて、上記取得されたEMRデータまたはEHRデータ、およびPHRデータの中から、問診項目に対応する情報を選択する。そして、選択した情報と上記問診票テンプレートデータとをもとに問診票の基礎データを編集する。
【0083】
例えば、いま図6に例示されるように、問診票テンプレートデータの問診項目として、患者の個人識別情報記入欄A1と、生体情報記入欄B1と、受診目的および症状等の記入欄Cと、患者の既往歴等の記入欄A2と、たばこ・アルコールの摂取状況の記入欄A3と、近親者の既往歴の記入欄A4が用意されているものとする。
【0084】
この場合、例えば、先ず個人識別情報記入欄A1には、EMRデータまたはEHRデータに含まれる患者基本データから「氏名」、「性別」、「年齢」、「診察券登録番号」に対応する情報が選択され、記載される。
【0085】
次に、問診票テンプレートデータの患者の既往歴等の記入欄A2、たばこ・アルコールの摂取状況の記入欄A3、近親者の既往歴の記入欄A4には、EMRデータまたはEHRデータに含まれる診療データ(診療記録)から、「既往歴」、「手術の経験の有無」、「輸血の履歴」、「薬または食物アレルギの有無」、「処方中の薬品」、「たばこやアルコールの摂取状況」、「近親者の既往歴」に対応する情報がそれぞれ選択され、対応する欄に記載される。
【0086】
さらに、問診票テンプレートデータの生体情報記入欄B1には、PHRデータから「血圧」、「身長」、「体重」および「本日の体温」に対応する情報がそれぞれ選択され、記載される。
【0087】
なお、上記EMRデータまたはEHRデータ、およびPHRデータを問診票テンプレートの問診項目に記載する場合に、問診票データ作成部117は、データの作成日時または測定日時を付けて記載する。またこのとき、データの作成日時または測定日時が現在時刻から予め設定された期間(例えば3年)以上前の場合には、該当するデータに対しその信頼の度合いを表す注意マークを付けるようにすると良い。このようにすると、例えば医師が問診票を参照する際に、各問診項目に記載されたデータの新しさからその信頼性を容易に判断することが可能となる。
【0088】
問診票データ作成部117は、以上のように編集し作成された問診票の基礎データを、問診票データ表示制御部112に渡す。この結果、問診票データ表示制御部112により、上記問診票の基礎データが入出力I/F14を介して表示部15に表示される。
【0089】
なお、このとき上記問診票の基礎データの各問診項目のうち、情報が未記入の問診項目に、当該未記入の問診項目の位置を強調するためのマーキングを施すとよい。未記入項目には、本日の受診目的および症状等の記入欄Cに加え、既往歴等の記入欄A2、たばこ・アルコールの摂取状況の記入欄A3、近親者の既往歴の記入欄A4、および生体情報の記入欄B1のうち、EMR/EHRデータおよびPHRデータにより情報を記載できなかった欄が含まれる。マーキングの手法としては、例えば未記入項目の記入欄を着色するか、或いは太枠で囲む等の手法が考えられる。未記入項目にマーキングを施すことで、患者または医療スタッフはどの問診項目が未記入かを明確に認識することができる。
【0090】
(5)問診申告情報の手入力
患者または医療スタッフは、上記表示された問診票基礎データをもとに未記入の問診項目を確認し、この未記入項目に申告情報を入力するために例えば当該未記入項目をタッチ操作により選択する。
【0091】
問診票データ作成部117は、ステップS17により上記未記入項目の選択を検知すると、ステップS18において、例えばデータメモリ12内の入力候補記憶領域から入力候補の一覧情報を読み出し、問診票データ表示制御部112により表示部15に表示させる。例えば、未記入項目として本日の受診目的および症状等の記入欄Cが選択された場合には、候補となる複数の症状の一覧情報が読み出されて表示される。なお、上記入力候補の一覧情報は、予め設定された代表的な症状の一覧としてもよいが、例えば季節ごとに流行している疾患に対応する症状の一覧や、患者の既往歴に基づいて発症しやすい疾患に対応する症状の一覧であってもよい。
【0092】
上記入力候補の一覧情報が表示された状態で、患者または医療スタッフが、該当する症状をタッチ操作により選択するか、或いは入力候補にない症状の説明文を入力部16により手入力したとする。そうすると、上記入力された症状を表す情報は問診票入力データ取得部115により取得され、問診票データ作成部117に渡される。問診票データ作成部117は、ステップS19において、上記入力された症状を表す情報を上記問診票基礎データに追加し、この追加後の問診票基礎データを問診票データ表示制御部112により表示部15に表示させる。かくして、患者または医療スタッフは本日の受診目的とその症状を手操作で入力することができる。
【0093】
また、既往歴等の記入欄A2、たばこ・アルコールの摂取状況の記入欄A3、近親者の既往歴の記入欄A4および生体情報の記入欄B1に記載された情報の中で、患者の現在の状況から乖離している情報或いは記載したくない情報について、患者または医療スタッフが該当する問診項目をタッチ操作により選択したとする。このタッチ操作により選択された問診項目はステップS20により検出される。そして、患者または医療スタッフが入力部16において修正情報を入力すると、問診票データ作成部117はステップS21により上記修正データを受け付け、該当する項目に記載された情報を修正してその修正結果を表示部15に表示させる。
【0094】
以上述べた未入力項目に対する申告情報の入力受付処理と、修正対象項目に対する修正情報の入力受付処理は、患者または医療スタッフが入力終了操作を行うまで、繰り返し行われる。
【0095】
(6)問診票完成データの送信
上記入力終了操作が検知されると、問診票作成支援端末NTは問診票データ作成部117の制御の下、ステップS22により、上記作成が終了した問診票の完成データを問診票データ記憶部122に記憶させる。またそれと共に問診票作成支援端末NTは、問診票完成データ出力部116の制御の下、ステップS22において、上記問診票データ記憶部122から上記記憶された問診票の完成データを読み出し、当該問診票完成データを通信I/F13を介して医師端末DTへ送信する。なお、問診票完成データは直接EMRサーバMSVへ送信するようにしてもよい。
【0096】
また、問診票完成データは、医師端末DT以外に患者自身の端末や家族の端末等に送信されるようにしてもよい。この場合、問診票完成データを送信する際には、送信先の確認ステップを追加し、送信先名またはそのアドレスに対し患者自身が許可する旨を入力した場合にのみ問診票完成データが送信されるようにするとよい。このようにすると、患者自身が関知していない、或いは許可していない第三者に、問診票完成データが許可なく送信されてしまう不具合を防止することができる。
【0097】
(7)EMRサーバまたはEHRサーバに患者が登録されていない場合
上記ステップS13において、患者がEMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVのいずれにも登録されていない場合には、問診票作成支援端末NTは問診票入力データ取得部115および問診票データ作成部117の制御の下、ステップS23において、患者または医療スタッフが入力部16において入力する情報を問診票テンプレートデータの全ての問診項目に順次記載する処理を実行する。
【0098】
(作用・効果)
以上述べたように一実施形態では、問診票作成支援端末NTにおいて、患者の問診票を作成する際に、問診票テンプレートデータに基づいて、EMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVから患者の過去の診療データを取得すると共に、患者の携帯情報端末UTiからPHRデータを取得して、問診票の基礎データを作成する。そして、この問診票基礎データの未記入項目に対し、患者または医療スタッフが手入力した問診申告情報を追加して問診票完成データを作成し、この問診票完成データを医師端末DTに通知するようにしている。
【0099】
従って、患者或いは看護師等の医療スタッフは、初診時に問診票を作成する際に、今回の受診理由および現在の症状とその変化等に関する申告情報のみを手入力すればよく、全問診項目について申告情報を入力する必要がなくなる。このため、問診票を作成する際の患者または医療スタッフの負担は大幅に軽減される。
【0100】
また、問診票を短時間かつ正確に作成することが可能となり、これにより患者の受診待ち時間の短縮、および外来診療の効率向上を図ることが可能となる。この効果は、特に高齢者や子供等の患者や、発熱または疼痛等により容体が悪化している患者の負担を軽減し、かつ問診票の情報精度を高く維持する上で、きわめて有効である。
【0101】
さらに、一実施形態では、問診票基礎データを作成した際に、各問診項目のうち、情報が未記入の問診項目にマーキングを施すようにしている。このため、患者または医療スタッフはどの問診項目に情報を入力すればよいのかを、漏らさず明確に認識することができる。
【0102】
さらに、今回の受診目的および症状等の記入欄Cが選択された場合に、入力候補となる複数の症状の一覧情報を表示するようにしている。このようにすると、患者または医療スタッフは、上記一覧のうち該当する症状をタッチ操作により選択するだけで症状の入力を行うことができ、これにより問診票の作成に要する手間と時間をさらに減らすことができる。
【0103】
しかも、上記入力候補の一覧情報として、例えば季節ごとに流行する疾患に対応する症状の一覧や、患者の既往歴に基づいて発症しやすい疾患に対応する症状の一覧をその都度編集して表示することで、症状の選択操作をさらに簡単かつ短時間に行うことが可能となる。
【0104】
さらに一実施形態では、EMRデータまたはEHRデータ、およびPHRデータに基づいて記載された問診項目のうち、症状や体調の経時変化または経年変化等により修正が必要となった問診項目について、患者または医療スタッフが選択的に修正できるようにしている。従って、EMRサーバまたはEHRサーバにおける過去の診療記録や携帯情報端末UTiのPHRデータを利用しつつも、それにとらわれずより正確な問診票データを作成することができる。
【0105】
[変形例]
(1)一実施形態では、先ず問診票テンプレートデータの各問診項目のうち個人識別情報記入欄、既往歴等の記入欄および生体情報記入欄に対し、EMRまたはEHRデータとPHRデータから必要なデータを選択して貼り付けることで問診票基礎データを作成し、次に残りの空白の問診項目、つまり患者の申告が必要な項目の記入欄に対し患者または医療スタッフが申告データを手入力により書き込むことで問診票データを作成するようにした。
【0106】
しかしそれに限らず、例えば、先ず問診票テンプレートデータの各問診項目のうち個人識別情報記入欄および既往歴等の記入欄に対しEMRまたはEHRデータから必要なデータを選択して貼り付けることで問診票基礎データを作成し、続いて空白の問診項目のうち患者の申告が必要な問診項目の記入欄に対し患者または医療スタッフが申告データを手入力により書き込む。そして、最後に上記患者の申告データの内容に関係する直近の健康データまたは生活データ等をPHRデータから選択し、上記問診票テンプレートデータの生体情報記入欄に貼り付けるようにしてもよい。
【0107】
例えば、患者の申告データの内容が発熱や喉の痛み等を訴えるものであれば、インフルエンザ等の感冒が疑われるので、PHRデータから体温、血圧および心拍を選択して生体情報記入欄に貼り付ける。一方、患者の申告データの内容が腹痛や吐き気、下痢等を訴えるものであれば、食中毒が疑われるので、PHRデータから体温、血圧および心拍に加えて、過去数日間の食事の内容を示す食事履歴データを選択して生体情報記入欄に貼り付ける。
【0108】
このようにすると、患者の申告データの内容に関係する健康データや生活データ等がPHRデータから選択されて問診票データに自動記入されるため、患者の容体の申告内容に応じて必要十分な健康情報や生活情報が記載された問診票データを作成することができる。特に、食中毒が疑われる場合に、過去数日間の食事の内容を示すデータが問診票データに自動記入されることで、医療または保健スタッフは原因をいち早くかつ正確に特定することが可能となる。また患者にとっては、過去数日間の食事の内容を逐一思い出す必要がなくなるので、負担が軽減される。
【0109】
なお、問診票テンプレートデータの各問診項目のうち、先ず患者の申告が必要な問診項目の記入欄に対し患者または医療スタッフが申告データを書き込み、次にEMRまたはEHRデータとPHRデータから上記申告データの内容に関係するデータを選択してそれぞれ該当欄に貼り付けるようにしてもよい。この場合、EMRまたはEHRデータのみから申告データの内容に関係するデータを選択して該当欄に貼り付けるようにしてもよい。以上のようにすると、今回の患者の申告データの内容に関係するデータとして、患者の直近の生体情報および既往症等の過去の診療データの情報、或いは既往症等の過去の診療データの情報を、自動的に選択して問診票データに記載することが可能となる。
【0110】
また、問診票テンプレートデータの各問診項目のうち、患者の申告が必要な問診項目が複数ある場合に、これらの問診項目の重要度に応じて表示の優先度を設定し、重要度の高い問診項目ほど問診票の頭側の位置に表示されるように表示位置を制御するとよい。一般に、患者の申告が必要な問診項目の数が多くなると、記載順が後側の項目に対する記載が不正確になる傾向がある。これに対し、上記したように重要度の高い問診項目ほど問診票の始めの位置に表示されるようにすると、重要な問診項目に対しより正確な回答内容を記載してもらえる可能性が高くなる。
【0111】
以上、変形例(1)に述べたいずれの処理も、一実施形態と同様に、プログラムメモリ11Bに格納されたプログラムをCPU11Aに実行させることにより実現される。問診票作成支援装置NTのその他各部の構成は一実施形態と同様である。
【0112】
(2)問診票データは診療データの一部としてEMRサーバまたはEHRサーバに記憶されることがあるが、その場合に備え、問診票データの問診項目ごとに情報の開示範囲を表す情報を設定するとよい。このようにすると、患者本人以外の閲覧希望者から問診票データに対する閲覧要求が発生した場合に、閲覧希望者の患者との関係の強さに応じて問診票データの開示範囲を制限することが可能となる。
【0113】
例えば、開示範囲としては、例えば「全員に開示可」、「家族と医師のみ開示可」、「本人のみ開示可」の3種類を選択的に設定する。開示範囲の設定は、例えば、EMRサーバまたはEHRサーバが問診項目別に予め設定されたルールに応じて一括して行ってもよいし、患者本人または医師等の医療スタッフが問診票作成時に問診票作成支援端末NTにおいて行ってもよい。さらには、問診票データがEMRサーバまたはEHRサーバに記憶された状態で、患者または医師等の医療スタッフがそれぞれ携帯情報端末UT1~UTkまたは医師端末DTから手入力操作で問診項目ごとに開示範囲を設定するようにしてもよい。
【0114】
(3)一実施形態では、この発明に係る問診票作成支援機能を医療機関が使用するタブレット型端末に持たせ、このタブレット型端末を問診票作成支援端末NTとして使用する場合を例にとって説明した。しかしそれに限らず、例えば、問診票作成支援機能をEMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVに持たせてもよいし、また問診票作成支援機能を患者が所持する携帯情報端末UT1~UTkに持たせるようにしてもよい。問診票作成支援機能をEMRサーバMSVまたはEHRサーバHSVに持たせる場合、申告情報の入力や問診票データの表示は、医療機関に用意されたタブレット型端末や据置型のパーソナルコンピュータ、或いは患者が所持する携帯情報端末において行われる。
【0115】
特に、問診票作成支援機能を患者の携帯情報端末に持たせると、患者は医療機関への通院前に或いは通院途中で問診票を作成することが可能となり、これにより医療機関における外来待ち時間をさらに短縮することが可能となる。
【0116】
(4)一実施形態では、問診票データを問診票作成支援端末NTから医師端末DTに送信する場合を例示した。しかしそれに限らず、問診票データを問診票作成支援端末NTからEMRサーバMSVへ送信して記憶させ、患者の個人識別情報をもとに担当医師が医師端末DTからEMRサーバMSVにアクセスして、問診票データをダウンロードすることも可能である。
【0117】
(5)一実施形態では、問診票作成支援端末NTが、問診票テンプレートデータをベースに、EMRデータまたはEHRデータ等の医療記録データをもとに既往歴等の医療に係る問診項目を記載し、かつPHRデータ等の生体データをもとに患者の生体情報に係る問診項目を記載するようにした。しかし、問診票作成支援端末NTは、医療に係る問診項目と、生体情報に係る問診項目の、いずれか一方についてのみ記載するようにし、他の問診項目については患者本人または医療スタッフが手入力で記載するようにしてもよい。
【0118】
その他、問診票テンプレートデータに記載される問診項目の種類と配置、問診票作成支援装置の種類とその構成、問診票作成支援処理の手順と処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0119】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0120】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0121】
[付記]
上記各実施形態の一部または全部は、特許請求の範囲のほか以下の付記に示すように記載することも可能であるが、これに限られない。
(付記1)
ハードウェアプロセッサ(11A)とメモリ(11B)とを有する問診票作成支援装置であって、
前記ハードウェアプロセッサ(11A)が、前記メモリ(11B)に記憶されたプログラムを実行することにより、
患者の個人識別情報に基づいて、当該患者の過去の診療データを取得し(1c)、
所定の複数の問診項目に関する入力領域を有する問診票テンプレートデータと、前記取得された診療データとに基づいて、前記患者の問診票基礎データを作成し(1a)、
前記患者の症状に関する申告情報の入力データを受け取り(1h)、当該入力データを前記問診票基礎データに追加することにより前記患者の問診票データを作成し(1a)、
前記作成された問診票データを出力する(1d)
ように構成される問診票作成支援装置。
【0122】
(付記2)
ハードウェアプロセッサ(11A)と、当該ハードウェアプロセッサ(11A)を実行させるプログラムを格納したメモリ(11B)とを有する装置が実行する問診票作成支援方法であって、
前記ハードウェアプロセッサ(11A)が、患者の個人識別情報に基づいて、当該患者の過去の診療データを取得する過程と(S14)、
前記ハードウェアプロセッサ(11A)が、所定の複数の問診項目に関する入力領域を有する問診票テンプレートデータと、前記取得された診療データとに基づいて、前記患者の問診票基礎データを作成する過程と(S16)、
前記ハードウェアプロセッサ(11A)が、前記患者の症状に関する申告情報の入力データを受け取り(S19)、当該入力データを前記問診票基礎データに追加することにより前記患者の問診票データを作成する過程と(S22)、
前記ハードウェアプロセッサ(11A)が、前記作成された問診票データを出力する過程と(S22)
を具備する問診票作成支援方法。
【0123】
(付記3)
ハードウェアプロセッサ(11A)とメモリ(11B)とを有する問診票作成支援装置であって、
前記ハードウェアプロセッサ(11)が、前記メモリ(11B)に記憶されたプログラムを実行することにより、
患者の症状に関する申告情報の入力データを取得し(1h)、
所定の複数の問診項目に関する入力領域を有する問診票テンプレートデータと、前記取得された入力データとに基づいて、前記患者の問診票基礎データを作成し(1a)、
前記患者の個人識別情報に基づいて、前記患者の過去の診療データおよび前記患者の健康状態または生活状態を表す健康管理データの少なくとも一方を取得し(1b),(1c)、
前記取得された診療データおよび健康管理データの少なくとも一方から前記申告情報に関係するデータを選択し、当該選択したデータを前記問診票基礎データに追加することにより前記患者の問診票データを作成し(1a)、
前記作成された問診票データを出力する(1d)
ように構成される問診票作成支援装置。
【符号の説明】
【0124】
1…問診票作成支援装置、2…携帯情報端末、3…EHRサーバ、
4…EMRサーバ、5…医師端末、1a…問診票データ作成部、
1b…PHRデータ取得部、1c…EHR/EMRデータ取得部、
1d…問診票データ出力部、1e…テンプレート記憶部、1f…問診票データ記憶部、
1g…表示部、1h…入力部、MS1~MSn…医療機関、
NT…問診票作成支援端末、MSV…EMRサーバ、HSV…EHRサーバ、
DT…医師端末、US1~USk…ユーザ、SS1~SSk…センシング装置、
UT1~UTk…携帯情報端末、11…制御ユニット、12…データメモリ、
13…通信I/F、14…入出力I/F、15…表示部、16…入力部、17…バス、
111…患者識別情報取得部、112…問診票データ表示制御部、
113…EHR/EMRデータ取得部、114…PHRデータ取得部、
115…問診票入力データ取得部、116…問診票完成データ出力部、
117…問診票データ作成部、121…テンプレート記憶部、
122…問診票データ記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6