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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 41/30 20230101AFI20230411BHJP
   H10B 41/10 20230101ALI20230411BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230411BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20230411BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
H10B41/30
H10B41/10
H01L29/78 371
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018222655
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020088250
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】315002243
【氏名又は名称】ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 泰伸
(72)【発明者】
【氏名】中津 孝規
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-282740(JP,A)
【文献】国際公開第2008/114412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/30
H10B 41/10
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板の表面に、第1の方向に伸びるアクティブ領域と、前記アクティブ領域の両側に埋込酸化膜を形成する工程と、
前記アクティブ領域の上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜及び前記埋込酸化膜の上に、第1のゲート膜を形成する工程と、
前記第1のゲート膜及び前記埋込酸化膜の上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜の上に、前記第1の方向に略直交する第2の方向に伸びる第2ゲートを形成する工程と、
前記第2ゲートが形成される第1の領域を除き、前記第2の絶縁膜及び前記第1のゲート膜を除去し、残存する第1のゲート膜により第1ゲートを形成する工程と、
を有し、
前記第1のゲート膜を形成する工程における前記第1のゲート膜の前記第2の方向における幅は、前記第1の領域よりも、前記第1の領域と前記第1の領域との間の第2の領域において、広く形成されており、
前記アクティブ領域の前記第2の方向における幅は、前記第1の領域よりも前記第2の領域において、狭く形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記アクティブ領域は、前記第2の方向に複数設けられており、
前記第1のゲート膜は、前記第2の領域では前記第2の方向で連続していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
シリコン基板の表面に、第1の方向に伸びるアクティブ領域と、前記アクティブ領域の両側に埋込酸化膜を形成する工程と、
前記アクティブ領域の上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜及び前記埋込酸化膜の上に、第1のゲート膜を形成する工程と、
前記第1のゲート膜及び前記埋込酸化膜の上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜の上に、前記第1の方向に略直交する第2の方向に伸びる第2ゲートを形成する工程と、
前記第2ゲートが形成される第1の領域を除き、前記第2の絶縁膜及び前記第1のゲート膜を除去し、残存する第1のゲート膜により第1ゲートを形成する工程と、
を有し、
前記第1のゲート膜を形成する工程における前記第1のゲート膜の前記第2の方向における幅は、前記第1の領域よりも、前記第1の領域と前記第1の領域との間の第2の領域において、広く形成されており、
前記アクティブ領域は、前記第2の方向に複数設けられており、
前記第2の方向において、前記第1のゲート膜は、前記第1の領域では前記アクティブ領域の間で分離され、前記第2の領域では連続していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記アクティブ領域の前記第2の方向における幅は、前記第1の領域よりも前記第2の領域において、狭く形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の領域の前記第1の方向の両側には、各々前記第2の領域が設けられており、
前記アクティブ領域において、一方の側の前記第2の領域には、ソース電極が接続されており、他方の側の前記第2の領域には、ドレイン電極が接続されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2ゲートを形成する工程は、
前記第2の絶縁膜の上に、シリコンにより第2のゲート膜を形成する工程と、
前記第2のゲート膜の上の前記第1の領域に、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンの形成されていない領域の前記第2のゲート膜を除去し、残存する前記第2のゲート膜により前記第2ゲートを形成する工程と、
を有し、
前記第1ゲートを形成する工程は、
前記レジストパターンの形成されていない領域の前記第2の絶縁膜を除去する工程と、
前記レジストパターンの形成されていない領域の前記第1のゲート膜を除去し、前記第1ゲートを形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記シリコン基板の表面に、前記アクティブ領域と、前記埋込酸化膜を形成する工程は、
前記シリコン基板の表面に、前記アクティブ領域に対応した形状の酸化膜及び窒化膜のパターンを形成し、前記窒化膜の形成されていない領域の前記シリコン基板の表面を除去し、トレンチを形成することにより、前記トレンチの間に前記アクティブ領域を形成する工程と、
前記トレンチが形成されている領域を酸化膜により埋め込むことにより前記埋込酸化膜を形成する工程と、
前記窒化膜を除去する工程と、
前記酸化膜をウェットエッチングにより除去する工程と、
を有することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記アクティブ領域の両側には、前記埋込酸化膜の一部が除去されたディボットが形成され、
前記第1のゲート膜を形成する工程の前記第2の領域において、前記ディボットは、前記第1のゲート膜により埋め込まれていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコンを用いた半導体装置として、情報を記憶するための半導体メモリがある。このような半導体メモリのうち、書換可能なものとして、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性のメモリの他、不揮発性のフラッシュメモリが存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭62-147779号公報
【文献】特開平9-289258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体メモリは、小さくて記憶容量の大きなものが求められており、フラッシュメモリも例外ではない。このため、フラッシュメモリにおいても、高集積化がなされているが、高集積化をした場合に、加工誤差等により隣り合うゲート電極同士がショートし、不良となる場合がある。
【0005】
このため、フラッシュメモリ等の半導体装置において、高集積化させた場合であっても、隣り合うゲート電極同士がショートすることのない半導体装置の製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の一観点によれば、シリコン基板の表面に、第1の方向に伸びるアクティブ領域と、前記アクティブ領域の両側に埋込酸化膜を形成する工程と、前記アクティブ領域の上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜及び前記埋込酸化膜の上に、第1のゲート膜を形成する工程と、前記第1のゲート膜及び前記埋込酸化膜の上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜の上に、前記第1の方向に略直交する第2の方向に伸びる第2ゲートを形成する工程と、前記第2ゲートが形成される第1の領域を除き、前記第2の絶縁膜及び前記第1のゲート膜を除去し、残存する第1のゲート膜により第1ゲートを形成する工程と、を有し、前記第1のゲート膜を形成する工程における前記第1のゲート膜の前記第2の方向における幅は、前記第1の領域よりも、前記第1の領域と前記第1の領域との間の第2の領域において、広く形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
開示の半導体装置の製造方法によれば、高集積化させた場合であっても、隣り合うゲート電極同士がショートすることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(A)
図1B】半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(B)
図1C】半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(C)
図2A】半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(A)
図2B】半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(B)
図2C】半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(C)
図3A】半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(A)
図3B】半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(B)
図3C】半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(C)
図4A】半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(A)
図4B】半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(B)
図4C】半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(C)
図5A】半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(A)
図5B】半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(B)
図5C】半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(C)
図6A】半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(A)
図6B】半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(B)
図6C】半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(C)
図7A】半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(A)
図7B】半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(B)
図7C】半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(C)
図8A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(A)
図8B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(B)
図8C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(C)
図9A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(A)
図9B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(B)
図9C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(C)
図10A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(A)
図10B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(B)
図10C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(C)
図11A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(A)
図11B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(B)
図11C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(C)
図12A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(A)
図12B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(B)
図12C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(C)
図13A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(A)
図13B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(B)
図13C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(C)
図14A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(A)
図14B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(B)
図14C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(C)
図15A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(8)の説明図(A)
図15B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(8)の説明図(B)
図15C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(8)の説明図(C)
図16A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(9)の説明図(A)
図16B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(9)の説明図(B)
図16C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(9)の説明図(C)
図17A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(10)の説明図(A)
図17B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(10)の説明図(B)
図17C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(10)の説明図(C)
図18A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(11)の説明図(A)
図18B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(11)の説明図(B)
図18C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(11)の説明図(C)
図19A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(12)の説明図(A)
図19B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(12)の説明図(B)
図19C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(12)の説明図(C)
図20A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(13)の説明図(A)
図20B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(13)の説明図(B)
図20C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(13)の説明図(C)
図21A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(14)の説明図(A)
図21B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(14)の説明図(B)
図21C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(14)の説明図(C)
図22A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(A)
図22B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(B)
図22C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(C)
図22D】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(D)
図23A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(A)
図23B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(B)
図23C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(C)
図23D】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(D)
図24A】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の説明図(A)
図24B】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の説明図(B)
図24C】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の説明図(C)
図25A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(A)
図25B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(B)
図25C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(C)
図26A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(A)
図26B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(B)
図26C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(C)
図27A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(A)
図27B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(B)
図27C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(3)の説明図(C)
図28A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(A)
図28B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(B)
図28C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(4)の説明図(C)
図29A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(A)
図29B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(B)
図29C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(5)の説明図(C)
図30A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(A)
図30B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(B)
図30C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(6)の説明図(C)
図31A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(A)
図31B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(B)
図31C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(7)の説明図(C)
図32A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(8)の説明図(A)
図32B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(8)の説明図(B)
図32C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(8)の説明図(C)
図33A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(9)の説明図(A)
図33B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(9)の説明図(B)
図33C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(9)の説明図(C)
図34A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(10)の説明図(A)
図34B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(10)の説明図(B)
図34C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(10)の説明図(C)
図35A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(11)の説明図(A)
図35B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(11)の説明図(B)
図35C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(11)の説明図(C)
図36A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(12)の説明図(A)
図36B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(12)の説明図(B)
図36C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(12)の説明図(C)
図37A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(13)の説明図(A)
図37B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(13)の説明図(B)
図37C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(13)の説明図(C)
図38A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(14)の説明図(A)
図38B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(14)の説明図(B)
図38C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(14)の説明図(C)
図39A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(A)
図39B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(B)
図39C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(C)
図39D】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(15)の説明図(D)
図40A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(A)
図40B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(B)
図40C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(C)
図40D】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(16)の説明図(D)
図41A】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の説明図(A)
図41B】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の説明図(B)
図41C】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の説明図(C)
図42A】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(A)
図42B】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(B)
図42C】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(1)の説明図(C)
図43A】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(A)
図43B】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(B)
図43C】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程(2)の説明図(C)
図44】第3の実施の形態における半導体装置の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。また、説明の便宜上、図面における縦横の縮尺等は実際と異なる場合がある。また、本願においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。また、X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。
【0010】
〔第1の実施の形態〕
最初に、半導体装置であるフラッシュメモリにおいて、高集積化させた場合に、隣り合うゲート電極同士がショートしてしまうことについて、図1Aから図7Cに示される半導体装置の製造工程に基づき説明する。
【0011】
最初に、図1A図1Cに示されるように、シリコン基板910の表面にアクティブ領域913を形成し、アクティブ領域913の両側に埋込酸化膜920を形成し、更に、アクティブ領域913の露出しているシリコンの表面を酸化し第1の絶縁膜930を形成する。尚、図1Aは、この工程における上面図であり、図1Bは、図1Aにおける一点鎖線Ib-Ibにおいて切断した断面図であり、図1Cは、図1Aにおける一点鎖線Ic-Icにおいて切断した断面図である。
【0012】
具体的には、シリコン基板910の表面に形成されるアクティブ領域913は、Y1-Y2方向に伸びるように形成されており、このアクティブ領域913の両側となるX1方向側及びX2方向側には、埋込酸化膜920が形成されている。このように形成されるアクティブ領域913のX1-X2方向における幅W1は、0.15~0.3μmである。また、第1の絶縁膜930の膜厚は8~12nmである。
【0013】
アクティブ領域913及び埋込酸化膜920を形成する工程においては、フッ酸等によるウェットエッチングを行う工程があり、このウェットエッチングにより、アクティブ領域913の両側の埋込酸化膜920には、ディボット921が形成される。ディボット921は、アクティブ領域913の両側の埋込酸化膜920の表面に、アクティブ領域913に沿ってY1-Y2方向に伸びるように形成される。このように形成されるディボット921のX1-X2方向における幅W2は、0.05~0.08μmであり、深さD1は0.04~0.05μmである。尚、ディボット921は、X1-X2方向における一方の端が、アクティブ領域913の上に形成された第1の絶縁膜930となり、他方の端がディボット921の端部921aとなる。
【0014】
次に、図2A図2Cに示されるように、第1の絶縁膜930及び埋込酸化膜920の上に、アモルファスシリコンを成膜することにより、第1のゲート膜940aを形成する。尚、図2Aは、この工程における上面図であり、図2Bは、図2Aにおける一点鎖線IIb-IIbにおいて切断した断面図であり、図2Cは、図2Aにおける一点鎖線IIc-IIcにおいて切断した断面図である。具体的には、第1の絶縁膜930及び埋込酸化膜920の上に、CVDにより膜厚が50~100nmとなるようにアモルファスシリコンを成膜することにより第1のゲート膜940aを形成する。これにより、埋込酸化膜920のディボット921の内部も第1のゲート膜940aにより埋め込まれる。尚、第1のゲート膜940aはフローティングゲートとなる第1ゲートを形成するためのものであり、導電性を有している。
【0015】
次に、図3A図3Cに示されるように、第1のゲート膜940aを加工する。尚、図3Aは、この工程における上面図であり、図3Bは、図3Aにおける一点鎖線IIIb-IIIbにおいて切断した断面図であり、図3Cは、図3Aにおける一点鎖線IIIc-IIIcにおいて切断した断面図である。具体的には、第1のゲート膜940aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の第1のゲート膜940aを除去し、埋込酸化膜920の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。これにより第1のゲート膜940aは、X1-X2方向における幅W3は0.25~0.4μmであって、Y1-Y2方向に長く伸びた形状に加工される。
【0016】
ところで、X1-X2方向において、アクティブ領域913の幅W1は0.15~0.3μmであり、ディボット921の幅W2は0.05~0.08μmである。このため、第1のゲート膜940aを加工するために形成されるレジストパターンの位置が若干ずれると、図3B及び図3Cに示されるように、レジストパターンが形成されていない領域のディボット921内に、第1のゲート膜の一部940zが残ってしまう。
【0017】
次に、図4A図4Cに示されるように、第1のゲート膜940a及び埋込酸化膜920の上に、第2の絶縁膜950を形成し、更に、第2の絶縁膜950の上に第2のゲート膜960aを形成する。尚、図4Aは、この工程における上面図であり、図4Bは、図4Aにおける一点鎖線IVb-IVbにおいて切断した断面図であり、図4Cは、図4Aにおける一点鎖線IVc-IVcにおいて切断した断面図である。第2の絶縁膜950は、第1のゲート膜940a及び埋込酸化膜920の上に、CVDにより酸化膜及び窒化膜を成膜することにより形成する。形成される第2の絶縁膜950の膜厚は、12~20nmである。また、第2のゲート膜960aは、CVDによりポリシリコンを成膜することにより形成されており、第2のゲート膜960aの膜厚は、80~140nmである。
【0018】
次に、図5A図5Cに示されるように、第2のゲート膜960aの上に、レジストパターン970を形成し、レジストパターン970の形成されていない領域における第2のゲート膜960aを除去することにより、第2ゲート960を形成する。尚、図5Aは、この工程における上面図であり、図5Bは、図5Aにおける一点鎖線Vb-Vbにおいて切断した断面図であり、図5Cは、図5Aにおける一点鎖線Vc-Vcにおいて切断した断面図である。
【0019】
具体的には、第2のゲート膜960aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2ゲート960が形成される領域にレジストパターン970を形成する。この後、Cl系等のガスをエッチングガスとして用いたRIE等のドライエッチングにより、レジストパターン970の形成されていない領域の第2のゲート膜960aを除去し、第2の絶縁膜950の表面を露出させる。これにより、残存している第2のゲート膜960aにより第2ゲート960を形成する。このように形成される第2ゲート960は、X1-X2方向に伸びるように形成され、Y1-Y2方向における幅W4は、0.15~0.3μmである。
【0020】
次に、図6A図6Cに示されるように、第2ゲート960の上のレジストパターン970を残したままの状態で、第2の絶縁膜950をドライエッチングにより除去する。尚、図6Aは、この工程における上面図であり、図6Bは、図6Aにおける一点鎖線VIb-VIbにおいて切断した断面図であり、図6Cは、図6Aにおける一点鎖線VIc-VIcにおいて切断した断面図である。具体的には、CF系のガスをエッチングガスとして用いたRIE等のドライエッチングにより、レジストパターン970の形成されていない領域の第2の絶縁膜950を除去する。ドライエッチングでは、Z1側からZ2側に向かってエッチングが進行するため、第1のゲート膜940aの側面に形成された第2の絶縁膜950の一部950zが完全には除去されず残ってしまう。例えば、ディボット921内に第1のゲート膜の一部940zが残存している場合、第1のゲート膜の一部940zの上に、第2の絶縁膜の一部950zが残ってしまう。
【0021】
次に、図7A図7Cに示されるように、第2ゲート960の上のレジストパターン970を残したままの状態で、第1のゲート膜940aをドライエッチングにより除去することにより、残存する第1のゲート膜940aにより第1ゲート940を形成する。この後、レジストパターン970は有機溶剤等により除去する。尚、図7Aは、この工程における上面図であり、図7Bは、図7Aにおける一点鎖線VIIb-VIIbにおいて切断した断面図であり、図7Cは、図7Aにおける一点鎖線VIIc-VIIcにおいて切断した断面図である。具体的には、Cl系等のガスをエッチングガスとして用いたRIE等のドライエッチングにより、レジストパターン970の形成されていない領域の第1のゲート膜940aを除去する。エッチングガスとしてCl系等のガスを用いたドライエッチングでは、シリコンにおけるエッチング速度は速いが、酸化膜や窒化膜におけるエッチング速度は極めて遅いため、選択的エッチングされる。よって、このドライエッチングでは、アモルファスシリコンにより形成されている第1のゲート膜940aはエッチングされるが、埋込酸化膜920、第1の絶縁膜930、第2の絶縁膜の一部950zは殆どエッチングされない。このため、ディボット921内に残存している第1のゲート膜の一部940zは、その上に、即ち、Z1側に、第2の絶縁膜の一部950zが残存しているため、ドライエッチングでは除去されず残ってしまう。このように、隣り合う第1ゲート940同士は、導電性を有する残存する第1のゲート膜の一部940zにより接続されるため、隣り合う第1ゲート940同士は、電気的に接続されてショートしてしまい不良となる。尚、第1ゲート940を大きくすることにより、解決する方法も考えられるが、この方法では、半導体装置の集積度が低下するため好ましくない。
【0022】
このため、隣り合う第1ゲート940同士がショートすることのない半導体装置が求められている。
【0023】
(半導体装置)
次に、第1の実施の形態における半導体装置の製造方法について、図8A図23Dに基づき説明する。尚、本願においては、Y1-Y2方向を第1の方向と記載し、X1-X2方向を第2の方向と記載する場合がある。また、後述する第1ゲート40は、フローティングゲート(浮遊ゲート)と呼ばれ、第2ゲート60は、コントロールゲート(制御ゲート)と呼ばれる。
【0024】
最初に、図8A図8Cに示されるように、シリコン基板10の上に酸化膜11を形成し、酸化膜11の上に窒化膜12を形成する。尚、図8Aは、この工程における上面図であり、図8Bは、図8Aにおける一点鎖線VIIIb-VIIIbにおいて切断した断面図であり、図8Cは、図8Aにおける一点鎖線VIIIc-VIIIcにおいて切断した断面図である。酸化膜11は、シリコン基板10の表面のシリコンを熱酸化することにより形成し、窒化膜12は、この酸化膜11の上にCVDによりSiN膜等を成膜することにより形成する。このように形成される酸化膜11の膜厚は5~20nmであり、窒化膜12の膜厚は60~130nmである。
【0025】
次に、図9A図9Cに示されるように、シリコン基板10を表面より加工することにより、アクティブ領域13を形成する。尚、図9Aは、この工程における上面図であり、図9Bは、図9Aにおける一点鎖線IXb-IXbにおいて切断した断面図であり、図9Cは、図9Aにおける一点鎖線IXc-IXcにおいて切断した断面図である。具体的には、窒化膜12の表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、アクティブ領域13が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等によりレジストパターンが形成されていない領域の窒化膜12及び酸化膜11を除去し、残存している窒化膜12及び酸化膜11により、窒化膜12及び酸化膜11のパターンを形成し、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。この後、残存している窒化膜12及び酸化膜11のパターンをマスクとして、シリコン基板10の一部を除去し、トレンチ14を形成することにより、トレンチ14とトレンチ14との間にアクティブ領域13が形成される。アクティブ領域13は、X1-X2方向における幅Waが0.15~0.3μmであって、Y1-Y2方向に伸びるように形成されており、アクティブ領域13の高さに相当するトレンチ14の深さDaは250~400nmである。
【0026】
次に、図10A図10Cに示されるように、トレンチ14を埋め込むことにより埋込酸化膜20を形成する。尚、図10Aは、この工程における上面図であり、図10Bは、図10Aにおける一点鎖線Xb-Xbにおいて切断した断面図であり、図10Cは、図10Aにおける一点鎖線Xc-Xcにおいて切断した断面図である。具体的には、CVDにより膜厚が400nm~600nmの酸化シリコン膜を成膜することにより、シリコン基板10に形成されたトレンチ14を埋め込む。この後、酸化シリコン膜を表面よりCMP(chemical mechanical polishing)等による研磨により除去し平坦化し、埋込酸化膜20を形成する。窒化膜12の一部は、CMP等による研磨により除去してもよい。
【0027】
次に、図11A図11Cに示されるように、リン酸を用いたウェットエッチングにより、窒化膜12を除去する。尚、図11Aは、この工程における上面図であり、図11Bは、図11Aにおける一点鎖線XIb-XIbにおいて切断した断面図であり、図11Cは、図11Aにおける一点鎖線XIc-XIcにおいて切断した断面図である。
【0028】
次に、図12A図12Cに示されるように、必要なイオン注入を行った後、フッ酸を用いたウェットエッチングにより、酸化膜11を除去する。尚、図12Aは、この工程における上面図であり、図12Bは、図12Aにおける一点鎖線XIIb-XIIbにおいて切断した断面図であり、図12Cは、図12Aにおける一点鎖線XIIc-XIIcにおいて切断した断面図である。フッ酸を用いたウェットエッチングでは、シリコンにより形成されているアクティブ領域13は殆どエッチングされず、アクティブ領域13の上の酸化膜11を除去することができるが、この際、埋込酸化膜20の一部がエッチングにより除去される。これにより、アクティブ領域13のX1側及びX2側の両側に、アクティブ領域13に沿ってディボット21が形成される。形成されるディボット21のX1-X2方向における幅Wbは0.05~0.08μmである。
【0029】
次に、図13A図13Cに示されるように、露出しているアクティブ領域13の表面のシリコンを熱酸化し酸化シリコンを形成することにより第1の絶縁膜30を形成する。形成される第1の絶縁膜30の膜厚は、8~12nmである。尚、図13Aは、この工程における上面図であり、図13Bは、図13Aにおける一点鎖線XIIIb-XIIIbにおいて切断した断面図であり、図13Cは、図13Aにおける一点鎖線XIIIc-XIIIcにおいて切断した断面図である。
【0030】
次に、図14A図14Cに示されるように、第1の絶縁膜30及び埋込酸化膜20の上に、アモルファスシリコンにより第1のゲート膜40aを成膜する。尚、図14Aは、この工程における上面図であり、図14Bは、図14Aにおける一点鎖線XIVb-XIVbにおいて切断した断面図であり、図14Cは、図14Aにおける一点鎖線XIVc-XIVcにおいて切断した断面図である。具体的には、第1の絶縁膜30及び埋込酸化膜20の上に、CVDにより膜厚が50~100nmとなるようにアモルファスシリコンを成膜することにより第1のゲート膜40aを形成する。これにより、埋込酸化膜20のディボット21の内部にも第1のゲート膜40aが埋め込まれる。尚、第1のゲート膜40aはフローティングゲートとなる第1ゲートを形成するためのものであり導電性を有している。
【0031】
次に、図15A図15Cに示されるように、第1のゲート膜40aを加工する。尚、図15Aは、この工程における上面図であり、図15Bは、図15Aにおける一点鎖線XVb-XVbにおいて切断した断面図であり、図15Cは、図15Aにおける一点鎖線XVc-XVcにおいて切断した断面図である。具体的には、第1のゲート膜40aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の第1のゲート膜40aを除去し、埋込酸化膜20の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。
【0032】
これにより、第1のゲート膜40aは、Y1-Y2方向に長く伸びた形状に加工される。本実施の形態においては、第1のゲート膜40aは、X1-X2方向において、後述する第2ゲート60が形成される第1の領域101における幅Wcよりも、第2ゲート60が形成されない第2の領域102における幅Wdが広くなるように形成する。具体的には、第1のゲート膜40aは、第1の領域101におけるX1-X2方向の幅Wcよりも、第2の領域102における幅Wdが片側で0.05~0.1μm広くなるように形成する。例えば、加工された第1のゲート膜40aの第1の領域101における幅Wcは、0.25~0.4μmとなり、第2の領域102における幅Wdは、0.35~0.6μmとなる。
【0033】
ここで、第1のゲート膜40aを加工するために形成される不図示のレジストパターンは、露光装置におけるアライメントの際の位置合わせのずれ等により、若干位置がずれて形成される場合がある。このようなレジストパターンの位置ずれにより、第1の領域101では、図15Bに示されるように、レジストパターンが形成されていない領域において、X1側の第1のゲート膜の一部40zがディボット21内に残る場合がある。これに対し、第2の領域102では、図15Cに示されるように、加工された第1のゲート膜40aのX1-X2方向における幅Wdは、第1の領域101における幅Wcよりも広く形成されている。よって、レジストパターンの位置が多少ずれても、ディボット21が形成されている領域の全域がレジストパターンにより覆われるため、ディボット21内は第1のゲート膜40aにより埋められている。
【0034】
次に、図16A図16Cに示されるように、第1のゲート膜40a及び埋込酸化膜20の上に、第2の絶縁膜50を形成し、更に、第2の絶縁膜50の上に第2のゲート膜60aを形成する。尚、図16Aは、この工程における上面図であり、図16Bは、図16Aにおける一点鎖線XVIb-XVIbにおいて切断した断面図であり、図16Cは、図16Aにおける一点鎖線XVIc-XVIcにおいて切断した断面図である。第2の絶縁膜50は、第1のゲート膜40a及び埋込酸化膜20の上に、CVDにより酸化膜及び窒化膜を成膜することにより形成する。形成される第2の絶縁膜50の膜厚は、12~20nmである。また、第2のゲート膜60aは、CVDによりポリシリコンを成膜することにより形成されており、膜厚は、80~140nmである。
【0035】
次に、図17A図17Cに示されるように、第2のゲート膜60aの上に、レジストパターン70を形成し、レジストパターン70が形成されていない領域の第2のゲート膜60aを除去することにより、第2ゲート60を形成する。尚、図17Aは、この工程における上面図であり、図17Bは、図17Aにおける一点鎖線XVIIb-XVIIbにおいて切断した断面図であり、図17Cは、図17Aにおける一点鎖線XVIIc-XVIIcにおいて切断した断面図である。
【0036】
具体的には、第2のゲート膜60aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2ゲート60が形成される領域にレジストパターン70を形成する。この後、Cl系等のガスをエッチングガスとして用いたRIE等のドライエッチングにより、レジストパターン70の形成されていない領域の第2のゲート膜60aを除去し、第2の絶縁膜50の表面を露出させる。これにより、残存している第2のゲート膜60aにより第2ゲート60を形成する。このように、第2の領域102に形成される第2ゲート60は、Y1-Y2方向における幅Weは、0.15~0.3μmであって、X1-X2方向に伸びるように形成される。
【0037】
次に、図18A図18Cに示されるように、第2ゲート60の上のレジストパターン70を残したままの状態で、第2の絶縁膜50をドライエッチングにより除去する。尚、図18Aは、この工程における上面図であり、図18Bは、図18Aにおける一点鎖線XVIIIb-XVIIIbにおいて切断した断面図であり、図18Cは、図18Aにおける一点鎖線XVIIIc-XVIIIcにおいて切断した断面図である。具体的には、CF系のガスをエッチングガスとして用いたRIE等のドライエッチングにより、レジストパターン70の形成されていない領域の第2の絶縁膜50を除去する。ドライエッチングでは、Z1側からZ2側に向かってエッチングが進行するため、図18Cに示すように、第1のゲート膜40aの側面に形成された第2の絶縁膜50の一部50zが完全には除去されず、第2の領域102に残ってしまう。しかしながら、第2の領域102では、X1-X2方向における第1のゲート膜40aの幅Wdは広く形成されており、ディボット21が形成されている領域を覆っている。よって、第2の領域102では、絶縁膜の一部50zは、ディボット21の外側に残る。
【0038】
次に、図19A図19Cに示されるように、第2ゲート60の上のレジストパターン70を残したままの状態で、第1のゲート膜40aをドライエッチングにより除去することにより、残存する第1のゲート膜40aにより第1ゲート40を形成する。この後、レジストパターン70は有機溶剤等により除去する。尚、図19Aは、この工程における上面図であり、図19Bは、図19Aにおける一点鎖線XIXb-XIXbにおいて切断した断面図であり、図19Cは、図19Aにおける一点鎖線XIXc-XIXcにおいて切断した断面図である。具体的には、Cl系等のガスをエッチングガスとして用いたRIE等のドライエッチングにより、レジストパターン70の形成されていない領域の第1のゲート膜40aを除去する。エッチングガスとしてCl系等のガスを用いたドライエッチングでは、シリコンにおけるエッチング速度は速いが、酸化膜や窒化膜におけるエッチング速度は極めて遅いため、選択的エッチングがなされる。よって、このドライエッチングでは、アモルファスシリコンにより形成されている第1のゲート膜40aはエッチングされるが、埋込酸化膜20、第1の絶縁膜30、第2の絶縁膜の一部50zは殆どエッチングされない。
【0039】
本実施の形態においては、図19C等に示すように、第2の領域102に、絶縁膜の一部50zは、ディボット21の外側に残る。即ち、アクティブ領域13よりもX1側では、ディボット21の端部21aよりもX1側に、絶縁膜の一部50zが残っており、アクティブ領域13よりもX2側では、ディボット21の端部21aよりもX2側に、絶縁膜の一部50zが残っている。従って、絶縁膜の一部50zはディボット21が形成されている領域には残ってはいないため、第2の領域102におけるディボット21内を埋めていた第1のゲート膜40aはすべて、エッチングにより除去される。これにより、隣り合う第1ゲート40同士は分離されるため、隣り合う第1ゲート40同士が、電気的に接続されることはなく、ショートすることを防ぐことができる。
【0040】
次に、図20A図20Cに示されるように、第2の領域102におけるアクティブ領域13を覆う第1の絶縁膜30を除去し、第2ゲート60の上にシリサイド層61を形成し、アクティブ領域13の上にシリサイド層15を形成する。尚、図20Aは、この工程における上面図であり、図20Bは、図20Aにおける一点鎖線XXb-XXbにおいて切断した断面図であり、図20Cは、図20Aにおける一点鎖線XXc-XXcにおいて切断した断面図である。具体的には、図示はしないが、イオン注入によりエクステンション領域を形成し、サイドウォールを形成し、イオン注入によりソース領域及びドレイン領域を形成する。この後、第2ゲート60の表面の一部及び第1の絶縁膜30をエッチングにより除去した後、スパッタリングによりCo(コバルト)膜を成膜して、熱処理を行う。これにより、シリコンとシリコンの上に成膜されたCoとが反応してCoSiが形成される。即ち、第2ゲート60を形成しているポリシリコン及びアクティブ領域13を形成しているシリコンと、成膜されたCoとによりCoSiが形成され、第2ゲート60の上にシリサイド層61が形成され、アクティブ領域13の上にシリサイド層15が形成される。このように形成されるシリサイド層61及びシリサイド層15の膜厚は、20~50nmである。この後、埋込酸化膜20等の上に成膜された未反応のCoは、ウェットエッチング等により除去する。
【0041】
次に、図21A図21Cに示されるように、層間絶縁膜71を形成し、この層間絶縁膜71を貫通し、第2ゲート60の上のシリサイド層61と接続される貫通電極72、アクティブ領域13の上のシリサイド層15と接続される貫通電極73を形成する。尚、図21Aは、この工程における上面図であり、図21Bは、図21Aにおける一点鎖線XXIb-XXIbにおいて切断した断面図であり、図21Cは、図21Aにおける一点鎖線XXIc-XXIcにおいて切断した断面図である。具体的には、CVDにより酸化シリコン膜を成膜し、成膜された酸化シリコン膜を表面よりCMP等により研磨することにより平坦化する。このように形成される層間絶縁膜71は、例えば、アクティブ領域13の上のシリサイド層15の上の膜厚が250~500nmとなるように形成する。この後、層間絶縁膜71の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、貫通電極72及び73が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等によるドライエッチングにより、レジストパターンの開口部における層間絶縁膜71をシリサイド層61及びシリサイド層15の表面が露出するまで除去し、開口部を形成する。この後、CVDによりW等を成膜することにより、開口部をWにより埋め込み、層間絶縁膜71の表面に成膜されたW膜をCMP等による研磨により除去する。これにより、層間絶縁膜71を貫通し、シリサイド層61と接続される貫通電極72及びシリサイド層15と接続される貫通電極73を形成する。このように形成される貫通電極72及び貫通電極73の直径は、0.10~0.15μmである。
【0042】
次に、図22A図22Dに示されるように、層間絶縁膜71等の上に、層間絶縁膜74を形成し、層間絶縁膜74の一部を除去し、コントロールゲート電極75、ドレイン電極76、ソース配線77を形成する。これにより、貫通電極72と接続されるコントロールゲート電極75、一方の貫通電極73と接続されるドレイン電極76、他方の貫通電極73と接続されるソース配線77を形成する。尚、図22Aは、この工程における上面図であり、図22Bは、図22Aにおける一点鎖線XXIIb-XXIIbにおいて切断した断面図であり、図22Cは、図22Aにおける一点鎖線XXIIc-XXIIcにおいて切断した断面図である。図22Dは、図22Aにおける一点鎖線XXIId-XXIIdにおいて切断した断面図である。
【0043】
具体的には、層間絶縁膜71等の上に、CVDにより酸化シリコン膜を成膜することにより、膜厚が180~350nmの層間絶縁膜74を形成する。この後、層間絶縁膜74の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、コントロールゲート電極75、ドレイン電極76、ソース配線77が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等によるドライエッチングにより、レジストパターンの開口部における層間絶縁膜74を貫通電極72及び貫通電極73の表面が露出するまで除去し、開口部を形成する。この後、メッキにより開口部をCu(銅)等により埋め込むことにより、貫通電極72と接続されるコントロールゲート電極75、一方の貫通電極73と接続されるドレイン電極76、他方の貫通電極73と接続されるソース配線77を形成する。ソース配線77は、X1-X2方向に沿って形成される。貫通電極73は、Y1-Y2方向に沿って、ドレイン電極76及びソース配線77と交互に接続されるため、Y1-Y2方向に沿って、ソースとドレインが交互に形成される。
【0044】
次に、図23A図23Dに示されるように、層間絶縁膜74等の上に、層間絶縁膜78を形成し、層間絶縁膜78にドレイン電極76と接続される貫通電極79を形成し、更に、貫通電極79と接続されるドレイン配線80を形成する。尚、図23Aは、この工程における上面図であり、図23Bは、図23Aにおける一点鎖線XXIIIb-XXIIIbにおいて切断した断面図であり、図23Cは、図23Aにおける一点鎖線XXIIIc-XXIIIcにおいて切断した断面図である。図23Dは、図23Aにおける一点鎖線XXIIId-XXIIIdにおいて切断した断面図である。
【0045】
具体的には、層間絶縁膜74等の上に、CVDにより酸化シリコン膜を成膜することにより、膜厚が330~650nmの層間絶縁膜78を形成し、この層間絶縁膜78に開口部を形成し、開口部をW等により埋め込むことにより、貫通電極79を形成する。貫通電極79はドレイン電極76の上に形成されておりドレイン電極76と接触しており、貫通電極79の上には、複数の貫通電極79を接続するドレイン配線80がY1-Y2方向に沿って形成される。
【0046】
以上の工程により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
【0047】
本実施の形態においては、図15A図15Cに示される工程において、加工される第1のゲート膜40aのX1-X2方向の幅は、第1の領域101よりも第2の領域102において広く形成されている。即ち、図15A図15Cに示される工程において、チャネル幅方向、即ち、チャネル長に垂直な方向では、第1のゲート膜40aの幅は、第1の領域101よりも第2の領域102において広く形成されている。これにより、隣り合う第1ゲート40同士がショートすることを防ぐことができる。
【0048】
図24A図24Cは、アクティブ領域13に対し、加工される第1のゲート膜40aの位置がずれていない場合における図21A図21Cに示される製造工程に対応する状態を示す。尚、図24Aは、この工程における上面図であり、図24Bは、図24Aにおける一点鎖線XXIVb-XXIVbにおいて切断した断面図であり、図24Cは、図24Aにおける一点鎖線XXIVc-XXIVcにおいて切断した断面図である。図24Cに示されるように、アクティブ領域13に対し、第1ゲート40の位置がずれていない場合には、問題はない。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態における半導体装置の製造方法について、図25A図40Dに基づき説明する。
【0050】
最初に、図25A図25Cに示されるように、シリコン基板10の上に酸化膜11を形成し、酸化膜11の上に窒化膜12を形成する。尚、図25Aは、この工程における上面図であり、図25Bは、図25Aにおける一点鎖線XXVb-XXVbにおいて切断した断面図であり、図25Cは、図25Aにおける一点鎖線XXVc-XXVcにおいて切断した断面図である。
【0051】
次に、図26A図26Cに示されるように、シリコン基板10を表面より加工することにより、アクティブ領域113を形成する。尚、図26Aは、この工程における上面図であり、図26Bは、図26Aにおける一点鎖線XXVIb-XXVIbにおいて切断した断面図であり、図26Cは、図26Aにおける一点鎖線XXVIc-XXVIcにおいて切断した断面図である。具体的には、窒化膜12の表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、アクティブ領域113が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等によりレジストパターンが形成されていない領域の窒化膜12、酸化膜11及びシリコン基板10の一部を除去し、トレンチ114を形成することにより、トレンチ114とトレンチ114との間にアクティブ領域113を形成する。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
【0052】
これにより、Y1-Y2方向に伸びるアクティブ領域113が形成される。形成されるアクティブ領域113のX1-X2方向の幅は、第1の領域101における幅Wfが第2の領域102における幅Wgよりも広くなるように形成する。具体的には、第1の領域101における幅Wfは0.15~0.3μmとなるように形成し、第2の領域102における幅Wgは幅Wfよりも0.02~0.05μm細く形成し、0.11~0.2μmとなるように形成する。アクティブ領域113の高さに相当するトレンチ114の深さDbは250~400nmである。尚、第1の領域101は、後述する第1ゲート140及び第2ゲート60が形成される領域であり、第2の領域102は、第1ゲート140及び第2ゲート60は形成されない領域である。
【0053】
次に、図27A図27Cに示されるように、トレンチ114を埋め込むことにより埋込酸化膜20を形成する。尚、図27Aは、この工程における上面図であり、図27Bは、図27Aにおける一点鎖線XXVIIb-XXVIIbにおいて切断した断面図であり、図27Cは、図27Aにおける一点鎖線XXVIIc-XXVIIcにおいて切断した断面図である。
【0054】
次に、図28A図28Cに示されるように、リン酸を用いたウェットエッチングにより、窒化膜12を除去する。尚、図28Aは、この工程における上面図であり、図28Bは、図28Aにおける一点鎖線XXVIIIb-XXVIIIbにおいて切断した断面図であり、図28Cは、図28Aにおける一点鎖線XXVIIIc-XXVIIIcにおいて切断した断面図である。
【0055】
次に、図29A図29Cに示されるように、必要なイオン注入を行った後、フッ酸を用いたウェットエッチングにより、酸化膜11を除去する。尚、図29Aは、この工程における上面図であり、図29Bは、図29Aにおける一点鎖線XXIXb-XXIXbにおいて切断した断面図であり、図29Cは、図29Aにおける一点鎖線XXIXc-XXIXcにおいて切断した断面図である。フッ酸を用いたウェットエッチングでは、シリコンにより形成されているアクティブ領域113は殆どエッチングされず、アクティブ領域113の上の酸化膜11を除去することができるが、この際、埋込酸化膜20の一部がエッチングにより除去される。これにより、アクティブ領域113のX1側及びX2側の両側に、アクティブ領域113に沿ってディボット121が形成される。形成されるディボット121のX1-X2方向における幅Whは0.05~0.08μmである。
【0056】
次に、図30A図30Cに示されるように、露出しているアクティブ領域113の表面のシリコンを熱酸化し、酸化シリコンを形成することにより第1の絶縁膜30を形成する。形成される第1の絶縁膜30の膜厚は、8~12nmである。尚、図30Aは、この工程における上面図であり、図30Bは、図30Aにおける一点鎖線XXXb-XXXbにおいて切断した断面図であり、図30Cは、図30Aにおける一点鎖線XXXc-XXXcにおいて切断した断面図である。
【0057】
次に、図31A図31Cに示されるように、第1の絶縁膜30及び埋込酸化膜20の上に、アモルファスシリコンにより第1のゲート膜140aを成膜する。尚、図31Aは、この工程における上面図であり、図31Bは、図31Aにおける一点鎖線XXXIb-XXXIbにおいて切断した断面図であり、図31Cは、図31Aにおける一点鎖線XXXIc-XXXIcにおいて切断した断面図である。具体的には、第1の絶縁膜30及び埋込酸化膜20の上に、CVDにより膜厚が50~100nmとなるようにアモルファスシリコンを成膜することにより第1のゲート膜140aを形成する。これにより、埋込酸化膜20のディボット121の内部にも第1のゲート膜140aが埋め込まれる。尚、第1のゲート膜140aとなる第1ゲートを形成するためのものであり導電性を有している。
【0058】
次に、図32A図32Cに示されるように、第1のゲート膜140aを加工する。尚、図32Aは、この工程における上面図であり、図32Bは、図32Aにおける一点鎖線XXXIIb-XXXIIbにおいて切断した断面図であり、図32Cは、図32Aにおける一点鎖線XXXIIc-XXXIIcにおいて切断した断面図である。具体的には、第1のゲート膜140aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の第1のゲート膜140aを除去し、埋込酸化膜20の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。
【0059】
これにより、第1のゲート膜140aは、Y1-Y2方向に長く伸びた形状に加工される。本実施の形態においては、第1のゲート膜140aはX1-X2方向の幅が、後述する第2ゲート60が形成される第1の領域101における幅Wiよりも、第2ゲート60が形成されない第2の領域102における幅Wjが広くなるように形成する。例えば、第1のゲート膜140aは、第1の領域101におけるX1-X2方向の幅Wiよりも、第2の領域102における幅Wjが片側で0.02~0.05μm広くなるように形成する。具体的には、加工された第1のゲート膜140aの第1の領域101における幅Wiは、0.25~0.4μmとなり、第2の領域102における幅Wjは、0.29~0.5μmとなる。
【0060】
ここで、第1のゲート膜140aを加工するために形成されるレジストパターンは、露光装置におけるアライメントの際の位置合わせのずれ等により、位置が若干ずれて形成される場合がある。このようなレジストパターンの位置ずれにより、図32Bに示されるように、第1の領域101では、レジストパターンが形成されていない領域において、X1側の第1のゲート膜の一部140zがディボット21内に残る場合がある。これに対し、第2の領域102では、図32Cに示されるように、加工された第1のゲート膜140aのX1-X2方向における幅Wjは、第1の領域101における幅Wiよりも広く形成される。また、形成されるアクティブ領域113のX1-X2方向の幅は、第2の領域102における幅Wgが第1の領域101における幅Wfよりも狭く形成される。よって、第2の領域102においては、レジストパターンの位置が多少ずれていても、ディボット121が形成されている領域の全面がレジストパターンにより覆われるため、ディボット121内は第1のゲート膜140aにより埋められる。
【0061】
次に、図33A図33Cに示されるように、第1のゲート膜140a及び埋込酸化膜20の上に、第2の絶縁膜50を形成し、第2の絶縁膜50の上に第2のゲート膜60aを形成する。尚、図33Aは、この工程における上面図であり、図33Bは、図33Aにおける一点鎖線XXXIIIb-XXXIIIbにおいて切断した断面図であり、図33Cは、図33Aにおける一点鎖線XXXIIIc-XXXIIIcにおいて切断した断面図である。
【0062】
次に、図34A図34Cに示されるように、第2のゲート膜60aの上に、レジストパターン70を形成し、レジストパターン70が形成されていない領域の第2のゲート膜60aを除去する。これにより、残存する第2のゲート膜60aにより第2ゲート60を形成する。尚、図34Aは、この工程における上面図であり、図34Bは、図34Aにおける一点鎖線XXXIVb-XXXIVbにおいて切断した断面図であり、図34Cは、図34Aにおける一点鎖線XXXIVc-XXXIVcにおいて切断した断面図である。このように、第2の領域102に形成される第2ゲート60は、Y1-Y2方向における幅Weが0.15~0.3μmであり、X1-X2方向に伸びるように形成される。
【0063】
次に、図35A図35Cに示されるように、第2ゲート60の上のレジストパターン70を残したままの状態で、第2の絶縁膜50をドライエッチングにより除去する。尚、図35Aは、この工程における上面図であり、図35Bは、図35Aにおける一点鎖線XXXVb-XXXVbにおいて切断した断面図であり、図35Cは、図35Aにおける一点鎖線XXXVc-XXXVcにおいて切断した断面図である。本実施の形態では、第1のゲート膜140aは、X1-X2方向において、第2の領域102における幅Wjが、第1の領域101における幅Wiよりも広く形成されている。また、アクティブ領域113は、X1-X2方向において、第2の領域102における幅Wgが、第1の領域101における幅Wfよりも狭く形成されている。従って、第2の領域102においては、第1のゲート膜140aが、ディボット121が形成されている領域を覆っているため、絶縁膜の一部50zは、ディボット121の外側に残る。
【0064】
次に、図36A図36Cに示されるように、第2ゲート60の上のレジストパターン70を残したままの状態で、第1のゲート膜140aをドライエッチングにより除去することにより、残存する第1のゲート膜140aにより第1ゲート140を形成する。この後、レジストパターン70は有機溶剤等により除去する。尚、図36Aは、この工程における上面図であり、図36Bは、図36Aにおける一点鎖線XXXVIb-XXXVIbにおいて切断した断面図であり、図36Cは、図36Aにおける一点鎖線XXXVIc-XXXVIcにおいて切断した断面図である。
【0065】
本実施の形態においては、図36Cに示すように、第2の領域102においては、絶縁膜の一部50zは、ディボット121の外側に残る。即ち、アクティブ領域113よりもX1側では、ディボット121の端部121aよりもX1側に、絶縁膜の一部50zが残っており、アクティブ領域113よりもX2側では、ディボット121の端部121aよりもX2側に、絶縁膜の一部50zが残っている。即ち、絶縁膜の一部50zはディボット121が形成されている領域には残ってはいないため、第2の領域102におけるディボット121内を埋めていた第1のゲート膜140aはすべて、エッチングにより除去される。これにより、隣り合う第1ゲート140同士は分離されるため、隣り合う第1ゲート140同士が、ショートすることを防ぐことができる。
【0066】
次に、図37A図37Cに示されるように、第2の領域102におけるアクティブ領域113を覆う第1の絶縁膜30を除去し、第2ゲート60の上にシリサイド層61を形成し、アクティブ領域113の上にシリサイド層115を形成する。尚、図37Aは、この工程における上面図であり、図37Bは、図37Aにおける一点鎖線XXXVIIb-XXXVIIbにおいて切断した断面図であり、図37Cは、図37Aにおける一点鎖線XXXVIIc-XXXVIIcにおいて切断した断面図である。
【0067】
次に、図38A図38Cに示されるように、層間絶縁膜71を形成し、この層間絶縁膜71を貫通し、第2ゲート60の上のシリサイド層61と接続される貫通電極72、アクティブ領域113の上のシリサイド層115と接続される貫通電極73を形成する。尚、図38Aは、この工程における上面図であり、図38Bは、図38Aにおける一点鎖線XXXVIIIb-XXXVIIIbにおいて切断した断面図であり、図38Cは、図38Aにおける一点鎖線XXXVIIIc-XXXVIIIcにおいて切断した断面図である。
【0068】
次に、図39A図39Dに示されるように、層間絶縁膜71等の上に、層間絶縁膜74を形成し、層間絶縁膜74の一部を除去し、コントロールゲート電極75、ドレイン電極76、ソース配線77を形成する。これにより、貫通電極72と接続されるコントロールゲート電極75、一方の貫通電極73と接続されるドレイン電極76、他方の貫通電極73と接続されるソース配線77を形成する。尚、図39Aは、この工程における上面図であり、図39Bは、図39Aにおける一点鎖線XXXIXb-XXXIXbにおいて切断した断面図であり、図39Cは、図39Aにおける一点鎖線XXXIXc-XXXIXcにおいて切断した断面図である。図39Dは、図39Aにおける一点鎖線XXXIXd-XXXIXdにおいて切断した断面図である。
【0069】
次に、図40A図40Dに示されるように、層間絶縁膜74等の上に、層間絶縁膜78を形成し、ドレイン電極76と接続される貫通電極79、貫通電極79と接続されるドレイン配線80を形成する。尚、図40Aは、この工程における上面図であり、図40Bは、図40Aにおける一点鎖線XXXXb-XXXXbにおいて切断した断面図であり、図40Cは、図40Aにおける一点鎖線XXXXc-XXXXcにおいて切断した断面図である。図40Dは、図40Aにおける一点鎖線XXXXd-XXXXdにおいて切断した断面図である。
【0070】
以上の工程により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
【0071】
本実施の形態においては、図32A図32Cに示される工程において、加工される第1のゲート膜140aのX1-X2方向における幅は、第1の領域101よりも第2の領域102において広く形成されている。また、形成されるアクティブ領域113のX1-X2方向における幅は、第1の領域101よりも第2の領域102において狭く形成されている。よって、本実施の形態においては、チャネル幅方向、即ち、チャネル長に垂直な方向において、加工される第1のゲート膜140aの幅は、第1の領域101よりも第2の領域102において広くなるように形成されている。また、チャネル幅方向、即ち、チャネル長に垂直な方向において、形成されるアクティブ領域113の幅は、第1の領域101よりも第2の領域102において狭くなるように形成されている。このように形成することにより、隣り合う第1ゲート140同士がショートすることを防ぐことができる。本実施の形態においては、加工される第1のゲート膜140aのX1-X2方向における幅を狭くすることができるため、より一層集積度を高めることができる。
【0072】
図41A図41Cは、アクティブ領域113に対し、加工される第1のゲート膜140aの位置がずれていない場合における図38A図38Cに示される製造工程の状態を示す。尚、図41Aは、この工程における上面図であり、図41Bは、図41Aにおける一点鎖線XXXXIb-XXXXIbにおいて切断した断面図であり、図41Cは、図41Aにおける一点鎖線XXXXIc-XXXXIcにおいて切断した断面図である。図41Cに示されるように、アクティブ領域113に対し、第1ゲート140の位置がずれていない場合には、問題はない。
【0073】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0074】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1ゲートを形成するために加工された第1のゲート膜が、第1の領域では分離しているが、第2の領域では分離することなく連続しているものである。
【0075】
本実施の形態における製造方法は、図8A図8Cから図14A図14Cに示される工程は、第1の実施の形態と同じである。尚、本実施の形態においては、第1のゲート膜40aに対応する第1のゲート膜を第1のゲート膜240aとして説明する。
【0076】
図14A図14Cに示される工程の後、図42A図42Cに示されるように、第1のゲート膜240aを加工する。尚、図42Aは、この工程における上面図であり、図42Bは、図42Aにおける一点鎖線XXXXIIb-XXXXIIbにおいて切断した断面図であり、図42Cは、図42Aにおける一点鎖線XXXXIIc-XXXXIIcにおいて切断した断面図である。
【0077】
この工程は、第1の実施の形態における図15A図15Cに示す工程に対応するものであり、第1のゲート膜240aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の第1のゲート膜240aを除去し、埋込酸化膜20の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。これにより、第1の領域101では、第1のゲート膜240aのアクティブ領域13間には、開口領域241が形成されるが、第2の領域102では、全面が第1のゲート膜240aにより覆われる。
【0078】
ここで、第1のゲート膜240aを加工するために形成されるレジストパターンは、露光装置におけるアライメントの際の位置合わせのずれ等により、位置が若干ずれて形成される場合がある。このようなレジストパターンの位置ずれにより、第1の領域101では、図42Bに示されるように、レジストパターンが形成されていない領域において、X1側の第1のゲート膜の一部240zがディボット21内に残る場合がある。これに対し、第2の領域102では、図42Cに示されるように、加工された第1のゲート膜240aにより覆われている。よって、レジストパターンの位置が多少ずれていても、ディボット21が形成されている領域の全面がレジストパターンにより覆われるため、ディボット21内は第1のゲート膜240aにより埋められている。
【0079】
この後、本実施の形態においては、第1のゲート膜240aが形成されている状態で、第1の実施の形態における図16A図16Cから図20A図20Cに示される工程に対応する工程を行う。これにより、第1のゲート膜240aにより第1ゲート240が形成される。
【0080】
次に、図43A図43Cに示されるように、層間絶縁膜71を形成し、この層間絶縁膜71を貫通し、第2ゲート60の上のシリサイド層61と接続される貫通電極72、アクティブ領域13の上のシリサイド層115と接続される貫通電極73を形成する。尚、図43Aは、この工程における上面図であり、図43Bは、図43Aにおける一点鎖線XXXXIIIb-XXXXIIIbにおいて切断した断面図であり、図43Cは、図43Aにおける一点鎖線XXXXIIIc-XXXXIIIcにおいて切断した断面図である。
【0081】
この工程は、第1の実施の形態における図21A図21Cに示す工程に対応するものである。本実施の形態においては、図43A及び図43Cに示されるように、第2の領域102においては、第2の絶縁膜50の一部が残ることはない。よって、Y1-Y2方向において隣り合う第1ゲート40同士がショートすることを防ぐことができる。
【0082】
この後、この状態で、第1の実施の形態における図22A図22D及び図23A図23Dに示される工程に対応する工程を行う。
【0083】
尚、図44は、アクティブ領域13に対し、加工される第1のゲート膜240aの位置がずれていない場合における製造工程の途中の状態を示すものであり、図43Aに対応するものである。図44に示されるように、アクティブ領域13に対し、第1ゲート240の位置がずれていない場合にも、問題等はない。
【0084】
また、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0085】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0086】
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
シリコン基板の表面に、第1の方向に伸びるアクティブ領域と、前記アクティブ領域の両側に埋込酸化膜を形成する工程と、
前記アクティブ領域の上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜及び前記埋込酸化膜の上に、第1のゲート膜を形成する工程と、
前記第1のゲート膜及び前記埋込酸化膜の上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜の上に、前記第1の方向に略直交する第2の方向に伸びる第2ゲートを形成する工程と、
前記第2ゲートが形成される第1の領域を除き、前記第2の絶縁膜及び前記第1のゲート膜を除去し、残存する第1のゲート膜により第1ゲートを形成する工程と、
を有し、
前記第1のゲート膜を形成する工程における前記第1のゲート膜の前記第2の方向における幅は、前記第1の領域よりも、前記第1の領域と前記第1の領域との間の第2の領域において、広く形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記アクティブ領域の前記第2の方向における幅は、前記第1の領域よりも前記第2の領域において、狭く形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記アクティブ領域は、前記第2の方向に複数設けられており、
前記第1のゲート膜は、前記第2の領域の全面に設けられていることを特徴とする付記1または2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記第1の領域の前記第1の方向の両側には、各々前記第2の領域が設けられており、
前記アクティブ領域において、一方の側の前記第2の領域には、ソース電極が接続されており、他方の側の前記第2の領域には、ドレイン電極が接続されていることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記第2ゲートを形成する工程は、
前記第2の絶縁膜の上に、シリコンにより第2のゲート膜を形成する工程と、
前記第2のゲート膜の上の前記第1の領域に、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンの形成されていない領域の前記第2のゲート膜を除去し、残存する前記第2のゲート膜により前記第2ゲートを形成する工程と、
を有し、
前記第1ゲートを形成する工程は、
前記レジストパターンの形成されていない領域の前記第2の絶縁膜を除去する工程と、
前記レジストパターンの形成されていない領域の前記第1のゲート膜を除去し、前記第1ゲートを形成する工程と、
を有することを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
前記シリコン基板の表面に、前記アクティブ領域と、前記埋込酸化膜を形成する工程は、
前記シリコン基板の表面に、前記アクティブ領域に対応した形状の酸化膜及び窒化膜のパターンを形成し、前記窒化膜の形成されていない領域の前記シリコン基板の表面を除去し、トレンチを形成することにより、前記トレンチの間に前記アクティブ領域を形成する工程と、
前記トレンチが形成されている領域を酸化膜により埋め込むことにより前記埋込酸化膜を形成する工程と、
前記窒化膜を除去する工程と、
前記酸化膜をウェットエッチングにより除去する工程と、
を有することを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記アクティブ領域の両側には、前記埋込酸化膜の一部が除去されたディボットが形成されるものであって、
前記第2の領域において、前記ディボットは、前記第1のゲート膜により埋め込まれていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0087】
10 シリコン基板
11 酸化膜
12 窒化膜
13 アクティブ領域
14 トレンチ
15 シリサイド層
20 埋込酸化膜
21 ディボット
30 第1の絶縁膜
40 第1ゲート
40a 第1のゲート膜
40z 第1のゲート膜の一部
50 第2の絶縁膜
60 第2ゲート
60a 第2のゲート膜
61 シリサイド層
70 レジストパターン
71 層間絶縁膜
72 貫通電極
73 貫通電極
74 層間絶縁膜
75 コントロールゲート電極
76 ドレイン電極
77 ソース配線
78 層間絶縁膜
79 貫通電極
80 ドレイン配線
101 第1の領域
102 第2の領域


図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図22D
図23A
図23B
図23C
図23D
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図26C
図27A
図27B
図27C
図28A
図28B
図28C
図29A
図29B
図29C
図30A
図30B
図30C
図31A
図31B
図31C
図32A
図32B
図32C
図33A
図33B
図33C
図34A
図34B
図34C
図35A
図35B
図35C
図36A
図36B
図36C
図37A
図37B
図37C
図38A
図38B
図38C
図39A
図39B
図39C
図39D
図40A
図40B
図40C
図40D
図41A
図41B
図41C
図42A
図42B
図42C
図43A
図43B
図43C
図44