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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0485 20220101AFI20230411BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20230411BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20230411BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20230411BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230411BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230411BHJP
   G09G 5/34 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
G06F3/0485
B41J29/42 F
G06F3/0488
G06F3/04817
H04N1/00 350
G09G5/00 510H
G09G5/34 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019112999
(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2020204961
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】段床 卓志
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-164746(JP,A)
【文献】特開2008-015684(JP,A)
【文献】特開2017-182470(JP,A)
【文献】国際公開第2014/061098(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/061097(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0485
B41J 29/42
G06F 3/0488
G06F 3/04817
H04N 1/00
G09G 5/00
G09G 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
タッチパネルと、
記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に、予め定められている画像における、予め定められている方向の一部分を、表示部分として予め定められている領域に表示させるとともに、前記表示部に、前記画像において、前記表示部分よりも前記予め定められている方向の一端側に向かう第1方向側に位置しており、かつ前記表示部分に続いている送り画像部分を前記領域に表示させる指示を入力するための送りキーと、前記画像において、前記表示部分よりも前記予め定められている方向の他端側に向かう第2方向側に位置しており、かつ前記表示部分に続いている戻し画像部分を前記領域に表示させる指示を入力するための戻しキーと、を表示させ、
前記タッチパネルを介して、前記表示部分に対するスライド操作を受付けると、前記表示部に、前記スライド操作を受付けた時点からの前記画像の移動量が、前記スライド操作の属性に応じて設定されているスクロール量に達するまで、前記スライド操作の方向に向けて、前記予め定められている方向に前記画像をスクロールさせるとともに、前記設定されているスクロール量を、追加単位のスクロール量として前記記憶部に記憶させ、
前記スライド操作を受付けた時点からの前記画像の移動量が前記設定されているスクロール量に達する前に、前記タッチパネルを介して、前記送りキーに対するタッチ操作を受付けると、前記設定されているスクロール量に、前記追加単位のスクロール量を加算することによって、前記設定されているスクロール量を変更し、前記表示部に、前記スライド操作を受付けた時点からの前記画像の移動量が、変更された前記スクロール量に達するまで、前記第1方向に向けて、前記予め定められている方向に前記画像をスクロールさせる、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記スライド操作を受付けた時点からの前記画像の移動量が前記設定されているスクロール量に達する前に、前記タッチパネルを介して、前記戻しキーに対するタッチ操作を受付けると、前記設定されているスクロール量から、前記追加単位のスクロール量を減算することによって、設定されているスクロール量を変更し、前記表示部に、前記スライド操作を受付けた時点からの前記画像の移動量が、変更された前記スクロール量に達するまで、前記第2方向に向けて、前記予め定められている方向に前記画像をスクロールさせる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タッチパネルを介して前記スライド操作を受付けると、前記表示部に、前記スライド操作の属性に応じて設定されているスクロール速度で、前記画像をスクロールさせる、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記画像を前記スライド操作の方向に向けてスクロールさせていないときは、前記表示部に、前記送りキー及び前記戻しキーを、予め定められている第1の表示態様によって表示させ、
前記画像を前記スライド操作の方向に向けてスクロールさせているときは、前記表示部に、前記送りキー及び前記戻しキーを、前記第1の表示態様とは異なっている第2の表示態様によって表示させる、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、画像をスクロールさせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルディスプレイに表示されている画像をスクロールさせるための複数の操作方法が知られている。例えば、特許文献1には、タッチパネルディスプレイに表示されている画像に対するフリック操作若しくはスワイプ操作、スクロールバーに対するスワイプ操作、又は、上矢印が示されている戻しキー若しくは下矢印が示されている送りキーに対するタッチ操作を受付けている場合に、タッチパネルディスプレイに表示されている画像をスクロールさせる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-114559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、フリック操作又はスワイプ操作等のジェスチャー操作に慣れているユーザーは、タッチパネルディスプレイに表示されている画像をスクロールさせる際に、戻しキー又は送りキーに対するタッチ操作を行なうことなく、タッチパネルディスプレイに表示されている画像に対するフリック操作又はスワイプ操作を行なう場合が多い。このような場合、戻しキー又は送りキーが有効に活用されていないという問題がある。
【0005】
特許文献1には、タッチパネルディスプレイに表示されている画像をスクロールさせるための複数の操作方法が開示されているものの、上記した問題を解決することはできない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、ジェスチャー操作を受付け可能なタッチパネルディスプレイを搭載している情報処理装置においても、送りキーが有効に活用されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る情報処理装置は、表示部と、タッチパネルと、記憶部と、制御部と、を備えている。制御部は、表示部に、予め定められている画像における、予め定められている方向の一部分を、表示部分として予め定められている領域に表示させるとともに、表示部に、画像において、表示部分よりも予め定められている方向の一端側に向かう第1方向側に位置しており、かつ表示部分に続いている送り画像部分を領域に表示させるための送りキーと、画像において、表示部分よりも予め定められている方向の他端側に向かう第2方向側に位置しており、かつ表示部分に続いている戻し画像部分を領域に表示させるための戻しキーと、を表示させる。制御部は、タッチパネルを介して、表示部分に対するスライド操作を受付けると、表示部に、スライド操作を受付けた時点からの画像の移動量が、スライド操作の属性に応じて設定されているスクロール量に達するまで、スライド操作の方向に向けて、予め定められている方向に画像をスクロールさせるとともに、設定されているスクロール量を、追加単位のスクロール量として記憶部に記憶させる。制御部は、スライド操作を受付けた時点からの画像の移動量が設定されているスクロール量に達する前に、タッチパネルを介して、送りキーに対するタッチ操作を受付けると、設定されているスクロール量に、追加単位のスクロール量を加算することによって、設定されているスクロール量を変更し、表示部に、スライド操作を受付けた時点からの画像の移動量が、変更されたスクロール量に達するまで、第1方向に向けて、予め定められている方向に画像をスクロールさせる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザーは、スライド操作に応じて画像がスクロールされているときに送りキーをタッチすることによって、当該スライド操作を再度行なった場合と同じスクロール量で、画像をスクロールさせることができる。したがって、ジェスチャー操作を受付け可能なタッチパネルディスプレイを搭載している情報処理装置においても、送りキーを有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図2A】表示部分変更処理を示すフローチャートである。
図2B】表示部分変更処理を示すフローチャートである。
図3】確認画面の一例を示す図である。
図4】リスト画像の一例を示す図である。
図5】スライド操作が行なわれているときの確認画面の一例を示す図である。
図6】スクロール終了時点における確認画面の一例を示す図である。
図7】送りキーに対するタッチ操作が行なわれているときの確認画面の一例を示す図である。
図8】スクロール終了時点における確認画面の他の一例を示す図である。
図9】戻しキーに対するタッチ操作が行なわれているときの確認画面の一例を示す図である。
図10】スクロール終了時点における確認画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置としての画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。図1を参照して、画像形成装置1は、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンター機能、及びスキャナー機能等の複数の機能を備えているカラー複合機である。
【0011】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含んでいる。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含んでいる。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0012】
制御ユニット100は、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)17に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ハード回路により構成されていてもよい。
【0013】
制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。例えば、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、表示部15において予め定められている領域に表示されている画像に対するフリック操作又はスワイプ操作を受付けると、上記領域に表示されている画像を慣性スクロールさせる。制御部10はまた、タッチパネル16Bを介して、表示部15に表示されている送りキー又は戻しキーに対するタッチ操作を受付けると、上記画像における後述する送り部分又は後述する戻し部分を、上記領域に表示させる。
【0014】
制御ユニット100は、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、HDD17、搬送機構18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。
【0015】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部と、原稿搬送部によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラスに載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含んでいるADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿を読み取って画像データを生成する。
【0016】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含んでいる。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ等に基づいて、給紙部14から搬送されてくる記録紙に、トナー像によって構成されている画像を形成する。
【0017】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙に定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙は、排出トレイに排出される。
【0018】
給紙部14は、手差しトレイと、給紙カセットとを備えている。給紙部14は、給紙カセットに収容されている記録紙、又は手差しトレイに載置されている記録紙を一枚ずつ引出して、画像形成部12に向けて給紙する。
【0019】
表示部15は、液晶ディスプレイ等によって構成されている表示装置である。表示部15は、画像形成装置1によって実行可能な各種機能に関する各種の画面を表示する。
【0020】
操作部16は、ジョブの状況又は履歴を確認するための指示を入力するための確認キー16A等の複数のハードキーを含んでいる。操作部16はまた、表示部15に重ねて配置されているタッチパネル16Bを含んでいる。ユーザーは、操作部16を介して、画像形成装置1によって実行可能な各種機能を実行するための指示等の各種の情報を入力する。
【0021】
ユーザーによって、表示部15に表示されている画面に対してフリック操作又はスワイプ操作が行なわれると、タッチパネル16Bは、ユーザーの指が最初に画面に接触した第1位置、及びユーザーの指が画面から離れた第2位置を検知する。
【0022】
HDD17は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD17は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶している。HDD17は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の一実施形態に係る表示部分変更処理を実行するための変更プログラムを記憶している。HDD17は、特許請求の範囲における記憶部の一例である。
【0023】
搬送機構18は、搬送ローラー対及び排出ローラー対等から構成されている。搬送機構18は、排出先として設定されている排出トレイに向けて、記録紙を搬送路に沿って搬送する。
【0024】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。
【0025】
画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された出力対象の画像データを一時的に記憶する領域を含む。
【0026】
ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0027】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含んでいる。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)23等とデータ通信を行なう。
【0028】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、この電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0029】
[動作]
図2A及び図2Bは、表示部分変更処理を示すフローチャートである。図3は、確認画面の一例を示す図である。図4は、確認画面に表示されているリスト画像の一例を示す図である。以下、図2乃至図4等を参照して、表示部分変更処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。
【0030】
以下、画像形成装置1は、電源が投入されている状態であるものとする。ユーザーは、操作部16に備えられている確認キー16Aを押下したものとする。図3を参照して、制御部10は、確認キー16Aの押下を検知すると、表示部15に、ジョブの状況又は履歴を確認するための確認画面30を表示させる。
【0031】
「AAAA」というユーザー名を有しているユーザーは、自身の印刷ジョブの履歴を確認するために、印刷ジョブを選択するためのGUI(Graphical User Interface)としてのタブ31をタッチするとともに、ジョブの履歴を選択するためのGUIとしてのタブ32をタッチしたものとする。タッチパネル16Bを介して、タブ31及びタブ32に対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、表示部15に、図4に示している、印刷ジョブの履歴を示すリスト画像40における、確認画面30の短手方向Xの一部分42を、表示部分として予め定められている領域33に表示させる。
【0032】
図4を参照して、リスト画像40は、確認画面30の短手方向Xに沿って並んでいる複数の項目41A乃至41N等を含んでいる。項目41A乃至41N等は、それぞれ、ジョブの終了日時、ジョブの種類、ジョブ名、ユーザー名、及びジョブの実行結果をそれぞれ示す文字列を含んでいる。
【0033】
例えば、項目41Aは、「3月16日の21時35分」という終了日時を示す文字列と、「プリント」というジョブの種類を示す文字列と、「DOC010007」というジョブ名を示す文字列と、「AAAA」というユーザー名を示す文字列と、ジョブの実行結果として、ジョブが正常に終了していることを示す「正常終了」という文字列と、を含んでいる。
【0034】
制御部10は、リスト画像40の全体を領域33に一度に表示させることができない。したがって、制御部10は、表示部15に、リスト画像40全体のうち、領域33に表示可能な部分42のみを、表示部分として領域33に表示させている。この場合、部分42は、4つの項目41A乃至41Dを含んでいる。
【0035】
制御部10は、表示部15に、送りキー34を、領域33における、確認画面30の長手方向Yの一端部であって短手方向Xの一端部に、表示させている。制御部10はまた、表示部15に、戻しキー35を、領域33における、確認画面30の長手方向Yの一端部であって短手方向Xの他端部に、表示させている。制御部10は、表示部15に、送りキー34及び戻しキー35を、予め定められている第1の表示色である「青色」によって、表示させているものとする。
【0036】
送りキー34は、リスト画像40において、表示部分よりも短手方向Xの一端側に向かう第1方向側に位置しており、かつ表示部分に続いている送り画像部分を領域33に表示させる指示を入力するためのソフトキーである。戻しキー35は、リスト画像40において、表示部分よりも短手方向Xの他端側に向かう第2方向側に位置しており、かつ表示部分に続いている戻し画像部分を領域33に表示させる指示を入力するためのソフトキーである。
【0037】
制御部10は、表示部15に、例えば、4つの項目41E乃至41Hを含んでいる表示部分を領域33に表示させているときに、タッチパネル16Bを介して、送りキー34に対するタッチ操作を受付けると、表示部15に、4つの項目41I乃至41Lを含んでいる送り画像部分を、領域33に表示させる。
【0038】
制御部10は、表示部15に、例えば、4つの項目41E乃至41Hを含んでいる表示部分を領域33に表示させているときに、タッチパネル16Bを介して、戻しキー35に対するタッチ操作を受付けると、表示部15に、4つの項目41A乃至41Dを含んでいる戻し画像部分を、領域33に表示させる。
【0039】
図2Aを参照して、制御部10は、表示部15に確認画面30を表示させると、表示部分変更処理の実行を開始する。表示部分変更処理において、制御部10は、リスト画像40の表示部分に対するスライド操作を受付けるまで待機している(ステップS11にてNO)。ここで、スライド操作とは、フリック操作又はスワイプ操作を示すものとする。
【0040】
図5は、スライド操作が行なわれているときの確認画面の一例を示す図である。図5を参照して、制御部10は、表示部15に、項目41A乃至41Dを含んでいる部分42を、表示部分として領域33に表示させているものとする。ユーザーは、領域33に項目41Iを表示させるために、領域33に表示されている部分42に対して、第1方向のフリック操作A1を行なったものとする。
【0041】
タッチパネル16Bを介してフリック操作A1を受付けると、制御部10は、スライド操作を受付けていると判定し(ステップS11にてYES)、受付けているスライド操作の属性に応じて、リスト画像40のスクロール速度を設定する(ステップS12)。上記したスライド操作の属性とは、特に限定されないが、例えば、スライド操作の距離、又はスライド操作の速度等である。
【0042】
スクロール速度の設定方法としては、一般的な方法であれば特に限定されない。例えば、制御部10はまず、スライド操作の第1位置から第2位置までの距離を、ユーザーの指が第1位置から第2位置までに移動するまでに要した時間で除することによってスライド操作の速度を取得する。制御部10は次いで、取得されたスライド操作の速度に、予め定められている第1係数を掛合せることによって取得される値を、スクロール速度として設定する。
【0043】
スクロール速度の設定後、制御部10は、受付けているスライド操作の属性に応じて、スクロールによるリスト画像40の移動量(以下、「スクロール量」と記す。)を設定する(ステップS13)。スクロール量の設定方法としては、一般的な方法であれば特に限定されない。例えば、制御部10は、スライド操作の第1位置から第2位置までの距離に、予め定められている第2係数を掛合せることによって取得される値を、リスト画像40のスクロール量として設定する。この場合、制御部10は、「5項目分の移動量」に相当する値を、スクロール量として設定したものとする。
【0044】
スクロール量の設定後、制御部10は、設定されているスクロール量を、追加単位のスクロール量としてHDD17に記憶させる(ステップS14)。追加単位のスクロール量の記憶後、制御部10は、表示部15に、設定されているスクロール速度で、第1方向に向かう短手方向Xのリスト画像40の慣性スクロールを開始させる(ステップS15)。スクロールの開始後、制御部10は、スライド操作を受付けた時点からのリスト画像40の移動量が、設定されているスクロール量に達しているか否かを判定する(ステップS16)。
【0045】
(1)送りキー34又は戻しキー35に対するタッチ操作を受付けることなく、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達している場合
ユーザーは、リスト画像40のスクロール中に、送りキー34に対するタッチ操作、及び戻しキー34に対するタッチ操作のいずれも行なわなかったものとする。
【0046】
図2Bを参照して、この場合、制御部10は、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定するまで(ステップS16にてNO)、送りキー34に対するタッチ操作を受付けていないと判定するとともに(ステップS17にてNO)、戻しキー35に対するタッチ操作を受付けていないと判定している(ステップS18にてNO)。
【0047】
制御部10は、表示部15に、項目41F乃至41Iを含んでいる表示部分が領域33に表示されるまでリスト画像40をスクロールさせると、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定して(ステップS16にてYES)、リスト画像40のスクロールを終了させる(ステップS19)。スクロールの終了後、制御部10は、ステップS11の処理に戻る。
【0048】
図6は、スクロール終了時点における確認画面の一例を示す図である。図6を参照して、このとき、制御部10は、表示部15に、項目41F乃至41Iを含んでいる表示部分を領域33に表示させている。制御部10はまた、表示部15に、ソフトキーとして、確認画面30を閉じる指示を入力するためのキー36を表示させている。ユーザーは、項目41Iの内容を確認して、キー36に対するタッチ操作を行なったものとする。タッチパネル16Bを介してキー36に対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、表示部分変更処理を終了するとともに、表示部15に、確認画面30の表示を終了させる。
【0049】
(2)リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達する前に、送りキー34に対するタッチ操作を受付けている場合
図7は、送りキーに対するタッチ操作が行なわれているときの確認画面の一例を示す図である。図7を参照して、ユーザーは、スライド操作A1を行なった後、領域33に項目41Iではなく項目41Lを表示させたいと考え直し、リスト画像40のスクロール中に、送りキー34に対するタッチ操作を行なったものとする。
【0050】
この場合、リスト画像40はスクロール中であるので、制御部10は、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していないと判定している(ステップS16にてNO)。制御部10は、タッチパネル16Bを介して送りキー34に対するタッチ操作を受付けると、送りキー34に対するタッチ操作を受付けていると判定して(ステップS17にてYES)、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定するまで待機する(ステップS20にてNO)。
【0051】
制御部10は、表示部15に、項目41F乃至41Iを含んでいる表示部分が領域33に表示されるまでリスト画像40をスクロールさせると、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定して(ステップS20にてYES)、設定されているスクロール量に、HDD19に記憶されている追加単位のスクロール量を加算することによって、設定されているスクロール量を変更する(ステップS21)。この場合、設定されているスクロール量は、変更前のスクロール量の2倍である「10項目分の移動量」に相当する値となる。
【0052】
スクロール量の設定変更後、制御部10は、表示部15に、設定されているスクロール速度で、第1方向に向かう短手方向Xのリスト画像40の慣性スクロールを開始させる(ステップS22)。スクロールの開始後、制御部10は、ステップS16の処理に戻る。
【0053】
ユーザーは、送りキー34に対するタッチ操作後、リスト画像40のスクロール中に、送りキー34に対するタッチ操作、及び戻しキー34に対するタッチ操作のいずれも行なわなかったものとする。制御部10は、表示部15に、項目41K乃至41Nを含んでいる表示部分が領域33に表示されるまでリスト画像40をスクロールさせると、スライド操作を受付けた時点からのリスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定して(ステップS16にてYES)、リスト画像40のスクロールを終了させる(ステップS19)。スクロールの終了後、制御部10は、ステップS11の処理に戻る。
【0054】
図8は、スクロール終了時点における確認画面の他の一例を示す図である。図8を参照して、このとき、制御部10は、表示部15に、41K乃至41Nを含んでいる表示部分を領域33に表示させている。ユーザーは、項目41Lの内容を確認して、キー36に対するタッチ操作を行なったものとする。タッチパネル16Bを介してキー36に対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、表示部分変更処理を終了するとともに、表示部15に、確認画面30の表示を終了させる。
【0055】
(3)リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達する前に、戻しキー35に対するタッチ操作を受付けている場合
図9は、戻しキーに対するタッチ操作が行なわれているときの確認画面の一例を示す図である。図9を参照して、ユーザーは、スライド操作A1を行なった後、領域33に項目41Iではなく項目41Aを表示させたいと考え直し、リスト画像40のスクロール中に、戻しキー35に対するタッチ操作を行なったものとする。
【0056】
この場合、リスト画像40はスクロール中であるので、制御部10は、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していないと判定している(ステップS16にてNO)。制御部10は、タッチパネル16Bを介して戻しキー35に対するタッチ操作を受付けると、送りキー34に対するタッチ操作を受付けていないと判定するとともに(ステップS17にてNO)、戻しキー35に対するタッチ操作を受付けていると判定して(ステップS18にてYES)、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定するまで待機する(ステップS23にてNO)。
【0057】
制御部10は、表示部15に、項目41F乃至41Iを含んでいる表示部分が領域33に表示されるまでリスト画像40をスクロールさせると、リスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定して(ステップS23にてYES)、設定されているスクロール量から、HDD19に記憶されている追加単位のスクロール量を減算することによって、設定されているスクロール量を変更する(ステップS24)。この場合、設定されているスクロール量は「0」となる。
【0058】
スクロール量の設定変更後、制御部10は、表示部15に、設定されているスクロール速度で、第2方向に向かう短手方向Xのリスト画像40の慣性スクロールを開始させる(ステップS25)。スクロールの開始後、制御部10は、ステップS16の処理に戻る。
【0059】
ユーザーは、戻しキー35に対するタッチ操作後、リスト画像40のスクロール中に、送りキー34に対するタッチ操作、及び戻しキー34に対するタッチ操作のいずれも行なわなかったものとする。制御部10は、表示部15に、項目41A乃至41Dを含んでいる表示部分が領域33に表示されるまでリスト画像40をスクロールさせると、スライド操作を受付けた時点からのリスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達していると判定して(ステップS16にてYES)、リスト画像40のスクロールを終了させる(ステップS19)。スクロールの終了後、制御部10は、ステップS11の処理に戻る。
【0060】
図10は、スクロール終了時点における確認画面の他の一例を示す図である。図10を参照して、このとき、制御部10は、表示部15に、項目41A乃至41Dを含んでいる部分42を表示部分として領域33に表示させている。ユーザーは、項目41Aの内容を確認して、キー36に対するタッチ操作を行なったものとする。タッチパネル16Bを介してキー36に対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、表示部分変更処理を終了するとともに、表示部15に、確認画面30の表示を終了させる。
【0061】
上記実施形態によれば、制御部10は、スライド操作を受付けた時点からのリスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達する前に、タッチパネル16Bを介して、送りキー34に対するタッチ操作を受付けると、設定されているスクロール量に、HDD17に記憶されている追加単位のスクロール量を加算することによって、設定されているスクロール量を変更し、表示部15に、スライド操作を受付けた時点からのリスト画像40の移動量が、変更されたスクロール量に達するまで、第1方向に向けて、短手方向Xにリスト画像40をスクロールさせる。
【0062】
これによって、ユーザーは、スライド操作に応じてリスト画像40が慣性スクロールされているときに、送りキー34をタッチすることによって、当該スライド操作を再度行なった場合と同じスクロール量で、リスト画像40をスクロールさせることができる。したがって、ジェスチャー操作を受付け可能なタッチパネルディスプレイを搭載している情報処理装置においても、送りキー34を有効に活用できる。
【0063】
また上記実施形態によれば、制御部10は、スライド操作を受付けた時点からのリスト画像40の移動量が設定されているスクロール量に達する前に、タッチパネル16Bを介して、戻しキー35に対するタッチ操作を受付けると、設定されているスクロール量から、HDD17に記憶されている追加単位のスクロール量を減算することによって、設定されているスクロール量を変更し、表示部15に、スライド操作を受付けた時点からのリスト画像40の移動量が、変更されたスクロール量に達するまで、第2方向に向けて、短手方向Xにリスト画像40をスクロールさせる。
【0064】
これによって、ユーザーは、スライド操作に応じてリスト画像40が慣性スクロールされているときに、戻しキー35をタッチすることによって、当該スライド操作に対して方向のみが逆となるスライド操作を再度行なった場合と同じスクロール量で、リスト画像40をスクロールさせることができる。したがって、ジェスチャー操作を受付け可能なタッチパネルディスプレイを搭載している情報処理装置においても、戻しキー35を有効に活用できる。
【0065】
また上記実施形態によれば、制御部10は、タッチパネル16Bを介してスライド操作を受付けると、表示部15に、スライド操作の属性に応じて設定されているスクロール速度で、リスト画像40をスクロールさせる。
【0066】
これによって、ユーザーは、スライド操作に応じてリスト画像40が慣性スクロールされているときに、送りキー34又は戻しキー35をタッチすることによって、当該スライド操作を再度行なった場合と同じスクロール量及びスクロール速度で、又は、当該スライド操作に対して方向のみが逆となるスライド操作を再度行なった場合と同じスクロール量及びスクロール速度で、リスト画像40をスクロールさせることができる。したがって、ユーザーの利便性がより一層向上する。
【0067】
(第1の変形例)
上記実施形態では、制御部10は、表示部15に、送りキー34及び戻しキー35を第1の表示色である「青色」によって表示させていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、表示部15に、リスト画像40をスライド操作の方向に向けてスクロールさせていないときは、送りキー34及び戻しキー35を第1の表示色によって表示させ、リスト画像40をスライド操作の方向に向けてスクロールさせているときは、送りキー34及び戻しキー35を、第1の表示色とは異なっている第2の表示色である「赤色」によって表示させてもよい。
【0068】
これによって、ユーザーは、送りキー34又は戻しキー35に対応付けられている機能の変化を、容易に認識することができる。なお、第1の表示色は「青色」に限定されず、第2の表示色は「赤色」に限定されない。例えば、第1の表示色として「緑色」が用いられ、第2の表示色として「黄色」が用いられてもよい。
【0069】
(その他の変形例)
上記実施形態では、ユーザーによって、表示部15に表示されている画面に対してスライド操作が行なわれると、タッチパネル16Bは、ユーザーの指が最初に画面に接触した第1位置、及びユーザーの指が画面から離れた第2位置を検知したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、タッチパネル16Bは、ユーザーの指が移動を開始した第1位置、及びユーザーの指が移動を停止した第2位置を検知するように構成されていてもよい。
【0070】
また上記実施形態では、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、送りキー34に対するタッチ操作を受付けると、表示部15に、送り画像部分を領域33に表示させたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、送りキー34に対するタッチ操作を受付けると、表示部15に、送り画像部分が表示されるまで、リスト画像40をスクロールさせる構成であってもよい。
【0071】
また上記実施形態では、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、戻しキー35に対するタッチ操作を受付けると、表示部15に、戻し画像部分を領域33に表示させたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、戻しキー35に対するタッチ操作を受付けると、表示部15に、戻し画像部分が表示されるまで、リスト画像40をスクロールさせる構成であってもよい。
【0072】
また上記第1の変形例では、制御部10は、表示部15に、リスト画像40をスライド操作の方向に向けてスクロールさせていないときは、送りキー34及び戻しキー35を第1の表示色によって表示させ、リスト画像40をスライド操作の方向に向けてスクロールさせているときは、送りキー34及び戻しキー35を第2の表示色によって表示させたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。
【0073】
すなわち、制御部10は、送りキー34及び戻しキー35の表示態様を、リスト画像40をスクロールさせていないときと、リスト画像40をスクロールさせているときとで異ならせるように構成されていればよい。例えば、制御部10は、表示部15に、リスト画像40をスライド操作の方向に向けてスクロールさせていないときは、送りキー34及び戻しキー35を、予め定められている第1の大きさで表示させ、リスト画像40をスライド操作の方向に向けてスクロールさせているときは、送りキー34及び戻しキー35を、第1の大きさよりも大きくなるように予め定められている第2の大きさで表示させてもよい。
【0074】
本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る情報処理装置としてカラー複合機を用いているが、これは一例に過ぎず、情報処理装置として、モノクロ複合機、プリンター、コピー機、又はファクシミリ装置等が用いられてもよい。
【0075】
また、図1乃至図10を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0076】
1 画像形成装置
10 制御部
15 表示部
16B タッチパネル
17 HDD
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10