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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/16 20060101AFI20230411BHJP
   A47C 3/20 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B60N2/16
A47C3/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020031489
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021133812
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】河野 武志
(72)【発明者】
【氏名】下薗 和幸
(72)【発明者】
【氏名】中村 夢真
(72)【発明者】
【氏名】柴田 義則
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-020601(JP,A)
【文献】特開平04-237646(JP,A)
【文献】特開2008-195256(JP,A)
【文献】特開2014-184774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
A47C 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員が着座するシートクッションと、
前記シートクッションを昇降させるリフタ機構と、
乗車時には、前記シートクッションが前記車両の走行時の走行位置よりも低い乗車位置に位置し、かつ降車時には、前記シートクッションが前記乗車位置よりも低い降車位置に位置するように前記リフタ機構を作動させる駆動部と
を備える車両用シート。
【請求項2】
前記駆動部は、前記リフタ機構を駆動することにより、前記シートクッションの高さ位置を切替える駆動源と、前記乗員の乗降状態を検出する乗降センサと、前記乗降センサの検出結果に応じて前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションの高さ位置が前記走行位置、前記乗車位置及び前記降車位置の間で切替わるように前記リフタ機構を作動させる制御装置とを備える請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記車両は、乗降時に開閉されるドアを車幅方向における前記シートクッションの側方に備えるとともに、前記ドアの開閉状態を検出するドア開閉センサを前記乗降センサの少なくとも一部として備え、
前記制御装置は、前記車両の走行停止時に前記シートクッションが前記走行位置に位置する状態で、前記ドアが開けられたことが前記ドア開閉センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記走行位置から前記降車位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させる請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記シートクッションは、前記車幅方向における前記ドア側の側部に、同方向における中間部分よりも高さの高いサイドサポート部を備え、
前記サイドサポート部において降車時に前記乗員の脚部が載せられて同脚部から圧力を受ける箇所には、側部座圧センサが前記ドア開閉センサとともに前記乗降センサの少なくとも一部として設けられており、
前記制御装置は、前記車両の走行停止時に前記シートクッションが前記走行位置に位置する状態で、前記ドアが開けられたことが前記ドア開閉センサにより検出されることに加え、前記脚部が前記サイドサポート部に載せられたことが前記側部座圧センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記走行位置から前記降車位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させる請求項3に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記制御装置は、前記シートクッションが前記降車位置に位置する状態で、前記ドアが閉められたことが前記ドア開閉センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記降車位置から前記乗車位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させる請求項3又は4に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記シートクッションに着座した乗員の上半身を後側から支えるシートバックをさらに備え、
前記シートクッションのうち、同シートクッションに着座した前記乗員から圧力を受ける箇所には底部座圧センサが前記乗降センサの少なくとも一部として設けられ、
前記シートバックのうち、同シートバックに凭れた前記乗員から圧力を受ける箇所には背部座圧センサが前記乗降センサの少なくとも一部として設けられ、
前記制御装置は、前記シートクッションが前記乗車位置に位置する状態で、前記シートクッションに前記乗員が着座したことが前記底部座圧センサにより検出され、かつ前記シートバックに前記乗員が凭れたことが前記背部座圧センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記乗車位置から前記走行位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させる請求項2~5のいずれか1項に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に設置される車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に設置される車両用シートは、乗員が着座するシートクッションと、乗員の上半身を後側から支えるシートバックとを備える。この車両用シートとして、例えば特許文献1には、シートクッション(シートボトム)が、座面を有する本体部と、車幅方向における本体部の両側に配置されたサイドサポート部(堤部)と、本体部を昇降させるリフタ機構(リフト手段)とを備えるものが記載されている。リフタ機構は、乗員が着座する通常状態では、座面がサイドサポート部よりも低くなり、かつ乗員が乗降する乗降状態では、座面が上記通常状態よりも高くなるように上記本体部を昇降させる。
【0003】
上記車両用シートによれば、通常状態では、サイドサポート部の座面からの突出量が多くなるため、乗員の車幅方向の横ずれがサイドサポート部によって規制される。また、乗降状態では、サイドサポート部の座面からの突出量が通常状態よりも少なくなるため、サイドサポート部が乗降の妨げとなりにくく、乗降がしやすくなるとされている。
【0004】
なお、括弧内の語句は、特許文献1で使用されている用語である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平5-77667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、車種によってはシートクッションが路面から大きく離れた高い位置に取付けられることがある。例えば、ミニバン、商用バン等の車両では、路面からの座面の高さが一般的な乗用車に比べて高い。こうした車両では、乗車時に腰部を上方へ移動させる乗り込み動作が必要となり、また、降車時に路面に足部を届かせるために姿勢を大きく変える動作が必要となる。
【0007】
上記特許文献1に記載された車両用シートが上記車両に設置された場合、乗降時における座面がさらに高くなることから、上記の現象がより顕著になる。このように、上記特許文献1に記載された車両用シートでは、乗降性に改善の余地がある。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、乗降性の向上を図ることのできる車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する車両用シートは、車両の乗員が着座するシートクッションと、前記シートクッションを昇降させるリフタ機構と、乗車時には、前記シートクッションが前記車両の走行時の走行位置よりも低い乗車位置に位置し、かつ降車時には、前記シートクッションが前記乗車位置よりも低い降車位置に位置するように前記リフタ機構を作動させる駆動部とを備える。
【0010】
上記の構成によれば、シートクッションの高さ位置が、駆動部により、乗員のシートクッションに対する乗降状態に応じて走行位置、乗車位置及び降車位置のうち、そのときの乗降状態に適した高さ位置に切替えられる。
【0011】
走行位置では、シートクッションが、乗車位置及び降車位置よりも高い箇所に位置するため、車両の前方の視界が良好となる。
降車位置では、シートクッションが、走行位置及び乗車位置よりも低い箇所に位置するため、降車しようとする乗員の足部が路面に届きやすくなる。
【0012】
乗車位置では、シートクッションが、走行位置と降車位置との中間の高さに位置する。シートクッションの座面の高さが、走行位置及び降車位置での高さよりも、乗車しようとして路面に立っている乗員の腰部の高さに近くなる。腰部の高さを座面の高さに合わせるために乗員が腰部を上下方向へ動かす量が、走行位置及び降車位置の場合よりも少なくてすむ。乗員は、腰部の高さを変えないで、又は少ししか変えないで水平方向へ移動することで、シートクッションに着座することが可能となる。
【0013】
上記車両用シートにおいて、前記駆動部は、前記リフタ機構を駆動することにより、前記シートクッションの高さ位置を切替える駆動源と、前記乗員の乗降状態を検出する乗降センサと、前記乗降センサの検出結果に応じて前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションの高さ位置が前記走行位置、前記乗車位置及び前記降車位置の間で切替わるように前記リフタ機構を作動させる制御装置とを備えることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、駆動部では、乗降センサが乗員の乗降状態を検出する。制御装置が、乗降センサの検出結果に応じて駆動源を制御する。この制御により、乗員のシートクッションに対する乗降状態に応じてシートクッションの高さ位置が、走行位置、乗車位置及び降車位置のうち、そのときの乗降状態に適した高さ位置に切替えられる。
【0015】
上記車両用シートにおいて、前記車両は、乗降時に開閉されるドアを車幅方向における前記シートクッションの側方に備えるとともに、前記ドアの開閉状態を検出するドア開閉センサを前記乗降センサの少なくとも一部として備え、前記制御装置は、前記車両の走行停止時に前記シートクッションが前記走行位置に位置する状態で、前記ドアが開けられたことが前記ドア開閉センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記走行位置から前記降車位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させることが好ましい。
【0016】
ここで、車両の走行停止時にドアが開けられると、乗員に降車の意思があると考えられる。この点、上記の構成によれば、ドアの開閉状態がドア開閉センサによって検出される。そして、車両の走行停止時にシートクッションが走行位置に位置する状態で、ドアが開けられたことがドア開閉センサにより検出されると、少なくともその検出を条件として、制御装置による駆動源の制御を通じてリフタ機構が作動させられる。シートクッションがリフタ機構により走行位置から降車位置へ移動させられる。上述したように、降車位置では、走行位置及び乗車位置よりもシートクッションの高さが低くなって、降車しようとする乗員の足部が路面に届きやすくなる。
【0017】
上記車両用シートにおいて、前記シートクッションは、前記車幅方向における前記ドア側の側部に、同方向における中間部分よりも高さの高いサイドサポート部を備え、前記サイドサポート部において降車時に前記乗員の脚部が載せられて同脚部から圧力を受ける箇所には、側部座圧センサが前記ドア開閉センサとともに前記乗降センサの少なくとも一部として設けられており、前記制御装置は、前記車両の走行停止時に前記シートクッションが前記走行位置に位置する状態で、前記ドアが開けられたことが前記ドア開閉センサにより検出されることに加え、前記脚部が前記サイドサポート部に載せられたことが前記側部座圧センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記走行位置から前記降車位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させることが好ましい。
【0018】
ここで、車両の走行停止時にドアが開けられることに加え、乗員の脚部がシートクッションにおけるドア側のサイドサポート部に載せられると、乗員が降車する可能性が高いと考えられる。
【0019】
この点、上記の構成によれば、サイドサポート部における側部座圧センサが乗員の脚部から受ける圧力を検出する。そして、車両の走行停止時にシートクッションが走行位置に位置する状態で、ドアが開けられたことがドア開閉センサにより検出されることに加え、脚部がサイドサポート部に載せられたことが側部座圧センサにより検出されると、少なくともそれらの検出を条件として、制御装置による駆動源の制御を通じてリフタ機構が作動させられる。シートクッションがリフタ機構により走行位置から降車位置へ移動させられる。このように、ドア開閉センサ及び側部座圧センサの両方の検出結果が用いられることで、乗員の降車をより正確に検出することが可能となる。そして、それらの検出結果に応じて、制御装置による駆動源の制御が行なわれることで、降車時におけるシートクッションの走行位置から降車位置への移動がより適切に行なわれる。
【0020】
上記車両用シートにおいて、前記制御装置は、前記シートクッションが前記降車位置に位置する状態で、前記ドアが閉められたことが前記ドア開閉センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記降車位置から前記乗車位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させることが好ましい。
【0021】
ここで、シートクッションが降車位置に位置する状態でドアが閉められると、乗員は車両用シートから降りて車両の外へ出たと考えられる。
この点、上記の構成によれば、シートクッションが降車位置に位置する状態で、ドアが閉められたことがドア開閉センサにより検出されると、少なくともその検出を条件として、制御装置による駆動源の制御を通じてリフタ機構が作動させられる。シートクッションが、次回の乗員の乗車に備え、リフタ機構により降車位置から乗車位置へ移動させられる。乗車位置では、上述したようにシートクッションが、走行位置と降車位置との中間の高さに位置する。シートクッションの高さが、走行位置及び降車位置での高さよりも、乗車しようとする乗員の腰部の高さに近くなる。
【0022】
そのため、乗員が次回にドアを開けたときには、シートクッションは乗車に適した高さとなっており、乗員は、腰部の高さを変えないで、又は少ししか変えないで水平方向へ移動することで、シートクッションに着座することが可能となる。
【0023】
上記車両用シートにおいて、前記シートクッションに着座した乗員の上半身を後側から支えるシートバックをさらに備え、前記シートクッションのうち、同シートクッションに着座した前記乗員から圧力を受ける箇所には底部座圧センサが前記乗降センサの少なくとも一部として設けられ、前記シートバックのうち、同シートバックに凭れた前記乗員から圧力を受ける箇所には背部座圧センサが前記乗降センサの少なくとも一部として設けられ、前記制御装置は、前記シートクッションが前記乗車位置に位置する状態で、前記シートクッションに前記乗員が着座したことが前記底部座圧センサにより検出され、かつ前記シートバックに前記乗員が凭れたことが前記背部座圧センサにより検出されることを少なくとも条件として、前記駆動源を制御することにより、前記シートクッションが前記乗車位置から前記走行位置へ移動するように前記リフタ機構を作動させることが好ましい。
【0024】
ここで、シートクッションが上方から荷重を受け、シートバックが前方から荷重を受けていると、乗員がシートクッションに着座し、シートバックに凭れていて、車両の走行に適した姿勢を採っているものと考えられる。
【0025】
この点、上記の構成によれば、シートクッションに着座した乗員から同シートクッションが受ける圧力が底部座圧センサによって検出される。また、シートバックに凭れた乗員から同シートバックが受ける圧力が背部座圧センサによって検出される。
【0026】
そして、シートクッションが乗車位置に位置する状態で、乗員がシートクッションに着座していることが底部座圧センサによって検出され、かつ乗員がシートバックに凭れていることが背部座圧センサによって検出されると、少なくともそれらの検出を条件として、制御装置による駆動源の制御を通じてリフタ機構が作動させられる。シートクッションがリフタ機構により乗車位置から走行位置へ移動させられる。
【0027】
上述したように、走行位置では、乗車位置よりもシートクッションが高くなって、車両の前方の視界が良好となる。
【発明の効果】
【0028】
上記車両用シートによれば、乗降性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】シートクッションが走行位置にある状態の車両用シートを乗員とともに示す側面図。
図2】車両用シートの平面図。
図3】シートクッションが乗車位置にある車両用シートへの乗員の乗車態様を示す部分斜視図。
図4】シートクッションが乗車位置にある状態の車両用シートを乗員とともに示す部分側面図。
図5】シートクッションが降車位置にある状態の車両用シートを乗員とともに示す部分側面図。
図6】(a)は、シートクッションが降車位置にある車両用シートからの乗員の降車態様を示す部分斜視図、(b)は、比較例として、シートクッションが走行位置にある車両用シートからの乗員の降車態様を示す部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、自動車等の車両に設置される車両用シートの一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。
【0031】
本実施形態での車両用シートが適用される車両としては、例えば、ミニバン、商用バン等、路面からの座面の高さが、一般的な乗用車における座面の高さよりも高いタイプの車両が挙げられる。
【0032】
図1及び図2に示すように、車両10の室内には、車両用シート20が設置されている。車両用シート20は、乗員Pが着座するシートクッション21と、乗員Pの上半身を後側から支えるシートバック25とを備えている。シートクッション21は、座面23を有する本体部22と、車幅方向における本体部22の両側部に位置する一対のサイドサポート部24とを備えている。各サイドサポート部24は座面23よりも上方へ張り出した土手状をなしている。各サイドサポート部24は、着座した乗員Pの車幅方向の動きを規制して、適正な着座姿勢に保持する機能を担っている。
【0033】
シートバック25は、車両10の前方を向く姿勢で室内に配置されている。シートクッション21及びシートバック25のそれぞれの幅方向は、車幅方向と合致している。
図1に示すように、車両用シート20は、シートクッション21を昇降させるリフタ機構30と、リフタ機構30を駆動することにより、シートクッション21の高さ位置を切替える駆動部Dとを備えている。
【0034】
リフタ機構30は、下フレーム31、前上フレーム32、後上フレーム33、前リンク34及び後リンク37を備え、いわゆる四節リンクとして構成されている。下フレーム31は、車両10の床12のうちシートクッション21の下方であって、車幅方向に互いに離間した2箇所に取付けられている。両下フレーム31は、それぞれ前後方向に延びている。
【0035】
前上フレーム32は、シートクッション21の底部の前部であって、車幅方向に互いに離間した2箇所に取付けられている。後上フレーム33は、シートクッション21の底部の後部であって、車幅方向に互いに離間した2箇所に取付けられている。両前上フレーム32及び両後上フレーム33は、それぞれ前後方向に延びている。
【0036】
前リンク34は、一対の前上フレーム32のそれぞれに対応して設けられている。各前リンク34は、前上フレーム32とその下方の下フレーム31の前部とを連結している。各前リンク34の上端部は、車幅方向に延びる支軸35により前上フレーム32に対し回動可能に支持されている。各前リンク34の下端部は、車幅方向に延びる支軸36により下フレーム31の前部に対し回動可能に支持されている。
【0037】
後リンク37は、一対の後上フレーム33のそれぞれに対応して設けられている。各後リンク37は、前リンク34よりも長く形成されている。各後リンク37は、各前リンク34よりも後方において、後上フレーム33とその下方の下フレーム31の後部とを連結している。各後リンク37の上端部は、車幅方向に延びる支軸38により後上フレーム33に対し回動可能に支持されている。両後リンク37の上端部を後上フレーム33に支持する支軸38は、共通の軸によって構成されている。各後リンク37の下端部は、車幅方向に延びる支軸39により下フレーム31の後部に対し回動可能に支持されている。
【0038】
車両10は、乗降時に開閉されるドア14を車幅方向における車両用シート20の車外側の側方に備えている(図3参照)。
上記駆動部Dは、駆動源、乗降センサ及び制御装置52を備えている。駆動源は、本実施形態では、通電により出力軸41aが回転されるモータ41によって構成されており、シートクッション21に固定されている。
【0039】
図1及び図2に示すように、乗降センサは、車両用シート20に対する乗員Pの乗降状態を検出するためのものである。本実施形態ではこの乗降センサとして、ドア開閉センサ45、底部座圧センサ46、背部座圧センサ47及び側部座圧センサ48が用いられている。
【0040】
ドア開閉センサ45は、例えば車体11におけるドア開口部13(図3参照)の周縁部分に取付けられており、ドア14の開閉状態を検出する。
底部座圧センサ46は、シートクッション21における本体部22のうち、シートクッション21に着座した乗員Pの下半身、本実施形態では臀部PBから圧力を受ける箇所、より具体的には、車幅方向には本体部22の中央部分であって、前後方向には本体部22の後部に配置されている。背部座圧センサ47は、シートバック25のうち、乗員Pの上半身、本実施形態では腰部PPから圧力を受ける箇所、より具体的には、車幅方向にはシートバック25の中央部分であり、上下方向にはシートバック25の下部に配置されている。側部座圧センサ48は、車外側のサイドサポート部24において降車時に乗員Pの脚部PL、本実施形態では大腿部PTが載せられて同大腿部PTから圧力を受ける箇所に配置されている。
【0041】
図1に示すように、上記支軸38には、モータ41の出力軸41aが駆動連結されている。出力軸41aの回転を支軸38に伝達する経路の途中には、ウォーム及びウォームホイールからなるウォームギヤ51が介在されている。このウォームギヤ51も上記駆動部Dの一部を構成している。ウォームホイールは、はすば歯車等の歯車からなり、ウォームよりも支軸38側に設けられている。ウォームはねじ状の歯車からなり、ウォームホイールよりもモータ41側に設けられていて、ウォームホイールに噛み合わされている。ウォームギヤ51は、周知のようにウォームホイール及びウォーム間の摩擦が大きいことから、大きな減速比の回転を伝動する際に用いられる。ウォームギヤ51には、ウォームホイール側(支軸38側)からウォームを回転させるために大きな荷重が必要になるという特徴がある。そのため、モータ41に通電して出力軸41aを回転させると、その回転を、ウォームギヤ51を介して支軸38に伝達して、後リンク37を傾動させることが可能である。また、モータ41への通電を停止して出力軸41aの回転を止めた場合には、後リンク37をそのときの傾斜角度に保持することが可能である。
【0042】
なお、上記のように後リンク37を傾動させる(駆動する)と、その傾動が後上フレーム33、シートクッション21及び前上フレーム32を介して、前リンク34に伝達され、同前リンク34が傾動(従動)される。これら後リンク37及び前リンク34の傾動によって、シートクッション21を昇降させて、高さ位置を変えることが可能である。
【0043】
制御装置52は、上記乗降センサの検出結果に応じてモータ41を制御するためのものである。制御装置52は、マイクロコンピュータを中心として構成されている。制御装置52は、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等に従って、上記各乗降センサからの検出信号に基づき各種演算処理を行い、その演算結果に基づいて、モータ41に対する通電を制御する。上記初期データには、シートクッション21を、後述する走行位置から降車位置へ移動させる、また、降車位置から乗車位置へ移動させる、さらには、乗車位置から走行位置へ移動させるのに必要なモータ41の回転に関するデータが含まれている。
【0044】
制御装置52は、上記データに基づきモータ41の出力軸41aの回転、例えば回転数、角度等を制御することにより、シートクッション21が車両10の走行時には走行位置に位置し、乗車時には乗車位置に位置し、降車時には降車位置に位置するようにリフタ機構30を作動させる。表現を変えると、制御装置52は、乗員Pの車両用シート20に対する乗降の状況に応じて、シートクッション21を、走行位置、乗車位置及び降車位置のいずれかの高さ位置にし、また、状況の変化に応じて切替える。
【0045】
走行位置は、車両10を走行させるのに適した位置である。図1に示すように、走行位置では、前リンク34が起立した状態となる。また、後リンク37は、下側ほど後方に位置する傾斜状態となる。シートクッション21の前端部21fは、上記3種類の高さ位置の中で最も高くなる。これに伴い、座面23も最も高くなる。また、シートクッション21は、座面23が前側ほど高くなるように傾斜した状態となる。
【0046】
乗車位置は、乗員Pが乗車するのに適した位置である。図4に示すように、乗車位置では、前リンク34及び後リンク37がともに、上側ほど後方に位置する傾斜状態となる。シートクッション21は、3つの高さ位置の中で中間の高さとなる箇所に位置する。すなわち、乗車位置では、シートクッション21の前端部21fは、上記走行位置よりも低く、かつ降車位置よりも高い箇所に位置する。このときのシートクッション21の座面23の高さは、乗車しようとして路面RSに立った乗員Pの腰部PPの高さと同程度である(図3参照)。座面23の傾斜は、上記走行位置よりも緩くなる。
【0047】
降車位置は、シートクッション21に着座している乗員Pが降車するのに適した位置である。図5に示すように、降車位置では、前リンク34及び後リンク37がともに、上側ほど後方に位置し、かつ同前リンク34及び後リンク37のそれぞれの上端部が上記乗車位置よりも後下方に位置するように傾斜した状態となる。表現を変えると、前リンク34及び後リンク37のそれぞれの床12に対しなす角が乗車位置よりも小さくなる。シートクッション21の前端部21fは、上記走行位置及び乗車位置よりも低い箇所に位置する。これに伴い、座面23は3種類の高さ位置のうち最も低くなる。座面23の傾斜は、上記乗車位置よりもさらに緩くなる。
【0048】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
図1に示すように、車両10の走行時には、シートクッション21は走行位置に位置する。このときには、モータ41への通電が停止され、出力軸41aが停止しているが、上記ウォームギヤ51の保持作用により、シートクッション21は走行位置に保持されている。この走行位置では、シートクッション21の前端部21f及び座面23が、乗車位置及び降車位置よりも高い箇所に位置する。そのため、乗車位置及び降車位置のシートクッション21に着座した場合よりも、乗員Pの着座位置が高くなって、車両10の前方の視界が良好である。また、走行位置では、座面23が前側ほど高くなるように傾斜させられている。そのため、シートクッション21に着座した乗員Pは、車両10の走行に適した安定した姿勢を採ることができる。
【0049】
上記の状態から運転者が車両10の走行を停止し、エンジンの運転を停止する。降車するために、乗員Pはドア14を開け、脚部PL、特に大腿部PTを車外側のサイドサポート部24上に載せて、開放されたドア開口部13から脚部PLを出して、路面RSに立とうとする。
【0050】
車両10の走行停止時にドア14が開けられると、乗員Pに降車の意思があると考えられる。また、車両10の走行停止時にドア14が開けられることに加え、乗員Pの脚部PL、特に大腿部PTがドア14側のサイドサポート部24に載せられると、乗員Pが降車する可能性が高いと考えられる。
【0051】
この点、本実施形態では、車両10の走行停止時にシートクッション21が走行位置に位置する状態で、乗員Pによりドア14が開けられると、そのことがドア開閉センサ45によって検出される。また、大腿部PTが車外側のサイドサポート部24に載せられると、サイドサポート部24における側部座圧センサ48が受ける圧力が増大する。制御装置52は、上記ドア開閉センサ45及び側部座圧センサ48の各検出結果に基づき、すなわち、ドア14が開けられたことがドア開閉センサ45によって検出され、かつ、予め定められたしきい値以上の圧力が側部座圧センサ48によって検出されると、モータ41の出力軸41aの回転を通じてリフタ機構30を作動させる。図5に示すように、後リンク37が支軸39を支点として反時計回り方向へ傾動させられ、それに伴い、前リンク34もまた同方向へ傾動させられる。両後リンク37及び両前リンク34の傾斜角度が変化する。特に、前リンク34の床12となす角度が走行位置よりも小さくなる。これに伴い、シートクッション21の前端部21fが下降する。この下降は、シートクッション21の後方への移動を伴いながら行なわれる。制御装置52は、シートクッション21を走行位置から降車位置まで移動させるのに必要な回転をモータ41に行なわせたところで、モータ41に対する通電を停止して、出力軸41aの回転を停止させる。上述したウォームギヤ51の保持作用により、シートクッション21は降車位置に保持される。
【0052】
降車位置では、シートクッション21の前端部21fが、走行位置及び乗車位置よりも低い箇所に位置する。ミニバン、商用バン等の車両では、シートクッション21が路面RSから大きく離れた高い箇所に位置するが、降車位置では、降車しようとする乗員Pの足部PFが路面RSに届きやすくなって降車しやすくなる。
【0053】
また、降車位置では、シートクッション21が走行位置よりも後方に位置する。そのため、乗員Pの脚部PLの周辺のスペースが大きくなる。乗員Pが降車のために路面RSに向けて脚部PLを伸ばそうとするとき、脚部PLが上記スペースの周辺にある部品等に接触して、降車を妨げられることが起りにくい。
【0054】
ちなみに、図6(a)は、シートクッション21が上記のように降車位置にあるときに乗員Pが降車しようとして脚部PLを伸ばした状態を示している。また、図6(b)は、比較例として、シートクッション21が走行位置にあるときに乗員Pが降車しようとして脚部PLを伸ばした状態を示している。
【0055】
図6(b)に示すように、シートクッション21が走行位置にある状態では、乗員Pが脚部PLを路面RSに向けて伸ばしたとき、大腿部PTの裏側がシートクッション21と干渉しやすくなるため、乗員Pの足部PFが路面RSに届きにくくなる。その結果、乗員Pのつま先部PFbのみが路面RSに届き、踵部PFaが路面RSから浮いた状態となる。これに対し、図6(a)に示すように、シートクッション21が降車位置にある状態では、乗員Pが脚部PLを路面RSに向けて伸ばしたとき、大腿部PTの裏側がシートクッション21と干渉しにくくなるため、乗員Pの足部PFが路面RSに届きやすくなって、いわゆる足つき性が改善する。その結果、乗員Pの足部PFのうち、つま先部PFbから踵部PFaまでの領域、すなわち足部PFの全体が路面RSに届くようになる。
【0056】
さらに、本実施形態では、上述したように、ドア開閉センサ45及び側部座圧センサ48の検出結果を用いている。そのため、ドア開閉センサ45の検出結果のみを用いる場合に比べ、乗員Pの降車をより正確に検出することができる。そして、それらの検出結果に応じて、制御装置52によるモータ41の制御を行なうことで、降車時におけるシートクッション21の走行位置から降車位置への移動をより適切に行なうことができる。
【0057】
乗員Pは、降車すると、開いているドア14を閉め、その後、車両10から離れる。
ここで、シートクッション21が降車位置に位置する状態でドア14が閉められると、乗員Pは車両用シート20から降りて車両10の外へ出たと考えられる。
【0058】
この点、本実施形態では、シートクッション21が降車位置に位置する状態で、ドア14が閉められると、そのことがドア開閉センサ45により検出される。制御装置52は、次回の乗員Pの乗車に備え、モータ41の出力軸41aの回転を通じてリフタ機構30を作動させる。
【0059】
図4に示すように、後リンク37が支軸39を支点として時計回り方向へ傾動させられ、それに伴い、前リンク34もまた支軸36を支点として同方向へ傾動させられる。両後リンク37及び両前リンク34の傾斜角度が変化し、シートクッション21の前端部21fを含む全体が上昇する。この上昇は、シートクッション21の前方への移動を伴いながら行なわれる。制御装置52は、シートクッション21を降車位置から乗車位置まで移動させるのに必要な回転をモータ41に行なわせたところで、モータ41に対する通電を停止して、出力軸41aの回転を停止させる。上述したウォームギヤ51の保持作用により、シートクッション21は乗車位置に保持される。
【0060】
乗車位置では、シートクッション21の前端部21fが、走行位置と降車位置との中間の高さに位置する。シートクッション21の座面23の高さが、走行位置及び降車位置での高さよりも、乗車しようとして路面RSに立っている乗員Pの腰部PPの高さに近くなる。
【0061】
そのため、乗員Pが乗車のためにドア14を開けたときには、シートクッション21は乗車に適した高さとなっている。腰部PPの高さを座面23の高さに合わせるために乗員Pが腰部PPを上下方向へ動かす量が、走行位置及び降車位置の場合よりも少なくてすむ。図3に示すように、乗員Pは、腰部PPの高さを変えないで、又は少ししか変えないで水平方向へ移動することで、シートクッション21に着座することができる。乗員Pは乗車しやすくなる。
【0062】
乗員Pは、車両10での移動のために、車両用シート20に座る。
ここで、シートクッション21が上方から荷重を受け、シートバック25が前方から荷重を受けていると、乗員Pがシートクッション21に着座し、シートバック25に凭れていて、車両10の走行に適した姿勢を採っているものと考えられる。
【0063】
この点、本実施形態では、シートクッション21に着座した乗員Pの臀部PBから受ける圧力が底部座圧センサ46によって検出される。また、シートバック25に凭れた乗員Pの腰部PPから受ける圧力が背部座圧センサ47によって検出される。
【0064】
制御装置52は、上記底部座圧センサ46によって検出された圧力が、予め定められたしきい値を越え、かつ上記背部座圧センサ47によって検出された圧力が、予め定められたしきい値を越えると、モータ41の出力軸41aの回転を通じてリフタ機構30を作動させる。
【0065】
図1に示すように、後リンク37が支軸39を支点として時計回り方向へ傾動させられ、それに伴い、前リンク34もまた支軸36を支点として同方向へ傾動させられる。両後リンク37及び両前リンク34の傾斜角度が変化し、シートクッション21の前端部21fがさらに上昇する。この上昇は、シートクッション21の前方への移動を伴いながら行なわれる。制御装置52は、シートクッション21を乗車位置から走行位置まで移動させるのに必要な回転をモータ41に行なわせたところで、モータ41に対する通電を停止して、出力軸41aの回転を停止させる。上述したウォームギヤ51の保持作用により、シートクッション21は走行位置に保持される。
【0066】
走行位置では、上述したようにシートクッション21の前端部21f及び座面23が、乗車位置及び降車位置よりも高い箇所に位置し、車両10の前方の視界が良好となる。
また、走行位置では、座面23が前側ほど高くなるように傾斜させられるため、シートクッション21に着座した乗員Pは、車両10の走行に適した安定した姿勢を採ることができる。
【0067】
このように、本実施形態の車両用シート20によると、従来のものに比べ、乗降性の向上を図ることができる。
そのほかにも、本実施形態では、乗降センサによって乗員Pの乗降状態を検出し、その検出結果に応じてシートクッション21の高さ位置を切替えている。そのため、上記切替えの際に、スイッチ操作を行なわなくてもすみ、利便性が高いという効果もある。
【0068】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0069】
・底部座圧センサ46が本体部22のうち、乗員Pの下半身であって臀部PBとは異なる部位から圧力を受ける箇所に配置されてもよい。
・背部座圧センサ47がシートバック25のうち、乗員Pの上半身であって腰部PPとは異なる部位から圧力を受ける箇所に配置されてもよい。
【0070】
・底部座圧センサ46及び背部座圧センサ47の少なくとも一方が複数設けられ、それらによって検出される座圧がバランスされている状態から偏った状態に変化した場合に、シートクッション21に着座している乗員Pが降車しようとしていると判断してもよい。このような状況になった場合、シートクッション21が走行位置から降車位置へ移動するようにリフタ機構30を作動させてもよい。
【0071】
・リフタ機構30を作動させる駆動源としてモータ41とは異なるアクチュエータ、例えば、モータの回転動作を伸縮動作に変換する電動シリンダアクチュエータが用いられてもよい。
【0072】
・スイッチ操作を通じてモータ41の出力軸41aの回転を制御し、リフタ機構30を作動させて、シートクッション21の高さ位置を切替えるようにしてもよい。ただし、この場合にも、走行位置、乗車位置及び降車位置の順にシートクッション21(前端部21f)の高さが低くなるように切替えを行なう。
【0073】
・シートクッション21が走行位置に位置する状態で、乗員Pが降車する場合に、そのことを検出する乗降センサとして、ドア開閉センサ45が用いられることを条件に、側部座圧センサ48が省略されてもよいし、側部座圧センサ48に代えて又は加えて別のセンサが用いられてもよい。
【0074】
・シートクッション21を降車位置から乗車位置に移動させる状況を検出する乗降センサとして、ドア開閉センサ45に加え別のセンサが用いられてもよい。
・シートクッション21を降車位置から乗車位置へ移動させる条件が、上記実施形態とは異なるものに変更されてもよい。例えば、「シートクッション21が降車位置に位置する状態でドア14が閉められた後に再び開けられたことをドア開閉センサ45が検出したこと」が上記条件に含まれてもよい。この場合には、乗員Pが車両用シート20に座る直前にシートクッション21が降車位置から乗車位置へ移動される。
【0075】
・シートクッション21が乗車位置に位置する状態で、車両用シート20に乗員Pが乗った場合に、そのことを検出する乗降センサとして、底部座圧センサ46及び背部座圧センサ47に加え、別のセンサが用いられてもよい。
【0076】
・リフタ機構30は、降車位置では、シートクッション21を座面23が前側ほど低くなるように傾斜させるものであってもよい。このようにすれば、降車しようとする乗員Pの足部PFが路面RSに一層届きやすくなり、降車しやすくなる。
【符号の説明】
【0077】
10…車両
14…ドア
20…車両用シート
21…シートクッション
24…サイドサポート部
25…シートバック
30…リフタ機構
41…モータ(駆動源)
45…ドア開閉センサ(乗降センサ)
46…底部座圧センサ(乗降センサ)
47…背部座圧センサ(乗降センサ)
48…側部座圧センサ(乗降センサ)
52…制御装置
D…駆動部
P…乗員
PL…脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6