IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オートネットワーク技術研究所の特許一覧 ▶ 住友電装株式会社の特許一覧 ▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

特許7259831車載用のバックアップ制御装置及び車載用のバックアップ装置
<>
  • 特許-車載用のバックアップ制御装置及び車載用のバックアップ装置 図1
  • 特許-車載用のバックアップ制御装置及び車載用のバックアップ装置 図2
  • 特許-車載用のバックアップ制御装置及び車載用のバックアップ装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】車載用のバックアップ制御装置及び車載用のバックアップ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/033 20060101AFI20230411BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20230411BHJP
   H02J 7/34 20060101ALN20230411BHJP
【FI】
B60R16/033 B
H02J9/06 110
H02J7/34 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020206602
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022093883
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2022-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】信藤 皓
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-296808(JP,A)
【文献】特開2018-023195(JP,A)
【文献】特開2021-119728(JP,A)
【文献】特開2022-084124(JP,A)
【文献】特表2002-510190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
H02J 7/34
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部、蓄電部、負荷を備えた車載用電源システムにおいて、前記電源部からの電力が供給される電力路が低電圧状態となった場合に前記蓄電部から前記負荷に電力を供給するバックアップ動作を行う車載用のバックアップ制御装置であって、
前記蓄電部と前記負荷との間に配置されるスイッチ部と、
前記スイッチ部を制御する制御部と、
前記低電圧状態を検出する低電圧検出回路と、
前記低電圧検出回路が前記低電圧状態を検出した場合に、前記スイッチ部をオン状態に保持するラッチ状態に切り替わるラッチ回路と、
を有し、
前記制御部は、前記ラッチ回路が前記ラッチ状態であると判定した場合、前記ラッチ状態を解除し、前記スイッチ部を前記オン状態に制御する
車載用のバックアップ制御装置。
【請求項2】
電源部、蓄電部、負荷を備えた車載用電源システムにおいて、前記電源部からの電力が供給される電力路が低電圧状態となった場合に前記蓄電部から前記負荷に電力を供給するバックアップ動作を行う車載用のバックアップ制御装置であって、
前記蓄電部と前記負荷との間に配置されるスイッチ部と、
前記スイッチ部を制御する制御部と、
前記低電圧状態を検出する低電圧検出回路と、
前記低電圧検出回路が前記低電圧状態を検出した場合に、前記スイッチ部をオン状態に保持するラッチ状態に切り替わるラッチ回路と、
を有し、
前記制御部は、前記低電圧状態となった場合に、前記スイッチ部を前記オン状態に制御し、
前記低電圧検出回路は、前記低電圧状態となった場合に低電圧信号が入力される構成となっており、
前記低電圧検出回路に対し、前記低電圧信号をチェック信号として与える故障チェック回路を有し、
前記制御部は、前記低電圧検出回路に対し前記チェック信号を与える動作を、前記故障チェック回路に行わせた上で、前記ラッチ回路が前記ラッチ状態となるか否かを判定する故障チェック処理を行う
車載用のバックアップ制御装置。
【請求項3】
前記蓄電部に対する充電動作を行う充電部を有し、
前記制御部は、車両が始動した場合に、前記蓄電部の充電電圧が目標電圧となるまで、前記充電部に前記充電動作を行わせる充電制御を実行し、前記車両が始動してから前記充電制御が開始される前に又は前記充電制御と並行して前記故障チェック処理を行う
請求項2に記載の車載用のバックアップ制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記低電圧状態でない場合に、前記ラッチ状態を解除し、前記スイッチ部をオフ状態に制御する
請求項2又は請求項3に記載の車載用のバックアップ制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車載用のバックアップ制御装置と、
前記蓄電部と、
を備える車載用のバックアップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車載用のバックアップ制御装置及び車載用のバックアップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、主電源の電圧低下時に、蓄電部から負荷に電力供給する蓄電装置が開示されている。この蓄電装置の制御回路は、主電源の正常時に充電回路を制御して、蓄電部を充電させる。そして、この制御回路は、主電源の電圧が低下するとき(例えば、アイドリングストップ終了後のエンジン起動時)に、蓄電部と負荷の間に配置されるスイッチをオンにして、負荷に電力供給する。また、特許文献1には、この蓄電装置を、主電源異常時の電源バックアップシステムにも適用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-296808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バックアップ対象の負荷には、迅速にバックアップすることが好ましいものもある。しかし、特許文献1の蓄電装置では、制御回路が、別の処理に支障がない範囲で、主電源の異常の有無を周期的に判定することになるため、主電源に異常が発生してからスイッチをオンにするまでの時間を短縮しようとしても限界がある。
【0005】
そこで、本開示では、電源異常時のバックアップをより迅速に行うことが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車載用のバックアップ制御装置は、
電源部、蓄電部、負荷を備えた車載用電源システムにおいて、前記電源部からの電力が供給される電力路が低電圧状態となった場合に前記蓄電部から前記負荷に電力を供給するバックアップ動作を行う車載用のバックアップ制御装置であって、
前記蓄電部と前記負荷との間に配置されるスイッチ部と、
前記スイッチ部を制御する制御部と、
前記低電圧状態を検出する低電圧検出回路と、
前記低電圧検出回路が前記低電圧状態を検出した場合に、前記スイッチ部をオン状態に保持するラッチ状態に切り替わるラッチ回路と、
を有し、
前記制御部は、前記低電圧状態となった場合に、前記スイッチ部を前記オン状態に制御する。
【0007】
本開示の車載用のバックアップ装置は、
本開示の車載用のバックアップ制御装置と、
前記蓄電部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電源異常時のバックアップをより迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の第1実施形態の車載用電源システムの構成を概略的に示す回路図である。
図2図2は、スイッチ制御回路の構成を概略的に示す回路図である。
図3図3は、制御部が行うバックアップ処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
〔1〕電源部、蓄電部、負荷を備えた車載用電源システムにおいて、前記電源部からの電力が供給される電力路が低電圧状態となった場合に前記蓄電部から前記負荷に電力を供給するバックアップ動作を行う車載用のバックアップ制御装置であって、前記蓄電部と前記負荷との間に配置されるスイッチ部と、前記スイッチ部を制御する制御部と、前記低電圧状態を検出する低電圧検出回路と、前記低電圧検出回路が前記低電圧状態を検出した場合に、前記スイッチ部をオン状態に保持するラッチ状態に切り替わるラッチ回路と、を有し、前記制御部は、前記低電圧状態となった場合に、前記スイッチ部を前記オン状態に制御する車載用のバックアップ制御装置。
【0012】
この構成によれば、電力路が低電圧状態となった場合に、即座にラッチ回路をラッチ状態に切り替えてスイッチ部をオン状態とし、負荷に電力を供給することができる。このため、制御部が周期的に行う処理によって、スイッチ部がオン状態に制御されることを待つことなく、即座に負荷に電力を供給することができる。
【0013】
〔2〕前記制御部は、前記低電圧状態でない場合に、前記ラッチ状態を解除し、前記スイッチ部をオフ状態に制御する〔1〕に記載の車載用のバックアップ制御装置。
【0014】
この構成によれば、制御部は、ラッチ回路が誤動作によってラッチ状態となった場合や、一時的に低電圧状態となったことによってラッチ状態となった場合に、ラッチ状態を解除してスイッチ部をオフ状態に戻すことができる。
【0015】
〔3〕前記低電圧検出回路は、前記低電圧状態となった場合に低電圧信号が入力される構成となっており、前記低電圧検出回路に対し、前記低電圧信号をチェック信号として与える故障チェック回路を有し、前記制御部は、前記低電圧検出回路に対し前記チェック信号を与える動作を、前記故障チェック回路に行わせた上で、前記ラッチ回路が前記ラッチ状態となるか否かを判定する故障チェック処理を行う〔1〕又は〔2〕に記載の車載用のバックアップ制御装置。
【0016】
この構成によれば、低電圧検出回路及びラッチ回路が正常に動作するか否かをチェックすることができる。
【0017】
〔4〕前記蓄電部に対する充電動作を行う充電部を有し、前記制御部は、車両が始動した場合に、前記蓄電部の充電電圧が目標電圧となるまで、前記充電部に前記充電動作を行わせる充電制御を実行し、前記車両が始動してから前記充電制御が開始される前に又は前記充電制御と並行して前記故障チェック処理を行う〔3〕に記載の車載用のバックアップ制御装置。
【0018】
この構成によれば、車両の始動後、迅速に故障チェック処理を行うことができる。
【0019】
<第1実施形態>
〔車載用電源システムの構成〕
図1に示す車載用電源システム100は、電源部90、第1負荷91、第2負荷92、蓄電部93及び車載用のバックアップ制御装置1(以下、制御装置1ともいう)を備える。図1に示す車載用のバックアップ装置2は、制御装置1及び蓄電部93を備える。電源部90は、電力路80を介して第1負荷91及び第2負荷92に電気的に接続されている。電源部90からの電力は、電力路80を介して第1負荷91及び第2負荷92に供給される。制御装置1は、電力路80が低電圧状態となった場合に蓄電部93から第1負荷91及び第2負荷92に電力を供給するバックアップ動作を行う。低電圧状態とは、例えば電力路80の電圧が閾値以下となる状態のことである。
【0020】
電源部90は、主電源として機能する。電源部90は、直流電圧を生じる直流電源であり、例えば鉛バッテリである。電源部90の高電位側の端子は、電力路80及び第1導電路81に電気的に接続され、電源部90の低電位側の端子は例えばグラウンドに電気的に接続されている。電源部90は、第1導電路81に対して所定の出力電圧を印加する構成をなしている。
【0021】
第1負荷91は、第2負荷92よりもバックアップの緊急性が低い電気部品であり、例えばモータなどの車載用アクチュエータなどである。第1負荷91は、1つであってもよいし、複数であってもよい。第1負荷91には、本実施形態では、電力路80が低電圧状態でない状態において、電源部90からの電力供給を受ける構成となっているが、受けない構成としてもよい。
【0022】
第2負荷92は、「負荷」に相当し、第1負荷91よりもバックアップの緊急性が高い電気部品であり、例えば電動パーキングブレーキシステムにおけるECUやアクチュエータ、シフトバイワイヤ制御システムにおけるECUやアクチュエータなどである。第2負荷92は、1つであってもよいし、複数であってもよい。第2負荷92は、本実施形態では、電力路80が低電圧状態でない状態において、電源部90からの電力供給を受ける構成となっているが、受けない構成としてもよい。
【0023】
蓄電部93は、補助電源として機能する。蓄電部93は、直流電圧を出力する直流電源であり、例えば電気二重層キャパシタである。蓄電部93は、第5導電路85を介して充放電部14に電気的に接続されており、充放電部14を介して充電及び放電がなされる。蓄電部93の出力電圧は、車両が停止されている状態において、待機電圧以下に保持され、車両が始動するときに待機電圧よりも大きい目標電圧以上となるまで充電され、車両が停止するときに待機電圧以下となるまで放電される。
【0024】
制御装置1は、第1導電路81、第2導電路82、第3導電路83、第4導電路84、第5導電路85、第1スイッチ部11、第2スイッチ部12A,12B、第3スイッチ部13A,13B、充放電部14、制御部15、スイッチ制御回路16、OR回路17及び電圧検出部18A,18B,18C,18Dを有する。
【0025】
第1導電路81は、電源部90の高電位側の端子に電気的に接続されており、且つ、電力路80に電気的に接続されている。第1導電路81の電圧は、電力路80の電圧が反映される。例えば、第1導電路81の電圧は、電力路80が低電圧状態でなければ上記閾値よりも大きくなり、電力路80が低電圧状態であれば上記閾値以下となる。第2導電路82は、第1導電路81よりも第1負荷91及び第2負荷92側に配置され、途中で第1負荷91及び第2負荷92の各々に対応した経路に分岐している。第3導電路83は、第1負荷91に電気的に接続されており、且つ、電力路80に電気的に接続されている。第4導電路84は、第2負荷92に電気的に接続されている。第5導電路85は、充放電部14及び蓄電部93に電気的に接続されている。
【0026】
第1スイッチ部11、第2スイッチ部12A,12B、第3スイッチ部13A,13Bは、例えばスイッチング素子として構成されており、より具体的には、Nチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)として構成されている。第1スイッチ部11、第2スイッチ部12A,12B、第3スイッチ部13A,13Bは、制御部15からオン信号を受けることでオン状態に制御され、オフ信号を受けることでオフ状態に制御される。
【0027】
第1スイッチ部11は、蓄電部93と第1負荷91との間に配置されており、第2導電路82と第3導電路83との間に配置されている。第1スイッチ部11は、寄生ダイオード11Aを有している。寄生ダイオード11Aのアノードは、第3導電路83に電気的に接続され、寄生ダイオード11Aのカソードは、第2導電路82に電気的に接続されている。第1スイッチ部11がオン状態になると、第2導電路82側から第3導電路83側への電力供給が許容される。第1スイッチ部11がオフ状態になると、第2導電路82側から第3導電路83側への電力供給が禁止される。
【0028】
第2スイッチ部12A,12Bは、「スイッチ部」に相当し、蓄電部93と第2負荷92との間に配置されており、第2導電路82と第4導電路84との間に配置されている。第2スイッチ部12A,12Bは、寄生ダイオード12C,12Dを有している。第2スイッチ部12A,12Bは、互いに直列に接続され、且つ互いに逆向きに接続されている。第2スイッチ部12A,12Bがオン状態になると、第2導電路82側から第4導電路84側への電力供給が許容される。第2スイッチ部12A,12Bがオフ状態になると、第2導電路82側から第4導電路84側への電力供給が禁止される。
【0029】
第3スイッチ部13A,13Bは、電源部90と蓄電部93との間に配置されており、第1導電路81と第2導電路82との間に配置されている。第3スイッチ部13A,13Bは、寄生ダイオード13C,13Dを有している。第3スイッチ部13A,13Bは、互いに直列に接続され、且つ互いに逆向きに接続されている。第3スイッチ部13A,13Bがオン状態になると、第1導電路81側から第2導電路82側への電力供給が許容される。第3スイッチ部13A,13Bがオフ状態になると、第1導電路81側から第2導電路82側への電力供給が禁止される。
【0030】
充放電部14は、「充電部」に相当し、例えばDCDCコンバータ等の電圧変換回路として構成されている。充放電部14は、第2導電路82と第5導電路85との間に配置されている。充放電部14は、蓄電部93に対する充電動作及び放電動作を行う。充放電部14は、充電動作として、蓄電部93の充電を許容する動作を行う。より具体的には、充放電部14は、充電動作として、第2導電路82に印加された電圧を昇圧又は降圧して第5導電路85に印加する動作を行う。充放電部14は、放電動作として、蓄電部93の放電を許容する動作を行う。より具体的には、充放電部14は、放電動作として、第5導電路85に印加された電圧を昇圧又は降圧して第2導電路82に印加する動作を行う。充放電部14は、第3スイッチ部13A,13Bのオン状態において充電動作を行うことで、蓄電部93を充電させる。充放電部14は、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bのオン状態において放電動作を行うことで、蓄電部93を放電させ、第1負荷91及び第2負荷92に電力供給し得る。
【0031】
電圧検出部18A,18B,18C,18Dは、例えば電圧検出回路として構成されている。電圧検出部18Aは、第1導電路81の電圧を検出する。電圧検出部18Bは、第2導電路82の電圧を検出する。電圧検出部18Cは、第4導電路84の電圧を検出する。電圧検出部18B,18Cによって、第2スイッチ部12A,12Bの両側の電圧が検出される。電圧検出部18Dは、第5導電路85の電圧、つまり蓄電部93の充電電圧を検出する。
【0032】
制御部15は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)などのメモリ、A/D変換器等を有している。
【0033】
制御部15は、電圧検出部18A,18B,18C,18Dに電気的に接続されている。制御部15は、電圧検出部18A,18B,18C,18Dからの信号に基づいて、第1導電路81に印加された電圧、第2スイッチ部12A,12Bの両側の電圧、及び蓄電部93の充電電圧を取得し得る。制御部15は、第1導電路81の電圧が閾値よりも大きい場合に電力路80が低電圧状態とないと判定し、第1導電路81の電圧が閾値以下である場合に電力路80が低電圧状態であると判定する。
【0034】
制御部15は、第2負荷92に電気的に接続されており、第2負荷92から出力された信号を受信し得る。本実施形態では、制御部15は、電力路80が低電圧状態でない場合には第2負荷92に電力供給しない構成となっているが、第2負荷92からの要求に応じて、低電圧状態でないときにも第2負荷92に電力供給する。
【0035】
制御部15は、第1スイッチ部11、第2スイッチ部12A,12B、第3スイッチ部13A,13Bの各々のゲートに電気的に接続されている。制御部15は、第1スイッチ部11、第2スイッチ部12A,12B、第3スイッチ部13A,13Bのゲートにオン信号を与えることでオン状態に制御し、オフ信号を与えることでオフ状態に制御する。本実施形態では、ハイレベル信号がオン信号であり、ローレベル信号がオフ信号である。制御部15は、第1出力路86を介して、第1スイッチ部11のゲート、及びOR回路17の第1入力端子17Aに電気的に接続されている。OR回路17の出力端子17Cは、第2スイッチ部12A,12Bのゲートに電気的に接続されている。制御部15は、第1出力路86にオン信号又はオフ信号を印加することで、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bにオン信号又はオフ信号を与える。
【0036】
制御部15は、充放電部14に電気的に接続されている。制御部15は、蓄電部93を充電する充電制御及び放電させる放電制御を行う。充電制御は、第3スイッチ部13A,13Bをオン状態に制御しつつ、充放電部14に充電動作を行わせることで、蓄電部93を充電する制御である。放電制御は、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に制御しつつ、充放電部14に放電動作を行わせることで、蓄電部93を第1負荷91及び第2負荷92に向けて放電させる制御である。制御部15は、図示しない車両の始動スイッチがオン状態となった場合に、充電制御を開始し、蓄電部93の出力電圧が目標電圧以上になると充電制御を終了する。制御部15は、充電制御が終了した後、第3スイッチ部13A,13Bをオフ状態とし、充放電部14に放電動作を行わせる。このとき、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bはオフ状態のまま維持する。これにより、第2導電路82には、蓄電部93の出力電圧に基づく電圧が印加された状態となる。制御部15は、この状態から第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に切り替えることで、第1負荷91及び第2負荷92に即座に電力供給させることができる。また、後述するラッチ回路30によって第2スイッチ部12A,12Bがオン状態に切り替えられた場合にも、即座に第2負荷92に電力供給される。
【0037】
〔スイッチ制御回路の構成〕
スイッチ制御回路16は、制御部15とは別の回路であり、第2スイッチ部12A,12Bを制御する。スイッチ制御回路16は、図2に示すように、低電圧検出回路20、ラッチ回路30、ラッチ解除回路40及び故障チェック回路50を有している。
【0038】
低電圧検出回路20は、電力路80の低電圧状態を検出する回路である。低電圧検出回路20は、第1導電路81の電圧が閾値よりも大きい場合に、電力路80が低電圧状態でないと判定する。低電圧検出回路20は、第1導電路81の電圧が閾値以下となった場合に電力路80が低電圧状態であると判定し、低電圧状態を検出する。低電圧検出回路20は、導電路62を介してラッチ回路30に電気的に接続されており、電力路80の低電圧状態を検出すると、低電圧検出信号をラッチ回路30に与える。
【0039】
ラッチ回路30は、低電圧検出回路20が電力路80の低電圧状態を検出した場合に、第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に保持するラッチ状態に切り替わる回路である。ラッチ回路30は、導電路63を介してOR回路17の第2入力端子17Bに電気的に接続されている。ラッチ回路30は、低電圧検出信号が与えられると、導電路63を介してオン信号をOR回路17の第2入力端子17Bに与え、第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に保持するラッチ状態に切り替わる。
【0040】
ラッチ解除回路40は、ラッチ回路30のラッチ状態を解除する回路である。ラッチ解除回路40は、導電路64を介して、制御部15に電気的に接続されており、導電路65を介してラッチ回路30に電気的に接続されている。ラッチ解除回路40は、制御部15から解除指示信号が与えられると、ラッチ回路30のラッチ状態を解除する。
【0041】
故障チェック回路50は、低電圧検出回路20及びラッチ回路30の故障を検出するための回路である。故障チェック回路50は、第2出力路87を介して、制御部15に電気的に接続されており、導電路66を介して、低電圧検出回路20に電気的に接続されている。故障チェック回路50は、制御部15からチェック指示信号が与えられると、低電圧検出回路20に対し、低電圧信号をチェック信号として与える。低電圧検出回路20は、チェック信号が与えられると、低電圧検出信号をラッチ回路30に与える。ラッチ回路30は、低電圧検出信号が与えられると、OR回路17の第2入力端子17Bに与える。これにより、OR回路17から第2スイッチ部12A,12Bにオン信号が与えられ、第2スイッチ部12A,12Bがオン状態となる。
【0042】
制御部15は、故障チェック回路50に対しチェック指示信号を与え、第2スイッチ部12A,12Bがオン状態となっていれば、低電圧検出回路20及びラッチ回路30が故障していないと判定する。逆に、制御部15は、第2スイッチ部12A,12Bがオフ状態のままであれば、低電圧検出回路20又はラッチ回路30が故障していると判定する。制御部15は、例えば第2スイッチ部12A,12Bの両側の電圧値の差が所定値未満であれば第2スイッチ部12A,12Bがオン状態になっていると判定し、所定値以上であれば第2スイッチ部12A,12Bがオフ状態になっていると判定する。
【0043】
低電圧検出回路20、ラッチ回路30、ラッチ解除回路40及び故障チェック回路50の詳細な構成について説明する。
【0044】
低電圧検出回路20は、コンパレータ21及び抵抗R1,R2,R3を有している。コンパレータ21の反転入力端子22は、定電圧源Vccに電気的に接続されている。抵抗R1の一端は、第1導電路81に電気的に接続されており、抵抗R1の他端は、抵抗R2の一端に電気的に接続されている。抵抗R2の他端はグラウンドに電気的に接続されている。抵抗R1の他端と抵抗R2の一端との接続部25は、導電路61を介してコンパレータ21の非反転入力端子23に電気的に接続されている。コンパレータ21の出力端子24は、導電路62に電気的に接続されている。抵抗R3の一端は、定電圧源Vccに電気的に接続されており、抵抗R3の他端は、導電路62に電気的に接続されている。
【0045】
ラッチ回路30は、ダイオード31、PNPトランジスタ32、NPNトランジスタ33及び抵抗R4,R5,R6,R7を有している。PNPトランジスタ32のエミッタ及び抵抗R5の一端は、定電圧源Vccに電気的に接続されている。PNPトランジスタ32のベースは、抵抗R4の一端及び抵抗R5の他端に電気的に接続されている。PNPトランジスタ32のコレクタは、抵抗R6の一端及び導電路63に電気的に接続されている。
【0046】
抵抗R6の他端は、NPNトランジスタ33のベース及び抵抗R7の一端に電気的に接続されている。抵抗R7の他端及びNPNトランジスタ33のエミッタは、グラウンドに電気的に接続されている。NPNトランジスタ33のコレクタは、抵抗R4の他端とダイオード31のアノードとの接続部34に電気的に接続されている。ダイオード31のカソードは、導電路62に電気的に接続されている。
【0047】
ラッチ解除回路40は、NPNトランジスタ41及び抵抗R8,R9を有している。抵抗R8の一端は、導電路64に電気的に接続されている。抵抗R8の他端は、NPNトランジスタ41のベース及び抵抗R9の一端に電気的に接続されている。抵抗R9の他端及びNPNトランジスタ41のエミッタは、グラウンドに電気的に接続されている。NPNトランジスタ41のコレクタは、ラッチ回路30におけるPNPトランジスタ32のコレクタ、抵抗R6の一端及び導電路63の接続部35に電気的に接続されている。なお、導電路64は、第1出力路86に電気的に接続されている。このため、制御部15から第1出力路86に印加されるオン信号又はオフ信号は、導電路64を介してラッチ解除回路40における抵抗R8の一端に与えられる。
【0048】
故障チェック回路50は、NPNトランジスタ51及び抵抗R10,R11を有している。抵抗R10の一端は、第2出力路87に電気的に接続されている。抵抗R10の他端は、NPNトランジスタ51のベース及び抵抗R11の一端に電気的に接続されている。抵抗R11の他端及びNPNトランジスタ51のエミッタは、グラウンドに電気的に接続されている。NPNトランジスタ51のコレクタは、導電路66を介して導電路61に電気的に接続されている。
【0049】
次に、スイッチ制御回路16の動作について説明する。低電圧検出回路20におけるコンパレータ21は、第1導電路81の電圧が閾値よりも大きい場合、出力端子24からハイレベル信号を出力する。このとき、ラッチ回路30におけるダイオード31のアノード側の電圧は、カソード側の電圧よりも低いため、ラッチ回路30側から低電圧検出回路20側に電流が流れない。その後、電力路80の断線等によって、第1導電路81の電圧が閾値以下となった場合、コンパレータ21は、出力端子24からローレベル信号を出力する。これにより、ダイオード31のアノード側の電圧は、カソード側の電圧よりも高くなり、ラッチ回路30側から低電圧検出回路20側に電流が流れる。その結果、PNPトランジスタ32がオフ状態からオン状態に切り替わり、導電路63を介してOR回路17の第2入力端子17Bにオン信号が与えられる。そして、第2スイッチ部12A,12Bのゲートにオン信号が与えられ、第2スイッチ部12A,12Bがオン状態となる。
【0050】
また、PNPトランジスタ32がオン状態に切り替わることで、NPNトランジスタ33のベースからエミッタに電流が流れ、NPNトランジスタ33がオン状態に切り替わる。これにより、PNPトランジスタ32のエミッタからベースに電流が流れ続け、PNPトランジスタ32がオン状態に保持されるため、ラッチ回路30が第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に保持するラッチ状態となる。
【0051】
ラッチ回路30がラッチ状態となった後、ラッチ解除回路40における抵抗R8の一端に、制御部15からのオン信号が与えられると、NPNトランジスタ41のベースからエミッタに電流が流れ、NPNトランジスタ41がオン状態に切り替わる。その結果、接続部35の電圧が低下し、NPNトランジスタ33がオフ状態となり、PNPトランジスタ32がオフ状態となる。よって、ラッチ回路30のラッチ状態が解除される。なお、後述するが、第2スイッチ部12A,12Bは、制御部15からのオン信号によってオン状態に保持される。
【0052】
故障チェック回路50による故障チェックは以下のように行われる。故障チェック回路50は、抵抗R10の一端に、制御部15からのオン信号が与えられると、NPNトランジスタ51のベースからエミッタに電流が流れ、NPNトランジスタ51がオン状態となる。その結果、低電圧検出回路20におけるコンパレータ21の非反転入力端子23に入力される電圧が、閾値以下となる。そして、コンパレータ21の出力端子24からローレベル信号が出力され、ラッチ回路30がラッチ状態となり、第2スイッチ部12A、12Bがオン状態となる。制御部15は、第2スイッチ部12A,12Bの両側の電圧に基づいて、第2スイッチ部12A、12Bがオン状態となったか否かを判定し、低電圧検出回路20及びラッチ回路30の故障の有無を判定する。
【0053】
〔車載用のバックアップ制御装置の動作〕
図3には、制御部15が行うバックアップ処理の一例が示されている。制御部15は、バックアップ処理の開始条件が成立した場合にバックアップ処理を開始する。バックアップ処理の開始条件は、例えば図示しない始動スイッチ(例えばイグニッションスイッチ)がオン状態になったことである。制御部15は、例えば、始動スイッチがオン状態になったことを示す始動信号が外部のECU(Electronic Control Unit)から与えられることで、始動スイッチがオン状態になったことを把握することができる。
【0054】
制御部15は、バックアップ処理を開始すると、故障チェック処理を行う(ステップS10)。また、図3では省略しているが、制御部15は、始動スイッチがオン状態となった場合に、充電制御を開始し、蓄電部93の出力電圧が目標電圧以上になると、充電制御を終了する。制御部15は、故障チェック処理を、充電制御の開始前に、又は充電制御と並行して行うことが好ましい。また、図3では省略しているが、制御部15は、充電制御の終了後、充放電部14に放電動作を開始させる。これにより、第2導電路82には、蓄電部93からの出力電圧に基づく電圧が印加される。
【0055】
制御部15は、故障チェック処理において、第2出力路87を介して故障チェック回路50にチェック指示信号としてオン信号を与える。そして、制御部15は、第2スイッチ部12A,12Bがオン状態となっているか否かを判定する。その結果、制御部15は、オン状態となっている場合には、低電圧検出回路20及びラッチ回路30が故障していないと判定し、オフ状態となっている場合には、低電圧検出回路20又はラッチ回路30が故障していると判定する。制御部15は、故障していると判定した場合、故障時処理を行う。故障時処理は、例えば故障したことを図示しない報知部によって報知する処理、故障したことを外部の装置に知らせる処理などである。
【0056】
制御部15は、故障チェック処理を終了した後、周期的に行う周期処理の開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS11)。周期処理の開始条件は、例えば始動スイッチがオン状態となってから最初の周期処理であること、前回の周期処理が開始されてから所定時間が経過したこと、前回の周期処理が終了してから所定時間が経過したことなどである。
【0057】
制御部15は、周期処理の開始条件が成立していないと判定した場合(ステップS11にてNo)、ステップS11の処理に戻る。つまり、制御部15は、周期処理の開始条件が成立するまで待機状態となる。制御部15は、周期処理の開始条件が成立したと判定すると(ステップS11にてYes)、ラッチ回路30がラッチ状態であるか否かを判定する(ステップS12)。制御部15は、ラッチ回路30がラッチ状態であると判定した場合(ステップS12にてYes)、電力路80が低電圧状態であると判断し、ラッチ状態を解除し、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bにオン信号を与える。本実施形態では、制御部15は、第1出力路86にオン信号を印加することで、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bにオン信号を与え、ラッチ解除回路40にもオン信号を与える。これにより、ラッチ回路30のラッチ状態が解除され、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bがオン状態となる。
【0058】
制御部15は、ステップS13の後、又はラッチ回路30がラッチ状態でない場合(ステップS12にてNo)、自身が第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に制御しているか否かを判定する(ステップS14)。つまり、制御部15は、自身が第1出力路86からオン信号を出力しているか否かを判定する。制御部15は、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に制御していると判定した場合(ステップS14にてYes)、電力路80が低電圧状態であるか否かを判定する(ステップS15)。制御部15は、電圧検出部18Aからの信号に基づく第1導電路81の電圧が閾値よりも大きい場合に、電力路80が低電圧状態でないと判定する。これに対し、制御部15は、電圧検出部18Aからの信号に基づく第1導電路81の電圧が閾値以下である場合に、電力路80が低電圧状態であると判定する。制御部15は、電力路80が低電圧状態でないと判定した場合(ステップS15にてNo)、第1出力路86からオフ信号を出力して、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオフ状態に制御する(ステップS16)。このため、電力路80の低電圧状態が一時的であった場合には、電力路80の低電圧状態が解消されたときに、バックアップ電力の供給を停止させることができる。
【0059】
制御部15は、ステップS16の後、ステップS14にてNoの場合、又はステップS15にてYesの場合、ステップS11の処理に戻る。そして、制御部15は、周期処理を繰り返し行う。
【0060】
次に、本構成の効果を例示する。
本開示の車載用のバックアップ制御装置1は、車載用電源システム100において、電源部90からの電力が供給される電力路80が低電圧状態となった場合に蓄電部93から第1負荷91及び第2負荷92に電力を供給するバックアップ動作を行う。制御装置1は、第1スイッチ部11、第2スイッチ部12A,12B、制御部15、低電圧検出回路20及びラッチ回路30を有する。第1スイッチ部11は、蓄電部93と第1負荷91との間に配置される。第2スイッチ部12A,12Bは、蓄電部93と第2負荷92との間に配置される。制御部15は、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bを制御する。低電圧検出回路20は、電源部90からの電力が供給される電力路80の低電圧状態を検出する。ラッチ回路30は、低電圧検出回路20が低電圧状態を検出した場合に、第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に保持するラッチ状態に切り替わる。制御部15は、低電圧状態となった場合に、ラッチ状態を解除し、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に制御する。
【0061】
この構成によれば、電力路80が低電圧状態となった場合に、即座にラッチ回路30をラッチ状態に切り替えて第2スイッチ部12A,12Bをオン状態とし、第2負荷92に電力を供給することができる。このため、制御部15が行う周期処理によって、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bがオン状態に制御されることを待つことなく、即座に第2負荷92に電力を供給することができる。しかも、制御部15は、低電圧状態となった場合に、ラッチ回路30のラッチ状態を解除し、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に制御する。これにより、第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に制御する主体を、ラッチ回路30から制御部15に移行させ、第1スイッチ部11及び第2スイッチ部12A,12Bをオン状態に保持する制御を制御部15に一括して行わせることができる。
【0062】
また、制御部15は、低電圧状態でない場合に、ラッチ状態を解除し、第2スイッチ部12A,12Bをオフ状態に制御する。この構成によれば、制御部15は、ラッチ回路30が誤動作によってラッチ状態となった場合や、一時的に低電圧状態となったことによってラッチ状態となった場合に、ラッチ状態を解除して第2スイッチ部12A,12Bをオフ状態に戻すことができる。
【0063】
更に、低電圧検出回路20は、低電圧状態となった場合に低電圧信号が入力される構成となっている。制御装置1は、低電圧検出回路20に対し、低電圧信号をチェック信号として与える故障チェック回路50を有する。制御部15は、低電圧検出回路20に対しチェック信号を与える動作を、故障チェック回路50に行わせた上で、ラッチ回路30がラッチ状態となるか否かを判定する故障チェック処理を行う。
この構成によれば、低電圧検出回路20及びラッチ回路30が正常に動作するか否かをチェックすることができる。
【0064】
更に、制御装置1は、蓄電部93に対する充電動作を行う充放電部14を有する。制御部15は、車両が始動した場合に、蓄電部93の充電電圧が目標電圧となるまで、充放電部14に充電動作を行わせる充電制御を実行する。制御部15は、車両が始動してから充電制御が開始される前に又は充電制御と並行して故障チェック処理を行う。
この構成によれば、車両の始動後、迅速に故障チェック処理を行うことができる。
【0065】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0066】
上記第1実施形態では、電源部を鉛バッテリとしたが、鉛バッテリでなくてもよい。例えば、リチウムイオンバッテリ、オルタネータ、コンバータなどであってもよい。
【0067】
上記第1実施形態では、蓄電部を電気二重層キャパシタとしたが、電気二重層キャパシタに限らない。例えば、リチウムイオンキャパシタ、鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリなどであってもよい。
【0068】
上記第1実施形態では、充放電部をDCDCコンバータとしたが、FET等のスイッチング素子としてよい。また、車載用のバックアップ制御装置は、充放電部を備えていない構成としてもよい。
【0069】
低電圧状態でないときにラッチ状態を解除して第2スイッチ部をオフ状態に制御する方法として、上記第1実施形態では、制御部がラッチ状態を解除した後に低電圧状態であるか否かを判定し、低電圧状態でない場合に第2スイッチ部をオフ状態に制御する構成とした。これに対し、制御部が低電圧状態であると判定した後に、ラッチ状態を解除し、第2スイッチ部をオフ状態に制御する構成としてもよい。
【0070】
上記第1実施形態では、制御部が第1スイッチ部及び第2スイッチ部をオン状態に制御する際、ラッチ状態を解除する構成としたが、ラッチ状態を解除しなくてもよい。つまり、ラッチ回路のラッチ状態を保持したまま、制御部が第1スイッチ部及び第2スイッチ部をオン状態に制御する構成としてもよい。
【0071】
上記第1実施形態では、制御部がマイクロコンピュータを主体として構成されているが、マイクロコンピュータ以外の複数のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0072】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1…車載用のバックアップ制御装置
2…車載用のバックアップ装置
11…第1スイッチ部
11A,12C,12C,13C,13D…寄生ダイオード
12A,12B…第2スイッチ部(スイッチ部)
13A、13B…第3スイッチ部
14…充放電部(充電部)
15…制御部
16…スイッチ制御回路
17…OR回路
17A…第1入力端子
17B…第2入力端子
17C…OR回路の出力端子
18A…電圧検出部
18B…電圧検出部
18C…電圧検出部
18D…電圧検出部
20…低電圧検出回路
21…コンパレータ
22…反転入力端子
23…非反転入力端子
24…コンパレータの出力端子
25,34,35…接続部
30…ラッチ回路
31…ダイオード
32…PNPトランジスタ
33…NPNトランジスタ
40…ラッチ解除回路
41…NPNトランジスタ
50…故障チェック回路
51…NPNトランジスタ
61,62,63,64,65,66…導電路
80…電力路
81…第1導電路
82…第2導電路
83…第3導電路
84…第4導電路
85…第5導電路
86…第1出力路
87…第2出力路
90…電源部
91…第1負荷
92…第2負荷(負荷)
93…蓄電部
100…車載用電源システム
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11…抵抗
Vcc…定電圧源
図1
図2
図3