IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

特許7259848絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブル
<>
  • 特許-絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブル 図1
  • 特許-絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブル 図2
  • 特許-絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブル 図3
  • 特許-絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブル 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブル
(51)【国際特許分類】
   C08L 53/00 20060101AFI20230411BHJP
   C08K 5/24 20060101ALI20230411BHJP
   C08K 5/3472 20060101ALI20230411BHJP
   C08L 23/06 20060101ALI20230411BHJP
   H01B 7/02 20060101ALI20230411BHJP
   H01B 11/00 20060101ALI20230411BHJP
   H01B 11/18 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
C08L53/00
C08K5/24
C08K5/3472
C08L23/06
H01B7/02 Z
H01B11/00 J
H01B11/18 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020513125
(86)(22)【出願日】2019-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2019009808
(87)【国際公開番号】W WO2019198403
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2018074796
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】町中 翔太
(72)【発明者】
【氏名】藤田 太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 成幸
(72)【発明者】
【氏名】梁川 奈侑
(72)【発明者】
【氏名】越智 祐司
(72)【発明者】
【氏名】岡野 聡
(72)【発明者】
【氏名】小林 優斗
【審査官】谷合 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-181413(JP,A)
【文献】特開2015-164114(JP,A)
【文献】特開2005-190918(JP,A)
【文献】特開2007-063343(JP,A)
【文献】特開2009-127040(JP,A)
【文献】特開2017-179267(JP,A)
【文献】特開2012-097217(JP,A)
【文献】特開2004-349160(JP,A)
【文献】特開2016-105406(JP,A)
【文献】特開2007-090787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 53/00
C08K 5/24
C08K 5/3472
C08L 23/06
H01B 7/02
H01B 11/00
H01B 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン系樹脂を主成分とし、
金属害防止剤を含有し、
上記金属害防止剤の含有量が、0.05質量%超であり、
上記金属害防止剤の融点が、200℃以上であり、
上記金属害防止剤がサリチル酸誘導体、フタル酸誘導体又はこれらの組み合わせであり、
上記オレフィン系樹脂がブロックポリプロピレン及び低密度ポリエチレンの組み合わせであり、
上記オレフィン系樹脂中の上記低密度ポリエチレンの含有量が1質量%以上10質量%以下である絶縁層用樹脂組成物。
【請求項2】
1又は複数の線状の導体と、
上記導体の外周面に積層され、請求項1に記載の絶縁層用樹脂組成物を用いた1又は複数の絶縁層と
を備える絶縁電線。
【請求項3】
上記絶縁層の誘電正接が2.00×10-4以下である請求項に記載の絶縁電線。
【請求項4】
1又は複数の請求項又は請求項に記載の絶縁電線を備えるケーブル。
【請求項5】
ツイナックスケーブルである請求項に記載のケーブル。
【請求項6】
同軸ケーブルである請求項に記載のケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブルに関する。
本出願は、2018年4月9日出願の日本出願第2018-074796号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の自動運転技術や運転アシスト機能のニーズに伴い、車載情報電線ではより一層の情報伝送の容量の増大及び高速化が求められている。伝送損失(伝送ロス)は、信号の周波数及び信号伝送ケーブルの絶縁層の誘電正接と正の相関を持つため、信号伝送の高速化のためには、絶縁層の誘電正接を低減し、伝送損失をより一層低減して、信号の伝送を安定的に行う必要がある。
【0003】
従来技術においては、ヒンダードフェノール構造を有しないフェノール系の酸化防止剤を含有する電気絶縁材料を絶縁体層に用いることで、高周波数帯域における絶縁体層の誘電損失が小さく、高温環境下で使用しても長寿命を有する通信ケーブルが開示されている(特開2009-81132号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-81132号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様に係る絶縁層用樹脂組成物は、オレフィン系樹脂を主成分とし、金属害防止剤を含有し、上記金属害防止剤の含有量が、0.05質量%超であり、上記金属害防止剤の融点が、200℃以上である。
【0006】
本開示の他の一態様に係る絶縁電線は、1又は複数の線状の導体と、上記導体の外周面に積層され、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた1又は複数の絶縁層とを備える。
【0007】
本開示のさらに別の一態様に係るケーブルは、1又は複数の当該絶縁電線を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の模式的断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るツイナックスケーブルの模式的断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る同軸ケーブルの模式的斜視図である。
図4図4は、図3の同軸ケーブルの模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示が解決しようとする課題]
上述の従来技術では、絶縁層が酸化防止剤等の添加剤を含有すると誘電正接が大きくなるおそれがある。一方、電線で用いる絶縁材料においては、導体による金属害を考慮する必要がある。特に、導体付電線で耐熱老化試験を行うISO6722-1(2011)の基準を充足するためには、金属害をできるだけ抑制し、高温環境下で耐久性を向上することが望まれる。
【0010】
本開示は、このような事情に基づいてなされたものであり、絶縁層の誘電正接を低減するとともに、金属害を抑制できる絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブルを提供することを目的とする。
【0011】
[本開示の効果]
本開示によれば、絶縁層の誘電正接を低減するとともに、金属害を抑制できる絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブルを提供することができる。
【0012】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0013】
本発明の一態様に係る絶縁層用樹脂組成物は、オレフィン系樹脂を主成分とし、金属害防止剤を含有し、上記金属害防止剤の含有量が、0.05質量%超であり、上記金属害防止剤の融点が、200℃以上である。
【0014】
当該絶縁層用樹脂組成物は、極性の低いオレフィン系樹脂を主成分とすることで、誘電正接を良好に低減することができる。また、上記金属害防止剤の含有量が、0.05質量%超であり、上記金属害防止剤の融点が、200℃以上であることで、誘電体の構成分子の熱振動とも関連する誘電正接の上昇を抑制しつつ高温環境下での金属害を抑制できる。従って、当該絶縁層用樹脂組成物は、絶縁層の誘電正接を低減するとともに、高温環境下での金属害を抑制できる。ここで、「金属害」とは、一般に、接触する金属の触媒的な作用により、材料の酸化劣化が促進されることをいう。
【0015】
上記金属害防止剤としては、サリチル酸誘導体、フタル酸誘導体又はこれらの組み合わせが好ましい。このように、金属害防止剤がサリチル酸誘導体、フタル酸誘導体又はこれらの組み合わせであることで、金属害の抑制効果をさらに向上することができる。
【0016】
上記オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン又はこれらの組み合わせが好ましい。このように、上記オレフィン系樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン又はこれらの組み合わせであることで、絶縁層の誘電正接の低減効果をさらに向上することができる。
【0017】
上記オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン及びポリエチレンであることが好ましい。上記オレフィン系樹脂がこのような組み合わせであることで、絶縁層の高温環境下での耐久性(「耐熱性」ともいう)を向上することができる。また、この場合、ポリエチレンが低密度ポリエチレンであることがより好ましい。上記ポリエチレンが低密度ポリエチレンであることで、絶縁層の耐熱性をより向上することができる。
【0018】
上記オレフィン系樹脂がポリプロピレン及びポリエチレンである場合、上記オレフィン系樹脂中の上記ポリエチレンの含有量が1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。上記オレフィン系樹脂中のポリエチレンの含有量が上記範囲にあることで、上記絶縁層の耐熱性をさらに向上させることができる。
【0019】
また、本発明の別の一態様は、1又は複数の線状の導体と、上記導体の外周面に積層され、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線である。
【0020】
当該絶縁電線は、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた1又は複数の絶縁層を備えるので、上述のように絶縁層の誘電正接を低減するとともに、金属害を抑制できる。従って、当該絶縁層を有する絶縁電線は、高温環境下での耐久性の向上及び伝送損失の低減を図ることができる。
【0021】
ここで「絶縁電線」とは、1の導体と、この1の導体の外側にある絶縁層とを備える電線をいう。
【0022】
本発明のさらに別の一態様は、1又は複数の当該絶縁電線を備えるケーブルである。
【0023】
当該ケーブルは、当該絶縁電線を備えるので、絶縁層の誘電正接を低減するとともに、金属害を抑制でき、これにより、高温環境下での耐久性の向上及び伝送損失の低減を図ることができる。
【0024】
当該ケーブルは、ツイナックスケーブルであるとよい。当該ケーブルがツイナックスケーブルであることで、大容量の信号を伝送することができる。
【0025】
当該ケーブルは、同軸ケーブルであるとよい。当該ケーブルが同軸ケーブルであることで、細径化が可能となる。
【0026】
なお、本発明において、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば50質量%以上含有される成分をいう。
【0027】
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態に係る絶縁層用樹脂組成物、絶縁電線及びケーブルについて、適宜図面を参照しつつ詳説する。
【0028】
<絶縁層用樹脂組成物>
当該絶縁層用樹脂組成物は、オレフィン系樹脂を主成分とし、金属害防止剤を含有する。また、当該絶縁層用樹脂組成物は、上記金属害防止剤の含有量が0.05質量%超であり、上記金属害防止剤の融点が200℃以上である。
【0029】
上記オレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、リアクター型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE))、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸ブチル共重合体、エチレン-プロピレンゴム、エチレンアクリルゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のポリエチレン系樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体の分子間をナトリウムや亜鉛などの金属イオンで分子間結合したアイオノマー樹脂等を使用できる。また、これらの樹脂を無水マレイン酸等で変性したものや、エポキシ基、アミノ基、イミド基を有するもの等も挙げられる。なお、「高密度ポリエチレン(HDPE)」とは、密度が0.942g/cm以上のポリエチレンをいう。「直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)」とは、密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満であって、エチレンとα-オレフィンとを共重合して得られるポリエチレンをいう。「低密度ポリエチレン(LDPE)」とは、密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満であって、高圧重合法によりエチレンを重合して得られるポリエチレンをいう。「超低密度ポリエチレン(VLDPE)」とは、密度が0.870g/cm以上0.910g/cm未満のポリエチレンをいう。「ポリメチルペンテン」としては、例えば4-メチル-1-ペンテンの単独重合体、4-メチル-1-ペンテンと3-メチル-1-ペンテン又は他のα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。このα-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
【0030】
上記オレフィン系樹脂としては、これらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン又はこれらの組み合わせが好ましい。このように、上記オレフィン系樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン又はこれらの組み合わせであることで、絶縁層の誘電正接の低減効果をさらに向上することができる。
【0031】
上記オレフィン系樹脂が、ポリプロピレン及びポリエチレンであることが好ましい。上記オレフィン系樹脂がこのような組み合わせであることで、絶縁層の耐熱性を向上することができる。また、このポリエチレンとしては、低密度ポリエチレンが好ましい。上記ポリエチレンが低密度ポリエチレンであることで、絶縁層の耐熱性をより向上することができる。
【0032】
上記オレフィン系樹脂がポリプロピレン及びポリエチレンである場合、上記オレフィン系樹脂中のポリエチレンの含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。上記ポリエチレンの含有量が上記下限に満たないと、酸化劣化しやすいポリプロピレン成分の比率が大きいため、絶縁層の耐熱性をさらに向上させることが困難になるおそれがある。一方、上記ポリエチレンの含有量の上限としては、10質量%が好ましく、8質量%がより好ましい。上記ポリエチレンの含有量が上記上限を超えると、低融点成分が増大し、粘度が低下するため、絶縁層の耐熱性をさらに向上させることが困難になるおそれがある。
【0033】
当該絶縁層用樹脂組成物におけるオレフィン系樹脂の含有量の下限としては、95質量%が好ましく、98質量%がより好ましい。上記オレフィン系樹脂の含有量が上記下限に満たないと、当該絶縁層用樹脂組成物の誘電正接を良好に低減することが困難になるおそれがある。一方、オレフィン系樹脂の含有量の上限としては、99.9質量%が好ましく、99.5質量%がより好ましい。上記オレフィン系樹脂の含有量が上記上限を超えると、当該絶縁層用樹脂組成物における金属害防止剤等の含有量が不十分となり、当該絶縁層用樹脂組成物における金属害の抑制効果が十分に高くならないおそれがある。
【0034】
(金属害防止剤)
金属害防止剤は、金属イオンをキレート形成により安定化し、金属イオンに起因する被覆材樹脂の劣化、いわゆる金属害を抑制する。本実施形態における金属害防止剤としては、銅害防止剤であることが好ましい。
【0035】
上記金属害防止剤の融点の下限としては、200℃であり、220℃がより好ましい。上記金属害防止剤の融点の下限が、上記範囲であることで、絶縁層の誘電正接の低減効果及び金属害の抑制効果を良好にできる。
【0036】
この金属害防止剤としては、融点が200℃以上であれば特に限定されず、例えばサリチル酸誘導体、フタル酸誘導体、トリアゾール系化合物の複合物、芳香族第二級アミン系化合物等が挙げられる。上記サリチル酸誘導体としては、例えば3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール(製品名:アデカスタブCDA-1、融点315℃~325℃)、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド(製品名:アデカスタブCDA-6、融点209℃~215℃)等が挙げられる。上記フタル酸誘導体としては、例えばイソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)(製品名:CUNOX、融点225℃)等が挙げられる。上記トリアゾール系化合物の複合物としては、例えば2-ヒドロキシ-N-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルベンズアミドを主成分とする複合物(製品名:アデカスタブCDA-1M、融点214℃以上)等が挙げられる。上記芳香族第二級アミン系化合物としては、例えばN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン(製品名:ノクラックWhite、融点225℃以上)等が挙げられる。
【0037】
これらの中では、金属害の抑制効果をさらに向上する観点から、サリチル酸誘導体、フタル酸誘導体又はこれらの組み合わせが好ましく、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール及びイソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)がより好ましい。また、上記金属害防止剤は、一種又は二種以上を使用することができる。
【0038】
当該絶縁層用樹脂組成物における金属害防止剤の含有量の下限としては、0.05質量%超であり、0.1質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。上記金属害防止剤の含有量が上記下限に満たないと、金属害の抑制効果を向上させることが困難になるおそれがある。一方、金属害防止剤の含有量の上限としては、5.0質量%が好ましく、2.0質量%がより好ましい。上記金属害防止剤の含有量が上記上限を超えると、当該絶縁層用樹脂組成物における添加剤が樹脂中から表面に析出して結晶化する、いわゆるブルームを生じ、当該絶縁層用樹脂組成物の品質を損なうおそれがある。
【0039】
オレフィン系樹脂100質量部に対する金属害防止剤の含有量の下限としては、0.1質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。上記金属害防止剤の質量比が上記下限に満たないと、金属害の抑制効果を向上させることが困難になるおそれがある。一方、金属害防止剤の質量比の上限としては、5.0質量部が好ましく、2.0質量部がより好ましい。上記金属害防止剤の質量比が上記上限を超えると、当該絶縁層用樹脂組成物における添加剤が樹脂中から表面に析出して結晶化する、いわゆるブルームを生じ、当該絶縁層用樹脂組成物の品質を損なうおそれがある。
【0040】
(その他の成分)
当該絶縁層用樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂及び金属害防止剤以外にその他の成分として、例えば上記ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂、難燃剤、難燃助剤、顔料、酸化防止剤等を含有してもよい。
【0041】
上記難燃剤は、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁層に難燃性を付与するものである。難燃剤としては、例えば塩素系難燃剤、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤が挙げられる。
【0042】
難燃助剤は、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁層の難燃性をより向上させるものである。難燃助剤としては、三酸化アンチモン等が挙げられる。
【0043】
顔料は、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁層を着色するものである。顔料としては、公知の種々のものを使用することができ、例えば酸化チタン等が挙げられる。
【0044】
酸化防止剤は、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁層の酸化を防止するものである。酸化防止剤としては、公知の種々のものを使用することができ、例えばフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
【0045】
<利点>
当該絶縁層用樹脂組成物は、絶縁層の誘電正接を低減するとともに、高温環境下での金属害を抑制できる。
【0046】
<絶縁電線>
当該絶縁電線は、1又は複数の線状の導体と、上記導体の外周面に積層され、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた1又は複数の絶縁層とを備える。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の模式的断面図である。図1に示すように、当該絶縁電線1は、線状の導体2と、この導体2の外周面に積層される1層の絶縁層3とを備える。
【0047】
[導体]
導体2は、例えば断面が円形状の丸線とされるが、断面が正方形状の角線又は長方形状の平角線や、複数の素線を撚り合わせた撚り線であってもよい。
【0048】
導体2の材質としては、導電率が高くかつ機械的強度が大きい金属が好ましい。このような金属としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、銀、軟鉄、鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。導体2は、これらの金属を線状に形成した材料や、このような線状の材料にさらに別の金属を被覆した多層構造のもの、例えばニッケル被覆銅線、銀被覆銅線、銅被覆アルミニウム線、銅被覆鋼線等を用いることができる。
【0049】
導体2の平均断面積の下限としては、0.01mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、導体2の平均断面積の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。導体2の平均断面積が上記下限に満たないと、導体2に対する絶縁層3の体積が大きくなり、当該絶縁電線を用いて形成されるコイル等の体積効率が低くなるおそれがある。逆に、導体2の平均断面積が上記上限を超えると、誘電率を十分に低下させるために絶縁層3を厚く形成しなければならず、当該絶縁電線が不必要に大径化するおそれがある。なお、導体の「平均断面積」とは、任意の箇所の10本の導体の断面積を測定し、平均した値を意味する。
【0050】
[絶縁層]
絶縁層3は、上述の当該絶縁層用樹脂組成物を用いて押出成型により導体2の外周面に形成される。
【0051】
絶縁層3の誘電正接の上限としては、2.00×10-4が好ましく、1.80×10-4がより好ましい。絶縁層3の誘電正接が上記上限を超える場合、伝送損失の低減効果を十分に向上できないおそれがある。
【0052】
絶縁層3の平均厚さの下限としては、50μmが好ましく、100μmがより好ましい。一方、絶縁層3の平均厚さの上限としては、1500μmが好ましく、1000μmがより好ましい。絶縁層3の平均厚さが上記下限に満たない場合、絶縁性が低下するおそれがある。逆に、絶縁層3の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線を用いて形成されるケーブル等の体積効率が低くなるおそれがある。なお、絶縁層の「平均厚さ」とは、任意の箇所の絶縁層の厚さを10点測定し、平均した値を意味する。
【0053】
[絶縁電線の製造方法]
次に、当該絶縁電線の製造方法について説明する。当該絶縁電線は、絶縁層3が押出成型により形成される。この絶縁電線の製造方法は、当該絶縁層用樹脂組成物を上記導体2の外周面に押出被覆する工程(押出工程)を備える。
【0054】
<利点>
当該絶縁電線は、当該絶縁電線は、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた1又は複数の絶縁層を備えるので、上述のように絶縁層の誘電正接を低減するとともに、金属害を抑制できる。従って、当該絶縁層を有する絶縁電線は、高温環境下での耐久性の向上及び伝送損失の低減を図ることができる。
【0055】
<ケーブル>
当該ケーブルは、1又は複数の当該絶縁電線を備える。当該ケーブルとしては、例えばツイナックスケーブル、同軸ケーブル等が挙げられる。
【0056】
[ツイナックスケーブル]
図2は、当該ケーブルの一実施形態であるツイナックスケーブルの模式的断面図である。図2に示すように、ツイナックスケーブル10は、一本当たりに第1の絶縁電線1a及び第2の絶縁電線1bからなる1対の絶縁電線を有するツイナックス構造を備える。第1の絶縁電線1aは、線状の導体2aと、この導体2aの外周面に積層される1層の絶縁層3aとを備える。第2の絶縁電線1bは、線状の導体2bと、この導体2bの外周面に積層される1層の絶縁層3bとを備える。第1の絶縁層3a及び第2の絶縁層3bは、当該絶縁層用樹脂組成物が用いられている。また、ツイナックスケーブル10は、第3の導体であるトレイン線5と、1対の絶縁電線1a、絶縁電線1b及びトレイン線5を覆うように配置されるシールドテープ30とを備える。
【0057】
当該ケーブルがツイナックスケーブルであることで、高精度かつ高速での信号伝送をより効率よく行うことができる。またトレイン線5は接地されることにより、ツイナックスケーブル10における帯電を防止することができる。さらにシールドテープ30を含むことで、外部からの電磁ノイズの干渉を防ぎ、また、信号線対の各信号線間相互の干渉を低減することができる。
【0058】
シールドテープ30は、ポリ塩化ビニル樹脂や難燃ポリオレフィン樹脂などの樹脂からなる絶縁フィルムの片面に導電層を設けたものである。シールドテープ30としては、例えば銅蒸着PETテープなどのテープ状体を用いることができる。シールドテープ30を含むことで、外部からの電磁ノイズの干渉を防ぎ、また、信号線対の各信号線間相互の干渉を低減することができる。本実施の形態においては、シールドテープ30は絶縁層3a、3bの外周側を被覆するように配置される。シールドテープ30は、第1の絶縁電線1aと、第2の絶縁電線1bと、トレイン線5とを包みながら第1の絶縁電線1aと第2の絶縁電線1bとの位置関係を相対的に固定するように第1の絶縁層3a及び第2の絶縁層3bの外周側に配置される。
【0059】
このようなツイナックス構造を有するツイナックスケーブル10は、差動信号を伝送するケーブルとして、高速での通信が求められる分野において好適に使用される。
【0060】
[ツイナックスケーブルの製造方法]
当該ケーブルの一実施形態であるツイナックスケーブルの製造方法は、例えば、第1の絶縁電線と、第2の絶縁電線とを束ね、第3の導体であるトレイン線を配置して、その外周にシールドテープを巻くことにより、ツイナックスケーブルが製造される。
【0061】
[同軸ケーブル]
当該ケーブルの一実施形態である同軸ケーブルは、上述した当該絶縁電線と、上記絶縁電線の周面を被覆する外部導体と、上記外部導体の周面を被覆する外被層とを備え、上記絶縁電線が、1つの上記導体及びこの導体の周面を被覆する1つの上記絶縁層を含む。上記同軸ケーブルの実施形態について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
【0062】
図3及び図4の同軸ケーブル40は、導体2及びこの導体2の周面を被覆する絶縁層3を備える当該絶縁電線1、当該絶縁電線1の周面を被覆する外部導体45、並びに上記外部導体45の周面を被覆する外被層46を備える。すなわち、当該同軸ケーブル40は、断面形状において、導体2、絶縁層3、外部導体45及び外被層46が同心円状に積層された構成を有する。当該ケーブルが同軸ケーブル40であることで、細径化が可能となる。絶縁電線1、導体2及び絶縁層3は、図1の当該絶縁電線1と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
外部導体45は、アースとしての役割を果たし、他の回路からの電気的な干渉を防ぐためのシールドとして機能する。この外部導体45は、絶縁層3の外面を被覆している。外部導体45としては、例えば編組シールド、横巻きシールド、テープシールド、導電性プラスチックシールド、金属チューブシールド等が挙げられる。中でも、高周波シールド性の観点からは、編組シールド及びテープシールドが好ましい。なお、外部導体45として編組シールドや金属チューブシールドを使用する場合のシールド数は、使用するシールドや目的とするシールド性に応じて適宜決定すればよく、1重シールドであっても、2重シールドや3重シールド等の多重シールドであってもよい。
【0064】
外被層46は、導体2や外部導体45を保護し、絶縁性の他、難燃性、耐候性等の機能を付与するものである。この外被層46は、熱可塑性樹脂を主成分として含むとよい。
【0065】
上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、発泡ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの中で、コスト及び加工容易性の観点から、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0066】
例示した上記材料は、単独で使用しても2種以上を併用してもよく、外被層46によって実現すべき機能に応じて適宜選択すればよい。
【0067】
[同軸ケーブルの製造方法]
当該同軸ケーブル40は、当該絶縁電線1を外部導体45及び外被層46により被覆することで形成される。
【0068】
外部導体45による被覆は、適用するシールド方法に応じた公知の方法により行うことができる。例えば、編組シールドは、チューブ状の編組内に絶縁電線1を挿入した後に編組を縮径させることで形成することができる。横巻きシールドは、例えば銅線等の金属線を絶縁層3に巻き付けることで形成することができる。テープシールドは、アルミニウムとポリエステルのラミネートテープ等の導電性のテープを絶縁層3の周囲に巻き付けることで形成することができる。
【0069】
外被層46による被覆は、当該絶縁電線1の絶縁層3による導体2の被覆と同様の方法により行うことができる。また、上記熱可塑性樹脂等を絶縁電線1及び外部導体45の周面に塗布してもよい。
【0070】
<利点>
当該ケーブルは、当該絶縁電線を備えるので、絶縁層の誘電正接を低減するとともに、金属害を抑制でき、これにより、高温環境下での耐久性の向上及び伝送損失の低減を図ることができる。
【0071】
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0072】
当該ケーブルは、複数のツイナックスケーブルが、さらに外被によって被覆されている多芯ケーブルであってもよい。多芯ケーブルとすることで、ツイナックスケーブルと比較してさらに大容量の信号を伝送することができる。
【0073】
導体は、複数の金属線を撚り合わせた撚線から形成することもできる。この場合、複数種の金属線を組み合わせてもよい。撚り数としては、一般に7本以上とされる。
【0074】
絶縁電線は、導体に直接積層されるプライマー層を有していてもよい。このプライマー層としては、金属水酸化物を含有しないエチレン等の架橋性樹脂を架橋させたものを好適に用いることができる。このようなプライマー層を設けることによって、絶縁層及び導体の剥離性の経時低下を防いで結線作業の効率低下を防止できる。
【実施例
【0075】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0076】
[絶縁電線No.1~No.38]
主成分となるオレフィン系樹脂としてのポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製の「ノバテックBC6C」、ポリプロピレンベースのランダムコポリマー)及び金属害防止剤を、含有量(質量部)が表1及び表2の通りとなるように混合し、No.1~No.38の絶縁層用樹脂組成物を調製した。
【0077】
金属害防止剤として下記(K-1)で表される3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール)(株式会社ADEKA製:製品名アデカスタブCDA-1、融点315℃~325℃)、下記(K-2)で表されるイソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)(三井化学ファイン株式会社製:製品名CUNOX、融点225℃)及び下記(K-3)で表されるN,N’-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製:製品名イルガノックスMD1024、融点60℃~67℃)を用いた。
【0078】
【化1】
【0079】
【化2】
【0080】
【化3】
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
<評価>
以上のようにして得られた絶縁層用樹脂組成物No.1~No.38について、誘電正接の評価及び耐熱老化試験を行った。
【0085】
(誘電正接の評価)
上記絶縁層用樹脂組成物をプレス成形して得られるシート状の試料を作製した。プレス成形の条件は180℃にて5分間予備加熱した後、さらにその温度で加圧し、5分間保持した。得られたシート状の試料に対して、JIS-R1641(2007)に準ずる方法に従って、周波数10GHzの高周波電界を印加した場合における誘電正接(tanδ)を測定した。測定は3回行い、平均値を求めた。測定結果を表1及び表2に示す。
【0086】
(耐熱老化試験)
絶縁電線No.1~No.28の耐熱性評価は、ISO6722-1(2011)のLong Term Heat Ageing CLASS B(100℃×3000時間)に準じて行い、合格したものを「A」とし、不合格のものを「B」とした。絶縁電線No.29~No.38の耐熱性評価は、ISO6722-1(2011)のLong Term Heat Ageing CLASS B(100℃×3000時間)、Short Term Heat Ageing CLASS C(150℃×240時間)及びThermal Overload CLASS C(175℃×30分)に準じて行い、それぞれの試験において合格したものを「A」とし、不合格のものを「B」とした。
【0087】
上記表1及び表2の結果から、金属害防止剤の含有量が0.05質量%超であり、金属害防止剤の融点が200℃以上である絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線No.4~No.9及びNo.13~No.18は、絶縁層の誘電正接抑制効果及び耐熱性が優れていた。
一方、融点が200℃以上である金属害防止剤の含有量が0.05質量%以下の絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線No.1~No.3及びNo.10~No.12、金属害防止剤を全く含有しない絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線No.19、並びに融点が200℃未満である金属害防止剤を含有する絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線No.20~No.28については、誘電正接が2.00×10-4を超える高い値となるか、あるいは耐熱性が劣っていた。
【0088】
表3は、当該絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線におけるオレフィン系樹脂の種類の影響を示す。絶縁電線No.29は、オレフィン系樹脂がポリプロピレンである絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線である。絶縁電線No.30~No.32は、オレフィン系樹脂がポリプロピレン及び高密度ポリエチレンであり、このオレフィン系樹脂中のポリエチレンの含有量が1質量%以上10質量%以下である絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線である。絶縁電線No.34~No.37は、オレフィン系樹脂がポリプロピレン及び低密度ポリエチレンであり、このオレフィン系樹脂中のポリエチレンの含有量が1質量%以上10質量%以下である絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線である。絶縁電線No.33及びNo.38は、オレフィン系樹脂がポリプロピレン及び低密度ポリエチレンであるが、このオレフィン系樹脂中のポリエチレンの含有量が1質量%未満又は10質量%超である絶縁層用樹脂組成物を用いた絶縁電線である。絶縁電線No.29~No.38は、絶縁層の誘電正接抑制効果が優れていた。絶縁電線No.30~No.32は、絶縁電線No.29と比較して、150℃×240時間の耐熱性は低下するものの、175℃×30分の耐熱性が向上した。また、絶縁電線No.34~No.37は、絶縁電線No.29と比較して、150℃×240時間の耐熱性及び175℃×30分の耐熱性の両方が向上した。一方、絶縁電線No.33及びNo.38は、絶縁電線No.29と比較して、耐熱性の向上が認められなかった。
【符号の説明】
【0089】
1、1a、1b 絶縁電線
2、2a、2b 導体
3、3a、3b 絶縁層
5 トレイン線
10 ツイナックスケーブル
30 シールドテープ
40 同軸ケーブル
45 外部導体
46 外被層
図1
図2
図3
図4