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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】瞳レンズ測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
G01M11/00 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019090701
(22)【出願日】2019-05-13
(65)【公開番号】P2020186964
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】593160529
【氏名又は名称】応用電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136928
【弁理士】
【氏名又は名称】高宮 章
(74)【代理人】
【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良蔵
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-211933(JP,A)
【文献】特開2005-016981(JP,A)
【文献】特開平05-142094(JP,A)
【文献】特開平08-159915(JP,A)
【文献】特開2008-268050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00 - G01M 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の瞳レンズを該瞳レンズの光軸方向に沿って直線移動可能に支持する可動支持部と、
該可動支持部に支持された瞳レンズの光軸と平行な平行光を照射する平行光照明手段と、
平行光照明手段によって照明されて該瞳レンズによって結像されるピンホール部と、
該瞳レンズの光軸からの垂線上の距離であって該ピンホール部までの垂線上の距離を変更させうるピンホール距離変更装置と、
該瞳レンズを通過した光を確認する観測光学系と、
該瞳レンズにより結像されたピンホール部の像高を測定する像高測定手段と、
該可動支持部を介して光軸に沿って瞳レンズを直線移動させ、ピンホール部を通過した平行光が瞳レンズの光軸上の焦点に収束した光を観測光学系により確認される該瞳レンズの移動位置と、同瞳レンズによる該ピンホール部の結像が観測光学系により確認される該瞳レンズの移動位置と、の間の距離を測定する距離測定手段と、を備えたことを特徴とする瞳レンズ測定装置。
【請求項2】
ピンホール部位置近傍の光路中に挿入、離脱可能に設置される拡散板を含むことを特徴とする請求項1記載の瞳レンズ測定装置。
【請求項3】
ピンホール部は、瞳レンズに対して所定の離隔位置に設定されて可動支持部に一体的に組み付けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の瞳レンズ測定装置。
【請求項4】
可動支持部には、瞳レンズの焦点距離近傍位置に絞りが一体的に組み付けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の瞳レンズ測定装置。
【請求項5】
ピンホール距離変更装置は、平行光照明手段からの平行光を通過する複数のピンホール部が設けられたピンホール板と、
光軸に対して直交方向に長いスリットが形成されるとともに該スリット以外の部分を遮光し、ピンホール板と面合わせ状に組み付けられるスリット板と、
該ピンホール板のピンホール部とスリット板のスリットとの組み合わせ位置を変更することにより、該ピンホール部の光軸からの距離を選択的に変更可能な選択機構と、を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の瞳レンズ測定装置。
【請求項6】
ピンホール部は、瞳レンズの光軸に対して線対称となる位置にピンホールが設けられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の瞳レンズ測定装置。
【請求項7】
瞳レンズの主光線角度と像高を測定するための瞳レンズ測定方法であり、
測定対象の瞳レンズと該瞳レンズの光軸から所定の離隔位置に配置されたピンホール部とを該瞳レンズの光軸方向に沿って直線移動可能な可動支持部に支持するとともに、平行光照明手段からの平行光をピンホール部を通過させて瞳レンズに向けて照射した状態で、
可動支持部を介して瞳レンズを光軸に沿って移動させ、ピンホール部からの平行光が瞳レンズによって光軸上の焦点に収束された光が観測光学系により確認される移動位置に該瞳レンズを設定するステップと、
光路中に拡散板を配置して、可動支持部を介して瞳レンズを光軸に沿って移動させ、該瞳レンズによるピンホール部の結像が観測光学系により確認される移動位置に該瞳レンズを設定するステップと、
該瞳レンズの光軸上の焦点に収束された光が確認される該瞳レンズの移動位置からピンホール部の結像が確認される瞳レンズの移動位置までの距離を距離測定手段を介して測定するステップと、
該ピンホール部の結像が確認される移動位置でのピンホール部の結像の像高を像高測定手段を介して測定するステップと、
像高測定手段により測定された該ピンホール部の像高と、距離測定手段により測定された該瞳レンズの焦点に光が確認される移動位置から結像が確認される移動位置までの距離の値と、から三角関数を利用して該瞳レンズの主光線角度を求めるステップと、を含むことを特徴とする瞳レンズ測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、撮像素子(イメージセンサ)等の光学デバイスの光学テスト等に利用される瞳レンズの主光線角度や像高の測定に利用できる瞳レンズ測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOSイメージセンサ等の半導体の集積回路で設けられる固体撮像素子は、光を電気信号に変換する特性を利用して、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、携帯電話、その他種々の産業機器等に広く活用されている。固体撮像素子は、光学テスト、動作検査が必要であるが、例えば、固体撮像素子等の光学デバイスの検査装置としては、従来より、プローブカードにレンズユニットを搭載した検査装置が利用されている(例えば、特許文献1参照)。従来の検査装置は、撮像素子のセンサエリアの中心にレンズ中心を合わせてプローブカードのプローブ針をウェハに配列された撮像素子に接触させた状態で、光源からレンズユニットを通過してくる光を撮像素子に照射し、プローブカードを介して該撮像素子からの電気信号を確認することにより、撮像素子が正常に動作するかどうか等の検査が行われている。この撮像素子の検査では、以前は平行光束を該撮像素子に向けて照射してテストを行うのが一般的であったが、近時では、固体撮像素子の集積密度が向上し画素数が増加するのに伴い、撮像素子に入射する光の入射角度や画角が大きくなっていることから、デジタルカメラ等に利用される実レンズに近い性能の瞳レンズがレンズユニットに用いられ、検査対象の撮像素子に対して瞳レンズを介して所定の傾斜角度の光を照射して、検査を行うことが重要かつ一般的になりつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開番号WO2008/059767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように撮像素子の検査で利用される瞳レンズは、例えば、カメラ等の実レンズに近いレンズ特性のものや、様々なレンズ特性を発揮するようなものが種々開発されているが、設計者によりレンズ特性等のシミュレーションに基づいてレンズ設計されて製造される。近年製作されるレンズでは、製造技術の進歩により極めて高精度に製造されていることから、光学設計値から大幅にかけ離れた数値を示すことは少ないと考えられていたため、瞳レンズのレンズ特性を実際に測定することは行われないまま、瞳レンズは光学設計値通りに(又はそれにかなり近い数値で)機能しているものとして撮像素子のテストに使用されていた。しかしながら、撮像素子の高密度化及び精度の向上、レンズの種類の多様化及び性能向上にも伴って、撮像素子のテストに使用される瞳レンズについても、そのレンズ性能が正常に機能しているかどうか或は光学設計値からの誤差等をより精密に確認しておくことの重要性が高まりつつある。特に、上記のような撮像素子のテストに利用される瞳レンズでは、撮像素子への照射角度となる主光線角度と像高との関連性について、実際に測定した値と光学設計値とを比較、確認することの必要性が高く、瞳レンズの主光線角度等のレンズ特性を実際に測定するための測定装置、測定方法の開発が強く望まれている。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、例えば、撮像素子等のテストに利用される瞳レンズの主光線角度や像高を簡単に測定して当該瞳レンズを評価、確認することができる瞳レンズ測定装置及び測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、測定対象の瞳レンズ100を該瞳レンズ100の光軸102方向に沿って直線移動可能に支持する可動支持部12と、該可動支持部12に支持された瞳レンズ100の光軸102と平行な平行光を照射する平行光照明手段14と、平行光照明手段14によって照明されて該瞳レンズ100によって結像されるピンホール部16と、該瞳レンズ100の光軸102からの垂線上の距離であって該ピンホール部16までの垂線上の距離(y1~y4)を変更させうるピンホール距離変更装置18と、該瞳レンズ100を通過した光Lを確認する観測光学系20と、該瞳レンズ100により結像されたピンホール部16の像高Yを測定する像高測定手段22と、該可動支持部12を介して光軸102に沿って瞳レンズ100を直線移動させ、ピンホール部16を通過した平行光が瞳レンズ100の光軸上の焦点に収束した光を観測光学系20により確認される該瞳レンズの移動位置x1と、同瞳レンズ100による該ピンホール部16の結像が観測光学系により確認される該瞳レンズの移動位置x2と、の間の距離(x1-x2)を測定する距離測定手段24と、を備えた瞳レンズ測定装置10から構成される。
【0007】
その際、ピンホール部16位置近傍の光路中に挿入、離脱可能に設置される拡散板56を含むとよい。
【0008】
また、ピンホール部16は、瞳レンズ100に対して所定の離隔位置aに設定されて可動支持部12に一体的に組み付けられたこととしてもよい。
【0009】
また、可動支持部12には、瞳レンズ100の焦点距離f近傍位置に絞り62が一体的に組み付けられたこととしてもよい。
【0010】
また、ピンホール距離変更装置18は、平行光照明手段14からの平行光を通過する複数のピンホール部16が設けられたピンホール板40と、光軸102に対して直交方向に長いスリット43が形成されるとともに該スリット以外の部分を遮光し、ピンホール板40と面合わせ状に組み付けられるスリット板42と、該ピンホール板40のピンホール部16とスリット板42のスリット43との組み合わせ位置を変更することにより、該ピンホール部16の光軸102からの距離を選択的に変更可能な選択機構44と、を含むこととしてもよい。
【0011】
また、ピンホール部16は、瞳レンズ100の光軸102に対して線対称となる位置にピンホールが設けられることとしてもよい。
【0012】
さらに本発明は、瞳レンズ100の主光線角度θと像高Yを測定するための瞳レンズ測定方法であり、測定対象の瞳レンズ100と該瞳レンズ100の光軸102から所定の離隔位置に配置されたピンホール部16とを該瞳レンズ100の光軸方向に沿って直線移動可能な可動支持部12に支持するとともに、平行光照明手段14からの平行光をピンホール部16を通過させて瞳レンズ100に向けて照射した状態で、可動支持部12を介して瞳レンズ100を光軸102に沿って移動させ、ピンホール部16からの平行光が瞳レンズによって光軸上の焦点に収束された光が観測光学系20により確認される移動位置x1に該瞳レンズ100を設定するステップと、光路中に拡散板56を配置して、可動支持部12を介して瞳レンズ100を光軸102に沿って移動させ、該瞳レンズ100によるピンホール部16の結像Lが観測光学系20により確認される移動位置x2に該瞳レンズを設定するステップと、該瞳レンズ100の光軸上の焦点に収束された光が確認される該瞳レンズの移動位置x1からピンホール部16の結像が確認される瞳レンズの移動位置x2までの距離(x1-x2)を距離測定手段24を介して測定するステップと、該ピンホール部の結像が確認される移動位置でのピンホール部の結像の像高Yを像高測定手段を介して測定するステップと、像高測定手段22により測定された該ピンホール部の像高Yと、距離測定手段24により測定された該瞳レンズの焦点に光が確認される移動位置から結像が確認される移動位置までの距離(x1-x2)の値と、から三角関数を利用して該瞳レンズの主光線角度θを求めるステップと、を含む瞳レンズ測定方法から構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の瞳レンズ測定装置によれば、測定対象の瞳レンズを該瞳レンズの光軸方向に沿って直線移動可能に支持する可動支持部と、該可動支持部に支持された瞳レンズの光軸と平行な平行光を照射する平行光照明手段と、平行光照明手段によって照明されて該瞳レンズによって結像されるピンホール部と、該瞳レンズの光軸からの垂線上の距離であって該ピンホール部までの垂線上の距離を変更させうるピンホール距離変更装置と、該瞳レンズを通過した光を確認する観測光学系と、該瞳レンズにより結像されたピンホール部の像高を測定する像高測定手段と、該可動支持部を介して光軸に沿って瞳レンズを直線移動させ、ピンホール部を通過した平行光が瞳レンズの光軸上の焦点に収束した光を観測光学系により確認される該瞳レンズの移動位置と、同瞳レンズによる該ピンホール部の結像が観測光学系により確認される該瞳レンズの移動位置と、の間の距離を測定する距離測定手段と、を備えたことから、ピンホール部の結像の像高と、瞳レンズの光軸上の焦点に収束した光を観測光学系により確認される該瞳レンズの移動位置と同瞳レンズによる該ピンホール部の結像が観測光学系により確認される該瞳レンズの移動位置との間の距離とを計測して、それらから主光線角度を求めて測定することができる。その結果、瞳レンズの主光線角度と像高を実際に測定した実測値と、光学設計値と、を比較して、例えば、撮像素子のテスト用としての瞳レンズを評価、確認することができる。
【0014】
また、ピンホール部位置近傍の光路中に挿入、離脱可能に設置される拡散板を含む構成とすることにより、明確に結像されることとなり、結像が確認される位置、距離の測定を正確に行うことができ、ひいては、主光線角度や像高を精度よく測定することができる。
【0015】
また、ピンホール部は、瞳レンズに対して所定の離隔位置に設定されて可動支持部に一体的に組み付けられた構成とすることにより、瞳レンズとピンホール部との距離が保持されるので、瞳レンズを光軸方向に沿って移動させたりしても、ピンホール部から瞳レンズを通って観測光学系で観測される光の変化が少なく、スムーズに測定を行うことができる。
【0016】
また、可動支持部には、瞳レンズの焦点距離近傍位置に絞りが一体的に組み付けられた構成とすることにより、瞳レンズを光軸方向に沿って移動させたりしても、ピンホール部から瞳レンズを通って観測光学系で観測される光の変化が少なく、結像が確認される位置や距離の測定を正確かつスムーズに行うことができ。
【0017】
また、ピンホール距離変更装置は、平行光照明手段からの平行光を通過する複数のピンホール部が設けられたピンホール板と、光軸に対して直交方向に長いスリットが形成されるとともに該スリット以外の部分を遮光し、ピンホール板と面合わせ状に組み付けられるスリット板と、該ピンホール板のピンホール部とスリット板のスリットとの組み合わせ位置を変更することにより、該ピンホール部の光軸からの距離を選択的に変更可能な選択機構と、を含む構成とすることにより、簡単な構造でピンホール距離変更装置を実現でき、光軸からピンホール部までの垂線上の距離の変更を簡単に行え、すなわち物体距離である物体高を変更させながら、主光線角度と像高の測定をスムーズに行える。
【0018】
また、ピンホール部は、瞳レンズの光軸に対して線対称となる位置にピンホールが設けられる構成とすることにより、光軸に対して対称位置でピンホール部からの光を確認しながら、焦点に一致した状態を観測光学系で確認できる瞳レンズの移動位置や、結像を確認できる位置を確認しやすい。
【0019】
また、本発明の瞳レンズ測定方法によれば、瞳レンズの主光線角度と像高を測定するための瞳レンズ測定方法であり、測定対象の瞳レンズと該瞳レンズの光軸から所定の離隔位置に配置されたピンホール部とを該瞳レンズの光軸方向に沿って直線移動可能な可動支持部に支持するとともに、平行光照明手段からの平行光をピンホール部を通過させて瞳レンズに向けて照射した状態で、可動支持部を介して瞳レンズを光軸に沿って移動させ、ピンホール部からの平行光が瞳レンズによって光軸上の焦点に収束された光が観測光学系により確認される移動位置に該瞳レンズを設定するステップと、光路中に拡散板を配置して、可動支持部を介して瞳レンズを光軸に沿って移動させ、該瞳レンズによるピンホール部の結像が観測光学系により確認される移動位置に該瞳レンズを設定するステップと、該瞳レンズの光軸上の焦点に収束された光が確認される該瞳レンズの移動位置からピンホール部の結像が確認される瞳レンズの移動位置までの距離を距離測定手段を介して測定するステップと、該ピンホール部の結像が確認される移動位置でのピンホール部の結像の像高を像高測定手段を介して測定するステップと、像高測定手段により測定された該ピンホール部の像高と、距離測定手段により測定された該瞳レンズの焦点に光が確認される移動位置から結像が確認される移動位置までの距離の値と、から三角関数を利用して該瞳レンズの主光線角度を求めるステップと、を含むことから、瞳レンズの主光線角度と像高を実際に測定でき、その実測値と、光学設計値と、を比較して、撮像素子のテスト用としての瞳レンズを評価、確認等することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る瞳レンズ測定装置の概略説明図である。
図2図1の瞳レンズ測定装置のA-A線矢視図でスリット板の説明図である。
図3図1の瞳レンズ測定装置のB-B線矢視図でピンホール板の説明図である。
図4図1の瞳レンズ測定装置のC-C線矢視図でピンホール距離変更装置の説明図である。
図5図1の瞳レンズ測定装置の観測光学系での説明図である。
図6図1の瞳レンズ測定装置で瞳レンズを通過した平行光が光軸上の焦点に集光した状態を示す説明図である。
図7図1の瞳レンズ測定装置で瞳レンズを通過した光が結像した状態を示す説明図である。
図8図1の瞳レンズ測定装置で瞳レンズの主光線角度を求める概略説明図である。
図9】瞳レンズの像高と主光線角度の関連性を示すグラフの一例である。
図10図1の瞳レンズ測定装置の平行光照明手段の他の実施例の説明図である。
図11図1の瞳レンズ測定装置のピンホール距離変更装置の他の実施例の説明図である。
図12】瞳レンズの主光線角度と像高の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下添付図面を参照しつつ本発明の瞳レンズ測定装置の実施形態について説明する。本発明に係る瞳レンズ測定装置及び測定方法は、例えば、撮像素子(イメージセンサ)の光学テストに利用される瞳レンズの主光線角度と像高を実際に測定することができる測定装置及び測定方法である。図1ないし図12は、本発明の瞳レンズ測定装置及び測定方法の一実施形態を示している。図1は、本実施形態の瞳レンズ測定装置10の概略説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る瞳レンズ測定装置10は、測定対象の瞳レンズ100を移動可能に支持する可動支持部12と、平行光照明手段14と、ピンホール部16と、瞳レンズ100の光軸102からピンホール部16までの距離を変更するピンホール距離変更装置18と、瞳レンズ100を通過した光を観測する観測光学系20と、像高測定手段22と、可動支持部12を介して移動する瞳レンズ100の所定の移動距離を測定する距離測定手段24と、を備える。本実施形態では、測定対象の瞳レンズ100は、例えば、絞り機能を有しており、入射した光を撮像素子等に向けて所定の角度及び範囲で出射するように設けられる。本実施形態の瞳レンズ測定装置10は、例えば、図12に示すように、瞳レンズ100の絞り中心を通過する主光線角度θと結像された像高Yを測定し、物体高(ピンホール部の光軸からの垂線上の距離となるピンホール高さ)yを変更した際に変化する主光線角度θと像高Yとの関連性(図9参照)を測定して確認するのに利用する例を説明する。
【0022】
図1に示すように、可動支持部12は、測定対象の瞳レンズ100をその瞳レンズ100の光軸102に沿って直線移動可能に支持する瞳レンズの支持手段兼直線移動手段である。本実施形態では、可動支持部12、平行光照明手段14、ピンホール部16、ピンホール距離変更装置18、観測光学系20、像高測定手段22、距離測定手段24等を含む装置構成要素は、基台となるベース体26に組み付けられている。図1図6図7に示すように、可動支持部12は、例えば、ベース体26に対して上下方向に直線スライド移動可能に連結された可動部材28を有し、該可動部材に瞳レンズ100を支持する。可動支持部12は、該瞳レンズ100の光軸102と基体に対する可動部材の直線スライド移動方向とが平行となるように瞳レンズ100を支持し、該支持した瞳レンズ100を光軸102に沿って直線的に移動自在とするとともに、移動させた位置で保持できるようになっている。可動支持部12は、例えば、周知の顕微鏡のステージと略同じような構造で設けられており、つまみ等を手動で回転させることにより、可動部材が上下するようになっている。瞳レンズ100を支持した可動支持部12の移動機構は、例えば、測定者が手動で移動させる構成に限らず、アクチュエータ等で機械的又は電動で移動させる構成としてもよい。
【0023】
平行光照明手段14は、可動支持部12に支持された瞳レンズ100の光軸と平行な平行光を照射する照明手段である。本実施形態では、図1では、平行光照明手段14は、例えば、ランプハウスに設置されるハロゲンランプ等の光源30と、光源30からの光量と範囲を制限する光源側絞り32と、光源30から光源側絞り32を通過した光を補正して平行光として照射するコリメータレンズ34と、を有する。コレクターレンズ34は、可動支持部12に支持される瞳レンズ100の光軸102と平行な光を照射するように設定される。なお、平行光照明手段14は、本実施形態の態様に限らず、平行光を照射する構成であれば任意でよい。例えば、図10には、平行光照明手段14の他の形態を示しており、レーザー光源36と、複数のレンズ(凹レンズ38a,凸レンズ38b等)を組合せて構成されたビームエクスパンダ38と、を含み、レーザー光源36から平行光をビームエクスパンダ38によって範囲を拡大して、可動支持部12に支持される瞳レンズ100の光軸102と平行な光を照射するように設定される。また、平行光照明手段14は、例えば、種々の光源や、該光源からの光を平行光にするレンズや絞り、ハーフミラー、ピンホール等を含む任意の照明光学系で構成してもよい。
【0024】
ピンホール部16は、平行光照明手段14によって照明され、測定対象の該瞳レンズによって結像されるチャート手段である。図1に示すように、本実施形態では、ピンホール部16は、例えば、後述のピンホール板40に穿孔された小径のピンホールからなり、瞳レンズ100の光軸102から所定の距離だけ離隔した位置に設けられており、該ピンホールにより平行光照明手段14からの光を瞳レンズ100に向けて通過させるとともに、ピンホール以外の部分は光を遮り、点光源状に明るいピンホールチャートを形成する。よって、光軸102から所定の物体高の点光源状の光を瞳レンズ100に向けて通過させる。ピンホール部16は、例えば、平行光照明手段14と測定対象の瞳レンズ100の間の位置の光路中に設置されるとともに、瞳レンズ100に対して所定の離隔位置aに設定されて可動支持部12に一体的に組み付けられている。よって、瞳レンズ100とピンホール部16とはその所定の離隔位置aを保持した状態で、可動支持部12を介して瞳レンズ100の光軸102に沿って一体的に移動しうる。さらに、ピンホール部16は、瞳レンズ100の光軸102に対して該光軸を対象軸とした線対称となる位置にピンホールが設けられており、光軸102から同じ距離にある2つのピンホールが1組として形成されている。ピンホール部16は、ピンホール距離変更装置18により光軸102からの距離を変更可能に設けられている。なお、ピンホール部16は、可動支持部12と一体的に設けられていなくてもよい。例えば、ピンホール部16と瞳レンズ100との距離を近接、離隔可能とするようにピンホール部を固定的又は可動的に支持する構成としてもよい。
【0025】
ピンホール距離変更装置18は、瞳レンズの光軸からの垂線上の距離であって該ピンホール部までの垂線上の距離すなわちピンホール部の光軸からの距離(高さ)を変更させうるピンホール距離変更手段である。本実施形態では、例えば、図2図3図4に示すように、ピンホール距離変更装置18は、複数のピンホール部16が設けられたピンホール板40と、スリット43が形成されたスリット板42と、ピンホール板40のピンホール部16とスリット板42のスリット43の組み合わせを選択的に変更し得る選択機構44と、を有する。
【0026】
図3に示すように、ピンホール板40は、例えば、円形状の板からなり、板面が瞳レンズ該光軸102に対して垂直に設置されるとともに、その中心が該光軸102に設定されており、複数のピンホール部16が該板の中心すなわち光軸102から異なる距離位置y1~y4に設けられている。本実施形態では、ピンホール板40のピンホール部16は、中心を挟んで180度位置にある同じ距離のものを2個1組として、異なる距離y1~y4で4組設けられている。ピンホール板40の光軸102から異なる距離にあるピンホール部16どうしは、周方向に所定の回転角度だけずれた位置に設定され中心を通る同じ直線上には並ばないようになっている。図2に示すように、スリット板42は、例えば、ピンホール板40と略同じ大きさの円形状の板からなり、板面が瞳レンズ該光軸102に対して垂直に設置されるとともに、その中心が該光軸102に設定されており、中央に該光軸102に対して直交方向に長いスリット43が形成されている。スリット板42のスリット43は、例えば、板の中心を通って径方向に長く形成された細長い孔からなり平行光照明手段14からの光を通過するとともに、該スリット板42のスリット43以外の部分は光を遮るようになっている。スリット板42は、例えば、ピンホール板40の平行光照明手段14側の板面に略当接又は近接して面合わせ状に配置されており、スリット43を通過した線状の光のみピンホール板40に照射させる。図4(a)、(b)に示すように、選択機構44は、例えば、光軸102上に中心を一致させて面合わせ状に配置されるピンホール板40とスリット板42とを中心で回動自在に連結する回動軸45を含み、ピンホール板40とスリット板42の少なくともいずれか一方を回動軸45回りすなわち光軸回りに回動させることにより、該ピンホール板40のいずれかの距離のピンホール部16をスリット板42のスリット43の位置に選択的に変更させる結果、平行光照明手段14からの平行光が通過するピンホール部16の光軸102からの距離を簡単に変更できる。なお、ピンホール距離変更装置18は、本実施形態の態様に限らず、光軸102からピンホール部16までの距離を変更可能な構成であれば任意でよい。例えば、複数のピンホール部を有するピンホール板をスリット板に対してスライド移動させて、ピンホール部の光軸からの距離を変更可能に設けることとしてもよい。また、例えば、図11に示すように、ピンホール距離変更装置18は、ピンホール部16をスライド移動することにより、光軸102からピンホール部16までの距離を変更する構成としてもよい。図11の実施例では、ピンホール距離変更装置18は、例えば、ピンホール部16を有する2個1組のピンホール部材48をスライド装置46を介して光軸102に対して近接、離隔スライド移動自在に組み付けられている。図11(a)、(b)に示すように、スライド装置46は、例えば、基盤50に直線状に設けられた長孔52に沿ってピンホール部材48がスライド自在に配置されるとともに、先端がピンホール部材48に接続されるリンク杆が枢支軸を介してX字状に組み付けられたリンク機構54により2つのピンホール部材48は光軸102からの距離を互いに同じ距離で保持しながらスライド移動して、ピンホール部16の光軸からの距離を変更可能に設けられている。ピンホール部以外の光を遮断するのはもちろんであり、例えば、基盤50の長孔52部分にはピンホール部材48とともに、遮光性で伸縮する蛇腹49a、49b、49cを設置する。ピンホール部材48のスライド移動に対応して蛇腹49a、49b、49cが伸縮してピンホール部以外を常に遮光する。
【0027】
本実施形態では、図1図6図7に示すように、ピンホール板40で形成されるピンホール部16の近傍位置には、光路中に挿入、離脱可能な拡散板56が配置されている。拡散板56は、例えば、ピンホール板40の瞳レンズ100側の板面に略当接又は近接して配置され、ピンホール部16を通る平行光を拡散しうる。拡散板56を配置した状態では、ピンホール部16からの光が拡散しているので、瞳レンズ100によるピンホール部16の結像を観測光学系20で確認が可能となる。
【0028】
観測光学系20は、測定対象の瞳レンズ100を通過した光を確認する観測手段である。図1図6に示すように、本実施形態では、観測光学系20は、例えば、瞳レンズ100を通過した光を測定者が直接目Eで確認するように構成されており、瞳レンズ100側に配置される対物レンズ58と、測定者の眼側に配置される接眼レンズ60と、を含む拡大光学系からなる。なお、図6図7では、測定者の眼Eを模式的にあらわしている。また、説明のために、光路を単純化して示している。観測光学系20は、例えば、ベース体26に組み付けられており、可動支持部12に支持された瞳レンズ100の直線移動により、該瞳レンズ100に相対的に近接、離隔される。図5(a)、(b)は、観測光学系20を覗いた様子の説明図であり、瞳レンズ100が観測光学系20に対して光軸102に沿って直線移動して、近接したり、離隔したりすることにより、観測光学系20により観測される瞳レンズ100からの光L、すなわちピンホールの像が見える位置が、移動したり、ピントが合ったり、外れたりする。観測光学系20の対物レンズ58、接眼レンズ60は、例えば、周知の顕微鏡に利用される対物レンズや接眼レンズを利用でき、所定の倍率で像を拡大する。すなわち、図7に示すように、接眼レンズ60で覗いた際に現れる光Lは、対物レンズの倍率で拡大された拡大像L1をさらに、接眼レンズ60の倍率で拡大された拡大像L2を観測することとなる。対物レンズ58、接眼レンズ60は、それらの光軸は、測定対象の瞳レンズ100の光軸と一致するように設定されている。また、接眼レンズ60は、例えば、目盛表示を有する測微接眼レンズからなり、後述の像高測定手段22を構成する。なお、観測光学系20は、上記した構成に限らず、所定のレンズやセンサー等組み合わせた構成や、その他任意の構成でもよい。例えば、観測光学系20は、瞳レンズ100を通過した光の像面位置に、CMOSのような撮像素子を備えたカメラや光センサー等の撮像装置を設置し、該撮像装置で受光して得られた画像をモニター等で確認したり、受光強度等を測定しながら光を確認するように構成してもよい。
【0029】
本実施形態では、図1に示すように、測定対象の瞳レンズ100の像側の焦点距離fの近傍位置には、開口絞り62が配置される。瞳レンズ100の焦点位置fは、該瞳レンズの射出瞳に等しくなることから、射出瞳位置近傍に開口絞り62が設置されているといえる。開口絞り62は、例えば、可動支持部12に一体的に組み付けられており、瞳レンズ100の焦点距離fの近傍位置を保持された状態で瞳レンズ100とともに、光軸102に沿って移動する。瞳レンズ100の焦点距離fの近傍位置に開口絞り62を設置したことにより、瞳レンズ100と対物レンズ58との距離が変化しても瞳レンズ100を通過する光L、すなわちピンホール部の像の大きさが変化しにくく、観測しやすい。
【0030】
像高測定手段22は、瞳レンズ100により結像されたピンホール部16の像高Yを測定する手段である。本実施形態では、図5に示すように、像高測定手段22は、例えば、観測光学系20の接眼レンズ60(測微接眼レンズ)に設けられた目盛表示と瞳レンズ100を通過したピンホール部からの光(像)Lを比較することよって、像高Yを測定者が目視で測定できる。なお、像高測定手段22は、上記のものに限らず、その他任意の構成でもよい。例えば、像高測定手段22は、光路中の像面位置に透光性のスケール板を設置することとしてもよい。また、像高測定手段22は、例えば、観測光学系20がカメラ等の撮像装置を利用したものである場合には、モニターに表示した画像で座標や目盛を読んで像高測定したり、又はコンピュータ等の演算処理によって像高を測定するようにしてもよい。
【0031】
距離測定手段24は、可動支持部12を介して光軸102に沿って瞳レンズ100を直線移動させる際に、ピンホール部16を通過した平行光が瞳レンズ100の光軸上の焦点に収束した光Lを観測光学系20により確認される該瞳レンズ100の移動位置x1(図6参照)と、同瞳レンズ100による該ピンホール部16の結像が観測光学系20により確認される該瞳レンズ100の移動位置x2(図7参照)と、の間の距離(x1-x2)を測定する距離測定手段である。なお、本実施形態では、図6に示すように、瞳レンズ100を移動して、ピンホール部16を通過した平行光が瞳レンズ100の光軸上の焦点に収束した光Lを観測光学系20により確認される該瞳レンズ100の移動位置x1を、焦点確認移動位置x1という。一方、図7に示すように、瞳レンズ100を移動して、該瞳レンズ100による該ピンホール部16の結像が観測光学系20により確認される該瞳レンズ100の移動位置x2を、結像確認位置x2という。図1に示すように、距離測定手段24は、例えば、ベース体26に設けられた目盛表示であって、瞳レンズ100を支持する可動支持部12の可動部材28の移動位置を測定しうる目盛表示を含む。距離測定手段24は、例えば、焦点確認移動位置x1の目盛表示と、結像確認位置x2の目盛表示と、を測定者がそれぞれ読んで、それらの差(x1-x2(又はx2-x1))を計算して測定される。なお、距離測定手段24は、上記の構成に限らず、焦点確認移動位置x1と結像確認位置x2との間の距離を測定しうる構成であれば任意の構成でもよい。
【0032】
次に、本実施形態に係る瞳レンズ測定装置10の作用とともに、瞳レンズ測定方法について説明する。例えば、瞳レンズの光学設計値が、図9のようなグラフを示すようなものである場合には、物体高を変化させながら同瞳レンズの主光線角度θと像高Yを実際に測定して、該実測値が図9の光学設計値と同じか否か等を確認する。測定対象の瞳レンズ100を瞳レンズ測定装置10の可動支持部12に支持させ、平行光照明手段14からの平行光をピンホール部16を通過させて瞳レンズ100に向けて照射させた状態としておく。まず、ピンホール距離変更装置18を介して、光軸102からの所定の距離(例えば、y1)のピンホール部16に光が通過するように設定する。図1に示すように、拡散板56を光路中から離脱させた状態で、測定者は、観測光学系20で瞳レンズ100を通過する光を確認しながら可動支持部12を介して瞳レンズ100を光軸に沿って移動させる。図5(a)、図6に示すように、瞳レンズ100を移動させ、ピンホール部16からの平行光が瞳レンズによって光軸上の焦点に収束された光Lが観測光学系20により確認される焦点確認移動位置x1に該瞳レンズの位置を設定する。この際、焦点確認移動位置x1を距離測定手段24の目盛を利用して測定しておく。次に、図7に示すように、拡散板56を光路中に挿入する。拡散板56を挿入した状態で可動支持部12を介して瞳レンズを光軸に沿って移動させ、図5(b)、図7に示すように、該瞳レンズによるピンホール部16の結像が形成されて、その結像がピントが合った状態が観測光学系20により確認される結像確認移動位置x2に該瞳レンズの位置を設定する。この際、ピンホール部の結像(ピンホール部を通過した光の結像)の像高Yを像高測定手段20の目盛表示を介して測定する。なお、本実施形態では、観測光学系20は、対物レンズ、接眼レンズにより拡大されて表示されていると同時に、測微接眼レンズの目盛表示で目視で計測しているので、測微接眼レンズ60を見て測定した目盛表示から、対物レンズの倍率及び接眼レンズの倍率を元に、それぞれの倍率で割り算して、実際の結像の高さYを測定する。さらに、結像確認移動位置x2を距離測定手段24の目盛を利用して測定しておく。そして、前記測定した、瞳レンズの焦点確認移動位置x1と、結像確認移動位置x2から、焦点確認移動位置x1から結像確認移動位置x2までの距離(x1-x2)を求めることにより当該距離を測定する。図8に示すように、ピンホール部を通過した光の像高Yと、焦点確認移動位置x1から結像確認移動位置x2までの距離(x1-x2)と、瞳レンズ100の絞り中心を通る主光線角度θと、の間には、三角関数のtanθ=Y/(x1-x2)が成立することから、三角関数のtanθの値を計算して、瞳レンズの主光線角度θを求めることができる(ステップS22)。次に、ピンホール距離変更装置18を介して、ピンホール部16の光軸102からの距離(物体高)を変更する。上記同様の操作を繰り返し、ピンホール部の光軸102からの距離を変更させながら、像高Yと主光線角度θの測定を所定の回数行い、図9に示す光学設計値の主光線角度と像高との関係性のグラフと比較して、実際の瞳レンズのレンズ特性を確認することができる。
【0033】
以上説明した本発明の瞳レンズ測定装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の瞳レンズ測定装置及び測定方法は、例えば、撮像素子のテストに利用される瞳レンズの主光線角度と像高との関係を実際に測定するのに利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 瞳レンズ測定装置
12 可動支持部
14 平行光照明手段
16 ピンホール部
18 ピンホール距離変更装置
20 観測光学系
22 像高測定手段
24 距離測定手段
40 ピンホール板
42 スリット板
44 選択機構
46 スライド装置
56 拡散板
100 瞳レンズ
102 瞳レンズの光軸
θ 主光線角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12