(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】気体溶解装置
(51)【国際特許分類】
B01F 21/00 20220101AFI20230411BHJP
C01B 13/10 20060101ALI20230411BHJP
C01B 13/11 20060101ALI20230411BHJP
B01F 25/31 20220101ALI20230411BHJP
B01F 25/60 20220101ALI20230411BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20230411BHJP
【FI】
B01F21/00
C01B13/10 D
C01B13/11 B
B01F25/31
B01F25/60
B01F35/71
(21)【出願番号】P 2019214896
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2021-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】307032423
【氏名又は名称】株式会社サイエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】水上 康洋
(72)【発明者】
【氏名】平江 真輝
(72)【発明者】
【氏名】奥村 隆宏
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-313393(JP,A)
【文献】特開2007-145630(JP,A)
【文献】特開平11-179380(JP,A)
【文献】特開2010-155749(JP,A)
【文献】特開2014-104373(JP,A)
【文献】特開2011-082073(JP,A)
【文献】特開平08-222354(JP,A)
【文献】特開平04-014784(JP,A)
【文献】特開平10-337580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0153241(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00-35/95
C01B 13/10
C01B 13/11
C02F 1/50、1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の流れる吸水管と、
一方の管端が前記吸水管に接続され、気体の流れる吸気管と、
前記吸水管及び前記吸気管の一方の管端に接続される吸込口、及び吐出口と、を有し、前記吸込口から水及び気体を吸込み、水及び気体を加圧して前記吐出口から吐出する加圧ポンプと、
前記吐出口に接続される吸入口、及び排出口と、を有し、前記吸入口から加圧した水及び気体が流入され、気体を水に溶解して前記排出口から流出する気体溶解タンクと、
密閉空間を有するケース本体、前記密閉空間に開口して前記ケース本体に形成され、前記吸気管の他方の管端に接続される気体流出穴、及び前記密閉空間に開口して前記ケース本体に形成され、前記密閉空間を大気に開放する気体流入穴と、を有する密閉ケースと、
一対の電極棒を有し、前記各電極棒の間に無声放電を生じさせる低温プラズマ発生器と、
を備え、
前記密閉ケースは、
前記ケース本体の前記密閉空間に配置され、前記密閉空間を第1密閉室及び第2密閉室に区画する仕切板と、
前記仕切板に形成される気体流通穴と、を有し、
前記気体流入穴は、
前記第1密閉室に開口して前記ケース本体に形成され、前記第1密閉室を大気に開放し、
前記気体流出穴は、
前記第2密閉室に開口して前記ケース本体に形成され、
前記各電極棒は、
前記各電極棒の間に空隙を隔てて並列されて、前記第2密閉室に配置され、
前記気体流通穴は、
前記仕切板を貫通して前記第1密閉室及び前記第2密閉室に開口される
ことを特徴とする気体溶解装置。
【請求項2】
前記各電極棒は、
前記各電極棒の軸中心を結ぶ直線を、前記仕切板と平行にして前記第2密閉室に配置され、
前記気体流通穴は、
前記各電極棒と前記仕切板とが対向する位置において、前記仕切板を貫通して前記第1密閉室及び前記第2密閉室に開口される
ことを特徴とする請求項1に記載の気体溶解装置。
【請求項3】
前記各電極棒は、
前記各電極棒の軸中心を結ぶ直線と直交する方向において、前記仕切板及び前記ケース本体に間隔を隔てて前記第2密閉室に配置され、
前記気体流通穴は、
前記各電極棒と前記仕切板とが対向し、及び前記各電極棒の軸中心線方向の中心を含む位置において、前記仕切板を貫通して前記第1密閉室及び前記第2密閉室に開口される
ことを特徴とする請求項1に記載の気体溶解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を水に溶解した液体、及び空気、オゾンを水に溶解した液体を流出する気体溶解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気体を液体に溶解する技術として、特許文献1は、気体溶解装置を開示する。気体溶解装置は、流入路、気体供給機構、ポンプ及び溶解タンクを備える。ポンプ及び気体供給機構は、流入路中に配置される。
気体溶解装置において、ポンプは、流入路内の水及び空気の気液混合流体を溶解タンクに圧送する。溶解タンクは、ポンプにて圧送される気液混合液体を収容して空気を水に溶解して、流出口から流出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、空気を水に溶解した液体を流出できるものの、近年、殺菌及び脱臭に優れた物質を水に溶解した液体の要望が高まりつつある。
【0005】
本発明は、空気を水に溶解した液体を流出でき、及び空気、オゾンを水に溶解した液体を流出できる気体溶解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る請求項1は、水の流れる吸水管と、一方の管端が前記吸水管に接続され、気体の流れる吸気管と、前記吸水管及び前記吸気管の一方の管端に接続される吸込口、及び吐出口と、を有し、前記吸込口から水及び気体を吸込み、水及び気体を加圧して前記吐出口から吐出する加圧ポンプと、前記吐出口に接続される吸入口、及び排出口と、を有し、前記吸入口から加圧した水及び気体が流入され、気体を水に溶解して前記排出口から流出する気体溶解タンクと、密閉空間を有するケース本体、前記密閉空間に開口して前記ケース本体に形成され、前記吸気管の他方の管端に接続される気体流出穴、及び前記密閉空間に開口して前記ケース本体に形成され、前記密閉空間を大気に開放する気体流入穴と、を有する密閉ケースと、一対の電極棒を有し、前記各電極棒の間に無声放電を生じさせる低温プラズマ発生器と、を備え、前記密閉ケースは、前記ケース本体の前記密閉空間に配置され、前記密閉空間を第1密閉室及び第2密閉室に区画する仕切板と、前記仕切板に形成される気体流通穴と、を有し、前記気体流入穴は、前記第1密閉室に開口して前記ケース本体に形成され、前記第1密閉室を大気に開放し、前記気体流出穴は、前記第2密閉室に開口して前記ケース本体に形成され、前記各電極棒は、前記各電極棒の間に空隙を隔てて並列されて、前記第2密閉室に配置され、前記気体流通穴は、前記仕切板を貫通して前記第1密閉室及び前記第2密閉室に開口されることを特徴とする気体溶解装置である。
【0007】
本発明に係る請求項1によれば、低温プラズマ発生器の各電極棒の間に電圧を印加しない状態(電圧の非印加)において、加圧ポンプを駆動して吸水管から水を吸込むと、大気の空気は、密閉ケースの気体流入穴から密閉空間に流入され、更に、密閉ケースの気体流出穴から吸気管に流入され、加圧ポンプにて吸込口から水と共に吸込まれる。加圧ポンプは、吸込んだ水及び空気の混合液体を加圧して吐出口から吐出する。加圧ポンプから吐出された水及び空気の混合液体は、吸入口から気体溶解タンクに流入される。気体溶解タンクは、空気を水に溶解して、空気が水に溶解した液体を排出口から流出する。
請求項1では、低温プラズマ発生器の各電極棒の間に電圧を印加すると、各電極棒は、空隙にて無声放電する。各電極棒の間に電圧を印加した状態で、加圧ポンプを駆動(作動)すると、大気の空気は、密閉ケースの気体流入口から密閉空間に流入し、各電極棒の間の空隙を流れる。各電極棒は、空隙を流れる空気から、空気中の解離又は励起された酸素の一部が変化したオゾンを発生する。密閉空間の空気及びオゾンの混合気体は、気体流出穴から吸気管に流出され、加圧ポンプにて吸込口から水と共に吸込まれる。加圧ポンプは、吸込んだ水及び空気、オゾンの混合液体を加圧して吐出口から吐出する。加圧ポンプから吐出された水及び空気、オゾンの混合液体は、吸入口から気体溶解タンクに流入される。気体溶解タンクは、空気、オゾンを水に溶解して、空気、オゾンが水に溶解した液体を排出口から流出する。
このように、請求項1では、各電極棒の間の電圧の印加、又は電圧の非印加によって、空気を水に溶解した液体、又は空気、オゾンを水に溶解した液体を流出できる。空気に加えてオゾンを水に溶解した液体は、殺菌、脱臭、及び汚れを分解するのに優れる。
本発明の低温プラズマ発生器は、各電極棒(各電極)の間の電圧の印加によって、各電極棒(各電極)の間に無声放電を生じさせて低温プラズマを発生し、無声放電にて大気の空気からオゾンを発生するオゾン発生器である。
【0008】
本発明に係る請求項2は、前記各電極棒は、前記各電極棒の軸中心を結ぶ直線を、前記仕切板と平行にして前記第2密閉室に配置され、前記気体流通穴は、前記各電極棒と前記仕切板とが対向する位置において、前記仕切板を貫通して前記第1密閉室及び前記第2密閉室に開口されることを特徴とする請求項1に記載の気体溶解装置である。
【0009】
本発明に係る請求項2によれば、加圧ポンプを駆動(作動)して水及び気体を吸込むと、大気の空気は、気体流入口から第1密閉室に流入され、気体流通穴から第2密閉室の各電極棒に直接、接触して第2密閉室に流入する。
これにより、気体流入穴から第2密閉室に流入する空気は、直接、各電極棒に接触し、及び各電極棒の間の空隙に流れる。
各電極棒の間の空隙に効率良く空気を流すことができ、各電極棒の無声放電によってオゾンを効率良く発生できる。
【0010】
本発明に係る請求項3は、前記各電極棒は、前記各電極棒の軸中心を結ぶ直線と直交する方向において、前記仕切板及び前記ケース本体に間隔を隔てて前記第2密閉室に配置され、前記気体流入穴は、前記各電極棒と前記仕切板とが対向し、及び前記各電極棒の軸中心線方向の中心を含む位置において、前記仕切板を貫通して前記第1密閉室及び前記第2密閉室に開口されることを特徴とする請求項1に記載の気体溶解装置である。本発明は、前記気体流出穴は、前記各電極部の軸中心を結ぶ直線の方向において、前記各電極棒と前記第1電極間隔を隔てて前記ケース本体に形成され、前記気体流出穴の穴中心線は、前記各電極棒の軸中心方向の中心に位置して、前記各電極棒の軸中心線を結ぶ直線と平行に配置され、前記各電極棒の軸中心を結ぶ直線と直交する方向において、前記電極棒に第2電極間隔を隔てて、前記各電極棒及び前記ケース本体の間に配置されることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る請求項3によれば、加圧ポンプを駆動(作動)して水及び気体を吸込むと、大気の空気は、気体流入口から第1密閉室に流入され、気体流通穴から第2密閉室の各電極棒の軸中心線方向において、各電極棒の中心の部分に直接、接触して第2密閉室に流入する。空気は、各電極棒から各電極棒及びケース本体の間に流れ、更に、ケース本体に沿って気体流出穴に流れる。
これにより、気体流入穴から第2密閉室に流れる多くの空気は、直接、各電極棒に接触し、及び各電極棒の間の空隙に流れる。
各電極棒の間の空隙に効率良く多くの空気を流すことができ、各電極棒の無声放電によってオゾンを効率良く発生できる。
【0012】
本発明は、水の流れる吸水管と、前記吸水管に接続される吸込口、及び吐出口と、を有し、前記吸込口から水及び気体を吸込み、水及び気体を加圧して前記吐出口から吐出する加圧ポンプと、前記吐出口に接続される吸入口、及び排出口と、を有し、前記吸入口から加圧した水及び気体が流入され、気体を水に溶解して前記排出口から流出する気体溶解タンクと、一対の電極棒を有し、前記各電極棒の間に無声放電を生じさせる低温プラズマ発生器と、を備え、前記各電極棒は、前記各電極棒の間に空隙を隔てて並列され、前記低温プラズマ発生器は、前記各電極棒の間の電圧の印加によって、前記各電極棒の間に無声放電を生じさせて、無声放電にて大気の空気からオゾンを発生し、大気の空気は、前記各電極棒の間に電圧を印加していない状態において、前記加圧ポンプの吸込みによって、前記吸水管に流出され、大気の空気及びオゾンは、前記各電極棒の間に電圧を印加した状態において、前記加圧ポンプの吸込みによって、前記吸水管に流入されることを特徴とする気体溶解装置である。
【0013】
本発明に係る請求項4によれば、低温プラズマ発生器の各電極の間に電圧を印加しない状態(電圧の非印加)において、加圧ポンプを駆動して吸水管から水を吸込むと、大気の空気は、加圧ポンプの吸込みによって吸水管に流出され、吸込口から水と共に吸込まれる。加圧ポンプは、吸込んだ水及び空気の混合液体を加圧して吐出口から吐出する。加圧ポンプから吐出された水及び空気の混合液体は、吸入口から気体溶解タンクに流入される。気体溶解タンクは、空気を水に溶解して、空気が水に溶解した液体を排出口から流出する。
請求項4では、低温プラズマ発生器の各電極の間に電圧を印加すると、各電極は、空隙にて無声放電する。各電極の間に電圧を印加した状態で、加圧ポンプを駆動(作動)すると、大気の空気は、各電極の間の空隙を流れる。各電極は、空隙を流れる空気から、空気中の解離又は励起された酸素の一部が変化したオゾンを発生する。大気の空気及びオゾンの混合気体は、加圧ポンプの吸込みによって吸水管に流出され、吸込口から水と共に吸込まれる。加圧ポンプは、吸込んだ水及び空気、オゾンの混合液体を加圧して吐出口から吐出する。加圧ポンプから吐出された水及び空気、オゾンの混合液体は、吸入口から気体溶解タンクに流入される。気体溶解タンクは、空気、オゾンを水に溶解して、空気、オゾンが水に溶解した液体を排出口から流出する。
このように、請求項4では、各電極の間の電圧の印加、又は電圧の非印加によって、空気を水に溶解した液体、又は空気、オゾンを水に溶解した液体を流出できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、空気を水に溶解した液体、及び空気、オゾンを水に溶解した液体を流出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】気体溶解装置において、低温プラズマ発生器及び密閉ケースを示す分解斜視図である。
【
図3】(a)は、
図2の要部拡大図であって、各電極棒及び各電極凸部を示す図、(b)は、
図3(a)の拡大図である。
【
図4】気体溶解装置において、低温プラズマ発生器及び密閉ケースを示す組立て平面図(上面図)である。
【
図5】気体溶解装置において、低温プラズマ発生器及び密閉ケースを示す組立て側面図である。
【
図6】気体溶解装置において、(a)は、各電極棒の拡大断面図、(b)は、各電極棒の軸端(棒端)を示す拡大側面図、(c)は、各電極棒の拡大側面図である。
【
図8】
図7の要部拡大図であって、各電極棒及び気体流出穴の関係を示す図である、
【
図10】
図9の要部拡大図であって、各電極棒、気体流通穴及び気体流出穴の関係を示す図である。
【
図12】
図11の要部拡大図であって、各電極棒及び気体流通穴の関係を示す図である。
【
図13】気体溶解装置の制御器等を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る気体溶解装置について、
図1乃至
図13を参照して説明する。
【0017】
図1乃至
図13において、気体溶解装置Xは、吸水管1、吸気管2、加圧ポンプ3、気体溶解タンク4(圧縮タンク)、低温プラズマ発生器5及び密閉ケース6を備える。
【0018】
吸水管1は、
図1に示すうように、加圧ポンプ3に接続され、及び水供給源(図示しない)に接続され、水の流れる管である。
なお、水は、温水、冷水等を含む(以下、同様)。
【0019】
吸気管2は、
図1に示すように、吸水管1及び密閉ケース6に接続される。吸気管2は、一方の管端2Aが吸水管1に接続される。吸気管2は、気体の流れる管である。
なお、気体は、空気、及びオゾンである(以下、同様)。
【0020】
加圧ポンプ3は、
図1に示すように、吸込口7、及び吐出口8を有する。加圧ポンプ3は、例えば、駆動モータ9で駆動(作動)される。吸込口7は、
図1に示すように、吸水管1(吸水管1の一方の管端)及び吸気管2の一方の管端2Aに接続される。吸込口7は、吸水管1を通して吸気管2の一方の管端2Aに接続される。
加圧ポンプ3は、駆動モータ9によって駆動(作動)されて、吸込口7から水及び気体(空気、オゾン)を吸込み、水及び気体を加圧して吐出口8から吐出する。
【0021】
気体溶解タンク4は、
図1に示すように、吸入口10、排出口11を有する。吸入口10は、気体溶解タンク4の上方に配置されて、気体溶解タンク4内に開口する。吸入口10は、加圧ポンプ3の吐出口8に接続される。吸入口10は、導管12にて加圧ポンプ3の吐出口8に接続される。
排出口11は、気体溶解タンク4の下端に配置され、気体溶解タンク4内に開口する。
気体溶解タンク4は、吸入口10から加圧した水及び気体が流入され、気体を水に溶解して排出口11から流出する。
【0022】
低温プラズマ発生器5(オゾン発生器)は、
図1乃至
図12に示すように、オゾンを発生するオゾン発生器であって、ベース本体13、及び一対の電極棒14,15(一対の電極)を有する。
【0023】
ベース本体13は、
図5及び
図7乃至
図12に示すように、絶縁体(例えば、合成樹脂)で直方体に形成され、一対の電極凸部16,17(電極突起部)を有する。各電極凸部16,17は、ベース本体13の一の側面13Aに一体に形成される。各電極凸部16,17は、絶縁体(例えば、合成樹脂)で形成される。各電極凸部16,17は、ベース本体13の前後方向FRにおいて、ベース本体13の側面13Aから前方に突出される。各電極凸部16,17は、左右方向LRにおいて、相互に電極配置間隔Qを隔てて並列される。
【0024】
各電極棒14,15(無声放電電極棒/無声放電電極)は、
図6示すように、例えば、円筒の誘導体18、導電体19及び絶縁体20を含んでなる。
誘導体18(絶縁体)は、例えば、セラミックスで円筒に形成される。導電体19は、モリブデン、タングステン、銀、銅、ニッケル、クロム及びこれらの合金から形成され、誘導体18内に配置される。
誘導体18(誘導層)及び導電体19は、ガラス又は接着剤(無機系接着剤、有機系接着剤)等の接着体21(接着層)にて一体(接合)される。
絶縁体20は、ガラス等で形成され、誘導体18及び導電体19の両端を封止(閉塞)する。
【0025】
各電極棒14,15は、
図2、
図3、
図7乃至
図12に示すように、各電極凸部16,17の間に配置される。各電極棒14,15は、軸中心線Aを各電極凸部16,17の間に延ばして、各電極凸部16,17の間に延在される。各電極棒14,15は、
図3に示すように、ベース本体13の前後方向FRにおいて、ベース本体13(側面13A)に間隔を隔てて、各電極凸部16,17の間に配置される。各電極棒14,15は、前後方向FRにおいて、各誘導体18の間に空隙P(放電空隙)を隔てて、平行に並列される。
各電極棒14,15は、両軸端(両棒端)を各電極凸部16,17に固定され、各電極凸部16,17にて支持される。電極棒14は、ベース本体13の前後方向FRにおいて、ベース本体13の側面13Aに対向して配置され、電極棒15は、側面13Aとの間に電極棒14を配置して、電極棒14に並列される。
各電極棒14,15は、リード線61等(
図13参照)によって、ベース本体13の各ソケット端子22に電気的に接続される。
【0026】
低温プラズマ発生器5は、ベース本体13の各ソケット端子22を電源52(
図13参照)に接続する。低温プラズマ発生器5は、電源52(交流又は直流)によって各電極棒14,15の間(各電極棒14,15の導電体19の間)に電圧が印加されて、各電極棒14,15の間(各電極棒14,15の導電体19の間)に無声放電を生じさせる。各電極棒14,15は、電圧の印加によって、空隙Pにて無声放電を生じさせて低温プラズマを発生する。なお、各電極棒14,15は、空隙Pに無声放電できる構造であれば良い。
【0027】
密閉ケース6は、
図1乃至
図4、及び
図7乃至
図12に示すように、ケース本体25、仕切板26(仕切壁)、気体流通穴27、気体流入穴28及び気体流出穴29を有する。
【0028】
ケース本体25は、
図1、
図2、
図5、
図7及び
図7乃至
図12に示すように、低温プラズマ発生器5(ベース本体13)に一体として固定される。ケース本体25は、凹形状に形成され、4つの側板30~33及び各側板30~33の一端を閉塞する前板34を有する。ケース本体25は、ケース開口端25A(ケース開口)をベース本体13の側面13A(各電極棒14,15)に向けて配置され、ケース開口端25Aをベース本体13の側面13Aに密着して、ベース本体13に固定される。ケース本体25は、
図9及び
図11に示すように、各電極凸部16,17を内部に挿入し、各側板30~32(右側の側板30、左側の側板31及び下側の側板32)及び前板34を各電極凸部16,17に当接して、ベース本体13に固定される。
これにより、ケース本体25は、ベース本体13の側面13A、及び各電極凸部16,17の間に密閉空間Rを有する。
密閉空間Rは、各電極凸部16,17間、及びケース本体25(ベース本体13)の上下方向UDにおいて、各電極凸部16,17の上方の各側板30,31間に形成される。
なお、上下方向UDは、前後方向FRと直交する方向である。
【0029】
各電極棒14,15は、
図7乃至
図12に示すように、密閉空間Rに配置される。各電極棒14,15は、密閉空間Rにおいて、各誘導体18,18の間(各電極棒14,15の間)に空隙Pを隔てて並列される。各電極棒14,15は、密閉空間R内において、前後方向FRに平行して並列される。
【0030】
仕切板26(仕切平板)は、
図7乃至
図12に示すように、密閉ケース6の密閉空間Rに配置されて、ケース本体25に固定される。仕切板26は、各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線L(以下、「直線L」という)と平行に密閉空間Rに配置される。仕切板26は、直線Lと直交する方向UD(上下方向UD)において、各電極棒14,15に隙間(間隔)を隔てて、各電極凸部16,17上に密接(圧接)され、密閉空間Rを第1密閉室R1及び第2密閉室R2に区画する。第1密閉室R1は、上下方向UDにおいて、仕切板26の上方に区画される。第1密閉室R1は、ケース本体25の各側板30,31間(右側の側板30、左側の側板31)に区画される。第2密閉室R2は、上下方向UDにおいて、仕切板26の下方に区画される。第2密閉室R2は、各電極凸部16,17の間に区画される。
各電極棒14,15は、各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線Lを仕切板26(板平面)に平行して、第2密閉室R2に配置される。各電極棒14,15は、各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線Lと直行する方向UD(上下方向UD)において、仕切板26及びケース本体25の側板32(下側の側板32)に間隔(隙間)を隔てて第2密閉室R2に配置される。各電極棒14,15は、前後方向FRにおいて、ケース本体25の前板34に間隔を隔てて第2密閉室R2に配置される。
【0031】
気体流通穴27は、
図7乃至
図12に示すように、仕切板26に形成される。気体流通穴27は、各電極棒14,15のうち、少なくとも電極棒14(側面13A側の電極棒14)と仕切板26とが対向する位置において、仕切板26を貫通して、第1密閉室R1及び第2密閉室R2に開口される。気体流通穴27は、上下方向UD(各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線Lと直交する方向)において、仕切板26を貫通する。
気体流通穴27は、
図10及び
図12に示すように、少なくも電極棒14と仕切板26が対向し、及び各電極棒14,15の軸中心線Aの方向LR(以下、「軸中心線方向LR」という)の中心CLを含む位置において、仕切板26を貫通して、第1密閉室R1及び第2密閉室R2に開口される。気体流通穴27は、各電極棒14,15の軸中心線方向LR(左右方向LR)において、各電極棒14,15の中心CLの両側に同じ穴幅WHを有して形成される。
なお、左右方向LRは、前後方向FR及び上下方向UDと直交する方向である。
【0032】
気体流入穴28は、
図1、
図2、
図4、
図5及び
図7乃至
図10に示すように、例えば、円形穴である。気体流入穴28は、密閉空間Rに開口してケース本体25に形成されて、密閉空間Rを大気に開放する。気体流入穴28は、第1密閉室R1に開口してケース本体25に形成され、第1密閉室R1を大気に開放する。気体流入穴28は、例えば、ケース本体25の前板34に形成される。気体流入穴28は、左右方向LRにおいて、ケース本体25の側板30(右側の側板)に隣接し、及び一方(右側)の電極凸部16上に配置して、ケース本体25の前板34に形成される。
気体流入穴28は、例えば、空気導入管35に接続され、空気導入管35を通して密閉空間R(第1密閉室R1)を大気に開放する。
【0033】
気体流出穴29は、
図1、
図2、
図4、
図5及び
図7乃至
図12に示すように、例えば、円形穴である。気体流出穴29は、密閉空間Rに開口してケース本体25に形成される。気体流出穴29は、吸気管2の他方の管端2Bに接続される。体流出穴29は、第2密閉室R2に開口してケース本体25に形成される。気体流出穴29は、例えば、ケース本体25の前板34に形成されて、第2密閉室R2に開口する。気体
流出穴29は、各電極凸部16,17の間に配置される。
気体流出穴29は、
図8及び
図10に示すように、各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線Lの方向FR(前後方向FR)において、各電極棒14,15と第1電極間隔S(第1電極隙間)を隔ててケース本体25に形成される。各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線Lの方向FRは、各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線Lの延びる方向である。
これにより、気体流出穴29は、各電極棒14,15(例えば、一方の電極棒15)及びケース本体25の前板34の間に第1電極間隔Sを隔てて配置される。
【0034】
気体流出穴29の穴中心線HAは、
図10及び
図12に示すように、各電極棒14,15の軸中心線Aの方向FR(軸中心線方向)の中心CLに位置して、各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線Lと平行に配置される。
【0035】
気体流出穴29の穴中心線HAは、
図8に示すように、各電極棒14,15を結ぶ直線Lと直交する方向UD(上下方向UD)において、各電極棒14,15に第2電極間隔T(第2電極隙間)を隔てて、各電極棒14,15及びケース本体25(側板32)の間に配置される。
これにより、気体流出穴29の穴中心線HAは、各電極棒14,15の軸中心aを結ぶ直線と直交し、及び仕切板26から離間する方向において、各電極棒14,15と第2電極間隔Sを隔てて各電極棒14,15及び各ケース本体25の側板32(下側の側板32)の間に配置される。
気体流出穴29は、上下方向UDにおいて、少なくとも一部が各電極棒14,15より下方に配置される。
【0036】
低温プラズマ発生器5(各電極棒14,15)は、
図1及び
図7に示すように、第2密閉室R2(密閉空間R)及び気体流出穴29を通して吸気管2の他方の管端2Bに接続される。低温プラズマ発生器5(各電極棒14,15)は、
図1及び
図9に示すように、第1密閉室R2(密閉空間R)、気体流通穴27、第1密閉室R1(密閉空間R)及び気体流入穴28を通して大気に開放される。
これにより、低温プラズマ発生器5(各電極棒14,15)は、吸気管2の他方の管端2Bに接続され、及び大気に開放される。
【0037】
気体溶解装置Xは、
図13に示すように、例えば、制御器50(制御手段)を備え、制御器50によって空気溶解モードM1及びオゾン溶解モードM2を実行する。
【0038】
制御器50は、
図13に示すように、加圧ポンプ3(駆動モータ9)、低温プラズマ発生器5、スイッチ51及び電源52に接続される。
【0039】
気体溶解装置Xの操作者は
図13に示すように、スイッチ51を操作して、スイッチOFFから空気溶解モードM1を選択する。制御器50は、空気溶解モードM1の選択に基づいて、駆動モータ9(加圧ポンプ3)に駆動指命(駆動信号)を出力して、駆動モータ9を駆動する。このとき、制御器50は、低温プラズマ発生器5(各電極棒14,15)に、電源52から電力を供給しない(電圧の非印加)。
加圧ポンプ3は、駆動モータ9によって駆動(作動)されて、吸水管1の水及び空気(気体)を吸込む。
大気の空気(気体)は、
図1及び
図9に示すように、加圧ポンプ3の吸込み(吸引)によって、空気導入管35を流れ、気体流入穴28から第1密閉室R1(密閉ケース6の密閉空間R)に流出する。第1密閉室R1に流入した空気は、気体流通穴27から第2密閉室R2に流入し、気体流出穴29から吸気管2に流出される。
吸気管2に流出した大気の空気は、
図1に示すように、加圧ポンプ3の吸込み(吸引)によって、吸水管1に流出される。吸水管1に流入した大気の空気及びオゾンは、水に混合され、水及び空気の混合液体は、吸込口7から加圧ポンプ3に吸込まれる。
加圧ポンプ3は、吸込口7から吸込んだ水及び空気の混合液体を加圧して吐出口から吐出する。加圧した水及び空気の混合液体は、吐出口8から導管12に流出され、吸入口10から気体溶解タンク4に流入される。
気体溶解タンク4は、加圧した水及び空気の混合液体が吸入口10から流入され、空気を水に溶解する。気体溶解タンク4は、空気が水に溶解した液体を排出口11から流出する。
操作者は、
図13に示すように、スイッチ51を操作して、空気溶解モードM1からスイッチOFFにする。制御器50は、スイッチOFFに基づいて、駆動モータ9を停止する。これにより、加圧ポンプ3は、停止される。
【0040】
気体溶解装置Xの操作者は、スイッチ51を操作して、スイッチOFFからオゾン溶解モードM2を選択する。
制御器50は、オゾン溶解モードM2の選択に基づいて、電源52から電力を低温プラズマ発生器5(オゾン発生器)に出力(供給)する。
これにより、低温プラズマ発生器5は、電源52によって各電極棒14,15間(各電極棒14,15の導電体19間)に電圧が印加される。低温プラズマ発生器5は、各電極棒14,15の間(各電極棒14,15の導電体19の間)に電圧が印加されると、各電極棒14,15の間(各電極棒14,15の誘導体18の間)に無声放電を生じさせる。
各電極棒14,15は、各電極棒14,15の間(各電極棒14,15の誘導体18の間)の空隙Pにて無声放電を生じさせて低温プラズマを発生する。
【0041】
制御器50は、オゾン溶解モードM2の選択に基づいて、駆動モータ9(加圧ポンプ3)に駆動指命(駆動信号)を出力して、駆動モータ9を駆動する。
加圧ポンプ3は、駆動モータ9によって駆動(作動)されて、吸水管1の水及び気体を吸込む。
大気の空気(気体)は、
図1及び
図9に示すように、加圧ポンプ3の吸込み(吸引)によって、空気導入管35を流れ、気体流入穴28から第1密閉室R1(密閉ケース6の密閉空間R)に流出する。第1密閉室R1に流入した空気は、
図9及び
図10に示すように、気体流通穴27から第2密閉室R2に流出する。大気の空気は、
図7乃至
図12に示すように、第1密閉室R1を流れて、気体流通穴27から各電極棒14,15に直接、接触して第2密閉室R2に流入されて、各電極棒14,15の間(各電極棒14,15の誘導体18の間)の空隙Pを流れる。空気は、気体流通穴27から各電極棒14,15の軸中心線方向LRの中心CLを含む位置に直接、流入(接触)される。
これにより、各電極棒14,15(低温プラズマ発生器5)は、無声放電によって、空隙Pを流れる大気の空気から、空気中の解離又は励起された酸素の一部が変化したオゾンを発生する。
【0042】
第2密閉室R2に流入した大気の空気、及び第2密閉室R2で発生したオゾンの混合気体は、
図7及び
図8に示すように、加圧ポンプ3の吸込みによって、各電極棒14,15から下方(各電極棒14,15及びケース本体25の間)に流れ、ケース本体25の側板32(下側の側板32)に沿って流れ、気体流出穴29から吸気管2に流入される。
これにより、第1密閉室R1(気体流通穴27)から第2密閉室R2に流れる空気は、各電極棒14,15の間(各電極棒14,15の誘導体18の間)の空隙Pを流れた後に、ケース本体25の側板32に沿って気体流出穴29に流れることから、各電極棒14,15の無声放電によってオゾンを効率良く発生できる。
【0043】
吸気管2に流出した大気の空気及びオゾンの混合気体は、
図1に示すように、加圧ポンプ3の吸込み(吸引)によって、吸水管1に流出される。吸水管1に流でした大気の空気及びオゾンは、水に混合され、水及び空気、オゾン(気体)の混合液体は、吸込口7から加圧ポンプ3に吸込まれる。
加圧ポンプ3は、
図1に示すように、吸込口7から吸込んだ水及び空気、オゾンの混合液体を加圧して吐出口から吐出する。加圧した水及び空気、オゾンの混合液体は、吐出口8から導管12に流出され、吸入口10から気体溶解タンク4に流入される
気体溶解タンク4は、加圧した水及び空気、オゾンの混合液体が吸入口10から流入され、空気、オゾンを水に溶解する。気体溶解タンク4は、空気、オゾンを水に溶解した液体を排出口11から流出する。
操作者は、スイッチ51を操作して、オゾン溶解モードM2からスイッチOFFにする。制御器50は、スイッチOFFに基づいて、駆動モータ9を停止する。これにより、加圧ポンプ3は、停止される。
【0044】
気体溶解装置Xは、スイッチのON又はOFFによって、加圧ポンプ3(駆動モータ9)を駆動(作動)又は停止し、及びスイッチのON又はOFFによって、低温プラズマ発生器5(オゾン発生器)の各電極棒14,15の間(各電極棒14,15導電体19の間)に電圧を印加し又は電圧の非印加とする構成でも良い。
【0045】
気体溶解装置Xは、気体溶解タンク4の排出口11を浴槽に接続して、オゾンを溶解した液体を浴槽に流出する。
これにより、浴槽に貯めた水をオゾンによって殺菌、脱臭でき、浴槽も殺菌及び洗浄できる。
【0046】
気体溶解装置X(気体溶解ユニット)は、例えば、バブル発生器(バブル発生ユニット)に接続して、バブル発生装置を構成する。バブル発生装置は、気体溶解装置X(気体溶解ユニット)と、気体溶解装置X(気体溶解ユニット)の排出口11に接続されるバブル発生器(バブル発生ユニット)を備える。バブル発生器は、例えば、吐出ノズル体(噴射ノズルユニット)である。吐出ノズル体は、気体溶解装置Xの排出口11から流出される、空気を水に溶解した液体、又は空気及びオゾンを水に溶解した液体が流入され、これら液体にキャビテーションを起こし及び減圧して、水中の空気、オゾンをマイクロバブル(空気、オゾンのマイクロバブル)及びウルトラファインバブル(空気、オゾンのウルトラファインバブル)に粉砕する。マイクロバブル及びウルトラファインバブルは、水に溶け込んで、吐出ノズル体から噴出される。吐出ノズル体は、空気のマイクロバブル及びウルトラファインバブルが溶け込んだ水、又はオゾンのマイクロバブル及びウルトラファインバブルが溶け込んだ水を噴射する。
これにより、空気、オゾンのマイクロバブル及びウルトラファインバブルの溶込んだ水を噴射することで、オゾンによって殺菌、脱臭等の効果を発揮する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、空気を水に溶解した液体を流出し、及び空気、オゾンを水に溶解した液体を流出するのに最適である。
【符号の説明】
【0048】
X 気体溶解装置
1 吸水管
2 吸気管
3 加圧ポンプ
4 気体溶解タンク
5 低温プラズマ発生器(オゾン発生器)
6 密閉ケース
7 吸込口
8 吐出口
10 吸入口
11 排出口
14 電極棒
15 電極棒
18 誘導体