(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】制御機器及び制御装置
(51)【国際特許分類】
G08G 5/04 20060101AFI20230411BHJP
B64F 1/36 20170101ALI20230411BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230411BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20230411BHJP
G05D 1/10 20060101ALI20230411BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20230411BHJP
【FI】
G08G5/04 A
B64F1/36
G06Q50/30
G01C21/34
G05D1/10
G05D1/02 Q
(21)【出願番号】P 2021535075
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(86)【国際出願番号】 CN2019122130
(87)【国際公開番号】W WO2020143357
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】201910015633.2
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521263560
【氏名又は名称】スージョウ イーエーヴィジョン ロボティック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジーフア
(72)【発明者】
【氏名】タン ハン シュエ
(72)【発明者】
【氏名】ドン シュエソン
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特許第6349481(JP,B1)
【文献】特開2000-272592(JP,A)
【文献】特開2017-218141(JP,A)
【文献】特表2008-506926(JP,A)
【文献】特開平07-248827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B64B 1/00 - 1/70
B64C 1/00 - 99/00
B64D 1/00 - 47/08
B64F 1/00 - 5/60
B64G 1/00 - 99/00
G06Q 10/00 - 10/10
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 50/34
G06Q 90/00 - 99/00
G16Z 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G05D 1/00 - 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機又は移動端末に配置される制御機器であって、
1つ又は複数のプロセッサと、
メモリと、
1つ又は複数のアプリケーションプログラムと、を含み、
前記1つ又は複数のアプリケーションプログラムは、前記メモリに記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように配置され、前記1つ又は複数のプログラムは、
駐機点、作業点及び安全点を取得するステップであって、前記安全点の周囲の安全距離範囲内に障害物がないステップと、
前記駐機点と安全点との間の第1経路、前記安全点と作業点との間の第2経路を作成して、前記駐機点と前記作業点との間の経路がスムーズな移行方式で前記安全点を経過するようにするステップと、
第1経路上の第1補助点を取得するステップと、を含
むステップを実行するために配置され、
前記第1補助点から前記安全点までの距離は、前記安全距離以下で且つ第2経路上の前記安全点から前記作業点までの距離以下であり、前記第1補助点を接点とし、前記第1経路と第2経路を接線として、前記安全点に近接する円弧を第3経路として作成することで、第1経路と第2経路は前記第3経路を介して移行する、
制御機器。
【請求項2】
前記駐機点は作業地域外に位置し、前記安全点は作業地域内に位置し、前記作業地域は、幾つかの境界により囲まれ、前記第1補助点から前記安全点までの距離は、前記安全点から前記第1経路が境界と交差する点までの距離以下である、
請求項1に記載の
制御機器。
【請求項3】
前記第3経路は、少なくとも以下の2つの方式、すなわち、
前記安全点からの距離が前記第1補助点から前記安全点までの距離である第2経路上の第2補助点を取得し、第1補助点と第2補助点を接点とし、前記安全点に近接する円弧を第3経路として作成すること、
又は、第1経路と第2経路の角の二等分線を取得し、前記第1経路上の前記第1補助点を垂線の足とする垂線が前記角の二等分線と交差する点を円心として、円心から前記第1補助点までの垂直の距離を半径とし、前記安全点に近接する円弧を第3経路として作成すること、
で取得される請求項1に記載の
制御機器。
【請求項4】
前記第3経路の半径はr=s*tan(θ/2)であり、sは、前記第1経路上の第1補助点から前記安全点までの距離であり、θは、前記第1経路と第2経路との間の角であり、前記第3経路の半径r≧1mである、請求項1に記載の
制御機器。
【請求項5】
第1経路上の前記駐機点から前記第1補助点までの距離を第1速度制限距離として取得し、第2経路上の前記作業点から第3経路と第2経路の接点までの距離を第2速度制限距離として取得し、前記第1速度制限距離及び/又は第2速度制限距離は
【数1】
以上であり、ωは、第3経路を通過する既知の角速度であり、aは、既知の運転加速度の最大閾値であり、rは、第3経路の半径である、請求項1に記載の
制御機器。
【請求項6】
前記駐機点は、離陸点又は着陸点である、請求項1に記載の
制御機器。
【請求項7】
前記作業点は、作業タスク経路内の任意の点を含む、請求項1に記載の
制御機器。
【請求項8】
取得モジュールと計画モジュールとを含む制御装置であって、
前記取得モジュールは、駐機点、作業点及び安全点を取得し、前記安全点の周囲の安全距離範囲内に障害物がなく、
前記計画モジュールは、前記駐機点と安全点との間の第1経路、前記安全点と作業点との間の第2経路を作成して、前記駐機点と前記作業点との間の経路がスムーズな移行方式で前記安全点を経過するようにし、
前記計画モジュールは、第1経路上の第1補助点をさらに取得し、前記第1補助点から前記安全点までの距離は、前記安全距離以下であり、第2経路上の前記安全点から前記作業点までの距離以下であり、前記第1補助点を接点とし、前記第1経路と第2経路を接線として、前記安全点に近接する円弧を第3経路として作成することで、第1経路と第2経路は前記第3経路を介して移行する、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2019年01月08日に中国専利局に提出された第201910015633.2号の中国特許出願の優先権を主張し、この出願の内容はすべて参照により本開示に組み込まれる。
本出願は、航空機の分野に属し、例えば、航空機作業経路計画方法、制御装置及び制御機器に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は、作業地域に進入し、計画されたルートに従って作業する場合、離陸点から作業ルートの1番目のウエイポイントまで直線に沿って直接飛行することがよくある。このとき、地域の境界に木や電柱などの障害物があり、無人機に自律障害物回避の機能がないか、又は自律障害物回避の機能がよくない場合、それは、地域の境界での障害物と衝突しやすい。自律障害物回避機能が比較的良好であっても、自律障害物回避機能を実行して作業地域内に到達するために、比較的長い時間及び比較的大きな消費電力がかかる場合もある。着陸点の場合も同様である。
【0003】
これに鑑みて、より効率的で安全な航空機の作業経路計画方法を提案することは、本出願で研究される主題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、航空機が安全且つ迅速に作業地域に進入できないという問題を解決するための、航空機作業経路計画方法、制御装置及び制御機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、航空機作業経路計画方法を提供する。この方法は、
駐機点、作業点及び安全点を取得するステップであって、前記安全点の周囲の安全距離範囲内に障害物がないステップと、
前記駐機点と安全点との間の第1経路、前記安全点と作業点との間の第2経路を計画して、前記駐機点と前記作業点との間の経路がスムーズな移行方式で前記安全点を経過するようにするステップとを含む。
【0006】
前記方法は、第1経路上の第1補助点を取得するステップをさらに含む。前記第1補助点から前記安全点までの距離は、前記安全距離以下であり、第2経路上の前記安全点から前記作業点までの距離以下であり、前記第1補助点を接点とし、前記第1経路と第2経路を接線として、前記安全点に近接する円弧を第3経路として計画することで、第1経路と第2経路は前記第3経路を介して移行する。
【0007】
前記駐機点は作業地域外に位置し、前記安全点は作業地域内に位置し、前記作業地域は、幾つかの境界により囲まれ、前記第1補助点から前記安全点までの距離は、前記安全点から前記第1経路が境界と交差する点までの距離以下である。
【0008】
前記第3経路は、以下の少なくとも2つの方式で取得される。
前記安全点からの距離が前記第1補助点から前記安全点までの距離である第2経路上の第2補助点を取得し、第1補助点と第2補助点を接点とし、前記安全点に近接する円弧を第3経路として計画する。
又は、第1経路と第2経路の角の二等分線を取得し、前記第1経路における前記第1補助点を垂線の足する垂線が前記角の二等分線と交差する点を円心として、円心から前記第1補助点までの垂直の距離を半径とし、前記安全点に近接する円弧を第3経路として計画する。
【0009】
前記第3経路の半径はr=s*tan(θ/2)であり、sは、前記第1経路上の第1補助点から前記安全点までの距離であり、θは、前記第1経路と第2経路との間の角であり、前記第3経路の半径r≧1mである。
【0010】
第1経路上の前記駐機点から前記第1補助点までの距離を第1速度制限距離として取得し、第2経路上の前記作業点から第3経路と第2経路の接点までの距離を第2速度制限距離として取得し、前記第1速度制限距離及び/又は第2速度制限距離は
【数1】
以上であり、ωは、第3経路を通過する既知の角速度であり、aは、既知の運転加速度の最大閾値であり、rは、第3経路の半径である。
【0011】
前記駐機点は、離陸点又は着陸点である。
【0012】
前記作業点は、作業タスク経路内の任意の点を含む。
【0013】
スムーズな移行方式とは、安全点を通過する経路に転換点がないことを指す。
【0014】
本出願は制御装置をさらに提供する。この制御装置は、取得モジュールと計画モジュールを含む。
前記取得モジュールは、駐機点、作業点及び安全点を取得し、前記安全点の周囲の安全距離範囲内には障害物がない。
前記計画モジュールは、前記駐機点と安全点との間の第1経路、前記安全点と作業点との間の第2経路を計画して、前記駐機点と前記作業点との間の経路がスムーズな移行方式で前記安全点を経過するようにする。
制御装置は次のことをさらに含む。前記計画モジュールは、第1経路上の第1補助点をさらに取得し、前記第1補助点から前記安全点までの距離は、前記安全距離以下であり、第2経路上の前記安全点から前記作業点までの距離以下であり、前記第1補助点を接点とし、前記第1経路と第2経路を接線として、前記安全点に近接する円弧を第3経路として計画することで、第1経路と第2経路は前記第3経路を介して移行する。
【0015】
本出願は、航空機又は移動端末に配置される制御機器をさらに提供する。制御機器は、
1つ又は複数のプロセッサと、
メモリと、
1つ又は複数のアプリケーションプログラムと、を含み、前記1つ又は複数のアプリケーションプログラムは、前記メモリに記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように配置され、前記1つ又は複数のプログラムは、前記航空機経路計画方法のステップを実行するために配置される。
【0016】
前記駐機点は、ユーザが無人機を置く位置、又は計画された開始点若しくは着陸点であってもよい。
本出願の利点は以下のとおりである。
(1)本出願は、無人機航空機の飛行経路が安全点を介して移行するようにして、作業地域への安全な出入りを実現する。
(2)本出願の航空機は、第3経路で移行する経路に従って飛行することで、安全点で停止する必要がなく、航空機の飛行速度を向上させ、作業の適時性を向上させる。
(3)本出願の航空機は、安全点での停止を回避することができるので、作業目標への損害を回避する。
要約すると、本出願の航空機は、安全点を通って作業地域に出入りし、安全点で停止する必要がなく、円弧に沿って飛行し、飛行方向を円弧の接線方向に一致させるように飛行方向を変更しながら円弧において飛行し、その後、作業点に向けて飛行する。本出願は、作業の適時性を向上させることができる一方で、安全点の下方の作業目標に破壊作用を引き起こすことがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本出願のオプションの実施例1の経路計画方法の模式図である。
【
図2】本出願のオプションで実施例2の経路計画方法の模式図である。
【
図3】本出願のオプションの実施例3の経路計画方法の模式図である。
【
図4】本出願のオプションの実施例の制御装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面及び実施例を参照しながら本出願を更に説明する。
本出願は、航空機が安全かつ迅速に作業境界を通過できないという関連技術における従来の問題を解決するために、航空機作業経路計画方法を開示する。具体的な方法は、S100とS200を含む。
S100では、駐機点と作業点を取得し、安全点を取得する。前記安全点の周囲の安全距離範囲内に障害物がなく、即ち、安全距離以下の範囲内において、飛行に影響を与える障害物がなく、航空機が安全に飛行することが保証される。安全距離は、2m、2.5m、3m、3.5m、4mなどであってもよく、航空機の固有のパラメータ及び/又は環境条件に従って設定することができ、ここに制限がない。駐機点は、離陸点又は着陸点であり、飛行中に自動又は手動で判定された点であってもよく、静止時の点であってもよく、ここに制限がない。駐機点及び安全点は、作業地域内、又は作業地域外、又は作業地域の上にあってもよく、ここに制限がない。作業点は、作業タスク経路内の任意の点を含み、様々な作業タスクに応じて、リアルタイム又は事前に自動又は手動で計画及び確認することができる。作業地域が比較的大きく、連続的な作業が必要となる場合、作業点は、前回の作業の終点であり得る。このようにして、経路計画を迅速かつ自律的に実現することができる。通常、駐機点と作業点との間の経路に障害物がないことを保証することができないため、安全点を設定する。安全点の安全範囲内に障害物がない、即ち、飛行安全に影響を与える電柱、小丘、木の枝などの障害物がない。安全点の安全距離内にある限り、航空機は、障害物に遭遇することなく安全に飛行するか又は作業境界を通過することができ、計画された経路がより安全になる。
【0019】
S200では、前記駐機点と安全点との間の第1経路、前記安全点と作業点との間の第2経路を計画して、駐機点と安全点との間の経路がスムーズな移行方式で前記安全点を経過するようにする。
幾つかの実施例では、駐機点A、安全点B、及び作業点Cの3つの点の間で直線飛行軌跡を形成するように経路を計画し、且つ、安全点の近くでスムーズに移行することによって、転換点のない計画された経路を作る。作業地域外の任意の駐機点Aから安全点Bの近くに直線に飛行する。安全点Bの安全距離範囲内には障害物がない。次に、安全点Bの近くから計画されたルートの任意の作業点Cへ直線に飛行する。航空機がAからBへ飛行するとき、その速度が加速し、そしてゼロまで減速して、Bに到達する。航空機がBからCへ飛行するとき、その速度がゼロから加速する。このように計画された経路は、駐機点と作業点との間で安全点を通過することにより、無人機は、駐機点と作業点との間で第1経路及び第2経路に沿って飛行する(順に第1経路から第2経路まで、又は順に第2経路から第1経路まで)、作業境界を自律的かつ安全に通過することができる。なお、経路の計画中に、経路における障害物の情報を事前に設定することで、計画された飛行ルートに障害物がないことを確保し、飛行の安全性をさらに向上させることができる。
【0020】
幾つかの実施例では、駐機点が作業地域外に位置し、作業地域が幾つかの境界によって囲まれる場合、安全点Bは、任意の境界からの距離が予め設定された以上であるように、作業地域内に位置することもできる。このようにして、安全点の位置は作業境界に接触しないことを保証することができ、航空機は、駐機点から安全点へ安全に飛行する経路で、未知の衝突事故を引き起こす未知の作業境界に触れないことを保証することができる。他の幾つかの実施例では、駐機点は、作業地域内に位置することができ、安全点も作業地域内に位置し、任意境界からの距離は予め設定された以上である。このようにして、航空機は、駐機点から安全点まで安全に飛行してから、安全点から作業点へ安全に飛行することを保証することができる。
【0021】
安全点が作業地域内に位置する場合、安全点と任意の境界との間の距離は、予め設定された以上であり得る。これは、安全点と作業地域の任意の境界との距離が第1閾値以上であると理解できる。一般に、第1閾値は、1.5m、2m、3m、3.5m、又は4mなどを含み、航空機自体の固有のパラメータに従って設定することができ、航空機の胴体の半分が地域の境界に衝突しないことが保証される限り、ここに制限がない。また、安全点と駐機点の最も近い境界との間の距離は、第2閾値以上であり得る。第2閾値は、2.5m、3m、3.5m、又は4mなどを含み、航空機が作業境界を安全に通過でき且つ方向を適切に変更できることが保証される限り、ここに制限がない。このようにして、航空機が駐機点から地域境界に安全に進入できることが保証される場合、安全点は、作業地域における作業地域の境界及び障害物から一定の距離をおいて設定される点である。駐機点と安全点との間の経路に障害物がない場合、航空機は、駐機点と安全点との間の飛行経路で作業境界を安全に通過し、他の任意の境界に衝突しないと同時に、安全点が作業地域内に位置するため、安全点から作業地域内の任意の作業点へ安全に飛行することができる。駐機点、作業地域の境界、障害物の情報に応じてリアルタイムで安全点を算出して、作業地域の境界を通過する際の安全性を保証することができる。
【0022】
幾つかの実施例において、航空機は、安全点を通過する経路を安全に飛行することによって、駐機点から、安全点を通過して、作業点まで迅速かつ安全に到達することは、次のステップS300をさらに含む。
【0023】
S300では、第1経路上の第1補助点を取得する。第1補助点から安全点までの距離は、安全距離以下であり、第2経路上の安全点から作業点までの距離以下である。第1補助点を接点とし、第1経路と第2経路を接線として、安全点に近接する円弧を第3経路として計画することで、第1経路と第2経路は第3経路を介してスムーズに移行する。このとき、駐機点と安全点との間の経路は依然として安全点を通過するが、違いは、このときの計画された経路は、安全点の近くとすることができ、安全点から外れるため、安全点を通過するときの経路に転移点がないことである。
【0024】
計画された経路が安全点Bでスムーズに移行しない場合、安全点Bで回転して、AからBへの飛行方向をBからCへの方向に変更する必要がある。安全点Bで数秒間の一時停止があり、つまり、離陸と着陸のたびにこれらの時間がかかる。広いフィールドの作業の場合、電源の制限のため、数回の作業がある。このとき、安全点でより多くの時間がかかり、作業の適時性が大幅に低下する。同時に、同一の作業地域では、一般的に、その安全点は固定されている。同一の安全点でのホバリング時間が長すぎると、航空機ブレードの高速回転によって形成される下向きの圧力風場は、その下方の作業対象の成長に影響を及ぼし、さらには破壊を引き起すことも可能である。簡潔に言えば、航空機は、離陸点から作業点へ飛行する途中に、安全点で一時停止し、安全点で回転して航空機の飛行方向を変更して、作業点へ飛行する。これは、作業の適時性に影響を与えると同時に、繰り返される複数回の停止のため、安全点の下方の作業対象に破壊的な影響を及ぼす。これに基づいて、第3経路を設計することにより、第1経路と第2経路との間の移行を実現するので、航空機が計画された経路上での迅速な飛行作業を実現し、作業の適時性が向上し、作業対象に害を与えることがない。
【0025】
なお、安全点、駐機点と作業地域の位置関係にかかわらず、安全距離範囲内に障害物がなく、第1補助点から安全点までの距離が安全距離以下であり且つ第2経路上の安全点から作業点までの距離以下であれば、第3経路は無障害の領域にあることを保証することができ、駐機点から作業点までの経路で安全な飛行を実現することができる。一方で、第1補助点から安全点までの距離は、安全距離以下であり、第3経路が障害物のない安全距離内にあることを保証する。もう一方で、第1補助点から安全点までの距離は、第2経路上の安全点から作業点までの距離以下であり、それにより、第3経路と第2経路を効果的に移行させ、安全点から作業点までの距離が短すぎて移行が実現できないことを防止し、計画された経路の有効性を保証することができる。
【0026】
幾つかの実施例では、駐機点は作業地域外に位置し、安全点は作業地域内に位置し、第1補助点から安全点までの距離は、安全点から第1経路が境界と交差する点までの距離以下である。それにより、第3経路は、作業境界と交差することなく作業地域内に位置することができ、飛行移行の安全性が向上する。駐機点が作業地域外に位置し、安全点が作業地域内に位置するとき、駐機点と安全点との間の第1経路は必ず作業境界と交差する。このとき、飛行の安全性を向上させるために、第1補助点を作業地域内に設定して、第3経路が作業境界と交差して未知の安全上の問題を引き起こすことを防止することができる。
【0027】
第3経路は、次の少なくとも2つの方式で取得される。前記安全点からの距離が前記第1補助点から前記安全点までの距離である第2経路上の第2補助点を取得し、第1補助点と第2補助点を接点とし、前記安全点に近接する円弧を第3経路として計画する。又は、第1経路と第2経路の角の二等分線を取得し、前記第1経路における前記第1補助点を垂線の足としての垂線が前記角の二等分線と交差する点を円心として、円心から前記第1補助点までの垂直距離を半径とし、前記安全点に近接する円弧を第3経路として計画する。第3経路を確定する方法は、第3経路が作業地域内に位置することを保証できれば、これに限定されない。
【0028】
第3経路の半径はr=s*tan(θ/2)であり、sは、第1経路上の第1補助点から安全点までの距離であり、θは、第1経路と第2経路との間の角であり、第3経路の半径r≧1mである。rは、≧1.5m又は≧2m又は≧2.5m又は≧3mなどであってもよい。ユーザは、作業のニーズ又は環境のニーズ又は航空機の性能に応じてrを設定することができ、ここには制限がない。
【0029】
第1経路上の駐機点から第1補助点までの距離を第1速度制限距離として取得し、第2経路上の作業点から第3経路と第2経路の接点までの距離を第2速度制限距離として取得する。第1速度制限距離及び/又は第2速度制限距離は
【数2】
以上であり、ωは、第3経路を通過する既知の角速度であり、aは、既知の運転加速度の最大閾値である。一般的な航空機は最大加速度を有するため、第1速度制限距離及び/又は第2速度制限距離は、短すぎて加速又は減速ができないことを防止するように制限する必要がある。
【0030】
上記の作業経路計画方法によれば、航空機は、駐機点と作業点との間を第1経路、第3経路、第2経路飛行に沿って飛行して、迅速な飛行を実現する。安全点で停止する必要がなく、作業対象に害を与えることがない。なお、航空機は、第1経路、第3経路、第2経路に順に沿って、駐機点から作業点へ飛行してもよいし、第2経路、第3経路、第1経路に順に沿って作業点から駐機点へ飛行してもよい。第1経路と第2経路は第3経路を経由して移行することが保証される限り、離陸又は着陸に応じて調整することができ、ここに制限がない。
【0031】
作業点は、前回の作業タスク経路の終点であってもよい。前回の作業タスク経路の終点を第2作業点として定義し、駐機点、安全点、第2作業点に従って経路を再計画し、新たな第1経路、第3経路、第2経路から第2作業点へ飛行して、連続作業を実現する。
【0032】
本出願は制御装置をさらに提供する。
図4に示すように、制御装置は、取得モジュールを含む。
前記取得モジュールは、駐機点、作業点及び安全点を取得するために使用される。前記安全点の周囲の安全距離範囲内に障害物がない。
【0033】
予め記憶された障害物に基づいて安全点を得ることができ、又は、駐機点が作業地域外に位置する場合、駐機点、作業地域の境界に基づいて、作業地域内の安全点を得ることができる。なお、上記の駐機点、作業点、安全点、作業地域の境界、障害物などは、実際の位置情報又は地図の位置情報を含み、必要に応じて選択することができ、ここ制限がない。
【0034】
制御装置は計画モジュールをさらに含む。前記計画モジュールは、駐機点と安全点との間の経路が安全点を通過するように、駐機点情報、作業点情報、及び安全点情報に従って、駐機点と安全点との間の第1経路、及び安全点と作業点との間の第2経路を計画する。
【0035】
計画モジュールは、また、第3経路を計画し、第1経路上の第1補助点を取得する。第1補助点から安全点までの距離は、安全距離以下であり、第2経路上の安全点から作業点までの距離以下である。前記第1補助点を接点とし、前記第1経路と第2経路を接線として、前記安全点に近接する円弧を第3経路として計画することで、第1経路と第2経路は前記第3経路を介して移行する。
【0036】
上記の制御装置により、駐機点、作業点、安全点情報を得た後、航空機の自律的な経路計画をリアルタイムで実現することができる。
【0037】
本出願は、航空機又は移動端末に配置される制御機器をさらに提供する。この制御機器は、
1つ又は複数のプロセッサと、
メモリと、
1つ又は複数のアプリケーションプログラムと、を含む。前記1つ又は複数のアプリケーションプログラムは、前記メモリに記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように配置され、前記1つ又は複数のプログラムは、前記航空機経路計画方法のステップを実行するために配置される。
【0038】
上記の制御機器は、航空機又は移動端末に配置することができる。駐機点、作業点及び安全点情報を取得し、上記の方法に従って駐機点と作業点との間の経路を計画することによって、航空機上の飛行制御装置は、計画された経路に従って、航空機が計画された経路に従って飛行し作業するように制御する。なお、ここでの制御機器は、飛行制御機器やナビゲーション機器であってもよく、ここに制限がない。
【0039】
以下では、具体的な実施例を参照しながら、作業経路計画方法を詳細に説明する。
本出願の第1実施例に係る経路計画方法の模式図である
図1に示すように、駐機点A、作業点C及び安全点Bを取得する。安全点Bの周囲の安全距離内に障害物がない。このとき、駐機点A、作業点C及び安全点Bはいずれも作業地域内に位置することができる。
【0040】
駐機点Aと安全点Bとの間の第1経路AB、及び安全点Bと作業点Cとの間の第2経路BCを計画する。
【0041】
第1経路AB上の安全点Bから駐機点Aまでの距離が安全距離以下である第1補助点Eを取得し、第1補助点Eを接点とし、第1経路AB及び第2経路BCを接線として、安全点Bに近接する円弧を第3経路EF⌒(「EF⌒」は「⌒」の下に「EF」を記載、以下同じ)として計画し、ここで、円心がO1であり、F点が円弧の第2経路BCに対応する接点、即ち、第2補助点である。それにより、第1経路と第2経路は、円弧を介してスムーズに移行する。このようにして、安全点Bの近くに第3経路を作成して、第1経路ABと第2経路BCを結ぶことができる。それにより、EF⌒に示すように、第1経路ABと第2経路BCはBの近くでスムーズに移行し、第3経路は作業地域内に位置し、障害物に遭遇することがない。
【0042】
具体的には、航空機は無人機であってもよい。飛行中に、無人機は、駐機点Aから、第1経路、第3経路、第2経路に順に沿って前記作業点Cへ飛行して、迅速な飛行を実現する。具体的には、無人機が第3経路EF⌒に到達すると、航空機は、第3経路EF⌒に沿って飛行するとき、飛行中にヘディング角をリアルタイムで変更して、航空機の飛行方向を第3経路の接線方向に一致させ、第3経路を飛行しながら飛行方向を変更して、飛行方向を第3経路の接線方向に一致させ、その後、作業点へ飛行する。このようにして、無人機は、経路AEF⌒Cに沿って飛行し、この経路上のどこでも停止する必要がない。
【0043】
本出願の第2実施例に係る経路計画方法の模式図である
図2に示すように、駐機点A、作業点C及び安全点Bを取得する。駐機点Aは作業地域外に位置する。作業地域は、幾つかの境界によって囲まれて形成される。安全点は作業地域内に位置する。
【0044】
駐機点Aと安全点Bとの間の第1経路AB、及び安全点Bと作業点Cとの間の第2経路BCを計画する。
【0045】
オプションで、安全点Bは、作業地域内に位置し、任意の境界との間の距離が予め設定された以上である。このとき、安全点Bと任意の境界との間の距離は第1閾値以上である。第1閾値は2.1mであり、又は、一時停止点Aに最も近い最寄り境界との間の距離が第2閾値以上である。第2閾値は3.2mである。第1経路ABに障害物がなく、作業境界を安全に通過することができる。
【0046】
オプションで、第1経路AB上の安全点Bから駐機点Aまでの距離が安全距離以下である第1補助点Mを取得し、第1補助点Mを接点とし、第1経路AB及び第2経路BCを接線として、安全点Bに近接する円弧を第3経路MN⌒(「MN⌒」は「⌒」の下に「MN」を記載、以下同じ)として計画する。ここで、円心はO2であり、N点は、円弧の第2経路BCに対応する接点、即ち、第2補助点である。それにより、第1経路と第2経路は、円弧を介してスムーズに移行する。このようにして、安全点Bの近くに第3経路を作成して、第1経路ABと第2経路BCを結ぶことができる。それにより、MN⌒に示すように、第1経路ABと第2経路BCはBの近くでスムーズに移行し、第3経路は作業地域内に位置し、障害物に遭遇することがない。このようにして、第3経路が作業地域内に配置され、作業飛行の安全性が向上する。
【0047】
具体的には、飛行中に、航空機は、駐機点Aから、第1経路、第3経路、第2経路に順に沿って前記作業点Cへ飛行し、作業境界を安全に通過して、迅速な飛行を実現する。航空機が第3経路MN⌒に到達すると、航空機は、第3経路MN⌒に沿って飛行し、飛行中にヘディング角をリアルタイムで変更して航空機の飛行方向を第3経路の接線方向に一致させ、第3経路を飛行しながら飛行方向を変更して、飛行方向を第3経路の接線方向に一致させ、その後、作業点へ飛行する。このようにして、航空機は、経路AMN⌒Cに沿って飛行し、この経路上のどこでも停止する必要がない。
【0048】
本出願の第3実施例に係る経路計画方法の模式図である
図3に示すように、このとき、駐機点Aと安全点Bは作業地域外に位置し、安全点Bの周囲の安全距離内に障害物がない。
【0049】
駐機点Aと安全点Bとの間の第1経路AB、及び安全点Bと作業点Cとの間の第2経路BCを計画する。このとき、第2経路上に障害物がなく、作業境界を安全に通過することができる。
【0050】
第1経路AB上の安全点Bから駐機点Aまでの距離が安全距離以下である第1補助点Pを取得し、第1補助点Pを接点とし、第1経路AB及び第2経路BCを接線として、安全点Bに近接する円弧を第3経路PQ⌒(「PQ⌒」は「⌒」の下に「PQ」を記載、以下同じ)として計画し、ここで、Q点が円弧の第2経路BCに対応する接点、即ち、第2補助点である。それにより、第1経路と第2経路は、円弧を介してスムーズに移行する。このようにして、安全点Bの近くに第3経路を作成して、第1経路ABと第2経路BCを結ぶことができる。それにより、PQ⌒に示すように、第1経路ABと第2経路BCはBの近くでスムーズに移行し、第3経路は作業地域内に位置し、障害物に遭遇することがない。
【0051】
具体的には、飛行中に、航空機は、駐機点Aから、第1経路、第3経路、第2経路に順に沿って、前記作業点Cへ飛行し、第2経路に沿って作業境界を通過し、迅速な飛行を実現する。航空機が第3経路PQ⌒の開始点P又はQに到達すると、航空機は、第3経路PQ⌒に沿って飛行するとき、飛行中にヘディング角をリアルタイムで変更して、航空機の飛行方向を第3経路の接線方向に一致させ、第3経路を飛行しながら飛行方向を変更して、飛行方向を第3経路の接線方向に一致させ、その後、作業点へ飛行する。このようにして、航空機は経路APQ⌒Cに沿って飛行し、この経路上のどこでも停止する必要がない。
【0052】
以下では、実施例2に基づいて、第3経路の計画方法を詳細に説明する。
図2に示すように、本実施例において、第3経路ついては、まず安全点Bから第1補助点Mまでの距離に基づいて第2補助点Nを決定することで、第1補助点Mと第2補助点Nを接点として、安全点Bに近接する円弧を第3経路として計画することができる。又は、前記第3経路については、安全点Bを取得することで、ABとBCの角の二等分線を作り、角の二等分線でABとBCに接する半径rの円を作り、円がABとBCに接する点を結び、第3経路としての円弧を形成する。
【0053】
本実施例では、第1経路AB上の安全点Bから第1補助点Mまでの距離は予め設定された閾値より短い。具体的には、ABは作業境界とKで交差し、Mは、第1補助点Mが境界と接触しないように、KとBの間に位置する必要がある第1補助点であるため、MB=r/tan(θ/2)は≦KB、r≦KB*tan(θ/2)である必要がある。KB=300、θ=90°である場合、rは、300以下の任意の値である。rは、第3経路の半径であり、θは、ABとBCの間の角である。
【0054】
第2経路BCは作業地域内に位置するため、Nは、安全点Bと作業点Cの間に配置する必要がある。第2経路BCの距離は、安全点から第2補助点Nまでの距離、即ちBNの距離以上である。すなわち、BN=r/tan(θ/2)、BC≧r/tan(θ/2)。r≦BC*tan(θ/2)。BC=1000及びθ=90°とすると、tan(θ/2)=1、BC*tan(θ/2)=1000、rは、1000以下の任意の値であり得る。BCが大きいほど、rの選択の自由度が高くなる。
【0055】
なお、凸形の作業地域の場合、BCは完全に地域内に位置し、B又はC点と作業境界との間の距離を考慮する必要ななく、Nは作業地域内に位置する。凹形の作業地域の場合、円弧が作業地域内にあるか否かを確認するには、三角形MBNが地域内にあるか否かを確認するだけでよい。実際、この検証は凸形地域と凹形地域の両方に適用される。本出願の経路計画方法によれば、存在可能な障害物に遭遇しないように作業境界を安全に通過する経路を迅速に計画するこができる。
【0056】
第3経路MN⌒を例にとると、飛行中、無人機は、駐機点Aから第1補助点Mまで飛行し、その速度を0からvxまで加速し、次に、ω*rまで減速しMに到達し、角速度ω線速度ω*rで第2補助点Nに到達し、N点での速度をω*rから加速してから減速し、Cに到達する。NCが比較的短い場合、NからC点まで到達するとき、無人機は、速度をω*rから0まで直接減速する。別の実施例では、vx=ω*rの場合、A点からM点まで加速するだけでよい。ωは航空機の角速度であり、vxはその特定の運転速度である。
【0057】
円弧半径rが小さいほど、安全点Bに近くなる。無人機の飛行速度が遅いほど、飛行時間が長くなる。ブレードにより作業対象に与える影響が大きいほど、安全点Bで停止して方向を変更する方式に近い。従って、第3経路の半径は、r≧1mである。rの最小値の範囲はこれに限定されるものではなく、r≧1.2m、r≧1.5m、r≧2m、r≧3m、r≧3.2m、r≧3.5mなどであってもよく、航空機のパラメータ特性に応じて設定することができる。駐機点Aと安全点Bが固定されている場合でも、ここで、駐機点Aは離陸点であり、離陸点と作業地域は変化せず、円弧半径rは変化せず、円弧は、毎回のタスクの作業点Cの変化に応じて変化するが、ブレードが作業対象に与える影響を軽減することができる。
【0058】
第1経路ABの距離とωが固定されている場合、rが大きいほど、安全点Bから第1補助点Mまでの距離BMが大きくなり、駐機点Aから第1補助点Mまでの距離、即ち、AMが小さくなり、ω*rが大きくなる。このとき、無人機は、短距離AM内でより大きなω*rまで加速する必要がある。これには、無人機の加速時間が比較的短く、加速度が比較的大きい必要がある。例えば、v*v-0=2*a1*s1、v=ω*r、s1は、駐機点Aから第1補助点までの距離AM、即ち、第1速度制限距離であり、a1は、第1経路上の加速度であり、vは運転速度であり、s1=AB-r/tan(θ/2)である。加速時間が不足しないように、最大加速度a1を既知の運転加速度の最大閾値に制限し、v*v≦2*a1*s1である。
【0059】
安全点Bから作業点Cまでの距離、即ち、BC距離とωが固定されている場合、rが大きいほど、安全点Bから第2補助点Nまでの距離、即ち、BN距離が大きくなり、作業点Cから第2補助点Nまでの距離、即ち、NC距離が小さくなる。このとき、無人機は、比較的短いNC距離内でω*rから0まで減速する必要がある。これには、航空機の減速時間が比較的短く、絶対加速度が比較的大きい必要がある。例えば、0-v*v=-2*a2*s2、v=ω*r、s2は、NC間の距離、即ち、第2速度制限距離であり、a2は第2経路上の加速度であり、s2=BC-r/tan(θ/2)である。減速時間が不足しないように、最大加速度a2を既知の運転加速度の最大閾値に制限し、v*v≦2*a2*s2である。
【0060】
a1とa2は同じ値でも異なる値でもよく、ユーザにより必要に応じて設定することができ、ここに制限がない。
【0061】
要約すると、半径r≧1mの場合、飛行速度が遅すぎてブレードが作業対象に大きな影響を与えるのを防止するために、安全点を通過するのに十分に大きな弧度があることを保証し、安全点で停止しすぎないように飛行速度が十分に速いことを保証する。半径r≦
【数3】
の場合、加速又は減速の時間を保証する。sは、s1又はs2m又はその重み付平均値であり得、aは、a1又はa2又はその重み付平均値であり得る。同時に、第3経路の安全性及び計画性可能性を保証するために、r≦KB*tan(θ/2)とBC*tan(θ/2)にする必要がある。
【0062】
本実施例では、第3経路の半径rの最大値を確認するために、次の考慮事項がある。
1.r≦BC*tan(θ/2)の場合、NがBとCの間にあることを保証する。
2.r≦KB*tan(θ/2)の場合、MがKとBの間にあることを保証する。
3.r*r≦2*a1*s1/ω2の場合、航空機が十分な加速時間を有することを保証する。
4.r*r≦2*a2*s2/ω2の場合、航空機が十分な減速時間を有することを保証する。
【0063】
a1とa2は同じでも異なってもよい。加速度が速いほど、その加速度を発生するために無人機のピッチ角が大きくなるため、プロペラによって発生する力も大きくなり、モーターが回転する必要がある速度も速くなる。短時間でモーターとエネルギーの需要に影響を及ぼす。従って、効率的で省エネルギーの安全な作業を保証するために、加速度の最大閾値を制限する。
【0064】
上記の幾つかの条件のうちの最小値を選択して、第3経路の半径rの最大値を限定して、半径を選択することができ、また、上記の各条件を満たす半径rを選択することもできるが、ここに制限がない。上記の条件を同時に満たす限り、ユーザは作業のニーズに応じて設定することができる。
【0065】
本出願の経路計画方法は、駐機点、安全点及び作業点に応じて安全な運転経路を決定し、安全点の近くに、駐機点と安全点の航路、及び安全点と作業点点の航路を結ぶ新たなルートを計画することで、駐機点から作業点までの経路の途中で停止しないことを実現でき、飛行方向を変更するときに飛行速度をω*r以上に維持することができ、航空機の飛行速度を向上させ、飛行の適時性を改善し、同時に、航空機が安全点に停止することにより作業対象に害を与えることを防止する。
【0066】
なお、作業点Cは作業タスクの第1の作業点であってもよいし、作業タスクの航路上の任意の作業点であってもよい。無人機は、離陸時に、駐機点A、安全点B及び作業点Cに応じて、経路をリアルタイムで計画し、毎回の離着陸、及び作業タスクにおける突然の離着陸に応じて、安全に作業地域に出入りする完全に自律的なルートを実現することができる。
【0067】
また、経路計画は、航空機の安全な離陸又は安全な着陸に対応することができる。航空機は、現在の飛行軌跡に従って経路をリアルタイムで計画する。安全に離陸する場合、駐機点は離陸点である。このとき、無人機は、離陸点から、第1経路、第3経路、第2経路に沿って、安全点を通過して、作業点に到達する。安全に着陸する場合、駐機点は着陸点である。このとき、無人機は、作業点から、第2経路、第3経路、第1経路に沿って、安全点を通過して、着陸点に到達し、安全で迅速な飛行を実現する。このとき、安全点を通過することは、実際に安全点を通過するのではなく、安全点の近くの位置を通過することである。
【0068】
なお、実際の適用では、駐機点Aと作業地域の境界、駐機点Aと安全距離、又は駐機点A、作業点C及び安全距離を決定した後、安全点Bの位置を決定することができる。その後、円弧半径rの設定に従って、必要に応じて、作業地域に迅速に進入する経路をリアルタイムで計画することができ、手動による介入の必要がなく、完全に自律的で安全で迅速な飛行作業を実現することができる。
【0069】
本出願では、安全点及び安全点に基づいて作業経路を計画することによって、作業境界に安全で迅速に出入りすることが実現され、航空機の飛行作業がより効率的かつ自動化され、作業対象に害を与えることがなく、作業対象の成長環境が保証される。