(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】リスト生成システム及びリスト生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20230411BHJP
【FI】
G06Q30/0203
(21)【出願番号】P 2022027872
(22)【出願日】2022-02-25
【審査請求日】2022-02-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502212671
【氏名又は名称】小池 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 雄一郎
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-241941(JP,A)
【文献】特開2016-045633(JP,A)
【文献】特開2019-185612(JP,A)
【文献】国際公開第2006/103990(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0066819(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツ情報に対して
、ユーザが設定又は更新した優先的な指標を付与したユーザリストを
ユーザに作成させるためのユーザリスト作成手段と、
前記ユーザリストをデータベースに登録するユーザリスト登録手段と、
前記データベースから抽出された特定ユーザの前記ユーザリストと類似の前記ユーザリストをリコメンドリストとして
複数出力するリコメンドリスト出力手段と、
出力された前記リコメンドリストを基にして
、ユーザに前記ユーザリストを更新
させるためのユーザリスト更新手段とを備えることを特徴とするリスト生成システム。
【請求項2】
前記ユーザリスト作成手段と前記ユーザリスト更新手段は、
ユーザが前記優先的な指標を入力する入力部を備えることを特徴とする請求項1記載のリスト生成システム。
【請求項3】
前記優先的な指標は、比例尺度、間隔尺度、順序尺度、序列尺度のいずれか一つ又は複数で付与されることを特徴とする請求項1又は2記載のリスト生成システム。
【請求項4】
前記コンテンツ情報は、コンテンツの内容を確認するための情報が紐づけされていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載のリスト生成システム。
【請求項5】
前記ユーザリスト更新手段は、特定ユーザの前記ユーザリストと出力された前記リコメンドリストとの差分情報を表示するユーザリスト更新画面を出力することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載のリスト生成システム。
【請求項6】
前記ユーザリストが、前記複数のコンテンツ情報に複数のユーザリストを含めたマルチリストであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項記載のリスト生成システム。
【請求項7】
前記リコメンドリストの抽出には、前記コンテンツ情報又は前記ユーザリストの付帯情報が利用されることを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項記載のリスト生成システム。
【請求項8】
前記リコメンドリスト出力手段は、前記付帯情報を利用して表示をコントロールすることを特徴とする請求項
7記載のリスト生成システム。
【請求項9】
前記リコメンドリスト出力手段は、前記データベースにおけるユーザリストの作成や更新に対応して、当該ユーザリストに基づくリコメンドリストを出力することを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項記載のリスト生成システム。
【請求項10】
複数のコンテンツ情報に対してユーザリストを作成するためにコンピュータを、
複数のコンテンツ情報に対して
、ユーザが設定又は更新した優先的な指標を付与した
ユーザリストをユーザに作成させるためのユーザリスト作成手段、
前記ユーザリストをデータベースに登録するユーザリスト登録手段、
前記データベースから抽出された特定ユーザの前記ユーザリストと類似の前記ユーザリストをリコメンドリストとして出力するリコメンドリスト出力手段、
出力された前記リコメンドリストを基にして
、ユーザに前記ユーザリストを更新
させるためのユーザリスト更新手段、
として機能させるためのリスト生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ情報に関するユーザリストを生成するリスト生成システム及びリスト生成プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットなどの通信ネットワークを介して大規模データベースにアクセスし、ユーザが所望の情報を検索する技術が普及している。また、ユーザ向けにカスタマイズされたコンテンツやアイテムなどを提供するリコメンドシステムが知られている。
例えば、特許文献1には、選好傾向が類似するユーザが少ない場合でも、精度の高いリコメンドを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によると、ユーザと嗜好傾向の類似した他のユーザによる情報(アイテムやコンテキスト情報など)や、他のユーザの評価値に基づいて、ユーザ向けに情報オブジェクトのリストを検索結果として提供するが、検索結果を得るのに参考にされる情報を、ユーザ自身が設定、修正などカスタマイズすることができない、また、ユーザの嗜好傾向と異なる情報などが検索結果として出力される可能性がある、といった問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題としている。すなわち、ユーザの嗜好傾向に適合したコンテンツ情報を得ることができること、ユーザ自身が設定、修正などによるカスタマイズを行うことができるリスト生成システムを提供すること、が本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
複数のコンテンツ情報に対して、ユーザが設定又は更新した優先的な指標を付与したユーザリストをユーザに作成させるためのユーザリスト作成手段と、前記ユーザリストをデータベースに登録するユーザリスト登録手段と、前記データベースから抽出された特定ユーザの前記ユーザリストと類似の前記ユーザリストをリコメンドリストとして出力するリコメンドリスト出力手段と、出力された前記リコメンドリストを基にして、ユーザに前記ユーザリストを更新させるためのユーザリスト更新手段とを備えることを特徴とするリスト生成システム。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前述した特徴を有することで、ユーザの嗜好傾向に適合した新たなコンテンツ情報をリコメンドリストから得ることができる。また、ユーザ自身による設定、修正などによるカスタマイズを加えて、ユーザリストを更新することができるので、ユーザリストの更新を繰り返すことで、ユーザにより適したユーザリストを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るリスト生成システムの基本構成を示した説明図。
【
図2】ユーザリスト作成手段及びユーザリスト作成画面の説明図。
【
図3】ユーザリスト登録手段及びユーザリストが登録されるデータベースの説明図。
【
図4】ユーザリスト更新手段及びユーザリスト更新画面の説明図。
【
図5】リスト生成システムを実行するためのシステム構成の一例を示した説明図。
【
図6】リスト生成システムを実行するコンピュータのハードウエア構成の一例を示した説明図。
【
図7】コンピュータがリスト生成システムのプログラムを実行する際の処理フローを示した説明図。
【
図8】ユーザリストの応用例(マルチリスト)の説明図。
【
図9】ユーザリストの応用例(マルチリスト)の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0010】
図1において、本発明の実施形態に係るリスト生成システム1は、基本構成として、ユーザリスト作成手段1A、ユーザリスト登録手段1B、リコメンドリスト出力手段1C、ユーザリスト更新手段1Dを備える。このリスト生成システム1は、ネットワークや通信回線で相互に接続された複数の情報端末、ネットワークに接続された単数又は複数のサーバ、複数の情報端末及びこれにネットワークを介して接続された単数又は複数のサーバ、などのコンピュータシステムで構成することができる。
【0011】
リスト生成システム1におけるユーザリスト作成手段1Aは、ユーザ毎に取得された複数のコンテンツ情報に対して優先的な指標を付与したユーザリストを生成する。ここで扱われる複数のコンテンツ情報は、予め他の情報サイトなどから取得した情報やユーザが事前に或いはユーザリスト作成時に入力した情報などに基づいたユーザ関連情報などである。
【0012】
ユーザリストのコンテンツ情報は、対象となるコンテンツ(「中身」)に対応した情報であり、題名(音楽であれば曲名)などのコンテンツの内容に関する情報、作者や配信元などのコンテンツの出所に関する情報、コンテンツの種類(例えば、ジャンル)に関する情報、コンテンツの一部を切り出した情報(例えば、音楽であれば、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビなど)、コンテンツを特定するためのキーワード情報、コンテンツを検索する際のクエリ情報、ここで作成されるユーザリスト自体などのいずれか又は複数を含み、更に、コンテンツ情報は、このほか、ニュース記事や活動ログのような連続した情報や性別などといった属性情報などを含み、リスト化できるものであればどのような情報であっても構わない。また、ここでのコンテンツ情報は、コンテンツの内容を確認するために、コンテンツに関してユーザが記述したコメントや感想などの記述情報、又はコンテンツの内容に関する情報(音楽であれば、コンテンツの音声など)が紐づけされていてもよい。更に、コンテンツ情報の内容を確認するために、コンテンツ情報に外部の情報配信サイトの情報(アクセス先など)などを紐付けるようにしてもよい。
【0013】
ユーザリスト作成手段1Aは、例えば、
図2に示すような入力画面(「ユーザリスト作成画面」)10をユーザの情報端末に出力ことで実行することができる。一例としては、ユーザの情報端末或いはサーバには、予め取得されている複数のコンテンツ情報が蓄積されており、これをコンテンツ情報取得リストとして表示画面に表示する。ユーザリストは、このコンテンツ情報取得リストから、任意のコンテンツ情報を選択することで一つのユーザリスト(「ユーザリストA」)を作成することができる。この際、ユーザリスト作成手段1Aは、選択したコンテンツ情報に対して、ユーザが優先的な指標を入力する入力部を備えている。図示の例では、「優先度」が優先的な指標になっている。
【0014】
ここで入力される優先的な指標は、特定ユーザの嗜好性(好み)の程度を数値化又はランク付けするための指標である。図示の例では、「優先度」として、選択したコンテンツ情報の中で最も嗜好性の高い情報に1~100から選択される最も高い数値を付与し、各コンテンツ情報の嗜好性の度合いに応じて、コンテンツ情報毎に相対的な数値を付与することで、比例尺度による優先的な指標を付与している。優先的な指標は、特にこれに限定されない。例えば、間隔尺度、順序尺度、序列尺度などで優先的な指標を付与してもよい。また、優先的な指標は一つの指標だけでなく、比例尺度、間隔尺度、順序尺度、序列尺度などから選択される複数の指標を付与するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明とは別の参考例として、ユーザリスト作成手段1Aは、新規にユーザの手入力でユーザリストを作成する場合だけでなく、後述するデータベースDBに登録されている既存のユーザリストやWeb上の情報などに基づいてリスト生成システム1が新規のユーザリストを自動作成するものであってもよい。この場合には、リスト生成システム1は、ユーザ端末に入力される各種の情報に基づいて、人工知能(AI:Artificial Intelligence)やビックデータの分析機能を活用することで、ユーザリストを作成する。この際、このシステムが作成したユーザリストをユーザが適宜選択し、また、優先的な指標を適宜再入力することで、ユーザによるカスタマイズがなされたユーザリストが作成されることになる。
【0016】
ユーザリスト作成手段1Aで作成されるユーザリストは、一人のユーザに対して限定的に一つのリストが作成されるというものでは無い。一人のユーザは、その日の気分や得たい情報を考慮して、複数のユーザリストを作成することができる。この際、付与する優先的な指標は、ユーザリスト毎に適宜の指標を付与することができる。
【0017】
リスト生成システム1におけるユーザリスト登録手段1Bは、
図3に示すように、ユーザリスト作成手段1Aで作成されたユーザリスト(優先的な指標がコンテンツ情報に付与されたユーザリスト)をデータベースDBに登録する。データベースDBに登録されたユーザリストは、図示のように、複数のユーザ(ユーザA,ユーザB,ユーザC,…)毎に区分されて登録される。
【0018】
この際、データベースDBは、ネットワーク上のサーバに接続されたメモリやネットワーク上に実在するデータ蓄積エリアであってもよいし、各ユーザの情報端末のメモリ(M1,M2,M3,…)を互いにアクセス可能にすることで仮想的に形成されたデータ蓄積エリアであってもよい。各ユーザの情報端末のメモリから仮想的にデータベースを形成する場合には、ユーザリスト登録手段1Bは、各ユーザの情報端末においてユーザリスト作成手段1Aで作成されたユーザリストを各ユーザの情報端末におけるメモリに登録することで実行される。
【0019】
リスト生成システム1におけるリコメンドリスト出力手段1Cは、特定ユーザのユーザリストと類似のユーザリストをデータベースDBから抽出してリコメンドリストとして出力する。リコメンドリスト出力手段1Cは、特定のユーザの情報端末において、ユーザリスト作成手段1Aによりユーザリストが作成されると、それと類似のユーザリストをデータベースDBから抽出して、これをリコメンドリストとして特定ユーザの情報端末に出力する。
【0020】
この際の類似性の判断処理は、優先的な指標が付与されたユーザリストに対して、特定ユーザのユーザリストと他のユーザリストとの間のデータ間距離(例えば、ユークリッド距離やコサイン類似度)を求め、その距離が設定範囲以内のものを抽出することで実現することができる。この類似性の判断処理は、周知の機械学習アルゴリズムを用いることができる。
【0021】
なお、リコメンドリスト出力手段1Cが出力するリコメンドリストは、データベースDBに登録されたユーザリストとの関連性に基づいて、人工知能(AI)やビックデータの分析機能を活用して、クラウド上に存在する既存のリストやWeb上の情報などから抽出するようにしてもよい。この際、リコメンドリストの素になるユーザリストをシステムが自動作成或いは自動更新するようにしてもよい。これによると、データベースに登録されているユーザリストがWeb上の情報などで最新の情報に更新されることになり、また、外部情報が付加された新たなユーザリストに更新されることになる。これにより、データベースに登録されているユーザリストの数は、システムの稼働に伴い自動で増加することになる。また、リコメンドリスト出力手段は、データベースにおけるユーザリストの新規作成や更新に対応して、当該ユーザリストに基づくリコメンドリストを出力することで、ユーザ端末からのアクションが無くても、リコメンドリストを随時出力することができる。
【0022】
出力されるリコメンドリストは、類似性判断の設定に応じて、一つ又は複数のユーザリストになる。リコメンドリストには、抽出されたユーザリストに、付帯情報を加えて出力することができる。ここでの付帯情報は、リストの近似度を示す値やランク付け、リスト内の共通するコンテンツ情報の数、或いは抽出リストのコンテンツ情報の総数など、図示したものだけでなく、日付、画像等のデータ、位置情報、コンテンツ情報に対する感想や説明といったコメント等を含む。なお、付帯情報は、コンテンツ情報に関するものだけでなく、ユーザリストやマルチリストに関する情報であってもよい。また、付帯情報は、リコメンドリストの抽出にも利用される。
【0023】
また、リコメンドリスト出力手段1Cは、リコメンドリストを表示出力するに際して、前述した付帯情報を利用して表示のコントロールが行えるようにしてもよい。この際には、日付などの付帯情報を利用して、古い情報を非表示にしたり、新しい情報順にソートしたりするコントロールが可能になる。
【0024】
リスト生成システム1におけるユーザリスト更新手段1Dは、出力されたリコメンドリストを基にしてユーザリストを更新するための手段であり、
図4に示すような入力画面(「ユーザリスト更新画面」)20により実行することができる。
図4に示した例では、「ユーザリスト更新画面」は、「更新ユーザリスト入力部」と「リコメンドリスト表示部」と「リコメンドリスト差分情報表示部」を備えている。
【0025】
「更新ユーザリスト入力部」は、更新前の特定ユーザのユーザリスト(「ユーザリストA」)を表示し、リスト内の各コンテンツ情報とそれに付与された優先的な指標(「優先度」)を変更入力可能にしている。
【0026】
「リコメンドリスト表示部」は、出力されたリコメンドリストの一部又は全部を表示している。この際、各リコメンドリストにおいて、「リスト近似度」の程度や数値、「総コンテンツ数」(各リコメンドリスト内のコンテンツ情報の数)の数値、「同一コンテンツ数」(各リコメンドリスト内のコンテンツ情報の内、特定ユーザのユーザリストと共通するコンテンツ情報の数)の数値などの付帯情報を合わせて表示している。
【0027】
「リコメンドリスト差分情報表示部」は、各リコメンドリストにおいて、対象となる特定ユーザのユーザリストに無いコンテンツ情報を差分情報として表示している。ここでは、1つ目の「リコメンドリスト1」における差分情報として、「琵琶」というコンテンツ情報を表示し、合わせて、リコメンドリスト1の近似度とリスト内での「琵琶」というコンテンツ情報の優先度を表示している。また、2つ目の「リコメンドリスト2」における差分情報として、「パパイヤ」というコンテンツ情報を表示し、合わせて、リコメンドリスト2の近似度とリスト内での「パパイヤ」というコンテンツ情報の優先度を表示している。また、3つ目の「リコメンドリスト3」における差分情報として、「オレンジ」というコンテンツ情報を表示し、合わせて、リコメンドリスト3の近似度とリスト内での「オレンジ」というコンテンツ情報の優先度を表示している。
【0028】
「ユーザリスト更新画面」において、ユーザは、「リコメンドリスト表示部」の表示内容と「リコメンドリスト差分情報表示部」の表示内容を確認して、「更新ユーザリスト入力部」の各コンテンツ情報とそれに付与される優先度を更新入力する。これによると、ユーザは、自身のユーザリストには無い新たなコンテンツ情報をリコメンドリストの差分情報から得ることができ、それに対して優先的な指標を付与することで、自身の嗜好性にあった新たなユーザリストを作成することができる。この際、出力されたリコメンドリストは、自身のユーザリストと嗜好性が近似しているユーザリストであるから、得られた差分情報などは、ユーザにとって興味のある情報である可能性が高い有意義な情報になる。
【0029】
「ユーザリスト更新画面」に表示されるコンテンツ情報は、前述した記述情報を紐付けしたり、外部情報提供サイトへのアクセス情報を紐付けしたり、或いはAPI(Application Programming Interface)を利用するなどしてサイト内の画面上に表示するなどして、コンテンツ情報の内容をユーザが即座に把握できるようにすることが好ましい。これのようにすることで、ユーザは、得られた差分情報などの内容を即座に確認した上で、自身の嗜好に合う情報を適宜取り入れてユーザリストを更新することができる。
【0030】
更新されたユーザリストは、各ユーザの情報端末で管理されると共に、ユーザリスト作成手段1Aで作成されたユーザリストと同様に、データベースに登録される。このようなユーザリストの更新と登録を繰り返すことで、ユーザ毎に登録されるユーザリストは、各ユーザの嗜好性に合致した良質な情報になる。
【0031】
図5は、リスト生成システム1を実行するためのシステム構成の一例を示している。前述したように、リスト生成システム1においてユーザリストが登録されるデータベースDBは、各ユーザのユーザ情報端末U内のメモリMに存在してもよいし、ネットワークNを介してユーザ情報端末Uと情報通信可能なサーバS内或いはサーバSと接続されていてもよい。また、ネットワークN上のクラウドに存在するものであってもよい。リスト生成システム1における前述した各手段は、ユーザ情報端末U或いはサーバSを構成するコンピュータによって実行されるプログラムであり、プログラム自体は、各ユーザ情報端末Uに存在してもよいし、サーバSに存在してもよい。
【0032】
図6は、リスト生成システム1を実行するコンピュータPのハードウエア構成の一例を示している。リスト生成システム1を実行するコンピュータPは、プロセッサP1、メモリP2、ストレージP3、入出力I/F(Interface)P4、通信I/F(Interface)P5などを備え、これらは、バスP6を介して相互に情報を送受信可能に接続されている。
【0033】
プロセッサP1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、メモリP2は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)である。プロセッサP1は、メモリ(例えば、ROM)P2に記憶されているプログラムを実行することにより、リスト生成システム1の各手段の処理を実行する。なお、プロセッサP1としては、例えばGPU(Graphics Processing Unit)を採用し、コンテンツ情報やリストなどのビッグデータ等を高速に処理するようにしてもよい。メモリP2におけるROMは、プロセッサP1により実行されるプログラムやプロセッサP1がプログラムを実行するために必要なデータなどを記憶する。また、メモリP2におけるRAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの主記憶装置であって、プロセッサP1がプログラムを実行する際に利用する作業領域として機能し、また、ユーザリストが登録されるデータベースとして機能する。入出力I/F(Interface)P4は、プロセッサP1に情報を入力すると共に、プロセッサP1が演算処理した情報を出力するための回路であり、通信I/F(Interface)P5は、コンピュータPを前述したネットワークNに接続するための回路である。
【0034】
図7は、コンピュータがリスト生成システム1のプログラムを実行する際の処理フローを示している。プログラムが開始されると、ユーザリスト作成手段1Aによってユーザリスト作成画面がユーザの情報端末の入力画面に表示される(ステップS1)。ユーザがユーザリスト作成画面にてユーザリスト(コンテンツ情報とそれに付与させる優先的な指標)を入力すると、ユーザリスト登録手段1Bは、ユーザリスト入力有りを判断し(ステップS2:YES)、入力されたユーザリストをデータベースに登録する(ステップS3)。ユーザリスト作成画面にてユーザリストの入力が無い場合(ステップS2:NO)、ユーザリスト作成画面の入力待ち状態になる(ステップS1)。
【0035】
ユーザリストが入力されて、入力されたユーザリストがデータベースに登録されると、リコメンドリスト出力手段1Cにより、類似の他のユーザリストが抽出され(ステップS4)、これがリコメンドリストとして出力される(ステップS5)。そして、ユーザリスト更新手段1Dにより、出力されたリコメンドリストを含むユーザリスト更新画面がユーザの情報端末の入力画面に表示される(ステップS6)。
【0036】
ユーザリスト更新画面においては、リコメンドリストに紐づく他のユーザに関連するユーザリストや後述するマルチリストを直接参照できるようにすることが好ましい。また、リコメンドリストに紐づく他のユーザが提供する個別情報などを合わせて表示できるようにすることが好ましい。
【0037】
ユーザがユーザリスト更新画面にてユーザリストを更新すると、ユーザリスト更新手段1Dは、ユーザリスト更新有りを判断し(ステップS7:YES)、更新されたユーザリストをデータベースに登録する(ステップS8)。ユーザリスト更新画面にてユーザリストの更新が無い場合(ステップS7:NO)、処理は終了する。
【0038】
以下に、ユーザリストの応用例を説明する。ユーザリストで対象となるコンテンツは、ユーザの嗜好や興味の対象となる内容であることは勿論のこと、ユーザの心理に何らかの影響を与える内容であればよい。したがって、ユーザによってポジティブな内容である必要は無く、ユーザにとってネガティブな(例えば、「嫌いな」)内容であってもよい。対象となるコンテンツがユーザにとってネガティブな内容である場合、ユーザリストのコンテンツ情報に付与される優先的な指標は、ネガティブさの程度を反映する指標になる。また、一つのユーザリストの中にユーザにとってポジティブなコンテンツ情報とネガティブなコンテンツ情報が混在してもよく、その場合には、優先的な指標に「+」或いは「-」を付けることでポジティブな情報であるかネガティブな情報であるかを識別する。
【0039】
また、一つのユーザリスト内のコンテンツ情報は、同じ種類のコンテンツ情報である必要は無い。一つのユーザリストに、種類の異なるコンテンツ情報を混在させてもよい。また、
図8に示すように、ユーザリスト自体をコンテンツ情報としてリスト化することもできる。
図8に示す例では、「音楽」、「スポーツ」、「映画」、「旅行」に関するユーザリストをコンテンツ情報としてマルチリストを生成する場合の「ユーザリスト更新画面」を例示している。ここでは、個々のユーザリストに対して、ユーザの嗜好に応じた優先的な指標(「優先度」)を付与している。
【0040】
マルチリストは、単純にユーザリスト自体をコンテンツのようにリスト化したものであってよいが、
図9に示すように、ユーザリストとコンテンツ情報が混在したものであってもよい。
【0041】
図9に示すマルチリストは、マルチリスト名「休日マルチリスト」としてリスト化したものであり、ユーザリストとして、ドライブ音楽などがリスト化された「音楽リストA」、ラジオ番組や英会話などがリスト化された「音楽リストB」、好みの車がリスト化された「車リストA」、好みの料理がリスト化された「料理リストA」のそれぞれに優先度を付与し、更に、コンテンツ情報として「沢釣り」を挙げて、それに優先度を付与している。このようなマルチリストが登録されると、リコメンドリスト出力手段1Cは、類似のユーザリストやマルチリストを抽出して、リコメンドリスト更新手段1Dは、リコメンドリスト差分情報として、「サプライズイベントリストA(長野)」、「体験イベントリストA(伊豆)」、「音楽リストC(子供に聴かせたい懐メロ)」などを、優先度を付して、ユーザリスト更新画面に出力する。
【0042】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るリスト生成システム1は、優先的な指標が付与させる情報リストの作成と更新を繰り返すこと、よりユーザの嗜好にあった情報リストを作成することが可能になる。
【0043】
なお、リスト生成システム1は、作成したユーザリストやマルチリストに関する情報(リストそのものであってもよいし、ユーザリストやマルチリストのURL等であってもよい)を、他のユーザへ向けてメッセージ送信する送信機能(メッセージ送信手段)を備えてもよく、また、SNSへ投稿する機能を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 リスト生成システム
1A ユーザリスト作成手段
1B ユーザリスト登録手段
1C リコメンドリスト出力手段
1D ユーザリスト更新手段
10 ユーザリスト作成画面(入力画面)
20 ユーザリスト更新画面(入力画面)
DB データベース
M1,M2,M3 メモリ
U ユーザ情報端末
S サーバ
N ネットワーク
P コンピュータ
P1 プロセッサ
P2 メモリ
P3 ストレージ
P4 入出力I/F(Interface)
P5 通信I/F(Interface)
P6 バス
【要約】
【課題】ユーザの嗜好傾向に適合したコンテンツ情報を得ることができるリスト生成システムを提供する。
【解決手段】リスト生成システムは、複数のコンテンツ情報に対して優先的な指標を付与したユーザリストを作成するためのユーザリスト作成手段と、ユーザリストをデータベースに登録するユーザリスト登録手段と、特定ユーザのユーザリストと類似のユーザリストをデータベースから抽出してリコメンドリストとして出力するリコメンドリスト出力手段と、出力されたリコメンドリストを基にしてユーザリストを更新するためのユーザリスト更新手段とを備える。
【選択図】
図1