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特許7260218造影画像間隔時間に基づいて血流速度を補正する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】造影画像間隔時間に基づいて血流速度を補正する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0275 20060101AFI20230411BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230411BHJP
   A61B 5/0215 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
A61B5/0275 J
A61B6/00 331E
A61B5/0215 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022505584
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2019120328
(87)【国際公開番号】W WO2021017327
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】201911138512.3
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910704330.1
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522036093
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲潤▼▲邁▼▲徳▼医▲療▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲廣▼志
(72)【発明者】
【氏名】王 之元
(72)【発明者】
【氏名】戴 威
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 琳
【審査官】▲瀬▼戸井 綾菜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/041312(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00- 5/03
A61B 6/00- 6/14
A61B 8/00-10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造影状態において、第一血流速度ユニットによって、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するステップと、
時間差ユニットによって、隣接する2回の造影剤ボーラス注入時の開始時間の差Δtを取得するステップと、
補正係数ユニットによって、前記時間差Δtに基づき、補正係数Kを取得するステップと、
第二血流速度ユニットによって、前記補正係数Kに基づき、前記血流速度Vh対して補正を行い、安静状態における血流速度Vjを取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項2】
第二血流速度ユニットによって、前記補正係数Kに基づき、前記血流速度Vh対して補正を行い、安静状態における血流速度Vjを取得するステップは、
式Vj=Vh/Kに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得するステップ、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項3】
補正係数ユニットによって、前記時間差Δtに基づき、補正係数Kを取得するステップは、
Δt≧30sの場合、K=1であり、
20s≦Δt<30sの場合、1<K≦1.5であり、
10s<Δt<20sの場合、1.5<K<2.0であり、
Δt≦10sの場合、K=2である、
ことを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項4】
前記造影状態において、第一血流速度ユニットによって、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するステップは、
心周期区域内に含まれる冠状動脈造影画像フレーム数を取得すること、
を含み、
であり、
但し、Lは心周期区域内において造影剤が流れた血管長さを表し、Nは心周期区域に含まれる冠状動脈造影画像フレーム数を表し、fpsは画像の毎秒伝送フレーム数を表す、
ことを特徴とする請求項1に記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項5】
Lの取り得る値の範囲は50~150mmである、又はL=100mmである、
ことを特徴とする請求項4に記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項6】
前記平均血流速度Vh取得するステップは、
造影剤遍歴距離アルゴリズム、Stewart-Hamiltonアルゴリズム、First-Pass分布分析法、オプティカルフロー法または流体連続法を用いて前記平均血流速度V h を取得することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法と、
第三血流速度ユニットによって、安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度を取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項8】
第三血流速度ユニットによって、記安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度を取得するステップは、
式Vmax=aVj+bに基づき、
但し、Vmaxは最大拡張血流速度を表し、aは取り得る値の範囲が1~3である定数を表し、bは取り得る値の範囲が50~300である定数を表す、
ことを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置の作動方法
【請求項9】
冠状動脈微小循環血管評定パラメータ測定装置によって、以下の3つのステップであって、
造影画像に基づき、心周期区域内における冠動脈入口圧の平均値Paを取得するステップと、
冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの圧力損失ΔPを取得するステップと、
請求項7又は8に記載の作動方法を実現することにより取得された最大拡張血流速度、およびΔP、Paに基づき、補正後の冠状動脈微小循環血管評定パラメータを取得するステップと、
の3つのステップを実行することを含む、
ことを特徴とする造影画像に基づいて冠状動脈微小循環血管評定パラメータを補正する装置の作動方法
【請求項10】
第一血流速度ユニット、時間差ユニット、補正係数ユニット及び第二血流速度ユニットを備え、
前記第一血流速度ユニットは前記第二血流速度ユニットに接続され、
前記補正係数ユニットは前記時間差ユニット、前記第二血流速度ユニットにそれぞれ接続され、
前記第一血流速度ユニットは、造影状態において、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するためのものであり、
前記時間差ユニットは、隣接する2回の造影剤ボーラス注入時の開始時間の差Δtを取得するためのものであり、
前記補正係数ユニットは、前記時間差ユニットが伝送した時間差Δtを受信し、補正係数Kを取得するためのものであり、
前記第二血流速度ユニットは、前記第一血流速度ユニットが送信した造影状態における平均血流速度Vhを受信し、そして前記補正係数ユニットが送信した補正係数Kを受信し、前記補正係数K、前記血流速度Vhに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得するためのものである、
ことを特徴とする、
請求項1~6のいずれかに記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法を実現する、造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置。
【請求項11】
請求項10に記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置、および前記造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置に接続される第三血流速度ユニットを備え、
前記第三血流速度ユニットは、安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度を取得するためのものである、
ことを特徴とする、
請求項7又は8のいずれかに記載の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置の作動方法を実現する、造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置。
【請求項12】
基体、いずれも前記基体に設けられる血圧採集装置及び請求項11に記載の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置、
を含む、
ことを特徴とする冠状動脈分析システム。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体であって、当該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されることにより請求項1~6のいずれかに記載の造影画像間隔時間に基づいて安静状態における血流速度を補正する装置の作動方法が実現されることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冠状動脈医学技術分野に関し、特に、造影画像間隔時間に基づいて血流速度を補正する方法、装置、冠状動脈分析システム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
冠状動脈微小循環機能異常が心筋虚血に与える影響は次第に注目されており、冠動脈系は心外膜冠動脈および微小循環からなる。
【0003】
一般的に、心外膜冠動脈狭窄の程度が50%以上であると、心筋供血不足をもたらし、臨床診断では虚血性心疾患とされる。しかし、臨床研究により、冠動脈微小循環異常も心筋供血不足をもたらす可能性があることが示されている。
【0004】
冠動脈微小循環とは細動脈及び細静脈の間の血液循環を指し、血液と組織細胞が物質交換するところである。研究では経皮的冠状動脈インターベンション治療術が成功した後の患者の冠動脈血流がグレードTIMI3に達したことを示しているが、まだ30%近くの患者に微小血管機能異常が見られ、予後不良をもたらしている。したがって、研究が進むにつれて、冠動脈微小血管機能異常は多くの心臓疾患の病理生理の一つの重要なメカニズムであることが次第に認識され、冠動脈微小循環機能状態を正確に評価する必要がある。
【0005】
冠動脈微小血管抵抗指数(index of microcirculatory resistance IMR)とは、冠動脈微小循環機能状況を評価する指標である。
【0006】
造影剤自体も血管に対して拡張作用を持ち、早くは1959年に、研究者により、イヌの冠動脈に造影剤を注射した後、冠動脈血流量が60%増加したことが発見され、造影剤は冠動脈微小循環の部分的な充血を誘発できることが示された。1985年の研究では、冠動脈臨界病変を有する患者の冠動脈に76%のジアトリゾエートメグルミンを注射した結果、明らかに病変間の圧差が増加したことが発見され、1995年には、研究者によりさらに、冠動脈に8mlのイオジキサノール270を注射した結果、最大血流量の59%を取得でき、そして、冠動脈にアデノシン200ugを注射した後も最大血流量の94%を得られることが確認された。2003年になると、基本的に造影剤の微小循環充血作用は明らかになったが、他の代表的な血管拡張剤の充血作用よりもまだやや弱い。後の研究により、造影剤の浸透圧作用は血管内皮細胞カリウムイオンチャネルの開放を促進でき、冠動脈微小循環の拡張を引き起こすことがわかった。
【0007】
造影剤のこれら薬理作用に基づき、臨床の専門家は造影剤がアデノシンに代わって微小循環充血を誘導することを研究し、具体的な操作はアデノシン等の冠動脈内経路投薬過程に似ている。
【0008】
現在、多くの研究で用いている造影剤の用量は5~10mlである。造影剤を注射した後、冠動脈微小循環が充血状態からベースライン状態まで回復する時間は平均12-30sである。冠動脈検査を行う時、技術者は検出血管に対して異なる体位角度から造影を行う。毎回、造影機のCアームを所定の角度に調節する時間は異なり、また、造影開始時間も少し異なるため、毎回、造影流速は前回の造影がベースライン状態まで回復したか否かの影響を受ける。
【発明の概要】
【0009】
本発明により提供される造影画像に基づいて血流速度及び微小循環パラメータを補正する方法及び装置によれば、従来技術において、前回の造影がベースライン状態まで回復したか否かが造影流速に与える影響を低減することができる。
【0010】
上記目的を実現するために、第一の態様において、本出願は以下の方法を提供する。
【0011】
造影状態において、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するステップと、
隣接する2回の造影剤ボーラス注入時の開始時間の差Δtを取得するステップと、
時間差Δtに基づき、補正係数Kを取得するステップと、
前記補正係数K、前記血流速度Vhに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得するステップと、
を含む、
造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法。
【0012】
任意選択的に、前記補正係数K、前記血流速度Vhに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得するステップは、
式Vj=Vh/Kに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得するステップ、
を含む、
上記の造影画像に基づいて血流速度を補正する方法。
【0013】
任意選択的に、前記時間差Δtに基づき、補正係数Kを取得するステップは、
Δt≧30sの場合、K=1であり、
20s≦Δt<30sの場合、1<K≦1.5であり、
10s<Δt<20sの場合、1.5<K<2.0であり、
Δt≦10sの場合、K=2である、
ことを含む、
上記の造影画像に基づいて血流速度を補正する方法。
【0014】
任意選択的に、前記造影状態において、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するステップは、
前記心周期区域内に含まれる冠状動脈造影画像フレーム数を取得すること、
を含み、
であり、
但し、Lは心周期区域内において造影剤が流れた血管長さを表し、Nは心周期区域に含まれる冠状動脈造影画像フレーム数を表し、fpsは画像の毎秒伝送フレーム数を表す、
上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法。
【0015】
任意選択的に、Lの取り得る値の範囲は50~150mmである、又はL=100mmである、
上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法。
【0016】
任意選択的に、前記平均血流速度Vhを測定する方法は、
造影剤遍歴距離アルゴリズム、Stewart-Hamiltonアルゴリズム、First-pass分布分析法、オプティカルフロー法または流体連続法を含む、
上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法。
【0017】
第二の態様において、本出願は以下の方法を提供する。
【0018】
上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法と、
安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度を取得するステップと、
を含む、
造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する方法。
【0019】
任意選択的に、前記の安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度を取得するステップは、
式Vmax=aVj+bに基づき、
但し、Vmaxは最大拡張血流速度を表し、aは取り得る値の範囲が1~3である定数を表し、bは取り得る値の範囲が50~300である定数を表す、
ことを含む、
上記の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する方法。
【0020】
第三の態様において、本出願は以下の方法を提供する。
【0021】
造影画像に基づき、心周期区域内における冠動脈入口圧の平均値Paを取得するステップと、
冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの圧力損失ΔPを取得するステップと、
上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法により取得された最大拡張血流速度Vmax、およびΔP、Paに基づき、補正後の冠状動脈微小循環血管評定パラメータを取得するステップと、
を含む、
造影画像に基づいて冠状動脈微小循環血管評定パラメータを補正する方法。
【0022】
第四の態様において、本出願は以下の装置を提供する。
【0023】
第一血流速度ユニット、時間差ユニット、補正係数ユニット及び第二血流速度ユニットを備え、
前記第一血流速度ユニットは前記第二血流速度ユニットに接続され、
前記補正係数ユニットは前記時間差ユニット、前記第二血流速度ユニットにそれぞれ接続され、
前記第一血流速度ユニットは、造影状態において、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するためのものであり、
前記時間差ユニットは、隣接する2回の造影剤ボーラス注入時の開始時間の差Δtを取得するためのものであり、
前記補正係数ユニットは、前記時間差ユニットが伝送した時間差Δtを受信し、補正係数Kを取得するためのものであり、
前記第二血流速度ユニットは、前記第一血流速度ユニットが送信した造影状態における平均血流速度Vhを受信し、そして前記補正係数ユニットが送信した補正係数Kを受信し、前記補正係数K、前記血流速度Vhに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得するためのものである、
上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法に用いられる造影画像に基づいて血流速度を補正する装置。
【0024】
第五の態様において、本出願は以下の装置を提供する。
【0025】
上記の造影画像に基づいて血流速度を補正する装置、および上記の造影画像に基づいて血流速度を補正する装置に接続される第三血流速度ユニットを備え、
前記第三血流速度ユニットは、安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度を取得するためのものである、
上記の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する方法に用いられる造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置。
【0026】
第六の態様において、本出願は以下のシステムを提供する。
【0027】
基体、いずれも前記基体に設けられる血圧採集装置及び上記の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置、
を含む、
冠状動脈分析システム。
【0028】
第七の態様において、本出願は以下のコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0029】
コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法を実現する、
コンピュータ記憶媒体。
【0030】
本出願の実施例により提供される方案は少なくとも以下の有益な效果を奏する。
【0031】
本出願により提供される造影画像に基づいて血流速度を補正する方法によれば、時間差Δtに基づき、補正係数Kを取得し、補正係数K、血流速度Vhに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得し、従来技術において前回の造影がベースライン状態まで回復したか否かが造影流速に与える影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
ここで説明する図面は本発明をさらに理解するためのものであり、本発明の一部分を構成し、本発明の概略的な実施例及びその記載は本発明を説明するためのものであり、本発明に対する不適切な限定を構成するものではない。
【0033】
図1図1は本出願の造影画像に基づいて血流速度を補正する方法の実施例1のフローチャートである。
図2図2は本出願の造影画像に基づいて冠状動脈微小循環血管評定パラメータを補正する方法のフローチャートである。
図3図3は参照画像である。
図4図4は分割される一つのターゲット画像である。
図5図5は分割される別のターゲット画像である。
図6図6は増幅した後のカテーテル画像である。
図7図7はカテーテル特徴点の二値化画像である。
図8図8は増幅した後のターゲット画像である。
図9図9は冠状動脈が存在する位置の区域画像である。
図10図10は結果画像である。
図11図11は横断面図である。
図12図12は縦断面図である。
図13図13は2つの体位造影画像である。
図14図14の左図は血管長さと血管直径の曲線図である。
図15図15図14の体位角度と冠動脈中心線を結合して生成した冠状動脈三次元構造図である。
図16図16は分割画像のフレーム数の図である。
図17図17は冠動脈入口圧測定図である。
図18図18はIMR測定図である。
図19図19は造影画像に基づいて血流速度を補正する装置の構造ブロック図である。
図20図20は造影画像に基づいて血流速度を補正する装置の別の構造ブロック図である。
図21図21は三次元モデリング装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の目的、技術方案及び長所がより明確になるように、以下に本発明の具体的な実施例及び対応する図面を組み合わせて本発明の技術方案を明瞭、完全に記載する。勿論、記載する実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行わずに得られる他の実施例もすべて本発明の保護範囲に入る。
【0035】
以下に図面により本発明の複数の実施形態を開示する。明確に説明できるよう、多くの実践的な細部を以下の記載において一緒に説明する。しかし、これら実践的な細部は本発明を限定するために用いられるのではないと理解されるべきである。つまり、本発明の一部の実施形態において、これら実践的な細部は必須事項ではない。この他、図を簡素化するために、一部の慣用的な構造や構成部材については図中で簡単に概略的に示すだけにする。
【0036】
現在、多くの研究で用いている造影剤の用量は5~10mlである。造影剤を注射した後、冠動脈微小循環が充血状態からベースライン状態まで回復する時間は平均12-30sである。冠動脈検査を行う時、技術者は検出血管に対して異なる体位角度から造影を行う。毎回、造影機のCアームを所定の角度に調節する時間は異なり、また造影開始時間も少し異なるため、毎回、造影流速は前回の造影がベースライン状態まで回復したか否かの影響を受ける。
【実施例
【0037】
実施例1
毎回、造影流速が前回の造影がベースライン状態まで回復したか否かの影響を受ける問題を解決するために、図1に示されるように、本出願は以下の造影画像に基づいて血流速度を補正する方法を提供する。
【0038】
S100 造影状態において、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するステップと、
S200 隣接する2回の造影剤ボーラス注入時の開始時間の差Δtを取得するステップと、
S300 時間差Δtに基づき補正係数Kを取得するステップと、
S400 補正係数K、血流速度Vhに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得するステップと、
を含み、
具体的な式はVj=Vh/Kである、
造影画像に基づいて血流速度を補正する方法。
【0039】
本出願の一つの実施例において、Δtは4つの状況に分かれてKに影響を与える。具体的には、以下のとおり。
(1)Δt≧30sの場合、K=1であり、
(2)20s≦Δt<30sの場合、1<K≦1.5であり、
(3)10s<Δt<20sの場合、1.5<K<2.0であり、
(4)Δt≦10sの場合、K=2である。
【0040】
本出願により提供される造影画像に基づいて血流速度を補正する方法によれば、時間差Δtに基づき補正係数Kを取得し、補正係数K、血流速度Vhに基づき、安静状態における血流速度Vjを取得し、従来技術において前回の造影がベースライン状態まで回復したか否かが造影流速に与える影響を低減することができる。
【0041】
本出願の一つの実施例において、S100のステップは、
造影剤輸送時間計算方法によりVhを取得する場合、
心周期区域内に含まれる冠状動脈造影画像フレーム数を取得すること、および、心周期区域内において造影剤が流れた血管長さを取得すること、を含み、

に基づき、Vhを計算し、
但し、Lは心周期区域内において造影剤が流れた血管長さを表し、Nは心周期区域に含まれる冠状動脈造影画像フレーム数を表し、fpsは画像の毎秒伝送フレーム数を表し、好ましくは、fps=15フレーム/秒である。
本出願の一つの実施例において、平均血流速度
を測定する方法は、
造影剤遍歴距離アルゴリズム、Stewart-Hamiltonアルゴリズム、First-pass分布分析法、オプティカルフロー法または流体連続法を含む。
【0042】
本出願の一つの実施例において、Lの取り得る値の範囲は50~150mmである、又はL=100mmである。
【0043】
実施例2
図2に示されるように、本出願は以下の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する方法を提供する。
【0044】
上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法と、
S500 安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度を取得するステップと、
を含み、
そのうち、
式Vmax=aVj+bに基づき、
但し、Vmaxは最大拡張血流速度を表し、aは取り得る値の範囲が1~3である定数を表し、bは取り得る値の範囲が50~300である定数を表す、ことを含む、
造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する方法。
【0045】
実施例2
図2に示されるように、本出願は以下のステップを含む、造影画像に基づいて冠状動脈微小循環血管評定パラメータを補正する方法を提供する。
【0046】
S001 造影画像に基づき、心周期区域内における冠動脈入口圧の平均値Paを取得するステップ。
具体的には、血圧採集装置によりPaをリアルタイムに測定する。
【0047】
S002 冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの圧力損失ΔPを取得するステップ。
当該ステップは以下を含む。
A、少なくとも2つの体位の冠動脈造影画像を抽出する。好ましくは、2つの体位の撮影角度は>30°である。
B、冠動脈造影画像に対して静態ノイズ及び動態ノイズを含むノイズ除去を行う。
そのうち、
静態ノイズは時間内に静止して変化しないノイズであり、例えば胸腔内の肋骨であり、
動態ノイズは時間内に変化するノイズであり、例えば一部の肺組織、一部の心臓組織であり、平均値フィルタリングにより、一部の動態ノイズを除去し、
そして、階調ヒストグラム解析により、閾値を用いて、さらにノイズ除去を行う。
C、冠動脈造影画像の干渉血管を除去し、図10に示される結果画像を得る。
そのうち、
カテーテルが現れる第一フレーム分割画像を図3に示される参照画像として定義し、完全な冠状動脈が現れた第kフレーム分割画像を図4及び図5に示されるターゲット画像として定義し、kは1よりも大きい正整数であり、
図3に示される参照画像から図4及び図5に示されるターゲット画像を差し引き、カテーテルの特徴点Oを抽出し、ノイズ除去した後の画像に対して画像増幅を行い、図6に示される増幅した後のカテーテル画像に対して二値化処理を行い、図3に示される具有一組のカテーテル特徴点Oを有する二値化画像を得て、
図4及び図5に示されるターゲット画像から図3に示される参照画像を差し引き、静態ノイズ及び動態ノイズを含むノイズを除去し、マルチスケールHessian行列を用いてノイズ除去した後の画像に対して画像増幅を行い、図8に示される増幅した後のターゲット画像における各区域とカテーテル特徴点の位置関係に基づき、冠状動脈の区域、即ち図9に示される冠状動脈が存在する位置の区域画像を確定して抽出し、
図9に示される冠状動脈が存在する位置の区域画像に対して二値化処理を行い、二値化冠状動脈画像を取得し、
二値化冠状動脈画像に対して形態学演算を行ってカテーテルの特徴点をシードポイントとし、二値化冠状動脈画像はシードポイントが存在する位置に基づき、動的領域拡張を行い、図10に示される結果画像を得る。
D、冠状動脈の延在方向に沿って、1枚ごとの結果画像の冠動脈中心線及び直径を抽出する。
E、1本ごとの冠動脈中心線及び直径を三次元空間に投射し、三次元モデリングを行い、冠状動脈三次元構造を取得する。
そのうち、
1枚ごとの冠動脈造影画像の体位撮影角度を取得し、1本ごとの冠動脈中心線を体位撮影角度および血管長さL値、血管直径D値と結合して三次元空間に投射し、冠状動脈三次元構造を生成する。
F、冠状動脈三次元構造に対して格子分割を行い、図11及び図12に示されるように、再構築された冠状動脈三次元構造に基づき、本出願の一つの実施例は標準的スイープ法を用いて格子分割を行い、構造的三次元六面体格子を生成し、さらに、再構築された冠動脈三次元モデルに基づき、本出願は他の方法(例えば:カット法、ミックス法)を用いて格子分割を行い、構造的三次元六面体格子を生成してもよい。
G、冠動脈中心線を縦軸とし、格子は前記冠動脈中心線に沿ってm個点に分割され、前記冠動脈中心線の各点に対応する横断面はn個ノードに分割され、ΔPiは前記冠動脈中心線上の第i個点の横断面上のすべてのノードの圧力の平均値、即ち冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの圧力損失ΔPを表し
前記圧力損失ΔPiは以下の式により計算され、
但し、P1は三次元構造格子中の第i個点の横断面上の第1ノードの圧力値を表し、P2は三次元構造格子中の第i個点の横断面上の第2ノードの圧力値を表し、Pnは第i個点の横断面上の第nノードの圧力値を表し、m、nはいずれも正整数であり、Pnの圧力値はナビエ-ストークス方程式により算出される。
【0048】
S003 実施例1~3による最大拡張血流速度Vmax、およびΔP、Paに基づき、補正後の冠状動脈微小循環血管評定パラメータを取得するステップ。
【0049】
冠状動脈微小循環血管評定パラメータが微小循環抵抗指数IMRである場合、IMR=(Pa-ΔP)×L/Vmaxである。
【0050】
本出願の最大拡張血流速度Vmaxにより取得されたIMR値はより正確であり、前回の造影時間および造影剤ボーラス注入時のボーラス注入圧力がIMR値計算の正確性に与える影響を低減することができる。
【0051】
実施例6
図19に示されるように、本出願は以下の造影画像に基づいて血流速度を補正する装置を提供する。
【0052】
第一血流速度ユニット100、時間差ユニット200、補正係数ユニット400及び第二血流速度ユニット500を備え、
第一血流速度ユニット100は第二血流速度ユニット500に接続され、
補正係数ユニット400は時間差ユニット200、第二血流速度ユニット500にそれぞれ接続され、
第一血流速度ユニット100は、造影状態において、冠動脈入口から冠動脈狭窄遠位までの平均血流速度Vhを取得するためのものであり、
時間差ユニット200は、隣接する2回の造影剤ボーラス注入時の開始時間の差Δtを取得するためのものであり、
補正係数ユニット400は、時間差ユニット200が伝送した時間差Δtを受信し、補正係数Kを取得するためのものであり、
第二血流速度ユニット500は、第一血流速度ユニット100が送信した平均血流速度Vhを受信し、そして補正係数ユニット400が送信した補正係数Kを受信し、補正係数K、血流速度Vhに基づき、安静状態血流速度Vjを取得するためのものである、
造影画像に基づいて血流速度を補正する装置。
【0053】
図20に示されるように、本出願の一つの実施例において、さらに、
第一血流速度ユニット100に接続される三次元モデリング装置600を備え、
三次元モデリング装置は、冠状動脈造影画像を読取、冠状動脈造影画像的一つの心周期区域を選び取り、心周期区域内の血管的長さLを測定し、三次元モデリングを行い、冠状動脈三次元構造を取得するためのものである、
造影画像に基づいて血流速度を補正する装置を提供する。
【0054】
図21に示されるように、本出願の一つの実施例において、
三次元モデリング装置600は、画像読み取りモジュール610、分割モジュール620、血管長さ測定モジュール630及び三次元モデリングモジュール640を備え、
分割モジュール620は画像読み取りモジュール610、血管長さ測定モジュール630、三次元モデリングモジュール640に接続され、
血管長さ測定モジュール630は第一血流速度ユニット100に接続され、
画像読み取りモジュール610は、造影画像を読み取るためのものであり、
分割モジュール620は、冠状動脈造影画像の一つの心周期区域を選び取るためのものであり、
血管長さ測定モジュール630は、心周期区域内の血管の長さLを測定し、血管の長さLを第一血流速度ユニット10に伝達するためのものであり、
三次元モデリングモジュール640は、分割モジュール620が選び取った冠動脈造影画像に基づき、三次元モデリングを行い、冠状動脈三次元構造を取得するためのものである、
造影画像に基づいて血流速度を補正する装置を提供する。
【0055】
実施例7
図21に示されるように、本出願は以下の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置を提供する。
【0056】
実施例6における造影画像に基づいて血流速度を補正する装置、および上記の造影画像に基づいて血流速度を補正する装置に接続される第三血流速度ユニット700を備え、
第三血流速度ユニット400は、安静状態における血流速度Vjに基づき、最大拡張血流速度Vmaxを取得するためのものである、
造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置を提供する。
【0057】
本出願の一つの実施例において、さらに、
前記第三血流速度ユニット400に接続される冠状動脈微小循環血管評定パラメータ測定装置、および前記冠状動脈微小循環血管評定パラメータ測定装置に接続される圧力損失測定モジュールを備える、
造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置を提供する。
【0058】
以下に具体的な例と合わせて本出願について具体的に記載する。
【0059】
図13に示されるように、これはある患者の撮影された2つの体位の冠動脈造影画像であり、左図の体位角度は右前斜位RAO:25°及び頭部方向CRA:23°であり、右図の体位角度は右前斜位RAO:3°及び頭部方向CRA:30°である。
【0060】
図14に示されるように、冠状動脈三次元構造の血管長さはL値=120mmであり、生成された冠状動脈三次元構造は図15に示され、
血管直径はD値=2~4mmであり、
図16に示されるように、
であり、
隣接する2回の造影剤ボーラス注入の開始時間の差は20s≦Δt<30sであるため、Kの値は1.1であり、
したがって、
j=300/1.1=272.7、
max=272.7+295=567.7、
図17に示されるように、Pa=100mmHg、
図18に示されるように、ΔP=7であり、
したがってIMR=(100-7)×120/567.7=19.66であり、
補正しない場合、算出されたIMR=(100-7)×120/(300+295)=18.75である。
【0061】
このように、係数Kによる補正前と補正後のIMRの測定結果の差は0.91であり、誤差は非常に大きい。したがって、係数を用いて血流速度に対して補正を行い、より正確な微小循環血管評価パラメータを取得することは必要であり、測定結果の正確性を高めることができる。
【0062】
本出願は以下の冠状動脈分析システムを提供する。
【0063】
基体、いずれも前記基体に設けられる血圧採集装置及び上記の造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置、を含み、
圧力損失測定モジュール、血圧採集装置、造影画像に基づいて最大拡張血流速度を補正する装置はいずれも冠状動脈微小循環血管評定パラメータ測定装置に接続される冠状動脈分析システム。
【0064】
本出願は以下のコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0065】
コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に上記の造影画像に基づいて安静状態における血流速度を補正する方法を実現するコンピュータ記憶媒体。
【0066】
当業者の認識として、本発明の各々の態様はシステム、方法、又はコンピュータプログラム製品として実現することができる。したがって、本発明の各々の態様は具体的に以下の形式として実現できる。即ち、完全なハードウエア実施形態、完全なソフトウエア実施形態(ファームウエア、常駐ソフトウエア、マイクロコード等を含む)、又はハードウエア及びソフトウエアの態様を組み合わせた実施形態、ここでは総じて“回路”、“モジュール”又は“システム”と称することができる。この他、一部の実施例において、本発明の各々の態様はさらに一つの又は複数のコンピュータ読み取り可能な媒体におけるコンピュータプログラム製品の形式として実現することができ、当該コンピュータ読み取り可能な媒体にはコンピュータ読み取り可能なプログラムコードが含まれる。本発明の実施例の方法及び/又はシステムの実施形態は手動的、自動的又はその組み合わせ方式により選択されたタスクを実行又は完成させることに関することができる。
【0067】
例えば、本発明の実施例に基づき選択されるタスクを実行するためのハードウエアをチップ又は回路として実現することができる。ソフトウエアとして、発明の実施例に基づき選択されるタスクを、コンピュータにより使用される如何なる適切な操作システムが実行する複数のソフトウエアコマンドとして実現できる。本発明の例示的な実施例において、本明細書の方法及び/又はシステムの例示的な実施例に基づく一つの又は複数のタスクをデータプロセッサにより実行できる。例えば、複数のコマンドを実行するための計算プラットフォーム。任意選択的に、当該データプロセッサはコマンド及び/又はデータを記憶するための揮発性メモリ及び/又はコマンド及び/又はデータを記憶するための不揮発性メモリを含む。例えば、磁気ハードディスク及び/又はリムーバブル媒体。任意選択的に、ネットワーク接続も提供する。任意選択的に、ディスプレイ及び/又は例えばキーボードやマウスなどのユーザ入力機器も提供する。
【0068】
一つの又は複数のコンピュータ読み取り可能な如何なる組み合わせも利用できる。コンピュータ読み取り可能な媒体はコンピュータ読み取り可能な信号媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、若しくは任意の以上の組み合わせとすることができるが、これらに限られない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の更なる具体的な例(全てを挙げるものではない)は以下を含む。
【0069】
一つの又は複数の導線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、書き換え可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、若しくは上記の任意の適切な組み合わせ。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体はプログラムを含む又は記憶する如何なる有形媒体とすることができ、当該プログラムはコマンド実行システム、装置又はデバイスにより使用される若しくはこれらと組み合わせて使用することができる。
【0070】
コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドに含まれる若しくは搬送波の一部として伝播できるデータ信号とすることができ、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを搭載できる。このように伝播されるデータ信号は複数の形式を採用でき、電磁信号、光信号又は上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限られない。コンピュータ読み取り可能な信号媒体はさらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の如何なるコンピュータ読み取り可能な媒体とすることができ、当該コンピュータ読み取り可能な媒体は、コマンド実行システム、装置又はデバイスにより使用される若しくはこれらと組み合わせて使用するプログラムを送信、伝播又は伝送できる。
【0071】
コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるプログラムコードは如何なる適切な媒体を用いて伝送することができ、無線、有線、光ケーブル、RF等、若しくは上記の任意の適切な組み合わせが含まれる(但しこれらに含まれない)。
【0072】
例えば、一つの又は複数のプログラミング言語の如何なる組み合わせでも本発明の各態様に用いられる操作を実行するためのコンピュータプログラムコードをプログラミングすることができ、例えばJava(登録商標)、Smalltalk、C++等のターゲット型プログラミング言語と通常プロセスのプログラミング言語、例えば“C”プログラミング言語又は類似したプログラミング言語を含む。プログラムコードは完全にユーザコンピュータ上で実行することも、一部をユーザコンピュータ上で実行することもでき、一つの独立したソフトウェアパッケージとして実行することも、一部をユーザコンピュータ上で、一部をリモートコンピュータ上で実行することもでき、若しくは完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することもできる。リモートコンピュータにかかる場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークによりユーザコンピュータに接続でき、若しくは、外部コンピュータに接続できる(例えばインターネットサービスプロバイダーによりインターネットを通じで接続する)。
【0073】
フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック及びフローチャート及び/又はブロック図中の各ブロックの組み合わせは、いずれもコンピュータプログラムコマンドにより実現できると理解されるべきである。これらコンピュータプログラムコマンドは汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され、一つの機器として生産することができ、これにより、これらコンピュータプログラムコマンドはコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサの実行時に、フローチャート及び/又はブロック図中の一つの又は複数のブロック中で規定される機能/動作を実現できる装置とすることができる。
【0074】
これらコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶することもでき、これらコマンドは、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の設備を特定な方式で作動させ、そして、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコマンドはフローチャート及び/又はブロック図中の一つの又は複数のブロック中で規定される機能/動作を実現できるコマンドを含む製品(article of manufacture)とすることができる。
【0075】
さらに、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理設備又は他の設備で一連の操作ステップを実行させるように、コンピュータ(例えば、冠状動脈分析システム)又は他のプログラム可能なデータ処理設備にコンピュータプログラムコマンドをロードすることができ、これにより、コンピュータ、他のプログラム可能な装置又は他の設備で実行されるコマンドが、フローチャート及び/又は一つの又は複数のブロック図のブロック中で指定される機能/動作を実現するためのプロセスを提供するように、コンピュータが実行するプロセスを生成することができる。
【0076】
本発明の以上の具体的な実例により、本発明の目的、技術方案及び有益な效果について、より詳細に説明した。以上は本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を限定するために用いられるものではなく、本発明の精神及び原則を逸脱しない限り、行われる如何なる修正、均等差し替え、改良なども、全て本発明の保護範囲に包含されると理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21