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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】取付物取付状態の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
G01L5/00 103D
G01L5/00 103E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020071697
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021167793
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000129758
【氏名又は名称】株式会社ケー・エフ・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100109243
【弁理士】
【氏名又は名称】元井 成幸
(72)【発明者】
【氏名】村田 眞司
(72)【発明者】
【氏名】荒澤 龍
(72)【発明者】
【氏名】浅見 淳
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-66667(JP,A)
【文献】米国特許第9483674(US,B1)
【文献】米国特許第10941802(US,B2)
【文献】欧州特許第2697521(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L5/00
-----------------------------------
本件出願を優先基礎とする国際特許出願PCT/JP2021/014740
の調査結果が利用された。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に取付物を取り付けているボルトとナットに介在するセンシングワッシャーに、負荷されている応力の応力相当値若しくは応力相当値を算出可能な所定値を検出可能なセンサと、前記センシングワッシャーの識別情報を記憶するワッシャー記憶部と、前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を通信部を介して送信するワッシャー制御部が設けられ、
管理処理装置が、前記センシングワッシャーから送信された前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を取得し、前記識別情報の前記センシングワッシャーの前記応力相当値若しくはこれに対応する応力値を記憶部に格納されている基準値との関係情報として提示し、
前記センシングワッシャーが、応力が負荷される起歪体と、前記起歪体の側面に固着された前記センサに相当する歪センサを有し、
前記センシングワッシャーの前記ワッシャー記憶部と前記ワッシャー制御部を収容するケーシングが、前記ナットから横に偏って張り出す位置に設けられているとともに、前記ワッシャー記憶部と前記ワッシャー制御部は、前記ナットで締め付けられる領域以外の領域に配置されており、
前記ワッシャー制御部が、前記起歪体の変形に対応して前記歪センサが検知する抵抗値を前記応力相当値として送信することを特徴とする取付物取付状態の管理システム。
【請求項2】
前記管理処理装置が、前記応力相当値若しくはこれに対応する応力値と前記基準値を対比し、前記基準値を超える場合に前記識別情報の前記センシングワッシャーに対応するナット締結の適正情報を前記関係情報として提示し、前記基準値以下の場合に前記識別情報の前記センシングワッシャーに対応するナット締結の不適正情報を前記関係情報として提示することを特徴とする請求項1記載の取付物取付状態の管理システム。
【請求項3】
前記管理処理装置が、前記応力相当値若しくはこれに対応する応力値を前記基準値と同時に前記関係情報として提示することを特徴とする請求項1又は2記載の取付物取付状態の管理システム。
【請求項4】
前記センシングワッシャーの前記通信部が絶縁性の前記ケーシングに収容されていると共に、
前記センシングワッシャーが、応力が負荷される金属製の前記起歪体を有し、
前記通信部が前記金属製の起歪体から離間して配置されていることを特徴とする請求項1~の何れかに記載の取付物取付状態の管理システム。
【請求項5】
前記センシングワッシャーの前記ワッシャー制御部の動作に必要な電力を、前記センシングワッシャーから送信された前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を前記管理処理装置に送信するリーダー若しくは前記管理処理装置からワイヤレス給電で供給することを特徴とする請求項1~の何れかに記載の取付物取付状態の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物にボルトとナットで取り付けられる取付物の取付状態を管理する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物にボルトとナットで取り付けられる取付物が適正状態で取り付けられていることの管理は、主として目視点検で行われており、ボルトとナットの締結の緩みを目視で確認している。そして、この目視点検を容易且つ確実にするために、合いマークを用いる点検が行われている。例えば図9に示すように、構造物に挿通されたボルト201に取付物200を外挿し、ボルト201にワッシャー202を介して緩み止めのダブルナットのナット203、204を螺合して取付物200を取り付ける構造において、適正な締結状態の確認後に、取付物200、ワッシャー202、ナット203、204の対応する位置に合いマーク200m、202m、203m、204mを付し、その後の点検時に、取付物200の合いマーク200m、ワッシャー202の合いマーク202m、ナット203、204の合いマーク203m、204mの位置が対応する位置で合っているかを近接して目視点検し、ナット締結のゆるみの有無を確認している。図9(a)はナット締結に緩みがなく適正状態である場合、図9(b)はナットが緩んでいる不適正状態の場合を示している。
【0003】
また、近接して目視ができないような高所の点検に対しては、特許文献1のように伸縮可能なポール部材にカメラを取り付けて撮影し、点検する方法や、特許文献2のようにドローン等の飛行体にカメラを取り付けて撮影し、撮影画像を受信して確認する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-181785号
【文献】特許第6619863号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ナット締結の状態を近接して目視点検したり、ポールや飛行体で撮影して点検するには、多くの人手と長い点検時間を要し、点検コストが高くなるという問題がある。更に、近接して目視確認したり、撮影画像を人為的に確認する点検方法では、不適正状態を見落とすリスクがあり、又、画像解析ソフトで撮影画像を解析して適正、不適正状態を点検する手法では、非常に高価な画像解析ソフトを用いる必要があり、点検コストが大幅に上昇するという問題がある。そのため、取付物の取り付けの適正状態と不適正状態を正確に把握することができ、短時間、低コストで点検作業を行えるシステムが求められている。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、取付物の取り付けの適正状態と不適正状態を正確に把握することができると共に、短時間、低コストで点検作業を行うことができる取付物取付状態の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の取付物取付状態の管理システムは、構造物に取付物を取り付けているボルトとナットに介在するセンシングワッシャーに、負荷されている応力の応力相当値若しくは応力相当値を算出可能な所定値を検出可能なセンサと、前記センシングワッシャーの識別情報を記憶するワッシャー記憶部と、前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を通信部を介して送信するワッシャー制御部が設けられ、管理処理装置が、前記センシングワッシャーから送信された前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を取得し、前記識別情報の前記センシングワッシャーの前記応力相当値若しくはこれに対応する応力値を記憶部に格納されている基準値との関係情報として提示することを特徴とする。
これによれば、センシングワッシャーに負荷されている応力の応力相当値、応力値の基準値との関係情報を提示することにより、当該センシングワッシャーに対応するナット締結の適正状態と不適正状態を正確に把握することができる。従って、ボルトとナットで取り付けられている取付物の取り付けの適正状態と不適正状態を正確に把握することができる。また、管理処理装置が、センシングワッシャーから送信された応力相当値とセンシングワッシャーの識別情報を取得し、関係情報を提示することにより、例えば管理処理装置或いはリーダーを自動車に積んで走行しながらセンシングワッシャーから送信される応力相当値とセンシングワッシャーの識別情報を受信すること等が可能となり、短時間、低コストで点検作業を行うことができる。また、センシングワッシャーから応力相当値とセンシングワッシャーの識別情報を通信部を介して送信することにより、高所、交通供用中の場所にも適用することができ、取付物取付状態の点検作業の安全性を高めることができる。また、取付物取付状態の点検作業時だけでなく、取付物取り付け直後の施工完了試験も本管理システムを用いて行うことが可能であり、又、従来の合いマーク付け作業を無くし、取付物の取り付けを適正に行う施工作業を省力化することができる。また、既に構造物に通常のワッシャーを介してボルトとナットで取り付けられている取付物に対しても、通常のワッシャーをセンシングワッシャーに交換して本管理システムを適用することが可能である。また、管理処理装置が、センシングワッシャーから送信される応力相当値とセンシングワッシャーの識別情報を取得し、当該識別情報のセンシングワッシャーの応力相当値若しくはこれに対応する応力値を記憶部に格納する処理を所定期間を開けて断続的に行う場合には、例えば定期点検記録として当該識別情報のセンシングワッシャーに対応する定量的な応力相当値若しくは応力値を定期点検記録として自動的に蓄積することができる。
【0008】
本発明の取付物取付状態の管理システムは、前記管理処理装置が、前記応力相当値若しくはこれに対応する応力値と前記基準値を対比し、前記基準値を超える場合に前記識別情報の前記センシングワッシャーに対応するナット締結の適正情報を前記関係情報として提示し、前記基準値以下の場合に前記識別情報の前記センシングワッシャーに対応するナット締結の不適正情報を前記関係情報として提示することを特徴とする。
これによれば、識別情報のセンシングワッシャーに対応するナット締結の適正情報を提示することにより、管理者の熟練度に拘わらず、取付物の取付状態の適正と不適正を正確且つ確実に把握することができる。
【0009】
本発明の取付物取付状態の管理システムは、前記管理処理装置が、前記応力相当値若しくはこれに対応する応力値を前記基準値と同時に前記関係情報として提示することを特徴とする。
これによれば、当該識別情報のセンシングワッシャーに対応する応力相当値若しくはこれに対応する応力値を基準値と同時に関係情報として提示することにより、例えばナット締結の状態、取付物の取付状態の補修が現時点で必要か不要か、ナット締結の状態、取付物の取付状態の補修が必要な時期はいつ位と予想されるか等の取付物の取付状態に関連する情報を管理者が迅速かつ正確に認識することができる。
【0010】
本発明の取付物取付状態の管理システムは、前記センシングワッシャーが、応力が負荷される起歪体と、前記起歪体に固着された前記センサに相当する歪センサを有し、前記ワッシャー制御部が、前記起歪体の変形に対応して前記歪センサが検知する抵抗値を前記応力相当値として送信することを特徴とする。
これによれば、ボルトとナットに介在するセンシングワッシャーの応力相当値として抵抗値を簡単に取得し、センシングワッシャーから送信することができる。
【0011】
本発明の取付物取付状態の管理システムは、前記センシングワッシャーの前記通信部が絶縁性のケーシングに収容されていると共に、前記センシングワッシャーが、応力が負荷される金属製の起歪体を有し、前記通信部が前記金属製の起歪体から離間して配置されていることを特徴とする。
これによれば、センシングワッシャーの通信部を絶縁性のケーシングに収容することにより、ケーシングが金属製等の導電性である場合に生ずる通信信号の減衰を無くし良好な通信性能を確保することができる。また、センシングワッシャーの通信部を金属製の起歪体から離間して配置することにより、導電性の起歪体と通信部が密接している場合に生ずる通信信号の減衰を無くし良好な通信性能を確保することができる。
【0012】
本発明の取付物取付状態の管理システムは、構造物に取付物を取り付けているボルトとナットに介在するセンシングワッシャーに、負荷されている応力の応力相当値若しくは応力相当値を算出可能な所定値を検出可能なセンサと、前記センシングワッシャーの識別情報を記憶するワッシャー記憶部と、前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を通信部を介して送信するワッシャー制御部が設けられ、管理処理装置が、前記センシングワッシャーから送信された前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を取得し、前記識別情報の前記センシングワッシャーの前記応力相当値若しくはこれに対応する応力値を記憶部に格納されている基準値との関係情報として提示し、前記センシングワッシャーが、応力が負荷される起歪体と、前記起歪体の側面に固着された前記センサに相当する歪センサを有し、前記センシングワッシャーの前記ワッシャー記憶部と前記ワッシャー制御部を収容するケーシングが、前記ナットから横に偏って張り出す位置に設けられているとともに、前記ワッシャー記憶部と前記ワッシャー制御部は、前記ナットで締め付けられる領域以外の領域に配置されており、前記ワッシャー制御部が、前記起歪体の変形に対応して前記歪センサが検知する抵抗値を前記応力相当値として送信することを特徴とする。
これによれば、センシングワッシャーのケーシングをナットから横に偏って張り出すように設けることにより、センシングワッシャーにワッシャー記憶部とワッシャー制御部の収容スペースを確保しつつ、例えば取付物を取り付けている隣のボルトに螺合されたナットとセンシングワッシャーの干渉を防止することができる。また、センシングワッシャーのケーシングを敢えて小型化せず、起歪体から横に偏って張り出す形状とすることにより、センシングワッシャーをより低コストで製造することができると共に、ナット締結箇所にセンシングワッシャー及びセンサが設置されていることを目視で分かり易くすることができる。
【0013】
本発明の取付物取付状態の管理システムは、前記センシングワッシャーの前記ワッシャー制御部の動作に必要な電力を、前記センシングワッシャーから送信された前記応力相当値と前記センシングワッシャーの識別情報を前記管理処理装置に送信するリーダー若しくは前記管理処理装置からワイヤレス給電で供給することを特徴とする。
これによれば、センシングワッシャー側に設置するバッテリーを不要にし、センシングワッシャーの形状の小型化、低コスト化、長寿命化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の取付物取付状態の管理システムによれば、取付物の取り付けの適正状態と不適正状態を正確に把握することができると共に、短時間、低コストで点検作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による実施形態の取付物取付状態の管理システムの全体構成を示すブロック図。
図2】実施形態の取付物取付状態の管理システムで用いられるセンシングワッシャーとボルトとナットを示す斜視図。
図3】(a)、(b)は実施形態の取付物取付状態の管理システムで用いられるセンシングワッシャーの例を示す斜視図。
図4】実施形態で用いられるセンシングワッシャーとボルトとナットで取付物を構造物に取り付けた状態を示す部分斜視図。
図5】実施形態の取付物取付状態の管理システムで点検時に行われる通信を説明する説明図。
図6】実施形態の取付物取付状態の管理システムを用いて行われる取付物の取り付け、定期点検、補修作業の流れを示すフローチャート。
図7】実施形態の取付物取付状態の管理システムを用いて蓄積される点検記録データの概念説明図。
図8】実施形態の取付物取付状態の管理システムをアンカーボルトに適用する例の説明図。
図9】(a)は従来の合いマークを用いる点検でナット締結に緩みがなく適正状態である場合を示す図、(b)は従来の合いマークを用いる点検でナットが緩んでいる不適正状態の場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施形態の取付物取付状態の管理システム〕
本発明による実施形態の取付物取付状態の管理システムは、構造物80にボルト60とナット70で取り付けられる附属設備等の取付物90の取付状態を管理するシステムであり、図1に示すように、管理処理装置10と、リーダー20と、センシングワッシャー30から構成される。
【0017】
管理処理装置10は、センシングワッシャー30から取り込んだ情報に基づき取付物90の取付状態を点検、管理する装置であり、例えば専用サーバ或いはパーソナルコンピュータ等で構成される。管理処理装置10は、MPU、CPU等の制御部11と、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、ROM、RAM等で構成される記憶部12と、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力部13と、ディスプレイ、プリンター等の出力部14と、管理処理装置10を無線或いは有線の通信回線に接続する通信インターフェイス15を備える。管理処理装置10は通信インターフェイス15により通信回線を介してリーダー20と通信接続される。
【0018】
記憶部12は、取付物90の取付状態の適性を判定する適正判定プログラムを含む所定の制御プログラムが格納されているプログラム格納部121を有し、制御部11は、所定の制御プログラムに従って所定の処理を実行し、適正判定プログラムと協働して取付物90の取付状態の適性を判定する適正判定部111として所定の処理を実行する。
【0019】
記憶部12は、取付物90の取付状態の適性と不適正を判定するための基準として、センシングワッシャー30にナット締結で負荷される荷重で発生する応力値の基準値を基準値格納部122に格納している。この基準値には、適正なナット締結で発生する応力値と不適正なナット締結で発生する応力値の境界の閾値が設定されており、適正判定部111は、この設定された基準値を用いて、特定のセンシングワッシャー30から取り込んだ応力値と基準値を対比し、特定のセンシングワッシャー30が介在するナット締結の適正と不適正を判定する処理を実行する。
【0020】
また、記憶部12には点検記録格納部123が設けられ、点検記録格納部123には、定期点検時における各識別情報のセンシングワッシャー30に発生している応力値がセンシングワッシャー30の識別情報と対応して格納されている。点検記録格納部123には、適正判定部111の処理や所要情報の入力に応じて、例えば特定のセンシングワッシャー30の識別情報、特定の識別情報のセンシングワッシャー30に対して点検を実施した日付、特定の識別情報のセンシングワッシャー30に点検時に発生している応力値、特定の識別情報のセンシングワッシャー30で取り付けられている取付物90の識別情報等が対応して格納され、これらの情報が各識別情報のセンシングワッシャー30に対して格納されると共に、これらの情報が各点検実施時毎に格納され、経時的に蓄積される。
【0021】
リーダー20は、センシングワッシャー30と無線通信を実行し、センシングワッシャー30にワイヤレス給電で動作に必要な電力を供給すると共に、センシングワッシャー30から無線通信でセンシングワッシャー30の識別情報と当該無線通信時にセンシングワッシャー30に発生している応力相当値を取得する機器である。
【0022】
リーダー20は、CPU等の制御部21と、ROM、RAM、フラッシュメモリ等で構成される記憶部22と、操作キーや操作パネル等で構成される操作部23と、リーダー20を無線或いは有線の通信回線に接続する通信インターフェイス28を備え、記憶部22のプログラム格納部221には、制御部21に所定処理を実行させるための所定の制御プログラムが格納されている。
【0023】
更に、リーダー20は、センシングワッシャー30のセンサモジュール36を構成するセンシングユニット38との通信と、センシングユニット38へのワイヤレス給電を担うセンサ通信用制御回路24及び送受信を行うコイルアンテナ等のセンサ通信用通信部26を有する(図1図3参照)。センサ通信用制御回路24は、センサ通信用通信部26の電波が到達する範囲内のセンシングワッシャー30から応力相当値を取得する処理を行う。
【0024】
更に、リーダー20は、センシングワッシャー30のセンサモジュール36を構成するRFタグ37との通信と、RFタグ37へのワイヤレス給電を担うRFID通信用制御回路25及び送受信を行うコイルアンテナ等のRFID通信用通信部27を有する(図1図3参照)。RFID通信用制御回路24は、RFID通信用通信部27の電波が到達する範囲内のセンシングワッシャー30から当該センシングワッシャー30の識別情報を取得する処理を行う。
【0025】
リーダー20は、所定の制御プログラムと協働する制御部21の制御により、RFID通信用制御回路25とセンサ通信用制御回路24が所定の動作を実行して、交信範囲内のセンシングワッシャー30から、このセンシングワッシャー30の識別情報と通信時の応力相当値を無線通信で取得し、取得したセンシングワッシャー30の識別情報とその応力相当値を対応する形式で通信インターフェイス28を介して管理処理装置10に送信する。尚、センシングユニット38へのワイヤレス給電と、RFタグ37へのワイヤレス給電の方式は、電波式或いは電磁誘導式のいずれでもよく、又、センシングユニット38とRFタグ37のワイヤレス給電や通信の方式は同一の方式とすることが好ましい。
【0026】
センシングワッシャー30には、図3(a)又は図3(b)に示すように、センサモジュール36を構成するRFタグ37とセンシングユニット38が設けられ、例えば合成樹脂等の非金属製のケーシング35など絶縁性のケーシング35に収容されている。センシングワッシャー30のRFタグ37は、送受信を行うコイルアンテナ等のRFID通信部41と、RFID通信制御回路42と、フラッシュメモリ、EEPROM等のRFID記憶部43とから構成され、RFID通信制御回路42の動作に必要な電力はリーダー20からワイヤレス給電で供給される(図1図3参照)。RFID記憶部43には、RFタグ37を収容しているセンシングワッシャー30の識別情報が格納されており、RFID通信制御回路42は、リーダー20との通信でワイヤレス給電された際にRFID記憶部43からセンシングワッシャー30の識別情報を読み出し、RFID通信部41を介してリーダー20にセンシングワッシャー30の識別情報を送信する。
【0027】
センシングワッシャー30のセンシングユニット38は、送受信を行うコイルアンテナ等のセンサ通信部51と、センサ通信制御回路52と、フラッシュメモリ、EEPROM等のセンサ記憶部53とから構成され、センサ通信制御回路52の動作に必要な電力はリーダー20からワイヤレス給電で供給される(図1図3参照)。センサ記憶部53には、センサ通信制御回路52を制御する所定の制御プログラムが格納されており、所定の制御プログラムと協働するセンサ通信制御回路52は、リーダー20との通信でワイヤレス給電された際に、センシングワッシャー30に負荷されている応力の応力相当値を検出可能なセンサに相当する歪センサ33から、応力相当値として起歪体34の変形に対応して歪センサ33が検知する抵抗値を取得し、センサ通信部51を介してリーダー20に応力相当値に相当する抵抗値を送信する。
【0028】
本実施形態におけるRFタグ37のRFID記憶部43とセンサユニット38のセンサ記憶部53は、センシングワッシャー30の識別情報を記憶するワッシャー記憶部32を構成し、RFタグ37のRFID通信制御回路42とセンサユニット38のセンサ通信制御回路52は、応力相当値とセンシングワッシャー30の識別情報をRFID通信部41とセンサ通信部51から構成される通信部を介して送信するワッシャー制御部31を構成しており、いずれもケーシング35に収容されている(図1図3参照)。また、センシングワッシャー30におけるワッシャー制御部31、通信部、ワッシャー記憶部32、換言すればRFタグ37とセンシングユニット38は、後述する起歪体34から離間して配置されている。
【0029】
センシングワッシャー30のセンシングユニット38のセンサ通信制御回路52は、図1図3に示すように、応力が負荷されるリング形状の起歪体34に接着等で固着された歪センサ33に接続されている。センシングワッシャー30は、例えば図2に示すように、頭部61と軸部の雄ねじ部62で構成される六角ボルト等のボルト60と、雌ねじ部71を有する六角ナット等のナット70と組み合わせて用いられ、起歪体34の中心穴にボルト60の雄ねじ部62を挿通し、構造物80に取付物90を取り付けているボルト60とナット70に介在するようにしてセンシングワッシャー30が設置され、金属製等の起歪体34に応力が負荷される。
【0030】
また、本実施形態におけるセンシングワッシャー30のケーシング35は、図3(a)に示すものは、リング形状の起歪体34と同心円状ではなく、締結方向に対して横に偏ったレーストラック形状で形成され、起歪体34はケーシング35の一方の弧状部に寄った位置に配置されている。そのため、ボルト60とナット70にセンシングワッシャー30を介在させた状態では、ケーシング35はナット70から横に偏って張り出す位置に設けられ、この張り出した部分に、RFタグ37及びセンシングユニット38、或いはワッシャー記憶部32とワッシャー制御部31が収容される。また、ケーシング35は、図3(b)に示すように起歪体34と同心円状に形成されたものを用いても良い。
【0031】
本実施形態の取付物取付状態の管理システムを使用する際には、例えば図4に示すような構造体80に、ボルト60とナット70にセンシングワッシャー30を介在させた状態でナット締めを行い、附属設備等の取付物90を取り付ける(S101、図6参照)。そして、取付物取付の施工完了時点における取付状態の点検、施工確認を行う(S102)。尚、取付物取付の施工完了時点における取付状態の点検、施工確認も、後述するセンシングワッシャー30の応力相当値、応力値を取得する定期点検と同様の方法で行っても良好である。
【0032】
その後、取付物90の取り付けから一定期間経過後に取付物90の取付状態の定期点検を行う(S103)。定期点検では、図5に示すように、構造物80に取付物90をナット締めで取り付けているボルト60とナット70に介在するセンシングワッシャー30とリーダー20で通信を行い、リーダー20でセンシングワッシャー30にワイヤレス給電を行うと共に、センシングワッシャー30の識別情報と、そのセンシングワッシャー30の起歪体34のナット締めの締付力による変形量に対応する歪センサ33の抵抗値(応力相当値)を無線通信でセンシングワッシャー30からリーダー20が取得する。このセンシングワッシャー30の識別情報と応力相当値に対応する抵抗値のセンシングワッシャー30からの取得は、静止した状態のリーダー20で行ってもよく、徒歩や車両等で移動するリーダー20で行ってもよい。
【0033】
リーダー20が取得したセンシングワッシャー30の識別情報とこのセンシングワッシャー30の応力相当値に対応する抵抗値は、通信回線を介してリーダー20から管理処理装置10に送信され、管理処理装置10が受信し、取得する(図1図5参照)。換言すれば、管理処理装置10は、センシングワッシャー30から送信された応力相当値に対応する抵抗値とセンシングワッシャー30の識別情報をリーダー20を介して取得する。
【0034】
管理処理装置10の適正判定部111は、適正判定プログラムに変更可能に設定されている設定乗数を取得した抵抗値に乗算して取得した識別情報のセンシングワッシャー30の応力値を取得し、取得した応力値と基準値格納部122から読み出した基準値を対比し、取得した応力値が基準値を超える場合には、取得した識別情報のセンシングワッシャー30に対応するナット締結の適正情報を基準値との関係情報として出力部14で提示し、取得した応力値が基準値以下の場合には、取得した識別情報のセンシングワッシャー30に対応するナット締結の不適正情報を基準値との関係情報として提示する(S104、図6図1参照)。
【0035】
尚、センシングワッシャー30の応力値を基準値との関係情報として提示する場合、特定の識別情報のセンシングワッシャー30の応力値と基準値を同時に出力部14のディスプレイ等に出力する形で応力値を基準値との関係情報として提示するようにしてもよく、更に、図7のように、特定の識別情報のセンシングワッシャー30の応力値と基準値を同時に提示すると共に、点検毎の経時的な特定の識別情報のセンシングワッシャー30の応力値の変化を示すようにしてもよい。
【0036】
図7の例では、縦軸をセンシングワッシャー30の応力値、横軸を施工完了時からの期間経過とし、識別情報○のセンシングワッシャー30の応力値の定期点検毎の経時的な変化と、識別情報×のセンシングワッシャー30の応力値の定期点検毎の経時的な変化を示している。識別情報○のセンシングワッシャー30の応力値は、経時的に行われた全定期点検で基準値を上回る適正な締付力に対応する結果になっており、識別情報×のセンシングワッシャー30の応力値は、ある時点の定期点検で基準値未満となり、基準値以下の補修推奨領域になったことを示している。図7の識別情報○のセンシングワッシャー30の応力値の若干の上下変動は、季節や日照条件によってボルト60に伸縮が生じ、それに起因してセンシングワッシャー30の応力値が上下するものであるが、この上下変動は、点検時に別途取得した気温等の条件により管理処理装置10の適正判定プログラムで補正を行っても良い。
【0037】
また、上述の例では、センシングワッシャー30が歪センサ33から取得した抵抗値を応力相当値としてセンシングワッシャー30からリーダー20に送信しているが、応力相当値にはセンシングワッシャー30の応力に相当する適宜の値を用いることが可能であり、用いる応力相当値の種別に応じたセンサを使用することが可能である。更に、応力値自体を応力相当値とすることも可能である。応力値自体を応力相当値にする場合には、例えばセンサ通信制御回路52が応力値である応力相当値を算出可能な所定値として歪センサ33から抵抗値を取得し、センサ通信制御回路52が、センサ記憶部53の所定の制御プログラムに従い、抵抗値から応力相当値の応力値を取得し、取得した応力値をリーダー20に送信する構成等とする。
【0038】
そして、管理処理装置10の関係情報の提示により、ナット締結が不適正なセンシングワッシャー30に対応するボルト60及びナット70の締結箇所があり、その場所を把握した後、ナット締結が不適正な場所の取付物90及びそのナット締結について詳細調査を行い、取付物90の取付状態の補修作業を行う(S105、図6参照)。
【0039】
本実施形態の取付物取付状態の管理システムによれば、取付物90の取付に用いられているセンシングワッシャー30に負荷されている応力の応力相当値、応力値の基準値との関係情報を提示することにより、センシングワッシャー30に対応するナット締結の適正状態と不適正状態を正確に把握することができる。従って、ボルト60とナット70で取り付けられている附属設備等の取付物90の取り付けの適正状態と不適正状態を正確に把握することができる。また、管理処理装置10が、センシングワッシャー30から送信された応力相当値とセンシングワッシャー30の識別情報を取得し、関係情報を提示することにより、例えばリーダー20を自動車に積んで走行しながらセンシングワッシャー30から送信される応力相当値とセンシングワッシャー30の識別情報を受信すること等が可能となり、短時間、低コストで点検作業を行うことができる。
【0040】
また、センシングワッシャー30から応力相当値とセンシングワッシャー30の識別情報を通信部を介して送信することにより、高所、交通供用中の場所にも適用することができ、取付物取付状態の点検作業の安全性を高めることができる。また、取付物取付状態の点検作業時だけでなく、取付物取り付け直後の施工完了試験も本管理システムを用いて行うことが可能であり、又、従来の合いマーク付け作業を無くし、取付物90の取り付けを適正に行う施工作業を省力化することができる。また、既に構造物80に通常のワッシャーを介してボルト60とナット70で取り付けられている取付物90に対しても、通常のワッシャーをセンシングワッシャー30に交換して本管理システムを適用することが可能である。
【0041】
また、管理処理装置10が、センシングワッシャー30から送信される応力相当値とセンシングワッシャー30の識別情報を取得し、当該識別情報のセンシングワッシャー30の応力相当値若しくはこれに対応する応力値を記憶部12の点検記録格納部123に格納する処理を所定期間を開けて断続的に行う場合には、例えば定期点検記録として当該識別情報のセンシングワッシャー30に対応する定量的な応力相当値若しくは応力値を定期点検記録として自動的に蓄積することができる。
【0042】
また、特定の識別情報のセンシングワッシャー30に対応するナット締結の適正情報と不適正情報を提示する場合、管理者の熟練度に拘わらず、取付物90の取付状態の適正と不適正を正確且つ確実に把握することができる。また、特定の識別情報のセンシングワッシャー30に対応する応力相当値若しくはこれに対応する応力値を基準値と同時に関係情報として提示する場合には、例えばナット締結の状態、取付物90の取付状態の補修が現時点で必要か不要か、ナット締結の状態、取付物90の取付状態の補修が必要な時期はいつ位と予想されるか等の取付物90の取付状態に関連する情報を管理者が迅速かつ正確に認識することができる。
【0043】
また、センシングワッシャー30のワッシャー制御部31が、起歪体34の変形に対応して歪センサ33が検知する抵抗値を応力相当値として送信する場合には、ボルト60とナット70に介在するセンシングワッシャー30の応力相当値として抵抗値を簡単に取得し、センシングワッシャー30から送信することができる。
【0044】
また、センシングワッシャー30におけるワッシャー制御部31、及びRFタグ37のRFID通信部41とセンシングユニット38のセンサ通信部51から構成される通信部を絶縁性のケーシング35に収容することにより、ケーシングが金属製等の導電性である場合に生ずる通信信号の減衰を無くし良好な通信性能を確保することができる。また、起歪体34が金属製である場合に、センシングワッシャー30におけるワッシャー制御部31、及びRFタグ37のRFID通信部41とセンシングユニット38のセンサ通信部51から構成される通信部を金属製の起歪体34から離間して配置することにより、導電性の起歪体とワッシャー制御部31及び通信部が密接している場合に生ずる通信信号の減衰を無くし良好な通信性能を確保することができる。尚、RFID通信部41とセンサ通信部51から構成される通信部をRFタグ37やセンシングユニット38のそれ以外の部分と別に離間して配置可能な場合に、センシングワッシャー30の通信部だけを絶縁性のケーシング35に収容すると共に、通信部を金属製とする起歪体34から離間して配置してもよく、少なくとも、通信部を絶縁性のケーシング35に収容すると共に、金属製とする起歪体34から離間して配置すれば、上記と同様に通信信号の減衰を無くし良好な通信性能を確保する効果を得ることができる。
【0045】
また、センシングワッシャー30のケーシング35をナット70から横に偏って張り出すように設けることにより、センシングワッシャー30にワッシャー記憶部32とワッシャー制御部31の収容スペースを確保しつつ、例えば取付物90を取り付けている隣のボルト60に螺合されたナット70とセンシングワッシャー30の干渉を防止することができる。また、センシングワッシャー30のケーシング35を敢えて小型化せず、起歪体34から横に偏って張り出す形状とすることにより、センシングワッシャー30をより低コストで製造することができると共に、ナット締結箇所にセンシングワッシャー30及び歪センサ33等のセンサが設置されていることを目視で分かり易くすることができる。
【0046】
また、センシングワッシャー30のワッシャー制御部31の動作に必要な電力を、リーダー20からワイヤレス給電で供給することにより、センシングワッシャー30側に設置するバッテリーを不要にし、センシングワッシャー30の形状の小型化、低コスト化、長寿命化を図ることができる。
【0047】
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記内容や変形例も含まれる。
【0048】
本発明の取付物取付状態の管理システムが適用され、センシングワッシャー30が介在されるナット締結のボルトとナットは上記実施形態のボルト60とナット70に限定されず適宜であり、例えば図8に示すアンカーボルト60aとアンカーボルト60aの雄ねじ部62aに螺合されるナット70の組み合わせによるナット締結箇所にセンシングワッシャー30を介在させても良好である。図8の例では、構造物80aにアンカーボルト60aが打設され、構造物80aから突出するアンカーボルト60aの雄ねじ部62aに取付プレート100a、附属設備等の取付物90aが外挿され、その外側にセンシングワッシャー30が配置され、更にその外側からナット70が雄ねじ部62aに螺合され、締結されている。この例でも、上記実施形態と同様、センシングワッシャー30からリーダー20にセンシングワッシャー30の識別情報と応力相当値が送信され、更にこれらの情報がリーダー20から管理処理装置10に送信される。
【0049】
また、上記実施形態では、リーダー20と管理処理装置10を別体としたが、リーダー20の構造と機能を備える専用電子機器等の管理処理装置を用い、この管理処理装置で、センシングワッシャー30から送信された応力相当値とセンシングワッシャー30の識別情報を直接受信して取得する構成とすることも可能である。この場合には、リーダー20の構造と機能を備える管理処理装置でセンシングワッシャー30のワッシャー制御部31の動作に必要な電力をワイヤレス給電で供給し、センシングワッシャー30と通信を行う。
【0050】
また、上記実施形態では、センサモジュール36をRFタグ37とセンシングユニット38で構成したが、RFタグ37のRFID通信制御回路42を歪センサ33に接続し、リーダー20との通信、ワイヤレス給電時に、所定の制御プログラムに従うRFID通信制御回路42が、センシングワッシャー30の識別情報と歪センサ33の応力相当値に対応する抵抗値を取得し、取得したセンシングワッシャー30の識別情報と応力相当値に対応する抵抗値をRFID通信部41を介してリーダー20に送信する構成、換言すればセンサモジュール36をRFタグ37だけで構成することも可能である。
【0051】
また、ケーシング35のナット70から横に偏って張り出す位置に設けられる形状は、上記例の締結方向に対して横に偏ったレーストラック形状に限定されず適宜であり、例えば扇形形状のケーシング35とし、扇形の弧状辺が横に偏って外側に張り出す形状等としても好適である。尚、本発明におけるケーシングは、横に張り出す位置に設けられる形状に限定されず、例えば起歪体34の外周に同心円状で環状に形成された形状のケーシングとすることも可能である。また、上記例では、センシングワッシャー30を通常のワッシャーに代えて設置する構成としたが、センシングワッシャー30と通常のワッシャーの双方をボルト60、60aとナット70等に介在させてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、センシングワッシャー30に設置するバッテリーがないパッシブ形式のRFタグ37、センシングユニット38でセンサモジュール38を構成したが、センシングワッシャー30にバッテリーがあるアクティブ形式のセンサモジュールを設け、アクティブ形式のセンサモジュールから本発明におけるリーダー或いは管理処理装置がセンシングワッシャー30の識別情報と応力相当値を無線通信で受信する構成とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、例えば構造物にボルトとナットで取り付けられた取付物の取付状態を点検する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…管理処理装置 11…制御部 111…適正判定部 12…記憶部 121…プログラム格納部 122…基準値格納部 123…点検記録格納部 13…入力部 14…出力部 15…通信I/F 20…リーダー 21…制御部 22…記憶部 221…プログラム格納部 23…操作部 24…センサ通信用制御回路 25…RFID通信用制御回路 26…センサ通信用通信部 27…RFID通信用通信部 28…通信I/F 30…センシングワッシャー 31…ワッシャー制御部 32…ワッシャー記憶部 33…歪センサ 34…起歪体 35…ケーシング 36…センサモジュール 37…RFタグ 38…センシングユニット 41…RFID通信部 42…RFID通信制御回路 43…RFID記憶部 51…センサ通信部 52…センサ通信制御回路 53…センサ記憶部 60…ボルト 61…頭部 62…雄ねじ部 60a…アンカーボルト 62a…雄ねじ部 70…ナット 71…雌ねじ部 80、80a…構造物 90、90a…取付物 100a…取付プレート 200…取付物 200m…合いマーク 201…ボルト 202…ワッシャー 202m…合いマーク 203、204…ナット 203m、204m…合いマーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9