(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】盗難防止機構およびそれを備えるゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
(21)【出願番号】P 2018199458
(22)【出願日】2018-10-23
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】土手 真悟
(72)【発明者】
【氏名】東條 正悟
【審査官】右田 純生
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-122509(JP,A)
【文献】特開2007-054192(JP,A)
【文献】特開2012-170653(JP,A)
【文献】特開2011-045644(JP,A)
【文献】特開2010-284276(JP,A)
【文献】特開2010-269011(JP,A)
【文献】特開2009-039303(JP,A)
【文献】特開2008-000446(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0603176(KR,B1)
【文献】特開2017-176629(JP,A)
【文献】登録実用新案第3206539(JP,U)
【文献】登録実用新案第3206536(JP,U)
【文献】特開2011-050612(JP,A)
【文献】特開2010-188037(JP,A)
【文献】国際公開第2005/025704(WO,A1)
【文献】特開2011-053988(JP,A)
【文献】特開平07-334738(JP,A)
【文献】実開昭55-078280(JP,U)
【文献】TOPICS Special 落ちそうで落ちないドキドキ感を巧みに演出!プライズ機の新たな定番シリーズを目指す TRYPOD(トライポッド),月刊アミューズメントジャーナル 2017年11月号,2017年10月30日,第17巻, 第11号,p.34-37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/30
A63F 5/04
A63F 11/00
A63F 13/00-13/98
G07F 9/00
G07F 11/16-11/26
G07F 17/32-17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が設置されるゲーム空間と、前記景品を取出し可能な景品取出空間と、前記ゲーム空間と前記景品取出空間とを連通させる開口と
、前記景品取出空間に移動した前記景品を前記景品取出空間から取り出すための第2のフラップと有するゲーム装置に用いられる盗難防止機構であって、
前記開口の平面視で、前記開口の少なくとも一部と重なるように設けられた第1のフラップと、
前記第1のフラップの支軸に設けられ、前記景品取出空間内に取り付けられる取付部と、を有し、
前記ゲーム空間に位置する前記景品が前記第1のフラップと接触したとき、前記第1のフラップは、前記景品の自重により、前記景品が前記景品取出空間に移動するように構成され
、
前記第2のフラップがその基端を中心軸として回動したとき、前記第2のフラップの一部は、前記第1のフラップの一部と接触するように構成されていることを特徴とする盗難防止機構。
【請求項2】
前記第1のフラップは、前記開口の直下に設けられている請求項1に記載の盗難防止機構。
【請求項3】
前記第1のフラップは、前記景品を受ける第1の領域と、前記支軸を介して基端側に位置する第2の領域とを含み、
前記第2の領域は、前記支軸の近傍で屈曲している請求項1または2に記載の盗難防止機構。
【請求項4】
前記第2のフラップの前記一部が前記第1のフラップと重なったとき、
前記第1のフラップは、前記第2のフラップの上方に位置する請求項
1ないし3のいずれかに記載の盗難防止機構。
【請求項5】
前記第1のフラップは、前記景品と接触するときの第1の位置と、前記景品が前記景品取出空間に移動するときの第2の位置との間で回動し、
前記第2のフラップは、景品取出口を塞ぐ閉じた位置から回動し、
前記第1の位置における前記第1のフラップの先端は、
前記閉じた位置における前記第2のフラップに向かって傾斜している請求項
1ないし4のいずれかに記載の盗難防止機構。
【請求項6】
前記第1のフラップの基端側に設けられた錘部をさらに有する請求項1ないし
5のいずれかに記載の盗難防止機構。
【請求項7】
前記取付部は、前記第1のフラップの側面から突出するように形成された突出部を有する請求項1ないし
6のいずれかに記載の盗難防止機構。
【請求項8】
前記突出部は、板片を有し、
前記板片は、前記第1のフラップが前記景品を受けていないとき、前記景品取出空間に設けられた一対のセンサーの間に設けられている請求項
7に記載の盗難防止機構。
【請求項9】
景品が設置されるゲーム空間と、前記景品を取出し可能な景品取出空間と、前記ゲーム空間と前記景品取出空間とを連通させる開口と、
前記景品取出空間に移動した前記景品を前記景品取出空間から取り出すための第2のフラップと、盗難防止機構と、を有するゲーム装置であって、前記盗難防止機構は、
前記開口の平面視で、前記開口の少なくとも一部と重なるように設けられた第1のフラップと、
前記第1のフラップの支軸に設けられ、前記景品取出空間内に取り付けられる取付部と、を有し、
前記ゲーム空間に位置する前記景品が前記第1のフラップと接触したとき、前記第1のフラップは、前記景品の自重により、前記景品が前記景品取出空間に移動するように構成され
、
前記第2のフラップがその基端を中心軸として回動したとき、前記第2のフラップの一部は、前記第1のフラップの一部と接触するように構成されていることを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難防止機構およびゲーム装置、特に、景品の盗難を防止する盗難防止機構およびそれを備えるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、景品を獲得するゲーム装置として、クレーンゲーム装置が知られている。このようなクレーンゲーム装置は、ゲーム空間から景品取出空間に落下した景品を取り出すための景品取出し扉を有している(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示のゲーム装置は、景品が不正に取り出されることを防止するために、景品取出し扉に加え、傾斜仕切板を備える。しかしながら、このゲーム装置の傾斜仕切板は、景品取出空間に向かって傾斜している。そのため、景品取出し口から、傾斜仕切板の先端と、景品取出し扉との間を通って、ゲーム空間まで手を入れることが可能である。したがって、ゲーム空間に位置する景品を不正に取得されてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ゲーム空間に位置する景品を不正に取得されない、簡易な盗難防止機構およびそれを備えるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、下記(1)~(10)の本発明により達成されることができる。
【0007】
(1)景品が設置されるゲーム空間と、前記景品を取出し可能な景品取出空間と、前記ゲーム空間と前記景品取出空間とを連通させる開口と有するゲーム装置に用いられる盗難防止機構であって、
前記開口の少なくとも一部と重なるように設けられた第1のフラップと、
前記第1のフラップの支軸に設けられ、前記景品取出空間内に取り付けられる取付部と、を有し、
前記ゲーム空間に位置する前記景品が前記第1のフラップと接触したとき、前記景品は、自重により、前記景品取出空間に移動するように構成されていることを特徴とする盗難防止機構。
【0008】
(2)前記第1のフラップは、前記開口の直下に設けられている上記(1)に記載の盗難防止機構。
【0009】
(3)前記第1のフラップは、前記景品を受ける第1の領域と、前記支軸を介して基端側に位置する第2の領域とを含み、
前記第2の領域は、前記支軸の近傍で屈曲している上記(1)または(2)に記載の盗難防止機構。
【0010】
(4)前記ゲーム装置は、前記景品取出空間に移動した前記景品を前記景品取出空間から前記ゲーム装置の外部に取り出すための第2のフラップをさらに有し、
前記第2のフラップがその基端を中心軸として回動したとき、前記第2のフラップの一部は、前記第1のフラップの一部と重なるように構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の盗難防止機構。
【0011】
(5)前記第2のフラップの前記一部が前記第1のフラップと重なったとき、
前記第1のフラップは、前記第2のフラップの上方に位置する上記(4)に記載の盗難防止機構。
【0012】
(6)前記第1のフラップは、前記第2のフラップに向かって傾斜している上記(4)または5に記載の盗難防止機構。
【0013】
(7)前記第1のフラップの基端側に設けられた錘部をさらに有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の盗難防止機構。
【0014】
(8)前記取付部は、前記第1のフラップの側面から突出するように形成された突出部を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の盗難防止機構。
【0015】
(9)前記突出部は、板片を有し、
前記板片は、前記第1のフラップが前記景品を受けていないとき、前記景品取出空間に設けられた一対のセンサーの間に設けられている上記(8)に記載の盗難防止機構。
【0016】
(10)景品が設置されるゲーム空間と、前記景品を取出し可能な景品取出空間と、前記ゲーム空間と前記景品取出空間とを連通させる開口と、盗難防止機構と、を有するゲーム装置であって、前記盗難防止機構は、
前記開口の少なくとも一部と重なるように設けられた第1のフラップと、
前記第1のフラップの支軸に設けられ、前記景品取出空間内に取り付けられる取付部と、を有し、
前記ゲーム空間に位置する前記景品が前記第1のフラップと接触したとき、前記景品は、自重により、前記景品取出空間に移動するように構成されていることを特徴とするゲーム装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゲーム空間に位置する景品を不正に取得されない、簡易な盗難防止機構およびそれを備えるゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は部分斜視図、(b)および(c)は側面図、(d)は上面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部の取り付け状態を模式的に示す図である。(a)は全ての景品支持部が第1の状態であり、(b)は4本の景品支持部が第1の状態であることを示す。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の斜視断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構の動作状態を説明するための概略側断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構の動作状態を説明するための概略側断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構の動作状態を説明するための概略側断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構の動作状態を説明するための概略側断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構の動作状態を説明するための概略側断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の盗難防止機構の他の構成例を模式的に示す概略側断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の第3実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図16】
図16は、本発明の第4実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の盗難防止機構の説明に先立って、当該盗難防止機構を含むゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0020】
<<第1実施形態>>
1.ゲーム装置
図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図2は、ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図3は、ゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。
図4は、ゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は部分斜視図、(b)および(c)は側面図、(d)は上面図である。
図5は、ゲーム装置の景品支持部の取り付け状態を模式的に示す図である。(a)は全ての景品支持部が第1の状態であり、(b)は4本の景品支持部が第1の状態であることを示す。
【0021】
図1に示すように、本発明のゲーム装置1は、ゲーム空間215から開口41を介して景品取出空間223に景品を落下させるゲーム装置である。このようなゲーム装置1は、筺体2と、操作部3と、規定部4と、景品支持部5と、操作指示部6と、盗難防止機構7と、記憶部8と、制御部9と、検知部11とを有する。以下、各部の構成を説明する。
【0022】
<筐体>
筺体2は、箱状に形成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有している。筐体2の形状は、特に限定されず、三角柱状、楕円柱状、円柱状などに変更できる。筐体2は、筐体上部21と、筐体下部22とで構成されている。
【0023】
(筐体上部)
筐体上部21は、フレームと、矩形の上面211と前面212と、後面213と、2枚の台形の側面とで構成された角柱状に形成されている。後述するゲームフィールドを含めて筐体上部21ということもある。ゲーム装置1は、クレーンゲーム装置とは異なり、クレーンアームを備えていない。そのため、
図1に示すように、前面212を鉛直軸Zに対して、後面213側に傾斜させることができる。これにより、プレイヤが景品の設置状況を鉛直上方から確認することができるため、どのようにプレイすれば景品を獲得できるか予測しやすくなる。なお、各面は、適宜透明部材で構成されていているので、ゲームフィールドを外から視認することができる。筐体上部21とゲームフィールド(規定部4)によって画成された空間が、景品を獲得するゲーム空間215となっている。
【0024】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上面上で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、記憶部8や制御部9を収納することに用いられる。筐体下部22は、景品取出口221と、景品取出板222、景品取出空間223とを有する。
【0025】
景品取出口221は、筐体下部22の前面に設けられている。景品取出口221は、景品取出空間223から景品を取り出す機能を有し、矩形の形状に形成されている。景品取出板(第2のフラップ)222は、景品取出口221を塞ぐように、景品取出口221の上部に設けられている。景品取出板222は、景品取出口221に対応して矩形状に形成されている。景品取出空間223は、筐体下部22内に設けられ、後述する規定部4の開口41を介してゲーム空間215と連通する。景品取出空間223は、筐体下部22の内部の側面、底面、後面、景品取出板222、およびゲームフィールドで構成される空間である(例えば、
図6参照)。
【0026】
<操作部>
操作部3は、筐体下部22の上面端部に設けられ、円柱状の押ボタンで構成されている。操作部3は、プレイヤからの入力情報を受け付ける機能を有している。ゲーム装置1では、押ボタンへの1回の操作で景品支持部5が変位する。そのため、操作部3は、一つのみの押ボタン31で構成されている。押ボタン31の数は特に限定されず、2以上であってもよい。また、操作部3は、ゲーム装置1の構成に応じて、操作用スティックやベッティング用表示画面を含んでいてもよい。
【0027】
<規定部>
規定部4は、筐体上部21と筐体下部22との間に設けられ、ゲームフィールドとして機能する。また、規定部4は、景品を落下させる開口41を規定する機能を有する。規定部4は、平板状に形成されている。また、規定部4は、その一部が切り抜かれた開口41と、開口41を構成する内周面に設けられた複数の連結部42とを有する。
【0028】
開口41は、
図1に示すように、円形状に形成されている。この開口41は、ゲーム空間215と景品取出空間223とを連通するよう構成され、景品が落下するようになっている。開口41の数は、特に限定されず、2以上の複数であってもよい。また、開口41の形状は、特に限定されず、楕円形状、多角形状、矩形状、または湾曲形状等であってもよい。
【0029】
連結部42は、後述する景品支持部5を取り付ける機能を有する。
図3に示すように、複数の連結部42は、開口41を構成する内周面に沿って連続して設けられている。本実施形態では、連結部42は、16個の連結部42で構成されているが、1つの連結部42で構成されていてもよい。
【0030】
各連結部42は、前記内周面に向かって凹没する凹部421と、当該凹部421に収容される結合部422と、結合部422を係止する係止部423と、結合部422(景品支持部5)の第1の状態と第2の状態とを切り替えるスイッチ424とを有する。
【0031】
凹部421は、開口41に直面するとともに、景品取出空間223にも直面している。すなわち、凹部421は、
図3に示すように、正面視で「П」字状に形成されている。凹部421は、その底面に緩衝材(図示しない)が設けられている。
【0032】
結合部422は、景品支持部5を嵌合する機能を有する。そのため、結合部422は、景品支持部5が第1の状態にあるとき、凹部421から突出するように構成され(
図3の真中)、景品支持部5が第2の状態にあるとき、凹部421に収容されるように構成されている(
図3の左側)。結合部422は、本体4221と、本体4221の先端面の両端から突出する2つの第1嵌合部4222と、2つの第1嵌合部4222の間に位置する板状の第2嵌合部4223と、を有する。
【0033】
本体4221は、その基端で後述する係止部423に係止される。
【0034】
第1嵌合部4222は、その先端からさらに伸びる突起を有する。この突起は、結合部422と景品支持部5とが嵌合された時、後述するスリット部511に挿通される。そのため、第1嵌合部4222は、景品支持部5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部5を確実に結合部422に固定することができる。
【0035】
第2嵌合部4223は、2つの第1嵌合部4222の間で、本体4221の先端面から突出する。第2嵌合部4223は、その下面に3つ(複数)のリブが形成されている。このリブは、第2嵌合部4223の突出方向に沿って形成されている。リブは、結合部422と景品支持部5とが嵌合された時、後述する窓部512に挿通される。そのため、第2嵌合部4223は、景品支持部5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部5を確実に結合部422に固定することができる。
【0036】
係止部423は、凹部421の上部に設けられ、結合部422を所定の角度で係止する機能を有する。係止部423は、鉛直軸Z(凹部421の底面)に対して0~90°の範囲で本体4221の基端を係止する。これにより、結合部422の取付角度により、景品支持部5の景品取出空間223からの高さや、凹部421の底面に対する景品支持部5の角度を変更することができる。
【0037】
係止部423が結合部422を係止すると、結合部422は、
図3に示すように、凹部421から突出するように構成される(第1の状態)。結合部422の係止を解除すると、結合部422は、
図3に示すように、凹部421に収容されるように構成される(第2の状態)。すなわち、結合部422は、係止部423を中心軸として、鉛直軸Zに対して90°回転し、凹部421に収容される。これにより、結合部422は、鉛直下方を向くことになる。係止部423の解除は、スイッチ424や制御部9により、手動または自動で行ってもよい。
【0038】
スイッチ424は、連結部42同士の間に設けられている。スイッチ424をONにすることで、結合部422を第1の状態で係止することができる。一方、スイッチ424をOFFにすることで、係止を解除し、結合部422を凹部421に収容することができる。スイッチ424は、手動でオン・オフしてもよく、自動でオン・オフしてもよい。
【0039】
<景品支持部>
景品支持部5は、規定部4に設けられ、景品を支持するよう機能する。景品支持部5の数は特に限定されず、1つでも複数であってもよい。本実施形態では、景品支持部5の数は、規定部4の連結部42の数に対応して16本となっている。景品支持部5の形状は、特に限定されず、棒状、長尺状、平板状、プレート状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。景品支持部5の長さも特に限定されず、同一でも、異なっていてもよい。
【0040】
また、景品支持部5の外径(幅および/または厚み)は、その基端から先端にかけて漸減していてもよい。これにより、第1の状態において、景品支持部5同士の間隙が大きくなり、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。
【0041】
また、景品支持部5は、規定部4に対して、レイアウトを変更可能(取り外し可能)に設けられている。これにより、連結部42に対して、景品支持部5の取付位置を変更することができる。例えば、長さ、外径、形状の異なる景品支持部5、様々な演出部材(例えば、複数の棘部)を備える景品支持部5を交換して取り付けることができる。したがって、景品の載置方法の種類や、ゲームの難易度を変更することができる。その結果、ゲーム管理者が、ゲームの構成を自在に設定することができ、プレイヤを継続的に楽しませることができる。
【0042】
景品支持部5は、
図4に示すように、取付部51と、外径漸減部52と、載置部53と、を有する。
【0043】
取付部51は、
図4(a)の斜視図に示すように、箱状に形成され、連結部42の結合部422に対応する大きさに形成されている。取付部51は、結合部422を包含する(受け取る)ように取り付けられる。このため、取付部51は、
図4(b)の側面図に示すように、後述する傾斜面522が上方(後述する一つの平面が下方)を向いた状態(以下、「通常状態」)のまま、結合部422に取り付けられる。また、取付部51は、
図4(c)の側面図に示すように、傾斜面522が下方(一つの平面が上方)を向いた状態、すなわち通常状態を反転した状態(以下、「反転状態」)で、結合部422に取り付けられる。
【0044】
取付部51は、
図4(a)に示すように、その奥面に、2つのスリット部511と、当該スリット部511の間に設けられた窓部512とを有する。スリット部511は、
図3に示す結合部422の第1嵌合部4222の突起を挿通できる大きさに構成されている。このスリット部511に、第1嵌合部4222の突起が挿通されることで、第1嵌合部4222がスリット部511に係止される。
【0045】
窓部512は、結合部422の第2嵌合部4223を挿通できる大きさに構成されている。この窓部512に、第2嵌合部4223が挿通されることで、第2嵌合部4223のリブにより、第2嵌合部4223が窓部512に係止される。これにより、景品支持部5は連結部42の結合部422に確実に連結される。
【0046】
外径漸減部52は、取付部51と連結されている。外径漸減部52は、
図4(b)、(c)の側面図および
図4(d)の上面図に示すように、上面(第1の面)521と、上面521から傾斜した傾斜面(第2の面)522と、2つの側面(第3の面)523と、底面(第1の対向面)524とで構成された角柱状に形成されている。外径漸減部52の上面521と、取付部51の上面とは、連続して一つの面を構成するように形成されている。傾斜面522は、上面521から底面524に向かって傾斜している。これにより、外径漸減部52は、徐々に漸減した外径(高さ)を有する。また、
図4(d)に示すように、傾斜面522だけでなく、側面523も先端に向けてテーパー付けされている。これにより、外径漸減部52において、景品との接触面積が減少するので、景品の支持が不安定になる。その結果、景品支持部5が第1の状態から第2の状態へと変位した際、景品が予想外に動く可能性が高まり、プレイヤを楽しませることができる。
【0047】
載置部53は、
図4(b)、(c)の側面図および
図4(d)の上面図に示すように、外径漸減部52に連結し、外径漸減部52から直線状に延在する。載置部53の上面(載置面)は、外径漸減部52の傾斜面522と連続して形成されている。載置部53は、景品を載置する機能を有する。
図4に示すように、載置部53は、長尺の角柱状に形成されているが、棒状、平板状、長尺板状、半円状、円状などの形状であってもよい。載置部53の径は、特に限定されないが、景品を載置できるよう、所定の径を有する。当該径は、載置部53の基端から先端にかけて一定であってもよく、外径漸減部52からテーパー付けられていても良い。載置部53の長さは、特に限定されず、開口41を介して、対向する連結部42に届くような長さであってもよく、開口41の半径に相当するような長さでもよく、外径漸減部52と同程度の長さでも良い。
【0048】
以上のような景品支持部5は、
図4(b)の側面図で示されるように、外径漸減部52の底面524と載置部53の下面(第2の対向面)とが連続して一つの平面を構成している。また、取付部51が箱状に形成されているため、
図4(b)の通常状態、
図4(c)の反転状態でも連結部42に取り付けることができる。これにより、景品支持部5を結合部422に取り付けたときに、通常状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh1となり(
図4(b))、反転状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh2となる。このように、景品支持部5の取り付け方によって、取付部51の下面から載置部53の上面までの距離(以下、「景品支持部5の高さ」ともいう)を変更することができる。その結果、景品支持部5を結合部422に取り付けたときに、景品支持部5の載置部53が不規則に整列する。
【0049】
次に、景品支持部5が規定部4に連結された構成を
図5に示す。
図5(a)に示すように、景品支持部5は、取付部51で、規定部4の連結部42に取り付けられている。景品支持部5は、開口41の中心に向かって、開口41の径方向に沿って延在している。これにより、景品支持部5は、景品を支持可能な状態(第1の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421から突出した状態(第1の状態)となっている。
【0050】
また、
図5(b)に示すように、結合部422の係止が解除されると、景品支持部5は、景品取出空間223に向かって、鉛直下方向に沿って延在する。これにより、景品支持部5は、景品の支持を解除した状態(第2の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421に収容された状態(第2の状態)となっている。
【0051】
なお、
図5(b)に示すように、ゲーム管理者が、4本の景品支持部5を第1の状態にし、その他の景品支持部5を予め第2の状態にしてゲームを実行することもできる。これにより、管理者は、ゲームの難易度を調整することができる。このように、景品支持部5は、そのレイアウトを変更可能に構成されている。
【0052】
<操作指示部>
操作指示部6は、プレイヤにどの景品支持部5を動作させるかを指示する機能を有する。操作指示部6は、開口41に対応して規定部4上に設けられている。すなわち、操作指示部6は、景品支持部5や開口41を囲むように開口41の周方向に沿って設けられている。本実施形態では、操作指示部6は、景品支持部5と同心状(円環状)に設けられている。
【0053】
操作指示部6は、
図1に示すように、複数のブロック体61で構成されている。なお、ブロック体61の数は特に限定されず、1個であっても、2個以上の複数であってもよい。本実施形態では、ブロック体61の数は32個である。
【0054】
複数のブロック体61は、景品支持部5と隣接して景品支持部5と対応するように設けられた16個の対応ブロック体61aと、対応ブロック体61a同士の間に設けられ、景品支持部5に対応しないように設けられた16個の非対応ブロック体61bとで構成されている。すなわち、対応ブロック体61aと、非対応ブロック体61bとが、交互に設けられている。
【0055】
各ブロック体61は、ほぼ直方体状をなしており、その内部に表示装置611が設けられている。表示装置611としては、例えば、LEDや液晶モニタなどが挙げられる。
【0056】
図5では、1つのブロック体61について、8個(複数)のLEDが示されている。なお、
図5では、その他のブロック体61の表示装置611を省略している。表示装置611の点灯および点滅は、後述する制御部9により制御される。
【0057】
本実施形態では、対応ブロック体61aと景品支持部5とが、1対1で対応して設けられているが、これに限定されない。例えば、連続して設けられた複数(例えば2~8本)の景品支持部5に対応するように、1つの対応ブロック体61aが設けられていてもよい。
【0058】
<検知部>
検知部11は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する。検知部11は、部材の動作を検知できれば、設置場所は限定されない。また、検知部11は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、赤外線センサー、光電センサー、位置感知センサー等の各種センサーで構成される。
【0059】
本実施形態のゲーム装置1は、第1の検知部と、第2の検知部と、第3の検知部とを有する。第1の検知部は、連結部42の結合部422(景品支持部5)が第2の状態にあることを検知する。そのため、第1の検知部は、連結部42付近で、図示しない連結部駆動機構に設けられている。これにより、後述する動作制御部93が適切に動作することができる。
【0060】
第2の検知部は、景品が景品取出空間223に存在するか否を検知する。第2の検知部は、景品取出空間223を構成する両側面に設けられている。第2の検知部は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。第3の検知部は、後述するように、盗難防止機構7に異常がないか否かを検知する。第3の検知部は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。詳細は後述される。
【0061】
【0062】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムや、音情報等を保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、ブロック体61の表示装置611の点滅速度や、順次点滅する方向(点滅方向)、対応ブロック体61aの点滅モード等の点滅パターンを記憶する。また、記憶部8は、複数の景品支持部5と複数のブロック体61とを対応させた対応表を記憶する。
【0063】
また、記憶部8は、
図5(b)に示すように、ゲームに使用される景品支持部5の番号および対応ブロック体61aの番号、第1の状態にある景品支持部5の番号および対応ブロック体61aの番号、第2の状態にある景品支持部5の番号および対応ブロック体61aの番号などを記憶する。
【0064】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0065】
(情報取得部)
情報取得部91は、各種情報を取得する機能を有している。具体的に、情報取得部91は、操作部3からの入力情報、各景品支持部5の状態(第1の状態や第2の状態)の情報、操作部3への入力時に点灯していた表示装置611(プレイヤにより選択されたブロック体61)を特定する情報、検知部11が検知した情報、入力部からの入力情報などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0066】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、操作部3への入力により点灯したブロック体61の情報と、記憶部8が記憶している対応表とに基づいて、対応する景品支持部5の有無を特定する。また、対応する景品支持部5が有る場合には、情報処理部92は、その番号を特定し、特定された景品支持部5の動作を、動作制御部93に指示する。
【0067】
(動作制御部)
動作制御部93は、景品支持部5および操作指示部6の動作を制御する機能を有している。動作制御部93は、各ブロック体61に内蔵された表示装置611が順次点滅するように、対応表に基づいてその点灯および点滅を制御する。さらに、動作制御部93は、点滅方向を時計回りや反時計回りに制御することや、点滅速度を自在に制御することもできる。これにより、例えば、点滅速度を遅くしてゲームの難易度を低くすることができ、点滅速度を速くしてゲームの難易度を高くすることができる。また、その点滅方向や点滅速度をランダムに変更すれば、ゲームの難易度をより高くすることもできる。
【0068】
ブロック体61の表示装置611は、所定のプログラムに従ってまたはランダムに点滅するように制御される。例えば、表示装置611は、時計回りまたは反時計回りに順次点滅するように制御される。これにより、ブロック体61の表示装置611は、所定の方向に順次点滅していき、プレイヤは、変位させたい景品支持部5に対応するブロック体61の表示装置611が点灯する瞬間を狙って押ボタン31を押圧する。押圧した時に点灯していた表示装置611のみを点灯させることで、表示装置611のブロック体61に対応する景品支持部5の有無がプレイヤに示される。
【0069】
動作制御部93は、情報処理部92が対応表から特定した番号の景品支持部5を第1の状態から第2の状態へ変位するよう制御する。すなわち、景品支持部5が取り付けられている連結部42の結合部422を第1の状態から第2の状態へ変位するように制御する。このような変位は、結合部422(景品支持部5)ごとになされてもよく、複数の景品支持部5で同時になされてもよい。これにより、景品支持部5を1つずつまたは複数同時変更することができるので、ゲームの難易度を変更することができる。
【0070】
2.盗難防止機構
さて、本発明のゲーム装置1は、
図6に示すように、筐体下部22内に盗難防止機構7を有する。以下、図面を用いて、本発明の盗難防止機構7を説明する。
図6は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の斜視断面図である。
図7は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【0071】
本発明の盗難防止機構7は、ゲーム空間215にある景品が開口41および景品取出空間223を通って、景品取出口221から盗難されることを防止する機能を有する。盗難防止機構7は、
図6に示すように、筐体下部22の景品取出空間223内に設けられている。このような盗難防止機構7は、フラップ(第1のフラップ)71と、錘部72と、取付部73とを有する。以下、盗難防止機構7の各部を説明する。
【0072】
(フラップ)
フラップ71は、景品取出空間223から開口41への侵入を防止する機能と、景品を受ける機能とを有する。フラップ71は、景品を受けるように位置された初期位置(第1の位置)から、景品がフラップ71から離脱するように位置された開放位置(第2の位置)まで回動する。この回動により、フラップ71は、初期位置において、景品取出空間223から開口41への侵入を防止することができ、開放位置において、景品を景品取出空間223に導くことができる。
【0073】
このようなフラップ71は、
図6に示すように、景品取出空間223内で、鉛直Z軸方向において開口41の少なくとも一部と重なるように、開口41の直下に設けられている。フラップ71は、第2の状態の景品支持部5と接触しないような位置に設けられている。フラップ71は、平面視で、少なくとも半分の開口41と重なっている。このような構成にすることで、景品を確実に受けることに加え、景品取出空間223から開口41への侵入を防止することができる。
【0074】
フラップ71の形状は、特に限定されず、円形状、方形状、板状、箱状等に形成されていてもよい。本実施形態では、フラップ71は、板部材で、側面視「ヘ」の字状に形成されている。フラップ71を側面視で「ヘ」の字状にすることで、重心が錘部72側に傾くため、狭い景品取出空間223でも確実にフラップ71を回動させることができる。
【0075】
このフラップ71は、平面状の第1の領域711と、支軸(取付部73)を介して第1の領域711と反対側の第2の領域712とを含む。第1の領域711は、ゲーム空間215から落下した景品を受け取る領域である。第1の領域711は、初期位置において、景品取出口221側に傾斜している。これにより、景品が第1の領域711を滑ることができるので、景品取出空間223への景品の落下を促進することができる。
【0076】
ゲーム装置の水平面(ゲームフィールド)X1に対する、第1の領域711の傾斜角度θ1は、特に限定されないが、0~30°程度であることが好ましく、5~20°程度であることがより好まく、5~15°であることが最も好ましい。このような角度により、景品取出板222が回動したときに、景品取出板222の先端がフラップ71の先端に当接することができる。その結果、景品取出板222の先端と、フラップ71の先端とが重なり、景品取出空間223から開口41への侵入を確実に防止することができる。
【0077】
第2の領域712は、初期位置において、取付部73付近から傾斜(屈曲)した状態になっている。第2の領域712が屈曲していることにより、錘部72を容易に取り付けることができる。また、第2の領域712の面積を大きくすることができるので、第2の領域712の部分の重さを大きくすることができる。その結果、第1の領域711と第2の領域712とのバランスを確実に取ることができる。第2の領域712の傾斜領域は、開放位置において、開口41とほぼ平行に、水平状態になってもよい。第1の領域711に対する、第2の領域712の傾斜角度θ2は、特に限定されないが、20~50°程度であることが好ましい。このような角度により、景品取出空間223内でフラップ71をバランスよく取り付けることができる。
【0078】
(錘部)
錘部72は、支軸を中心軸として、フラップ71の第1の領域711と、第2の領域712とのバランスをとる機能を有する。すなわち、錘部72は、開放位置にあるフラップを初期位置に戻す機能を有する。錘部72は、第2の領域712の基端に沿って、長尺状に設けられている。錘部72は、これに限定されず、間欠的に設けられていてもよい。また、錘部は、図示しない留め具などにより、基端に吊るされていてもよい。
【0079】
錘部72は、角柱状に形成されている。しかしながら、錘部72の形状はこれに限定されず、球状、水滴状、円柱状、円筒状、棒状などであってもよい。このような錘部72は、複数の板状部材が積層された積層体で構成されている。すなわち、錘部72は、複数の長尺状の板状部材を積層することによって形成されている。板状部材を増減することにより、第1の領域と、第2の領域との間のバランスを容易に調整することができる。第1の領域711と第2の領域712とが釣り合う限り、積層する板状部材の数や各板状部材の重さは、特に限定されない。
【0080】
本発明では、フラップ71の第1の領域711と第2の領域712とのバランスが取れる限り、盗難防止機構7は、上述したような錘部72を設けていなくてもよい。フラップ71自体の形状や材質を変更することにより、第1の領域711と第2の領域712とのバランスがとれればよい。具体的に、
図8に示すように、第2の領域712が屈曲することにより、第2の領域712自体が錘部の機能を有していてもよい。また、第2の領域712の材料が第1の領域711の材料よりも重い材料で形成されることにより、第2の領域712自体が錘部の機能を有していてもよい。このように、本発明の盗難防止機構7は、少なくともフラップ71と取付部73とを有していればよい。
【0081】
(取付部)
取付部73は、フラップ71を、筐体下部22に接続する機能を有する。取付部73は、フラップ71の支軸上に設けられている。そのため、取付部73は、支軸を中心軸として、フラップ71を回動させる機能を有する。この支軸は、フラップ71の第1の領域711と、第2の領域712との間に存在する。
【0082】
本実施形態の取付部73は、支軸に沿って、フラップ71上に設けられている。そのため、取付部73は、長尺の板状体731で構成されている。取付部73は、
図7に示されるように、フラップ71の側面から突出するように、板状体731の両端に設けられた突出部732を有する。突出部732は、支軸に沿って形成された取付孔7321と、取付孔7321に隣接して設けられた、センサー用の貫通孔7322とを有する。
【0083】
ここで、筐体下部22は、
図7に示されるように、その内部に、盗難防止機構7を囲む仕切板23を有していてもよい。この仕切板23の全体が景品取出空間223内に設けられていてもよく、その一部が景品取出空間223内に設けられていてもよい。仕切板23は、盗難防止機構7を囲むように、「コ」の字状に形成されている。仕切板23の外面から突出部732の取付孔7321に図示しない留め具(例えば、ネジ)を取り付けることで、フラップ71は、取付部73により仕切板23に取り付けられる。これにより、フラップ71は、支軸を中心軸に回動することができる。
【0084】
この仕切板23は、突出部732の貫通孔7322に対応する位置に、切欠き231を有する。この切欠き231は、フラップ71の回転運動と対応するように、円孤状に形成されている。そのため、切欠き231から貫通孔7322に図示しないセンサー用の板片付き留め具を取り付けることができる。これにより、フラップ71の回動に伴い、板片が切欠き231内を移動することができる。
【0085】
仕切板23の外面には、切欠き231を挟むように、一対のセンサー(第3の検知部)232が設けられている。一対のセンサー232は、フラップ71が初期位置にあるか否かを検知する。すなわち、フラップ71の初期位置において、板片は、一対のセンサー232の間に位置する。そのため、一対のセンサー232は、板片を検知する。この状態で、フラップ71が回動すると、切欠き231に沿って、板片は上方に回動する。板片が上方に回動すると、開放位置において、板片は、一対のセンサー232間に位置しなくなる。これにより、一対のセンサー232は、板片を検知することができない。
【0086】
なお、
図7に示すように、仕切板23(または筐体下部22)は、フラップ71と当接する位置に当接部225A、225Bを有している。当接部225Aは、フラップ71が上方に回動することを防止する機能を有する。このような当接部225Aにより、フラップ71が開放位置から初期位置に戻った時、第2の状態にある景品支持部5と衝突することを避けることができる。また、景品取出板222が回動したとき、フラップ71が景品取出板222の上方に確実に位置することができる。
【0087】
一方、当接部225Bは、景品取出板222が情報に回動することを防止する機能を有する。このような当接部225Bにより、景品取出板222が景品取出空間223側に回動したとき、第2の状態にある景品支持部5と衝突することを避けることができる。また、景品取出板222が回動したとき、フラップ71が景品取出板222の上方に確実に位置することができる。
【0088】
また、筐体下部22または仕切板23は、フラップ71を留めるための留め具(図示しない)を有していてもよい。この留め具は、フラップ71を使用しないとき、フラップ71の先端がZ軸下方に向くように、フラップ71を留めることができる。留め具は、景品取出空間223を構成する側面または仕切板の内面に設けられている。具体的に、留め具は、それらの面において、取付部73の下方で、第1の領域711の長さに対応する位置に設けられている。この留め具により、ゲーム管理者は、盗難防止機構7を使用しないことができる。
【0089】
3.盗難防止機構の動作説明
次に、盗難防止機構7の動作を説明する。
図8~12は、本発明の第1実施形態にかかる盗難防止機構の動作状態を説明するための概略側断面図である。
【0090】
まず、
図8に示すように、景品が景品支持部5上に設置される。この場合、フラップ71は、初期位置に位置する。そして、景品取出板222は、閉じられている。このような状態で、プレイヤがゲームをプレイし、景品支持部5が変位する。これにより、景品が開口41から景品取出空間223に落下する。この時、開口41の直下にフラップ71が位置しているため、景品はフラップ71の第1の領域711上に受け取られる(
図9)。
【0091】
次に、
図10に示すように、景品自体の重さにより、フラップ71は、支軸を中心軸として景品取出口221側に回動する。フラップ71が取付部73を中心軸に傾くことにより、景品が景品取出空間223に落下する。景品が落下すると、フラップ71の第1の領域711への荷重が解消される。そのため、錘部72の重さにより、支軸を中心軸として、フラップ71が逆方向に回動する。フラップ71の第1の領域711が当接部225に当接することにより、フラップ71は初期位置に戻る。この時、景品は、景品取出空間223の底に存在する(
図11)。この状態は、景品の位置が異なること以外、
図8の状態と同じである。
【0092】
最後に、プレイヤは、景品を取得するために、景品取出板222を景品取出空間223側に回動させる。この時、
図12に示すように、景品取出板222の先端は、鉛直方向において、フラップ71の先端と重なっている。この場合、景品取出板222の先端は、フラップ71の先端と接触していることが好ましい。この場合、フラップ71と景品取出板222との間にすき間がないため、景品の不正取得を効果的に防止することができる。このように、フラップ71の回動範囲の最も高い位置において、景品取出板222の先端とフラップ71の先端とが重なることにより、景品取出板222およびフラップ71の全体で開口41を完全に塞ぐことができる。したがって、景品取得空間223から開口41に蓋をしているため、景品の不正取得を完全に防止することができる。
【0093】
また、
図12に示すように、景品取出板222を回動させたとき、フラップ71は、景品取出板222の上側に位置する。このような構成により、景品取出口221から開口41にたどり着く経路は、景品取出板222の先端と、フラップ71の先端とで、少なくとも2回曲がる。そのため、景品取出口221からゲーム空間215にある景品を不正に取得することがより困難になる。
【0094】
以上のような動作は、盗難防止機構7の通常の動作である。しかし、景品取出口221からゲーム空間215の景品を不正に取得される場合がある。このような場合、フラップ71が開口41の直下にあるため、フラップ71を動作させる必要がある。この時、フラップ71は通常、所定の時間(例えば、3秒)以上、開放位置にあるため、一対のセンサー232は板片を検知できない。その結果、情報取得部91は、板片を検知しない情報を取得し、当該情報が情報処理部92に提供される。したがって、情報処理部92は、フラップ71の動作が不正動作であると判断し、警告音等を鳴らすことができる。
【0095】
(他の構成例)
次に、盗難防止機構7の他の構成例を説明する。
図13は、本発明の盗難防止機構の他の構成例を模式的に示す概略側断面図である。他の構成例の盗難防止機構7は、フラップ71と景品取出板222の形状が異なること以外、上述したそれらと同様である。
【0096】
他の構成例のフラップ71は、先端が屈曲した第1の屈曲部711Aを有する。また、景品取出板222は、先端が屈曲した第2の屈曲部222Aを有する。第1の屈曲部711Aは、第2の屈曲部222Aと対応した形状に形成されている。そのため、
図13に示すように、景品取出板222が景品取出空間223側に回動したとき、景品取出板222の第2の屈曲部222Aは、フラップ71の第1の屈曲部711Aと対応するように接触する。これにより、フラップ71と景品取出板222との間にすき間がないため、開口41への侵入を効果的に防止することができる。
【0097】
以上のような盗難防止機構7は、景品を不正に取得することを効果的に防止することができる。また、ゲーム管理者は、盗難防止機構7を筐体下部22の内部に設置しておくことにより、安心して景品をゲーム装置1内に設置することができる。
【0098】
<<第2実施形態>>
次に、本発明の盗難防止機構の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図14は、本発明の第2実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【0099】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0100】
本実施形態の盗難防止機構7は、フラップ71の形状と、取付部73の形態が異なる以外は、第1実施形態と同様である。本実施形態のフラップ71は、板部材で、平面状に形成されている。取付部73は、フラップ71の支軸に沿って設けられている。本実施形態の取付部73は、
図14に示されるように、棒状体733と、突出部734とを有する。棒状体733は、フラップ71の側面から突出するように、形成されている。
【0101】
ここで、仕切板23は、棒状体733を受け取る凹部233を有する。この凹部233に棒状体733を嵌合させることで、フラップ71を仕切板23に取り付けることができる。その結果、取付部73でフラップ71が釣り合い、フラップ71は、支軸を中心軸に回動することができる。
【0102】
突出部734は、棒状体733の突出方向と直交する方向に突出して形成されている。突出部734は、センサー用の貫通孔7322を有する。そのため、切欠き231から貫通孔7322に図示しないセンサー用の板片付き留め具を取り付けることができる。
【0103】
以上のような本実施形態の盗難防止機構7は、取付部73の棒状体733を仕切板23の凹部233と嵌合させるだけで、フラップ71を仕切板23に容易に取り付けることができる。なお、本実施形態の盗難防止機構7も、第1実施形態の盗難防止機構7が有する効果と同様の効果を有する。
【0104】
<<第3実施形態>>
次に、本発明の盗難防止機構の第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図15は、本発明の第3実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【0105】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第2実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0106】
本実施形態の盗難防止機構7は、取付部73の形態が異なる以外は、第2実施形態と同様である。本実施形態の取付部73は、フラップ71の支軸に沿った溝で構成されている。また、仕切板23は、取付部73の溝と嵌合する嵌合部材234を有する。この嵌合部材234に溝を嵌合させることで、フラップ71を仕切板23に取り付けることができる。その結果、取付部73の溝でフラップ71が釣り合う。そして、フラップ71は、支軸を中心軸に回動することができる。
【0107】
なお、溝は、フラップ71の側面付近にのみ形成されていてもよい。この場合、嵌合部材234は、その溝に対応する大きさに形成されている。また、
図15は、仕切板23に切欠き231と、一対のセンサー232とを示していない。しかし、本実施形態の盗難防止機構7は、第1および第2実施形態のように、それらを有していてもよい。
【0108】
以上のような本実施形態の盗難防止機構7は、取付部73の溝を仕切板23の嵌合部材234と嵌合させるだけで、フラップ71を仕切板23に容易に取り付けることができる。なお、本実施形態の盗難防止機構7も、第1、第2実施形態の盗難防止機構7が有する効果と同様の効果を有する。
【0109】
<<第4実施形態>>
次に、本発明の盗難防止機構の第4実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図16は、本発明の第4実施形態にかかる盗難防止機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【0110】
以下、第4実施形態について説明するが、前述した第2、3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第2、3実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0111】
本実施形態の盗難防止機構7は、取付部73の形態が異なる以外は、第2、3実施形態と同様である。本実施形態の取付部73は、フラップ71の支軸に沿って、フラップ71の側面に形成された取付孔7321と、それに隣接する貫通孔7322とで構成されている。仕切板23の外面から取付孔7321に留め具(例えば、ネジ)235を取り付けることで、フラップ71は、仕切板23に取り付けられる。これにより、取付部73でフラップ71が釣り合い、フラップ71は、支軸を中心軸に回動することができる。また、切欠き231から貫通孔7322に図示しないセンサー用の板片付き留め具を取り付けることができる。これにより、一対のセンサー232は、板片を検知することができる。
【0112】
以上のような本実施形態の盗難防止機構7は、留め具235で取付孔7321と仕切板23とを留めるだけで、フラップ71を仕切板23に容易に取り付けることができる。なお、本実施形態の盗難防止機構7も、第2、3実施形態の盗難防止機構7が有する効果と同様の効果を有する。
【0113】
以上、本発明の盗難防止機構を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。また、本発明の盗難防止機構は、従来のクレーンゲーム機だけでなく、従来のクレーンゲーム機等の景品取出口を有する全ての景品取得ゲーム機に応用することができる。
【符号の説明】
【0114】
1…ゲーム装置 2…筺体 21…筐体上部 211…上面 212…前面 213…後面 215…ゲーム空間 22…筐体下部 221…景品取出口 222…景品取出板 222A…第2の屈曲部 223…景品取出空間 225…当接部 23…仕切板 231…切欠き 232…一対のセンサー 233…凹部 234…嵌合部材 235…留め具 3…操作部 4…規定部 41…開口 42…連結部 421…凹部 422…結合部 4221…本体 4222…第1嵌合部 4223…第2嵌合部 423…係止部 424…スイッチ 5…景品支持部 51…取付部 511…スリット部 512…窓部 52…外径漸減部 521…上面 522…傾斜面 523…側面 524…底面 53…載置部 6…操作指示部 61…ブロック体 61a…対応ブロック体 61b…非対応ブロック体 611…表示装置 7…盗難防止機構 71…フラップ 711…第1の領域 711A…第1の屈曲部 712…第2の領域 72…錘部 73…取付部 731…板状体 732…突出部 7321…取付孔 7322…貫通孔 733…棒状体 734…突出部 8…記憶部 9…制御部 91…情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 11…検知部