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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 81/02 20060101AFI20230411BHJP
   C08G 75/0263 20160101ALI20230411BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20230411BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20230411BHJP
   C08K 7/02 20060101ALI20230411BHJP
   C08K 7/16 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
C08L81/02
C08G75/0263
C08K3/013
C08K3/26
C08K7/02
C08K7/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019018842
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2020125413
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169085
【弁理士】
【氏名又は名称】為山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 惟允
(72)【発明者】
【氏名】野村 悟志
【審査官】宮内 弘剛
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-322271(JP,A)
【文献】特表2019-516840(JP,A)
【文献】国際公開第2017/200203(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/132429(WO,A1)
【文献】特表2019-506517(JP,A)
【文献】国際公開第2017/155221(WO,A1)
【文献】特開2019-156987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G
C08K
C08L
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)充填材(B成分)10~300重量部および(C)ハイドロタルサイト類化合物(C成分)0.1~20重量部を含有する樹脂組成物であって、A成分の総ヨウ素含有量が200ppm以上5,000ppm以下であり、かつC成分のBET比表面積が15m/g以上であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
B成分が、繊維状充填材(B-1成分)および繊維状以外の充填材(B-2成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の充填材であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
B-1成分が、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ワラストナイト、炭素繊維および全芳香族ポリアミド繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維状充填材であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
B-2成分が、ガラスフレーク、マイカ、タルク、炭酸カルシウムおよびガラスビーズからなる群より選ばれる少なくとも一種の充填材であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
C成分が、下記式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
[M2+ 1-x3+ (OH)x+[An- x/n・mHO]x-(1)
(式中、M2+は2価の金属イオン、M3+は3価の金属イオン、An-はn価のアニオンを示す。x、m、nは下記式で示される数を示す。0≦x≦0.33、0≦m≦5、0<n≦4)
【請求項6】
C成分が、M2+がMg2+であり、M3+がAl3+であるハイドロタルサイト類化合物であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
【請求項8】
(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)充填材(B成分)10~300重量部および(C)ハイドロタルサイト類化合物(C成分)0.1~20重量部を含有する樹脂組成物であって、A成分の総ヨウ素含有量が200ppm以上5,000ppm以下であり、かつC成分のBET比表面積が15m/g以上であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
A成分が、ジヨードアリール化合物、固体硫黄、並びに重合停止剤および/または重合反応触媒を、極性溶媒を使用せずに直接加熱して重合させる方法よって得られるポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨウ素を含有するポリアリーレンスルフィド樹脂、充填材およびハイドロタルサイト類化合物からなる樹脂組成物であって、耐湿熱性および耐金属腐食性に優れ、高温環境下使用における周辺部材への着色汚染が少ない樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアリーレンスルフィド樹脂は、耐薬品性、耐熱性、機械的特性などに優れるエンジニアリングプラスチックである。このため、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、電気電子部品、車両関連部品、航空機部品、住設機器部品として広く利用されている。現在、市販のポリアリーレンスルフィドは、p-ジクロロベンゼン及び硫化ナトリウムを原料として、N-メチルピロリドンなどの極性有機溶媒中で反応させることによって商業生産されている。この方法はマッカラム工程として知られており、米国特許第2,513,188号明細書及び米国特許第2,583,941号明細書に開示されている。しかしながらこの工程では、ジクロロ芳香族化合物を使用して実施され、塩化ナトリウムが副生成物として発生するため、除去が困難な不純物(残留ナトリウム、残留クロル、残留有機溶媒等)による成形加工時の成形機や金型の腐食や、耐湿熱性の低下が懸念されていた。
【0003】
これらの問題を解決する手段として、マッカラム工程以外の新規な工程が米国特許第4,746,758号明細書、米国特許第4,786,713号明細書及びその関連特許が開示されている。これらの製造方法は、ジヨードアリール化合物と固体硫黄を、極性溶媒なしに直接加熱して重合させる方法であり、反応途中で蒸気の状態であるヨウ素を回収し、アリール化合物と再度反応させることができるので、上記問題の原因の一つである残留ナトリウムおよび残留クロル、残留有機溶媒等を含有しない。しかしながら前記製造方法においても、ヨウ素化合物が残留する場合は、その腐食性のため少量でも最終ポリアリーレンスルフィド樹脂中に含有すると成形加工時の成形機や金型の腐食や耐湿熱性の低下、さらには、高温環境下での周辺部品への着色汚染等を引き起こす可能性がある。
【0004】
特許文献1にはポリフェニレンスルフィド樹脂およびアルカリ金属の炭酸塩からなる樹脂組成物が提案されており、特許文献2~4にはポリフェニレンスルフィド樹脂およびハイドロタルサイト類化合物からなる樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ヨウ素化合物を含有するポリフェニレンスルフィド樹脂の耐金属腐食性や耐湿熱性については何ら記載されておらず、さらにはヨウ素化合物に由来する周辺部への着色汚染を防ぐことに関しても何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国登録特許第4,017,450号公報
【文献】特開昭60-186561号公報
【文献】特開平2-218754号公報
【文献】特開平6-32271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、耐湿熱性および耐金属腐食性に優れ、高温環境下使用における周辺部材への着色汚染が少ない樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ヨウ素化合物を含有するポリアリーレンスルフィド樹脂、充填材およびハイドロタルサイト類化合物からなる樹脂組成物が、耐湿熱性および耐金属腐食性に優れ、高温環境下使用における周辺部材への着色汚染が少ないことを見出し本発明に至った。
【0008】
具体的には、上記課題は、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)充填材(B成分)10~300重量部および(C)ハイドロタルサイト類化合物(C成分)0.1~20重量部を含有する樹脂組成物であって、A成分の総ヨウ素含有量が5,000ppm以下であり、かつC成分のBET比表面積が15m/g以上であることを特徴とする樹脂組成物により達成される。
【0009】
以下、本発明の詳細について説明する。
(A成分:ポリアリーレンスルフィド樹脂)
本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂と称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いてもよい。
【0010】
ポリアリーレンスルフィド樹脂としては、その構成単位として、例えばp-フェニレンスルフィド単位、m-フェニレンスルフィド単位、o-フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ジフェニレンスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位、等よりなるものを挙げることができ、その中でも、p-フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましく、さらに、ポリ(p-フェニレンスルフィド)がより好ましい。
【0011】
本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)で表される分散度(Mw/Mn)は好ましくは2.7以上、より好ましくは2.8以上、さらに好ましくは2.9以上である。分散度が2.7未満の場合は、成形時のバリ発生が多くなる場合がある。なお、分散度(Mw/Mn)の上限は特に規定されないが、10以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)はゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出された値である。なお、溶媒には1-クロロナフタレンを使用し、カラム温度は210℃とした。
【0012】
ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではなく、既知の方法で重合されるが、特に好適な重合方法としては、米国登録特許第4,746,758号、第4,786,713号、特表2013-522385、特開2012-233210および特許5167276等に記載された製造方法が挙げられる。これらの製造方法は、ジヨードアリール化合物と固体硫黄を、極性溶媒なしに直接加熱して重合させる方法である。
【0013】
前記製造方法はヨウ化工程および重合工程を含む。該ヨウ化工程ではアリール化合物をヨードと反応させて、ジヨードアリール化合物を得る。続く重合工程で、重合停止剤を用いてジヨードアリール化合物を固体硫黄と重合反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する。ヨードはこの工程で気体状で発生し、これを回収して再びヨウ化工程に用いられる。実質的にヨードは触媒である。
【0014】
前記製造方法で用いられる代表的な固体硫黄としては、室温で8個の原子が連結されたシクロオクタ硫黄形態(S)が挙げられる。しかしながら重合反応に用いられる硫黄化合物は限定されるものではなく、常温で固体または液体であればいずれの形態でも使用し得る。
【0015】
前記製造方法で用いられる代表的なジヨードアリール化合物としては、ジヨードベンゼン、ジヨードナフタレン、ジヨードビフェニル、ジヨードビスフェノールおよびジヨードベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられ、またアルキル基やスルホン基が結合していたり、酸素や窒素が導入されたりしているヨードアリール化合物の誘導体も使用される。ヨードアリール化合物はそのヨード原子の結合位置によって異なる異性体に分類され、これらの異性体のうち好ましい例は、p-ジヨードベンゼン、2,6-ジヨードナフタレン、及びp,p’-ジヨードビフェニルのようにヨードがアリール化合物の分子両端に対称的に位置する化合物である。該ヨードアリール化合物の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し500~10,000重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。
【0016】
前記製造方法で用いられる代表的な重合停止剤としては、モノヨードアリール化合物、ベンゾチアゾール類、ベンゾチアゾールスルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバメート類、芳香族スルフィド化合物などが挙げられる。モノヨードアリール化合物のうち好ましい例としては、ヨードビフェニル、ヨードフェノール、ヨードアニリン、ヨードベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ベンゾチアゾール類のうち好ましい例としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、2,2’-ジチオビスベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ベンゾチアゾールスルフェンアミド類のうち好ましい例としては、N-シクロヘキシルベンゾチアゾール2-スルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2-モルホリノチオベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジベンゾチアゾールジスルファイド、N-ジシクロヘキシルベンゾチアゾール2-スルフェンアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。チウラム類のうち好ましい例としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ジチオカルバメート類のうち好ましい例としては、ジメチルジチオカルバメート酸亜鉛、ジエチルジチオカルバメート酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。芳香族スルフィド化合物のうち好ましい例としては、ジフェニルスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジフェニルエーテル、ビフェニル、ベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。またいずれの重合停止剤においても、共役芳香環骨格上に一つまたは複数の官能基が置換されていてもよい。前記官能基の例としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、スルホ基、ニトロ基などが挙げられ、好ましい例としてはカルボキシ基、アミノ基が挙げられ、さらに好ましい例としてはFT-IRスペクトル上で、1600~1800cm-1または3300~3500cm-1のピークを示すカルボキシ基、アミノ基が挙げられる。重合停止剤の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し1~30重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。
【0017】
前記製造方法では重合反応触媒を使用しても良く、代表的な重合反応触媒としては、ニトロベンゼン系触媒が上げられる。ニトロベンゼン系触媒のうち好ましい例としては、1,3-ジヨード-4-ニトロベンゼン、1-ヨード-4-ニトロベンゼン、2,6-ジヨード-4-ニトロフェノール、ヨードニトロベンゼン、2,6-ジヨード-4-ニトロアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。重合反応触媒の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し0.01~20重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。
【0018】
この重合方法を使うことにより、実質的に塩素含有量およびナトリウム含有量を低減させる必要が無く、コストパフォーマンスに優れたポリフェニレンスルフィド樹脂を得ることができる。
【0019】
また本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂は、その他の重合方法によって得られたポリフェニレンスルフィド樹脂を含んでいてもよい。
【0020】
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂のヨウ素含有量は、5,000ppm以下であり、好ましくは4,800ppm以下、より好ましくは4,500ppm以下、さらに好ましくは4,000ppm以下である。ヨウ素含有量が5,000ppmを超えた場合、ハイドロタルサイト類化合物を添加しても金型腐食防止効果、汚染防止効果が得られず、また十分な機械強度も得られない。なお、ヨウ素含有量の下限は特に定められないが、商業的な生産の観点から200ppm以上が好ましく、250ppm以上がより好ましく、300ppm以上がさらに好ましい。
【0021】
(B成分:充填材)
本発明で使用される充填材の形状は、繊維状、板状、粉末状、粒状などが挙げられる。具体的には例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、モンモリロナイト、合成雲母などの膨潤性の層状珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、セラミックビ-ズ、窒化ホウ素、炭化珪素、燐酸カルシウムおよびシリカなどの非繊維状充填材が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填材を2種類以上併用することも可能である。
【0022】
また、これら充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で、膨潤性の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
【0023】
本発明の樹脂組成物に導電性を付与するために充填材として、導電性フィラーが挙げられる。導電性フィラーは、通常樹脂の導電化に用いられる導電性フィラーであれば特に制限は無く、その具体例としては、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、金属酸化物、導電性物質で被覆された無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示できる。金属繊維の金属種の具体例としては鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示できる。かかる金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維はチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。金属酸化物の具体例としてはSnO(アンチモンドープ)、In(アンチモンドープ)、ZnO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これらはチタネート系、アルミ系、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0024】
導電性物質で被覆された無機フィラーにおける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケル、銀、カーボン、SnO(アンチモンドープ)、In(アンチモンドープ)などが例示できる。また被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛系ウィスカー、チタン酸系ウィスカー、炭化珪素ウィスカーなどが例示できる。被覆方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法、焼き付け法などが挙げられる。またこれらはチタネート系、アルミ系、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0025】
カーボン粉末はその原料、製造法からアセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネスブラックが特に好適に用いられる。
【0026】
B成分の含有量は、A成分100重量部に対し、10~300重量部であり、好ましくは15~250重量部、より好ましくは20~200重量部である。B成分の含有量が10重量部未満では、充填材による十分な補強効果が得られず、300重量部を超えると生産または成形加工性が低下する。
【0027】
(C成分:ハイドロタルサイト類化合物)
本発明のC成分として使用されるハイドロタルサイト類化合物は一般式(1)または(2)で表される化合物であることが好ましい。
[M2+ 1-x3+ (OH)x+[An- x/n・mHO]x-(1)
2+ 1-x3+ 1+x/2 (2)
(式中、M2+は2価の金属イオン、M3+は3価の金属イオン、An-はn価のアニオンを示す。x、m、nは下記式で示される数を示す。0≦x≦0.33、0≦m≦5、0<n≦4)
2+としてはMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等があげられ、M3+としてはAl3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+等があげられ、An-としてはOH、F,Cl、Br、NO 、CO 2-、SO 2-、Fe(CN) 2-、CHCOO、シュウ酸イオン、サリチル酸イオンなどがあげられる。M2+およびM3+、An-はそれぞれ1種類または2種類以上から構成されてよい。また、(2)式で表されるものは(1)式で表されるハイドロタルサイト類化合物を焼成することで得られる。
【0028】
本発明のハイドロタルサイト類化合物のBET比表面積は15m/g以上であり、好ましくは20m/g以上であり、より好ましくは25m/g以上である。BET比表面積が15m/g未満である場合、十分な金属腐食防止効果が得られない。なお、本願発明のハイドロタルサイト類化合物のBET比表面積の上限は特に限定されないが、100m/g以下が好ましく、60m/g以下がより好ましい。
【0029】
このようなハイドロタルサイト類化合物の例としては堺化学工業(株)よりSTABIACE HT-6、STABIACE HT-100として市販されており、容易に入手可能である。
【0030】
C成分の含有量は、A成分100重量部に対し、0.1~20重量であり、好ましくは0.5~10重量部、より好ましくは0.8~5重量部である。含有量が0.1重量部未満では十分な耐湿性の向上および金型腐食防止効果、汚染防止効果が得られず、他方20重量部を超えると機械特性が低下する。
【0031】
(その他の成分)
本発明における樹脂組成物中は本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマー成分を含むことができる。好適なエラストマー成分としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)およびシリコーン・アクリル複合ゴム系グラフト共重合体などのコア-シェルグラフト共重合体樹脂、あるいはシリコーン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0032】
本発明における樹脂組成物中は本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含むことができる。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、などのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものを挙げることができる。
【0033】
本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p-オキシ安息香酸オクチル、N-ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(赤燐、リン酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)および他の重合体を添加することができる。
【0034】
(樹脂組成物の製造)
本発明の樹脂組成物は上記各成分を同時に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。好ましくは2軸押出機による溶融混練が好ましく、必要に応じて、任意の成分をサイドフィーダー等を用いて第2供給口より、溶融混合された他の成分中に供給することが好ましい。
【0035】
上記の如く押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。得られたペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1~5mm、より好ましくは1.5~4mm、さらに好ましくは2~3.5mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1~30mm、より好ましくは2~5mm、さらに好ましくは2.5~4mmである。
【0036】
(成形品について)
本発明の樹脂組成物を用いてなる成形品は、上記の如く製造されたペレットを成形して得ることができる。好適には、射出成形、押出し成形により得られる。射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、多色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形等を挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また押出成形では、各種異形押出成形品、シート、フィルム等が得られる。シート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法等も使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形等により成形品とすることも可能である。
【発明の効果】
【0037】
本発明の樹脂組成物は、パソコン(ノートブック、ウルトラブック)、タブレット、携帯電話用ハウジング、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの電気、電子機器の筐体およびトレイやシャーシなどの内部部材やそのケース、機構部品、パネルなどの建材用途、モーター部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、サスペンション部品、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係、排気系または吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受、燃料ポンプ、ガソリンタンク、CNGタンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、ハンドル、ドアビーム、プロテクター、シャーシ、フレーム、アームレスト、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、ラジエターサポート、スペアタイヤカバー、シートシェル、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ホイール、フェンダー、フェイシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スポイラーおよび各種モジュールなどの自動車、二輪車関連部品、部材および外板やランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、部材および外板、風車の羽根、ハイブリッド自動車や電気自動車用のインバータハウジング等の電子機器筐体などにおいて幅広く有用である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
【実施例
【0039】
[樹脂組成物の評価]
(1)耐湿熱性
ISO527に準拠した引張り試験片を、超加速寿命試験装置((株)平山製作所 製 PC-305III/V)に入れ、温度120℃、湿度100%RH、処理時間100時間にて処理を行った。得られた試験片の引張破断強度をISO527(測定条件23℃)に準拠して測定した。測定した湿熱処理前の引張破断強度および湿熱処理後の引張破断強度より下記式を用いて、湿熱処理後の保持率を算出した。この数値が大きいほど樹脂組成物の耐湿熱性が優れていることを意味する。
湿熱処理後の保持率(%)=[(湿熱処理後の引張破断強度)/(湿熱処理前の引張破断強度)]×100
(2)金属腐食性
ガラス製の試験管にペレット状の樹脂組成物4gを入れ、脱脂した鉄製の釘をペレットの上に静置した。試験管をシリコーン製のゴム栓および四フッ化エチレン製のテープを用いて密閉し、加熱装置((株)センシュー科学製SSC-9300)を用いて加熱を行った(275℃/3時間)。加熱後1週間室温で静置し、ビデオマイクロスコープを用いて釘の錆を観察した。釘の錆度合を以下のように判定した。
◎:釘の面積に対する錆の面積が0%~25%
○:釘の面積に対する錆の面積が25%を超え50%以下
△:釘の面積に対する錆の面積が50%を超え75%以下
×:釘の面積に対する錆の面積が75%を超え100%
(3)着色汚染性
金属腐食性の評価にて用いたシリコーン製のゴム栓についてその着色を観察した。
○:着色がない
×:着色がある
【0040】
[実施例1~11、比較例1~7]
ポリアリーレンスルフィド樹脂、充填材およびハイドロタルサイト類化合物を表1に記載の各配合量で、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得た。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX-30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用した。押出条件は吐出量16kg/h、スクリュー回転数200rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで320℃とした。なお、全芳香族ポリアミド繊維を除く繊維状充填材は上記押出機のサイドフィーダーを使用し第二供給口から供給し、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ハイドロタルサイト類化合物、全芳香族ポリアミド繊維および繊維状以外の充填材は第一供給口から押出機に供給した。ここでいう第一供給口とはダイスから最も離れた供給口であり、第二供給口とは押出機のダイスと第一供給口の間に位置する供給口である。得られたペレットを130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG-150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度130℃、評価用の試験片を成形した。なお、樹脂組成物の総ヨウ素含有量は、ペレットを(株)三菱ケミカルアナリテック製 AQF-2100Hにて1000℃にて燃焼処理し、発生したガスを吸収液に吸収させ、(株)島津製作所製 HIC-20Aspにてイオンクロマトグラフ法(IC法)により定量した。
【0041】
表1中の記号表記の各成分は下記の通りである。
<A成分>
PPS-1:以下の製造方法で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン300.00g及び硫黄27.00gに、重合停止剤としてジフェニルジスルフィド0.60g(最終的に重合されたPPSの重量に基づいて0.65重量%の含量)を投入して180℃に加熱して完全にそれらを溶融及び混合した後、温度を220℃に昇温し、且つ、圧力を200Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度及び圧力がそれぞれ320℃及び1Torrとなるように温度及び圧力を段階的に変化させつつ、8時間重合反応させてポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した。総ヨウ素含有量は610ppmであった。
PPS-2:以下の製造方法で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン327.0g及び硫黄26.5gに、重合停止剤としてジフェニルスルフィド1gを投入して180℃に加熱して完全にそれらを溶融及び混合した後、温度を220℃に昇温し、且つ、圧力を200Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度及び圧力がそれぞれ320℃及び1Torrとなるように温度及び圧力を段階的に変化させつつ、8時間重合反応させてポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した。総ヨウ素含有量は4700ppmであった。
PPS-3:以下の製造方法で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
PPS-1とPPS-2を1:1で、ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX-30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用し溶融混錬することによりポリフェニレンスルフィド樹脂を調製した。なお、押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数200rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで300℃とした。総ヨウ素含有量は2600ppmであった。
PPS-4:以下の製造方法で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン327.0g及び硫黄26.5gからなる混合物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、温度を220℃に上げ、圧力を200torrに下げた後、温度は320℃、圧力は1torr以下までそれぞれを段階的に変えながら計8時間反応させた。またジフェニルスルフィド3gを、重合が50%進行した時点で添加した。総ヨウ素含有量は12,000ppmであった。次に、当該ポリフェニレンスルフィド樹脂とPPS-2を1:1で、ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX-30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用し溶融混錬することによりポリフェニレンスルフィド樹脂を調製した。なお、押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数200rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで300℃とした。総ヨウ素含有量は8600ppmであった。
【0042】
<B成分>
B-1:円形断面チョップドガラス繊維(日本電気硝子(株)製 T-732H 直径:10.5μm、カット長:3mm、ウレタン・エポキシ系集束剤)
B-2:炭酸カルシウム((株)カルファイン製 KSS-1000)
B-3:炭素繊維(東邦テナックス(株)製 IMC702 6mm 長径:6μm、カット長:6mm、引張弾性率:282GPa、引張強度:5,490MPa、ウレタン系集束剤)
B-4:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製 パラ系アラミド繊維 T322EH 長径:12μm、カット長:3mm、ポリエステル系集束剤)
【0043】
<C成分>
C-1:ハイドロタルサイト(堺化学(株)製 HT-6 BET比表面積16~25m/g)
C-2:ハイドロタルサイト(堺化学(株)製 HT-100 BET比表面積34~41m/g)
C-3:ハイドロタルサイト(堺化学(株)製 HT-1 BET比表面積6~12m/g)
C-4:ハイドロタルサイト(協和化学(株)製 DHT-4A-2 BET比表面積13m/g)
【0044】
<その他の成分>
F-1:ポリテトラフルオロエチレン((株)喜多村製 KTL-620 焼成タイプ 融点328℃)
【0045】
【表1】