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特許7260381巻線切替モータシステム、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】巻線切替モータシステム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02P 25/18 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
H02P25/18
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019076186
(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公開番号】P2020174494
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】春原 哲
(72)【発明者】
【氏名】高田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】清水 健志
(72)【発明者】
【氏名】角藤 清隆
(72)【発明者】
【氏名】舟山 智歌子
(72)【発明者】
【氏名】小宮 真一
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-227980(JP,A)
【文献】特開昭61-285096(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106602759(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、
前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、
を備える巻線切替モータシステム。
【請求項2】
前記複数のスイッチは、
第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、
前記第3スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子は、前記第2スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、
前記第3巻線の第1端子は、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子は、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される、
請求項1に記載の巻線切替モータシステム。
【請求項3】
前記複数のスイッチは、
第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、
前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、
前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される、
請求項1に記載の巻線切替モータシステム。
【請求項4】
前記複数のスイッチを制御する切替制御装置、
を備える請求項1から請求項3の何れか一項に記載の巻線切替モータシステム。
【請求項5】
前記複数のスイッチが、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、
前記第3スイッチが、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子が、前記第2スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子が、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子が、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子が中性点であり、
前記第3巻線の第1端子が、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子が、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、
前記切替制御装置は、
前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とする制御
記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子に接続し、前記第3スイッチを短絡状態とする制御、
および、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第2端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子または前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とする制御の3つのうちの少なくとも1つを行う、
請求項4に記載の巻線切替モータシステム。
【請求項6】
前記複数のスイッチが、
第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、
前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、
前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、
前記切替制御装置は、
第3スイッチ、第4スイッチ及び第6スイッチを開放状態とし、第5スイッチ及び第7スイッチを短絡状態とする制御
3スイッチ、第5スイッチ及び第6スイッチを短絡状態とし、第4スイッチ及び第7スイッチを開放状態とする制御、
および、第3スイッチ及び第5スイッチを開放状態とし、第4スイッチを短絡状態とし、第6スイッチ及び第7スイッチを短絡状態または開放状態の任意の接続状態とする制御の3つのうちの少なくとも1つを行う、
請求項4に記載の巻線切替モータシステム。
【請求項7】
前記巻線切替モータは、
空気調和機で使用されるモータである、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の巻線切替モータシステム。
【請求項8】
前記複数の巻線は、
前記巻線切替モータの回転数が所定の回転数以下である場合に、直列に接続され、
前記巻線切替モータの回転数が前記所定の回転数を超える場合に、並列に接続される、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の巻線切替モータシステム。
【請求項9】
巻線切替モータシステムの切替制御装置による制御方法であって、
前記巻線切替モータシステムが、
U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、
前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、
を備え、
前記複数のスイッチが、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、
前記第3スイッチが、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子が、前記第2スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子が、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子が、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子が中性点であり、
前記第3巻線の第1端子が、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子が、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、
前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること
記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子に接続し、前記第3スイッチを短絡状態とすること、
および、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第2端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子または前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること、
を含む制御方法。
【請求項10】
巻線切替モータシステムの切替制御装置による制御方法であって、
前記巻線切替モータシステムが、
U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、
前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、
を備え、
前記複数のスイッチが、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、
前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、
前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、
第3スイッチ、第4スイッチ及び第6スイッチを開放状態とし、第5スイッチ及び第7スイッチを短絡状態とする制御を行うこと
3スイッチ、第5スイッチ及び第6スイッチを短絡状態とし、第4スイッチ及び第7スイッチを開放状態とする制御を行うこと、
および、第3スイッチ及び第5スイッチを開放状態とし、第4スイッチを短絡状態とし、第6スイッチ及び第7スイッチを短絡状態または開放状態の任意の接続状態とする制御を行うこと、
を含む制御方法。
【請求項11】
巻線切替モータシステムが、
U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、
前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、
を備え、
前記複数のスイッチが、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、
前記第3スイッチが、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子が、前記第2スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子が、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子が、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子が中性点であり、
前記第3巻線の第1端子が、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子が、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合に、
前記巻線切替モータシステムの切替制御装置のコンピュータに、
前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること
記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子に接続し、前記第3スイッチを短絡状態とすること、
および、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第2端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子または前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること、
を実行させるプログラム。
【請求項12】
巻線切替モータシステムが、
U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、
前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、
を備え、
前記複数のスイッチが、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、
前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、
前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、
前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、
前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、
前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、
前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合に、
前記巻線切替モータシステムの切替制御装置のコンピュータに、
第3スイッチ、第4スイッチ及び第6スイッチを開放状態とし、第5スイッチ及び第7スイッチを短絡状態とする制御を行うこと
3スイッチ、第5スイッチ及び第6スイッチを短絡状態とし、第4スイッチ及び第7スイッチを開放状態とする制御を行うこと、
および、第3スイッチ及び第5スイッチを開放状態とし、第4スイッチを短絡状態とし、第6スイッチ及び第7スイッチを短絡状態または開放状態の任意の接続状態とする制御を行うこと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線切替モータシステム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
三相交流電力によって巻線切替モータが動作する場合、巻線切替モータを効率よく駆動するために、巻線切替モータの回転数に応じて巻線切替モータの巻線の巻数を切り替える場合がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-165187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、巻線切替モータでは、巻線切替モータの回転数の広い範囲で効率よく運転されることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することのできる巻線切替モータシステム、制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、巻線切替モータシステムは、U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、を備える
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様における巻線切替モータシステムにおいて、前記複数のスイッチは、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、前記第3スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子は、前記第2スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、前記第3巻線の第1端子は、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子は、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続されるものであってもよい。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様における巻線切替モータシステムにおいて、前記複数のスイッチは、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続されるものであってもよい。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様から第3の態様の何れか一における巻線切替モータシステムは、前記複数のスイッチを制御する切替制御装置、を備えるものであってもよい。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、第4の態様における巻線切替モータシステムにおいて、前記複数のスイッチが、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、前記第3スイッチが、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子が、前記第2スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子が、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子が、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子が中性点であり、前記第3巻線の第1端子が、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子が、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、前記切替制御装置は、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とする制御、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子に接続し、前記第3スイッチを短絡状態とする制御、および、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第2端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子または前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とする制御の3つのうちの少なくとも1つを行うものであってもよい。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、第4の態様における巻線切替モータシステムにおいて、前記複数のスイッチが、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、前記切替制御装置は、第3スイッチ、第4スイッチ及び第6スイッチを開放状態とし、第5スイッチ及び第7スイッチを短絡状態とする制御、第3スイッチ、第5スイッチ及び第6スイッチを短絡状態とし、第4スイッチ及び第7スイッチを開放状態とする制御、および、第3スイッチ及び第5スイッチを開放状態とし、第4スイッチを短絡状態とし、第6スイッチ及び第7スイッチを短絡状態または開放状態の任意の接続状態とする制御の3つのうちの少なくとも1つを行うものであってもよい。
【0012】
本発明の第7の態様によれば、第1の態様から第6の態様の何れか一における巻線切替モータシステムにおいて、前記巻線切替モータは、空気調和機で使用されるモータであってもよい。
【0013】
本発明の第8の態様によれば、第1の態様から第7の態様の何れか一における巻線切替モータシステムにおいて、前記複数の巻線は、前記巻線切替モータの回転数が所定の回転数以下である場合に、直列に接続され、前記巻線切替モータの回転数が前記所定の回転数を超える場合に、並列に接続されるものあってもよい。
【0014】
本発明の第9の態様によれば、制御方法は、巻線切替モータシステムの切替制御装置による制御方法であって、前記巻線切替モータシステムが、U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、を備え、前記複数のスイッチが、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、前記第3スイッチが、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子が、前記第2スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子が、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子が、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子が中性点であり、前記第3巻線の第1端子が、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子が、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子に接続し、前記第3スイッチを短絡状態とすること、および、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第2端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子または前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること、を含む
【0015】
本発明の第10の態様によれば、制御方法は、巻線切替モータシステムの切替制御装置による制御方法であって、前記巻線切替モータシステムが、U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、を備え、前記複数のスイッチが、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合、第3スイッチ、第4スイッチ及び第6スイッチを開放状態とし、第5スイッチ及び第7スイッチを短絡状態とする制御を行うこと、第3スイッチ、第5スイッチ及び第6スイッチを短絡状態とし、第4スイッチ及び第7スイッチを開放状態とする制御を行うこと、および、第3スイッチ及び第5スイッチを開放状態とし、第4スイッチを短絡状態とし、第6スイッチ及び第7スイッチを短絡状態または開放状態の任意の接続状態とする制御を行うこと、を含む
【0016】
本発明の第11の態様によれば、プログラムは、巻線切替モータシステムが、U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、を備え、前記複数のスイッチが、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを含み、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが、c接点のスイッチであって、第1端子、第2端子及び第3端子を有し、前記第3スイッチが、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子が、前記第2スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子が、前記第2巻線の第1端子及び前記第1スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子が、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子が中性点であり、前記第3巻線の第1端子が、前記第1スイッチの第3端子及び前記第2スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子が、前記第2スイッチの第3端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合に、前記巻線切替モータシステムの切替制御装置のコンピュータに、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第3端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子に接続し、前記第3スイッチを短絡状態とすること、および、前記第1スイッチの第1端子を前記第1スイッチの第2端子に接続し、前記第2スイッチの第1端子を前記第2スイッチの第2端子または前記第2スイッチの第3端子に接続し、前記第3スイッチを開放状態とすること、を実行させる
【0017】
本発明の第12の態様によれば、プログラムは、巻線切替モータシステムが、U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線と、第2巻線と、前記第1巻線の巻数と前記第2巻線の巻数との合計に等しい巻数の第3巻線を有する巻線切替モータと、前記第1巻線と前記第2巻線と前記第3巻線を直列に接続する、前記第1巻線と前記第2巻線とを直列に接続し、かつ直列に接続した前記第1巻線及び前記第2巻線と前記第3巻線とを並列に接続する、および、前記第2巻線のみとする3つのパターンを切り替える複数のスイッチと、を備え、前記複数のスイッチが、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ及び第7スイッチを含み、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチであって、第1端子及び第2端子を有し、前記第1巻線の第1端子は、前記第6スイッチの第1端子及び前記第7スイッチの第1端子に接続され、前記第1巻線の第2端子は、前記第2巻線の第1端子及び前記第4スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子は、前記第3スイッチの第2端子に接続され、前記第2巻線の第2端子及び前記第3スイッチの第2端子は中性点であり、前記第3巻線の第1端子は、前記第5スイッチの第2端子及び前記第6スイッチの第2端子に接続され、前記第3巻線の第2端子は、前記第7スイッチの第2端子及び前記第3スイッチの第1端子に接続される場合に、前記巻線切替モータシステムの切替制御装置のコンピュータに、第3スイッチ、第4スイッチ及び第6スイッチを開放状態とし、第5スイッチ及び第7スイッチを短絡状態とする制御を行うこと、第3スイッチ、第5スイッチ及び第6スイッチを短絡状態とし、第4スイッチ及び第7スイッチを開放状態とする制御を行うこと、および、第3スイッチ及び第5スイッチを開放状態とし、第4スイッチを短絡状態とし、第6スイッチ及び第7スイッチを短絡状態または開放状態の任意の接続状態とする制御を行うこと、を実行させる
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態による巻線切替モータシステム、制御方法及びプログラムによれば、巻線切替モータの回転数の広い範囲で効率よく運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステムにおけるスイッチの切り替えを説明するための図である。
図3】本発明の第1の実施形態による切替制御装置の処理フローを示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステムの効率の一例を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態による巻線切替モータシステムの構成の一例を示す図である。
図6】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステム1の構成について説明する。
巻線切替モータシステム1は、図1に示すように、巻線切替モータ10、インバータ20、巻線切替スイッチ30、切替制御装置40を備える。巻線切替モータシステム1は、巻線切替モータ10の回転数の領域において3つの頂点を有し、回転数の広い領域で高い効率を実現するシステムである。
巻線切替モータシステム1は、例えば、空気調和機の圧縮機などで使用されるモータシステムである。
【0021】
巻線切替モータ10は、図1に示すように、U相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103を備える。また、巻線切替モータ10は、図1に示すように、V相及びW相のそれぞれに対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103を備える。
U相、V相、W相のそれぞれに対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103のそれぞれは、コイルとして機能する。第1巻線101それぞれの巻数はAである。第2巻線102それぞれの巻数はBである。第3巻線103それぞれの巻数は(A+B)である。U相、V相、W相のそれぞれに対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103のそれぞれは、巻線に流れる電流と巻線の巻数の積によって決まる起磁力を生じさせる。U相、V相、W相のそれぞれに対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103のそれぞれは、第1端子及び第2端子を備える。
巻線切替モータ10は、例えば、空気調和機で使用されるコンプレッサモータである。
【0022】
インバータ20は、巻線切替モータ10を動作させる(すなわち、回転させる)のに必要な電力を、巻線切替モータ10に供給する。インバータ20は、第1端子、第2端子及び第3端子を備える。インバータ20の第1端子は、巻線切替モータ10との間でU相についての電力を授受する端子である。また、インバータ20の第2端子は、巻線切替モータ10との間でV相についての電力を授受する端子である。また、インバータ20の第3端子は、巻線切替モータ10との間でW相についての電力を授受する端子である。
【0023】
巻線切替スイッチ30は、巻線切替モータ10の巻線どうしの接続を切り替えるスイッチである。巻線切替スイッチ30は、図1に示すように、U相に対応する第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303を備える。また、巻線切替スイッチ30は、図1に示すように、V相及びW相のそれぞれに対応する第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303を備える。第1スイッチ301及び第2スイッチ302のそれぞれは、c接点のスイッチである。また、第3スイッチ303のそれぞれは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチである。U相、V相、W相のそれぞれに対応する第1スイッチ301、第2スイッチ302のそれぞれは、第1端子、第2端子及び第3端子を備える。また、第3スイッチ303のそれぞれは、第1端子及び第2端子を備える。
【0024】
まず、U相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303の接続について説明する。
第1巻線101の第1端子は、第2スイッチ302の第1端子に接続される。第1巻線101の第2端子は、第2巻線102の第1端子、第1スイッチ301の第2端子に接続される。
第2巻線102の第2端子は、第3スイッチ303の第2端子に接続される。これら第2巻線102の第2端子及び第3スイッチ303の第2端子は、中性点である。
第3巻線103の第1端子は、第1スイッチ301の第3端子、第2スイッチ302の第2端子に接続される。第3巻線103の第2端子は、第2スイッチ302の第3端子、第3スイッチ303の第1端子に接続される。第1スイッチ301の第1端子は、インバータ20のU相に対応する出力端子に接続される。
【0025】
ここで、上述のように、U相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303が接続される部分を第1巻線部50aと呼ぶ。
【0026】
次に、V相及びW相それぞれに対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303の接続について説明する。ここで、V相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303が接続される部分を第2巻線部50bと呼ぶ。また、W相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303が接続される部分を第3巻線部50cと呼ぶ。
第2巻線部50b及び第3巻線部50cのそれぞれにおける第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続は、第1巻線部50aにおける第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続と同一である。また、V相に対応する第1スイッチ301の第1端子は、インバータ20のV相に対応する出力端子に接続される。また、W相に対応する第1スイッチ301の第1端子は、インバータ20のW相に対応する出力端子に接続される。また、第1巻線部50a、第2巻線部50b、第3巻線部50cそれぞれにおける中性点は、互いに接続される。
【0027】
切替制御装置40は、U相、V相、W相のそれぞれに対応する第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続状態を制御する。
具体的には、切替制御装置40は、インバータ20の出力端子と中性点との間の巻線を巻数2×(A+B)の巻線にする場合、第1スイッチ301をb側、第2スイッチ302をb側、第3スイッチ303を開放状態とするように、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続状態を制御する。また、切替制御装置40は、インバータ20の出力端子と中性点との間の巻線を巻数(A+B)の2つの巻線の並列接続にする場合、第1スイッチ301をb側、第2スイッチ302をa側、第3スイッチ303を短絡状態とするように、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続状態を制御する。また、切替制御装置40は、インバータ20の出力端子と中性点との間の巻線を巻数Bの巻線にする場合、第1スイッチ301をa側、第2スイッチ302を任意(a側またはb側)、第3スイッチ303を開放状態とするように、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続状態を制御する。
【0028】
次に、本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステム1の処理について説明する。
ここでは、巻線切替モータ10の回転数が相対的に低い領域では、巻線を巻数2×(A+B)の巻線にし、巻線切替モータ10の回転数が相対的に中程度の領域では、巻線を巻数(A+B)の2つの巻線の並列接続にし、巻線切替モータ10の回転数が相対的に高い領域では、巻線を巻数Bの巻線にする場合の切替制御装置40による制御について図3に示す処理フローを用いて説明する。
【0029】
切替制御装置40は、巻線切替モータ10の回転数を取得する(ステップS1)。
例えば、切替制御装置40は、巻線切替モータ10を駆動するために巻線切替モータ10に供給される電力と、負荷の状態とから、巻線切替モータ10の現在の回転数を推定する。なお、ここでの「取得」は、切替制御装置40が自身で回転数を推定や算出する場合、及び、切替制御装置40が外部から回転数の情報を受ける場合の両方を含むものである。また、切替制御装置40が巻線切替モータ10の回転数を取得する方法は、上述の推定による方法に限定するものではなく、どのような方法であってもよい。
【0030】
切替制御装置40は、取得した回転数を第1しきい値と比較する(ステップS2)。ここでの「第1しきい値」は、回転数の低い第1領域における回転数の上限値である。
切替制御装置40は、比較結果に基づいて、取得した回転数が第1しきい値を超えているか否かを判定する(ステップS3)。
【0031】
切替制御装置40は、取得した回転数が第1しきい値以下であると判定した場合(ステップS3においてNO)、巻線切替モータ10が回転数の低い第1領域で動作していると判定する(ステップS4)。
切替制御装置40は、巻線切替モータ10が回転数の低い第1領域で動作していると判定した場合、第1スイッチ301をb側、第2スイッチ302をb側、第3スイッチ303を開放状態とするように、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続状態を制御する(ステップS5)。その結果、巻線切替モータ10の巻線は、巻数2×(A+B)の巻線となる。
【0032】
切替制御装置40は、取得した回転数が第1しきい値を超えていると判定した場合(ステップS3においてYES)、取得した回転数を第2しきい値と比較する(ステップS6)。ここでの「第2しきい値」は、第1領域の次に回転数の高い第2領域における回転数の上限値である。
切替制御装置40は、比較結果に基づいて、取得した回転数が第2しきい値を超えているか否かを判定する(ステップS7)。
【0033】
切替制御装置40は、取得した回転数が第2しきい値以下であると判定した場合(ステップS7においてNO)、巻線切替モータ10が回転数が中程度の第2領域で動作していると判定する(ステップS8)。
切替制御装置40は、巻線切替モータ10が回転数の中程度の第2領域で動作していると判定した場合、第1スイッチ301をb側、第2スイッチ302をa側、第3スイッチ303を短絡状態とするように、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続状態を制御する(ステップS9)。その結果、巻線切替モータ10の巻線は、巻数(A+B)の2つの巻線の並列接続となる。
【0034】
また、切替制御装置40は、取得した回転数が第2しきい値を超えていると判定した場合(ステップS7においてYES)、巻線切替モータ10が第2領域よりも回転数の高い第3領域で動作していると判定する(ステップS10)。
切替制御装置40は、巻線切替モータ10が回転数の最も高い第3領域で動作していると判定した場合、第1スイッチ301をa側、第2スイッチ302を任意(a側またはb側)、第3スイッチ303を開放状態とするように、第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれの接続状態を制御する(ステップS11)。その結果、巻線切替モータ10の巻線は、巻数Bの巻線となる。
【0035】
なお、上記の本発明の第1の実施形態では、切替制御装置40が、巻線切替モータ10の回転数が低い領域で巻線の巻数を大きくし、巻線切替モータ10の回転数が高い領域で巻線の巻数を小さくする制御を行う場合を例に、巻線切替モータ10の巻線の巻数を切り替える制御について説明した。しかしながら、巻線切替モータ10の回転数の低い領域で巻線の巻数を小さくし、巻線切替モータ10の回転数の高い領域で巻線の巻数を大きくすることで、巻線切替モータ10を効率よく動作させることができる場合には、切替制御装置40が、巻線切替モータ10の回転数が低い領域で巻線の巻数を小さくし、巻線切替モータ10の回転数が高い領域で巻線の巻数を大きくする制御を行うものであってもよい。
【0036】
以上、本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステム1について説明した。
本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステム1において、巻線切替モータ10は、U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線101と、第2巻線102と、第1巻線101の巻数Aと第2巻線102の巻数Bとの合計に等しい巻数(A+B)の第3巻線103を有する。第1スイッチ301、第2スイッチ302及び第3スイッチ303(複数のスイッチの一例)は、第1巻線101と第2巻線102と第3巻線103を直列に接続する。または、第1スイッチ301、第2スイッチ302及び第3スイッチ303は、第1巻線101と第2巻線102とを直列に接続し、かつ直列に接続した第1巻線101及び第2巻線102と、第3巻線103とを並列に接続する。または、第1スイッチ301、第2スイッチ302及び第3スイッチ303は、第2巻線102のみとする。
このように巻線切替モータシステム1を構成し、巻線を切り替えることによって、例えば、図4に示すように、巻線切替モータ10の回転数が相対的に低い領域、中程度の領域、高い領域のそれぞれにおいて、巻線切替モータ10を効率よく運転することができる。
【0037】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態による巻線切替モータシステム1の構成について説明する。
巻線切替モータシステム1は、図5に示すように、巻線切替モータ10、インバータ20、巻線切替スイッチ30、切替制御装置40を備える。巻線切替モータシステム1は、巻線切替モータ10の回転数の領域において3つの頂点を有し、回転数の広い領域で高い効率を実現するシステムである。
本発明の第2の実施形態による巻線切替モータシステム1は、本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステム1におけるc接点のスイッチをa接点のスイッチまたはb接点のスイッチに置き換えたシステムである。なお、c接点のスイッチのすべてをa接点のスイッチに置き換えるものであってもよい。また、c接点のスイッチのすべてをb接点のスイッチに置き換えるものであってもよい。また、c接点のスイッチの一部をa接点のスイッチに置き換え、残りのc接点のスイッチをb接点のスイッチに置き換えるものであってもよい。
巻線切替モータシステム1は、例えば、空気調和機の圧縮機などで使用されるモータシステムである。
【0038】
巻線切替スイッチ30は、巻線切替モータ10の巻線どうしの接続を切り替えるスイッチである。巻線切替スイッチ30は、図5に示すように、第3スイッチ303、U相に対応するスイッチ304(第4スイッチの一例)、スイッチ305(第5スイッチの一例)、スイッチ306(第6スイッチの一例)、スイッチ307(第7スイッチの一例)を備える。また、巻線切替スイッチ30は、図5に示すように、V相及びW相のそれぞれに対応する第3スイッチ303、U相に対応するスイッチ304(第4スイッチの一例)、スイッチ305(第5スイッチの一例)、スイッチ306(第6スイッチの一例)、スイッチ307(第7スイッチの一例)を備える。第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307のそれぞれは、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ、または半導体スイッチである。U相、V相、W相のそれぞれに対応する第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307のそれぞれは、第1端子及び第2端子を備える。
【0039】
まず、U相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307の接続について説明する。
第1巻線101の第1端子は、スイッチ306の第1端子、スイッチ307の第1端子に接続される。第1巻線101の第2端子は、第2巻線102の第1端子、スイッチ304の第2端子に接続される。
第2巻線102の第2端子は、第3スイッチ303の第2端子に接続される。これら第2巻線102の第2端子及び第3スイッチ303の第2端子は、中性点である。
第3巻線103の第1端子は、スイッチ305の第2端子、スイッチ306の第2端子に接続される。第3巻線103の第2端子は、スイッチ307の第2端子、第3スイッチ303の第1端子に接続される。スイッチ304の第1端子は、インバータ20のU相に対応する出力端子、スイッチ305の第1端子に接続される。
【0040】
ここで、上述のように、U相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307が接続される部分を第1巻線部50aと呼ぶ。
【0041】
次に、V相及びW相それぞれに対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307の接続について説明する。ここで、V相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307が接続される部分を第2巻線部50bと呼ぶ。また、W相に対応する第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307が接続される部分を第3巻線部50cと呼ぶ。
第2巻線部50b及び第3巻線部50cのそれぞれにおける第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307それぞれの接続は、第1巻線部50aにおける第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307それぞれの接続と同一である。また、V相に対応するスイッチ304の第1端子は、インバータ20のV相に対応する出力端子、V相に対応するスイッチ305の第1端子に接続される。また、W相に対応するスイッチ304の第1端子は、インバータ20のW相に対応する出力端子、W相に対応するスイッチ305の第1端子に接続される。また、第1巻線部50a、第2巻線部50b、第3巻線部50cそれぞれにおける中性点は、互いに接続される。
【0042】
なお、切替制御装置40は、本発明の第1の実施形態による切替制御装置40が第1スイッチ301、第2スイッチ302、第3スイッチ303それぞれを制御したときと第1巻線101、第2巻線102、第3巻線103、第4巻線104、第5巻線105、第6巻線106それぞれの間の接続が同一になるように第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307それぞれを制御する。
具体的には、切替制御装置40は、インバータ20の出力端子と中性点との間の巻線を巻数2×(A+B)の巻線にする場合、第3スイッチ303、スイッチ304、スイッチ306を開放状態とし、スイッチ305、スイッチ307を短絡状態とする制御を行う。また、切替制御装置40は、インバータ20の出力端子と中性点との間の巻線を巻数(A+B)の2つの巻線の並列接続にする場合、第3スイッチ303、スイッチ305、スイッチ306を短絡状態とし、スイッチ304、スイッチ307を開放状態とする制御を行う。また、切替制御装置40は、インバータ20の出力端子と中性点との間の巻線を巻数Bの巻線にする場合、第3スイッチ303、スイッチ305を開放状態とし、スイッチ304を短絡状態とし、スイッチ306、307を短絡状態または開放状態(すなわち、任意の状態)とする制御を行う。
【0043】
以上、本発明の第2の実施形態による巻線切替モータシステム1について説明した。
本発明の第2の実施形態による巻線切替モータシステム1において、巻線切替モータ10は、U相、V相及びW相のそれぞれについて、第1巻線101と、第2巻線102と、第1巻線101の巻数Aと第2巻線102の巻数Bとの合計に等しい巻数(A+B)の第3巻線103を有する。第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307(複数のスイッチの一例)は、第1巻線101と第2巻線102と第3巻線103を直列に接続する。または、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307は、第1巻線101と第2巻線102とを直列に接続し、かつ直列に接続した第1巻線101及び第2巻線102と、第3巻線103とを並列に接続する。または、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307は、第2巻線102のみとする。
このように巻線切替モータシステム1を構成し、巻線を切り替えることによって、例えば、図4に示すように、巻線切替モータ10の回転数が相対的に低い領域、中程度の領域、高い領域のそれぞれにおいて、巻線切替モータ10を効率よく運転することができる。
【0044】
本発明の第2の実施形態では、c接点のスイッチのすべてをa接点のスイッチに置き換える、または、c接点のスイッチのすべてをb接点のスイッチに置き換える、または、c接点のスイッチの一部をa接点のスイッチに置き換え、残りのc接点のスイッチをb接点のスイッチに置き換えるものとして説明した。しかしながら、本発明の別の実施形態では、c接点のスイッチの一部はc接点のスイッチそのままとし、残りのc接点のスイッチのすべてをa接点のスイッチに置き換える、または、c接点のスイッチの一部はc接点のスイッチそのままとし、残りのc接点のスイッチのすべてをb接点のスイッチに置き換える、または、c接点のスイッチの一部はc接点のスイッチそのままとし、残りのc接点のスイッチの一部をa接点のスイッチに置き換え、残りのc接点のスイッチをb接点のスイッチに置き換えるものであってもよい。
【0045】
なお、本発明の第1の実施形態、及び、第2の実施形態では、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307は、a接点のスイッチまたはb接点のスイッチであるものとして説明した。しかしながら、本発明の別の実施形態では、第3スイッチ303、スイッチ304、305、306、307の一部または全部がa接点のスイッチまたはb接点のスイッチから半導体スイッチに置き換えられるものであってもよい。
【0046】
なお、本発明の別の実施形態では、a接点のスイッチ、b接点のスイッチ及びc接点のスイッチのうちの少なくとも1つを使用する場合、巻線切替モータ10の回転数が所定の回転数以下である場合に用いる巻線の巻数を実現する接続を、使用するスイッチが励磁しない状態で実現し、巻線切替モータ10の回転数が所定の回転数を超える場合に用いる巻線の巻数を実現する接続を、使用するスイッチが励磁する状態で実現するものであってもよい。
こうすることで、巻線切替モータ10の回転数が低い領域での損失を低減することができる。
【0047】
なお、本発明の第1の実施形態による巻線切替モータシステム1では、巻数Bは巻数Aよりも小さいものとした。しかしながら、本発明の別の実施形態による巻線切替モータシステム1では、巻数Bは巻数Aと同一であってもよい。また、本発明の別の実施形態による巻線切替モータシステム1では、巻数Bは巻数Aよりも大きくてもよい。
【0048】
なお、本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0049】
本発明の実施形態における記憶部や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0050】
本発明の実施形態について説明したが、上述の切替制御装置40、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図6は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図6に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の切替制御装置40、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0051】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0052】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
【符号の説明】
【0054】
1・・・巻線切替モータシステム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・巻線切替モータ
20・・・インバータ
30・・・巻線切替スイッチ
40・・・切替制御装置
50a・・・第1巻線部
50b・・・第2巻線部
50c・・・第3巻線部
101・・・第1巻線
102・・・第2巻線
103・・・第3巻線
301・・・第1スイッチ
302・・・第2スイッチ
303・・・第3スイッチ
304、305、306、307・・・スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6