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特許7260470クラウドシステムにおけるオンライン課金のための方法、システム、およびデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】クラウドシステムにおけるオンライン課金のための方法、システム、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230411BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20230411BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/04
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019516290
(86)(22)【出願日】2017-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 IB2017000845
(87)【国際公開番号】W WO2017212338
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2019-02-04
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】201610394503.0
(32)【優先日】2016-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル・ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,シアンヤン
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】相崎 裕恒
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-529366(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0238153(US,A1)
【文献】特開2015-194851(JP,A)
【文献】特開2013-15986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドシステムにおけるクラウド管理システムによって実装される方法であって、
ユーザからのクラウドシステムにおけるクラウドサービスのリクエストに応答して、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステムのオンライン課金システムに伝送するステップと、
クラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいてオンライン課金システムによって決定された、クラウドサービスに関連したクオータをオンライン課金システムから受け取るステップであって、クオータが、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す、ステップと、
クオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
ユーザがクラウドサービスを使用している間に、ユーザのクラウドサービスの使用状況を監視するステップと、
使用状況をオンライン課金システムに伝送するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クオータが使い果たされることに応答して、クラウドサービスを使用し続けることをユーザがリクエストすると決定するステップと、
クラウドサービスを使用し続けることをユーザがリクエストするとの決定に応答して、クラウドサービスの追加クオータのリクエストをオンライン課金システムに伝送するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユーザによってクラウドサービスに関連したパラメータの変更をリクエストすることに応答して、ユーザの口座において変更のための料金を確保するようにオンライン課金システムに命令するために、メッセージをオンライン課金システムに伝送するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
クラウドサービスに関連したパラメータが変更されることに応答して、パラメータが変更されたことを示すメッセージをオンライン課金システムに伝送するステップと、
変更されたパラメータを伴うクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システムから受け取るステップと、
新しいクオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供するステップと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ユーザによるクラウドサービスの使用の負荷に基づいて、クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをオンライン課金システムに伝送するステップと、
スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをオンライン課金システムから受け取ることに応答して、
クラウドサービスの能力をスケーリングするステップと、
スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システムから受け取るステップと、
新しいクオータに基づいてスケーリングされたクラウドサービスをユーザに提供するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
クラウドシステムにおけるオンライン課金システムによって実装される方法であって、
ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステムのクラウド管理システムから受け取るステップと、
クラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、クラウドサービスに関連したクオータを決定するステップであって、クオータが、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す、決定するステップと、
クオータをクラウド管理システムに伝送するステップと
を含む、方法。
【請求項8】
ユーザがクラウドサービスを使用している間に、ユーザのクラウドサービスの使用状況をクラウド管理システムから受け取るステップと、
クラウドサービスの価格および使用状況に基づいて、ユーザによって使用されたクラウドサービスの料金を決定するステップと、
決定された料金に基づいて、ユーザの口座の残高を更新するステップと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
クラウドサービスの追加クオータのリクエストをクラウド管理システムから受け取るステップと、
クラウドサービスの価格およびユーザの口座の更新された残高に基づいて追加クオータを決定するステップと、
追加クオータをクラウド管理システムに伝送するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
クラウドサービスに関連したパラメータを変更するための料金がユーザの口座内で確保されるべきであることを示すメッセージをクラウド管理システムから受け取ることに応答して、ユーザの口座内で料金を確保するステップ
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをクラウド管理システムから受け取ることに応答して、ユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングリクエストが承認されるか、または拒否されるかを決定するステップと、
ユーザの口座の残高がスケーリングするのに十分な場合、
スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送するステップと、
スケーリングされたクラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータを決定するステップと、
新しいクオータをクラウド管理システムに伝送するステップと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
ユーザの口座の残高がスケーリングするのに不十分な場合、スケーリングリクエストに対する否定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送するステップ
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるクラウド管理システムと、
請求項7から12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるオンライン課金システムと
を備える、クラウドシステム。
【請求項14】
メモリと、
プロセッサとを含み、メモリが、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法をクラウド管理システムに実行させるようにプロセッサと共に構成される、クラウドシステムのクラウド管理システム。
【請求項15】
メモリと、
プロセッサとを含み、メモリが、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法をオンライン課金システムに実行させるようにプロセッサと共に構成される、クラウドシステムのオンライン課金システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、クラウドコンピューティングの技術に関し、より詳細には、クラウドシステムにおけるオンライン課金のための方法、システム、およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドコンピューティングは、サービス指向のコンピューティング技術における重要な移行およびパラダイムシフトの代表的な技術である。クラウドコンピューティング技術は、大多数のエンドユーザの間でリソースおよびコストのスケーラブルなオンデマンド共有を可能にする。新興のクラウドサービスは、近年、非常に普及してきた。個人ユーザ、企業から政府職員まで、多くのユーザが、彼らのアプリケーションをクラウド環境に移しつつある。
【0003】
クラウドサービスの配備を成功させるために、優秀で豊かなクラウドサービスをユーザに提供するだけでなく、効率的で柔軟なクラウドサービスの請求および課金がますます重要な役割になりつつある。課金は、サービスプロバイダがそのサービスの利用を奨励するように制御できる最も重要な基準のうちの1つである。柔軟で正確な課金は、クラウドサービスプロバイダの収入に影響を与えるだけでなく、クラウドの顧客の予算にもインパクトを及ぼす。クラウドコンピューティングのプロバイダの典型的な目標は、その用いる価格設定スキームでその収入を最大化することであるが、プロバイダの顧客の主な目標は、適正価格にふさわしい最高レベルのサービス品質(QoS:quality of service)を得ることである。
【0004】
現在、ほとんどのクラウドサービスプロバイダ(CSP:cloud service provider)は主に、オフラインかつ後払いの方式でクラウドサービスの課金および請求を行う。顧客はクラウドサービスを必要に応じて使い、取り決められた期間の終わりまでに、使用したクラウドサービスの量に対してクラウドサービスプロバイダによって請求される。しかし、後払い課金スキームには事業者とユーザの両方にとっての不利およびリスクがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、クラウドシステムにおけるオンライン課金のための方法、システム、およびデバイスを提供する。
【0006】
本開示の第1の態様によれば、クラウドシステムに実装される方法が提供される。方法は:ユーザからのクラウドシステムにおけるクラウドサービスのリクエストに応答して、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステムのオンライン課金システムに伝送することと、クラウドサービスに関連したクオータをオンライン課金システムから受け取ることであって、クオータが、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す、受け取ることと、クオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供することとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザがクラウドサービスを使用している間に、ユーザのクラウドサービスの使用状況を監視することと、使用状況をオンライン課金システムに伝送することとをさらに含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、方法は:クオータが使い果たされることに応答して、クラウドサービスを使用し続けることをユーザがリクエストすると決定することと、クラウドサービスを使用し続けることをユーザがリクエストするとの決定に応答して、クラウドサービスの追加クオータのリクエストをオンライン課金システムに伝送することとをさらに含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であるという指示をオンライン課金システムから受け取ることに応答して、ユーザへのクラウドサービスの提供をやめることをさらに含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザによってクラウドサービスに関連したパラメータの変更をリクエストすることに応答して、ユーザの口座において変更のための料金を確保するようにオンライン課金システムに命令するために、メッセージをオンライン課金システムに伝送することをさらに含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、方法は:クラウドサービスに関連したパラメータが変更されることに応答して、パラメータが変更されたことを示すメッセージをオンライン課金システムに伝送することと、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システムから受け取ることと、新しいクオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供することとをさらに含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、方法は:パラメータが変更されないことに応答して、クラウドサービスが変更されないことを示すメッセージをオンライン課金システムに伝送することと、変更されないクラウドサービスをユーザに提供し続けることとをさらに含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザによるクラウドサービスの使用の負荷に基づいて、クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをオンライン課金システムに伝送することと、スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをオンライン課金システムから受け取ることに応答して、クラウドサービスの能力をスケーリングすることと、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システムから受け取ることと、新しいクオータに基づいてスケーリングされたクラウドサービスをユーザに提供することとをさらに含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、方法は:スケーリングリクエストに対する否定的レスポンスをオンライン課金システムから受け取ることに応答して、クラウドサービスの能力を変更せずに維持することをさらに含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザがクラウドサービスの使用を意図することを示すサービスオンボーディングリクエストに応答して、オンボーディング料金を課金する指示をオンライン課金システムに伝送することと、オンボーディング料金が課金されたことを示す肯定的レスポンスがオンライン課金システムから受け取られる場合、ユーザがクラウドシステムを使用するのを可能にすることと、オンボーディング料金が課金されなかったことを示す否定的レスポンスがオンライン課金システムから受け取られる場合、ユーザがクラウドシステムを使用するのを拒否することとをさらに含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスが、サービス特性およびサービス価格を伴う少なくとも1つのサービスカタログに対応することができ、サービス特性が、サービスカタログ内の少なくとも1つのサービスタイプおよびその供給量を指す。
【0017】
いくつかの実施形態において、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステムのオンライン課金システムに伝送することが:クラウドサービスに対応するサービスカタログをオンライン課金システムに伝送することを含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、方法は:一定のサービスカタログに特有の属性およびすべてのサービスカタログに共通の属性をオンライン課金システムに伝送することをさらに含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスが、以下のサービス層:サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS:Infrastructure as a Service)層、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS:Platform as a Service)層、サービスとしてのソフトウェア(SaaS:Software as a Service)層、またはサービスとしてのデータベース(DBaaS:Database as a Service)層のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、方法は:DIAMETERのオンライン課金インターフェースまたはHTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースを介してオンライン課金システムと通信することをさらに含むことができる。
【0021】
本開示の第2の態様によれば、クラウドシステムに実装される別の方法が提供される。方法は:ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステムのクラウド管理システムから受け取ることと、クラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、クラウドサービスに関連したクオータを決定することであって、クオータが、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す、決定することと、クオータをクラウド管理システムに伝送することとを含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザがクラウドサービスを使用している間に、ユーザのクラウドサービスの使用状況をクラウド管理システムから受け取ることと、クラウドサービスの価格および使用状況に基づいて、ユーザによって使用されたクラウドサービスの料金を決定することと、決定された料金に基づいて、ユーザの口座の残高を更新することとをさらに含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、方法は:クラウドサービスの追加クオータのリクエストをクラウド管理システムから受け取ることと、クラウドサービスの価格およびユーザの口座の更新された残高に基づいて追加クオータを決定することと、追加クオータをクラウド管理システムに伝送することとをさらに含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、方法は:料金および口座の更新された残高をユーザに伝送することをさらに含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であると決定することと、ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であるという指示をクラウド管理システムに伝送することとをさらに含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、方法は:クラウドサービスに関連したパラメータを変更するための料金がユーザの口座内で確保されるべきであることを示すメッセージをクラウド管理システムから受け取ることに応答して、ユーザの口座内で料金を確保することをさらに含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、方法は:パラメータが変更されたことを示すメッセージをクラウド管理システムから受け取ることに応答して、ユーザの口座から、確保された料金を差し引くことと、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスに関連した新しいクオータを決定することと、新しいクオータをクラウド管理システムに伝送することとをさらに含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、方法は:クラウドサービスが変更されなかったことを示すメッセージをクラウド管理システムから受け取ることに応答して、確保された料金をユーザの口座に返すことをさらに含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、方法は:クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをクラウド管理システムから受け取ることに応答して、ユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングリクエストが承認されるか、または拒否されるかを決定することと、ユーザの口座の残高がスケーリングするのに十分な場合、スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送することと、スケーリングされたクラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータを決定することと、新しいクオータをクラウド管理システムに伝送することとをさらに含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は:ユーザの口座の残高がスケーリングするのに不十分な場合、スケーリングリクエストに対する否定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送することをさらに含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法は:オンボーディング料金を課金する指示をクラウド管理システムから受け取ることに応答して、ユーザの口座からオンボーディング料金を課金することと、課金が成功した場合、オンボーディング料金が課金されたことを示す肯定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送することと、課金が不成功だった場合、オンボーディング料金が課金されなかったことを示す否定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送することとをさらに含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスが、サービス特性およびサービス価格を伴う少なくとも1つのサービスカタログに対応することができ、サービス特性が、サービスカタログ内のサービスタイプおよびその供給量を指す。
【0033】
いくつかの実施形態において、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステムのクラウド管理システムから受け取ることが:クラウドサービスに対応するサービスカタログをクラウド管理から受け取ることと、サービスカタログのサービス価格に基づいてクラウドサービスの価格を決定することとを含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、方法は:クラウドサービスの価格を決定する際に使用するために、一定のサービスカタログに特有の属性およびすべてのサービスカタログに共通の属性をクラウド管理システムから受け取ることをさらに含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、方法は:タリフプラン、バケット利用量、バンドル価格、店頭価格(counter price)、割引価格、ピーク時価格、またはオフピーク時価格のうちの少なくとも1つに基づいて、クラウドサービスの価格を決定することをさらに含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスが、以下のサービス層:サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)層、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)層、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)層、またはサービスとしてのデータベース(DBaaS)層のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、方法は:DIAMETERのオンライン課金インターフェースまたはHTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースを介してクラウド管理システムと通信することをさらに含むことができる。
【0038】
本開示の第3の態様によれば、クラウドシステムが提供される。クラウドシステムは、本開示の第1の態様による方法を行うように構成されるクラウド管理システムと、本開示の第2の態様による方法を行うように構成されるオンライン課金システムとを含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、クラウド管理システムが、DIAMETERのオンライン課金インターフェースを介してオンライン課金システムと通信することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、クラウド管理システムが、HTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースを介してオンライン課金システムと通信することができる。
【0041】
本開示の第4の態様によれば、クラウドシステムのクラウド管理システムが提供される。クラウド管理システムは、メモリと、プロセッサとを含み、メモリが、本開示の第1の態様による方法をクラウド管理システムに行わせるように処理と共に構成される。
【0042】
本開示の第5の態様によれば、クラウドシステムのオンライン課金システムが提供される。オンライン課金システムは、メモリと、プロセッサとを含み、メモリが、本開示の第2の態様による方法をオンライン課金システムに行わせるようにプロセッサと共に構成される。
【0043】
本開示の実施形態は、様々なクラウドサービスのためのリアルタイムオンライン課金のソリューションを提供する。この課金方式は、オンライン課金システムが、ユーザの口座の残高に基づいてクラウドサービスの使用をリアルタイムに認可し、監視できるようにする。リアルタイムのオンライン課金制御は、請求がユーザの予想を超えるという問題を防ぎ、クラウドサービスの使用状況および料金をユーザがリアルタイムに知ることができるようにする。本開示の実施形態は、テレコミュニケーションのプロバイダが、現在のテレコミュニケーションに基づくオンライン課金のソリューションを、インターネット技術に基づくクラウドサービスに拡張することもできるようにし、テレコミュニケーションサービスおよびクラウドサービスを含む様々なサービスに課金するための共通課金プラットフォームを実装することができる。
【0044】
要約すれば、本開示の実施形態は、従来のソリューションにおける後払いのクラウドサービスの課金および請求に基づくスキームの欠点を克服し、任意のタイプのクラウドサービスの課金を実装することができる。
【0045】
添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を通じて、本開示の実施形態の例の上記および他の目的、特徴、および利点がさらに明白になるであろう。本開示の実施形態のいくつかの例が以下の図面に例として示されるが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本開示の実施形態が実装され得るクラウドシステムの環境を概略的に示す図である。
図2】本開示の1つの実施形態によるクラウドシステムに実装される方法を概略的に示す流れ図である。
図3】本開示の別の実施形態によるクラウドシステムに実装される方法を概略的に示す流れ図である。
図4】本開示の実施形態による、クラウド管理システムおよびオンライン課金システムがサービスカタログと共に、動作し、相互作用することを概略的に示す図である。
図5】本開示の実施形態による、クラウド管理システムが、クラウドサービスに関連した情報をオンライン課金システムに伝送し、オンライン課金システムが、様々なファクタに基づいて課金を実行することを概略的に示す図である。
図6】クラウドサービスをスケーリングする場合の、本開示の実施形態によるクラウド管理システムおよびオンライン課金システムを概略的に示す図である。
図7】本開示の実施形態による、DIAMETERのオンライン課金インターフェースの属性値ペア(AVP:attribute value pair)を概略的に示す図である。
図8】本開示の実施形態による、クラウド管理システムとオンライン課金システムの間の相互作用を概略的に示す図である。
図9】本開示の実施形態によるクラウドシステムのクラウド管理システムを概略的に示すブロック図である。
図10】本開示の実施形態によるクラウドシステムのオンライン課金システムを概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図面すべての全体を通じて、同一または類似の要素を示すために、同一または類似の参照番号が使用される。
【0048】
本明細書で開示された例示の実施形態の原理が、図面に示される様々な例示の実施形態を参照しながらこれから説明される。これらの実施形態の説明は、本明細書で開示される例示の実施形態を当業者がよりよく理解し、さらに実装できるようにするためのものにすぎず、いかようにも本明細書で開示される範囲を限定することを意図するものではないということを理解されたい。
【0049】
上述のように、現在、ほとんどのクラウドサービスのプロバイダは主に、オフラインかつ後払い方式でクラウドサービスの課金および請求を行う。この方式では、ユーザはクラウドサービスを必要に応じて使い、取り決められた期間の終わりまでに、使用したクラウドサービスの量に対してクラウドサービスプロバイダによって請求される。この課金方式の1つの問題は、ユーザにはクラウドサービスの使用をリアルタイムに制御する方式がなく、請求サイクルの終わりに莫大な請求を受け取る可能性があるというものである。したがって、ユーザは、多くの場合、適度な量を超えたクラウドサービスの使用について心配することがあり、クラウドサービスの使用に対して不安な気持ちを抱く。
【0050】
加えて、ほとんどのテレコミュニケーションの事業者は、従来のサービスをクラウドベースのプラットフォームに能動的に移しつつある。クラウドプラットフォームによって、ユーザは、現在のテレコミュニケーションサービスより多くのクラウドサービスを受けることができる。今のところ、前払いおよび後払いの集中的なオンライン課金のソリューションが、テレコミュニケーションサービスにおいて既に広く使用される。したがって、クラウドサービスに対するオンライン課金のソリューションもサポートされるという、ユーザからの強いニーズがある。
【0051】
従来のソリューションにおける上記の欠点を考慮して、本開示の実施形態は、従来のソリューションにおける技術的問題を解決するために、クラウドシステムに実装される方法、クラウドシステム、クラウドシステムのクラウド管理システム、およびクラウドシステムのオンライン課金システムを提供する。
【0052】
図1は、本開示の実施形態が実装され得るクラウドシステム100の環境を概略的に示す図である。図1に示されるように、クラウドシステム100は、クラウド管理システム110、オンライン課金システム120、サービス配信ならびにユーザ管理および提供システム130、ユーザデバイス140、ならびにまとめてオンライン課金インターフェース150と呼ばれる、オンライン課金インターフェース150a、150b、および150cを含むことができる。
【0053】
クラウド管理システム110は、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)層111、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)層112、およびサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)層113を含むことができる。図1は、3つのサービス層しか描写していないが、クラウド管理システム110は、他の実施形態において、さらに多くのまたはさらに少ないサービス層を含むことができる。特に、SaaS層111、PaaS層112、およびIaaS層113は、課金トリガモジュール、または課金トリガポイント114a、114b、および114cとも呼ばれる、をそれぞれ含むことができる。課金トリガモジュール114a、114b、および114cは、まとめて課金トリガモジュール114と呼ばれる。
【0054】
図1は、各サービス層が、1つの課金トリガモジュールを含むことを描写しているが、他の実施形態において、各サービス層は、さらに多くのまたはさらに少ない課金トリガモジュールを含むことができ、サービス層の中には、課金トリガモジュールを含まないものもあり得るということに留意されたい。それに対応して、いくつかの実施形態において、クラウド管理システム110は、さらに多くのまたはさらに少ないオンライン課金インターフェース150を介してオンライン課金システム120と通信することができる。
【0055】
ユーザは、ユーザデバイス140を介してクラウドシステム100によって提供されるクラウドサービスを使用することができる。例えば、ユーザデバイス140は、ウェブブラウザ、モバイルAPP、シンクライアント、およびターミナルシミュレータ、等を含み、または動かすことができる。クラウド管理システム110の課金トリガモジュール114a、114b、および114cは、サービス料金に基づいて、ユーザによるクラウドサービスの使用に対する制御動作を実装するために、オンライン課金インターフェース150a、150b、および150cを介してオンライン課金システム120とそれぞれ通信することができる。この目的を実現するために、サービス配信ならびにユーザ管理および提供システム130は、クラウドサービスの確立および構成の情報、ならびに関連するクラウドサービスの価格情報を、クラウド管理システム110およびオンライン課金システム120にそれぞれ提供することができる。
【0056】
ユーザデバイス140を介してクラウドシステム100によって提供されるクラウドサービスの使用をユーザが意図するとき、クラウド管理システム110の課金トリガモジュール114は、オンライン課金インターフェース150を介して、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをオンライン課金システム120に送ることができる。オンライン課金システム120は、ユーザおよびクラウドサービスの関連情報(例えば、ユーザの口座の残高、およびクラウドサービスの価格、等)に基づいて、ユーザがクラウドサービスを使用できるクオータを決定し、オンライン課金インターフェース150を介してクオータをクラウド管理システム110の課金トリガモジュール114に伝送することができる。それによって、クラウド管理システム110は、クオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供することができる。クオータの手法でクラウドサービスをユーザに提供することによって、ユーザによって使用されたクラウドサービスの料金がユーザの予想を超えることはない。
【0057】
加えて、ユーザデバイス140を介してユーザがクラウドサービスを使用している間に、課金トリガモジュール114は、ユーザのクラウドサービスの使用状況を監視し、オンライン課金インターフェース150を介して使用状況をオンライン課金システム120に伝送することができる。オンライン課金システム120は、使用状況に基づいて、ユーザによって使用されたクラウドサービスの料金を決定し、ユーザの口座の残高をそれによって更新することができる。したがって、本開示の実施形態は、ユーザによって使用されたクラウドサービスにリアルタイムに課金することができ、したがって、従来のソリューションにおける後払いの手法を改善することができる。
【0058】
加えて、本開示の実施形態によるオンライン課金のソリューションは、IaaS層111のオンライン課金、PaaS層112のオンライン課金、およびSaaS層113のオンライン課金、等を含む、様々なサービス層で様々なクラウドコンピューティングサービスを提供することができる。
【0059】
IaaS層111は、異なるコンピューティング/ストレージ/ネットワーク能力構成を仮想インフラストラクチャサービスに提供し、仮想マシン、サーバ、ディスクイメージライブラリ、ブロック/オブジェクトストレージ、ファイアウォール、負荷分散装置、インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)アドレス、仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN:Virtual Local Area Network)、等などのさらなるリソースも提供する。本開示の実施形態は、コンピューティングストレージ、ネットワーク、等のような、割り振られ、消費されるインフラストラクチャリソースの量を、ユーティリティコンピューティングに基づくオンライン課金がリアルタイムに反映することをできるようにする。
【0060】
IaaS層111のオンライン課金において、本開示の実施形態は、様々なリソース構成のサービスに課金することができる。仮想マシン(VM:virtual machine)を例にとると、リソースは、プロセッサ、メモリ、ストレージデバイス、等を含むことができる。代替または追加として、本開示の実施形態は、データセンタによって提供されるストレージ容量、入力/出力(IO:input/output)動作、および転送されたデータ量に対してリアルタイムに課金することができる。本開示の実施形態は、負荷分散のサービス時間、負荷分散の処理データ量、標準構成に加えていくつかの追加のエラスティックIPアドレス、およびルーティングポリシのトランザクションスループット、等などの、ネットワークリソースおよびネットワークサービスに対してリアルタイムに課金することができる。
【0061】
PaaS層112は、オペレーティングシステム、プログラミング言語実行環境、実行ランタイム、データベース、ウェブサーバ、開発、分析、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)、コンテンツ配信ネットワーク(CDN:Content Distribution Network)、セキュリティおよび識別子、等を典型的に含むコンピューティングプラットフォームを提供する。
【0062】
PaaS層112のオンライン課金において、本開示の実施形態は、追加のソフトウェアパッケージおよび追加のサービスを有する様々なプラットフォーム構成によるクラウドコンピューティングプラットフォームの利用に対してオンラインで課金することができる。例えば、UNIX、Linux、Windows、MAC OS、等などのオペレーティングシステムのオプションに基づいてリアルタイム課金が行われ、例えば、MS SQL、MySQL、PostgreSQL、等などの様々なデータベースエンジンといった追加のソフトウェアパッケージに基づいてリアルタイム課金が行われ、特定のプラットフォーム構成の設定に基づいてリアルタイム課金が行われる。
【0063】
SaaS層113は、簡素化したメンテナンスおよびサポートを伴うソフトウェアアプリケーションをユーザに直接提供し、クラウドユーザの自身のコンピュータ上にアプリケーションをインストールして動かす必要性をなくす。典型的なSaaSのサービスは、顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)アプリケーション、ウェブeメールアプリケーション、仮想デスクトップアプリケーション、計算アプリケーション、通信アプリケーション、カレンダアプリケーション、画像アプリケーション、等のようなサービスである。
【0064】
SaaS層113のオンライン課金において、本開示の実施形態は、サブスクリプションフィーごとの利用、またはバンドルごとの利用に基づいてSaaSに対するオンライン課金をできるようにし、バンドル利用後に追加のサービスが、超過率(overage rate)等に対して課金される。
【0065】
本出願の実施形態は、特定のサービスカタログの特性に基づく様々なサービス課金モデルをサポートすることもできる。例えば、クラウドリソースの利用時間期間(例えば、時間数)に基づく課金などの、利用量に基づくセッションベースの課金がサポートされ、(例えば、サービスオンボーディング、および特定のサービス構成の変更、等といった)1回限りのサービスに対するイベントベースの課金がサポートされる。
【0066】
本開示の実施形態は、リカーリングクラウドサービス課金およびノンリカーリングクラウドサービス課金をサポートすることもできる。リカーリングクラウドサービス課金の場合、ユーザは、各クラウドサービスカタログに対する課金を定期的に支払う。ノンリカーリングクラウドサービス課金の場合、ユーザは、各クラウドサービスカタログに対する1回限りの課金を支払うことができる。この課金手法を使用することによって、本開示の実施形態は、オンライン課金システム120がユーザの残高を管理できるので、オンライン課金システム120によるオンライン課金インターフェースを必要とすることはない。リカーリングクラウドサービス課金およびノンリカーリングクラウドサービス課金に資金を提供するのに残高が十分でないとき、オンライン課金システム120は、関連通知をクラウド管理システム110にトリガすることができる。ユーザの残高が残高の閾値に到達するか、もしくは残高閾値をリセットする、または再課金する、等のとき、クラウド管理システム110は、クラウドサービスを適宜、活性化または不活性化させることができ、例えば、残高の枯渇のために、あるクラウドサービスを不活性化させる。
【0067】
本開示の基本的な概念は、図1を参照して上記で簡単に説明される。本開示のいくつかの実施形態は、下記に詳述される。図2は、本開示の1つの実施形態によるクラウドシステムに実装される方法200を概略的に示す流れ図である。いくつかの実施形態において、方法200は、図1に描写されるようなクラウド管理システム110によって行われてよい。方法200は、図1のクラウドシステム100を主に参照して下記で具体的に説明される。
【0068】
図2に示されるように、ステップ210において、ユーザからのクラウドシステム100におけるクラウドサービスのリクエストに応答して、クラウド管理システム100は、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステム100のオンライン課金システム120に送る。それによって、オンライン課金システム120は、ユーザの料金情報およびクラウドサービスの価格情報のような関連情報に基づいて、ユーザがクラウドサービスを使用できるクオータを決定することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスは、サービスカタログ内の少なくとも1つのサービスタイプおよびその供給量を指すことができるサービス価格およびサービス特性を有することができる少なくとも1つのサービスカタログに対応することができる。以下に、本開示の実施形態によるサービスカタログに関連した動作が、図4を参照してさらに説明される。クラウド管理システム110がサービスカタログに基づいてオンライン課金システム120と通信する場合、方法200のステップ210において、クラウド管理システム110は、クラウドサービスに対応するサービスカタログをオンライン課金システム120に伝送することができる。さらに、クラウド管理システム110は、一定のサービスカタログに特有の属性およびすべてのサービスカタログに共通の属性をオンライン課金システム120に送ることができる。以下に、これらに関連した動作が、図5を参照してさらに説明される。
【0070】
ステップ215において、クラウド管理システム100は、クラウドサービスに関連したクオータをオンライン課金システム120から受け取り、このクオータは、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す。例えば、クオータは、どの程度長くユーザがクラウドサービスを使用できるかを示すことができ、またはクオータは、上述のような様々なクラウドサービス層によって提供されるネットワークリソースの量など、ユーザが使用できるクラウドサービスの量を示すことができる。
【0071】
ステップ220において、クラウド管理システム110は、クオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供する。したがって、クラウドサービスのユーザの利用に見合うクオータが存在するので、クラウドサービスに対するユーザの利用料金がユーザの予想を超えることはなく、ユーザの制御可能範囲にとどまる。クオータが使い果たされると、ユーザは、自身の残高の観点からクラウドサービスを使用し続けるかどうかを決定することができ、また他の料金でクラウドサービスを使用することもでき、またクラウドシステム100のクラウドサービスの使用をやめることもできる。
【0072】
方法200に関連して説明される動作および機能とは別に、クラウド管理システム100は、他の任意選択の追加の動作および機能を実装することもできる。例えば、いくつかの実施形態において、ユーザがクラウドサービスを使用している間に、クラウド管理システム110は、ユーザのクラウドサービスの使用状況を監視し、使用状況をオンライン課金システム120に送ることができる。それによって、オンライン課金システム120は、使用状況に基づいて、ユーザによって使用されたクラウドサービスの料金を計算し、計算された料金に基づいてユーザの口座の残高を更新することができる。さらに、オンライン課金システム120は、残高情報をユーザにリアルタイムに通知することができ、クラウド管理システム110は、ユーザによるクラウドサービスの使用を制御するために、オンライン課金システム120から残高情報を得ることができる。
【0073】
例えば、クオータが使い果たされることに応答して、クラウド管理システム110は、ユーザがクラウドサービスを使用し続けることをリクエストすると決定することができ、クラウド管理システム110は、ユーザによるクラウドサービスを使用し続けることをリクエストすることに応答して、クラウドサービスの追加クオータのリクエストをオンライン課金システム120に送ることができる。この場合、ユーザが口座に十分な残高を有している場合、ユーザは、クラウドサービスを使用し続けることができる。
【0074】
さらに、ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であるという指示をオンライン課金システム120から受け取ることに応答して、クラウド管理システム110は、ユーザへのクラウドサービスの提供をやめることができる。
【0075】
いくつかの場合において、ユーザは、クラウドサービスのタイプ、供給量、組み合わせ手法、等など、クラウドサービスの使用中にクラウドサービスのパラメータの変更を意図することができる。これらの場合において、ユーザによってクラウドサービスに関連したパラメータの変更をリクエストすることに応答して、クラウド管理システム110は、ユーザの口座において変更のための料金を確保するようにオンライン課金システム120に命令するために、メッセージをオンライン課金システム120に送ることができる。
【0076】
クラウドサービスのパラメータが変更されることに応答して、クラウド管理システム110は、パラメータが変更されたことを示すメッセージをオンライン課金システム120に伝送し、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システム120から受け取り、新しいクオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供することができる。それによって、ユーザは、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスを使用することができる。
【0077】
いくつかの場合において、クラウドシステム100は、例えば、過負荷のために、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスをユーザに提供できないことがある。これらの場合、パラメータが変更されないことに応答して、クラウド管理システム110は、クラウドサービスが変更されないことを示すメッセージをオンライン課金システム120に伝送し、変更されないクラウドサービスをユーザに提供し続けることができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、クラウドシステム100は、クラウドサービスの使用状況およびクラウドシステム100の全体的な動作状況に基づいて、ユーザに提供されるクラウドサービスの能力を自動的にスケーリングすることができる。例えば、クラウドシステム100の全体的な負荷が軽く、ユーザに対する現在のクラウドサービスの能力が低い場合、クラウドシステム100は、例えば、さらに多くの仮想マシン、さらに大きいストレージ空間、等といった、さらに高い能力のクラウドサービスをユーザに提供することができる。
【0079】
これらの実施形態において、クラウド管理システム110は、ユーザによるクラウドサービスの使用の負荷に基づいて、クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをオンライン課金システム120に伝送することができる。さらに、オンライン課金システム120は、ユーザの口座の残高に基づいてクラウドサービスのスケーリングを提供するかどうかを決定することができ、スケーリングが可能である場合、オンライン課金システム120は、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータをさらに決定する。
【0080】
スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをオンライン課金システム120から受け取ることに応答して、クラウド管理システム110は、クラウドサービスの能力をスケーリングし、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システム120から受け取り、新しいクオータに基づいてスケーリングされたクラウドサービスをユーザに提供することができる。スケーリングリクエストに対する否定的レスポンスをオンライン課金システム120から受け取ることに応答して、クラウド管理システム110は、クラウドサービスの能力を変更していない状態にしておくことができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、クラウドシステム100によって提供されるクラウドサービスを使用する前に、ユーザは、サービスにオンボーディングする動作を行い、サービスにオンボーディングするための料金を支払う必要があることがある。サービスにオンボーディングする動作を完了させた後、ユーザは、クラウドシステム100によって提供される様々なクラウドサービスをさらに選択することができる。これらの実施形態において、ユーザがクラウドシステム100の使用を意図することを示すサービスオンボーディングリクエストに応答して、クラウド管理システム110は、オンボーディング料金を課金する指示をオンライン課金システム120に送ることができる。オンボーディング料金が課金されたことを示す肯定的レスポンスがオンライン課金システム120から受け取られる場合、クラウド管理システム110は、ユーザがクラウドシステム100を使用するのを可能にする。オンボーディング料金が課金されなかったことを示す否定的レスポンスがオンライン課金システム120から受け取られる場合、クラウド管理システム110は、ユーザがクラウドシステム100を使用するのを拒否する。
【0082】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスは、以下のサービス層:サービスとしてのインフラストラクチャ層、サービスとしてのプラットフォーム層、サービスとしてのソフトウェア層、またはサービスとしてのデータベース層のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態において、クラウド管理システム110は、DIAMETERのオンライン課金インターフェースまたはHTTP/XML RESETのオンライン課金インターフェースを介してオンライン課金システム120と通信し、DIAMETERプロトコルは、RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)プロトコルのアップグレードバージョンであり、HTTPは、Hyper Text Transfer Protocolを指し、XMLは、Extensive Markup Languageを指し、RESTは、Representational State Transferを指す。以下に、これらに関連した動作が、図7を参照してさらに説明される。
【0083】
図3は、本開示の別の実施形態によるクラウドシステムに実装される方法300を概略的に示す流れ図である。いくつかの実施形態において、方法300は、図1に描写されるようなオンライン課金システム120によって行われてよい。
【0084】
方法300は、図1のクラウドシステム100を主に参照して下記で説明される。方法300は、図2で上述されたような方法200を実行する、相互作用の相手によって行われる動作に動作を対応させることを含むということが当業者によって理解されよう。したがって、方法300のそれぞれの動作は、方法200の説明を参照しながら理解されることが可能である。方法200について説明された処理は、下記では繰り返されない。
【0085】
図3に示されるように、ステップ310において、オンライン課金システム120は、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステム100のクラウド管理システム110から受け取る。いくつかの実施形態において、クラウドサービスは、サービスカタログ内のサービスタイプおよびその供給量を指すことができるサービス価格およびサービス特性を有することができる少なくとも1つのサービスカタログに対応することができる。以下に、本開示の実施形態によるサービスカタログに関連した動作が、図4に関連してさらに説明される。クラウド管理システム110が、サービスカタログに基づいてオンライン課金システム120と通信する場合、方法300のステップ310において、オンライン課金システム120は、クラウドサービスに対応するサービスカタログをクラウド管理システム110から受け取り、サービスカタログのサービス価格に基づいてクラウドサービスの価格を決定することができる。
【0086】
ステップ315において、オンライン課金システム120は、クラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいてクラウドサービスに関連したクオータを決定し、クオータは、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す。ステップ320において、オンライン課金システム120は、クオータをクラウド管理システム110に伝送する。それによって、クラウド管理システム110は、クオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供する。
【0087】
図3に示されるようなこれらの動作および機能とは別に、オンライン課金システム120は、他の任意選択の動作および機能を実装することもできる。例えば、いくつかの実施形態において、ユーザがクラウドサービスを使用している間に、オンライン課金システム120は、ユーザのクラウドサービスの使用状況をクラウド管理システム110から受け取り、クラウドサービスの価格および使用状況に基づいて、ユーザによって使用されたクラウドサービスの料金を決定し、決定された料金に基づいて、ユーザの口座の残高を更新する。
【0088】
いくつかの実施形態において、オンライン課金システム120は、クラウドサービスの追加クオータのリクエストをクラウド管理システム110から受け取り、クラウドサービスの価格およびユーザの口座の更新された残高に基づいて追加クオータを決定し、クラウド管理システム110に追加クオータを伝送する。
【0089】
いくつかの実施形態において、オンライン課金システム120は、料金および口座の更新された残高をユーザに伝送する。いくつかの実施形態において、オンライン課金システム120は、ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であると決定し、ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であるという指示をクラウド管理システム110に伝送することができる。
【0090】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスに関連したパラメータを変更するための料金がユーザの口座内で確保される必要があることを示すメッセージをクラウド管理システム110から受け取ることに応答して、オンライン課金システム120は、ユーザの口座内で料金を確保する。パラメータが変更されたことを示すメッセージをクラウド管理システム110から受け取ることに応答して、オンライン課金システム120は、ユーザの口座から、確保された料金を差し引き、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスに関連した新しいクオータを決定し、新しいクオータをクラウド管理システム110に送る。クラウドサービスが変更されなかったことを示すメッセージをクラウド管理システム110から受け取ることに応答して、オンライン課金システム120は、確保された料金をユーザの口座に返す。
【0091】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをクラウド管理システム110から受け取ることに応答して、オンライン課金システム120は、ユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングリクエストが承認されるべきか、または拒否されるべきかを決定する。ユーザの口座の残高がスケーリングするのに十分な場合、オンライン課金システム120は、スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをクラウド管理システム110に伝送し、スケーリングされたクラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータを決定し、新しいクオータをクラウド管理システム110に伝送する。ユーザの口座の残高がスケーリングするのに不十分な場合、オンライン課金システム120は、スケーリングリクエストに対する否定的レスポンスをクラウド管理システム110に伝送する。
【0092】
いくつかの実施形態において、オンボーディング料金を課金する指示をクラウド管理システム110から受け取ることに応答して、オンライン課金システム120は、ユーザの口座からオンボーディング料金を課金する。課金が成功した場合、オンライン課金システム120は、オンボーディング料金が課金されたことを示す肯定的レスポンスをクラウド管理システム110に伝送する。課金が不成功だった場合、オンライン課金システム120は、オンボーディング料金が課金されなかったことを示す否定的レスポンスをクラウド管理システム110に伝送する。
【0093】
いくつかの実施形態において、オンライン課金システム120は、クラウドサービスの価格を決定する際にオンライン課金システム120によって使用するために、一定のサービスカタログに特有の属性およびすべてのサービスカタログに共通の属性もクラウド管理システム110から受け取る。加えて、オンライン課金システム120は、タリフプラン、バケット利用量、バンドル価格、店頭価格、割引価格、ピーク時価格、またはオフピーク時価格のうちの少なくとも1つに基づいて、クラウドサービスの価格をさらに決定する。以下に、これらに関連した動作が図5を参照してさらに説明される。
【0094】
いくつかの実施形態において、オンライン課金システム120は、DIAMETERのオンライン課金インターフェースまたはHTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースを介してクラウド管理システム110と通信する。以下に、これらに関連した動作が図5を参照してさらに説明される。
【0095】
図4は、本開示の実施形態による、クラウド管理システム110およびオンライン課金システム120がサービスカタログと共に、動作し、相互作用することを概略的に示す図400である。図4は、1つの例を描写するにすぎず、いかようにも本開示の実施形態を限定する意図はないということに留意されたい。
【0096】
図4に示されるように、クラウド管理システム110は、クラウドサービス411を提供し、課金トリガモジュール114を含むことができる。クラウド管理システム110は、オンライン課金システム120とオンライン課金インターフェース150を介して通信することができる。オンライン課金システム120は、関連した課金情報をユーザデバイス140に提供することができる(460)。サービス配信ならびにユーザ管理および提供システム130は、サービスカタログに基づいて、サービスカタログとサービス特性のリスト413をクラウド管理システム110に提供し(470)、サービスカタログに基づいて、サービスカタログとサービス価格のリスト421をオンライン課金システム120に提供することができる(480)。加えて、ユーザのサービスカタログの使用状況のリスト451は、クラウド管理システム110とオンライン課金システム120との間で配信されてよい(490)。本開示の実施形態によるサービスカタログは、下記で詳細に説明される。
【0097】
一般に、各クラウドサービスは、複数のサブ課金項目を含む。例えば、クラウドストレージサービスは、ストレージサイズに基づいて課金されること、ストレージディスクにアクセスするIOリクエストに基づいて課金されること、およびストレージシステムに出入りするデータ転送量に基づいて課金されること、等を行うことができる。サブ課金項目に対してよりよく課金するために、本開示の実施形態は、特定のリソースを対象とする各課金項目のためのサービスカタログを導入するので、各クラウドサービスは、複数のサービスカタログに対応することができ、様々なサービスカタログが、課金トリガモジュール114が監視し、制御するための特定のサービス特性のセットを定義する。サービス特性は、サービスカタログ内のサービスタイプおよびその供給量を指すことができる。ユーザが選んだクラウドサービスカタログに基づいて、クラウド管理システム110は、課金トリガモジュール114を介して各サービスカタログのユーザの利用を計測し、監視することができる。
【0098】
オンライン課金システム120が各クラウドサービスカタログに対してリアルタイムに課金できるように、サービスカタログは、クラウド管理システム110とオンライン課金システム120との間で一貫して提供され、クラウド管理システム110は、リスト413を介して各サービスカタログのサービス特性を維持し、オンライン課金システム120は、リスト421を介して各サービスカタログのサービス価格を維持する。クラウド管理システム110は、クラウドサービスのユーザの利用を認可し、クラウドサービスの中で選ばれたそれぞれの使用状況を監視し、オンライン課金システム120がクレジット/利用の課金制御を行えるように、リスト451の形でクラウドサービスの使用状況をオンライン課金システム120にレポートする。
【0099】
通知をクラウド管理システム110に提供することに加えて、図4にさらに示される本開示の実施形態は、各クラウドサービスカタログの使用状況および関連した料金を通告するために、複数チャネルの通知をユーザに提供することもサポートする。
【0100】
図5は、本開示の実施形態による、クラウド管理システム110がクラウドサービスに関連した情報をオンライン課金システム120に伝送すること、およびオンライン課金システム120が様々なファクタに基づいて課金することを概略的に示す図である。図5は、1つの例を描写するにすぎず、いかようにも本開示の実施形態を限定する何らの意図もないということに留意されたい。
【0101】
図5に示されるように、クラウド管理システム110は、例えば、サービスカタログに関連したテーブル511、各サービスカタログに関連した情報512、およびすべてのサービスカタログに共通の情報513(クラウドセッションに関連した情報)をオンライン課金システム120に送ることができる。図5に描写されるような例において、テーブル511は、コンピューティングインスタンスサイズ、CPU、メモリ、インスタンスストレージ空間、I/Oパフォーマンス、等の項目を含む。各サービスカタログに関連した情報512は、例えば、追加のオペレーティングシステムおよびソフトウェアパッケージ構成、等を含むコンピューティングインスタンスカタログといった、オペレーティングシステムに関連した詳細な情報を含む。サービスカタログすべてに共通の情報513は、例えば、データセンタの場所、複製されたデータセンタもしくは独立のデータセンタ、クラウドプロバイダのサポートのある管理されたクラウドサービス、またはいくつかの問題が起こるときにユーザが自分でデバッグする管理されていないクラウドサービス、等を含む。
【0102】
オンライン課金システム120は、サービスカタログに関連したテーブル511、各サービスカタログに関連した情報512、およびクラウド管理システム110から受け取られたサービスカタログすべてに共通の情報513に基づいて、ならびに例えば、(販売促進の)タリフプラン/利用率524、バンドル/バケット情報525、および割引情報526にさらに基づいて、ユーザによって使用されたクラウドサービスの適切な料金を決定することができる。
【0103】
例えば、オンライン課金システム120は、レポートされたサービスカタログ521を使用して、タリフプラン、バケットサービス、店頭価格、および柔軟なサービス課金プランのための割引を定義することができる。さらに、サービスカタログ521は、例えば、バンドル内での価格/バンドル外での価格、ピーク時/オフピーク時割引での利用、等といった、オンライン課金システムで定義される様々なタリフプランを選択するための追加の課金尺度およびクラウドサービス特性を用いて使用されてよい。さらに、各クラウドサービスカタログの利用をオンライン課金システム120にレポートすることに加えて、クラウド管理システム110は、サービスカタログ521とともに、タリフプラン、バケット、割引定義、等に影響を与えるための追加のサービス特性522および523をレポートする。
【0104】
代替または追加として、各ユーザは、例えば、様々な数のVMインスタンス、様々なVMインスタンス構成、様々なストレージサイズ、等といった、1つまたは複数の様々なサービスオプションを有することができる。本開示の実施形態は、柔軟な課金レポートメカニズムを提供し、各サービスカタログは、1つの課金リクエストの中でレポートされてよく、また複数のサービスカタログが、1つの課金リクエストの中で組み合わされてもよい。
【0105】
図6は、クラウドサービスをスケーリングする場合の本開示の実施形態によるクラウド管理システム110およびオンライン課金システム120を概略的に示す図である。図6は、1つの例を描写するにすぎず、いかようにも本開示の実施形態を限定するいかなる意図もないということに留意されたい。
【0106】
図6に示されるように、クラウド管理システム110は、仮想マシン611を提供することができる。仮想マシン611は、提供された特有のクラウドサービス6112およびオペレーティングシステム6113を含むことができる。仮想マシン611は、ハイパーバイザ6114を含むこともできる。さらに、クラウド管理システム100は、課金トリガモジュール114をさらに含むことができる。クラウド管理システム110は、オンライン課金インターフェース150を介してオンライン課金システム120と通信することができる。
【0107】
クラウド管理システム110は、クラウドコンピューティングのニーズを適応させ、クラウドサービス特性を修正するように、例えば、スケーリングアップ、スケーリングダウン、スケーリングアウト、およびスケーリングインといった、様々なスケーリングメカニズムを有することができるということが、図6にさらに示される。本開示の文脈では、スケーリングアップおよびスケーリングダウンは主に、仮想マシン611の内部の能力(例えば、仮想CPU)をスケーリングアップすることおよびスケーリングダウンすることを指す。スケーリングインおよびスケーリングアウトは主に、仮想マシン611の数の増減を指す。
【0108】
サービス特性が変更されるとき、クラウド管理システム110の課金トリガモジュール114は、新しいサービス特性に基づく認められたクオータを決定するために、再認可リクエストをオンライン課金システム120に伝送することができる。したがって、本開示の実施形態は、クラウドセッション中のクラウドサービス特性の変更を監視し、検出するために、課金トリガタイプの課金トリガモジュールを導入することができる。
【0109】
図7は、本開示の実施形態によるDIAMETERのオンライン課金インターフェース内の属性値ペア(AVP)を概略的に示す図である。図7は、1つの例を描写するにすぎず、いかようにも本開示の実施形態を限定する意図はないということに留意されたい。
【0110】
図7に示されるように、本開示の実施形態は、クラウドサービス課金をサポートするためのDIAMETERのオンライン課金インターフェースの機能強化を提供する。図7に描写された例において、本開示の本実施形態は、例えば、クラウドサービス課金に対するxxx@3gpp.orgといった、一意のService-Context-Identifierをクラウドサービス課金に対して定義することができ、詳細な値xxxは、各ユーザのニーズに基づいてカスタマイズされてよい。
【0111】
図7の接続線によって示されるように、クラウド管理システムは、各クラウドサービスカタログを識別するために、クラウドサービスカタログを関連付けれられたレーティンググループおよびサービス識別子にマッピングすることができる。この目的を遂行するために、新しいコンテナグループの属性値ペア(AVP)である、Cloud-Service-Informationが、現在のDIAMETERのオンライン課金尺度を拡張するために定義される。クラウドサービス課金の特性および属性は、レーティングおよび課金に影響を及ぼすように、Cloud-Service-InformationのAVPの中で保持されてよい。クラウドサービス情報は、各特有のクラウドサービスタイプの特性をレポートするためのサブAVPのリストを含むことができる。
【0112】
本開示のいくつかの実施形態において、クラウドサービス情報は、multiple-service-credit-control(MSCC)レベルおよびDIAMETERコマンドレベルで定義されてよい。例えば、MSCCレベルのクラウドサービス情報は、クラウドサービスカタログごとにクラウドサービスの変更された特性をレポートすることができる。DIAMETERコマンドレベルのクラウドサービス情報は、クラウドセッション全体で発生するクラウドサービス課金の特性をレポートすることができる。さらに、MSCCレベルで定義される、リクエストされたサービスユニット、使用されたサービスユニット、または認められたサービスユニットは、クラウド管理システムとオンライン課金システムとの間で交換されるクオータを保持するために再使用される。
【0113】
本開示の実施形態によるオンライン課金インターフェースがDIAMETERベースの課金に限定されないということが当業者によって理解されたい。現在、テレコミュニケーションベースのオンライン課金システムは主にDIAMETER課金に基づくが、RESTベースのインターフェースが、いくつかのクラウドサービスの管理プラットフォームによって最も広く採用されることを考慮すると、本開示の実施形態は、クラウドサービス課金をサポートするためにHTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースをサポートしてもよい。
【0114】
HTTP/XMLは、DIAMETERのオンライン課金インターフェースに対して定義されるものと同等のクラウドサービス課金情報を転送する柔軟なメカニズムも提供する。HTTP/XMLは、関連したクラウドサービスカタログの利用、各カタログのクラウドサービス情報、およびクラウドセッション全体のクラウドサービス情報を含むこともできる。当業者は、関連技術的知識を考慮して、本開示の内容に従って、HTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースを実装することができる。したがって、本開示はXMLレイアウトの詳細を紹介しない。加えて、当業者は、本開示の課金要件が、他の適正なプロトコルインターフェース、および/または現在知られているか、もしくは将来開発されることになる任意のプロトコルインターフェースによって実現されてよいということを理解することができる。
【0115】
図8は、本開示の実施形態によるクラウド管理システム110とオンライン課金システム120との間の相互作用図800である。図8は、1つの例を描写するにすぎず、いかようにも本開示の実施形態を限定するいかなる意図もないということに留意されたい。
【0116】
上述のように、ユーザは、クラウド管理システム110が様々なリクエストされたクラウドサービスを提供する前に、クラウドサービスを使用し、クラウド口座を作り、いくつかのクラウドサービスをオプトインすることを意図することができる。したがって、図8は、サービスにオンボーディングする動作830を描写する。
【0117】
ステップ831において、クラウド管理システム110は、サービスにオンボーディングするリクエストをオンライン課金システム120に送ることができ、オンライン課金システム120は、ユーザの口座からサービスにオンボーディングするための料金を差し引くことができる。残高が十分な場合、クラウドサービスはオンボーディングされてよい。料金を払うのに残高が不十分な場合、クラウドサービスがこのユーザに対してオンボーディングされることはない。ステップ832において、オンライン課金システム120は、したがってサービスにオンボーディングすることに対するレスポンスをクラウド管理システム110に伝送することができる。
【0118】
クラウド管理システム110でクラウドサービスが提供され、構成されると、ユーザは、クラウドサービスをオンデマンドで使用することができる。図8は、オンデマンドサービスの動作840を描写する。
【0119】
ステップ841において、ユーザがクラウドサービスを使用し始めるとき、クラウド管理システム110は、例えば、リクエストされたクラウドサービスをどの程度長くユーザが使用できるかといった、クラウドサービスのクオータを決定するために、クオータのリクエストをオンライン課金システム120に送る。ステップ842において、オンライン課金システム840は、クラウドサービスカタログ、関連したクラウドサービス特性、ユーザが購入したタリフプラン、または同様のものに基づいてクラウドサービスのクオータを決定し、割り振られたクオータをクラウド管理システム110に返す。
【0120】
ステップ843において、クラウド管理システム110は、クラウドサービスのリソースの消費量を監視する。割り振られたクオータが使い果たされると、クラウド管理システム110は、ユーザの残高が進行中のクラウドセッションに十分な場合、さらに多くのクオータをリクエストするために、追加クオータのリクエストをオンライン課金システム120に伝送する。ステップ844において、オンライン課金システム120は、追加クオータをクラウド管理システム110に返すことができる。
【0121】
ステップ845において、ユーザがクラウドセッションを終了するとき、クラウド管理システム110は、使用したサービスユニットに基づく関連した利用フィーを差し引くために、終了のリクエストをオンライン課金システム120に伝送することができる。ステップ846において、オンライン課金システム120は、課金動作が成功裏に実行されることを通告するために、終了のレスポンスをクラウド管理システム110に伝送することができる。
【0122】
上述のように、いくつかの場合において、ユーザは、クラウドサービスの構成を手動で変更することができる。図8は、サービス構成を変更する動作を描写する。
【0123】
ステップ851およびステップ852において、クラウド管理システム110およびオンライン課金システム120は、相互作用を通じて初期構成を実装することができる。ステップ853において、クラウドサービスが構成を変更できる前に、クラウド管理システム110は、このような変更に対する料金を確保するために、サービス構成変更リクエストをオンライン課金システム120に伝送することができる。
【0124】
ステップ854において、構成が成功裏に変更されて提供され、クラウド管理システム110上でサービスが効力を生じると、オンライン課金システム120は、ユーザの口座から構成変更の料金を差し引くことができる。そうでなければ、構成が変更されずに効力が生じる場合、オンライン課金システム120は、構成変更をキャンセルして終了し、確保された料金はユーザの口座に返される。オンライン課金システム120は、したがってサービス構成変更レスポンスをクラウド管理システム110に伝送する。ステップ855およびステップ856において、クラウド管理システム110およびオンライン課金システム120は、相互作用を通じてクラウドサービスを終了することができる。
【0125】
上述のように、いくつかの場合において、クラウド管理システム110でクラウドサービスが提供されて構成されると、ユーザは、進行中のクラウドセッションの自動スケーリングサービスを行うようにクラウドシステムを設定することもできる。図8は、スケーリングサービスの動作860を描写する。
【0126】
ステップ861およびステップ862において、クラウド管理システム110およびオンライン課金システム120は、相互作用を通じてクラウドサービスの初期構成を実装することができる。ステップ863において、ユーザがクラウドサービスのクオータを消費しているとき、クラウド管理システム110は、クラウドサービスのリソース構成の変更を監視することができる。クラウドサービスの利用負荷が変更されると、クラウド管理システム110は、新しいサービス負荷に適応するように、スケーリングアップ、スケーリングダウン、スケーリングイン、またはスケーリングアウトのうちの1つまたは複数を自動的に行うことができる。クラウド管理システム110は、クラウドサービス特性に基づくサービスのクオータを再認可すること、およびクラウドサービスのクオータを再割り振りすることを行うように、オンライン課金システム120にリクエストすることができる。エンドユーザの残高がクラウドサービスをスケーリングするのに不十分な場合、オンライン課金システム120は、関連した結果をクラウド管理システム110に返して、スケーリング動作を拒否することができ、クラウドサービスは、現在の構成能力に基づいて継続することができる。
【0127】
ステップ864において、オンライン課金システム120は、スケーリングのレスポンスを応答的にクラウド管理システム110に送る。ステップ865およびステップ866において、クラウド管理システム110およびオンライン課金システム120は、相互作用を通じてクラウドサービスを終了することができる。
【0128】
図9は、本開示の実施形態によるクラウドシステムのクラウド管理システム110を概略的に示すブロック図である。当業者は、図9は、クラウド管理システム110における本開示に密接に関連したユニットまたは構成要素を示すにすぎず、特定の実装形態において、クラウド管理システム110は、その通常動作を可能にする他の機能ユニットまたは構成要素を含むこともできるということを理解することができる。さらに、図9に示されるような様々なユニットまたは構成要素の間の必要な接続があってよいが、図9は、簡潔さのためにこれらの接続を描写しない。図9において、任意選択のユニットまたは構成要素を表すために点線のブロックが使用される。いくつかの実施形態において、クラウド管理システム110は、図2に関連して上述されたように、クラウドシステム内で実装される方法200を行うように構成されてよい。
【0129】
図9に示されるように、クラウド管理システム110は、伝送ユニット901、受信ユニット902、および提供ユニット903を含む。伝送ユニット901は、ユーザからのクラウドシステムにおけるクラウドサービスのリクエストに応答して、ユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージをクラウドシステムのオンライン課金システムに送るように構成される。受信ユニット902は、クラウドサービスに関連したクオータをオンライン課金システムから受け取るように構成され、クオータは、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す。提供ユニット903は、クオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供するように構成される。
【0130】
いくつかの実施形態において、クラウド管理システム110は、監視ユニット904をさらに含むことができる。監視ユニット904は、ユーザがクラウドサービスを使用している間に、ユーザのクラウドサービスの使用状況を監視するように構成され、伝送ユニット901は、使用状況をオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0131】
いくつかの実施形態において、クラウド管理システム110は、決定ユニット905をさらに含むことができる。決定ユニット905は、クオータが使い果たされることに応答して、クラウドサービスを使用し続けることをユーザがリクエストすると決定するように構成され、伝送ユニット901は、ユーザによってクラウドサービスを使用し続けることをリクエストすることに応答して、クラウドサービスの追加クオータのリクエストをオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、提供ユニット903は、ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であるという指示を、受信ユニット902がオンライン課金システムから受け取ることに応答して、ユーザへのクラウドサービスの提供をやめるようにさらに構成されてよい。
【0133】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット901は、ユーザによってクラウドサービスに関連したパラメータの変更をリクエストすることに応答して、ユーザの口座において変更のための料金を確保するようにオンライン課金システムに命令するために、メッセージをオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスのパラメータが変更されることに応答して、伝送ユニット901は、パラメータが変更されたことを示すメッセージをオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよく、受信ユニット902は、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システムから受け取るようにさらに構成されてよく、提供ユニット903は、新しいクオータに基づいてクラウドサービスをユーザに提供するようにさらに構成されてよい。
【0135】
いくつかの実施形態において、パラメータが変更されないことに応答して、伝送ユニット901は、クラウドサービスが変更されないことを示すメッセージをオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよく、提供ユニット903は、変更されないクラウドサービスをユーザに提供し続けるようにさらに構成されてよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット901は、ユーザによるクラウドサービスの使用の負荷に基づいて、クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよく、提供ユニット903は、スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをオンライン課金システムから受信ユニット902が受け取ることに応答して、クラウドサービスの能力をスケーリングするようにさらに構成されてよく、受信ユニット902は、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータをオンライン課金システムから受け取るようにさらに構成されてよく、提供ユニット903は、新しいクオータに基づいてスケーリングされたクラウドサービスをユーザに提供するようにさらに構成されてよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、提供ユニット903は、スケーリングリクエストに対する否定的レスポンスをオンライン課金システムから受信ユニット902が受け取ることに応答して、クラウドサービスの能力を変更せずに維持するようにさらに構成されてよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット901は、ユーザがクラウドサービスの使用を意図することを示すサービスオンボーディングリクエストに応答して、オンボーディング料金を課金する指示をオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよく、クラウド管理システム110は、制御ユニット906をさらに含むことができる。オンボーディング料金が課金されたことを示す肯定的レスポンスをオンライン課金システムから受信ユニット902が受け取る場合、制御ユニット906は、ユーザがクラウドサービスを使用するのを可能にし、オンボーディング料金が課金されなかったことを示す否定的レスポンスをオンライン課金システムから受信ユニット902が受け取る場合、制御ユニット906は、ユーザがクラウドシステムを使用するのを拒否する。
【0139】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスは、少なくとも1つのサービスカタログに対応することができ、サービスカタログは、サービス特性およびサービス価格を含むことができ、サービス特性は、サービスカタログ内の少なくとも1つのサービスタイプおよびその供給量を指すことができる。
【0140】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット901は、クラウドサービスに対応するサービスカタログをオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット901は、一定のサービスカタログに特有の属性およびすべてのサービスカタログに共通の属性をオンライン課金システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスは、以下のサービス層:サービスとしてのインフラストラクチャ層、サービスとしてのプラットフォーム層、サービスとしてのソフトウェア層、またはサービスとしてのデータベース層うちの少なくとも1つを含むことができる。
【0143】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット901および受信ユニット902は、DIAMETERのオンライン課金インターフェースまたはHTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースを介してオンライン課金システムと通信するように構成されてよい。
【0144】
図10は、本開示の実施形態によるクラウドシステムのオンライン課金システム120を概略的に示すブロック図である。当業者は、図10は、オンライン課金システム120における本開示に密接に関連したユニットまたは構成要素を示すにすぎず、特定の実装形態において、オンライン課金システム120は、その通常動作を可能にする他の機能ユニットまたは構成要素を含むこともできるということを理解することができる。さらに、図10に示されるようなユニットまたは構成要素の間の必要な接続があってよいが、図10は、簡潔さのためにこれらの接続を描写しない。図10において、任意選択のユニットまたは構成要素を表すために点線のブロックが使用される。いくつかの実施形態において、オンライン課金システム120は、図3を参照して上述されたように、クラウドシステムで実装される方法300を行うように構成されてよい。
【0145】
図10に示されるように、オンライン課金システム120は、受信ユニット1001、決定ユニット1002、および伝送ユニット1003を含む。受信ユニット1001は、クラウドシステムのクラウド管理システムからユーザおよびクラウドサービスを示すメッセージを受け取るように構成される。決定ユニット1002は、クラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいてクラウドサービスに関連したクオータを決定するように構成され、クオータは、ユーザがクラウドサービスを使用できる限度を示す。伝送ユニット1003は、クオータをクラウド管理システムに伝送するように構成される。
【0146】
いくつかの実施形態において、受信ユニット1001は、ユーザがクラウドサービスを使用している間に、ユーザのクラウドサービスの使用状況をクラウド管理システムから受け取るようにさらに構成されてよい。オンライン課金システム120は、クラウドサービスの価格および使用状況に基づいて、ユーザによって使用されたクラウドサービスの料金を決定し、決定された料金に基づいて、ユーザの口座の残高を更新するように構成される課金ユニット1104をさらに含むことができる。
【0147】
いくつかの実施形態において、受信ユニット1001は、クラウドサービスの追加クオータのリクエストをクラウド管理システムから受け取るようにさらに構成されてよく、決定ユニット1002は、クラウドサービスの価格およびユーザの口座の更新された残高に基づいて追加クオータを決定するようにさらに構成されてよく、伝送ユニット1003は、追加クオータをクラウド管理システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット1003は、料金および口座の更新された残高をユーザに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0149】
いくつかの実施形態において、決定ユニット1002は、ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であると決定するようにさらに構成されてよく、伝送ユニット1003は、ユーザの口座の残高がクラウドサービスを使用し続けるのに不十分であるという指示をクラウド管理システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0150】
いくつかの実施形態において、課金ユニット1104は、クラウドサービスに関連したパラメータを変更するための料金がユーザの口座内で確保される必要があることを示すメッセージをクラウド管理システムから受信ユニット1001が受け取ることに応答して、ユーザの口座内で料金を確保するようにさらに構成されてよい。
【0151】
いくつかの実施形態において、課金ユニット1104は、パラメータが変更されたことを示すメッセージをクラウド管理システムから受信ユニット1001が受け取ることに応答して、ユーザの口座から、確保された料金を差し引くようにさらに構成されてよく、決定ユニット1002は、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、変更されたパラメータを伴うクラウドサービスに関連した新しいクオータを決定するようにさらに構成されてよく、伝送ユニット1003は、新しいクオータをクラウド管理システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0152】
いくつかの実施形態において、課金ユニット1104は、クラウドサービスが変更されなかったことを示すメッセージをクラウド管理システムから受信ユニット1001が受け取ることに応答して、確保された料金をユーザの口座に返すようにさらに構成されてよい。
【0153】
いくつかの実施形態において、決定ユニット1002は、クラウドサービスの能力をスケーリングすることを求めるスケーリングリクエストをクラウド管理システムから受信ユニット1001が受け取ることに応答して、ユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングリクエストが承認されるべきか、または拒否されるべきかを決定するようにさらに構成されてよい。ユーザの口座の残高がスケーリングするのに十分な場合、伝送ユニット1003は、スケーリングリクエストに対する肯定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送するようにさらに構成されてよく、決定ユニット1002は、スケーリングされたクラウドサービスの価格およびユーザの口座の残高に基づいて、スケーリングされたクラウドサービスに関連した新しいクオータを決定するようにさらに構成されてよく、伝送ユニット1003は、新しいクオータをクラウド管理システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0154】
いくつかの実施形態において、ユーザの口座の残高がスケーリングするのに不十分な場合、伝送ユニット1003は、スケーリングリクエストに対する否定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送するようにさらに構成されてよい。
【0155】
いくつかの実施形態において、課金ユニット1104は、オンボーディング料金を課金する指示をクラウド管理システムから受信ユニット1004が受け取ることに応答して、ユーザの口座からオンボーディング料金を課金するようにさらに構成されてよい。課金が成功した場合、伝送ユニット1003は、オンボーディング料金が課金されたことを示す肯定的レスポンスをクラウド管理システムに伝送するようにさらに構成されてよく、課金が不成功だった場合、伝送ユニット1003は、オンボーディング料金が課金されなかったことを示す否定的レスポンスをクラウド管理システムに送るようにさらに構成されてよい。
【0156】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスは、少なくとも1つのサービスカタログに対応することができ、サービスカタログは、サービス特性およびサービス価格を含むことができ、サービス特性は、サービスカタログ内のサービスタイプおよびその供給量を指すことができる。
【0157】
いくつかの実施形態において、受信ユニット1001は、クラウド管理システムからクラウドサービスに対応するサービスカタログを受け取るようにさらに構成されてよく、決定ユニット1002は、サービスカタログのサービス価格に基づいてクラウドサービスの価格を決定するようにさらに構成されてよい。
【0158】
いくつかの実施形態において、受信ユニット1001は、クラウドサービスの価格を決定する際に決定ユニット1002が使用するために、一定のサービスカタログに特有の属性およびサービスカタログすべてに共通の属性をクラウド管理システムから受け取るようにさらに構成されてよい。
【0159】
いくつかの実施形態において、決定ユニット1002は、タリフプラン、バケット利用量、バンドル価格、店頭価格、割引価格、ピーク時価格、またはオフピーク時価格のうちの少なくとも1つに基づいて、クラウドサービスの価格を決定するようにさらに構成されてよい。
【0160】
いくつかの実施形態において、クラウドサービスは、以下のサービス層:サービスとしてのインフラストラクチャ層、サービスとしてのプラットフォーム層、サービスとしてのソフトウェア層、またはサービスとしてのデータベース層のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0161】
いくつかの実施形態において、伝送ユニット1003および受信ユニット1001は、DIAMETERのオンライン課金インターフェースまたはHTTP/XML RESTのオンライン課金インターフェースを介してオンライン課金システムと通信するように構成されてよい。
【0162】
本開示の実施形態は、任意の層(例えば、IaaS、PaaS、SaaS、DBaaS、等)の任意のクラウドベースのサービスに対するオンライン課金およびオフライン課金のソリューションを提供する。本開示の実施形態は、クラウドサービスカタログの管理機能を提供し、これは、ユーザに提供される各クラウドサービスの製品カタログに関連したサービス特性、および関連した価格プランを維持する。
【0163】
ユーザが、関連したクラウドサービスをオプトインするとき、関連したユーザプロフィールが、オプトイン価格プランと共にオンライン課金システムに提供され、これらのサービスのためのクラウドリソースをセットアップするために、関連した特性を有する関連したサービスカタログがクラウド管理システムに提供される。
【0164】
本開示のいくつかの実施形態において、課金トリガモジュールがクラウド管理システムに導入される。ユーザが、提供されたクラウドサービスを使用し始めるとき、課金トリガモジュールは、クラウドサービスの使用を認可するために、クラウド管理システムからオンライン課金システムへの課金リクエストの伝送をトリガし、オンライン課金システムは、割り振られたクオータをクラウド管理システムに返す。
【0165】
本開示の実施形態は、クラウド管理システムとオンライン課金システムとの間にオンライン課金インターフェースを導入し、クラウド管理システムは、クレジット制御および利用認可を行うために、クラウドサービスの利用をオンライン課金システムにレポートする。
【0166】
本開示の実施形態は、1つのクラウドセッション中に複数のクラウドサービスの使用状況をクラウド管理システムがレポートすることをできるようにする。各クラウドサービスカタログの使用状況をレポートすることに加えて、本開示の実施形態は、特有のクラウドサービスレベルおよびクラウドセッションレベルで追加のクラウドサービス特性をクラウド管理システムがレポートすることもできるようにする。
【0167】
本開示の実施形態は、新しいトリガタイプも提供し、クラウドセッション中にクラウドサービスのリソース/構成をスケーリングすることによるクラウドサービスのリソースの変更をオンライン課金システムが監視することをできるようにする。オンライン課金システムは、新しいクラウドサービス特性を使用して、クラウドサービスのクオータを再認可する。本開示の実施形態は、現在のテレコミュニケーションベースのオンライン課金のソリューションを、インターネット技術ベースのクラウドサービス課金の分野に事業者が拡張することをさらに可能にする。
【0168】
本明細書で使用される場合、用語「含む(includes)」およびその変形物は、「を含むがこれらに限定されない(includes, but is not limited to)」を意味する制約のない用語として読まれるべきである。用語「に基づく(based on)」は、「少なくとも部分的に基づく(based at least in part on)」として読まれるべきである。用語「実施形態の1つの例(one example embodiment)」および「実施形態の例(the example embodiment)」は、「実施形態の少なくとも1つの例(at least one example embodiment)」として読まれるべきである。
【0169】
本開示の実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、またはその組合せの中で実装されてよいということに留意されたい。ハードウェア部分は特殊なロジックによって実装されてよく、ソフトウェア部分はメモリに記憶され、マイクロプロセッサまたは特殊用途のハードウェアなどの適切な命令実行システムによって実行されてよい。当業者は、上記の装置および方法が、コンピュータ実行可能命令で、および/またはプロセッサ制御コード内で実装されてよく、例えば、このようなコードは、プログラマブルメモリ、または光もしくは電子信号のベアラなどのデータベアラ上で提供されるということを理解することができる。
【0170】
さらに、本方法の動作は、図面内の特定の順序で説明されるが、これらの動作がこの特定の順番に従って必然的に行われるということ、または所望の結果だけが、すべての示された動作を実行することによって実現されるということを要求または示唆するものではない。反対に、流れ図に描かれるようなステップの実行順序は変えられてもよい。代替または追加として、いくつかのステップが省略されてもよく、複数のステップが1つのステップに統合されてもよく、または1つのステップが、実行のために複数のステップに分割されてもよい。上述の2つ以上のユニットの特徴および機能が、1つのユニットの中で具現化されてもよいということにも留意されたい。ひいては、上述の1つのユニットの特徴および機能が、さらに多くのユニットの中でさらに具現化されてもよい。
【0171】
様々な実施形態を参照しながら本開示が説明されたが、本開示は開示の実施形態に限定されないということを理解されたい。本開示は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲に含まれる様々な修正および同等の仕組みをカバーすることを意図するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10