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特許7260542合成糸を製造または処理するための機械設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】合成糸を製造または処理するための機械設備
(51)【国際特許分類】
   D02J 1/22 20060101AFI20230411BHJP
   D01D 5/08 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
D02J1/22 G
D01D5/08 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020525959
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2018080274
(87)【国際公開番号】W WO2019091955
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-08-11
(31)【優先権主張番号】102017010473.5
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】307031976
【氏名又は名称】エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D-42897 Remscheid, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーヌルフ ザウアー
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-502697(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015002922(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第10250442(DE,A1)
【文献】特開2002-105770(JP,A)
【文献】特開2018-052743(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03301209(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01D1/00-13/02
D02G1/00-3/48
D02J1/00-13/00
G01N17/00-19/10
G05B1/00-7/04
11/00-13/04
17/00-17/02
21/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成糸を製造または処理するための機械設備であって、アクチュエータおよび/またはセンサを備えた多数の機械コンポーネント(1.1~1.6)と、前記機械コンポーネント(1.1~1.6)に制御のために割り当てられている多数の制御コンポーネント(2.1~2.6)とが設けられており、前記機械コンポーネント(1.1~1.6)を制御するためのデータ伝送用の前記制御コンポーネント(2.1~2.6)は、機械ネットワーク(4)を介して中央の機械制御ステーション(5)に接続されている、機械設備において、
プロセスの分析のためのデータ伝送用の前記制御コンポーネント(2.1~2.6)は、分析ネットワーク(6)を介して中央の分析ステーション(7)に並列的に接続されており、前記分析ステーション(7)と前記機械制御ステーション(5)とは、データ交換のために互いに接続されている
ことを特徴とする、機械設備。
【請求項2】
前記分析ネットワーク(6)は、データ伝送のためにリアルタイム対応のBUSシステムによって構成されている、
請求項1記載の機械設備。
【請求項3】
前記機械ネットワーク(4)は、データ伝送のために産業用イーサネットによって構成されている、
請求項1または2記載の機械設備。
【請求項4】
前記制御コンポーネント(2.1~2.6)は、少なくとも2つのネットワーク接続部(8.1,8.2)を有しており、前記ネットワーク接続部(8.1,8.2)のうちの1つのネットワーク接続部は、リアルタイムネット接続部として構成されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の機械設備。
【請求項5】
前記機械制御ステーション(5)は、別体のリアルタイムネット接続部(40)を介して前記分析ネットワーク(6)に接続されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の機械設備。
【請求項6】
前記分析ステーション(7)は、インターネットインタフェース(9)を有しており、かつ前記分析ステーション(7)は、外部の診断ステーション(35)に接続されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の機械設備。
【請求項7】
前記機械ネットワーク(4)および/または前記分析ネットワーク(6)は、ワイヤレスにWLANスタンダードに従って構成されている、
請求項1からまでのいずれか1項記載の機械設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載された、合成糸を製造または処理するための機械設備に関する。
【0002】
例えば溶融紡糸時のような、合成糸を製造する場合、または例えば仮撚りテクスチャリング時のような、合成糸を処理する場合に、押出し、テクスチャリング、延伸、交絡、および巻取りのような多数の個々の製造過程が、糸の品質に影響を及ぼす。このときそれぞれ個々の製造過程自体は、多数のパラメータの影響を受けることがある。したがって、製造過程および糸品質に所望の形式で影響を及ぼすために、アクチュエータおよびセンサを備えた多数の機械コンポーネントが使用される。これらの機械コンポーネントのそれぞれの機械コンポーネントは、機械ネットワークを介して中央の機械制御ステーションに接続されている制御コンポーネントに割り当てられている。合成糸を製造または処理するためのこのような機械設備は、例えば独国特許出願公開第102015002922号明細書に基づいて公知である。
【0003】
公知の機械設備では、製造過程を制御するために交換される全データおよび信号が、機械ネットワークによって伝送される。機械ネットワークは、通常、制御のために必要なパラメータを伝達するBUSシステムを有している。特にプロセス時および製造時における許容不能な偏差発生時には、相応の機械コンポーネントを制御できるようにするために、迅速な反応時間が望まれている。しかしながらこのようなBUSシステムの伝送速度よび伝送容量は、制限されている。
【0004】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の、合成糸を製造または処理するための機械設備を改良して、合成糸の製造時または処理時に、可能な限り等しいままのプロセス品質が保証されているようにすることである。
【0005】
本発明の別の目的は、冒頭に述べた形式の機械設備を改良して、プロセス障害の発生時における可能な限り迅速な分析および迅速な反応時間が実現可能となるようにすることである。
【0006】
この課題は、本発明によれば、制御コンポーネントが、分析ネットワークによって中央の分析ステーションに並列的に接続されていることによって解決される。
【0007】
本発明の好適な発展形態は、従属請求項に記載の特徴、および特徴の組合せによって定義されている。
【0008】
本発明は、機械コンポーネントの制御のために必要なデータ伝送と、プロセスの分析のために必要なデータ伝送とが分離されるという特別の利点を有している。これによってプロセス障害を確認するための分析のために交換されるデータおよびパラメータを、別個の分析ネットワークを介して直接伝送することができ、この分析ネットワークは、制御コンポーネントを中央の分析ステーションに直接接続している。機械コンポーネントの制御のために必要なデータは、通常、機械ネットワークを介して制御コンポーネントに供給される。これによって既存のソフトウエア構造を、分析のためにも制御のためにも使用することができる。
【0009】
このとき本発明の、特に好適であることが判明している発展形態では、分析ネットワークは、データ伝送のためにリアルタイム対応のBUSシステムによって構成されている。このように構成されていると、リアルタイムでのデータ伝送が可能である。データ発生とデータ分析との間における最小のタイムインターバルによって、プロセス障害を、合成糸の製造時においても合成糸の処理時においても、迅速に分析し、かつ修正することができる。これによって分析ステーションの内部において、特にプロセス障害の発生時における迅速な診断を促進する純粋なリアルタイムデータ分析を実施することできる。
【0010】
機械ネットワークは、データ伝送のために好ましくは産業用イーサネットによって構成される。このように構成されていると、機械コンポーネントを制御するための必要なパラメータを、リアルタイム対応の分析ネットワーク、例えばプロフィネットとは無関係に伝送することができる。
【0011】
機械ネットワークおよび分析ネットワークとの並列的なデータ伝送を可能にするために、本発明の特に好適な発展形態では、制御コンポーネントは、少なくとも2つのネットワーク接続部を有しており、このときネットワーク接続部のうちの1つのネットワーク接続部は、リアルタイムネット接続部として構成されている。このように構成されていると、制御コンポーネントの内部において既にパラメータの予備選択または予備処理を行うことができ、次いでパラメータを、リアルタイムネット接続部およびリアルタイム分析ネットワークを介して、分析ステーションに直接供給することができる。
【0012】
基本的に、実際値・目標値比較の考慮下で直接的な制御への干渉を可能にするために、例えば糸張力測定値のような個別のリアルタイムパラメータを、機械制御ステーションに直接供給することができる。そのために提案されている本発明の発展形態では、機械制御ステーションは、別体のリアルタイムネット接続部を介して分析ネットワークに接続されている。
【0013】
複雑なデータ構造および多数のパラメータに関連して、分析ステーションは、好ましくは外部の診断ステーションにも接続されていてよい。そのために分析ステーションは、好ましくはインターネットインタフェースを有しており、このように構成されていると、例えばビッグデータ分析を可能にすることができる。
【0014】
このとき特に好ましくは、分析ステーションと機械制御ステーションとは、データ交換のために互いに接続されている。このように構成されていると、確定された製品品質を維持するため、またはプロセス障害を除去するためにも、迅速な反応時間を保証することができる。
【0015】
極めて複雑な構造および多数の機械コンポーネントに基づいて、さらに提案されている構成では、機械ネットワークおよび/または分析ネットワークは、ワイヤレスにWLANスタンダードに従って構成されている。このように構成されていると、機械ネットワークを無線ネットワークとして好適に構成することができる。
【0016】
次に、添付の図面を参照しながら本発明について詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】合成糸を製造するための機械設備の第1実施例を概略的に示す図である。
図2図1に示された実施例の機械セクションのうちの1つの機械セクションを概略的に示す図である。
図3】合成糸をテクスチャリングするための機械設備の別の実施例を概略的に示す横断面図である。
図4図3に示された実施例を概略的に示す平面図である。
【0018】
図1および図2には、合成糸を製造するための本発明に係る機械設備の第1実施例が、複数の見方で示されている。図1には全体図が概略的に、かつ図2には機械設備の一部が概略的に示されている。両方の図の一方の図を特に参照しない限り、以下の説明は両方の図に対するものである。
【0019】
機械設備は、合成糸を溶融紡糸するための製造プロセスを制御するために、多数の機械コンポーネントを有している。第1の機械コンポーネント1.1は、押出し機11によって構成され、この押出し機11は、溶融物管路系12を介して複数の紡糸ユニット20に接続されている。図1には、4つの紡糸ユニット20.1~20.4が例示されている。
【0020】
紡糸ユニット20は、同一に構成されていて、かつ図2において概略的に示されている。紡糸ユニット20の内部には、紡糸ユニット20の内部における糸群の紡糸を制御するために、複数の機械コンポーネント1.2,1.3,1.4,1.5,1.6が設けられている。したがって、図1に示されたそれぞれの紡糸ユニットにおいて、例えば12、16、または32本の糸から成る糸群が生ぜしめられる。糸群は、図2において参照符号33で示されている。
【0021】
機械コンポーネントとして本実施例では、駆動装置、アクチュエータ、およびセンサによってプロセスに決定的に関与している機械部分が示されている。駆動装置およびアクチュエータの他に、製造プロセスの制御のために必要な、ここでは詳しく示されていないセンサも、機械コンポーネントに割り当てられている。このとき紡糸ユニット20は、第1の機械コンポーネント1.2として紡糸ポンプ装置13を有していて、この紡糸ポンプ装置13は、溶融物管路系12に接続されていて、かつ糸を押し出すための紡糸ノズル14と共働する。紡糸ポンプ装置13には通常、圧力センサが、かつ場合によっては温度センサが割り当てられている。第2の機械コンポーネント1.3が、ブロワユニット16によって構成されていて、このブロワユニット16は、冷却装置15への冷却空気供給を制御する。冷却装置15は、紡糸ノズル14の下流に配置されている。
【0022】
次のプロセスステップは、湿潤装置17を含む機械コンポーネント1.4によって実施される。糸を引き出しかつ延伸するための糸群33の案内は、ゴデットユニット18を有する機械コンポーネント1.5によって実施される。製造プロセスの最後に、糸はパッケージに巻成され、そのために、巻取り機19を構成する機械コンポーネント1.6が設けられている。
【0023】
紡糸ユニット20.1~20.4の内部において、機械コンポーネント1.2~1.6には、複数の制御コンポーネント2.2~2.6のうちのそれぞれ1つの制御コンポーネントが割り当てられている。このとき機械コンポーネント1.2と制御コンポーネント2.2とは1つのユニットを構成している。相応に機械コンポーネント1.3~1.6は、割り当てられた制御コンポーネント2.3~2.6に接続されている。
【0024】
通信およびデータ伝送のために、制御コンポーネント2.2~2.6のそれぞれの制御コンポーネントは、それぞれ2つのネットワーク接続部8.1,8.2を有している。ネットワーク接続部8.2は、リアルタイム伝送を可能にするためにリアルタイム対応である。このとき制御コンポーネント2.2~2.6のリアルタイムネットワーク接続部8.2は、リアルタイム対応の分析ネットワーク6、例えばプロフィネットまたは他のリアルタイムBUSシステムに互いに接続されている。分析ネットワーク6は、制御コンポーネント2.2~2.6から伝達されたデータを分析ステーション7に直接供給するために、分析ステーション7に接続されている。
【0025】
通信およびデータ伝送のために、制御コンポーネント2.2~2.6は、ネットワーク接続部8.1を介して機械ネットワーク4に接続されている。好ましくは産業用イーサネットによって構成されている機械ネットワーク4は、制御コンポーネント2.2~2.6を中央の機械制御ステーション5に接続している。分離されたネットワーク4,6によって、機械コンポーネントの制御のための通信およびデータ伝送を、分析ステーションとの通信およびデータ伝送に並列に実施することができる。このようにして特にリアルタイムパラメータを分析のために加えることができ、これによってプロセス障害を迅速に停止させ、ひいては均一な製品品質を保証することができる。
【0026】
機械コンポーネントの制御を改善するために、機械制御ステーション5は、択一的な変化実施形態においてリアルタイム対応のネットワーク接続部40を有しており、これにより分析ネットワークへの直接的な接続が可能である。これによって例えば糸張力測定値のような特定のリアルタイムパラメータを、機械制御ステーション5に直接伝達することができ、かつ機械コンポーネントのうちの少なくとも1つの機械コンポーネントを制御するために使用することができる。図2には、リアルタイムネットワーク接続部40を備えたこの構成が、破線で示されている。
【0027】
図1に示されているように、機械設備は複数の紡糸ユニットを含んでおり、このときここでは紡糸ユニットのうちの単に4つの紡糸ユニットだけが示されている。紡糸ユニット20.1に隣接した紡糸ユニット20.2,20.3,20.4は、同一に構成されていて、かつそれぞれ複数の機械コンポーネントを有している。したがって、紡糸ユニット20.1,20.2,20.3,20.4は、一緒に、機械ネットワーク4を介して中央の機械制御ステーション5に、かつ並列の分析ネットワーク6を介して分析ステーション7に接続されている。紡糸ユニットの制御コンポーネント2.2~2.6の他に、機械ネットワーク4および分析ネットワーク6との接続のために、押出し機11の制御コンポーネント2.1もまた2つのネットワーク接続部8.1,8.2を備えて構成されている。このとき制御コンポーネント2.1には、例えば押出し機11における圧力センサ36が割り当てられている。これによって機械設備において使用されているすべての機械コンポーネントを、データ分析時に考慮することができる。いわゆるビッグデータ分析に関連して、分析ステーション7はインターネットインタフェース9を有している。インターネットインタフェース9を介して、分析ステーション7は診断ステーション35に接続されている。このとき診断ステーション35は、局部的なデジタル式のメモリ媒体を有することができ、このメモリ媒体によって相応の大量データを処理することができる。したがって、広範なプロセス分析を、リアルタイムパラメータに基づいて実施することができる。
【0028】
可能な限り迅速なプロセス変化を、機械コンポーネントにおいて制御できるようにするために、分析ステーション7はデータ交換のために機械制御ステーション5に接続されている。
【0029】
図3および図4には、糸を処理するための機械設備の別の実施例が、複数の見方で示されている。本実施例は繊維機械に関し、この繊維機械は、図3において横断面図で、かつ図4において平面図で示されている。両方の図の一方の図を特に参照しない限り、以下の説明は両方の図に対するものである。
【0030】
糸をテクスチャリングするために設けられた機械設備は、糸毎に多数の加工ユニットを含んでおり、このとき機械設備の内部において、数百本の糸が同時に処理される。加工ステーションは、機械設備の内部において同一に構成されていて、かつそれぞれ、処理プロセスを制御するための複数の機械コンポーネントを有している。
【0031】
図3には、加工ステーションのうちの1つの加工ステーションの機械コンポーネント1.1~1.8が示されている。本実施例では、機械コンポーネント1.1~1.8は、第1の供給システム21、加熱装置22、テクスチャリング装置25、第2の供給システム26、セット加熱装置27、第3の供給システム28、巻取り装置29、および綾振り装置30によって構成される。
【0032】
機械コンポーネント1.1~1.8は、テクスチャリングプロセスを実施するために、機械フレーム24の内部において糸走路に関して相前後して配置されている。そのために糸群33は、クリールフレーム37における給糸ボビン38によって準備される。糸33は、供給システム21から引き出され、テクスチャリングゾーンの内部において加熱装置22によって加熱され、次いで冷却装置23において冷却される。さらなる工程においてテクスチャリング装置25が、第2の供給システム26の手前にあり、このとき糸群33は、テクスチャリングゾーンにおいて延伸される。セット加熱装置27における後処理の後で、糸群は第3の供給システム28によって巻取り装置29に案内され、パッケージ34に巻成される。
【0033】
巻取り装置29は、上流に配置された機械コンポーネント1.1~1.6との比較において大きな機械幅を必要とするので、複数の巻取り装置29が機械フレーム24内において階層を成して配置されている。加工ステーション内に設けられた機械コンポーネント1.1~1.8には、それぞれ別個の制御コンポーネント2.1~2.8が割り当てられており、これによって、割り当てられたアクチュエータおよびセンサを備えたそれぞれの機械コンポーネント1.1~1.8を制御することができる。制御コンポーネント2.1~2.8は、それぞれ2つのネットワーク接続部8.1,8.2を有している。ネットワーク接続部8.2は、リアルタイムネットワーク接続部として構成されていて、分析ネットワーク6、例えばプロフィネットに接続されている。制御コンポーネント2.1~2.8の並列のネットワーク接続部8.1は、機械ネットワーク4に接続されている。例えば産業用イーサネットによって構成されている機械ネットワーク4は、制御コンポーネント2.1~2.8をセクション制御ステーション31.1に接続している。並列的に分析ネットワーク6は、制御コンポーネント2.1~2.8をセクション分析ステーション32に接続している。
【0034】
図4における図面から分かるように、全部で12の加工ステーションの機械コンポーネントが、1つの機械セクション3.1にまとめられている。機械コンポーネント1.1~1.8の、機械セクション3.1の内部に設けられた制御コンポーネント2.1~2.8は、すべて機械ネットワーク4内に組み込まれていて、かつセクション制御ステーション31.1に接続されている。それに相応して機械セクション3.1の制御コンポーネント2.1~2.8は、分析ネットワーク6を介してセクション分析ステーション32.1に接続されている。
【0035】
機械設備には、複数の機械セクションが設けられており、このとき本実施例では、機械セクションのうちの2つの機械セクションだけが示されている。機械セクション3.1,3.2に割り当てられたセクション制御ステーション31.1,31.2は、機械ネットワーク4内に組み込まれていて、中央の機械制御ステーション5に接続されている。それに相応して機械セクション3.1,3.2のセクション分析ステーション32.1,32.2もまた、分析ネットワーク6内に組み込まれていて、かつ中央の分析ステーション7に接続されている。分析ステーション7は、インターネットインタフェース9を介して外部の診断ステーション35に接続されている。
【0036】
通信およびデータ伝送のための機能は、ここでは上に述べた実施例と同様に行われるので、リアルタイムパラメータおよびデータは、分析ネットワーク6を介して分析ステーション7に直接供給可能である。このとき場合によっては第1の予備分析を、それぞれの機械セクションに割り当てられたセクション分析ステーションによって実施することができる。直接的なデータ交換のために、分析ステーション7は機械制御ステーション5に接続されている。中央の機械制御ステーション5を介して全機械設備を、糸のテクスチャリングのために制御することができる。監視および分析は、好ましくは中央の分析ステーション7によって行われる。大量のデータについては、外部の診断ステーション35において分析し、診断を取りまとめることができる。
【0037】
合成糸を製造および/または処理するための本発明に係る機械設備は、特にリアルタイムデータに基づく品質分析によって傑出している。このときプロセス最適化を、継続する製造プロセスまたは処理プロセス中に実施することができる。プロセス障害の発生時には、相応の診断を、リアルタイムパラメータ伝送を介して機械制御とは無関係に実施することができる。さらに予期メンテナンスをデータ分析から求めることができる。
【0038】
機械ネットワークおよび分析ネットワークを実現するための、機械設備の内部における配線コストを最小にするために、ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークをワイヤレスで実施することも可能である。このとき機械ネットワークは、例えば無線ネットワークとして構成されていてよい。好ましくは、ワイヤレスのネットワークを、WLANスタンダードに従って構成することができるので、すべての制御コンポーネントは、局部的な機械無線ネットワークを介して中央の機械制御ステーションに接続されている。しかしながらまた同様に、リアルタイム対応の分析無線ネットワークが機械設備内に設置されていてもよい。
図1
図2
図3
図4