(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】ペン型注射デバイス、およびペン型注射デバイスのための電子クリップ式モジュール
(51)【国際特許分類】
A61M 5/31 20060101AFI20230411BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20230411BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20230411BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
A61M5/31 520
A61M5/168 540
A61M5/172
A61M5/315 550
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021003879
(22)【出願日】2021-01-14
(62)【分割の表示】P 2018091826の分割
【原出願日】2013-02-08
【審査請求日】2021-02-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-19
(32)【優先日】2012-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2012-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2012-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ-アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・バラン
(72)【発明者】
【氏名】ケイ・ベーレント
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ハウプト
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】角田 貴章
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/037828(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/098927(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/117212(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/098929(WO,A1)
【文献】特開2004-108137(JP,A)
【文献】国際公開第01/66960(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0287865 (US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 3/00-3/06
F16B 7/00-7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射デバイスへの取付けのための補助デバイスであって:
該補助デバイスが該注射デバイスのハウジングにぴったりと着座し、それにもかかわらず注射デバイスから取り外し可能であるような、該補助デバイスと注射デバイスとの間の所定の位置関係を確実にするための位置合わせ配置と;
該補助デバイスを注射デバイスに固定するための固定配置とを備え、
該補助デバイスが注射デバイス受けチャネルを画成する本体を有し、
位置合わせ配置が、補助デバイスの本体内の位置決めチャネルを備え、該位置決めチャネルが
、位置決めチャネルの大きさおよび形状と密接に対応する大きさおよび形状を有する注射デバイス上の位置決めリブに嵌合するように構成され、該位置決めチャネルは、
位置決めチャネルの第1の端部から位置決めチャネルの第2の端部まで位置決めチャネルの長さに沿って
減少する、厚さ
および深さを有する、前記補助デバイス。
【請求項2】
位置合わせ配置と固定配置とが別個の配置である、請求項1に記載の補助デバイス。
【請求項3】
位置決めチャネルが、補助デバイスの本体の一端部に位置する、請求項1または2に記載の補助デバイス。
【請求項4】
位置合わせ配置が、第1および第2の支持部材のそれぞれに位置する第1および第2の突起をさらに備え、補助デバイスが、所定の位置関係があるときに突起が注射デバイスの凹みに係合するように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項5】
突起が注射デバイス受けチャネルの両側に1つずつ位置し、支持部材が互いに向けて付勢される、請求項4に記載の補助デバイス。
【請求項6】
突起が傾斜する側部を有し、注射デバイス受けチャネルの底部に最も近い各突起の側部の勾配が、注射デバイス受けチャネルの底部から最も遠い突起の側部の勾配より大きい、請求項5に記載の補助デバイス。
【請求項7】
補助デバイスが、光学読取り配置を備え、該補助デバイスと注射デバイスとの間に所定の位置関係があるときに、該光学読取り配置が注射デバイスのディスプレイに向けられ、ディスプレイを少なくとも部分的に覆う、請求項1~6のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項8】
固定配置が、注射デバイス受けチャネルにわたって着脱可能に取付け可能な閉鎖部を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項9】
固定配置が、注射デバイス受けチャネルの第1の側で本体に可動に取り付けられる、請求項8に記載の補助デバイス。
【請求項10】
固定配置が、注射デバイス受けチャネルの第1の側で本体にヒンジ留めされる、請求項8に記載の補助デバイス。
【請求項11】
固定配置が、注射デバイス受けチャネルの第2の側で、掛止および留め配置により補助デバイスの本体に着脱可能に連結可能である、請求項8~10のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項12】
位置決めチャネルが、補助デバイスの本体と閉鎖位置にあるときの閉鎖部との間で画成される注射デバイス受けチャネルの最上部に位置する、請求項8~11のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項13】
補助デバイスが注射デバイスに装着されたときに、注射デバイスの用量ノブに最も近い補助デバイスの端部に位置決めチャネルが形成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項14】
位置決めリブが位置決めチャネル内にあるとき、位置決めリブおよび位置決めチャネルの対応する大きさが、位置決めリブと位置決めチャネルとが確実に嵌合し、それによって注射デバイス上で補助デバイスを確実に正しく位置決めすることを助けるように構成されている、請求項1~
13のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか1項に記載の補助デバイスと、位置決めリブを備えた注射デバイスとを備えたシステムであって、該位置決めリブが該補助デバイスの位置決めチャネルと嵌合するように構成される、前記システム。
【請求項16】
補助デバイスが、該補助デバイスと注射デバイスとの間に所定の位置関係があるときに、ユーザが注射デバイスの用量ノブまたは注射ボタンに接近するのを阻止しないように位置する、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
補助デバイスが、該補助デバイスと注射デバイスとの間に所定の位置関係があるときに、注射デバイスに設けられた薬剤情報ラベルを完全には覆わないように位置する、請求項
15または
16に記載のシステム。
【請求項18】
位置決めリブの高さがテーパ状になっている、請求項
15~
17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
位置決めリブの厚さが、位置決めリブの長さに沿って変化する、請求項
15~
18に記載のシステム。
【請求項20】
注射デバイス(1)が、補助デバイス(2)の位置合わせ配置と相互作用する少なくとも1つの凹みを備える、請求項
15~
19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
注射デバイス(1)が、補助デバイス(2)の突起(53、54)と係合する2つの凹み(51、52)を備える、請求項
15~
20のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射デバイスへの取付けのための補助デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の注射による定期的な治療が必要な種々の疾患がある。このような注射は、医療関係者または患者自身により使用される注射デバイスを用いて行うことができる。一例として、1型および2型糖尿病は、患者自身が、たとえば1日に1回または複数回、インスリン用量を注射することにより、治療することができる。たとえば、充填済み使い捨てインスリン・ペンを注射デバイスとして使用することができる。あるいは、再利用可能なペンを使用してもよい。再利用可能なペンにより、空の薬剤カートリッジを新しいものと交換することができる。いずれのペンも、各回の使用前に交換される1組の使い捨て針を備えることができる。次いで、たとえば、用量ノブを回し、インスリン・ペンの用量窓またはディスプレイから実際の用量を見ることによって、注射予定のインスリン用量を、インスリン・ペンで手動により選択することができる。その後、針を適切な皮膚部分に挿入して、インスリン・ペンの注射ボタンを押すことにより、用量が注射される。インスリン注射をモニタリングして、たとえばインスリン・ペンの誤った取扱いを防止する、または既に投与された用量を記録することができるようにするために、たとえば、注射されたインスリンのタイプおよび用量についての情報等の、注射デバイスの状態および/または使用に関する情報を測定することが望ましい。これに関し、特許文献1は、値センサを備えた医療デバイスを開示している。無線自動識別(RFID)ユニットは、圧力センサ等の値センサを備え、液体薬剤容器と一体化されて、圧力または他の薬剤関連パラメータ値の無線によるモニタリングを可能にする。液体薬剤容器は、医療デバイスの第1のハウジング部材に連結され、第1のハウジング部材は、たとえば、充填済み使い捨て注射デバイスを構成することができる。RFIDユニットは、第1のハウジング部材に解放可能に取り付けられた、医療デバイスの第2のハウジング部材内に含まれる制御回路と無線通信する。制御回路は、RFIDユニットにより測定された値を処理し、その値を所定の値と比較し、測定値が正常な動作状態から外れている場合にユーザに警告を発し、さらなるデータ処理のために、測定値に関連するデータを外部デバイスに通信するように適合されている。
【0003】
したがって、特許文献1に記載された医療デバイスの制御回路を一連の充填済み使い捨て注射デバイスとともに使用することができるが、値センサを備えたRFIDユニットが充填済み使い捨て注射デバイスの薬剤容器に含まれる必要があることにより、充填済み使い捨て注射デバイスの費用が著しく増加する。
【0004】
たとえば特許文献2には、デバイスを注射デバイスに解放可能に取り付けるための嵌合ユニットを備えた補助デバイスを設けることが記載されている。デバイスは、カメラを備え、注射ペンの用量窓を通して見ることのできる取込み画像上で光学式文字認識(OCR)を実行することにより、注射デバイスにダイヤル計量された薬剤の用量を判定するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO2009/024562
【文献】WO2011/117212
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、注射デバイスへの取付けのための補助デバイスであって:
補助デバイスと注射デバイスとの間の所定の位置関係を確実にするための位置合わせ配置と;
補助デバイスを注射デバイスに固定するための固定配置とを備える補助デバイスが提供される。
【0007】
位置合わせ配置と固定配置とが別個の配置であってもよい。
【0008】
位置合わせ配置が、補助デバイスの本体内の位置決めチャネルを備え、位置決めチャネルが注射デバイス上の位置決めリブに嵌合するように構成されていてもよい。ここで、位置決めチャネルが、補助デバイスの本体の一端部に位置していてもよい。
【0009】
位置合わせ配置は、第1および第2の支持部材のそれぞれに位置する第1および第2の突起を備えることができ、補助デバイスは、所定の位置関係があるときに突起が注射デバイスの凹みに係合するように構成され得る。ここで、補助デバイスは、注射デバイス受けチャネルを画成する本体を有し、突起が注射デバイス受けチャネルの両側に1つずつ位置してもよく、支持部材が互いに向けて付勢されていてもよい。ここで、突起は傾斜する側部を有することができ、注射デバイス受けチャネルの底部に最も近い各突起の側部の勾配が、注射デバイス受けチャネルの底部から最も遠い突起の側部の勾配より大きくてもよい。
【0010】
補助デバイスが光学読取り配置を備えることができ、補助デバイスと注射デバイスとの間に所定の位置関係があるときに、光学読取り配置が注射デバイスのディスプレイに向けられ、ディスプレイを少なくとも部分的に覆うことができる。
【0011】
補助デバイスは、注射デバイス受けチャネルを画成する本体を有することができ、固定配置は、注射デバイス受けチャネルにわたって着脱可能に取付け可能な閉鎖部を備えることができる。
【0012】
固定配置は、注射デバイス受けチャネルの第1の側で本体に可動に取り付けられていてもよい。ここで、固定配置は、注射デバイス受けチャネルの第1の側で本体にヒンジ留めされていてもよい。
【0013】
固定配置は、注射デバイス受けチャネルの第2の側で、掛止および留め配置(latch and catch arrangement)により補助デバイスの本体に着脱可能に連結可能であり得る。
【0014】
位置合わせ配置および固定配置は、補助デバイスを注射デバイス上に位置合わせさせ、かつ固定することに寄与する部材を備えることができる。
【0015】
位置合わせ配置は、少なくとも1つの突起を備えることができ、補助デバイスは、所定の位置関係があるときに、少なくとも1つの突起が注射デバイスの凹みに係合するように構成され得る。少なくとも1つの突起は、支持部材上に位置していてもよい。
【0016】
一実施形態では、位置合わせ配置が第1および第2の突起を備えることができ、補助デバイスが、所定の位置関係があるときに、第1および第2の突起が注射デバイスのそれぞれの凹みに係合するように構成され得る。第1および第2の突起は、第1および第2の支持部材上にそれぞれ位置していてもよい。
【0017】
第1および第2の支持部材を、互いに向けて付勢することができる。加えて、第1および第2の支持部材を、たとえば閉鎖部により、互いに向けて解放可能に押すことができる。このような固定力があるときに、補助デバイスが注射デバイスに固定される。その後、補助デバイスは、支持部材の付勢力により、依然として注射デバイスに取り付けられたままとなり得る。
【0018】
固定配置は少なくとも1つの突起を備えることができ、補助デバイスは、所定の位置関係があるときに、少なくとも1つの突起が注射デバイスの凹みに係合するように構成され得る。少なくとも1つの突起は、閉鎖部またはヒンジ留め固定配置上に位置していてもよい。
【0019】
固定配置は、少なくとも1つの可撓性支持部材および/または少なくとも1つのヒンジ留め固定配置を備えることができる。たとえば、補助デバイスは、2つの可撓性支持部材とヒンジ留め閉鎖部とを備えることができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、前記補助デバイスと、注射デバイスとを備えたシステムを提供する。
【0021】
補助デバイスは、補助デバイスと注射デバイスとの間に所定の位置関係があるときに、ユーザが注射デバイスの用量ノブまたは注射ボタンに接近するのを阻止しないように位置していてもよい。
【0022】
補助デバイスは、補助デバイスと注射デバイスとの間に所定の位置関係があるときに、注射デバイスに設けられた薬剤情報ラベルを完全には覆わないように位置していてもよい。
【0023】
補助デバイスは、補助デバイスと注射デバイスとの間に所定の位置関係があるときに、注射デバイスの用量窓またはディスプレイを少なくとも部分的に覆うように位置していてもよい。
【0024】
注射デバイスは、補助デバイスの位置合わせ配置と相互作用する少なくとも1つの突起を備えることができる。少なくとも1つの突起は、位置決めリブを備えることができる。
【0025】
注射デバイスは、補助デバイスの位置合わせ配置と相互作用する少なくとも1つの凹みを備えることができる。
【0026】
注射デバイスは、補助デバイスの位置決めチャネルおよび突起のそれぞれと係合する位置決めリブおよび2つの凹みを備えることができる。
【0027】
本発明の第3の態様は、補助デバイスの位置合わせ配置および/もしくは固定配置と相互作用することにより、補助デバイスを注射デバイス上に位置合わせさせ、かつ/または固定するための、注射デバイスの少なくとも1つの突起ならびに/あるいは少なくとも1つの凹みの使用を提供する。補助デバイスの位置合わせ配置および/もしくは固定配置と相互作用することにより、補助デバイスを注射デバイス上に位置合わせさせ、または固定するために、注射デバイスの少なくとも1つの突起ならびに/あるいは少なくとも1つの凹みを使用することができる。補助デバイスの位置合わせ配置および/もしくは固定配置と相互作用することにより、補助デバイスを注射デバイス上に位置合わせさせ、かつ固定するために、注射デバイスの少なくとも1つの突起ならびに/あるいは少なくとも1つの凹みを使用することができる。
【0028】
注射デバイスの突起は、補助デバイスの位置決めチャネルと相互作用する位置決めリブであってもよい。しかしながら、注射デバイスの突起は、補助デバイスの位置決めチャネルと相互作用するのに適した任意の形状であり得る。突起は、たとえば、点(pip)、突出部、隆起等の構造を備えることができる。
【0029】
注射デバイスは、補助デバイスの2つの突起と相互作用する2つの凹みを備えることができる。凹みは、たとえば、孔、窪み、長孔、溝、段であり得る。
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について、例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1b】
図1aの注射デバイスの一部の詳細の斜視図である。
【
図2a】本発明の実施形態による、
図1aの注射デバイスに解放可能に取り付けられた補助デバイスの概略図である。
【
図2b】本発明の種々の実施形態による、
図1aの注射デバイスに解放可能に取り付けられた補助デバイスの斜視図である。
【
図2c】本発明の他の実施形態による、
図1aの注射デバイスに解放可能に取り付けられた補助デバイスの斜視図である。
【
図3】aおよびb補助デバイス(
図2aおよび
図2bの補助デバイス等)を注射デバイスと共に使用するときの、デバイス間の考えられる機能分配を示す図である。
【
図4】
図1aの注射デバイスに取り付けられた状態にある、
図2aの補助デバイスの概略図である。
【
図5a】種々の実施形態で使用される方法のフローチャートである。
【
図5b】種々の実施形態で使用される、さらなる方法のフローチャートである。
【
図5c】種々の実施形態で使用される、さらなる方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態による有形記憶媒体60の概略図である。
【
図7】本発明の実施形態による種々のデバイス間の情報の流れを示す情報シーケンス・チャートである。
【
図8】
図1aの注射ペンに取り付けられた、
図2bの補助デバイスの側面図である(
図8aおよび
図8bの2枚で示される)。
【
図9】注射ペンが省略され、閉鎖部が開いた、
図8と同様の図における、補助デバイスの側面図である(
図9aおよび
図9bの2枚で示される)。
【
図10】補助デバイスが注射デバイスに係合する前の、
図8の補助デバイスおよび注射ペンの配置の横断面図である。
【
図11】aは、
図10の詳細の、部分切欠斜視図である。bは、
図10の別の詳細の、部分切欠斜視図である。
【
図12】補助デバイスが注射デバイスに嵌合された、
図10と同様の横断面図である。
【
図13】
図10に示す横断面のデバイスにさらに沿った位置における、
図2bの補助デバイスの横断面図である。
【
図14】補助デバイスが注射ペンに設置され、定位置に締結された、
図13と同様の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態をインスリン注射デバイスに関して説明する。しかしながら、本発明は、このような適用に限定されるものではなく、他の薬剤を放出する注射デバイス、または他のタイプの医療デバイスとともに、等しく良好に配置され得る。
【0033】
図1aは、注射デバイス1の分解図であり、たとえばSanofiのSolostar(登録商標)インスリン注射ペンを表すことができる
【0034】
図1aの注射デバイス1は、ハウジング10を備え、針15を取付け可能なインスリン容器14を含む充填済み使い捨て注射ペンである。針は、内側ニードル・キャップ16および外側ニードル・キャップ17により保護され、外側ニードル・キャップ17はキャップ18により覆われ得る。注射デバイス1から放出されるインスリン用量を、用量ノブ12を回すことにより選択することができ、その後、選択用量が、用量窓13を通して、たとえば、いわゆる国際単位(IU)の倍数で表示される。ここで、1IUは、約45.5マイクログラムの純粋結晶インスリン(1/22mg)と生物学的に等価である。用量窓13に表示された選択用量の例は、たとえば、
図1aに示すように30IUであり得る。選択用量が、たとえば電子ディスプレイにより、等しく良好に異なって表示され得ることに注目されたい。ラベル(図示せず)がハウジング10上に設けられる。ラベルは、薬剤を識別する情報を含む、注射デバイス内に含まれる薬剤についての情報を有する。薬剤を識別する情報は、文字の形であってもよい。薬剤を識別する情報は、色の形であってもよい。薬剤を識別する情報は、バーコード、QRコード等にコード化されていてもよい。薬剤を識別する情報は、黒白パターン、色パターンまたは濃淡の形であってもよい。
【0035】
用量ノブ12を回すことにより、機械クリック音が生じて、ユーザに音響フィードバックを与える。用量窓13に表示される数字は、ハウジング10に含まれ、かつインスリン容器14内のピストンと機械的に相互作用するスリーブに印刷される。針15が患者の皮膚部分に穿刺された後に注射ボタン11が押されると、表示窓13に表示されたインスリン用量が注射デバイス1から放出される。注射ボタン11が押された後、注射デバイス1の針15が皮膚部分にある時間残ると、高い割合の用量が患者の身体に実際に注射される。インスリン用量の放出によっても、機械クリック音が生じるが、これは用量ノブ12の使用時に生じる音とは異なる。
【0036】
インスリン容器14が空になるか、注射デバイス1の使用期限(たとえば、最初の使用から28日)に達するまで、注射デバイス1を複数の注射プロセスに使用することができる。
【0037】
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、たとえば2つのインスリン・ユニットを選択することにより、かつ針15を上方に向けて注射デバイス1を保持しながら注射ボタン11を押すことにより、インスリン容器14および針15から空気を除去するための、いわゆる「プライム・ショット」を行う必要があり得る。
【0038】
説明を簡単にするために、放出用量が注射用量に略対応するので、たとえば、次に注射予定の用量を提案するときに、この用量は注射デバイスにより放出されなければならない用量に等しいことが、以下で例示的に想定される。それにもかかわらず、放出用量と注射用量との差(たとえば損失)を、当然考慮することができる。
【0039】
図1bは、注射デバイス1の端部の拡大図である。この図は、観察窓13と用量ノブ12との間に位置する位置決めリブ70を示す。
【0040】
図2aは、
図1aの注射デバイス1に解放可能に取り付け予定の補助デバイス2の実施形態の概略図である。補助デバイス2は、
図1aの注射デバイス1のハウジング10を囲むように構成された嵌合ユニットを有するハウジング20を備え、補助デバイス2が注射デバイス1のハウジング10にぴったりと着座し、それにもかかわらず、たとえば注射デバイス1が空になり交換しなければならないときに、注射デバイス1から取外し可能であるようになっている。
図2aは非常に概略的なものであり、
図2bを参照して、物理的配
置の詳細を以下で説明する。
【0041】
補助デバイス2は、注射デバイス1から情報を集めるための光学センサおよび音響センサを含む。この情報の少なくとも一部、たとえば、選択用量(および場合により、この用量の単位)が、補助デバイス2のディスプレイ・ユニット21を通して表示される。注射デバイス1の用量窓13は、注射デバイス1に取り付けられたときに補助デバイス2によって塞がれる。
【0042】
補助デバイス2は、ボタン22として概略的に示される3つのユーザ入力トランスデューサをさらに備える。これらの入力トランスデューサ22により、ユーザは、補助デバイス2をオン/オフして、アクションをトリガする(たとえば、別のデバイスとの連結もしくはペアリングを確立する、および/または補助デバイス2から別のデバイスへの情報伝達をトリガする)、あるいは何かを確認することができる。
【0043】
図2bは、
図1aの注射デバイス1に解放可能に取り付け予定の補助デバイス2の第2の実施形態の概略図である。補助デバイス2は、
図1aの注射デバイス1のハウジング10を囲むように構成された嵌合ユニットを有するハウジング20を備え、補助デバイス2が注射デバイス1のハウジング10にぴったりと着座し、それにもかかわらず注射デバイス1から取外し可能であるようになっている。
【0044】
補助デバイス2のディスプレイ・ユニット21を通して、情報が表示される。注射デバイス1の用量窓13は、注射デバイス1に取り付けられたときに補助デバイス2によって塞がれる。
【0045】
補助デバイス2は、3つのユーザ入力ボタンまたはスイッチをさらに備える。第1のボタン22は電源オン/オフ・ボタンであり、これにより、補助デバイス2を、たとえばオンおよびオフすることができる。第2のボタン33は通信ボタンである。第3のボタン34は確認またはOKボタンである。ボタン22、33、34は、任意の適切な形の機械スイッチであってもよい。これらの入力ボタン22、33、34により、ユーザは、補助デバイス2をオン/オフして、アクションをトリガする(たとえば、別のデバイスとの連結もしくはペアリングを確立する、および/または補助デバイス2から別のデバイスへの情報伝達をトリガする)、あるいは何かを確認することができる。
【0046】
図2cは、
図1aの注射デバイス1に解放可能に取り付け予定の補助デバイス2の第3の実施形態の概略図である。補助デバイス2は、
図1aの注射デバイス1のハウジング10を囲むように構成された嵌合ユニットを有するハウジング20を備え、補助デバイス2が注射デバイス1のハウジング10にぴったりと着座し、それにもかかわらず注射デバイス1から取外し可能であるようになっている。
【0047】
補助デバイス2のディスプレイ・ユニット21を通して、情報が表示される。注射デバイス1の用量窓13は、注射デバイス1に取り付けられたときに補助デバイス2によって塞がれる。
【0048】
補助デバイス2は、タッチセンサ式入力トランスデューサ35をさらに備える。また、補助デバイス2は、単一のユーザ入力ボタンまたはスイッチ22を備える。ボタン22は電源オン/オフ・ボタンであり、これにより、補助デバイス2を、たとえばオンおよびオフすることができる。タッチセンサ式入力トランスデューサ35を使用して、アクションをトリガする(たとえば、別のデバイスとの連結もしくはペアリングを確立する、および/または補助デバイス2から別のデバイスへの情報伝達をトリガする)、あるいは何かを確認することができる。
【0049】
図3aおよび
図3bは、補助デバイス(
図2aおよび
図2bの補助デバイス等)を注射デバイスとともに使用するときの、デバイス間の考えられる機能分配を示す。
【0050】
図3aの配置4では、補助デバイス41(
図2aおよび
図2bの補助デバイス等)が、注射デバイス40からの情報を判定し、この情報(たとえば注射予定の薬剤のタイプおよび/または用量)を血糖モニタリング・システム42に(たとえば、有線または無線接続により)提供する。
【0051】
血糖モニタリング・システム42(たとえば、デスクトップ・コンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、タブレット・コンピュータ、ノートパソコン、ネットブック、またはウルトラブックとして具体化され得る)は、患者がこれまでに受けた注射を記録する(たとえば放出用量および注射用量が同一であると想定することにより、または放出用量に基づいて注射用量を判定することにより、たとえば放出用量の所定の割合を患者が完全には受けていないと想定することにより、放出用量に基づいて)。血糖モニタリング・システム42は、たとえば、この患者の次の注射について、インスリンのタイプおよび/または用量を提案する。この提案は、患者が受けた1つまたはそれ以上の過去の注射、および、血糖測定器43により測定され、(たとえば有線または無線接続により)血糖モニタリング・システム42に提供される現在の血糖値についての情報に基づいていてもよい。ここで、血糖測定器43を、患者の小型の血液プローブ(たとえばキャリア材料上の)を受けて、この血液プローブに基づいて患者の血糖値を判定するように構成された別個のデバイスとして具体化することができる。しかしながら、血糖測定器43は、患者、たとえば、患者の目または皮下に一時的に植え込まれたデバイスであってもよい。
【0052】
図3bは、
図3aの血糖測定器43が
図3aの血糖モニタリング・システム42に含まれることにより、
図3bの修正された血糖モニタリング・システム42’をもたらす、修正された配置4’である。
図3aの注射デバイス40および補助デバイス41の機能は、この修正によって影響されない。また、血糖モニタリング・システム42’に組み合わされた血糖モニタリング・システム42および血糖測定器43の機能は、両者が同一のデバイスに含まれるようになったために、これらのデバイス間の外部有線または無線通信が必要なくなることを除いて、基本的に変化しない。しかしながら、血糖モニタリング・システム42と血糖測定器43との、通信はシステム42’内で行われる。
【0053】
図4は、
図1aの注射デバイス1に取り付けられた状態にある、
図2aの補助デバイス2の概略図を示す。
【0054】
補助デバイス2のハウジング20には、複数の部材が含まれる。これらは、たとえばマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等であり得るプロセッサ24により制御される。プロセッサ24は、プログラム・メモリ240に記憶されたプログラム・コード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)を実行し、メイン・メモリ241を使用して、たとえば中間結果を記憶する。メイン・メモリ241を使用して、行われた放出/注射についてのログブックを記憶することもできる。プログラム・メモリ240は、たとえば読取り専用メモリ(ROM)であってよく、メイン・メモリは、たとえばランダム・アクセス・メモリ(RAM)であってよい。
【0055】
図2bに示すような実施形態では、プロセッサ24が第1のボタン22と相互作用し、これにより補助デバイス2をたとえばオンおよびオフすることができる。第2のボタン33は、通信ボタンである。第2のボタンを使用して、別のデバイスとの連結の確立をトリガする、または別のデバイスへの情報伝達をトリガすることができる。第3のボタン34
は確認またはOKボタンである。第3のボタン34を使用して、補助デバイス2のユーザに示された情報を承認することができる。
図2cに示すような実施形態では、2つのボタン33、34が省略されていてもよい。代わりに、1つまたはそれ以上の容量センサまたは他のタッチセンサが設けられる。
【0056】
プロセッサ24は、液晶ディスプレイ(LCD)として現在具体化されているディスプレイ・ユニット21を制御する。ディスプレイ・ユニット21を使用して、補助デバイス2のユーザに、たとえば注射デバイス1の現在の設定または行う予定の次の注射についての情報を表示する。またディスプレイ・ユニット21は、たとえば、ユーザ入力を受けるためのタッチスクリーン・ディスプレイとして具体化されていてもよい。
【0057】
また、プロセッサ24は、光学式文字認識(OCR)読取装置として具体化される光学センサ25を制御する。OCR読取装置は、(用量窓13を通して見ることのできる、注射デバイス1に含まれるスリーブ19上に印刷された数字により)現在の選択用量が表示される用量窓13の画像を取込み可能である。OCR読取装置25は、さらに、取込み画像から文字(たとえば数字)を認識し、この情報をプロセッサ24に提供することができる。あるいは、補助デバイス2のユニット25は、画像を取り込んで、取り込まれた画像についての情報をプロセッサ24に提供するための光学センサ、たとえばカメラのみであってもよい。その後、プロセッサ24は、取込み画像のOCRの実行に関与する。
【0058】
注射デバイス1の表示窓13に示される数字は、奇数および/または偶数を含むことができる。
【0059】
プロセッサは、取込み画像からの情報を、補助デバイス2のディスプレイ・ユニット21に示す予定の情報に変換することができる。ディスプレイ・ユニット21に示される情報は、画像もしくは画像情報の表示または再生であり得る。ディスプレイ・ユニット21に示される情報は、画像または画像情報の解釈であってもよい。
【0060】
たとえば注射デバイス1の表示窓13は、数字「12」および「14」を示すことができ、その中央が「13単位」の用量に対応する。プロセッサは、画像の表示または再生を示すようにディスプレイを制御することができ、すなわち、ディスプレイは、数字「12」および「14」を示すことができる。
【0061】
プロセッサ24は、画像情報を解釈して、ディスプレイ・ユニット21に示す予定の情報に変換することができる。上記の例を取ると、画像プロセッサ24は、「13単位」の用量に対応し、これに従って情報を変換するように、画像情報を解釈することができる。プロセッサ24は、画像の解釈を示すようにディスプレイ・ユニット21を制御する。ディスプレイ・ユニット21は、たとえば「13」または「13単位」を示すことができる。
【0062】
また、プロセッサ24は、発光ダイオード(LED)29等の光源を制御して、現在の選択用量が表示される用量窓13を照明する。たとえば1枚のアクリル・ガラスから作られた拡散器を、光源の前で使用してもよい。さらに、光学センサは、拡大(たとえば3:1を超える拡大)をもたらすレンズ(たとえば非球面レンズ)を備えることができる。
【0063】
プロセッサ24は、注射デバイス1のハウジング10の光学特性、たとえば色または濃淡を判定するように構成された光度計26をさらに制御する。光学特性は、ハウジング10の特定の部分のみにあるもの、たとえばスリーブ19または注射デバイス1内に含まれるインスリン容器の色または色コーディングであり得、この色または色コーディングは、たとえば、ハウジング10(および/またはスリーブ19)のさらなる窓を通して見える
ものであってもよい。その後、この色についての情報がプロセッサ24に提供されて、プロセッサ24は、注射デバイス1のタイプまたは注射デバイス1に含まれるインスリンのタイプを判定することができる(たとえば、紫色のSoloStar Lantusおよび青色のSoloStar Apidra)。あるいは、カメラ・ユニットを光度計26の代わりに使用することができ、その後、ハウジング、スリーブ、またはインスリン容器の画像がプロセッサ24に提供されて、画像処理によりハウジング、スリーブ、またはインスリン容器の色を判定することができる。さらに、光度計26の読取りを向上させるために、1つまたはそれ以上の光源を設けてもよい。光源は、ある波長またはスペクトルの光を与えて、光度計26による色検出を向上させることができる。光源は、たとえば用量窓13による望ましくない反射を避けるか減少させるように、光源を配置することができる。例示的な実施形態では、光度計26の代わりに、または光度計26に加えて、カメラ・ユニットを配置して、注射デバイスおよび/または注射デバイス内に含まれる薬剤に関連したコード(たとえば、たとえば1次元または2次元バーコードであり得るバーコード)を検出することができる。このコードは、いくつか例を挙げると、たとえば、ハウジング10、または注射デバイス1に含まれる薬剤容器に位置していてもよい。このコードは、たとえば、注射デバイスおよび/または薬剤のタイプ、および/またはさらなる特性(たとえば使用期限)を示すことができる。
【0064】
プロセッサ24は、注射デバイス1により発生した音を感知するように構成された音響センサ27をさらに制御する(および/または音響センサ27からの信号を受信する)。このような音は、たとえば用量ノブ12を回すことにより用量をダイヤル計量するとき、および/または注射ボタン11を押すことにより用量が放出/注射されるとき、および/またはプライム・ショットが行われるときに発生し得る。これらのアクションは、機械的に類似しているが、それにもかかわらず異なる音を発する(これは、このようなアクションを示す電子音にも当てはまり得る)。音響センサ27および/またはプロセッサ24を、これらの異なる音を区別して、たとえば(プライム・ショットのみではなく)注射が行われたことを安全に認識することができるように構成することができる。
【0065】
プロセッサ24は、音響信号発生器23をさらに制御し、この音響信号発生器23は、たとえば注射デバイス1の動作状態に関連し得る音響信号を、たとえばユーザへのフィードバックとして発生させるように構成される。たとえば、音響信号は、注射予定の次の用量の合図として、またはたとえば誤使用の場合の警告信号として、音響信号発生器23により発生され得る。音響信号発生器は、たとえば、ブザーまたはスピーカとして具体化されていてもよい。音響信号発生器23に加えて、または音響信号発生器23の代わりに、触覚信号発生器(図示せず)を使用して、たとえば振動により触覚フィードバックを与えてもよい。
【0066】
プロセッサ24は、情報を別のデバイスに対して無線で送受信するように構成された無線ユニット28を制御する。このような伝送は、たとえば、無線伝送または光伝送に基づいていてもよい。一部の実施形態では、無線ユニット28がBluetoothトランシーバである。あるいは、別のデバイスに対して、たとえばケーブルまたはファイバ接続を介した有線で情報を送受信するように構成された有線ユニットにより、無線ユニット28を置き換えることができ、または補足することができる。データが送信されると、伝達されたデータ(値)のユニットが明確にまたは暗黙的に定義され得る。たとえば、インスリン用量の場合、国際単位(IU)を常に使用することができ、あるいは、使用した単位を、たとえばコードの形で明確に伝達することができる。
【0067】
プロセッサ24は、ペン1があるか否かを検出する、すなわち補助デバイス2が注射デバイス1に連結されているか否かを検出するように動作可能なペン検出スイッチ30から入力を受ける。
【0068】
バッテリ32が、電源31により、プロセッサ24および他の部材に電力を供給する。
【0069】
したがって、
図4の補助デバイス2は、注射デバイス1の状態および/または使用に関連する情報を判定することができる。この情報は、デバイスのユーザが使用するようにディスプレイ21に表示される。情報は、補助デバイス2自体によって処理されても、少なくとも部分的に別のデバイス(たとえば、血糖モニタリング・システム)に提供されてもよい。
【0070】
図5a~
図5cは、本発明による方法の実施形態のフローチャートである。これらの方法は、たとえば、補助デバイス2(
図2bおよび
図4参照)のプロセッサ24により、また
図2bの補助デバイス2のプロセッサにより実行され得、かつ、たとえば
図6の有形記憶媒体60の形を取ることのできる、たとえば補助デバイス2のプログラム・メモリ240に記憶され得る。
【0071】
図5aは、注射デバイス40から補助デバイス41により読み取られた情報が血糖モニタリング・システム42または42’に提供され、血糖モニタリング・システム42または42’から戻る情報を受信することのない、
図3aおよび
図3bに示す状況で実行される方法工程を示す。
【0072】
フローチャート500は、たとえば、補助デバイスをオンにするか他の方法で起動させると開始する。工程501では、注射デバイスにより供給された、あるタイプの薬剤、たとえばインスリンが、たとえば、前述したように、色認識に基づいて、または注射デバイスもしくはその部材に印刷されたコードの認識に基づいて判定される。患者が同一タイプの薬剤を常用しており、その1つのタイプの薬剤とともに注射デバイスを使用するだけである場合には、薬剤タイプの検出は必要でない可能性がある。さらに、薬剤タイプの判定を、他の方法で(たとえば、補助デバイスが、この1つのタイプの薬剤のみを供給できる1つの特定の注射デバイスのみで使用可能である、
図4に示すキーおよび凹部の対により)確実に行ってもよい。
【0073】
工程502では、たとえば前述した注射デバイスの用量窓に示される情報のOCRにより、現在の選択用量が判定される。その後、この情報は、工程503で注射デバイスのユーザに表示される。
【0074】
工程504では、放出が行われたか否かを、たとえば、前述したように音認識により確認する。ここで、注射デバイスにより発生されたそれぞれ異なる音に基づいて、および/または放出用量に基づいて、プライム・ショットを(人への)実際の注射から区別することができる(たとえば、所定量のユニット、たとえば4または3ユニット未満の小さい用量は、プライム・ショットに属していると考えられるが、より大きい用量は実際の注射に属していると考えられる)。
【0075】
放出が行われると、判定されたデータ、すなわち、選択用量および、必要に応じて、薬剤(たとえばインスリン)のタイプが、メイン・メモリ241に記憶され、ここから後で別のデバイス、たとえば血糖モニタリング・システムに送信され得る。放出の性質に関して区別が行われた場合、たとえば、放出がプライム・ショットまたは実際の注射として行われた場合、この情報も、メイン・メモリ241に記憶され、場合により後で送信され得る。注射が行われた場合、工程505で、用量がディスプレイ21に表示される。注射直後、0または1分である、最後の注射からの時間も表示される。最後の用量からの時間は、断続的に表示され得る。たとえば、時間は、注射された薬剤の名前または他の識別、たとえばApidraまたはLantusと交互に表示され得る。
【0076】
放出が工程504で行われなかった場合、工程502および503が繰り返される。
【0077】
送達された用量および時間データの表示後、フローチャート500が終了する。
【0078】
図5bは、光学センサのみの使用に基づいて選択用量が判定されたときに実行される、より詳細な例示的な方法工程を示す。たとえば、これらの工程は、
図5aの工程502で実行され得る。
【0079】
工程901で、サブ画像が、補助デバイス2の光学センサ25等の光学センサにより取り込まれる。取り込まれたサブ画像は、たとえば、現在の選択用量が(たとえば、注射デバイス1のスリーブ19に印刷された、用量窓13を通して見ることのできる数字および/または目盛りにより)表示される、注射デバイス1の用量窓13の少なくとも一部の画像である。たとえば、取り込まれたサブ画像は、低い解像度を有し、かつ/または用量窓13を通して見ることのできるスリーブ19の部分の一部のみを示すことができる。たとえば、取り込まれたサブ画像は、用量窓13を通して見ることのできる注射デバイス1のスリーブ19の部分に印刷された数字または目盛りを示す。画像は、取り込まれた後、たとえば、以下のようにさらに処理される:
前に取り込まれた背景画像による分割;
画像をビニングして、さらなる評価のために画素数を減らす;
画像を正規化して、照明の強度変動を減らす;
画像の方向変え;および/または
一定の閾値を比較することにより、画像を2値化。
【0080】
たとえば十分に大きい光学センサ(たとえば、十分に大きい画素を有するセンサ)が使用される場合に、該当すれば、これらの工程の一部または全部を省略してもよい。
【0081】
工程902で、取り込まれたサブ画像に変化があるか否かを判定する。変化があるか否かを判定するために、たとえば、現在の取込みサブ画像を、前に取り込まれたサブ画像と比較することができる。ここで、前に取り込まれたサブ画像との比較は、現在のサブ画像が取り込まれる直前に取り込まれた、前に取り込まれたサブ画像のサブ画像、および/または現在のサブ画像が取り込まれる前の特定の期間(たとえば0.1秒)内に取り込まれた、前に取り込まれたサブ画像のサブ画像に限定され得る。比較は、現在の取込みサブ画像および前に取り込まれたサブ画像で実行されるパターン認識等の画像分析技術に基づいていてもよい。たとえば、用量窓13を通して見ることができ、かつ現在の取込みサブ画像および前に取り込まれたサブ画像に示される目盛りおよび/または数字のパターンが変化したか否かを分析することができる。たとえば、あるサイズおよび/またはアスペクト比を有する画像のパターンを検索し、これらのパターンを事前に保存したパターンと比較することができる。工程901、902は、取込み画像の変化の検出に対応し得る。
【0082】
工程902で、サブ画像に変化があると判定された場合、工程901が繰り返される。そうでなければ、工程903で、補助デバイス2の光学センサ25等の光学センサにより、画像が取り込まれる。たとえば、取込み画像は、(たとえば、用量窓13を通して見ることのできる、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された数字および/または目盛りにより)現在の選択用量が表示される、注射デバイス1の用量窓13の画像である。たとえば、取込み画像は、取込みサブ画像の解像度よりも高い解像度を有することができる。取込み画像は、少なくとも、用量窓13を通して見ることのできる、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された数字を示す。
【0083】
工程904では、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された、用量窓13を通して
見ることのできる数字を認識するために、工程903で取り込まれた画像上で光学文字認識(OCR)が実行される。これらの数字が(現在の)選択用量に対応するからである。認識された数字に従って、たとえば選択用量を表す値を認識された数字に設定することにより、選択用量が判定される。
【0084】
工程905では、判定された選択用量に変化があるか否か、場合により、判定された選択用量がゼロではないか否かを判定する。たとえば、変化があるか否かを判定するために、現在判定されている選択用量を、前に判定された選択用量と比較することができる。ここで、前に判定された選択用量との比較を、現在の選択用量が判定されるより前の特定の期間(たとえば3秒)内に判定された、前に判定された選択用量に限定することができる。判定された選択用量に変化がなく、場合により、判定された選択用量がゼロでない場合、現在判定されている選択用量が、さらなる処理のために(たとえばプロセッサ24に)戻される/向けられる。
【0085】
したがって、用量ノブ12の最後の回転から3秒を超えると、選択用量が判定される。用量ノブ12がこの3秒以内または3秒後に回転され、新しい位置が3秒を超えて変わらないままである場合、この値を、判定された選択用量とする。
【0086】
図5cは、音響センサおよび光学センサの使用に基づいて選択用量が判定されたときに実行される、より詳細な方法工程を示す。たとえば、これらの工程は、
図5aの工程502で実行され得る。
【0087】
工程1001では、補助デバイス2の音響センサ27等の音響センサにより、音が取り込まれる。
【0088】
工程1002では、取込み音がクリック音であるか否かを判定する。取込み音は、たとえば、注射デバイス1の用量ノブ12を回転することにより用量がダイヤル計量されたとき、および/または注射ボタン11を押すことにより用量が放出され/注射されたとき、および/またはプライム・ショットが行われたときに発生するクリック音であり得る。取り込まれた音がクリック音でない場合、工程1001が繰り返される。そうでなければ、工程1003で、補助デバイス2の光学センサ25等の光学センサにより、画像が取り込まれる。工程1003は、フローチャート900の工程903に対応する。
【0089】
工程1004では、工程1003で取り込まれた画像上でOCRが実行される。工程1004は、フローチャート900の工程904に対応する。
【0090】
工程1005では、判定された選択用量に変化があるか否か、場合により、判定された選択用量がゼロでないか否かを判定する。工程1005は、フローチャート900の工程905に対応する。
【0091】
補助デバイスの電力消費に関して、
図5cに示す音響手法のわずかな利点があり得る。
図5bに示すような画像またはサブ画像を恒久的に取り込むことは、一般的に、マイクロフォン等の音響センサを聴くことよりも電力を消費するからである。
【0092】
図6は、プログラム・コード602を有するコンピュータ・プログラム601を備えた有形記憶媒体600(コンピュータ・プログラム製品)の概略図である。このプログラム・コードを、たとえば、補助デバイスに含まれるプロセッサ、たとえば
図2および
図4の補助デバイス2のプロセッサ24により実行することができる。たとえば、記憶媒体600は、
図4の補助デバイス2のプログラム・メモリ240を表すことができる。記憶媒体600は、固定式メモリ、または、たとえばメモリ・スティックもしくはメモリ・カード
等の着脱式メモリであってよい。
【0093】
詳細に前述したように、本発明の実施形態により、標準的な注射デバイス、特にインスリン・デバイスを、血糖モニタリング・システムに、有用かつ生産的な方法で接続できるようになる。
【0094】
本発明の実施形態は、この接続を可能にするために、血糖モニタリング・システムが無線または他の通信機能を有することを想定して、補助デバイスを導入する。
【0095】
血糖モニタリングとインスリン注射デバイスとの接続による利点は、とりわけ、注射デバイスのユーザによる誤りを減らし、取扱い工程を減らすことであり、血糖モニタリング、特に、最後に注射された用量および最後の血糖値に基づいて次の用量を指導する機能を有する血糖モニタリング・システムに、注射されたインスリン・ユニットを手動で伝達する必要がなくなる。
【0096】
上記の例示的実施形態に関して説明したように、ユーザ/患者が新しいインスリン・ペンを入手したときに、ユーザは補助デバイスをペンに取り付ける。補助デバイスは、注射用量を読み出す。補助デバイスは、インスリン滴定機能により、注射用量を血糖モニタリング・システムに伝達することもできる。大量のインスリンを取っている患者については、補助デバイスがインスリン・タイプに合わせたデバイス構造を認識し、この情報を血糖モニタリング・システムに送信することもできる。
【0097】
例示的な実施形態では、ディスプレイ、たとえば
図2aおよび
図4のLCDディスプレイ21に示された情報が、たとえば音響信号発生器23を使用してプロセッサ24により実施されるテキスト読上げ機能により、ユーザに対してスピーカを通して再生される音声信号に変換され得る。したがって、視覚障害のあるユーザが、ダイヤル計量された用量、推奨される用量、推奨される投与時間等の補助デバイス2の情報を利用しやすくなっている。
【0098】
本発明の実施形態を使用するときに、ユーザは、とりわけ、以下の利点を有する:
【0099】
ユーザは、最も便利な使い捨てインスリン注射器を使用することができる。
【0100】
補助デバイスは取付け可能および取外し可能(再利用可能)である。
【0101】
ユーザは、注射デバイスを、以前使用していたのと同様の方法で使用することができる。これは、表示窓13が補助デバイスにより覆われているにもかかわらず、可能である。
【0102】
ユーザは、注射デバイスが使用するのに正しいものであることを識別することができ、特に、注射デバイスが正しい薬剤を含むことを確認することができる。これは、注射デバイスの薬剤情報ラベルが補助デバイスにより部分的に覆われているにもかかわらず、可能である。
【0103】
注射された用量の情報が、血糖モニタリング・システムに自動で伝達され得る(伝達の誤りがなくなる)。血糖モニタリング・システムが、取る予定の用量を計算するため、改良された用量指導がこれによって得られる。
【0104】
手でデータ・ログブックを付ける必要がなくなり得る。
【0105】
さらに、本発明により提案された補助デバイスを配置するときに、たとえば薬剤(たと
えばインスリンまたはヘパリン)の第1の用量が注射された後の適切な時間の後に、警告信号を受信することにより、次の用量を注射するように、患者に気付かせることもできる。
【0106】
注射用量の情報を、たとえば、任意の用量計算または他の任意の適用可能な治療指導計算のため、または警告信号の発生のための入力として、任意のコンピュータ化されたシステムに伝達し、たとえば次の用量を取ることをユーザに思い出させることができる。
【0107】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン-3もしくはエキセンジン-4もしくはエキセンジン-3もしくはエキセンジン-4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0108】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28-B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0109】
インスリン誘導体は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン、およびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0110】
エキセンジン-4は、たとえば、H-His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Gl
u-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-NH2配列のペプチドであるエキセンジン-4(1-39)を意味する。
【0111】
エキセンジン-4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H-(Lys)4-desPro36,desPro37エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)5-desPro36,desPro37エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン-(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン-(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
(ここで、基-Lys6-NH2が、エキセンジン-4誘導体のC-末端に結合していてもよい);
【0112】
または、以下の配列のエキセンジン-4誘導体:
desPro36エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2(AVE0010)、
H-(Lys)6-desPro36[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]
エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
H-desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Lys6-desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
H-desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(S1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)
6-NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン-4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0113】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0114】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0115】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0116】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70~110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0117】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0118】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(CH)と可変領域(VH)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0119】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211~217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0120】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0121】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH-H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0122】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1~R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1~C6アルキル基、場合により置換されたC2~C6アルケニル基、場合により置換されたC6~C10アリール基、または場合により置換されたC6~C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0123】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0124】
次に、
図8~
図14を参照しながら、補助デバイス2の一実施形態の機械的配置および注射デバイス1に取り付けられる方法について説明する。
【0125】
図8に最もよく見られるように、補助デバイス2は、ディスプレイ21が図示した向きで最上部にある状態において(
図8~
図14のすべてについて同様である)、用量ノブ12近くで注射ペン1に取り付けられる。ディスプレイ21の平面は、注射デバイス1の縦軸に対して略横方向に位置し、
図8、
図9、
図10、
図12、
図13および
図14の紙面に垂直である。
【0126】
閉鎖部68がヒンジの軸59から延び、注射ペンの下側で延びる。閉鎖部68は、補助デバイス2に右側で(図を見る人に注射ボタンが最も近い状態で、注射デバイス1を見て)連結され、注射ペン1の下側で延び、左側で補助デバイスに連結する。
【0127】
これらの図示した実施形態の補助デバイス2は、注射デバイス1上での補助デバイス2の正しい位置合わせに寄与する2つの構成要素と、補助デバイス2を注射デバイス1に固定する1つの構成要素とを有する。注射デバイス1上での補助デバイス2の正しい位置合わせに寄与する構成要素は、位置合わせ配置と呼ぶことができる。注射デバイス1に対する補助デバイス2の固定に寄与する構成要素を、固定配置と呼ぶことができる。
【0128】
注射デバイス1上での補助デバイス2の正しい位置合わせによって、OCR読取装置25が用量窓13に確実に正しく位置合わせされる。正しい位置合わせにより、正しい動作および確実な読取りが可能になる。使用時に補助デバイス2と注射デバイス1とを確実に正しく位置合わせできることにより、特に、デバイス1、2間の異なる位置合わせに対応可能に設計する必要がないため、OCR読取装置25についてより簡単な設計が可能になる。
【0129】
第1の位置合わせ構成要素は、位置決めチャネル71である。位置決めチャネル71は、補助部材の本体と閉鎖位置にあるときの閉鎖部68との間で画成される注射デバイス受けチャネル58の最上部に位置する。
【0130】
位置決めチャネル71は、
図11aおよび
図11bに最もよく見られる。ここから、補助デバイス2が注射デバイス1に装着されたときに、用量ノブ12に最も近い補助デバイスの端部に位置決めチャネルが形成されることが分かるだろう。
【0131】
図1bに最もよく見られるように、位置決めリブ70が表示窓13と用量ノブ12との間に位置する。この例では、位置決めリブ70は、表示窓13と用量ノブ12との間の距離全体に延びる。他の例では、位置決めリブは、より短い。位置決めリブ70は、用量ノブ12に隣接する端部でより高く、表示窓13との接合部では高さがゼロになるようにテーパ状になっている。
図1bから分かるように、位置決めリブ70の最上縁部のテーパがわずかに湾曲している。テーパの勾配は、用量ノブ12に最も近い位置決めリブ70の部分でより小さく、表示窓13の位置まで位置決めリブに沿ってより大きくなる。位置決めリブ70の形状は、用量ノブ12に隣接する位置決めリブ70の位置から表示窓13に隣接する位置決めリブ70の位置まで動くにつれて、勾配が連続して増加するようになっている。
【0132】
注射デバイス1の本体周囲の寸法である位置決めリブ70の厚さは、位置決めリブ70の長さに沿って変化する。位置決めリブ70の厚さは、用量ノブ12に隣接する端部で最も大きく、表示窓13に隣接する端部で最も小さい。位置決めリブ70の厚さは、用量ノブ12に隣接する位置決めリブの端部から表示窓13に隣接する位置決めリブの端部まで動くにつれて、徐々に減少する。
【0133】
注射ペン1の縦軸に垂直に取った断面である位置決めリブの横断面は、角丸の三角形である。位置決めリブ70の横断面は、全長について略同一であるが、当然大きさは異なる。
【0134】
位置決めチャネル71は、注射ペン1上にある位置決めリブ70の形状および大きさに密接に対応するように寸法決めされる。
【0135】
位置決めチャネル71は、位置決めリブ70の大きさおよび形状に密接に対応する大きさおよび形状を有する。位置決めチャネル71は、位置決めリブを位置決めチャネル71内に確実に位置させることができるように、位置決めリブよりもわずかに大きい。位置決めリブ70が位置決めチャネル71内にあるときに、対応する大きさにより、2つの構成要素が確実に嵌合する。これにより、注射デバイス1上で補助デバイス2を確実に正しく位置決めすることを助ける。
【0136】
次に、2つのデバイス間の正しい位置合わせを確実にするのを助ける補助デバイス2および注射ペン1の他の
構成要素について説明する。
図1bに最もよく見られるように、注射ペン1は、用量ノブ12に近い位置で、本体の両側に凹みを備える。
図1bでは、左側の凹み52が示される。
図10および
図12に示される右の凹み51は、注射ペン1の右側の対応する位置にある。
【0137】
左および右凹み51、52は、比較的浅い窪みである。凹み51、52は傾斜側部を有し、すなわち凹み51、52の側部は平行ではない。また、凹み51、52は、注射ペン1の縦軸に対して半径方向ではない。これらの実施形態では、左および右凹み51、52の側部の傾斜が、凹みの異なる部分について異なる。特に、凹みの側部の傾斜の勾配は、表示窓13から最も遠い凹みの部分でより小さく、表示窓13に最も近い凹み51、52の部分で最も大きい。これらの例では、凹みの傾斜がこれら2つの端部間で、たとえば直線的に変化する。
【0138】
凹みの側部の傾斜は、たとえば、表示窓13から最も遠い部分で30~70度であり得る。傾斜は、たとえば、表示窓13に最も近い部分について60~80度であり得る。表示窓13により近い部分で傾斜角度が大きいほど、注射デバイス1の縦軸に対して半径方向への補助デバイス2の取外しに対する抵抗をいくらかもたらすようにして、凹み51、52内への突起面の係合を助ける。
【0139】
図10および
図11に最もよく見られるように、左および右突起53、54が、右および左凹み51、52のそれぞれの形状に対応するように形成される。このように、補助デバイス2が注射ペン1上に正しく位置するときに、右および左突起53、54が右および左凹み51、52のそれぞれの内部に嵌合する。右および左突起53、54の外寸は、突起がそれぞれの凹みの内部に確実に嵌合するように、右および左凹み51、52の内寸よりもわずかに小さい。
【0140】
これらの実施形態では、左および右突起52が、右凹み51の形状に密接に対応するように形成される。このように、補助デバイス2が注射ペン1上に正しく位置するときに、右突起53が右凹み51内にぴったりと嵌合する。左突起54は右突起53と同様に形成されるが、右突起53よりも低くなっている。言い換えると、左突起54は右突起53と同様であるが、上部がないか、切り取られている。これが、左突起54の端面が右突起53よりも大きい面積を有することの理由である。突起53、54の大きさが異なることにより、突起が凹み51、52内に係合することを助ける。右突起53が主であり、左突起が従であると考えてもよい。
【0141】
図11bに最もよく示すように、右突起53は右アーム55の端部に位置する。
【0142】
図11aに見られるように、左突起54は左アーム56の端部に位置する。
【0143】
図10に最もよく見られるように、右アームおよび左アーム55、56は、補助デバイス2の本体20から略垂直に垂下する。したがって、右アームおよび左アーム55、56は、注射デバイス受けチャネル58の両側に形成される。
【0144】
U字形ばねの形状の付勢構成要素67が、右および左アーム55、56のそれぞれに連結される。ばね67の効果は、右アームおよび左アームをある位置に付勢することである。右および左アーム55、56が付勢される位置は、右および左突起53、54の最内面間の距離が、右および左凹み51、52の底部間の距離よりもわずかに小さいような位置である。ばね67の効果は、突起53、54およびアーム55、56の互いに離れる方向への動きに抵抗することである。
【0145】
突起53、54の側部の傾斜が凹み51、52の側部に一致するため、アーム55、56の遠位端の突起53、54の傾斜側部は比較的浅い。これにより、補助デバイスが装着されるときに、注射ペン1の本体10の外面上で突起53、54を摺動させることを助ける。これは、
図10および
図12を参照して最もよく示される。
【0146】
図10に示すように、補助デバイス2は、右および左アーム55、56の端部、特に突起53、54が、注射ペン1のハウジング10にちょうど接触するように、注射ペン1に対して位置する。突起53、54は、ここで、表示窓13の左側および右側でハウジングに接触する。
【0147】
左および右アーム55、56は、左側および右側で補助デバイス2から垂下するフラップ60の裏側にある。
図10から分かるように、フラップまたは保護壁60は、アームよりもさらにわずかに下方に延びる。フラップ60は、透明材料から形成される。これにより、ユーザは、凹み51、52に対するアーム55、56の位置を見ることができるため、補助デバイス2を注射デバイス1上に正しく位置させるのに役立ち得る。
図9は、左凹み52の位置を点線で示して、アーム55、56および凹み51、52の位置を強調する。アームはこの図には示されていない。
【0148】
補助デバイス2を注射デバイス1に嵌合させるために、ユーザは、まず、
図10に示すように、補助デバイス2を注射デバイス1に対して配置し、その後、補助デバイス2に下方への力を加えると同時に、注射デバイス1に上方への力を加える。これにより、突起53、54、およびしたがって右アームおよび左アーム55、56に力が加わる。注射デバイス1と補助デバイス2とが近付くと、力によって、ばね67の弾性に対抗してアームが離れる。これにより、ばね67が反力を加え、注射デバイス1が注射デバイス受けチャネル58に入るのに抵抗する。しかしながら、突起53、54が、注射デバイス1の縦軸に直接一致する注射ペン1の位置に到達すると、注射デバイス1と補助デバイス2とがともにさらに動くときに、ばね67により与えられる反力が増加しなくなる。この後、注射デバイス受けチャネル58内への注射ペン1の動きが、ばね67の弾性により補助される。
【0149】
さらなる動きの後、突起53、54が左および右凹み51、52に位置合わせし、ばね67の弾性により、凹みに係合する。係合により、突起53、54が凹み51、52にカチッと留まるときに触覚および音声フィードバックを与える。フィードバックは、ばね67の弾性により与えられる力によって強化される。突起53、54が凹み51、52に嵌合すると、一部には突起53、54および凹み51、52の対応する形状により、ならびに一部にはばね67によりアーム55、56がともに付勢することにより、注射デバイス1に対する補助デバイス2のさらなる動きに大きな抵抗が生じる。
【0150】
補助デバイス2および注射デバイス1がともに動くときに、凹み51、52の一方が他方よりも高い場合、突起53、54の一方は、突起の他方が他方の凹みに到達する前に、凹みのより高い方に係合する。この場合、最初に接触する突起および凹みが係合し、その凹みに対するその突起のさらなる動きに対して大きな抵抗を生じさせる。この場合、他方の凹みが他方の突起に接触するように、当然、注射デバイス1が補助デバイスに対して回
転される傾向がある。他方の凹みが他方の突起に接触すると、これらは嵌合して、補助デバイス2に対する注射ペン1のさらなる動きに対して、かなりの抵抗が生じる。他方の突起が各凹みに接触する前に、突起の一方が凹みに接触する状況では、ユーザにとって、注射ペン1と補助デバイス2とが、最初にほとんどまたは全く回転せずにともに動くように思われる。その後、第1の突起が対応する凹みに接触するときに触覚および音声フィードバックが与えられ、この後、注射デバイス1は、他方の突起が他方の凹みに受けられるまで、注射デバイス受けチャネル58内の定位置に入り、この時点で、さらなる触覚および音声フィードバックがユーザに与えられると思われる。
【0151】
突起53、54が凹み51、52内に嵌合すると、
図12に示すように、注射デバイス1が注射デバイス受けチャネル58内に完全に位置する。ここで、表示窓13の最外面が、補助デバイス2の上部の最下面に略位置合わせしていることが分かるだろう。この補助デバイス2は、注射デバイス1が注射デバイス受けチャネル58内にぴったりと嵌合し、補助デバイスおよび注射ペン1がこの相対位置にあるときに、注射デバイス1のハウジング10の外面と補助デバイス2の最下面とが接触する複数の点または領域があるように形成される。この時点で突起53、54が凹み51、52に嵌合していなくても、ユーザは、注射ペン1が補助デバイス2内のこの位置に着座することが当然の傾向であることに気付くだろう。
【0152】
右および左突起53、54が右および左凹み51、52内にそれぞれ位置するように、補助デバイス2が注射ペン1に対して位置すると、位置決めリブ70が位置決めチャネル71内に係合する。これにより、注射デバイス1に対する補助デバイス2の正しい位置合わせが、2つの方法:第1に、位置決めチャネル71内の位置決めリブ70の位置により、および第2に、突起53、54を凹み51、52内に位置させることによりもたらされる。
【0153】
補助デバイス2が
図8に示す位置のわずかに右にあるような位置で、ユーザが補助デバイス2を注射ペン1上に配置する場合、位置決めリブ70は位置決めチャネル71内に嵌合しない。この場合、位置決めリブ70が、位置決めチャネル71内の正しい位置から何らかの形で遠位にある補助デバイス2の表面に載置することにより、補助デバイス2は注射ペン1上に完全には位置することができない。しかしながら、この位置で、突起53、54の端部は、注射デバイス1のハウジング10の周囲の中間点を通過するため、ばね67によって、注射デバイス1が、注射デバイス受けチャネル58内に位置するように補助デバイス2側へ付勢される。ユーザは、突起53、54と凹み51、52との嵌合からの触覚フィードバックを受けていないため、補助デバイス2が注射ペン1に正しく嵌合しなかったことが分かる。また、ユーザは、用量ノブ12に最も近い補助デバイスの端部が注射ペン1から離れる距離が、用量ノブ12から遠位の補助デバイス2の端部で補助デバイス2が注射ペン1から離れる距離よりも大きいことに気付く。この状況で、ユーザは、単に補助デバイス2と注射ペン1とに対して力を及ぼして、補助デバイス2を
図8に示す方向で左側に動かすことにより、補助デバイス2と注射ペン1とを係合させることができる。これは、片手または両手で行うことができる。補助デバイス2と注射デバイス1とが互いに対して動くと、位置決めリブと位置決めチャネルとがより一層係合する。ばね67により与えられるばね力は、補助デバイス2と注射デバイス1とのこのような相対運動を補助することができる。位置決めリブ70と位置決めチャネル71とがさらに係合すると、用量ノブ12に最も近い補助デバイス2の端部が注射デバイス1側へ下がる。この動きは、位置決めリブ70が位置決めチャネル71内に完全に入るまで続き、この時点で、右および左突起53、54も右および左凹み51、52にそれぞれ係合する。この時点で、突起53、54と凹み51、52との嵌合により触覚フィードバックが与えられ、ユーザは、補助デバイス2と注射デバイス1とが互いに対して適切に位置していることを判定することができる。
【0154】
補助デバイスが
図8に示す位置よりも左にあるように、ユーザが補助デバイスを注射ペン1上に位置させると、補助デバイス2と注射ペン1とは嵌合しない。この場合、位置決めリブ70は、補助デバイス2が注射ペン1に対して平らに位置することの妨げにはならない。ユーザは、これに気付き、補助デバイス2が用量ノブ12から遠すぎることが分かる。ユーザは、単に補助デバイス2を注射デバイス1に対して動かして、補助デバイス2を
図8に示す方向で右側に動かすことにより、補助デバイス2を注射ペン1に係合させることができる。
【0155】
位置決めリブ70の端部が表示窓13に最も近いときに位置決めリブ70が位置決めチャネル71に位置合わせすると、位置決めリブ70の最小端部が、位置決めチャネル71の大きな開口端である口に入る。この段階で、補助デバイスは依然として注射デバイス1の表面に位置し、注射デバイス1は注射デバイス受けチャネル58内に完全に位置する。ばね67の作用により、注射デバイス1が、この段階で補助デバイス2に対して注射デバイス受けチャネル58内に付勢される。
【0156】
位置決めリブ70および位置決めチャネル71が正確に位置合わせされない場合、位置決めリブ70の最も狭い端部が位置決めチャネルの側部に係合する。補助デバイス2と注射デバイス1との長手方向へのさらなる相対運動により、位置決めリブと位置決めチャネル71の壁との間に反力が加えられ、補助デバイス2および注射デバイス1を完全に位置合わせするように付勢する。これは、位置決めリブ70が位置決めチャネル71内に完全に係合するまで行われ、その時点で、右および左突起53、54も右および左凹み51、52に係合する。この時点で、補助デバイス2および注射デバイス1が互いに完全に係合する。
【0157】
補助デバイス2は閉鎖部68を備え、この閉鎖部68は、2つのデバイスが互いに嵌合するときに補助デバイス2を注射ペン1に締結するという主な機能を有する。
【0158】
図13および
図14に最もよく見られるように、閉鎖部68は仮想円筒の湾曲面に一致する最内面を有する。円筒の直径は、注射デバイス1のハウジング10の外寸と同一である。このように、閉鎖部68は、補助デバイス2が注射デバイス1上で定位置にあるときに、注射デバイス1のハウジング10の最下部にぴったりと嵌合する。
【0159】
閉鎖部68は、
図13に示す開放位置と
図14に示す閉鎖位置との間で運動可能である。
【0160】
図8に見られるように、閉鎖部68は、アーム保護壁60の用量ノブ12とは反対方向で、アーム保護壁60に隣接して位置する。閉鎖部68は、補助デバイス2の長さ寸法の約60%である寸法を、注射ペン1の縦軸に有する。他の例では、注射ペン1の長手方向における閉鎖部68の長さが、補助デバイス2の長さの30~80%、好ましくは補助デバイス2の長さの40~70%のいずれかの値を取ることができる。
【0161】
閉鎖部68の材料は、略均一な厚さを有する。このように、補助デバイス2が注射ペン1に嵌合するときの注射ペン1の縦軸から最も遠い面である閉鎖部68の外面は、略円筒形であり、または少なくとも円筒の一部の形状を取る。
【0162】
閉鎖部68は、2つの切欠き72、73を備える。切欠き72、73は、補助デバイス2の他側に形成されたヒンジの軸59から最も遠い閉鎖部68の縁部から延びる。切欠き72、73は、この縁部から、注射ペン1に対して略円周方向である方向に延びる。切欠きの長さは、閉鎖部68が略位置する円の円周の約1/6または1/5に等しい。切欠き
72、73はタブ61を画成する。タブ61は、切欠き72、73の最下端部間の位置で閉鎖部68の主部に連結される。タブ61の自由端63は、切欠き72、73の最上端部間に位置する。
図9に最もよく見られるように、タブ61の自由端63は、切欠き72、73間の中心の点で、注射ペン1の縦軸からより大きく離れて延びるように湾曲している。これにより、ユーザは、より良好にタブ61の自由端63に指を置いて、自由端63を
図14の左下方向に引くことができる。
【0163】
図9、13、および14に最もよく見られるように、タブ61の内面には、掛止縁部64が設けられる。掛止縁部64は、掛止面と別の面との接合部に設けられる。掛止縁部64は、タブ61の幅だけ延びる。
図14に示すように、掛止面は、閉鎖部68が閉鎖位置にあるときに、注射デバイス1の縦軸に対して略半径方向に延びる平面である。この位置で、掛止縁部64は、補助デバイス2の最上部の一部として設けられた、すなわち閉鎖部68の一部でない補助デバイス2の一部として設けられた掛止係合面66に係合する。掛止係合面66は、閉鎖部68が閉鎖位置にあるときに、掛止面の平面と略同一の向きである平面に設けられる。
【0164】
ユーザが補助デバイス2を注射ペン1上に嵌合させる、特に、位置決めリブ70を位置決めチャネル71内に嵌合させ、突起53、54を凹み51、52内に位置させると、ユーザは補助デバイス2を注射ペン1に固定することができる。これは、注射デバイス受けチャネル58が開いて注射ペン1を内部に含む、
図9に示す位置から、ユーザが閉鎖部68を動かし、閉鎖部68をヒンジの軸59の周りで回転させてタブ61の自由端63を掛止係合面側へ動かすことによって達成される。掛止縁部64の最内部が、掛止係合面66の真下に位置する(図示したように)ガイド面65に接触するまで、動きが続けられる。ガイド面65は、注射ペン1のハウジング10の外面に対して略接線方向に傾斜する。
【0165】
この時点で、閉鎖部68が
図13に示す形状を採用する傾向により、タブ61の端部とガイド面65とのばね力がもたらされる。ユーザが閉鎖部68にさらなる力を及ぼすと、閉鎖部68は弾性変形して、タブ61の自由端63とヒンジ59との分離を大きくする。これにより、掛止縁部64の縁部がガイド面65上を摺動することができる。これは、掛止縁部64がガイド面65と掛止係合面66との間の縁部に位置合わせするまで続き、位置合わせした時点で、掛止縁部64と掛止面とが、掛止係合面66に形成されたチャネル内に係合する。この時点で、閉鎖部68の弾性によって、掛止縁部64および掛止係合面66が互いに係合し、この時点で、部材は
図14に示す位置にある。この位置で、閉鎖部68の最内面が注射ペン1のハウジング10の最外面にぴったりと接していることが分かるだろう。この時点で、閉鎖部68により、注射ペン1が注射デバイス受けチャネル58内にしっかりと収容され、閉鎖部68により定位置に保持されることが確実になる。
【0166】
この配置により、
図14の平面において補助デバイス2に対する注射デバイス1の動きが防止されることが理解されよう。
【0167】
注射ペン1の縦軸に沿った補助デバイス2の動きが、突起53、54と凹み51、52との嵌合により阻止される。加えて、
図8に示すような補助デバイス2の右方向への動きが、補助デバイス2の本体20に作用する位置決めリブ70によってさらに防止される。
【0168】
したがって、一部の実施形態では、補助デバイス2が、注射デバイス1のハウジング10の外面上での補助デバイス2の摺動に対抗するように特に構成された1つまたはそれ以上の面を備える。特に、
図8に示すように補助デバイス2が注射デバイス1に係合したときに注射デバイス1に接触する補助デバイス2の表面に、高摩擦被覆が設けられていてもよく、または表面が高摩擦材料から形成されていてもよい。
【0169】
このような材料は、ゴム引き材料、シリコーン、粗面を有する材料、多少の接着性を有する材料等を含む。このような面は、閉鎖部68の最内面、および/または補助デバイスの上部の最下面の1つまたはそれ以上を含むことができる。これらの面は、使用中に注射デバイス1のハウジング10に接触する補助デバイス2の表面全体にわたって延びることができ、または関連する面の一部のみにわたって延びることができる。
【0170】
注射ペン1から補助ペン2を取り外すために、ユーザはまず、タブ61の自由端63の最上面に指、たとえば親指または他の指を置く。次いで、ユーザは、
図14に示すように力を左下側に及ぼすことができる。加えられた力が十分であると、閉鎖部68が、掛止縁部64が掛止係合面66に係合しなくなる点まで変形する。この点で、閉鎖部68は下方へ移動し、ヒンジの軸59の周りを旋回することができる。実際に、注射デバイス1が
図14に示す向きに保持されると、重力が、この方向への閉鎖部68の動きを助ける。閉鎖部68が注射デバイス1から離れて旋回すると、補助デバイス2が注射デバイス1に締結されなくなる。この位置で、補助デバイス2が、突起53、54および凹み51、52の嵌合によってのみ、注射デバイス1上に保持される。
【0171】
補助デバイス2を完全に取り外すために、ユーザは、補助デバイス2を片手で把持し、
図8に示すように、補助デバイス2に対して力を上方向に加えることができる。加えられる力がばね力および摩擦力を克服するのに十分なものになると、
図10において最上部にある凹み51、52の傾斜面が、突起53、54の対応する傾斜面上を摺動する。これが生じると、左および右アーム55、56が、ばね67の付勢に対抗して離れる。突起53、54が凹み51、52から解放されると、補助デバイス2が注射デバイス1から取り外されるときに、ユーザは比較的小さい抵抗を受ける。当然、位置決めリブ70と位置決めチャネル71との協働は、補助デバイス2と注射ペン1とのこのような分離を妨害するものではない。
【0172】
あるいは、ユーザは、補助デバイスを把持して、
図8の右方向へ移動させることができる。この場合、位置決めリブと位置決めチャネル71とが協働して、突起を凹み51、52から取り外すことを助ける。特に、補助デバイス2が注射デバイス1に対して右方向にわずかに動き始めると、位置決めリブ70が位置決めチャネル内へより深く摺動するため、結果として注射ペン1に対して補助デバイス2に上方への力が加えられる。次いで、この上方への力は、突起53、54を凹み51、52から取り外すのに必要なばね力および摩擦力を克服するのを助ける。
【0173】
図11aおよび
図11bに見られるように、左および右アーム55、56は、補助デバイス2の本体により両側で拘束される。これにより、
図10の紙面に垂直な方向への左および右アーム55、56の動きを防止または阻止することができる。これにより、注射ペン1の縦軸に沿って補助デバイス2を動かすように作用する(弱い)力が存在しても、注射ペン1の取付け後に、補助デバイス2を正しい位置に維持することを助ける。アーム55、56は、突起を支持するため、支持部材と呼ばれ得る。
【0174】
一部の実施形態では、左および右アーム55、56が、
図10の紙面に垂直な方向へわずかに自由に移動する。これらの実施形態では、補助デバイス2の本体20が、注射ペン1のハウジング10に対して動くことができるが、突起53、54は凹み51、52内に完全に係合したままとなる。これにより、少なくとも位置決めリブ70と位置決めチャネル71との相互作用によって補助デバイス2が注射ペン1に対して上方へ動くまで、突起53、54と凹み51、52との係合が、
図8に示す右方向への補助デバイス2の動きを大幅に制限することを防止する。
【0175】
一部の他の実施形態では、左および右アーム55、56が、
図10の紙面に垂直な方向
への動きに大きく抵抗するように構成される。これらの実施形態では、アーム55、56が、1つの角部に突起を有し、他の2つの角部に補助デバイス2の本体への固着部(fixing)を有する三角形構造を備えることができる。これら2つの他の角部は、補助デバイス2の軸方向長さで分離され得る。三角形構造は、3つの脚部(limb)を含むか、またはシート状であり得る。三角形構造は平面でも湾曲していてもよい。
【0176】
一部の実施形態では、位置決めリブ70および位置決めチャネル71がない。これらの実施形態では、補助デバイス2と注射ペン1との正しい位置合わせが、突起53、54と凹み51、52との嵌合によりもたらされる。
【0177】
一部の他の実施形態では、右および左アーム55、56および突起53、54がない。これらの実施形態では、補助デバイス2と注射ペン1との正しい位置合わせが、位置決めリブ70および位置決めチャネル71によりもたらされる。
【0178】
当然、補助デバイス2と注射ペン1との正しい相対位置を確保するための他の代替配置が、当業者により想定されるだろう。このような代替形態は、特許請求の範囲の文言により明確に除外される場合を除いて、すべて本発明の範囲内に含まれる。
【0179】
また、当業者は、代替固定配置、たとえば、正しい相対位置が達成されると、補助デバイス2を注射ペン1に締結することが分かるだろう。このような代替形態は、特許請求の範囲の文言により除外される場合を除いて、すべて本発明の範囲内に含まれる。このような代替形態は、タブまたはアーム等の弾性部材を含む種々の他の掛止機構を備え、複雑な運動部材を備えていない。他のこのような実施形態は、たとえばツイストロック機構によるクランプ、張力クリップ、および他のこのような機構等の、より複雑な運動部材を伴う。ヒンジは、閉鎖部材を有する補助デバイスの本体を連結する比較的簡単な方法であるが、代替連結配置が当業者により想定されるだろう。適切な連結配置は、摺動機構、クリップ等を含むことができる。