(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】垂直保護網
(51)【国際特許分類】
D03D 19/00 20060101AFI20230411BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20230411BHJP
D03D 15/47 20210101ALI20230411BHJP
D03D 15/587 20210101ALI20230411BHJP
E04G 21/32 20060101ALI20230411BHJP
A62B 99/00 20090101ALN20230411BHJP
【FI】
D03D19/00
D03D1/00 Z
D03D15/47
D03D15/587
E04G21/32 B
A62B99/00 A
(21)【出願番号】P 2021123364
(22)【出願日】2021-07-28
【審査請求日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0093839
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0093840
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521332626
【氏名又は名称】リー,スン・マン
【氏名又は名称原語表記】LEE, Sung Man
【住所又は居所原語表記】1, Biseul-ro 373-gil, Nongong-eup, Dalseong-gun,Daegu 42968 Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】521333508
【氏名又は名称】リー,ドン・ホー
【氏名又は名称原語表記】LEE, Dong Ho
【住所又は居所原語表記】1401ho, 104dong, 71, Suseong-ro, Suseong-gu,Daegu 42166 Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】521332637
【氏名又は名称】ソン,ウェン・チョル
【氏名又は名称原語表記】SONG, Weon Cheol
【住所又は居所原語表記】2402ho, 107dong, 35, Biseul-ro 539-gil, Hwawon-eup, Dalseong-gun, Daegu 42951 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,スン・マン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ドン・ホー
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ウェン・チョル
【審査官】鈴木 祐里絵
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-102348(JP,A)
【文献】特開2001-288640(JP,A)
【文献】登録実用新案第3187509(JP,U)
【文献】特開平07-145532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0199214(US,A1)
【文献】特公昭50-025069(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B1/00-5/00
35/00-99/00
D03D1/00-27/18
E04G21/24-21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノフィラメントである経糸;
モノフィラメントである緯糸;および
前記経糸および緯糸を織り込むように配置され、芯糸および前記芯糸の表面の少なくとも一部を被覆し前記経糸、緯糸および芯糸より融点が低い被覆部を含む仮融着糸の少なくとも一部が融着されて形成された
繊度50~300Deのグラウンド糸;を含み、
下記の条件(1)および条件(2)をすべて満足する垂直保護網:
【数1】
この時、前記aは経糸
および緯糸
それぞれの繊度(De)、bはKS F 8081:2014に基づいて測定した炭化長(cm)および、cはISO 105 B02:2014ゼノンアーク法で測定した日光堅牢度(級)である。
【請求項2】
下記の条件(1)および条件(2)をすべて満足する、請求項1に記載の垂直保護網:
【数2】
【請求項3】
下記の条件(3)および(4)をさらに満足することを特徴とする、請求項1に記載の垂直保護網:
【数3】
この時、前記xはKS F 8081:2018、C.R.E、ストリップ法に基づいて測定した経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度の平均値(KN)、yとzはそれぞれKS F 8081:2014に基づいて測定した残炎時間(秒)と残塵時間(秒)および、wはISO 105 B02:2014ゼノンアーク法で測定した日光堅牢度(級)である。
【請求項4】
下記の条件(
3)および(
4)をすべて満足する、請求項3に記載の垂直保護網:
【数4】
【請求項5】
前記経糸および緯糸はそれぞれ独立的に繊度が250~3000Deである、請求項1に記載の垂直保護網。
【請求項6】
前記垂直保護網は炭化長が22cm以下である、請求項1に記載の垂直保護網。
【請求項7】
前記垂直保護網は日光堅牢度が7級以上である、請求項1に記載の垂直保護網。
【請求項8】
前記垂直保護網は経糸配設方向の両終端および緯糸配設方向の両終端に連結部;をさらに含む、請求項3に記載の垂直保護網。
【請求項9】
KS F 8081:2014に基づいて測定した経糸配設方向連結部の引張荷重および緯糸配設方向連結部の引張荷重の平均値が0.5~2.5KNである、請求項8に記載の垂直保護網。
【請求項10】
前記垂直保護網は経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度の平均値が0.4~2.4KNである、請求項3に記載の垂直保護網。
【請求項11】
前記垂直保護網は、
残炎時間が4秒以下であり、残塵時間が6秒以下である、請求項3に記載の垂直保護網。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は垂直保護網に関し、より詳細には機械的物性が優秀であり、防炎性および日光堅牢度が優秀な効果を同時に発現する垂直保護網に関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事現場では作業者の落下および墜落、各種工具などの落下物が発生するが、このような危険から作業者および市民の安全のために建物の築造時に保護網が設置される。
【0003】
このような安全事故に備えるためには、保護網の機械的物性が優秀でありながらも防炎性が優秀であり、すべての安全事故が発生し得る地点に設置することができなければならない。
【0004】
また、通常的に建築工事時には垂直保護網は外部に設置されるため直接的または間接的に光を受けざるを得なくなり、優秀な日光堅牢度が要求される。
【0005】
しかし、従来の垂直保護網の場合、所定の機械的物性を発現するとしても防炎性が悪いか、防炎性は優秀であっても日光堅牢度が悪いなど、機械的物性が優秀で防炎性および日光堅牢度が優秀な効果を同時に発現できない問題点があった。
【0006】
そこで、機械的物性が優秀であり、防炎性および日光堅牢度が優秀な効果を同時に発現できる垂直保護網に対する開発が急を要しているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】KR10-2001-0090349A(公開日:2001.10.18)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたもので、本発明が解決しようとする課題は、機械的物性が優秀であり、防炎性および日光堅牢度が優秀な効果を同時に発現できる垂直保護網を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するために本発明は、経糸;緯糸;および前記経糸および緯糸を織り込むように配置され、芯糸および前記芯糸の表面の少なくとも一部を被覆し前記経糸、緯糸および芯糸より融点が低い被覆部を含む仮融着糸の少なくとも一部が融着されて形成されたグラウンド糸;を含み、下記の条件(1)および条件(2)をすべて満足する垂直保護網を提供する。
【0010】
【0011】
この時、前記aは経糸または緯糸の繊度(De)、bはKS F 8081:2014に基づいて測定した炭化長(cm)および、cはISO 105 B02:2014ゼノンアーク法で測定した日光堅牢度(級)である。
【0012】
本発明の一実施形態によると、下記の条件(1)および条件(2)をすべて満足することができる。
【0013】
【0014】
本発明の一実施形態によると、下記の条件(3)および(4)をさらに満足することができる。
【0015】
【0016】
この時、前記xはKS F 8081:2018、C.R.E、ストリップ法に基づいて測定した経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度の平均値(KN)、yとzはそれぞれKS F 8081:2014に基づいて測定した残炎時間(秒)と残塵時間(秒)および、wはISO 105 B02:2014ゼノンアーク法で測定した日光堅牢度(級)である。
【0017】
前記条件(3)および(4)は好ましくは下記の条件(3)および(4)を満足するものであり得る。
【0018】
【0019】
また、前記経糸および緯糸はそれぞれ独立的に繊度が250~3000Deであり得る。
【0020】
また、前記垂直保護網は炭化長が22cm以下であり得る。
【0021】
また、前記垂直保護網は日光堅牢度が7級以上であり得る。
【0022】
また、前記垂直保護網は経糸配設方向の両終端および緯糸配設方向の両終端に連結部;をさらに含むことができる。
【0023】
また、KS F 8081:2014に基づいて測定した経糸配設方向連結部の引張荷重および緯糸配設方向の連結部の引張荷重の平均値が0.5~2.5KNであり得る。
【0024】
また、経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度の平均値が0.4~2.4KNであり得る。
【0025】
また、残炎時間が4秒以下であり、残塵時間が6秒以下であり得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る垂直保護網は、機械的物性が優秀であり、防炎性および日光堅牢度が優秀な効果を同時に発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る垂直保護網でグラウンド糸の配置を示す上面図である。
【
図2】本発明の他の一実施形態に係る垂直保護網でグラウンド糸の配置を示す上面図である。
【
図3】本発明のさらに他の一実施形態に係る垂直保護網でグラウンド糸の配置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
図1~
図3に図示された通り、本発明の一実施形態に係る垂直保護網100は、経糸10;緯糸20;および前記経糸10および緯糸20を織り込むように配置され、芯糸および前記芯糸の表面の少なくとも一部を被覆し前記経糸10、緯糸20および芯糸より融点が低い被覆部を含む仮融着糸の少なくとも一部が融着されて形成されたグラウンド糸30;を含んで具現される。
【0030】
一方、本発明の垂直保護網100の各構成の説明に先だって、本発明に係る垂直保護網100が条件(1)および条件(2)をすべて満足しなければならない理由について説明する。
【0031】
経糸および緯糸の繊度が低い場合、機械的物性および日光堅牢度が低下し得、経糸および緯糸の繊度が高い場合、防炎性が低下し得る。また、炭化長が長い場合、防炎性が低下し得、日光堅牢度が低い場合、機械的物性、防炎性および日光堅牢度が優秀な効果を同時に発現することができない。
【0032】
これに伴い、本発明に係る垂直保護網100は下記の条件(1)および(2)をすべて満足する。
【0033】
条件(1)として
【数5】
であり、好ましくは
【数6】
であり得、条件(2)として
【数7】
であり、好ましくは
【数8】
であり得る。
【0034】
この時、前記aは経糸または緯糸の繊度(De)、bはKS F 8081:2014に基づいて測定した炭化長(cm)および、cはISO 105 B02:2014ゼノンアーク法で測定した日光堅牢度(級)である。また、このとき、前記条件(1)および条件(2)を満足するとは、aが経糸の繊度である場合とaが緯糸の繊度である場合すべて、条件(1)および条件(2)を満足するということを意味する。
【0035】
万一、前記条件(1)で
【数9】
が11.1を超過すると防炎性が低下し得、条件(2)で
【数10】
が6.1未満であると機械的物性および日光堅牢度が低下し得る。
【0036】
また、本発明の好ましい一実施形態において、前記垂直保護網100は下記の条件(3)および(4)をすべて満足することができる。
【0037】
条件(3)として
【数11】
であり、好ましくは
【数12】
であり得、条件(4)として
【数13】
であり、好ましくは
【数14】
であり得る。
【0038】
この時、前記xはKS F 8081:2018、C.R.E、ストリップ法に基づいて測定した経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度の平均値(KN)、yとzはそれぞれKS F 8081:2014に基づいて測定した残炎時間(秒)と残塵時間(秒)および、wはISO 105 B02:2014ゼノンアーク法で測定した日光堅牢度(級)である。
【0039】
万一、前記条件(3)で
【数15】
が0.81を超過すると防炎性が低下し得、条件(4)でxwが2.5未満であると目的とする水準の機械的物性および日光堅牢度を同時に発現することができない。
【0040】
以下、本発明の垂直保護網100の各構成について説明する。
【0041】
前記経糸10は当業界で通常的に使用できる繊維であれば制限なく使うことができ、好ましくはポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリレート系繊維などであり得、より好ましくはポリエステル系繊維を使うことができ、さらに好ましくはPET繊維を使うことができる。
【0042】
一方、前記経糸10はマルチフィラメントおよびモノフィラメントを混在して使うことができ、好ましくはモノフィラメントを単独で使うことができるが、機械的物性と日光堅牢度の側面でモノフィラメントを単独で使うことがさらに有利であり得る。
【0043】
また、前記経糸10は前記条件(1)および条件(2)を満足するように繊度が250~3000Deであり得、好ましくは300~2200Deであり得る。万一、前記経糸の繊度が250De未満であると垂直保護網の機械的物性および日光堅牢度が低下し得、繊度が3000Deを超過すると垂直保護網の防炎性が低下し得る。
【0044】
前記緯糸20は当業界で通常的に使用できる繊維であれば制限なく使うことができ、好ましくはポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリレート系繊維などであり得、より好ましくはポリエステル系繊維を使うことができ、さらに好ましくはPET繊維を使うことができる。
【0045】
一方、前記緯糸20はマルチフィラメントおよびモノフィラメントを混在して使うことができ、好ましくはモノフィラメントを単独で使うことができるが、機械的物性と日光堅牢度の側面でモノフィラメントを単独で使うことがさらに有利であり得る。
【0046】
また、前記緯糸20は前記条件(1)および条件(2)を満足するように繊度が250~3000Deであり得、好ましくは300~2200Deであり得る。万一、前記経糸の繊度が250De未満であると垂直保護網の機械的物性および日光堅牢度が低下し得、繊度が3000Deを超過すると垂直保護網の防炎性が低下し得る。
【0047】
前記グラウンド糸30は前述した通り、前記経糸10および緯糸20を織り込むように配置され、芯糸および前記芯糸の表面の少なくとも一部を被覆し前記経糸10、緯糸20および芯糸より融点が低い被覆部を含む仮融着糸の少なくとも一部が融着されて形成される。
【0048】
前記グラウンド糸30の芯糸および被覆部はそれぞれ独立的に、当業界で通常的に使用できる素材であれば制限なく使うことができ、好ましくはポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリレート系繊維などであり得、より好ましくはポリエステル系繊維を使うことができる。
【0049】
また、前記被覆部の融点は前記経糸10、緯糸20および芯糸より低く、好ましくは190℃以下であり得、より好ましくは185℃以下であり得る。万一、前記被覆部の融点が190℃を超過すると所定の熱処理を通じて仮融着糸の少なくとも一部のみを選択的に融着させることができず、経糸、緯糸および芯糸が先に溶融され得るため機械的物性が低下し得る。
【0050】
前記グラウンド糸30は当業界で通常的に使用できる繊度であれば制限されず、好ましくは繊度が30~350De、より好ましくは繊度が50~300Deであり得る。万一、前記グラウンド糸の繊度が30De未満であると目的とする水準の機械的物性および日光堅牢度を発現することができず、繊度が350Deを超過すると防炎性が低下し得る。
【0051】
一方、本発明に係る他の一実施形態によると、前記グラウンド糸は前述した仮融着糸が融着されない状態で備えられてもよいが、これに制限されるものではない。
【0052】
一方、本発明の一実施形態に係る垂直保護網に備えられる経糸、緯糸およびグラウンド糸は、前記経糸および緯糸が相互に織り込まれるように配置され、前記経糸および緯糸を織り込むようにグラウンド糸が備えられ得る。
【0053】
まず、織物の組織は平織り、綾織り、朱子織りおよび二重職からなる群から選択されたいずれか一つの方法からなり得る。
【0054】
前記平織り、綾織りおよび朱子織りを三原組織とする時、三原組織それぞれの具体的な製織方法は通常の製織方法に従い、三原組織を基本としてその組織を変形させたりいくつかの組織を配合して変化がある織物であり得、例えば変化平織りとして畝織、バスケット織 などがあり、変化綾織りとして伸び斜文織、破れ斜文織、非綾織り、山形斜文織などがあり、変化朱子織りとして変則朱子織、重ね朱子織、昼夜朱子織、花崗朱子織などがある。前記二重織は経糸または緯糸のいずれか一方が二重でなっているか両方がすべて二重でなっている織物の製織方法であり、具体的な方法は通常の二重職の製織方法であり得る。ただし、前記織物組織の記載に限定されない。
【0055】
また、本発明の他の一実施形態に係る垂直保護網に備えられる経糸、緯糸およびグラウンド糸は、前記経糸の上部または下部に緯糸が配置され、前記経糸および緯糸を織り込むようにグラウンド糸が備えられてもよい。
【0056】
そして、前記垂直保護網に備えられる経糸および緯糸はそれぞれ独立的に1インチ当たり9~28本の配置幅で、好ましくは1インチ当たり10~26本の配置幅で備えられ得る。万一、前記経糸および緯糸の配置幅が1インチ当たり9本未満であると目的とする水準の機械的物性を発現することができず、1インチ当たり28本を超過すると防炎性が低下し得る。
【0057】
一方、本発明の一実施形態によると、前記垂直保護網100は経糸配設方向の両終端および緯糸配設方向の両終端に連結部;をさらに含むことができる。
【0058】
垂直保護網を建設工事現場に適用時、垂直保護網の設置のために連結される部分である。
【0059】
この時、前記垂直保護網はKS F 8081:2014に基づいて測定した経糸配設方向連結部の引張荷重および緯糸配設方向の連結部の引張荷重の平均値が0.5~2.5KNであり得、好ましくは1.0~2.2KNであり得る。万一、前記連結部の引張荷重が0.5KN未満であると目的とする水準の機械的物性および日光堅牢度を発現することができず、引張荷重が2.5KNを超過すると相対的に防炎性が低下し得る。
【0060】
一方、本発明に係る垂直保護網100は前述した条件(1)を満足するようにKS F 8081:2014に基づいて21℃および相対湿度52%の条件で測定した炭化長(cm)が22cm以下であり得、好ましくは20cm以下であり得、より好ましくは10cm以下であり得、さらに好ましくは7cm以下であり得る。万一、前記炭化長が22cmを超過すると垂直保護網の防炎性が悪くなり得る。
【0061】
また、本発明に係る垂直保護網100はKS F 8081:2014に基づいて21℃および相対湿度52%の条件で測定した残炎時間が4秒以下であり、残塵時間が6秒以下であり得、好ましくは残炎時間が3秒以下であり、残塵時間が5秒以下であり得、より好ましくは残炎時間が1秒以下であり、残塵時間が1秒以下であり得る。万一、前記残炎時間が4秒を超過し残塵時間が6秒を超過すると垂直保護網の防炎性が悪くなり得る。
【0062】
また、本発明に係る垂直保護網100は前述した条件(1)および条件(2)を満足するようにISO 105 B02:2014ゼノンアーク法で測定した日光堅牢度が7級以上であり得、好ましくは8級以上であり得る。万一、前記日光堅牢度が7級未満であると目的とする水準の機械的物性および日光堅牢度を発現できない問題が発生し得る。
【0063】
そして、本発明に係る垂直保護網100はKS F 8081:2018、C.R.E、ストリップ法に基づいて測定した経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度の平均値が0.4~2.4KNであり得、好ましくは0.5~2.1KNであり得る。万一、前記経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度の平均値が0.4KN未満であると目的とする水準の機械的物性および日光堅牢度を発現することができず、引張強度が2.4KNを超過すると相対的に防炎性が低下し得る。
【0064】
本発明に係る垂直保護網は、機械的物性が優秀であり、防炎性および日光堅牢度が優秀な効果を同時に発現することができる。
【0065】
以下、本発明を下記の実施形態を通じて説明する。この時、下記の実施形態は発明を例示するために提示されたものに過ぎず、本発明の権利範囲は下記の実施形態によって限定されるものではない。
【0066】
[実施形態]
【0067】
<実施形態1:垂直保護網の製造>
【0068】
まず、経糸として繊度が1300DeであるPET繊維を供給し、緯糸として繊度が1300DeであるPET繊維を供給するものの、前記経糸の下部に緯糸が通るように供給し、芯糸としてPET繊維の表面に融点が170℃である低融点ポリエステルで形成された被覆部を含む繊度が170Deである仮融着糸を供給し、前記経糸および緯糸を
図3のように構成するように原反を製造した。そして、温度200℃および分当り30mの速度で熱処理を遂行して仮融着糸を融着させてグラウンド糸を形成し、経糸配設方向の両終端および緯糸配設方向の両終端にアルミニウムと銅からなるアイレットで連結部を形成させて垂直保護網を製造した。この時、経糸および緯糸はそれぞれ1インチ当たり18本の配置幅で備えられた。また、この時、連結部はアイレット間の間隔が300mm、アイレットの内径が15mmおよび垂直保護網の縁からアイレットの中心までの距離は25mmであった。
【0069】
<実施形態2~19および比較例1~3>
【0070】
実施形態1と同一に実施して製造するものの、経糸の繊度、緯糸の繊度、経糸と緯糸の配置幅、合糸の有無およびグラウンド糸の繊度などを変更して表1~表4のような垂直保護網を製造した。
【0071】
<実験例>
【0072】
前記実施形態および比較例により製造した垂直保護網に対して、下記の物性を評価して表1~表4に表した。
【0073】
1.引張強度の測定
【0074】
前記実施形態および比較例により製造した垂直保護網に対してKS F 8081:2018、C.R.E、ストリップ法に基づいて経糸配設方向の引張強度および緯糸配設方向の引張強度を測定した。そしてその平均値を計算した。
【0075】
2.連結部の引張荷重の測定
【0076】
前記実施形態および比較例により製造した垂直保護網に対してKS F 8081:2014に基づいて20℃および相対湿度65%の条件で経糸配設方向連結部の引張荷重および緯糸配設方向連結部の引張荷重を測定した。そしてその平均値を計算した。
【0077】
3.防炎性の評価
【0078】
前記実施形態および比較例により製造した垂直保護網に対してKS F 8081:2014に基づいて21℃および相対湿度52%の条件で残炎時間、残塵時間、炭化長を測定して防炎性を評価した。
【0079】
4.日光堅牢度
【0080】
前記実施形態および比較例により製造した垂直保護網に対してゼノンアーク法(ISO 105 B02:2014、方法3準用、露出サイクルA1)に基づいて日光堅牢度測定装置(ATLAS Weather Ometer)を通じて日光堅牢度を測定した。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
前記表1~表4で分かるように、本発明に係る経糸の繊度、緯糸の繊度、経糸と緯糸の配置幅、合糸の有無およびグラウンド糸の繊度などをすべて満足する実施形態1~7、9、10、13および14が、このうち一つでも満足しない実施形態8、11、12、15および比較例1~3に比べて、機械的物性、防炎性および日光堅牢度がすべて優秀であることを確認することができる。
【0086】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施形態に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施形態を容易に提案できるであろうが、これも本発明の思想範囲内に含まれるものと言える。
【符号の説明】
【0087】
100:垂直保護網
10:経糸
20:緯糸
30:グラウンド糸