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特許7260610動力受けユニット、回転部材、プロセスカートリッジ、装着方法及び取外方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】動力受けユニット、回転部材、プロセスカートリッジ、装着方法及び取外方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20230411BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
G03G21/18 160
G03G21/16 147
G03G21/18 164
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021165479
(22)【出願日】2021-10-07
(62)【分割の表示】P 2019561186の分割
【原出願日】2018-06-27
(65)【公開番号】P2022003414
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】201720777257.7
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201721157785.9
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820175356.2
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810503202.6
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820545129.4
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515301373
【氏名又は名称】納思達股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】曽 麗坤
(72)【発明者】
【氏名】羅 来
(72)【発明者】
【氏名】梁 祺傑
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特許第6959358(JP,B2)
【文献】国際公開第2016/137014(WO,A1)
【文献】特開2003-120713(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0053823(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2003-0028585(KR,A)
【文献】特開2011-154326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0182623(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102141749(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第02259156(EP,A2)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0129085(KR,A)
【文献】欧州特許出願公開第01925992(EP,A2)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0046531(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0146951(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106610572(CN,A)
【文献】特開2008-233868(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0260428(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101583910(CN,A)
【文献】特開2017-142473(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0351214(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0125887(KR,A)
【文献】特開2014-044276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスカートリッジの動力受けユニットであって、
該プロセスカートリッジは画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置に揺動可能な動力出力ユニットが設けられており、前記動力出力ユニットの先端の外周に凹部が設けられており、前記動力受けユニットは前記動力出力ユニットと噛合して駆動力を受け、
前記動力受けユニットは固定突起及び切欠きを備え、
該固定突起及び切欠き対向するように前記動力受けユニット内に設けられており、前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部と噛合して駆動力を受け、前記切欠きの最小距離は前記動力出力ユニットの前端の直径以上であり、
前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットに接触し噛合する場合、前記固定突起は前記動力出力ユニットの前端に当接して前記動力出力ユニットを傾斜させる
ことを特徴とする動力受けユニット。
【請求項2】
前記固定突起の外向き端にガイド斜面が設けられており、
前記動力出力ユニットの前端に円弧状の突起部が設けられており、
前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットに接触し噛合する場合、前記固定突起のガイド斜面は、前記動力出力ユニットの突起部に当接して、前記動力出力ユニットを傾斜させる
ことを特徴とする請求項1に記載の動力受けユニット。
【請求項3】
プロセスカートリッジの動力受けユニットであって、
該プロセスカートリッジは画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置に揺動可能な動力出力ユニットが設けられており、前記動力出力ユニットの先端の外周に凹部が設けられており、前記動力受けユニットは前記動力出力ユニットと噛合して駆動力を受け、
前記動力受けユニットは固定突起及び切欠きを備え、
前記固定突起及び切欠き対向するように前記動力受けユニット内に設けられており、
前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部と噛合して駆動力を受け、前記切欠きの最小距離は前記動力出力ユニットの前端の直径以上であり、
前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットとの噛合を解除する場合、前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部に当接して前記動力出力ユニットを傾斜させる
ことを特徴とする動力受けユニット。
【請求項4】
前記固定突起の内向き端にガイド斜面が設けられており、
前記動力出力ユニットの凹部にガイド斜面が設けられており、
前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットとの噛合を解除する場合、前記固定突起のガイド斜面は前記動力出力ユニットの凹部のガイド斜面に当接して前記動力出力ユニットを傾斜させる
ことを特徴とする請求項3に記載の動力受けユニット。
【請求項5】
記動力出力ユニットの傾斜時に、前記動力出力ユニットは前記切欠きへ移動する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の動力受けユニット。
【請求項6】
前記動力受けユニットにさらに偏圧部材が1つ設けられており、
前記偏圧部材は、前記動力出力ユニットの傾斜時に、前記動力出力ユニットの表面を押して前記動力出力ユニットを前記固定突起へ移動させる
ことを特徴とする請求項5に記載の動力受けユニット。
【請求項7】
前記動力受けユニットにさらに偏圧部材が1つ設けられており、
前記動力受けユニットが前記動力出力ユニットと噛合して動力を受ける過程において、前記偏圧部材は、前記動力出力ユニットの表面を押して、前記動力受けユニットと前記動力出力ユニットとの噛合が解除されないようにする
ことを特徴とする請求項5に記載の動力受けユニット。
【請求項8】
前記偏圧部材の一辺は前記動力受けユニットに接触し、
前記偏圧部材の他辺は前記動力受けユニットの切欠き中に位置する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の動力受けユニット。
【請求項9】
前記動力出力ユニットの傾斜時、又は前記動力出力ユニット及び前記動力受けユニットの噛合時に、前記偏圧部材の他辺は、弾性力を加えて前記動力出力ユニットの円柱表面を押す
ことを特徴とする請求項8に記載の動力受けユニット。
【請求項10】
前記請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の動力受けユニットが設けられている
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ印刷分野に関し、特に、プロセスカートリッジの動力受けユニット、回転部材、プロセスカートリッジ、プロセスカートリッジの装着方法及びプロセスカートリッジの取外方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はプロセスカートリッジに関する。該プロセスカートリッジは、静電気印刷技術に基づく画像形成装置に適用される。該画像形成装置は、レーザ画像形成装置、LED画像形成装置、複写機、ファクシミリのいずれか一つであってもよい。
【0003】
前記プロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着される。プロセスカートリッジの長手方向に複数の回転部材が設けられている。回転部材は、画像形成装置内のレーザビームによる照射を受けて静電潜像を形成するための、感光層を有する感光部材を備え、また、感光部材の表面を充電して感光部材の表面に均一な電荷を形成させるための充電部材を備え、さらにプロセスカートリッジ内の現像剤を感光部材の静電潜像領域に転写して可視の現像剤画像を形成するための現像部材を備え、勿論、プロセスカートリッジ内に設けられ、動力を伝達するためのハブ又は歯車などの部品も備える。上記各回転部材は、プロセスカートリッジの作動時に、相対回転をする必要があるため、画像形成装置から回転駆動力を得る必要がある。従来技術では、通常、プロセスカートリッジの軸方向の端部に設けられた動力受けユニットと画像形成装置内の動力出力ユニットとの噛合によって動力を受ける。動力受けユニットは、プロセスカートリッジ内のある回転部材に直接に接続し、該回転部材を介して回転動力を他の回転部材に伝達するようにプロセスカートリッジに設けられており、又は、動力受けユニットを介して回転動力をプロセスカートリッジの縦方向の端部における1つの歯車に伝達し、該歯車を介して動力をプロセスカートリッジ内の回転部材に伝達するようにプロセスカートリッジに設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1a及び図1bは、従来技術に使用されるプロセスカートリッジの画像形成装置から駆動力を受ける構造の模式図である。図に示すように、プロセスカートリッジ7は、回転部材1(例えば、感光部材、現像部材、トナー送給部材など)を備える。回転部材1の両端が支持部材によってプロセスカートリッジ7のフレーム71に回転可能に支持されている。回転部材1の一端には、動力受けユニット570が装着されている。画像形成装置には、揺動可能な動力出力ユニット101が設けられている。プロセスカートリッジ7がZ1方向(回転部材1の軸方向又はプロセスカートリッジ7の長手方向)に沿って画像形成装置に装着された後、プロセスカートリッジ7の動力受けユニット570が画像形成装置における動力出力ユニット101と噛合して駆動力を受けて、回転部材1を回転させる。図2aは、プロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの動力伝達時の噛合状態を示す断面図である。動力出力ユニット101は、全体が円柱状をなし、かつその外周101fに径方向に凹んだ凹部101aが3つ設けられている。プロセスカートリッジ7の動力受けユニット570は中空柱体の構造になる。該中空柱体の構造では、内部に係合爪573が3つ設けられている。係合爪573は、弾性アーム574によって中空柱体の構造の円柱状内壁に接続し、係合爪573が凹部101aに係合することで、プロセスカートリッジ7の動力受けユニット570と画像形成装置の動力出力ユニット101との噛合による動力伝達を実現する。図2bに示すように、プロセスカートリッジ7を画像形成装置に装着する際、又はプロセスカートリッジ7を画像形成装置から取り出す際に、動力出力ユニット101の外周壁が係合爪573を外へ押し、係合爪573を凹部101aへ進入できるようにさせ、又は係合爪573を凹部101aから脱離させる。この過程において、弾性アーム574によって係合爪573へ弾性変形力を提供する。このような構造では、プロセスカートリッジ7を繰り返して着脱する過程において弾性アーム574が断裂しやすい。弾性アーム574が断裂すると、プロセスカートリッジ7及び画像形成装置は動力伝達ができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の解決しようとする技術課題に基づいて、本願に係る発明は、プロセスカートリッジの動力受けユニットであって、該プロセスカートリッジは画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置に揺動可能な動力出力ユニットが設けられており、前記揺動可能な動力出力ユニットの外周に凹部が設けられており、前記動力受けユニットは前記動力出力ユニットと噛合して駆動力を受け、前記動力受けユニットは、前記プロセスカートリッジにおける回転部材の端部に位置し、駆動力を前記回転部材に伝達するハブと、前記ハブ内に取り付けられ、固定突起及び切欠きが設けられた動力受け部材と、前記固定突起側へ付勢する偏圧力を前記動力出力ユニットに提供する偏圧部材とを備え、前記固定突起は前記凹部内に入り込み、前記固定突起と前記切欠きとは対向して設けられており、前記切欠きは前記動力出力ユニットに揺動空間を提供する。
【0006】
好ましくは、前記偏圧部材は前記切欠きが設けられた側に位置する。
【0007】
好ましくは、前記偏圧部材は前記ハブの内壁に取り付けられる。
【0008】
好ましくは、前記偏圧部材は弾性部材である。
【0009】
好ましくは、前記固定突起の端部にガイド斜面が設けられている。
【0010】
本発明に係る回転部材は、前述したいずれか1つの動力受けユニットが端部に装着されている。
【0011】
本発明に係るプロセスカートリッジは、フレームを備え、前述した回転部材をさらに備え、前記回転部材は、両端それぞれが1つの支持部材によって前記フレームに回転可能に支持される。
【0012】
本発明に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットは、該プロセスカートリッジは画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置に揺動可能な動力出力ユニットが設けられており、前記動力出力ユニットの外周に凹部が設けられており、前記動力受けユニットは前記動力出力ユニットと噛合して駆動力を受け、前記動力受けユニットは固定突起を備え、該固定突起は、前記動力受けユニット内に設けられており、前記動力出力ユニットの凹部と噛合して駆動力を受け、前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットに接触し噛合する場合、前記固定突起は前記動力出力ユニットの前端に当接して前記動力出力ユニットを傾斜揺動させる。
【0013】
好ましくは、前記固定突起の外向き端にガイド斜面が設けられており、前記動力出力ユニットの前端に円弧状の突起部が設けられており、前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットに接触し噛合する場合、前記固定突起のガイド斜面は、前記動力出力ユニットの突起部に当接して、前記動力出力ユニットを傾斜揺動させる。
【0014】
本発明に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットは、該プロセスカートリッジは画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置に揺動可能な動力出力ユニットが設けられており、前記動力出力ユニットの外周に凹部が設けられており、前記動力受けユニットは前記動力出力ユニットと噛合して駆動力を受け、前記動力受けユニットは固定突起を備え、前記固定突起は前記動力受けユニット内に設けられており、前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部と噛合して駆動力を受け、前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットとの噛合を解除する場合、前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部に当接して前記動力出力ユニットを傾斜揺動させる。
【0015】
好ましくは、前記固定突起の内向き端にガイド斜面が設けられており、前記動力出力ユニットの凹部にガイド斜面が設けられており、前記動力受けユニットがその軸方向に沿って移動して前記動力出力ユニットとの噛合を解除する場合、前記固定突起のガイド斜面は前記動力出力ユニットの凹部のガイド斜面に当接して前記動力出力ユニットを傾斜揺動させる。
【0016】
好ましくは、前記動力受けユニット内にさらに切欠きが1つ設けられており、前記動力受けユニットの端部方向から観察すると、前記切欠きは前記固定突起と対向して設けられており、前記動力出力ユニットの傾斜揺動時に、前記動力出力ユニットは前記切欠きへ移動する。
【0017】
好ましくは、前記動力受けユニットにさらに偏圧部材が1つ設けられており、前記偏圧部材は、前記動力出力ユニットの傾斜揺動時に、前記動力出力ユニットの表面を押して前記動力出力ユニットを前記固定突起へ移動させる。
【0018】
好ましくは、前記動力受けユニットにさらに偏圧部材が1つ設けられており、前記動力受けユニットが前記動力出力ユニットと噛合して動力を受ける過程において、前記偏圧部材は、前記動力出力ユニットの表面を押して、前記動力受けユニットと前記動力出力ユニットとの噛合が解除されないようにする。
【0019】
好ましくは、前記偏圧部材の一辺は前記動力受けユニットに接触し、前記偏圧部材の他辺は前記動力受けユニットの切欠き中に位置する。
【0020】
好ましくは、前記動力出力ユニットの傾斜揺動時、又は前記動力出力ユニット及び前記動力受けユニットの噛合時に、前記偏圧部材の他辺は弾性力を加えて前記動力出力ユニットの円柱表面を押す。
【0021】
本発明に係るプロセスカートリッジは、前述したいずれか1つの動力受けユニットが設けられている。
【0022】
本発明に係るプロセスカートリッジの装着方法は、該プロセスカートリッジは画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置に揺動可能な動力出力ユニットが設けられており、前記動力出力ユニットの外周に凹部が設けられており、動力受けユニットが前記動力出力ユニットと噛合して駆動力を受け、前記動力受けユニットは固定突起を備え、前記固定突起は前記動力受けユニット内に設けられており、前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部と噛合して駆動力を受け、前記プロセスカートリッジの装着方法は、前記プロセスカートリッジをその長手方向又は前記動力受けユニットの軸方向に沿って前記画像形成装置に装着する場合、前記動力受けユニットが前記動力出力ユニットに接触し、前記固定突起が前記動力出力ユニットの前端に当接して前記動力出力ユニットを傾斜揺動させることを含む。
【0023】
好ましくは、前記固定突起の外向き端又は前端にガイド斜面が設けられており、前記動力出力ユニットの前端に円弧状の突起部が設けられており、前記プロセスカートリッジをその長手方向又は前記動力受けユニットの軸方向に沿って前記画像形成装置に装着する場合、前記動力受けユニットが前記動力出力ユニットに接触し、前記固定突起のガイド斜面が前記動力出力ユニットの突起部に当接して前記動力出力ユニットを傾斜揺動させる。
【0024】
好ましくは、前記動力受けユニット内にさらに切欠きが1つ設けられており、前記動力受けユニットの端部方向から観察すると、前記切欠きは前記固定突起と対向して設けられており、前記動力出力ユニットの傾斜揺動時に、前記動力出力ユニットは前記切欠きへ移動する。
【0025】
本発明に係るプロセスカートリッジの取外方法は、該プロセスカートリッジは画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置に揺動可能な動力出力ユニットが設けられており、前記動力出力ユニットの外周に凹部が設けられており、動力受けユニットが前記動力出力ユニットと噛合して駆動力を受け、前記動力受けユニットは固定突起を備え、前記固定突起は前記動力受けユニット内に設けられており、前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部と噛合して駆動力を受け、前記プロセスカートリッジの取外方法は、プロセスカートリッジの長手方向又は前記動力受けユニットの軸方向に沿って前記プロセスカートリッジを前記画像形成装置から取り出す場合、前記動力受けユニット及び前記動力出力ユニットの噛合が解除され、前記固定突起は前記動力出力ユニットの凹部に当接して前記動力出力ユニットを傾斜揺動させることを含む
【0026】
好ましくは、前記固定突起の内向き端又は後端にガイド斜面が設けられており、前記動力出力ユニットの凹部にガイド斜面が設けられており、プロセスカートリッジの長手方向又は前記動力受けユニットの軸方向に沿って、前記プロセスカートリッジを前記画像形成装置から取り出す場合、前記動力受けユニット及び前記動力出力ユニットの噛合が解除され、前記固定突起のガイド斜面が前記動力出力ユニットの凹部のガイド斜面に当接して前記動力出力ユニットを傾斜揺動させる。
【0027】
好ましくは、前記動力受けユニット内にさらに切欠きが1つ設けられており、前記動力受けユニットの端部方向から観察すると、前記切欠きが前記固定突起と対向して設けられており、前記動力出力ユニットの傾斜揺動時に、前記動力出力ユニットは前記切欠きへ移動する。
【発明の効果】
【0028】
本願に係る発明では、凹部と噛合する固定突起が設けられているため、構造が安定し、断裂しにくく、一層安定した動力伝達を確保することができる。また、切欠き及び固定突起の係合により、画像形成装置の動力出力ユニットは、プロセスカートリッジの動力受けユニットの装着・挿入過程及び取り外し・取り出し過程において、傾斜揺動する変位空間が提供され、干渉又は進入できないことを避け、順調な装着及び取り外しは確保される。さらに、偏圧部材は噛合による動力伝達過程における安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本願実施例に係る発明を一層明確に説明するために、以下、実施例に使用される図面を簡単に紹介する。後述する図面が本願の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な行為が要らずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることは言うまでもない。
【0030】
図1a】従来技術に使用されたプロセスカートリッジの画像形成装置から駆動力を受ける構造の模式図である。
図1b】従来技術に使用されたプロセスカートリッジの画像形成装置から駆動力を受ける構造の模式図である。
図2a】従来技術に使用されたプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの動力伝達時の噛合による動力伝達の状態の模式図である
図2b】従来技術に使用されたプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの非動力伝達時の状態の模式図である。
図3】実施例1に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの斜視図である。
図4】実施例1の動力受けユニットの分解模式図である。
図5】実施例1の動力受け部材及び偏圧部材の組立模式図である。
図6a】実施例1に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットが噛合するが駆動力を伝達していない時の断面模式図である。
図6b】実施例1に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットが噛合して駆動力を伝達している時の断面模式図である。
図7】実施例2に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットが噛合して駆動力を伝達している時の断面模式図である。
図8】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの構造模式図である。
図9】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの構造の模式図である。
図10】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの内部構造の模式図である。
図11】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの内部構造の模式図である。
図12】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの内部構造の模式図である。
図12a】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの内部構造の模式図である。
図13】実施例3に係る画像形成装置の動力出力ユニットの構造の模式図である。
図14】実施例3に係る画像形成装置の動力出力ユニットの構造の模式図である。
図15】実施例3に係る画像形成装置の動力出力ユニットの構造の模式図である。
図16】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの接触噛合過程の模式図である。
図17a】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの接触噛合過程の模式図である。
図17b】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの接触噛合過程の模式図である。
図18a】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの接触噛合過程の模式図である。
図18b】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの接触噛合過程の模式図である。
図19】実施例3に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットの噛合解除過程の模式図である。
図20】実施例3に係るプロセスカートリッジの感光部材及び現像部材の伝達部材の構造の模式図である。
図21】実施例3に係るプロセスカートリッジの感光部材及び現像部材の伝達部材の構造の模式図である。
図22】実施例3に係るプロセスカートリッジの伝動ベルトの構造の模式図である。
図23】実施例3に係るプロセスカートリッジの伝動ベルトの構造の模式図である。
図24】実施例4に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの斜視図である。
図25】実施例4に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの斜視図である。
図26】実施例4に係る動力受けユニットの内部構造の斜視図である。
図27】実施例4に係る動力受けユニットの動力受け部材の斜視図である。
図28】実施例4に係る他の動力受けユニットの動力受け部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、具体的な実施形態に基づき、本願に係る発明を説明する。本発明は、プロセスカートリッジに設けられ、画像形成装置から駆動力を受けてプロセスカートリッジ内の回転部材に伝達するための動力受けユニットを提供する。当該動力受けユニットは、画像形成装置における動力出力ユニットと迅速、確実、安定に噛合して駆動力を受けることができる。
【0032】
下記の実施例では、プロセスカートリッジの軸方向(長手方向)は現像部材の回転軸とほぼ同軸、又は平行になる。
【0033】
下記の実施例では、プロセスカートリッジを電子画像形成装置に装着する装着方向は、プロセスカートリッジの軸方向(長手方向)又は現像部材の回転軸の軸方向と同じである。
【0034】
下記の実施例では、プロセスカートリッジを電子画像形成装置から取り外す(取り出す)方向は、プロセスカートリッジの装着方向と反対である。
【0035】
実施例1
図3及び図4について、図3は本実施形態に係るプロセスカートリッジの動力受けユニットの斜視図、図4は本実施形態の動力受けユニットの分解模式図である。動力受けユニットには、ハブ10、動力受け部材20及び偏圧部材30が設けられている。ハブ10は、前記プロセスカートリッジにおける回転部材の端部に設けられ、駆動力を前記回転部材に伝達する。動力受け部材20はハブ10の内部に取り付けられている。動力受け部材20の内壁には、画像形成装置の動力出力ユニットにおける凹部と噛合する固定突起21が設けられている。動力受け部材20にはさらに切欠き22が1つ設けられている。切欠き22は固定突起21と対向して設けられている。切欠き22は、動力出力ユニット101に一定の揺動空間を提供する。偏圧部材30は切欠き22が設けられた側に位置し、固定突起21側へ付勢するための偏圧力を画像形成装置の動力出力ユニットに提供する。
【0036】
本実施例の固定突起21は1つでもよく、2つでもよいが、本実施例では、2つを例とする。
【0037】
本実施例の偏圧部材30は、引きばね、ゴム、ねじりばね、板ばねなど、弾性機能を有する部材であってもよく、1対の磁石などであってもよい。本実施例では、ねじりばねを例として説明する。
【0038】
図5は本実施形態の動力受け部材及び偏圧部材の組立模式図である。図に示すように、切欠き22は、一端に偏圧部材30が取り付けられる取付部23と、偏圧部材30の短辺31に当接する当接部24とが設けられており、他端に偏圧部材30の長辺32に動き空間を提供するための切り溝25が設けられている。
【0039】
図6aは実施例に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットが噛合して駆動力を伝達していない時の断面模式図、図6bは本実施例に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットが噛合して駆動力を伝達している時の断面模式図である。図6a及び図6bに基づき、本実施例の作動原理を説明する。画像形成装置にプロセスカートリッジが装着される場合に、動力出力ユニット101が動力受け部材20に挿入され、固定突起21及び凹部101aの位置は任意である。固定突起21及び凹部101aの相対的な位置がずれる場合を例として、動力出力ユニット101の動力受け部材20への挿入過程中及び挿入完了時の両者の状態を図6aに示す。この場合、動力出力ユニット101が固定突起21により偏圧部材30へ押され、偏圧部材30の長辺32が固定突起21側への力を動力出力ユニット101に印加する。動力出力ユニット101がA方向に沿って固定突起21と凹部101aとが揃う位置まで回転すると、偏圧部材30の回復力により、固定突起21が凹部101aに入り込んで(図6bに示す)、プロセスカートリッジの動力受けユニットは画像形成装置の動力出力ユニット101に合わせてA方向に沿って回転する。動力受けユニットと動力出力ユニット101とが離脱する時に、画像形成装置の揺動可能な動力出力ユニット101、及び偏圧部材30の配置のため、固定突起21が軸方向に沿って凹部101aから離脱し、噛合が解除される。
【0040】
固定突起21の前後(軸方向)両端それぞれには、順調に凹部101aに入り込み、又は凹部101aから離脱するためのガイド斜面(傾斜面又は弧状面であってもよい)が設けられている。
【0041】
実施例2
本実施例と実施例1とを比較すると、本実施例の偏圧部材がハブの内壁に設けられているという点は異なる。
【0042】
図7は本実施例に係るプロセスカートリッジの動力受けユニット及び画像形成装置の動力出力ユニットが噛合して駆動力を伝達している時の断面模式図である。偏圧部材30aは、ハブ10の内壁に設けられており、ハブ10と一体成形された弾性構造であってもよく、個別に取り付けられる弾性部材であってもよい。偏圧部材30aは固定突起21と対向側に設けられている。
【0043】
上記の実施例1、2では、偏圧部材は引きばね、ゴム、ねじりばね、板ばねなど、弾性機能を有する部材であってもよく、1対の磁石などであってもよい。
【0044】
上記の実施例1、2では、ハブ10及び動力受け部材20は一体成形されてもよい。
【0045】
上記の実施例1、2では、ハブ10の固定座部11は、プロセスカートリッジにおける回転部材、例えば感光部材(感光ドラム)に固定接続されてもよい。
【0046】
上記の実施例1、2では、動力受けユニットは、1つの支持部材によってプロセスカートリッジのフレームに固定されてもよい。
【0047】
実施例3
図8及び図9は、本実施例3に係るプロセスカートリッジ及び動力受けユニットの模式図である。本実施例3では、詳細に説明されない部分については、上記の実施例1、2における同様な部分の構造、機能、動作を参照すればよく、ここで重複した説明は省略する。
【0048】
(プロセスカートリッジ)
図8に示すように、動力受けユニットa100は、プロセスカートリッジaCの軸方向(長手方向)の一端に設けられている。動力受けユニットa100は、方向Z1に沿って画像形成装置に装着され、動力出力ユニット101と噛合して回転駆動力を受けてプロセスカートリッジaC内の回転部材に伝達して回転させる。
【0049】
(動力受けユニット)
図9乃至図12aに示すように、動力受けユニットa100には、ハブa120、動力受け部材a110及び偏圧部材a130が設けられている。ハブa120は直接又は間接にプロセスカートリッジaC内の回転部材に接続して駆動力を前記回転部材に伝達する。ハブa120は、中空の筒体構造であり、内孔a115が設けられている。動力受け部材a110はハブa120内に設けられている。動力受け部材a110の内壁には台形状の固定突起a111が設けられている。固定突起a111は、動力受け部材a110の回転軸回りに設けられている。固定突起a111は1つ又は2つであってもよい。動力受けユニットa100の軸方向から観察すると、図10に示すように、固定突起a111は、外向き端(前端)にガイド斜面a111aが1つ設けられており、内向き端(後端)にガイド斜面a111bが1つ設けられている。動力受けユニットa100の端部方向から観察すると、図11~12aに示すように、固定突起a111の一側には、相対的に直立する噛合側a111cが設けられているが、他側にはガイド斜面a111dが1つ設けられている。動力受け部材a110内には、固定突起a111と対向するように切欠きa112がさらに1つ設けられている。切欠きa112の最小距離がW3である。偏圧部材a130はハブa120に位置し、中間の「U」字形構造によってハブa120の輪郭内に挿設されている。偏圧部材a130の一辺(短辺)a131はハブa120の外面の突起に固定されている。偏圧部材a130の他辺(長辺)a132はハブa120の内部に位置する。偏圧部材a130の他辺(長辺)a132は動力受け部材a110の切欠きa112内に伸び込んでいる。動力受けユニットa100の端部方向から観察すると、他辺(長辺)a132と固定突起a111とが対向設置されており、偏圧部材a130の一部(他辺(長辺)a132)が切欠きa112と重なるように設けられている。
【0050】
(動力出力ユニット)
図13に示すように、画像形成装置における動力出力ユニット101は、歯車台座150の一側に接続されている。歯車台座150の他側には装着柱151が設けられている。図14に示すように、歯車台座150の装着柱151は、画像形成装置の外枠における係合台P11に回転可能に接続されている。歯車台座150の中央部(円柱形)は画像形成装置の内枠P12を通る。歯車台座150内には、さらにリセット弾性部材152が1つ設けられている。リセット弾性部材152により、動力出力ユニット101及び歯車台座150が全体として内枠P12に対してその軸方向に沿って伸縮可能になる。また、内枠P12の孔径W2が歯車台座150の中央部W1よりも大きいため、動力出力ユニット101は、画像形成装置において一定の径方向における移動空間を有する(相対的に揺動可能である)。動力出力ユニット101は外力を受けた際に内枠P12に対して傾斜し移動することができるが、外力が消えると、リセット弾性部材152は動力出力ユニット101を斜状態から初期状態に戻す。
【0051】
図15に示すように、動力出力ユニット101は全体として円柱形をなし、かつその外周に径方向に凹んだ凹部101aが3つ設けられている。動力出力ユニット101の先端に円弧状の突起部101bが設けられている。凹部101aの突起部101b側の一端には、ガイド斜面101cが設けられている。動力出力ユニット101の先端の直径はW4である。
【0052】
(動力受けユニットと動力出力ユニットとの接触噛合)
図16乃至図18bは、プロセスカートリッジの動力受けユニットa100及び画像形成装置の動力出力ユニット101の接触噛合の模式図である。動力受けユニットa100が方向Z1(軸方向)に沿って画像形成装置に装着されて動力出力ユニット101と接触し噛合する際に、動力出力ユニット101の先端の突起部101bが先に固定突起a111のガイド斜面a111aに当接する。動力出力ユニット101がある程度揺動可能であり、切欠きa112の最小距離W3が動力出力ユニット101の直径W4以上である。よって、装着が進んでプロセスカートリッジaCが移動することに伴って、固定突起a111のガイド斜面a111aは動力出力ユニット101の突起部101bを押して、動力出力ユニット101が外力により傾斜するとともに切欠きa112へ移動するようにする。この場合、動力出力ユニット101の回転軸線が動力受けユニットa100の回転軸線に対して傾斜する(傾斜角度R1がある)。上記の装着過程において、固定突起a111のガイド斜面a111aが動力出力ユニット101を傾斜移動させることにより、動力出力ユニット101と固定突起a111との構造上の干渉を避けることができる。図17bに示すように、動力受けユニットa100の装着が完了した後、固定突起a111と凹部101aとは、相対位置がずれる状態になり、かつ噛合していない。動力出力ユニット101がモータの駆動によって反時計回り方向に回転した後、動力出力ユニット101の凹部101aは、固定突起a111に対応する位置に移動することができ、動力出力ユニット101の円柱表面が固定突起a111に当接しなくなる。この場合、歯車台座150におけるリセット弾性部材152は、動力出力ユニット101を傾斜状態から初期状態に戻す。これにより、固定突起a111は、図18bに示すように、凹部101aに入り込んで回転駆動力を受けることができる。
【0053】
(動力受けユニット及び動力出力ユニットの噛合解除)
図19は、プロセスカートリッジの動力受けユニットa100及び画像形成装置の動力出力ユニット101の噛合解除の模式図である。動力受けユニットa100が方向Z2(方向Z1の逆方向)に沿って移動して、画像形成装置の動力出力ユニット101との噛合を解除する際に、固定突起a111のガイド斜面a111bが動力出力ユニット101の凹部101a内のガイド斜面101cに当接する。取り外しが進んでプロセスカートリッジaCが移動することに伴って、ガイド斜面a111bは、ガイド斜面101cを押して、動力出力ユニット101が外力を受けて傾斜するとともに切欠きa112へ移動するようにする。この場合、動力出力ユニット101の回転軸線は、動力受けユニットa100の回転軸線に対して傾斜する(傾斜角度R2がある)。動力出力ユニット101が傾斜し移動することに伴って、固定突起a111と凹部101aとの噛合が解除される。動力出力ユニット101が固定突起a111に接触しなくなった後、動力出力ユニット101はリセット弾性部材152によって傾斜状態から初期状態に戻る。
【0054】
また、上記の(動力受けユニットと動力出力ユニットとの接触噛合)動作過程において、図17a乃至18bに示すように、偏圧部材a130の補助により、動力出力ユニット101が固定突起a111に当接して傾斜した後、偏圧部材a130の他辺(長辺)a132が動力出力ユニット101の推力を受けて変形し、動力出力ユニット101の凹部101aが固定突起a111に対応する位置まで移動すると、偏圧部材a130の他辺(長辺)a132が弾性力を加えて動力出力ユニット101の円柱表面を押して動力出力ユニット101を固定突起a111へ移動させる。
【0055】
それと同時に、動力受けユニットが動力出力ユニットとの噛合によって動力を受ける過程において、偏圧部材a130の他辺(長辺)a132も常に弾性力を加えて動力出力ユニット101の円柱表面を押して、動力受けユニットa100の固定突起a111及び動力出力ユニット101の凹部101aの噛合が解除しないようにする。
【0056】
プロセスカートリッジaCには、図8に示すように、動力受けユニットa100側の一端に、さらに、外へ突出した動力受けユニットa200が1つ設けられている。外へ突出した動力受けユニットa200が内へ凹んだ動力出力ユニット201と噛合して回転駆動力を受ける。動力受けユニットa100と、外へ突出した動力受けユニットa200とは、互いに独立したユニットとして各自の回転部材を回転駆動する(動力受けユニットa100が感光部材a10を回転駆動し、外へ突出した動力受けユニットa200が現像部材a20を回転駆動する)。
【0057】
相対回転を一層安定させ、プロセスカートリッジにおける部材を減少させるために、外へ突出した動力受けユニットa200を設けなくてもよい。図20に示すように、感光部材a10及び現像部材a20の他端には、1対の伝達部材a11及びa21(歯車)が追加されている。伝達部材a11及びa21を設けることにより、動力受けユニットa100が動力出力ユニット101から回転駆動力を受けると、感光部材a10及び現像部材a20を同時に回転駆動することができる。図21に示すように、伝達部材a11及びa21は、動力受けユニットa100側の一端に設けられてもよい。伝達部材a11は動力受けユニットa100と一体的に設けられてもよい。なお、図22及び図23に示すように、伝達部材a11及びa21(歯車)は、伝動ベルトa30で代替してもよい。伝動ベルトa30の内側の一部が動力受けユニットa100の外側に掛けられ、伝動ベルトa30の内側の他の一部が現像部材a20の軸心に掛けられる。伝動ベルトa30は、感光部材a10及び現像部材a20の一端(駆動端又は導電端)に設けられてもよく、両端に設けられてもよい。
【0058】
実施例4
図24及び図25は、本実施例に示すプロセスカートリッジの動力受けユニットの斜視図である。動力受け部材20cはハブ10cの内部で底座11cに取り付けられている。底座11c及び動力受け部材20cの間には、さらに、動力受け部材20cの動力受けユニットの回転軸の軸方向に沿う伸縮移動及び底座11cに対する並進運動を可能にさせるための弾性部材12cが1つ設けられている。
【0059】
図26は本実施例に示す動力受けユニットのハブ10cを外した場合の斜視図である。図27は動力受け部材20cの斜視図である。動力受け部材20cには固定突起21c及び台形ブロック22cが設けられている。台形ブロック22cは、固定突起21cよりも底座11cに近い。台形ブロック22cにより、動力受け部材20cはハブ10cの内部で並進運動をすることができる。
【0060】
本実施例における固定突起21cは少なくとも1つである。好ましくは、本実施例で2つである。本実施例における台形ブロック22cは少なくとも1つであり、かつ台形ブロック22cに少なくとも1つの斜面がある。好ましくは、本実施例で台形ブロック22cが2つであり(オルダムカップリング構造になる)、かつ各台形ブロック22cに2つの斜面がある。また、各斜面間の夾角は90度である。
【0061】
同様に、他のカップリングで本実施例における台形ブロック22cを代替してもよい。動力受け部材20cがハブ10cの内部に固定され、動力受け部材20cがハブ10cの内部で並進運動をすることを可能にさせればよい。
【0062】
図28は、本実施例の他の動力受け部材20dの斜視図である。動力受け部材20dは、固定突起21d、球体部22d及び伝達部23dを備える。本実施例では、伝達部23dは球体部22dに位置し、動力をハブ10cに伝達するために用いられる。図28に示す動力受け部材20dと、図27に示す動力受け部材20cとは、互換可能である。
【0063】
本実施例における固定突起21dは少なくとも1つである。好ましくは、本実施例で2つである。
【0064】
同様に、動力受け部材20dがハブの内部で回転できるように、動力受け部材20dの球体部22dを載置するための凹んだ孔が台座に1つ設けられている。
【0065】
なお、上記の各実施例は、本願に係る発明についての説明に過ぎず、それを制限するものではない。前述した各実施例に基づいて本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、前述した各実施例に記載の発明を修正し、又はその一部又は全部の技術的特徴に対して均等の置き換えを行うことができる。これらの修正又は置き換えは、発明の本質を本願各実施例に係る発明の範囲から逸脱させることはない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図12a
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
図18a
図18b
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28