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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】対基板作業機と清掃方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20230411BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
H05K13/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021555649
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(86)【国際出願番号】 JP2019044243
(87)【国際公開番号】W WO2021095110
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】仲川 史人
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-058045(JP,A)
【文献】特開2004-314004(JP,A)
【文献】特開2018-190904(JP,A)
【文献】特開2017-148742(JP,A)
【文献】特開2010-129606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板の生産に用いられる流体を前記電子基板へ供給する供給部材と、
第1払拭体が設けられる第1支持部と、
第2払拭体が設けられる第2支持部と、
前記第1支持部及び第2支持部のうち少なくとも一方を動かすアクチュエータとして使用され、前記電子基板の生産に用いられるノズルが収納されるノズルストッカを、ノズル取出許容状態又はノズル取出阻止状態に移行する駆動機器と、
前記第1支持部及び第2支持部を前記駆動機器で近接する状態にすることによって、前記供給部材を清掃する清掃処理と、を実行する制御部と、
を備える対基板作業機。
【請求項2】
前記清掃処理は、前記供給部材を前記第1払拭体に押し付ける押付処理を含む請求項1に記載の対基板作業機。
【請求項3】
前記清掃処理は、前記供給部材を前記第1払拭体と前記第2払拭体とで挟み込む挟込処理を含む請求項1又は請求項2に記載の対基板作業機。
【請求項4】
前記清掃処理は、前記供給部材の軸回りに回転させる回転処理を含む請求項3に記載の対基板作業機。
【請求項5】
前記第1払拭体及び前記第2払拭体の少なくともいずれか一方には、前記第1払拭体及び前記第2払拭体の少なくともいずれか一方に対向する前記第1払拭体及び前記第2払拭体の少なくともいずれか他方に向かって突出する突出部を備え、
前記突出部は、前記供給部材の前記第1払拭体及び前記第2払拭体に対向しない領域に接する請求項3又は請求項4に記載の対基板作業機。
【請求項6】
電子基板の生産に用いられる流体を前記電子基板へ供給する供給部材と、第1払拭体が設けられる第1支持部と、第2払拭体が設けられる第2支持部と、前記第1支持部及び第2支持部のうち少なくとも一方を動かすアクチュエータとして使用され、前記電子基板の生産に用いられるノズルが収納されるノズルストッカを、ノズル取出許容状態又はノズル取出阻止状態に移行する駆動機器と、を備える対基板作業機において、前記供給部材から前記流体を拭き取る清掃方法であって、
前記第1支持部及び第2支持部を前記駆動機器で近接する状態にすることによって、前記供給部材を清掃する清掃工程を備える清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子基板に対して流体を塗布するための供給部材を清掃する対基板作業機と清掃方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記の対基板作業機と清掃方法に関し、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1に記載の技術は、塗布対象物に対して液体を吐出する液吐出部を有するノズルと、液吐出部に存在する液体の乾燥を防止するための薬液が貯留されると共に上方に開口を有し開口からノズルが挿入可能とされた液溜ケースと、液溜ケースの内部に配置されると共にノズルが液溜ケースに挿入されたときに液吐出部が擦り付けられ液吐出部を清掃するブラシとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】2017-7435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子基板に対して流体を塗布するための供給部材を備える対基板作業機において、更に好適に供給部材を清掃することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、電子基板の生産に用いられる流体を電子基板へ供給する供給部材と、第1払拭体が設けられる第1支持部と、第2払拭体が設けられる第2支持部と、第1支持部及び第2支持部のうち少なくとも一方を動かすアクチュエータとして使用され、電子基板の生産に用いられるノズルが収納されるノズルストッカを、ノズル取出許容状態又はノズル取出阻止状態に移行する駆動機器と、第1支持部及び第2支持部を駆動機器で近接する状態にすることによって、供給部材を清掃する清掃処理と、を実行する制御部と、を備える対基板作業機を開示する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、電子基板に対して流体を塗布するための供給部材を備える対基板作業機において、更に好適に供給部材を清掃する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の対基板作業機が表された斜視図である。
図2】吸着ノズルが表された斜視図である。
図3】吸着ノズルが表された斜視図である。
図4】ノズルストッカが表された平面図である。
図5】ノズルストッカが表された側面図である。
図6】シャッタ移動装置が表された側面図である。
図7】同対基板作業機の制御構成を説明するための図である。
図8】清掃ユニットが模式的に表された側面図である。
図9】ニードル、第1払拭体及び第2払拭体が模式的に表された平面図である。
図10】清掃方法を実現するためのフローチャート図である。
図11】清掃ユニットが模式的に表された側面図である。
図12】清掃ユニットが模式的に表された側面図である。
図13】清掃ユニットが模式的に表された側面図である。
図14】ニードル、第1払拭体及び第2払拭体が模式的に表された平面図である。
図15】ニードル、第1払拭体及び第2払拭体が模式的に表された平面図である。
図16】ニードル、第1払拭体及び第2払拭体が模式的に表された平面図である。
図17】ニードル、第1払拭体及び第2払拭体の変更例が模式的に表された平面図である。
図18】清掃方法の実行タイミングが表されたフローチャート図である。
図19】ピン転写ノズルが表された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の好適な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。但し、図面では、構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。更に、図面において、符号D1は、左右方向であるX軸方向を示している。符号D2は、前後方向であるY軸方向を示している。符号D3は、上下方向であるZ軸方向を示している。
【0009】
図1に表されるように、本実施形態では、2個の対基板作業機16a,16bが、共通ベース14上に隣接して並んだ状態で設置されている。X軸方向D1は、各対基板作業機16a,16bが隣接して並んだ方向である。Y軸方向D2は、X軸方向D1と直交する水平方向である。Z軸方向D3は、X軸方向D1、及びY軸方向D2の両方、つまり水平面に対して直交する方向である。従って、X軸方向D1、Y軸方向D2、及びZ軸方向D3は、互いに直交している。
【0010】
各対基板作業機16a,16bは、同じ構成である。以下、各対基板作業機16a,16bを、区別せず総称する場合には、対基板作業機16と表記する。対基板作業機16は、対基板作業機本体20、搬送装置22、移動装置24、供給装置26、ヘッドユニット28、及びノズルステーション34等を備えている。
【0011】
対基板作業機本体20は、フレーム部30及びビーム部32を有している。ビーム部32は、フレーム部30の上方に架け渡されている。尚、フレーム部30の前方側の端部には、テープフィーダ支持台77が設けられている。
【0012】
搬送装置22は、2個のコンベア装置40,42、及び基板保持装置48(図7)を備えている。各コンベア装置40,42は、X軸方向D1に延び、互いに平行にフレーム部30に設けられている。各コンベア装置40,42は、コンベア用モータ46(図7)を駆動部等として、各コンベア装置40,42に支持される例えばプリント基板等の電子基板44(図8)をX軸方向D1に搬送する。基板保持装置48(図7)は、搬送された電子基板44(図8)を所定の位置において、押し上げて固定する。
【0013】
移動装置24は、不図示の、Y軸方向スライド機構、及びX軸方向スライド機構等を備えている。Y軸方向スライド機構は、不図示の、Y軸方向D2に延びる1対のガイドレール、スライダ、及びY軸モータ62(図7)等を有している。ガイドレールは、ビーム部32に固定されている。スライダは、Y軸モータ62(図7)の駆動に応じて、ガイドレールに案内されて、Y軸方向D2の任意の位置に移動する。同様にして、X軸方向スライド機構は、不図示の、X軸方向D1に延びる1対のガイドレール、スライダ50、及びX軸モータ64(図7)等を有している。X軸方向スライド機構のガイドレールは、Y軸方向スライド機構のスライダに固定されている。X軸方向スライド機構のスライダ50は、X軸モータ64(図7)の駆動に応じて、ガイドレールに案内されて、X軸方向D1の任意の位置に移動する。X軸方向スライド機構のスライダ50には、ヘッドユニット28が固定されている。
【0014】
供給装置26は、フィーダ型の供給装置であり、フレーム部30の前方側の端部に設けられている。供給装置26は、複数のテープフィーダ70を有している。テープフィーダ70は、テープフィーダ支持台77に支持されている。テープフィーダ70は、送出装置78(図7)等の駆動に応じ、リール72に巻き付けられたテープ化部品を引き出しつつ開封することによって、電子部品をテープフィーダ70の下流側に送り出して供給する。
【0015】
ヘッドユニット28には、複数種類のヘッドから選択された一のヘッドが交換可能に取り付けられる。複数種類のヘッドには、例えば、実装ヘッド29や、グルーヘッド(以下、GLヘッドと表記する。)500(図8)等がある。図1では、実装ヘッド29が、ヘッドユニット28に取り付けられている。ヘッドユニット28は、正負圧供給装置52(図7)、ノズル昇降装置54(図7)、及びノズル回転装置56(図7)等を備えている。これに対して、実装ヘッド29は、4個の吸着ノズル軸(不図示)等を備えている。尚、GLヘッド500(図8)については、後述する。
【0016】
各吸着ノズル軸は、XY平面(水平面)における形状が略円形形状である実装ヘッド29の軸に対して、XY平面(水平面)において均等に配置されている。吸着ノズル軸の下方には、吸着ノズルホルダ(不図示)が固定されている。吸着ノズルホルダは、吸着ノズル260(図2図3)を着脱可能に保持する。また、実装ヘッド29には、ヘッドユニット28の正負圧供給装置52から負圧エアと正圧エアとが供給される供給路が形成されている。これにより、実装ヘッド29は、負圧エアが供給されることによって、吸着ノズル260(図2図3)にて電子部品58(図8)を吸着で保持し、僅かな正圧エアが供給されることによって、保持している電子部品58(図8)を離脱することができる。つまり、実装ヘッド29は、電子部品58(図8)を吸着して電子基板44(図8)に実装することを行うものである。
【0017】
ノズル昇降装置54は、上下方向つまりZ軸方向D3で、吸着ノズル軸を昇降させる。ノズル回転装置56は、吸着ノズル軸を、実装ヘッド29の軸心回りに公転させる。詳しくは、ノズル回転装置56は、予め決められた停止位置毎に、吸着ノズル軸を間欠回転させる。また、ノズル昇降装置54は、4個の停止位置の1つである、予め決められた昇降位置にて、吸着ノズル軸を昇降させる。ノズル回転装置56は、吸着ノズル軸を、その軸心回りに自転させる。これにより、吸着ノズル260(図8)は、保持する電子部品58(図8)の上下方向の位置、及び電子部品58(図8)の保持姿勢を変更することができる。
【0018】
ノズルステーション34は、フレーム部30上に設けられ、ノズルストッカ600を有している。ノズルストッカ600には、複数の吸着ノズル260(図2図3)が収容されている。このノズルステーション34では、実装ヘッド29に取り付けられている吸着ノズル260(図2図3)と、ノズルストッカ600に収容されている吸着ノズル260(図2図3)との交換等が、必要に応じて行われる。また、ノズルストッカ600は、ノズルステーション34に着脱可能であり、ノズルストッカ600に収容された吸着ノズル260(図2図3)の回収や、ノズルストッカ600への吸着ノズル260(図2図3)の補給等を対基板作業機16の外部において行うことが可能である。
【0019】
図2及び図3を用いて、吸着ノズル260を説明する。吸着ノズル260は、胴体筒264とフランジ部266と吸着管268と掛止ピン270とによって構成されている。胴体筒264は、円筒状をなし、フランジ部266は、胴体筒264の外周面に張り出すようにして固定されている。吸着管268は、細いパイプ状をなし、胴体筒264の下端部から下方に向かって延び出した状態で、胴体筒264に軸線方向に移動可能に保持されている。掛止ピン270は、胴体筒264の径方向に延びるように、胴体筒264の上端部に設けられている。吸着ノズル260は、掛止ピン270を利用して、実装ヘッド29にワンタッチで着脱可能に取り付けられる。また、実装ヘッド29には、バネ(図示省略)が内蔵されており、そのバネは、実装ヘッド29に取り付けられる吸着ノズル260の吸着管268に、弾性力を付与する。これにより、その吸着管268は、実装ヘッド29に内蔵されたバネの弾性力によって、胴体筒264の下端部から下方に延び出す方向に付勢されている。また、フランジ部266の上面には、2Dコード274が付されている。2Dコード274には、個別情報として、吸着ノズル260のID(identification )等が示されている。
【0020】
対基板作業機16の実装作業について説明する。電子基板44(図8)は、コンベア装置40,42により所定の位置まで搬送され、基板保持装置48により固定される。これに対して、移動装置24は、実装ヘッド29を供給装置26まで移動させる。次に、吸着ノズル260は、供給装置26の供給位置まで下降し、電子部品58(図8)を吸着して保持する。その後、吸着ノズル260は、上昇する。尚、実装ヘッド29は、4個の吸着ノズル軸を有するため、最大4個の電子部品58(図8)を保持することができる。実装ヘッド29が複数の電子部品58(図8)を吸着で保持する際には、吸着ノズル軸の昇降位置への回転と、昇降位置における昇降が繰り返される。次に、移動装置24は、実装ヘッド29を電子基板44(図8)の実装位置の上方まで移動させる。次に、吸着ノズル260が、電子基板44(図8)の近傍位置まで下降し、電子部品58(図8)を離脱する。電子部品58(図8)の吸着の場合と同様にして、実装ヘッド29が複数の電子部品58(図8)を実装する際には、吸着ノズル軸の昇降位置への回転と、昇降位置における昇降が繰り返される。更に、実装ヘッド29による、電子部品58(図8)の吸着から離脱までの1連の作業が繰り返されることによって、電子基板44(図8)に複数の電子部品58(図8)が実装される。
【0021】
次に、図4及び図5を用いて、ノズルストッカ600を説明する。ノズルストッカ600は、上記した吸着ノズル260のように、電子部品58(図8)を実装する吸着ノズルを多数、収容可能に構成されている。ノズルストッカ600は、ノズルストッカ本体ないしノズル収納部材としてのノズル収納台620およびノズル取出阻止部材ないしノズル離脱防止部材としてのシャッタ622を備えている。
【0022】
ノズル収納台620には、図4に表されるように、複数のノズル収納穴624が設けられ、それぞれ吸着ノズル260が1個ずつ、取り出し可能に収納される。これらノズル収納穴624がそれぞれノズル収納部を構成している。ノズル収納穴624は、シャッタ622の移動方向(前後方向D2)と、ノズル収納台620の板面に平行な一平面内においてシャッタ移動方向と直交する方向(左右方向D1)においてそれぞれ、一定ピッチで並ぶ状態で設けられている。これらノズル収納穴624はそれぞれ、吸着ノズル260のフランジ部266を収容し得る大径穴部626と吸着管268を収容し得る小径穴部628とを有する段付穴である。
【0023】
さらに、ノズルストッカ600の複数のノズル収納穴624のそれぞれについて、ノズル収納穴624をノズルストッカ600において個別に識別する収納部個別識別情報としての収納部個別識別コードが設定され、本実施形態においては、ノズル収納台620の上面に、収納穴個別識別コードとしての番号が、全部のノズル収納穴624の各々について描かれている。ノズル収納穴624に作業者によって吸着ノズル260が収納されるとき、ノズル収納位置は、この番号により指示され、作業者は番号を見て吸着ノズル260を指定されたノズル収納穴624に収納することができる。
【0024】
続いて、シャッタ622を説明する。シャッタ622は板状を成し、ノズル収納穴624に対応する複数の開口660が設けられており、ノズル収納台620に、その板面に平行な方向に移動可能に取り付けられている。開口660は、ノズル収納穴624の大径穴部626に対応する大きさの大開口部662と、小径穴部628に対応する大きさの小開口部664とが、その一部が重なった状態で設けられただるま形をなす。
【0025】
ノズル収納台620とシャッタ622との間には、付勢装置の一種である弾性部材としての引張コイルスプリング(以後、スプリングと略称する。)668が配設され、シャッタ622を、図4に表されるようにノズル取出阻止位置に移動する向きに付勢している。シャッタ622は、ノズル収納台620の上面上から側方へ下ろされた後、ノズル収納台620の下方へ曲げ入れられており、その曲げ入れ部670にスプリング668が設けられている。ノズル取出阻止位置は、小開口部664がノズル収納穴624上に位置する状態である。この状態では、シャッタ622の小開口部664を画定する部分が、ノズル収納穴624に収容された吸着ノズル260のフランジ部266に係合し、吸着ノズル260がノズルストッカ600から取り出されることを阻止する。また、大開口部662がノズル収納穴624上に位置し、シャッタ622がノズル取出許容位置に位置する状態では、吸着ノズル260をノズルストッカ600から取り出すことができる。
【0026】
シャッタ622は、ノズルストッカ600がフレーム部30のストッカ保持台764(図6)上に取り付けられた状態において、フレーム部30に設けられたシャッタ移動装置770(図6)が係合させられて移動させられる。そのため、シャッタ622の前記曲げ入れ部670には、開口674および係合部676が設けられ、シャッタ移動装置770(図6)が係合させられるようにされている。これら開口674および係合部676は、スプリング668の軸線上に位置する状態で設けられている。
【0027】
尚、ノズルストッカ600は、その下方側が、ストッカ保持台764(図6)から上方向へ突き出した置決めピン774(図8)及び支持部材820(図8)等で支持されることによって、フレーム部30のストッカ保持台764(図6)に取り付けられる。
【0028】
シャッタ622のノズル取出阻止位置とノズル取出許容位置との間における移動は、案内装置680により案内される。案内装置680は、ノズル収納台620に立設された案内部材としての複数の案内ピン682と、シャッタ622に、その移動方向に平行に設けられ、案内ピン682に嵌合された被案内部としての複数の長穴684とを含んで構成される。案内装置680はまた、前記スプリング668の付勢によるシャッタ622の移動限度を規定する移動限度規定装置としても機能する。案内ピン682が長穴684の端面に係合することにより、シャッタ622の移動限度が規定され、ノズル取出阻止位置に位置する状態に保たれる。ノズルストッカ600がフレーム部30のストッカ保持台764(図6)から取り外された状態では、スプリング668の付勢によりシャッタ622がノズル取出阻止位置に位置させられ、ノズル収納台620の搬送時に吸着ノズル260のノズル収納台620からの脱落を防止する役割も果たす。シャッタ622は、離脱防止部材でもあるのである。案内装置680はさらに、シャッタ622のノズル収納台620の板面に平行な方向の回転を阻止する回転阻止装置としても機能する。
【0029】
シャッタ622は、その移動方向(前後方向D2)に平行に設けられた多数の長穴688およびノズル収納台620に立設された浮き上がり防止部材690によってノズル収納台620からの浮上がりが防止されている。浮き上がり防止部材690は、長穴688に相対移動可能に挿通されるとともに、不図示の大径の頭部においてシャッタ622の浮き上がりを防止する。これら長穴688および浮き上がり防止部材690が浮上がり防止装置694を構成している。図4では、浮き上がり防止部材が二点鎖線で図示されている。
【0030】
図6を用いて、シャッタ移動装置770を説明する。シャッタ移動装置770は、ストッカ保持台764に前後方向D2に設けられた一対のエアシリンダ800を含む。エアシリンダ800は、流体圧アクチュエータとしての流体圧シリンダの一種であり、駆動源を構成する。これらエアシリンダ800は上下方向D3に並んで設けられ、シリンダハウジング802を共用し、各ピストンロッド804の先端部にわたって係合部材806が上下方向D3に設けられるとともに、その係合部材806の上端部に係合部808が設けられている。係合部808は、ストッカ保持台764の幅方向に長くされ、ノズルストッカの形状,寸法が異なっても、シャッタに係合し得るようにされている。また、係合部808のストッカ保持台764の前後方向D2に平行な方向の長さは、前記シャッタ622に設けられた開口674の前後方向D2(シャッタ移動方向に平行な方向)の長さよりやや短くされ、係合部808が前後方向D2に隙間を残して開口674に嵌合された状態となるようにされている。また、係合部808の前部には、前方ほど下方へ傾斜させられた傾斜面810が設けられている。
【0031】
係合部材806は、ノズルストッカ600がフレーム部30のストッカ保持台764に取り付けられるとき、係合部808においてシャッタ622の開口674に嵌合され、ピストンロッド804の伸縮により、シャッタ622が移動させられる。シャッタ622は、ピストンロッド804の収縮によりノズル取出許容位置へ移動させられて開かれ、伸長によりノズル取出阻止位置へ移動させられて閉じられるのであり、ピストンロッド804の収縮端は、係合部材806が、シリンダハウジング802に突設されたストッパ812に当接することにより規定され、伸長端はピストンのストロークエンドにより規定される。ストッパ812は、本実施形態においてはアジャストボルトにより構成され、ピストンロッド804の収縮端であって、係合部材806の後退端位置が調節可能とされている。
【0032】
ノズルストッカ600がフレーム部30のストッカ保持台764に取り付けられるとき、ピストンロッド804は伸長端位置であって、係合待機位置に位置し、ノズルストッカ600のストッカ保持台764への取付けによって係合部808が開口674に嵌合される。その状態でピストンロッド804が収縮させられれば、シャッタ622がスプリング668の付勢力に抗して移動させられ、ノズル取出許容位置へ移動させられる。シャッタ622の移動は案内装置680により案内されるが、案内ピン682が長穴684の端面に係合する前に係合部材806がストッパ812に当接してシャッタ622の移動が止められるとともに、ノズル取出許容位置に位置させられる。
【0033】
ピストンロッド804が伸長させられれば、シャッタ622はスプリング668の付勢により係合部材806に追従させられ、ノズル取出阻止位置へ移動させられる。そして、ピストンロッド804がストロークエンドに到達する前に、案内ピン682が長穴684の端面に係合してシャッタ622がノズル取出阻止位置において停止させられ、その状態からピストンロッド804が更に僅かに伸長させられてストロークエンドに至り、係合部808は開口674内の、シャッタ移動方向の両側において隙間を残して嵌合された位置に位置する状態に保たれる。この位置が前記係合待機位置である。エアシリンダ800には圧縮エアが供給され続け、ノズルストッカ600がストッカ保持台764から取り外されても、係合部材806は係合待機位置に位置する状態に保たれ、次にノズルストッカ600がストッカ保持台764に取り付けられるとき、係合部808が開口674に嵌合される。
【0034】
図7を用いて、対基板作業機16の制御システム構成について説明する。対基板作業機16は、上記した構成の他に、制御装置140等を備えている。制御装置140は、CPU141、RAM142、及びROM143等を有している。CPU141は、ROM143に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、電気的に接続されている各部を制御する。ここで、各部とは、搬送装置22、移動装置24、ヘッドユニット28、供給装置26、及びシャッタ移動装置770等である。RAM142は、CPU141が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。ROM143には、制御プログラム、及び各種のデータ等が記憶されている。
【0035】
搬送装置22は、上記した構成の他に、コンベア用モータ46を駆動する駆動回路132、及び基板保持装置48を駆動する駆動回路133等を有している。移動装置24は、上記した構成の他に、X軸モータ64を駆動する駆動回路134、及びY軸モータ62を駆動する駆動回路135等を有している。
【0036】
ヘッドユニット28は、上記した構成の他に、正負圧供給装置52を駆動する駆動回路136、ノズル昇降装置54を駆動する駆動回路137、及びノズル回転装置56を駆動する駆動回路138等を有している。供給装置26は、上記した構成の他に、送出装置78を駆動する駆動回路131等を有している。シャッタ移動装置770は、上記した構成の他に、エアシリンダ800を駆動する駆動回路139等を有している。
【0037】
このような制御システム構成によって、対基板作業機16では、サーボ制御が行われている。サーボ制御では、制御装置140がコントローラとして機能し、各駆動回路131,132,133,134,135,136,137,138がサーボアンプとして機能する。よって、コンベア用モータ46、Y軸モータ62、及びX軸モータ64には、サーボモータが使用されている。更に、基板保持装置48、正負圧供給装置52、ノズル昇降装置54、ノズル回転装置56、及び送出装置78では、サーボモータが、サーボ制御の駆動部及び検出部として使用されている。
【0038】
図8に表されるように、対基板作業機16では、実装ヘッド29がヘッドユニット28に取り付けられた場合、上述したようにして、吸着ノズル260に保持された電子部品58が電子基板44に実装される。尚、図8では、模式的に表すため、実装ヘッド29に保持された4個の吸着ノズル260のうち、1個の吸着ノズル260が示されている。
【0039】
これに対して、実装ヘッド29にGLヘッド500が取り付けられた場合、GLヘッド500に設けられたニードル900の先端から接着剤902が押し出される。そのために、GLヘッド500には、ニードル900に連通すると共に接着剤902が収容されたバレル(不図示)が内蔵されており、そのバレル(不図示)に対して、正圧エアがヘッドユニット28の正負圧供給装置52から供給される。これにより、対基板作業機16は、電子基板44に対し、接着剤902を塗布する作業(以下、塗布作業と略称する。)を実施することが可能である。
【0040】
但し、ニードル900の先端外周等に接着剤902が付着していると、電子基板44に塗布された接着剤902の形が崩れたり、電子基板44上の塗布点以外に接着剤902が付着する虞がある。そこで、対基板作業機16は、ニードル900の先端外周等に付着した接着剤902を除去するための、清掃ユニット910を有している。
【0041】
清掃ユニット910は、上記したノズルストッカ600に代えて、フレーム部30のストッカ保持台764に取り付けられるものである。従って、上記したノズルストッカ600と同様にして、清掃ユニット910は、その下方側が、ストッカ保持台764から上方向へ突き出した置決めピン774及び支持部材820等で支持されることによって、フレーム部30のストッカ保持台764に取り付けられる。
【0042】
清掃ユニット910は、本体912、ガイドレール914、スライダ916、及びガイド板918等を備えている。ガイドレール914は、平面視で略直方体状の本体912の上面において、前後方向D2に沿って設けられている。スライダ916は、ガイドレール914上をスライド可能に装着されている。ガイド板918は、スライダ916の左面に固定され、本体912の左側を経て、本体912よりも下側まで延びている。
【0043】
ガイド板918の下端には、開口部920が形成されている。開口部920は、その前後方向D2における長さが、シャッタ移動装置770の係合部808の前後方向D2における長さよりも、やや短くされる。清掃ユニット910がフレーム部30のストッカ保持台764に取り付けられると、開口部920には、上記したノズル取出阻止位置にある係合部808が、前後方向D2に隙間を残して嵌合される。
【0044】
更に、清掃ユニット910は、前後方向D2で対向する、第1支持部922及び第2支持部924を備えている。第1支持部922は、本体912の上面において、ガイドレール914の後端に接した状態で、上方向へ突き出すように設けられている。第2支持部924は、スライダ916の上面において、上方向へ突き出すように設けられている。従って、シャッタ移動装置770の係合部808が、上記したノズル取出阻止位置からノズル取出許容位置に移動すると、スライダ916に設けられた第2支持部924は、後方向へ移動して、第1支持部922に近接する。
【0045】
第1支持部922には、第2支持部924と対向する前面において、第1払拭体926が設けられている。第2支持部924には、第1支持部922と対向する後面において、第2払拭体928が設けられている。第1払拭体926及び第2払拭体928は、接着剤902を吸収し易い、例えばスポンジ等の柔らかい素材からなる。
【0046】
図9に表されるように、第2払拭体928には、第1払拭体926に対向する側面において、後述する下限位置にあるニードル900よりも右方及び左方に、平面視で三角形状の一対の突出部930a,930bが形成されている。一対の突出部930a,930bは、第1払拭体926に向かって突出している。一対の突出部930a,930bの間には、第1払拭体926に対向する第2払拭体928の平面929が形成されている。第2払拭体928の平面929は、その右方側と左方側において、一方の突出部930aの左方側の傾斜面932aと他方の突出部930bの右方側の傾斜面932bとに連なっている。一方の突出部930aの左方側の傾斜面932aは、右方へ向かうに連れて、後方(ニードル900)へ向かうものである。他方の突出部930bの右方側の傾斜面932bは、左方へ向かうに連れて、後方(ニードル900)へ向かうものである。
【0047】
尚、一対の突出部930a,930bは、第1払拭体926に設けられてもよい。この場合、一対の突出部930a,930bは、第1払拭体926において、第2払拭体928に対向する側面に設けられる。あるいは、一対の突出部930a,930bのうち、一方を第2払拭体928に設け、他方を第1払拭体926に設けてもよい。以下、一対の突出部930a,930bを、区別せず総称する場合には、突出部930と表記する。
【0048】
図10のフローチャートで表される清掃方法10の制御プログラムは、制御装置140のROM143に記憶されており、対基板作業機16において、ニードル900の先端外周等に付着した接着剤902を除去する際、制御装置140のCPU141により実行される。以下、図10のフローチャートで表される制御プログラムを、図11乃至図16に表される具体例を参照しながら説明する。清掃方法10が実行されると、先ず、清掃処理S10が行われる。
【0049】
清掃処理S10は、押付処理S12、近接処理S14、挟込処理S16、及び回転処理S18で構成される。押付処理S12では、図11に表されるように、ニードル900の先端外周を、第1払拭体926に押し付ける。そのために、ホームポジションにあるニードル900は、その先端が前後方向D2における第1払拭体926と第2払拭体928との中間にある下限位置にまで下降して移動させられた後、第1払拭体926に押し付けられるまで、後方向へ移動させられる。これにより、図11及び図14に表されるように、ニードル900の先端外周の後方部分が、第1払拭体926と接触する。
【0050】
近接処理S14では、図12に表されるように、第2支持部924を、後方向へ移動させることによって、第1支持部922に近接させる。そのために、シャッタ移動装置770の係合部808を、エアシリンダ800によって、上記したノズル取出阻止位置からノズル取出許容位置に移動させる。これにより、挟込処理S16では、図12及び図15に表されるように、ニードル900の先端外周の全域が、第1払拭体926と第2払拭体928とに挟み込まれる。
【0051】
その際、第2払拭体928の平面929と、一方の突出部930aの左方側の傾斜面932aと、他方の突出部930bの右方側の傾斜面932bとが、ニードル900の先端外周の前方部分を取り囲むようにして接触する。これにより、突出部930は、第1払拭体926及び第2払拭体928に対向しないニードル900の領域に接する。
【0052】
回転処理S18では、図16に表されるように、例えば、平面視の時計回りで、ニードル900を、その軸934回りに回転させる。そのようなニードル900の回転は、GLヘッド500が取り付けられたヘッドユニット28のノズル回転装置56によって行われる。
【0053】
復帰処理S20では、ニードル900がホームポジションに戻される。そのためには、先ず、ニードル900の回転を停止させる。次に、図13に表されるように、ニードル900を、上昇させながら、ホームポジションに戻す。これにより、ニードル900が第1払拭体926と第2払拭体928と間から引き抜かれ、ニードル900の先端外周等に付着した接着剤902が除去される。尚、ニードル900は、回転させながら、上昇させてもよい。その後は、シャッタ移動装置770の係合部808を、エアシリンダ800によって、上記したノズル取出許容位置からノズル取出阻止位置に移動させる。これにより、第1払拭体926と第2払拭体928とを離隔させる。
【0054】
尚、本実施形態では、例えば、図17に表されるように、ストッパー936が連結部938を介してニードル900の右方側に連結されている場合、ニードル900の先端外周に付着した接着剤902に加えて、ストッパー936及び連結部938等に付着した接着剤を除去することが可能である。以下の説明では、本実施形態と実質的に共通する部分には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0055】
このような場合、第2払拭体928の突出部930aの先端が、上記した下限位置にあるニードル900とストッパー936との間にある連結部938に対向する。更に、第1払拭体926には、第2払拭体928に対向する平面942において、下限位置にあるストッパー936よりも右方に、平面視で三角形状の突出部940が形成される。
【0056】
このようにすれば、上記した挟込処理S16では、ニードル900の先端外周の全域が、第1払拭体926と第2払拭体928とに挟み込まれる際において、第2払拭体928の突出部930aの先端が、ストッパー936とニードル900との間に入り込む。これにより、第2払拭体928の突出部930aは、ストッパー936、ニードル900、及び連結部938に接触する。更に、ストッパー936は、第1払拭体926の平面942と、第1払拭体926の突出部940の左方側の傾斜面944と、第2払拭体928の突出部930aの右方側の傾斜面932cとに取り囲まれるようにして接触する。第1払拭体926の突出部940の左方側の傾斜面944は、右方へ向かうに連れて、前方(ストッパー936)へ向かうものである。第2払拭体928の突出部930aの右方側の傾斜面932cは、左方へ向かうに連れて、後方(ストッパー936)へ向かうものである。
【0057】
尚、ストッパー936は、塗布作業において、ストッパー936の下端が電子基板44に突き当たることによって、ニードル900の先端と電子基板44との間を一定間隔に保つものである。
【0058】
次に、上記した清掃方法10の実行タイミングについて説明する。上記した清掃方法10は、塗布作業が行われる際に実行される。そこで、先ず、図18を用いて、塗布作業の概略を説明する。尚、図18のフローチャートで表される制御プログラムは、制御装置140のROM143に記憶されており、対基板作業機16において、塗布作業を行う際、制御装置140のCPU141により実行される。
【0059】
開始処理S30では、不図示の開始ボタンがオペレータによって押下される。これにより、塗布作業が開始される。較正処理S32では、ニードル900が取り付けられたGLヘッド500に対するキャリブレーションが行われる。ここで、較正処理S32のキャリブレーションがNGの場合(S34:NO)、条件見直し処理S36が行われる。条件見直し処理S36では、塗布作業の条件見直しや、GLヘッド500の清掃等がオペレータによって行われる。その後は、開始処理S30が、繰り返し行われる。これに対して、較正処理S32のキャリブレーションがOKの場合(S34:YES)、生産処理S38が行われる。生産処理S38では、GLヘッド500に取り付けられたニードル900を用いて、電子基板44に対して接着剤902が塗布される。接着剤902が塗布された電子基板44の枚数が、予定枚数に到達すると、図18のフローチャートで表される制御プログラムは、終了する。
【0060】
このようにして行われる塗布作業において、上記した清掃方法10は、例えば、条件見直し処理S36と開始処理S30との間のタイミングT1で行われてもよいし、判定処理S34と生産処理S38との間のタイミングT2で行われてもよいし、生産処理S38中において、一定枚数の電子基板44に対して接着剤902が塗布される毎に行われてもよい(タイミングT3)。
【0061】
尚、上記した清掃方法10は、GLヘッド500内のエア抜きが実行された直後のタイミングで行われてもよいし、オペレータの指示による任意のタイミングで行われてもよい。
【0062】
以上詳細に説明したように、本実施形態は、電子基板44に対して接着剤902を塗布するためのニードル900を備える対基板作業機16において、第1払拭体926及び第2払拭体928が設けられた第1支持部922及び第2支持部924を近接させることによって、ニードル900の先端外周等から接着剤902を除去するので、更に好適にニードル900を清掃する。
【0063】
ちなみに、本実施形態において、吸着ノズル260は、ノズルの一例である。係合部808がノズル取出阻止位置にあるときのノズルストッカ600の状態は、ノズル取出阻止状態の一例である。係合部808がノズル取出許容位置にあるときのノズルストッカ600の状態は、ノズル取出許容状態の一例である。エアシリンダ800は、アクチュエータ及び駆動機器の一例である。ニードル900は、供給部材の一例である。ニードル900の軸934は、供給部材の軸の一例である。清掃処理S10内の近接処理S14は、清掃処理及び清掃工程の一例である。
【0064】
また、本開示の対基板作業機は、
前記第1払拭体又は前記第2払拭体に設けられ、前記ニードルと接触する少なくとも3つの面を備えるものである。
【0065】
この場合、第2払拭体928の平面929と、一方の突出部930aの左方側の傾斜面932aと、他方の突出部930bの右方側の傾斜面932bは、3つ面の一例である。また、第1払拭体926の平面942と、第1払拭体926の突出部940の左方側の傾斜面944と、第2払拭体928の突出部930aの右方側の傾斜面932cは、3つ面の一例である。
【0066】
尚、本開示は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、実装ヘッド29に対し、上記した吸着ノズル260に代えて、電子基板44に半田を転写する転写ピンが保持されてもよい。このような場合、例えば、図19に表されるピン転写ノズル950が、実装ヘッド29に保持される。
【0067】
ピン転写ノズル950は、ホルダ吸着部952、フランジ部954、連結部956、及び多数の転写ピン958等を備えている。ホルダ吸着部952は、円板状を呈している。ホルダ吸着部952は、実装ヘッド29に吸着される。フランジ部954は、ホルダ吸着部952より小径の円板状を呈している。フランジ部954は、ホルダ吸着部952の下方に配置されている。連結部956は、上下方向D3に長い円柱状を呈している。連結部956は、ホルダ吸着部952とフランジ部954とを連結している。多数の転写ピン958は、フランジ部954の下面に配置されている。多数の転写ピン958は、電子基板44のランドパターンと鏡対称に配置されている。不図示のディップ装置により、多数の転写ピン958の先端には、転写用の半田960が付着される。
【0068】
このような場合でも、清掃ユニット910は、第1払拭体926及び第2払拭体928が設けられた第1支持部922及び第2支持部924を近接させることによって、多数の転写ピン958の先端外周等に付着された半田960を除去し、更に好適に多数の転写ピン958を清掃することが可能である。
【0069】
ちなみに、多数の転写ピン958は、供給部材の一例である。半田960は、流体の一例である。
【0070】
また、清掃という概念には、液体を利用して清掃する洗浄が含まれる。
【符号の説明】
【0071】
10:清掃方法、16:対基板作業機、44:電子基板、140:制御装置、260:吸着ノズル、600:ノズルストッカ、800:エアシリンダ、900:ニードル、902:接着剤、922:第1支持部、924:第2支持部、926:第1払拭体、928:第2払拭体、929:第2払拭体の平面、930:第2払拭体の突出部、932a:一方の突出部の左方側の傾斜面、932b:他方の突出部の右方側の傾斜面、932c:一方の突出部の右方側の傾斜面、934:ニードルの軸、942:第1払拭体の平面、944:第1払拭体の突出部の左方側の傾斜面、958:転写ピン、960:半田、S10:清掃処理、S12:押付処理、S14:近接処理、S16:挟込処理、S18:回転処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19