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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/10 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
F02D9/10 Z
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022006440
(22)【出願日】2022-01-19
(65)【公開番号】P2022112019
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】10 2021 101 135.3
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520050956
【氏名又は名称】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Purem GmbH
【住所又は居所原語表記】Homburger Strasse 95, 66539 Neunkirchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マティアス グリュン
(72)【発明者】
【氏名】マークス ビアグラー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ロリー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヴァッカー
(72)【発明者】
【氏名】アニカ ツォイマー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シェンク
(72)【発明者】
【氏名】ミリェンコ ノヴォセル
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102011107088(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015202211(DE,A1)
【文献】特開2017-180837(JP,A)
【文献】特開2020-133630(JP,A)
【文献】特開平07-004273(JP,A)
【文献】特開2001-182557(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気流用の排気スロットル(10)の旋回駆動装置(12)の駆動機構(34)を、旋回軸線(A)を中心として回転可能な旋回軸(18)に回転連結するための連結装置であって、
前記旋回軸線(A)を中心として共に回転するように旋回軸(18)に連結すべき連結領域(40)を備えた第1の連結エレメント(36)と、
前記旋回軸線(A)を中心として共に回転するように駆動機構(34)に連結すべき連結領域(47)を備えた第2の連結エレメント(38)と、
前記第1の連結エレメント(36)および前記第2の連結エレメント(38)を実質的に周方向で互いに対して負荷する力を生成するための予荷重機構(74)と、
を含み、
第1の連結エレメント(36)および第2の連結エレメント(38)のうちの一方の連結エレメントは、前記一方の連結エレメントの前記連結領域(40)に関して半径方向外側に向かって延在する少なくとも2つの回転連結突起(46,48)を含んでいて、第1の連結エレメント(36)および第2の連結エレメント(38)のうちの他方の連結エレメントは、前記一方の連結エレメントの各回転連結突起(46,48)に対応して配置されて、前記回転連結突起(46,48)を収容する回転連結凹部(68,70)を含んでおり、前記各回転連結突起(46,48)には周方向支持領域(76,78)が設けられており、前記各回転連結凹部(68,70)は周方向で対応周方向支持領域(80,82)によって画定されており、1つの回転連結凹部(68,70)内に収容された各回転連結突起(46,48)の前記周方向支持領域(76,78)は、各回転連結突起(46,48)を収容する回転連結凹部(68,70)の前記対応周方向支持領域(80,82)に当接した状態で、前記予荷重機構(74)によって予荷重をかけられている、連結装置において、
前記一方の連結エレメントには、少なくとも1つの回転連結突起(48)に対応して配置されて、周方向で、前記回転連結突起(48)の少なくとも一方の側に、前記一方の連結エレメントを実質的に半径方向で前記他方の連結エレメントに関して支持する半径方向支持領域(96,98)が設けられていることを特徴とする、連結装置。
【請求項2】
前記他方の連結エレメントには、それぞれ1つの回転連結凹部(68,70)を形成するために、前記他方の連結エレメントの前記連結領域(47)から実質的に軸方向で離れる方向に延在する2つの回転連結フィンガ(60,62,64,66)が設けられており、前記2つの回転連結フィンガはこれらフィンガの間に1つの回転連結凹部(68,70)を画定しており、少なくとも1つの前記半径方向支持領域(96,98)は、1つの回転連結フィンガ(60,62,64,66)に支持されている、請求項1記載の連結装置。
【請求項3】
各半径方向支持領域(96,98)が、1つの回転連結フィンガ(60,62,64,66)に支持されている、請求項2記載の連結装置。
【請求項4】
前記他方の連結エレメントには、それぞれ1つの回転連結凹部(68,70)を形成するために、前記他方の連結エレメントの前記連結領域(47)から実質的に軸方向で離れる方向に延在し、2つの回転連結フィンガ(60,62,64,66)を有している回転連結アーム(56,58)が設けられている、請求項2または3記載の連結装置。
【請求項5】
前記他方の連結エレメントの前記連結領域(47)には、少なくとも1つの回転連結アーム(56,58)に対応して、切欠(104,106)が形成されている、請求項4記載の連結装置。
【請求項6】
前記他方の連結エレメントの前記連結領域(47)には、各前記回転連結アーム(56,58)に対応して、切欠(104,106)が形成されている、請求項4記載の連結装置。
【請求項7】
前記切欠(104,106)は、T字型に、かつ/または対応して配置された前記回転連結アーム(56,58)に向かって延在して形成されている、請求項5または6記載の連結装置。
【請求項8】
少なくとも1つの回転連結突起(48)に対応して配置されて、周方向で前記回転連結突起(48)の両側に、前記一方の連結エレメントを実質的に半径方向で前記他方の連結エレメントに関して支持する半径方向支持領域(96,98)が設けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項9】
少なくとも1つの半径方向支持領域(96,98)は、対応して配置された前記回転連結突起(48)に対して周方向の間隔を置いて配置された半径方向支持突起(100,102)を含む、請求項1からまでのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項10】
各前記半径方向支持領域(96,98)は、対応して配置された前記回転連結突起(48)に対して周方向の間隔を置いて配置された半径方向支持突起(100,102)を含む、請求項9記載の連結装置。
【請求項11】
少なくとも1つの半径方向支持領域(96,98)は、前記一方の連結エレメントの前記連結領域(40)の外周面領域(44)に設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項12】
各半径方向支持領域(96,98)は、前記一方の連結エレメントの前記連結領域(40)の外周面領域(44)に設けられている、請求項11記載の連結装置。
【請求項13】
前記回転連結突起(46,48)のうちの1つにのみ対応して配置されて、周方向で前記回転連結突起(48)の少なくとも一方の側に、前記一方の連結エレメントを実質的に半径方向で前記他方の連結エレメントに関して支持する半径方向支持領域(96,98)が設けられている、請求項1から12までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項14】
前記回転連結突起(46,48)のうちの1つにのみ対応して配置されて、周方向で前記回転連結突起(48)の少なくとも一方の側に、前記一方の連結エレメントを実質的に半径方向で前記他方の連結エレメントに関して支持する半径方向支持領域(96,98)が設けられており、
対応して配置された前記半径方向支持領域を有さない回転連結突起(46)の周面領域で、前記一方の連結エレメントの前記連結領域(40)の前記外周面領域(44)は、前記他方の連結エレメントに対して半径方向の間隔を置いて配置されている、請求項11または12記載の連結装置。
【請求項15】
前記予荷重機構(74)は、少なくとも1つの半径方向支持領域(96,98)に、前記他方の連結エレメントに当接させるように予荷重をかける力を発生させる、請求項1から14までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項16】
前記予荷重機構(74)は、各半径方向支持領域(96,98)に、前記他方の連結エレメントに当接させるように予荷重をかける力を発生させる、請求項15記載の連結装置。
【請求項17】
前記予荷重機構(74)は、前記第1の連結エレメント(36)と前記第2の連結エレメント(38)との間に軸方向で作用する軸方向の力が生成されるように形成されており、対応して配置された回転連結突起を収容するための各回転連結凹部(68,70)は、前記他方の連結エレメントの前記連結領域から離れる方向で軸方向に開かれており、前記一方の連結エレメントは、前記予荷重機構(74)によって、前記回転連結突起(46,48)が、前記回転連結突起を収容する前記回転連結凹部(68,70)から外れるように移動することを阻止するように、前記他方の連結エレメントに軸方向で保持されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項18】
前記一方の連結エレメントに、前記旋回軸線(A)に関して実質的に直径上で互いに離れるように延在する2つの回転連結突起(46,48)が設けられている、請求項1から17までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項19】
前記予荷重機構(74)は予荷重ばね(72)を含んでおり、前記予荷重ばねは、前記第1の連結エレメント(36)に関して少なくとも第1の周方向で、および少なくとも前記第2の連結エレメント(38)に向かう方向の軸方向で支持されるべき第1の支持領域と、前記第2の連結エレメント(38)に関して少なくとも前記第1の周方向とは逆の第2の周方向で、および少なくとも前記第1の連結エレメント(36)に向かう方向の軸方向で支持されるべき第2の支持領域とを有している、請求項1から18までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項20】
前記第1の連結エレメント(36)の前記連結領域(40)は、実質的に板状に形成されており、かつ/または前記第1の連結エレメント(36)の前記連結領域(40)は、前記旋回軸(18)に回転連結するための形状接続係合成形部(42)を有している、請求項1から19までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項21】
前記第2の連結エレメント(38)の前記連結領域(47)は、実質的に板状に形成されており、かつ/または前記第2の連結エレメント(38)の前記連結領域(47)は、前記駆動機構(34)に回転連結するための形状接続係合成形部(50)を有している、請求項1から20までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項22】
気スロットルであって、スロットル管(14)の内部で旋回軸線(A)を中心として回転可能な旋回軸(18)に支持されたスロットル弁(16)、ならびに駆動機構(34)を備えた旋回駆動装置(12)を含んでおり、さらに、前記旋回軸(18)を前記駆動機構(34)に回転連結するために、請求項1から21までのいずれか1項記載の連結装置(32)を含む、排気スロットル。
【請求項23】
前記排気スロットルは、内燃機関の排気流用の排気スロットルである、請求項22記載の排気スロットル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気流用の排気スロットルの旋回駆動装置の駆動軸を、旋回軸線を中心として回転可能な、スロットル弁を支持する旋回軸に連結するための連結装置に関する。
【0002】
このような連結装置は、独国特許発明第102011107088号明細書により公知である。この連結装置では、旋回軸に相対回動不能に保持された第1の連結エレメントが、旋回駆動装置の駆動機構に相対回動不能に保持される第2の連結エレメントの回転連結凹部内に、半径方向外側に向かって係合する2つの回転連結突起を有している。両連結エレメント間の接触は、これらの連結エレメント間の熱伝達を最小にするために、もっぱら、回転連結突起に形成された周方向支持領域の領域で行われ、この周方向支持領域は、回転連結突起を収容する回転連結凹部を画定する対応周方向支持領域に、周方向で支持されている。
【0003】
本発明の課題は、駆動機構を旋回軸に接続する2つの連結エレメントの規定された位置決めが、実質的に旋回軸線に対して横方向で保証されている、内燃機関の排気流用の排気スロットルの旋回駆動装置の駆動機構を、旋回軸線を中心として回転可能な旋回軸に回転連結するための連結装置を設けることである。
【0004】
本発明によれば、この課題は、請求項1による、内燃機関の排気流用の排気スロットルの旋回駆動装置の駆動機構を、旋回軸線を中心として回転可能な旋回軸に回転連結するための連結装置により解決される。
【0005】
この連結装置は、
-旋回軸線を中心として共に回転するように旋回軸に連結すべき連結領域を備えた第1の連結エレメントと、
-旋回軸線を中心として共に回転するように駆動機構に連結すべき連結領域を備えた第2の連結エレメント、
-第1の連結エレメントおよび第2の連結エレメントを実質的に周方向で互いに対して負荷する力を生成するための予荷重機構と、を含み、
第1の連結エレメントおよび第2の連結エレメントのうちの一方の連結エレメントは、この一方の連結エレメントの連結領域に関して半径方向外側に向かって延在する少なくとも2つの回転連結突起を含んでいて、第1の連結エレメントおよび第2の連結エレメントのうちの他方の連結エレメントは、一方の連結エレメントの各回転連結突起に対応して配置されて、この回転連結突起を収容する回転連結凹部を含んでおり、各回転連結突起には周方向支持領域が設けられており、各回転連結凹部は周方向で対応周方向支持領域によって画定されており、1つの回転連結凹部内に収容された各回転連結突起の周方向支持領域は、各回転連結突起を収容する回転連結凹部の対応周方向支持領域に当接した状態で、予荷重機構によって予荷重をかけられている。
【0006】
この連結装置は、一方の連結エレメントに、少なくとも1つの回転連結突起に対応して配置されて、周方向で、この回転連結突起の少なくとも一方の側に、この一方の連結エレメントを実質的に半径方向で他方の連結エレメントに関して支持する半径方向支持領域が設けられていることを特徴としている。
【0007】
連結装置の本発明による構造では、両連結エレメントは、周方向で互いに対して支持されているだけでなく、両連結エレメントの規定された位置決めを、実質的に旋回軸線に対して横方向で保証する少なくとも1つの半径方向支持領域を介しても支持されている。これにより確かに、各半径方向支持領域による組付けにおいて、両連結エレメントの間に熱伝達接触が導入されはするが、両連結エレメントを互いに対して、旋回軸線に対して実質的に横方向で支持するために機能するこのような接触により、両連結エレメントの互いに対して規定された位置決めが保証され、したがって、旋回軸線に関して両連結エレメントの規定されたセンタリングが保証される。
【0008】
一方の連結エレメントにおけるこのような形式の半径方向支持領域のために、他方の連結エレメントにおける対応支持部を提供することができるように、他方の連結エレメントには、それぞれ1つの回転連結凹部を形成するために、他方の連結エレメントの連結領域から実質的に軸方向で離れる方向に延在する2つの回転連結フィンガが設けられており、2つの回転連結フィンガはこれらフィンガの間に1つの回転連結凹部を画定しており、少なくとも1つの半径方向支持領域、好適には各半径方向支持領域は、1つの回転連結フィンガに支持されていることが提案される。
【0009】
この場合、安定的な構造のために、他方の連結エレメントには、それぞれ1つの回転連結凹部を形成するために、他方の連結エレメントの連結領域から実質的に軸方向で離れる方向に延在する、2つの回転連結フィンガを有する回転連結アームが設けられていてもよい。
【0010】
他方の連結エレメントの連結領域と回転連結アームとの間の熱伝達を僅かにするために、他方の連結エレメントの連結領域には、少なくとも1つの回転連結アームに、好適には各回転連結アームに対応して配置されて、好適にはT字型の、かつ/または対応して配置された回転連結アームに向かって延在する切欠が形成されていてもよい。
【0011】
両連結エレメントの互いに対する規定された位置決めを支援する構成のためには、少なくとも1つの回転連結突起に対応して配置されて、周方向でこの回転連結突起の両側に、この一方の連結エレメントを実質的に半径方向で他方の連結エレメントに関して支持する半径方向支持領域が設けられていてもよい。
【0012】
本発明により導入された、両連結エレメント間の付加的な接触にもかかわらず、熱伝達を可能な限り僅かに維持するために、少なくとも1つの半径方向支持領域、好適には各半径方向支持領域は、対応して配置された回転連結突起に対して周方向の間隔を置いて配置された半径方向支持突起を含むことが提案される。
【0013】
コンパクトで安定的な設計においては、少なくとも1つの半径方向支持領域、好適には各半径方向支持領域は、一方の連結エレメントの連結領域の外周面領域に設けられていてもよい。
【0014】
両連結エレメントの互いに対する位置決めにおける過剰規定を回避するために、回転連結突起のうちの1つにのみ対応して配置されて、周方向で回転連結突起の少なくとも一方の側に、一方の連結エレメントを実質的に半径方向で他方の連結エレメントに関して支持する半径方向支持領域が設けられていることが提案される。
【0015】
特にこの場合、熱伝達をさらに最小にするために、対応して配置される半径方向支持領域を有さない回転連結突起の周面領域で、一方の連結エレメントの連結領域の外周面領域は、他方の連結エレメントに対して半径方向の間隔を置いて配置されていてもよい。
【0016】
予荷重機構が、少なくとも1つの半径方向支持領域に、好適には各半径方向支持領域に、他方の連結エレメントに当接させるように予荷重をかける力を発生させるならばとりわけ、1つだけの回転連結突起の領域における両連結エレメントの互いに対する半径方向の支持は、両連結エレメントの互いに対する規定された位置決めのために十分である。
【0017】
両連結エレメントを軸方向でも互いに対して規定通りに保持するためにはさらに、第1の連結エレメントと第2の連結エレメントとの間に軸方向で作用する軸方向の力が生成されるように、予荷重機構が形成されており、対応して配置された回転連結突起を収容するための各回転連結凹部は、他方の連結エレメントの連結領域から離れる方向で軸方向に開かれており、一方の連結エレメントは、予荷重機構によって、回転連結突起が、この回転連結突起を収容する回転連結凹部から外れるように移動することを阻止するように、他方の連結エレメントに軸方向で保持されていることが提案される。
【0018】
両連結エレメントを介して伝達すべき力の周方向での均等な分布のために、一方の連結エレメントには、旋回軸線に関して実質的に直径上で互いに離れるように延在する2つの回転連結突起が設けられていてもよい。
【0019】
予荷重機構は予荷重ばねを含んでいてもよく、この予荷重ばねは、第1の連結エレメントに関して少なくとも第1の周方向で、および少なくとも2の連結エレメントに向かう方向の軸方向で支持されるべき、例えば、コイル端部区分によって形成される第1の支持領域と、第2の連結エレメントに関して少なくとも第1の周方向とは逆の第2の周方向で、および少なくとも第1の連結エレメントに向かう方向の軸方向で支持されるべき、例えば、別のコイル端部区分によって形成される第2の支持領域とを有している。
【0020】
第1の連結エレメントの連結領域は、実質的に板状に形成されていてもよく、かつ/または第1の連結エレメントの連結領域は、旋回軸に回転連結するための形状接続係合成形部を有していてもよい。
【0021】
同様に、第2の連結エレメントの連結領域は、実質的に板状に形成されていてもよく、かつ/または第2の連結エレメントの連結領域は、駆動機構に回転連結するための形状接続係合成形部を有していてもよい。
【0022】
本発明はさらに、特に、内燃機関の排気流用の排気スロットルであって、スロットル管の内部で旋回軸線を中心として回転可能な旋回軸に支持されたスロットル弁、ならびに駆動機構を備えた旋回駆動装置を含んでおり、さらに、旋回軸を駆動機構に回転連結するために、本発明により構成された連結装置を含む、排気スロットルに関する。
【0023】
以下に本発明を添付の図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】内燃機関の排気流のための排気スロットルを示す図である。
図2】排気スロットル用の連結装置を示す斜視図である。
図3図2の連結装置を示す側面図である。
図4図2の視線方向IVで見た図2の連結装置を示す図である。
【0025】
図1は、例えば内燃機関の排ガス装置で使用される、全体を符号10で示された排気スロットルをスロットル駆動装置12と共に側面図で示している。排気スロットル10は、スロットル管14を含み、スロットル管内には、全体を符号16で示されたスロットル弁が、旋回軸線Aを中心として旋回可能に旋回軸18に支持されている。スロットル弁16は、2つのスロットル翼20,22を含み、これらのスロットル翼は、スロットル弁16が遮断位置に位置している場合には、スロットル管14の内周面に設けられた翼ストッパ24,26に当接している。
【0026】
旋回軸18は、両軸方向端部領域28,30で、それぞれ軸受装置によって、旋回軸線Aを中心として回転可能もしくは旋回可能にスロットル管14に支持されている。旋回軸18は、その第1の軸方向端部領域28で、後述する連結装置32を介して、スロットル駆動装置12の駆動機構34に、例えば駆動軸に、旋回軸線Aを中心として共に回転するように連結されている。
【0027】
連結装置32は、図2図4に詳しく示されている。連結装置32は、旋回軸18に相対回動不能に連結された第1の連結エレメント36と、旋回駆動装置12の駆動機構34に相対回動不能に連結された第2の連結エレメント38とを含む。例えば、薄板部品として準備された第1の連結エレメント36は、その中央の領域に形成された形状接続係合成形部42を備えた、板状に形成された連結領域40を含んでいる。形状接続係合成形部は、回転対称ではない開口横断面を有する開口43によって形成され、この形状接続係合成形部には、旋回軸18の相応に成形された区分が係合して位置決めされ得る。旋回軸線に関して互いに直径上で対向するように配置された、連結領域40の2つの領域では、連結領域の外周面領域44から、2つの回転連結突起46,48が、互いに直径上で半径方向外側に向かって延在している。
【0028】
例えば、同じく薄板構成部品として準備された第2の連結エレメント38は、その中央の領域に形成された形状接続係合成形部50を備えた、板状の連結領域47を含んでいる。この形状接続係合成形部も、旋回軸線Aに関して回転対称ではない開口横断面を有する開口52を有していてもよく、この形状接続係合成形部には、駆動機構34の相応に成形された領域が係合して位置決めされ得る。第2の連結エレメント38の板状の連結領域47の外周面領域54では、旋回軸線Aに関して互いに直径上で対向している領域で、連結領域47を起点として実質的に旋回軸線Aの方向で第1の連結エレメント36に向かって、連結アーム56,58が延在している。両連結アーム56,58のそれぞれには、第1の連結エレメント36の方向で軸方向に延在する2つの回転連結フィンガ60,62もしくは64,66が設けられている。各回転連結アーム56,58に設けられた回転連結フィンガ60,62もしくは64,66は、周方向でこれらの回転連結フィンガの間に、それぞれ1つの回転連結凹部68,70を画定している。両回転連結凹部は、第2の連結エレメント38の連結領域47から離れる方向に軸方向で開かれており、これにより、連結装置32を組立てる際に、第1の連結エレメント36の両回転連結突起46,48は、これらの回転連結突起が、それぞれ1つの回転連結凹部68,70を画定する回転連結フィンガ60,62もしくは64,66の間で、周方向で保持されるまで、回転連結凹部68,70内に軸方向で導入され得る。しかしながら、第2の連結エレメント38には、第2の連結エレメント38の連結領域47とは反対の側で、第1の連結エレメントに背後から係合する、すなわち、両連結エレメント36,38の軸方向の形状接続もしくは軸方向の保持を形成する区分は存在していない。
【0029】
連結装置32はさらに、予荷重ばね72として、例えば複数のばね巻きを備えたコイルばねとして形成された予荷重機構74を含む。予荷重ばね72は、実質的に両連結エレメント36,38の間に配置されていて、両連結エレメント36,38の連結領域40,47の、互いに向き合う軸方向の側で、軸方向で支持されている。このような予荷重機構74によって、一方では、両連結エレメント36,38を、互いに対する周方向での移動のために負荷する周方向力が生成される。図4の図において、このような周方向の力は、第1の連結エレメント36を反時計回りで負荷しており、これにより、第1の連結エレメント36は、その両回転連結突起46,48に形成された周方向支持領域76,78で、回転連結フィンガ60もしくは64に形成された、したがって、回転連結凹部68,70を周方向で画定する、対応周方向支持領域80,82に当接して予荷重がかけられている。周方向支持領域76,78もしくは対応周方向支持領域80,82は、両連結エレメント36,38の、互いに当接可能な面領域によって提供可能であることを指摘しておく。
【0030】
連結エレメント36,38を周方向で互いに対して負荷し、回転連結フィンガ60,62に当接した状態で回転連結突起46,48に予荷重を与えるこのような予荷重力を生成するために、第1の連結エレメント36は、連結領域40の外周面領域44に、保持舌片84によって提供される保持領域86を有している。保持舌片84は、例えば、第1の連結エレメント36の連結領域40の平面から曲げることにより形成され得、予荷重ばね72の、実質的に半径方向外側に向かって突出して予荷重機構74の支持領域を提供する保持脚88に、この保持脚の一方の周面側で、軸方向で完全に、かつ第2の連結エレメント38に面した軸方向の側で、周方向で実質的に完全に被さる。図3には、予荷重ばね72の、半径方向外側に向かって延在するコイル端部領域によって形成される保持脚88の、両周方向で規定された保持を達成するために、保持舌片84が保持脚88に、他方の周面側でも部分的に軸方向で被さることができることが示されている。
【0031】
第2の連結エレメント38では、同様に、保持舌片90によって形成される保持領域92が、予荷重ばね72の他方の軸方向端部で半径方向外側に向かって延在し、予荷重機構74の別の支持領域を形成するコイル端部領域によって形成される、予荷重ばね72の保持脚94のために提供されている。保持舌片90は、保持脚94に軸方向で完全に被さっており、周方向では、保持脚94の、第1の連結エレメント36に軸方向で面した側で被さっている。同様に、第2の連結エレメント38の連結領域47の平面から曲げることにより形成することができる保持舌片90も、他方の周方向の側で保持脚94に部分的に軸方向で被さることができ、この場合も、保持脚94の、両周方向で規定された位置決めを保証することができる。
【0032】
両保持領域86,92もしくは両保持領域の保持舌片84,90は、これらの保持舌片に対応して配置された保持脚88,94に、互いに逆向きの軸方向および周方向で被さる。したがって、一方では、予荷重ばね72を、予荷重をかけて組み込むことにより、両連結エレメント36,38に、互いに対して周方向で予荷重をかける周方向力もしくは接線方向力を生成することができる。同時に、両連結エレメント36,38を予荷重ばね72によって軸方向力を伝達するために連結することもできる。予荷重ばね72は、その両軸方向の端部領域で、各保持領域86,92の保持脚88,94によって連結エレメント36,38に保持されているだけではなく、予荷重ばねのそれぞれ最後のコイルによって連結エレメントの連結領域40,47に軸方向で支持されていることがわかる。したがって、両連結エレメント36,38が互いに向かって予荷重ばね72の方に移動する場合には、これらの連結エレメントを軸方向で互いに離すように負荷する軸方向の力を発生させることができ、これにより、組込み状態で、旋回軸18と駆動機構34との間に軸方向で圧縮されて保持された連結装置32は、旋回軸18を駆動機構34から軸方向で離れる方向で負荷する力作用を生成し、これにより、旋回軸18は規定の軸方向で位置決めされた状態でスロットル管14内に保持されている。
【0033】
保持脚88,94に、これらの保持脚にそれぞれ対応して配置された保持舌片84,90が、それぞれ他方の連結エレメントに面した側で、周方向で被さることにより、連結エレメントの回転連結突起46,48を、対応して配置された回転連結凹部68,70から軸方向で外へ移動させる力が連結エレメント36に作用した場合に、予荷重ばね72は、両連結エレメント36,38の間に、互いに向かう方向で軸方向力も生成する。図2図4に示された、予荷重ばね72が実質的に完全に弛緩された状態では、第1の連結エレメント36は、その回転連結突起46,48で、対応して配置された回転連結凹部68,70内に係合するように位置決めされており、予荷重ばね72によって生成された周方向力によって、その周方向支持領域76,78で、対応周方向支持領域80,82に当接して保持される。したがって、予荷重ばね72の軸方向の力作用に基づき、互いに当接する周方向支持領域76,78と対応周方向支持領域80,82との間の摩擦接続に加えて付加的に、回転連結突起46,48が、これらの回転連結突起を収容する回転連結凹部68,70から軸方向で外に移動することを阻止する軸方向力が提供される。したがって、両連結エレメント36,38は、軸方向で開かれた回転連結凹部68,70に基づき、直接的には、互いに軸方向で可動性を制限されて保持されているわけではないが、間接的に、すなわち、両連結エレメント36,38に接続された予荷重ばね72によって、両連結エレメント36,38が、図1に示された排気スロットル10に組み込まれる前に互いに離れることを阻止する紛失防止機能が、両連結エレメント36,38のために提供されている。
【0034】
このような紛失防止機能が予荷重ばね72によって提供されるので、両回転連結突起46,48を収容する回転連結凹部68,70を軸方向で開放された状態で形成することができ、これにより連結装置32の組立てが著しく容易になる。両連結エレメント36,38のそれぞれは、特に回転連結突起46,48もしくは回転連結アーム56,58および回転連結アームに設けられた回転連結フィンガ60,62,64,66の領域で、それぞれ他方の連結エレメントに接合する前に、図面に示した構造で提供することができる。したがって、連結装置32を組立てる際に、両回転連結突起46,48を、これらを収容する回転連結凹部68,70に係合させて位置決めすることができるようにするために何らかの変形措置を行う必要はない。単に、両連結エレメント36,38を、これらの間に予荷重ばね72が位置決めされた状態で、回転連結突起46,48が、これらの回転連結突起を収容する回転連結凹部68,70に周方向で整合するように、互いに対して回転させ、次いで、両回転連結突起46,48が回転連結凹部68,70内に係合するように位置決めされるまで、互いに対して軸方向で移動させればよい。このような一連の動きにおいて、予荷重ばね72の保持脚88,94を、それぞれの連結領域40,47において軸方向で支持されるように、これらの保持脚にそれぞれ対応して配置された保持舌片84,90の下方に移動させることができる。このような状態に達したら、これら保持舌片84,90を、これら保持舌片に対応して配置された保持脚88,94に被さる領域で再び僅かに、各連結領域40,47に向かって曲げることができる。代替的には、保持舌片84,90を既に、図面に示した形状で提供することもでき、予荷重ばね72は、保持脚88,94を相応に負荷することにより、保持舌片84,90の下方へと動くことができる。
【0035】
予荷重ばね72を、両連結エレメント36,38の間に、周方向で予荷重をかけられた状態で配置することにより、両連結エレメント36,38を周方向に、すなわち実質的に旋回軸線Aを中心として互いに回転するように負荷する力作用が生じるだけでなく、これらの両連結エレメントを実質的に半径方向に、もしくは互いに対して横方向に負荷する力も生じる。図4には、ほぼ半径方向に向けられたこのような力Fが示されており、この力によって、第1の連結エレメント36は、回転連結突起48の近傍に位置する領域における、連結領域40の外周面領域44で、第2の連結エレメント38の回転連結フィンガ64,66に向かう方向で負荷されるように、荷重をかけられる。
【0036】
このような力Fを考慮して、両連結エレメント36,38の、旋回軸線Aに関して横方向で互いに規定された位置決めを保証するために、特に、形状接続係合成形部42,50の開口43,52が、互いにかつ旋回軸線Aに関して実質的にセンタリングされて位置決めされることを保証するために、第1の連結エレメント36の連結領域40の外周面領域44には、回転連結突起48の両側に半径方向支持領域96,98が設けられている。各半径方向支持領域96,98は、回転連結突起48に対して周方向の間隔を置いて設けられた半径方向支持突起100,102を含んでおり、第1の連結エレメント36はこの半径方向支持突起で、回転連結突起48の両側に位置する回転連結フィンガ64,66に、半径方向外側に向かって支持されている。
【0037】
したがって、連結装置32において、第1の連結エレメント36が第2の連結エレメント38に関して、互いに当接する、もしくは互いに予荷重のかけられる周方向支持領域76,78と対応周方向支持領域80,82とによって周方向で支持されるだけではなく、付加的に、半径方向で作用する、半径方向支持突起100,102と回転連結フィンガ64,66との間の接触によって半径方向の支持も生成されることにより、予荷重ばね72の予荷重作用によって支援されて、両連結エレメント36,38の互いに対する規定された位置決めが旋回軸線Aに対して横方向で保証されている。半径方向支持突起100,102および回転連結フィンガ64,66の領域における両連結エレメント36,38の互いの付加的な接触により、確かに、回避すべき付加的な熱伝達接触が両連結エレメント36,38間に導入されるが、これにより、両連結エレメント36,38の、旋回作動の際の制限を回避する規定の互いの位置決めが保証されている。
【0038】
他方の回転連結突起46の対応配置としては、半径方向支持領域もしくは半径方向支持突起は設けられていないので、回転連結突起46の周方向領域では、連結領域40の外周面領域44は、第2の連結エレメント38の回転連結フィンガ60,62に対して半径方向の間隔を有している。これにより、一方では、この周方向領域における両連結エレメント36,38の間の、付加的な熱伝達につながる接触は回避される。他方では、旋回軸線Aに対して横方向で、両連結エレメント36,38の位置規定における過剰規定は導入されない。十分に規定された位置決めは、半径方向支持突起100,102と、予荷重ばね72によって生じる力Fとによってのみ保証されている。
【0039】
熱伝達の低減へのさらなる寄与は、第2の連結エレメント38に、板状の連結領域47に形成された開口52の両側に、T字型の切欠104,106が形成されていることにより得られ、このT字型の切欠のT字ビーム108は、実質的に開口52に沿って、板状の連結領域47に延在しており、T字型の切欠の、各T字ビーム108から延びているT字脚110は、開口52から離れる方向で、板状の連結領域47から、この板状の連結領域47に続いている回転連結アーム56,58への移行領域へ、例えば回転連結アーム56,58内にまでも延在している。このような各切欠104,106は、特に、これらの切欠が、第2の連結エレメント38の構造材料を完全に貫通して延在している場合に、熱伝達横断面を著しく減じるために貢献する。
【0040】
上述し、図示した排気スロットルの構造、もしくは排気スロットルのための連結装置の構造では、構造的に異なる様々な態様が実施されてもよい。したがって、例えば、一方または両方の連結エレメントが、駆動機構もしくは旋回軸に、上述した形状接続に対して代替的にまたは付加的に、摩擦接続および/または材料接続によって、堅固に接続されてもよい。勿論、連結装置全体が、図1に対して逆の配置で排気スロットルに組み込まれてもよく、これにより第1の連結エレメントは駆動機構に相対回動不能に接続されていて、第2の連結エレメントは旋回軸に相対回動不能に接続されている。第2の連結エレメントに設けられた回転連結凹部が、それぞれ、第2の連結エレメントの連結領域の外周面領域に沿った大きな領域にわたって延在し、軸方向で連結領域から突出している壁区分によって画定されてもよい。本発明の思想においては、各回転連結凹部の近傍の、このような壁区分の周方向領域は、回転連結フィンガとみなすことができる。
図1
図2
図3
図4