(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】センサシステム
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20230412BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
G08C15/00 E
G08C17/00 Z
(21)【出願番号】P 2019063234
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-09
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、総務省、「IoT共通基盤技術の確立・実証(PRISM追加課題)」研究開発委託契約に基づく開発項目「設置簡易・長期動作可能なIoTデバイスの共通技術」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 健一
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139075(JP,A)
【文献】国際公開第2014/142162(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/149625(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
G01D 21/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデバイス、ゲートウェイ装置、及び端末を備えたセンサシステムであって、
前記センサデバイスは、
一以上のセンサを備えたセンサモジュールが着脱されるコネクタと、
前記センサのリストを作成する作成部と、
前記リストにある前記センサから測定データを読み出す読出部と、
前記センサモジュールが装着されているかどうかを示す情報を前記ゲートウェイ装置に送信する第1の送信部と、
前記センサを駆動する蓄電素子と、
前記蓄電素子を充電する発電素子とを有し、
前記ゲートウェイ装置は、
前記情報に変化があったときに、前記センサモジュールに設けられている前記センサの種類を送信するように依頼する送信依頼を前記端末に通知する通知部と、
前記送信依頼に対する応答に基づいて前記リストを更新するように前記作成部に指示する指示部とを有し、
前記端末は、
前記送信依頼を受けたときに、前記センサモジュールに設けられている前記センサの前記種類の入力を作業者に要求する入力部と、
前記入力部に入力された前記センサの前記種類を前記応答として前記ゲートウェイ装置に送信する第2の送信部とを有し、
前記指示部は、前記リストにある前記センサから前記測定データを読み出すセンシング間隔を前記センサデバイスに指示し、
前記第1の送信部は、前記蓄電素子の残量を示す残量情報と、前記発電素子の発電電流を示す発電情報とを前記ゲートウェイ装置に通知し、
前記指示部は、前記残量情報と前記発電情報とに基づいて、前記センシング間隔を前記蓄電素子の前記残量が枯渇しない間隔に更新するように前記センサデバイスに指示することを特徴とするセンサシステム。
【請求項2】
前記センサデバイスは、
前記コネクタへの前記センサモジュールの装着を認識する認識部と、
前記センサモジュールの装着が認識された場合に、前記センサモジュールに含まれる前記センサの探索を行う探索部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記センサデバイスは、
信号線と、
正電圧が印加された電源線と、
一端が接地され、かつ他端が前記信号線に接続された抵抗素子とを更に有し、
前記コネクタに前記センサモジュールが装着されたときに前記信号線と前記電源線とが電気的に接続されて前記信号線が前記正電圧にプルアップされ、前記コネクタから前記センサモジュールが外されたときに前記信号線が接地電位にプルダウンされ、
前記認識部は、前記信号線が前記正電圧のときに前記センサモジュールの装着を認識し、前記信号線が前記接地電位のときに前記コネクタに前記センサモジュールが装着されていないと認識することを特徴とする
請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記探索部は、前記認識部が前記センサモジュールの装着を認識していない場合には、前記探索を行わないことを特徴とする
請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記読出部は、前記認識部が前記センサモジュールの装着を認識していない場合には、前記測定データを読み出さないことを特徴とする
請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記探索を行った後に、前記認識部が前記センサモジュールの装着を認識している状態が継続しているときには、前記探索部は、新たな前記探索を行わないことを特徴とする
請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記センサデバイスは、
前記センサを識別する識別子と、前記センサから読み出された前記測定データとを無線送信する送信部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の
センサシステム。
【請求項8】
前記発電素子は太陽電池であり、
前記発電情報は、前記センサデバイスが置かれている環境の照度であることを特徴とする
請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記残量情報は、前記蓄電素子の蓄電電位であることを特徴とする
請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記指示部は、
前記発電情報が示す前記発電電流が基準値以上の場合には、前記センシング間隔を、前記蓄電素子の残量が増える間隔に更新するように指示し、
前記発電情報が示す前記発電電流が前記基準値よりも少ない場合には、前記センシング間隔を、前記蓄電素子の前記残量が夜間のうちに枯渇しない間隔に更新するように
前記センサデバイスに指示することを特徴とする請求項1に記載のセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)技術の発展に伴い、高所や遠隔地等の様々な箇所にセンサを設置し、そのセンサの測定データを無線で収集するセンサシステムが発展しつつある。そのようなセンサシステムにおいては、光や振動等で発電するエネルギハーベスト素子でセンサを駆動することにより、電源の確保が難しい箇所にもセンサを設置することができる(例えば特許文献1、2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-016729号公報
【文献】特開2018-106549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなセンサシステムにおいては、消費電力を抑制するという点で改善の余地がある。
一側面によれば、本発明は、消費電力を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によれば、センサデバイス、ゲートウェイ装置、及び端末を備えたセンサシステムであって、前記センサデバイスは、一以上のセンサを備えたセンサモジュールが着脱されるコネクタと、前記センサのリストを作成する作成部と、前記リストにある前記センサから測定データを読み出す読出部と、前記センサモジュールが装着されているかどうかを示す情報を前記ゲートウェイ装置に送信する第1の送信部と、前記センサを駆動する蓄電素子と、前記蓄電素子を充電する発電素子とを有し、前記ゲートウェイ装置は、前記情報に変化があったときに、前記センサモジュールに設けられている前記センサの種類を送信するように依頼する送信依頼を前記端末に通知する通知部と、前記送信依頼に対する応答に基づいて前記リストを更新するように前記作成部に指示する指示部とを有し、前記端末は、前記送信依頼を受けたときに、前記センサモジュールに設けられている前記センサの前記種類の入力を作業者に要求する入力部と、前記入力部に入力された前記センサの前記種類を前記応答として前記ゲートウェイ装置に送信する第2の送信部とを有し、前記指示部は、前記リストにある前記センサから前記測定データを読み出すセンシング間隔を前記センサデバイスに指示し、前記第1の送信部は、前記蓄電素子の残量を示す残量情報と、前記発電素子の発電電流を示す発電情報とを前記ゲートウェイ装置に通知し、前記指示部は、前記残量情報と前記発電情報とに基づいて、前記センシング間隔を前記蓄電素子の前記残量が枯渇しない間隔に更新するように前記センサデバイスに指示することを特徴とするセンサシステムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
一側面によれば、消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】検討に利用したセンサシステムの構成図である。
【
図2】検討に使用した別のセンサデバイスの構成図である。
【
図3】第1実施形態に係るセンサデバイスのハードウェア構成図である。
【
図5】第1実施形態に係る制御マイコンの機能構成図である。
【
図6】第1実施形態に係るセンサシステムのシステム構成図である。
【
図7】第1実施形態に係るセンサデバイスの制御方法を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る制御方法を行ったときのリストの内容の変遷について模式的に示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る送信パケットのフォーマットについて説明するための模式図である。
【
図10】第2実施形態に係るセンサシステムのシステム構成図である。
【
図11】第2実施形態に係るゲートウェイ装置のハードウェア構成図である。
【
図12】第2実施形態に係るゲートウェイ装置の機能構成図である。
【
図13】第2実施形態に係る端末のハードウェア構成図である。
【
図14】第2実施形態に係る管理方法について示すシーケンス図である。
【
図15】(a)は、第2実施形態において、センサデバイスが置かれている環境の照度と、発電素子の発電電流との関係を示す模式図であり、(b)は、第2実施形態において、蓄電素子の蓄電電位と残量との関係を示す模式図である。
【
図16】第2実施形態において、発電素子の発電電流と蓄電素子の残量の各々の時間変化を示す模式図である。
【
図17】第2実施形態において、センサごとの消費電力を示す模式図である。
【
図18】第2実施形態に係るセンシング間隔の決定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が検討した事項について説明する。
図1は、その検討に利用したセンサシステムの構成図である。
【0009】
このセンサシステム1は、環境中の複数の箇所における温度や湿度等を測定するシステムであって、複数のセンサデバイス10とゲートウェイ装置20とを備える。
【0010】
センサデバイス10は、環境中で測定を行いたい箇所に設置された小型のデバイスである。この例では、太陽電池等の発電素子11を各センサデバイス10に設けることにより、電源を確保することができない箇所にも各センサデバイス10を設置できるようにする。
【0011】
また、各センサデバイス10は、発電素子11の他に、蓄電素子12、電源制御回路13、RF(Radio Frequency)モジュール14、制御マイコン15、及びセンサモジュール16を備える。
【0012】
このうち、蓄電素子12は、例えば、発電素子11の電力を蓄電するためのリチウムイオン電池等の二次電池や、スーパキャパシタ等の容量素子である。また、電源制御回路13は、蓄電素子12の電力をセンサデバイス10の各部に供給したり、発電素子11の電力で蓄電素子12を蓄電したりする制御回路である。例えば、夜間等のように発電素子11の発電量が少ない場合には、電源制御回路13は、蓄電素子12に蓄えられている電力をRFモジュール14、制御マイコン15、及びセンサモジュール16の各部に供給する。一方、日中のように発電素子11の発電量が多い場合には、電源制御回路13は、RFモジュール14、制御マイコン15、及びセンサモジュール16の各部に発電素子11の電力を供給しつつ、その電力で蓄電素子12を充電する。
【0013】
RFモジュール14は、センサモジュール16の各センサ16a~16cの測定データを無線で送信する回路である。また、制御マイコン15は、センサデバイス10の各部を制御するプロセッサである。例えば、制御マイコン15は、RFモジュール14が無線送信を行う送信タイミングや、センサモジュール16におけるセンシング間隔等を制御する。
【0014】
また、センサモジュール16は、複数種類のセンサ16a~16cを備えたユニットである。各センサ16a~16cの種類としては、例えば温度センサ、湿度センサ、照度センサ、CO2センサ、気圧センサ、紫外線強度センサ、赤外線センサ、振動センサ、加速度センサ、及び風速センサ等がある。
【0015】
この例では、各センサ16a~16cの種類はセンサシステム1の使用用途によって予め固定されているものとする。
【0016】
ゲートウェイ装置20は、各センサデバイス10から無線送信されたセンサ16a~16cの測定データを収集するネットワーク装置である。この例では、インターネット等のネットワーク21を介してゲートウェイ装置20に管理サーバ22を接続し、その管理サーバ22がセンサ16a~16cの測定データを管理する。
【0017】
このようなセンサシステム1においては、前述のようにセンサモジュール16の各センサ16a~16cの種類を予め固定している。これにより、各センサ16a~16cの消費電力を予め予想することができるため、蓄電素子12の残量が過度に減らないように各センサのセンシング間隔を決定でき、安定した電力のもとでセンサシステム1を継続的に運用できる。
【0018】
しかしながら、センサシステム1の使用目的によっては、運用の途中で各センサ16a~16cを異種のセンサに交換したい場合がある。
【0019】
例えば、農場施設においては、入口付近で炭酸ガス(CO2)濃度の変化が大きいため、その変化を監視するためにCO2センサを入口付近に設けるのが好ましい。また、農場施設の空調設備の近傍では温度変化を監視するための温度センサを設け、遮光カーテンで覆われる部分においては日射量を監視するための照度センサを設けるのが好ましい。更に、植物の生育高さを計測するために、高低差を判別できる気圧センサを設けるのも好ましい。
【0020】
このように、農場施設という同じフィールドにおいても、センサデバイス10の設置場所ごとにセンサ16a~16cの種類を変えるのが好ましい場合がある。そのような場合に、設置場所ごとにセンサ16a~16cの種類が異なるセンサデバイス10を開発したのでは、開発に必要なTAT(Turn Around Time)の長期化やコスト増を招いてしまう。
【0021】
そこで、この場合には以下のようにフィールドでセンサ16a~16cを交換できるようにするのが好ましい。
【0022】
図2は、検討に使用した別のセンサデバイス10の構成図である。なお、
図2において、
図1で説明したのと同じ要素には同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0023】
図2に示すように、このセンサデバイス10は、電源制御回路13と制御マイコン15の各々に接続された第1のコネクタ25を有する。そして、各センサ16a~16cの各々には、第1のコネクタ25に着脱自在な第2のコネクタ26が設けられる。この場合、センサデバイス10は、I2C(Inter Integrated Circuit)等の通信規格によって各センサ16a~16cの測定データを読み出すことになる。
【0024】
このようなセンサデバイス10によれば、各センサ16a~16cを第1のコネクタ25に着脱自在としたため、複数のセンサデバイス10ごとに各センサ16a~16cの種類を簡単に変えることができる。更に、センサシステム1の運用途中で各センサ16a~16cを交換することも可能となる。
【0025】
しかしながら、各センサ16a~16cの消費電力はその種類によって異なるため、消費電力が大きなセンサが取り付けられた場合には蓄電素子12の残量や発電素子11の発電量が不足してしまう。例えば、CO2センサや風速センサは他のセンサと比較して消費電力が大きいため、これらのセンサが取り付けられるとセンサデバイス10の電力が不安定になってしまう。
【0026】
更に、センサシステム1を管理するためには管理者が各センサ16a~16cの種類を知っておくのが好ましいが、管理者とは別の作業者が各センサ16a~16cの交換作業をすることがある。その場合には、各センサ16a~16cの存否やその種類を確認するための探索を制御マイコン15が実行し、その実行結果をゲートウェイ装置20に通知することで、管理者が16a~16cの種類を管理できる。
【0027】
しかし、各センサ16a~16cの交換時期は予測することができないため、制御マイコン15が常に探索をしなければならず、探索に要する電力によって更に蓄電素子12の残量が減ってしまうという問題が生じる。
【0028】
以下に、センサを着脱自在とした場合であっても安定した電力のもとでセンサシステムを運用することが可能な各実施形態について説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図3は、本実施形態に係るセンサデバイスのハードウェア構成図である。
このセンサデバイス30は、環境中の温度や湿度等を測定するデバイスであって、発電素子31、蓄電素子32、電源制御回路33、無線部34、制御マイコン35、及びメモリ36を備える。
【0030】
このうち、発電素子31は、センサデバイス30の各部を駆動する電力を生成するエネルギハーベスト素子である。この例では、発電素子31として太陽電池を使用する。なお、振動発電素子や熱電変換素子を発電素子31として設けてもよい。
【0031】
また、この例では、蓄電素子32として発電素子31の電力を蓄電するためのリチウムイオン電池等の電池を用いる。なお、スーパキャパシタ等の容量素子を蓄電素子32として設けてもよい。そして、電源制御回路33は、発電素子31の電力で蓄電素子32を蓄電したり、蓄電素子32の電力をセンサデバイス30の各部に供給したりする回路である。例えば、夜間等のように発電素子31の発電量が少ない場合には、電源制御回路33は、蓄電素子32に蓄えられている電力を無線部34と制御マイコン35の各々に供給する。一方、日中のように発電素子31の発電量が多い場合には、電源制御回路33は、無線部34と制御マイコン35の各々に電力を供給しつつ、その電力で蓄電素子32を充電する。
【0032】
無線部34は、第1の送信部の一例であり、後述の各センサの測定データを無線で送信したり、ゲートウェイ装置から送信された無線を受信したりするRFモジュールである。その無線部34における通信プロトコルは特に限定されないが、この例ではBLE(Bluetooth Low Energy:登録商標)やLoRa等の通信プロトコルを採用する。また、その無線部34には、無線を送受信するためのアンテナ34aが設けられる。
【0033】
制御マイコン35は、センサデバイス30の各部を制御するプロセッサである。例えば、制御マイコン35は、無線部34が無線送信を行う送信タイミングや、各センサのセンシング間隔等を制御する。
【0034】
更に、センサデバイス30には第1の着脱部41と第2の着脱部42とが設けられる。このうち、第1の着脱部41は、第1のセンサモジュール51が着脱される部分であって、デバイス側コネクタ43、電源線44、接地線45、データ信号線46、及び認識信号線47を備える。
【0035】
電源線44は、電源制御回路33の正の出力電圧が印加される配線であり、デバイス側コネクタ43の電源端子43aに接続される。また、接地線45は、接地電位に維持された配線であり、デバイス側コネクタ43の接地端子43bに接続される。
【0036】
そして、データ信号線46は、第1のセンサモジュール51の各センサの測定データが通る配線であり、デバイス側コネクタ43のデータ信号端子43cに接続される。
【0037】
また、認識信号線47は、第1のセンサモジュール51がセンサデバイス30に装着されているかどうかを示す認識信号が通る配線であり、デバイス側コネクタ43の認識信号端子43dに接続される。その認識信号線47には抵抗素子48の一端が接続される。抵抗素子48はプルダウン抵抗であって、その他端が接地電位に維持される。
【0038】
一方、第2の着脱部42は、第2のセンサモジュール52が着脱される部分である。その第2の着脱部42の構成は第1の着脱部41と同様なのでその説明は省略する。
【0039】
なお、第1の着脱部41と第2の着脱部42の各々のデバイス側コネクタ43は、同一の規格に準拠した同じコネクタでもよいし、別の規格に準拠した異なるコネクタでもよい。ここでは、第1の着脱部41のデバイス側コネクタ43としてI2Cバス用のコネクタを使用する。そして、第2の着脱部42のデバイス側コネクタ43としてUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)バス用のコネクタを使用する。
【0040】
第1のセンサモジュール51は、一以上のセンサ53を備えたデバイスであって、センサ側コネクタ54、電源線55、接地線56、データ信号線57、及びジャンパ配線58を備える。
【0041】
このうち、センサ側コネクタ54は、デバイス側コネクタ43に着脱自在なコネクタである。そのセンサ側コネクタ54には、デバイス側コネクタ43の各端子に対応して、電源端子54a、接地端子54b、データ信号端子54c、及び認識信号端子54dが設けられる。
【0042】
一方、電源線55は、電源線44の直流電圧を各センサ53の正極に供給するための配線であり、センサ側コネクタ54の電源端子54aに接続される。また、接地線56は、接地電位を各センサ53の負極に供給するための配線であり、センサ側コネクタ54の接地端子54bに接続される。そして、データ信号線57は、センサ53の測定データを出力するための配線であり、センサ側コネクタ54のデータ信号端子54cに接続される。
【0043】
更に、ジャンパ配線58は、電源線55と認識信号線47とを接続するための配線であり、その一端が電源線55に接続され、他端が認識信号端子54dに接続される。
【0044】
この例では、センサ側コネクタ54をデバイス側コネクタ43に装着すると、ジャンパ配線58を介して電源線44と認識信号線47とが電気的に接続される。これにより、認識信号線47の電位が電源線55の正の直流電圧にプルアップされてハイレベルになる。これとは逆に、センサ側コネクタ54をデバイス側コネクタ43から取り外すと、抵抗素子48を介して認識信号線47が接地されるため、認識信号線47の電位がローレベルにプルダウンされる。
【0045】
本実施形態ではこの認識信号線47の電位を認識信号SRAとして利用する。これによれば、認識信号SRAの電位を監視しておき、その電位がハイレベルのときにはセンサデバイス30に第1のセンサモジュール51が装着されていると判断できる。また、これとは逆に、認識信号SRAの電位がローレベルのときにはセンサデバイス30から第1のセンサモジュール51が取り外されていると判断できる。
【0046】
これにより、第1のセンサモジュール51がセンサデバイス30に装着されているかどうかを把握するためにセンサデバイス30が常に探索を行う必要がなくなり、センサデバイス30の低消費電力化を図ることができる。
【0047】
なお、認識信号SRAがハイレベルかローレベルかを判断するには、制御マイコン35に内蔵されているアナログコンパレータやGPIO(General Pupose Input Output)を使用すればよい。これらを使用する場合の消費電力は数μA程度と非常に低いため、センサデバイス30の更なる低消費電力化を実現できる。
【0048】
一方、センサ53は、センサデバイス30が設置された環境中の様々な測定データを取得する素子である。センサ53の種類は特に限定されない。以下では、第1のセンサモジュール51が、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、気圧センサ、紫外線強度線センサ、赤外線センサ、及び加速度センサのいずれかのセンサ53を有している場合を例にして説明をする。
【0049】
なお、第1のセンサモジュール51のセンサ53の個数や種類は可変であり、運用途中でセンサ53の個数や種類を変えてもよい。これについては第2のセンサモジュール52でも同様である。
【0050】
その第2のセンサモジュール52のハードウェア構成は、第1のセンサモジュール51と同様であるためその説明は省略する。第2のセンサモジュール52のセンサ53も特に限定されないが、ここではCO2センサと風速センサの二つのセンサ53を第2のセンサモジュール52が有している場合を例にして説明をする。
【0051】
以下では、第1のセンサモジュール51が備える各センサ53をAグループと呼び、第2のセンサモジュール52が備える各センサ53をBグループと呼ぶ。
図3においては、AグループとBグループのそれぞれに搭載可能な全てのセンサのラインアップを併記してある。
【0052】
また、この例では、前述のように第1のセンサモジュール51における認識信号線47の電位を認識信号SRAとして使用し、第2のセンサモジュール52における認識信号線47の電位を認識信号SRBとして使用する。
【0053】
第1のセンサモジュール51に現に搭載されているセンサ53をリスト化しておくと、測定データを読み出す対象となるセンサ53をセンサデバイス30が特定できる。そこで、この例では、AグループとBグループのそれぞれに属するセンサ53のリスト39をメモリ36に格納する。
【0054】
図4は、そのリスト39の模式図である。
図4に示すように、リスト39は、Aグループのセンサリスト39aと、Bグループのセンサリスト39bとを有する。Aグループのセンサリスト39aは、Aグループ(第1のセンサモジュール51)に属するセンサ53のリストである。そして、Bグループのセンサリスト39bは、Bグループ(第2のセンサモジュール52)に属するセンサ53のリストである。
【0055】
ここでは、Aグループのセンサリスト39aにあるセンサ53に識別子A-1、A-2、…A-7を付し、これらの識別子で複数のセンサ53の各々を識別する。同様に、Bグループのセンサリスト39bにあるセンサ53に識別子B-1、B-2を付し、これらの識別子で複数のセンサ53の各々を識別する。なお、このリスト39の更新方法等については後述する。
【0056】
再び
図3を参照する。
メモリ36は、記憶部の一例であって、各センサ53のデバイスドライバとリスト39とを記憶したDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリである。なお、SRAM(Static Random Access Memory)やフラッシュメモリをメモリ36として設けてもよい。また、この例では制御マイコン35の外部デバイスとしてメモリ36を設けたが、メモリ36を制御マイコン35に内蔵してもよい。
【0057】
更に、メモリ36は、センサデバイス30の各部を制御する制御プログラムを制御マイコン35と協働して実行することにより以下の各機能を実現する。
【0058】
図5は、制御マイコン35の機能構成図である。
図5に示すように、制御マイコン35は、認識部61、探索部62、リスト作成部63、読出部64、パケット作成部65、及び制御部66を備える。
【0059】
このうち、認識部61は、認識信号SRA、SRBの電位がハイレベルかローレベルであるかを認識する機能ユニットである。そして、認識部61は、認識信号SRAがハイレベルのときに第1のセンサモジュール51が装着されていると認識し、認識信号SRAがローレベルのときに第1のセンサモジュール51が装着されていないと認識する。同様に、認識部61は、認識信号SRBがハイレベルのときに第2のセンサモジュール52が装着されていると認識し、認識信号SRBがローレベルのときに第2のセンサモジュール52が装着されていないと認識する。
【0060】
探索部62は、第1のセンサモジュール51におけるセンサ53を探索し、センサ53の存否やその種類を把握する。例えば、探索部62は、各センサ53にスキャン信号を送信し、そのスキャン信号に対する応答がセンサ53から返ってきた場合に当該センサ53が存在すると判断する。また、その応答にはセンサ53の種類を識別する識別子が含まれているため、その識別子に基づいて探索部62はセンサ53の種類を把握することができる。
【0061】
リスト作成部63は、リスト39(
図4参照)を作成したり、探索部62が行った探索の結果に基づいてリスト39を更新したりする。例えば、リスト作成部63は、探索で発見されなかったセンサ53をリスト39から削除することによりリスト39を更新する。
【0062】
そして、読出部64は、リスト39にあるセンサ53から測定データを読み出す機能ユニットである。また、パケット作成部65は、センサ53から読み出した測定データを含む送信パケットを作成する機能ユニットである。その送信パケットは、無線部34のアンテナ34aから外部に無線送信されることになる。
更に、制御部66は、センサデバイス30の各部を制御する機能ユニットである。
次に、このセンサデバイス30を備えたセンサシステムについて説明する。
【0063】
図6は、本実施形態に係るセンサシステムのシステム構成図である。
このセンサシステム70は、環境中の複数の箇所における温度や湿度等を測定するシステムであって、複数のセンサデバイス30とゲートウェイ装置71とを備える。
【0064】
ゲートウェイ装置71は、各センサデバイス30から無線送信されるセンサ53(
図3参照)の測定データを収集するネットワーク装置である。本実施形態では、インターネット等のネットワーク72を介してゲートウェイ装置71に管理サーバ73を接続し、その管理サーバ73が各センサデバイス30の測定データを管理する。
【0065】
次に、このセンサシステム70におけるセンサデバイス30の制御方法について説明する。
【0066】
図7は、本実施形態に係るセンサデバイス30の制御方法を示すフローチャートである。
【0067】
まず、ステップS1において、制御部66が各種の初期設定を行う。その初期設定により、センサ53のセンシング間隔や、無線の送信間隔の基準となるタイマがリセットされる。また、各種のフラグも初期設定により初期化される。そのようなフラグとしては、センサデバイス30に第1のセンサモジュール51が装着されていることを認識部61が既に認識済であることを示すフラグAがあり、そのフラグAが0に初期化される。また、センサデバイス30に第2のセンサモジュール52が装着されていることを認識部61が既に認識済であることを示すフラグBも0に初期化される。
【0068】
更に、この初期設定ではリスト39の内容も初期化される。リスト39の初期化については後述する。
【0069】
次に、ステップS2に移り、制御部66が、センサ53が測定データを取得するセンシング時期が到来したかどうかを判断する。センシング時期は特に限定されず、例えば30秒程度の間隔でセンシング時期が到来するようにしてもよい。ここで、NOと判断された場合にはステップS2を繰り返す。
【0070】
一方、YESと判断された場合には、ステップS3とステップS13に移る。なお、ステップS3とステップS13は並行して実行可能であるが、以下ではまずステップS3について説明する。
【0071】
そのステップS3においては、認識部61が、認識信号SRAがハイレベルかどうかを判断し、センサデバイス30に第1のセンサモジュール51が装着されているかどうかを判断する。
【0072】
ここでNOと判断された場合にはステップS11に移り、リスト作成部63が、リスト39のうちAグループのセンサリスト39aを初期化する。その初期化により、Aグループに搭載可能な全てのセンサ53がセンサリスト39aに追加されることになる。
【0073】
そして、ステップS12に移り、制御部66がフラグAを0に初期化する。この後は、後述のステップS9を行う。
【0074】
一方、ステップS3においてYESと判断された場合には、センサデバイス30に第1のセンサモジュール51が装着されているということになる。この場合には、ステップS4に移り、制御部66がフラグAが0であるかを判断する。
【0075】
ここで、YESと判断された場合には、センサデバイス30に第1のセンサモジュール51が装着されていることを認識部61が今回初めて認識したということになる。
【0076】
よって、この場合にはステップS5に移り、探索部62が第1のセンサモジュール51のグループAに属するセンサ53を探索する。
【0077】
次に、ステップS6に移り、リスト作成部63が、探索結果に基づいてリスト39におけるAグループのセンサリスト39aを更新する。
【0078】
ここで、前述のステップS4でNOと判断された場合には、第1のセンサモジュール51がセンサデバイス30に装着されていることを認識部61が認識している状態が、前回の実行時から継続していることになる。よって、この場合には上記のステップS5とステップS6とをスキップする。これにより、ステップS5でセンサ53を探索するのに要する電力を削減でき、センサデバイス30の消費電力を抑制することができる。同様に、ステップS6でリスト39を更新しないことにより、リスト39の更新に要する電力も削減することができる。
【0079】
次に、ステップS7に移り、読出部64が、更新されたセンサリスト39aにあるセンサ53から測定データを読み出す。
【0080】
その後に、ステップS8に移り、認識信号SRAがハイレベルとなっていることを認識部61が認識済であることを示すために、制御部66がフラグAに1をセットする。
【0081】
次に、ステップS9に移り、パケット作成部65が、ステップS7で読み出したAグループのセンサ53の測定データを含むパケットを作成する。
【0082】
そして、ステップS10に移り、制御部66の制御下で無線部34がそのパケットを無線でゲートウェイ装置71に送信する。
次に、ステップS2からステップS13に移った場合の処理について説明する。
【0083】
まず、ステップS13において、認識部61が、認識信号SRBがハイレベルかどうかを判断し、センサデバイス30に第2のセンサモジュール52がされているかどうかを判断する。
【0084】
ここでNOと判断された場合にはステップS19に移り、リスト作成部63が、リスト39のうちBグループのセンサリスト39bにあるセンサを初期化する。その初期化により、Bグループに搭載可能な全てのセンサ53がセンサリスト39bに追加されることになる。
【0085】
そして、ステップS20に移り、制御部66がフラグBを0に初期化する。この後は、前述のステップS9を行う。
【0086】
一方、ステップS13においてYESと判断された場合には、センサデバイス30に第2のセンサモジュール52が装着されているということになる。この場合には、ステップS14に移り、制御部66がフラグBが0であるかを判断する。
【0087】
ここで、YESと判断された場合には、認識信号SRBがハイレベルであることを認識部61が今回初めて認識したということになる。
【0088】
よって、この場合にはステップS15に移り、探索部62が第2のセンサモジュール52のBグループに属するセンサ53を探索する。
【0089】
次に、ステップS16に移り、リスト作成部63が、探索結果に基づいてリスト39におけるBグループのセンサリスト39bを更新する。
【0090】
ここで、前述のステップS14でNOと判断された場合には、上記のステップS15とステップS16とをスキップする。これにより、ステップS15でセンサ53を探索するのに要する電力を削減でき、センサデバイス30の消費電力を抑制することができる。また、ステップS16でリスト39を更新しないことにより、リスト39の更新に要する電力も削減することができる。
【0091】
次に、ステップS17に移り、読出部64が、更新されたセンサリスト39bにあるセンサ53から測定データを読み出す。
【0092】
その後に、ステップS18に移り、認識信号SRBがハイレベルであることを認識部61が認識済であることを示すために、制御部66がフラグBに1をセットする。
【0093】
この後は、前述のステップS9を行うことにより、パケット作成部65が、ステップS17で読み出したBグループのセンサ53の測定データを含むパケットを作成する。
【0094】
そして、前述のステップS10に移り、制御部66の制御下で無線部34がそのパケットを無線でゲートウェイ装置71に送信する。
【0095】
以上により、本実施形態に係るセンサデバイス30の制御方法の基本ステップを終了する。
【0096】
上記した制御方法によれば、第1のセンサモジュール51が装着されていることを認識部3が認識しているときにセンサ53の探索を行い(ステップS5)、探索結果を反映したリスト39を作成する(ステップS6)。これにより、センサモジュール51が取り外されているときに無駄な探索を行わないようになるため、消費電力を抑えてリストを作成できると共に、センサデバイス30の消費電力を抑制できる。
【0097】
更に、ステップS3でNOと判断された場合には、ステップS7で各センサ53から測定データの読み出しも行わない。これにより、センサ53が装着されていないときに無駄な読み出しを行うのを防止できると共に、読み出しに必要な消費電力を削減でき、センサデバイス30の更なる低消費電力化を実現できる。
【0098】
同様に、第2のセンサモジュール52が装着されていることを認識部61が認識していない場合にも、ステップS17でセンサ53から測定データの読み出しを行わないため、センサデバイス30の低消費電力化を実現できる。
【0099】
次に、
図7のフローチャートに従って処理を行った場合にリスト39の内容がどのように変化するのかについて説明する。
【0100】
図8は、本実施形態に係る制御方法を行ったときのリスト39の内容の変遷について模式的に示す図である。なお、この例では、第1のセンサモジュール51がセンサデバイス30に装着されており、認識信号SRAがハイレベルになっている場合を想定している。また、第2のセンサモジュール52はセンサデバイス30に装着されておらず、認識信号SRBはローレベルとなっているものとする。
【0101】
まず、ステップS1の初期設定を行うことにより、リスト39の内容が初期化される。その初期化では、グループAに搭載可能な全てのセンサ53がセンサリスト39aにリストアップされ、かつ、グループBで搭載可能な全てのセンサ53がセンサリスト39bにリストアップされる。
【0102】
また、前述のように認識信号SRBがローレベルであるため、ステップS19においてBグループのセンサリスト39bが初期化される。
【0103】
次に、ステップS5において第1のセンサモジュール51のグループAに属するセンサ53を探索部62が探索する。ここでは、その探索によってA-5の紫外線強度センサとA-6の赤外線センサが発見できなかったものとする。
【0104】
この場合にステップS6でリスト39を更新すると、A-5の紫外線強度センサとA-6の赤外線センサがセンサリスト39aから削除されることになる。
【0105】
この後は、ステップS7において、更新後のセンサリスト39aにあるA-1、A-2、A-3、A-4、及びA-7の各センサ53の測定データを読み出すことになる。
【0106】
これによれば、作業者が各センサモジュール51、52の着脱を自由に行っても、現状のリスト39がリアルタイムに更新され、更新後のセンサリスト39aにあるセンサ53のみから測定データが読み出される。その結果、第1のセンサモジュール51に存在しないセンサ53への不要なアクセスがなくなり、センサデバイス30の省電力化が図れる。特に、センサデバイス30は、電力が不安定なエネルギハーベスト用の発電素子31を利用しているため、このように消費電力化が図れることで長期間にわたり安定的にセンサデバイス30を運用することができる。
【0107】
次に、パケット作成部65(
図5参照)が作成する送信パケットのフォーマットについて説明する。
【0108】
図9は、送信パケット75のフォーマットについて説明するための模式図である。
図9に示すように、送信パケット75は、データ識別フィールド75a、機器情報フィールド75b、カウント値フィールド75c、認識信号フィールド75d、及びデータフィールド75eの各フィールドを有する。
【0109】
データ識別フィールド75aは、この送信パケット75に含まれる情報がセンサ53の測定データと運用情報のどちらであるかを識別する1ビットのフィールドである。例えば、送信パケット75に測定データが含まれる場合には、パケット作成部65によってデータ識別フィールド75aに「0」がセットされる。また、送信パケット75に運用情報が含まれる場合には、パケット作成部65によってデータ識別フィールド75aに「1」がセットされる。なお、運用情報には、例えば、発電素子31の発電量を示す発電情報や、蓄電素子32の残量を示す残量情報等が含まれる。
【0110】
また、機器情報フィールド75bは、複数のセンサデバイス30の各々を識別する識別子が格納されるフィールドである。その識別子に基づいて、ゲートウェイ装置71が送信パケット75の送信元を特定する。
【0111】
カウント値フィールド75cは、送信パケット75の送信回数等が格納されるフィールドである。
【0112】
そして、認識信号フィールド75dは、第1のセンサモジュール51と第2のセンサモジュール52の各々がセンサデバイス30に装着されているかどうかを示すフィールドである。その認識信号フィールド75dのビット数は、センサデバイス30に装着可能なセンサモジュール51、52の最大個数に等しく、各ビットにセンサモジュール51、52が割り当てられる。
【0113】
この例のようにセンサデバイス30に装着可能なセンサモジュール51、52の最大個数が2個の場合には、認識信号フィールド75dのビット数は2となる。そして、認識信号SRAがハイレベルの場合には認識信号フィールド75dの下位1ビットに「1」がセットされ、認識信号SRAがローレベルの場合には当該ビットに「0」にセットされる。
【0114】
同様に、認識信号SRBがハイレベルの場合には認識信号フィールド75dの上位1ビットに「1」がセットされ、認識信号SRBがローレベルの場合には当該ビットに「0」がセットされる。
【0115】
データフィールド75eは、センサ53の測定データが格納されるフィールドであり、センサ識別フィールド75fとセンサデータフィールド75gとを有する。
【0116】
センサ識別フィールド75fは、後続のセンサデータフィールド75gに対応するセンサ53を識別する識別子が格納されるフィールドである。そして、センサデータフィールド75gには、その識別子で識別されるセンサ53の測定データが格納される。
【0117】
図9では、
図8の例と同様に、センサデバイス30に第1のセンサモジュール51のみが装着されており、A-1、A-2、A-3、A-4、A-7の各センサ53が第1のセンサモジュール51にある場合を例示している。
【0118】
このようにセンサ53の識別子とその測定データとを送信パケット75に包含させることで、その送信パケット75を受信したゲートウェイ装置71が各センサ53とその測定データとを対応付けて管理することができる。
【0119】
(第2実施形態)
第1実施形態では、リスト39の更新をセンサデバイス30が行ったが、本実施形態ではその更新作業をゲートウェイ装置が行う。
<システム構成>
図10は、本実施形態に係るセンサシステム80のシステム構成図である。
【0120】
このセンサシステム80は、複数のセンサデバイス30、ゲートウェイ装置90、及び端末120を有する。
【0121】
このうち、センサデバイス30は、第1実施形態の
図3のハードウェア構成を有するデバイスである。なお、センサデバイス30が備える制御マイコン35の構成は、
図3や
図5で説明したのと同様であるため、その説明は省略する。
【0122】
一方、ゲートウェイ装置90は、各センサデバイス30から無線送信されるセンサ53の測定データを収集したり、各センサデバイス30に各種の指示を行ったりするネットワーク装置である。本実施形態では、インターネット等のネットワーク95を介してゲートウェイ装置90に管理サーバ96を接続し、その管理サーバ96が各センサデバイス30の測定データを管理する。
【0123】
また、端末120は、作業者が操作するスマートフォンやタブレット端末等の可搬型の情報処理装置である。
【0124】
<ゲートウェイ装置の構成>
図11は、ゲートウェイ装置90のハードウェア構成図である。
このゲートウェイ装置90は、各センサデバイス30を管理する管理プログラムを実行するネットワーク装置であり、記憶部97、メモリ98、プロセッサ99、無線部100、及びネットワークインターフェース101を備える。これらの各部はバス102によって相互に接続される。
【0125】
このうち、記憶部97は、ROM(Read Only Memory)等の二次記憶装置であり、管理プログラム103、センサライブラリ104、及びデバイスドライバライブラリ105を記憶する。
【0126】
管理プログラム103は、複数のセンサデバイス30の各々を管理するためのプログラムである。また、センサライブラリ104は、第1のセンサモジュール51や第2のセンサモジュール52に搭載可能な全てのセンサ53の種類を網羅したリストである。また、デバイスドライバライブラリ105は、これら全てのセンサ53のデバイスドライバが格納されたライブラリである。
【0127】
一方、メモリ98は、DRAM等のようにデータを一時的に記憶するハードウェアであって、その上に前述の管理プログラム103が展開される。
【0128】
プロセッサ99は、自装置の各部を制御したり、メモリ98と協働して管理プログラム103を実行したりするCPU等のハードウェアである。
【0129】
無線部100は、各センサデバイス30から送信された送信パケット75(
図9参照)を受信したり、各センサデバイス30に各種の指示を無線で送信したりするRFモジュールである。第1実施形態と同様に、各センサデバイス30とゲートウェイ装置90との間の無線通信のプロトコルとしてはBLEやLoRa等がある。更に、その無線部100には、無線を送受信するためのアンテナ100aが設けられる。
【0130】
ネットワークインターフェース101は、ゲートウェイ装置90をネットワーク95に接続するためのインターフェースである。
次に、本実施形態に係るゲートウェイ装置90の機能構成について説明する。
図12は、ゲートウェイ装置90の機能構成図である。
【0131】
図12に示すように、ゲートウェイ装置90は、通知部110、指示部111、及び決定部112を備える。これらの各部は、メモリ98とプロセッサ99が協働して管理プログラム103を実行することにより実現される。
【0132】
このうち、通知部110は、送信パケット75(
図9参照)の認識信号フィールド75dに変化があるかを検知する。そして、変化があった場合には、通知部110は、センサモジュール51、52に設けられているセンサ53の種類を送信するように依頼する送信依頼を端末120に通知する。
【0133】
そして、指示部111は、リスト39を更新するようにリスト作成部63(
図5参照)に指示をする機能ユニットである。また、決定部112は、センサ53から測定データを読み出すセンシング間隔を決定する機能ユニットである。
【0134】
<端末の構成>
図13は、本実施形態に係る端末120のハードウェア構成図である。
図13に示すように、端末120は、記憶部121、メモリ122、プロセッサ123、入力部124、表示部125、及び無線部126を備える。これらの各部はバス127によって相互に接続される。
【0135】
このうち、記憶部121は、ROM等の二次記憶装置であり、本実施形態に係る端末制御プログラム128を記憶する。
【0136】
メモリ122は、DRAM等のようにデータを一時的に記憶するハードウェアであって、その上に端末制御プログラム128が展開される。
【0137】
プロセッサ123は、メモリ122と協働して端末制御プログラム128を実行するCPU等のハードウェアである。このように端末制御プログラム128を実行することにより、入力部124や無線部126等の各部の動作が制御されることになる。
【0138】
入力部124は、作業者の入力操作を受け付けるタッチパネルやキーボード等の入力デバイスである。そして、表示部125は、作業者に対して各種の情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
【0139】
更に、無線部126は、第2の送信部の一例であり、ゲートウェイ装置90と端末120とを無線LAN(Local Area Network)で接続するRFモジュールである。なお、その無線部126には、無線を送受信するためのアンテナ126aが設けられる。
【0140】
<管理方法>
次に、本実施形態に係るセンサデバイス30の管理方法について説明する。
図14は、本実施形態に係る管理方法について示すシーケンス図である。
以下では、作業者Uがセンサデバイス30に第1のセンサモジュール51を取り付ける場合を例にして説明する。
【0141】
まず、ステップS30において、作業者Uが、センサデバイス30に第1のセンサモジュール51を装着する。
【0142】
これにより、ステップS31において、認識信号SRAがローレベルからハイレベルに変化することになる。なお、センサデバイス30から第1のセンサモジュールを取り外した場合には、認識信号SRAがハイレベルからローレベルに変化する。
【0143】
その結果、ステップS32において、送信パケット75(
図9参照)の認識信号フィールド75dの情報が変化する。センサデバイス30に第1のセンサモジュール51を装着した場合には、認識信号フィールド75dのうち、第1のセンサモジュール51に対応するビットが「0」から「1」に変化する。これとは逆に、センサデバイス30から第1のセンサモジュール51を取り外した場合には、当該ビットが「1」から「0」に変化することになる。
【0144】
このようなビットの変化を受けて、ステップS33において、通知部110が、端末120に送信依頼を通知する。送信依頼の内容は、センサデバイス30に第1のセンサモジュール51が装着された場合と取り外された場合とで異なる。例えば、第1のセンサモジュール51が装着された場合には、通知部110は、その送信依頼において、第1のセンサモジュール51に設けられているセンサ53の種類を送信するように依頼する。一方、第1のセンサモジュール51が取り外された場合には、通知部110は、その送信依頼において、取り外されたセンサ53の種類を送信するように依頼する。
【0145】
次に、ステップS34に移り、端末120の入力部124が、作業者に各種の情報の入力を要求する。例えば、第1のセンサモジュール51が装着された場合には、入力部124は、その第1のセンサモジュール51に設けられているセンサ53の種類の入力を作業者Uに要求する。一方、第1のセンサモジュール51が取り外された場合には、入力部124は、取り外したセンサ53の種類を入力するように作業者Uに要求する。
【0146】
次に、ステップS35に移り、作業者Uが、センサ53の種類を入力部124に入力する。
【0147】
続いて、ステップS36に移り、端末120の無線部126が、ステップS33の送信依頼に対する応答をゲートウェイ装置90に返す。例えば、無線部126は、作業者Uが入力したセンサ53の種類をその応答としてゲートウェイ装置90に返す。
【0148】
次に、ステップS37に移り、ゲートウェイ装置90が各種の処理を行う。その処理としては、例えば、第1のセンサモジュール51に設けられたセンサ53が登録済であるかどうかを認証する処理が含まれる。
【0149】
また、第1のセンサモジュール51が装着された場合には、デバイスドライバライブラリ105のうち、第1のセンサモジュール51のセンサ53のデバイスドライバに対応するものを特定する処理も本ステップで行われる。
【0150】
次いで、ステップS38に移り、ゲートウェイ装置90の決定部112が、センサ53から測定データを読み出すセンシング間隔Tを決定する決定処理を行う。
【0151】
次に、ステップS39に移り、指示部111が、ステップS36の応答内容を基にして、リスト作成部63に対してリスト39を更新するように指示する。例えば、第1のセンサモジュール51が新たに装着された場合には、指示部111は、その第1のセンサモジュール51に含まれるセンサ53をリスト39に追加するようにリスト作成部63(
図5参照)に指示する。これと共に、指示部111は、センサ53のデバイスドライバをセンサデバイス30に送信する。
【0152】
一方、第1のセンサモジュール51が取り外された場合には、指示部111は、第1のセンサモジュール51に設けられていたセンサ53をリスト39から削除するようにリスト作成部63(
図5参照)に指示する。
【0153】
次に、ステップS40に移り、指示部111が、リスト39にあるセンサ53から測定データを読み出すセンシング間隔を、ステップS38で決定した間隔Tに変更するように読出部64に指示する。
【0154】
この後は、そのセンシング間隔Tで読出部64が各センサ53から測定データを読み出すと共に、各センサ53の測定データや運用情報を含む送信パケット75(
図9参照)を無線部34がセンシング間隔Tで無線送信する。
【0155】
以上により、本実施形態に係るセンサデバイス30の管理方法の基本ステップを終了する。
【0156】
上記した本実施形態によれば、ステップS39において、ゲートウェイ装置90がセンサデバイス30にリスト39を更新するように指示する。各センサモジュール51、52に搭載可能なセンサ53の数が50個や100個を超えると、
図8のステップS1の初期設定でリスト39に登録するセンサの数も増え、センサデバイス30のメモリ使用量が増えてしまう。これに対し、本実施形態のようにゲートウェイ装置90がセンサデバイス30にリスト39の更新を指示するようにすると、センサデバイス30が全てのセンサ53のリスト39を保持する必要がなくなる。これにより、センサデバイス30のメモリ使用量を抑えることができる。
【0157】
また、本実施形態では、ステップS39においてゲートウェイ装置90がセンサデバイス30にセンサ53のデバイスドライバを送信する。そのため、各センサモジュール51、52に搭載可能なセンサ53の全てのデバイスドライバをセンサデバイス30が保持する必要がなくなり、センサデバイス30のメモリ使用量を更に抑えることができる。
【0158】
ところで、前述のステップS38ではゲートウェイ装置90がセンシング間隔を決定したが、そのセンシング間隔が短すぎると各センサ53へのアクセスが頻繁に発生し、センサデバイス30の消費電力が増加してしまう。
【0159】
そのため、センシング間隔は、発電素子31の発電電流や蓄電素子32の残量等を加味しながら、センサデバイス30における消費電力が安定するように決定されるのが好ましい。そこで、発電素子31の発電電流と、蓄電素子32の残量について説明する。
【0160】
図15(a)は、センサデバイス30が置かれている環境の照度と、発電素子31の発電電流との関係を示す模式図である。
【0161】
図15(a)に示すように、照度と発電電流とは略比例しているため、照度から発電電流を推定することができる。そこで、この例では複数のセンサ53(
図3参照)のうちの一つとして照度センサを用い、その照度センサが示す照度に基づいて決定部112が発電素子31の発電電流を推定する。
【0162】
一方、
図15(b)は、蓄電素子32の蓄電電位と残量との関係を示す模式図である。
【0163】
図15(b)に示すように、残量は蓄電電位に対して略線形に増加する。例えば、その蓄電電位が、デバイス動作可能な最小電位を示した時に残量を0%であるとし、最大電位を示した時に残量を100%であるとする。このように設定することで、残量0%と残量100%との間の範囲が、デバイスが動作可能な範囲となる。そこで、この例では蓄電素子32の蓄電電位をセンサデバイス30がモニタし、その値を運用情報としてセンサデバイス30がゲートウェイ装置90に送信する。そして、その蓄電電位と発電電流に基づいて、決定部112がセンシング間隔を決定する。
【0164】
なお、本実施形態のように発電素子31として太陽電池を用いる場合には夜間に発電を行うことができないため、夜間に蓄電素子32の残量が枯渇しないように措置するのが好ましい。これについて
図16を参照して説明する。
【0165】
図16は、発電素子31の発電電流と蓄電素子32の残量の各々の時間変化を示す模式図である。
【0166】
図16に示すように、昼間においては、発電素子31が発電を行うことができるため、蓄電素子32の残量は時間と共に増加する。
【0167】
これに対し、夜間においては、発電素子31が発電を行うことができず、各センサ53等によって電力が消費されるため、蓄電素子32の残量は時間と共に減少する。
【0168】
この場合、例えば夜の終わりで蓄電素子32の残量が枯渇しないようにすることで、昼夜を問わずにセンサデバイス30を安定して駆動することができる。
【0169】
また、センサデバイス30の消費電力は、使用するセンサ53によっても異なる。これについて
図17を参照して説明する。
図17は、センサ53ごとの消費電力を示す模式図である。
【0170】
図17に示すように、風速センサやCO
2センサは、他のセンサと比較して消費電力が大きい。センシング間隔を決定する場合には、このようなセンサ53ごとの消費電力の相違を加味して、蓄電素子32の残量が枯渇しないようにするのが好ましい。
【0171】
図18は、これを加味してゲートウェイ装置90が行うセンシング間隔の決定方法を示すフローチャートである。本実施形態では以下のようにこのフローチャートを定期的に実行することでセンシング間隔を決定する。
【0172】
まず、ステップS50において、前述の認識信号SRAや認識信号SRBが変化した場合に、指示部111(
図12参照)がリスト作成部63(
図5参照)に対してリスト39を更新するように指示する。なお、認識信号SRA、SRBが変化したかどうかは、指示部111が認識信号フィールド75d(
図9参照)を参照することにより判断可能である。
【0173】
次に、ステップS51に移り、発電素子31の発電電流が基準値以上であるかどうかを決定部112が判断する。その基準値は、昼間に発電が行われているかどうかの判断の基準となる値である。例えば、発電電流が基準以上の場合には昼間であり、発電電流が基準値よりも低い場合には夜間であると判断できる。
【0174】
なお、送信パケット75に含まれる情報が運用情報である場合には、発電素子31の発電電流を示す発電情報がその運用情報に含まれる。よって、決定部112は、その発電情報を参照することにより、発電素子31の発電電流が基準値以上であるかどうかを判断できる。また、その発電情報として、前述のようにセンサデバイス30が置かれている環境の照度を採用してもよい。
ここで、YESと判断された場合には、昼間に発電が行われていることになる。
【0175】
よって、この場合には、ステップS52に移り、夜間にセンサデバイス30を駆動する電力を今のうちに蓄電素子32に蓄電するために、決定部112が、蓄電素子32の残量が増えるようにセンシング間隔を決定する。その決定は、発電情報に含まれる発電素子31の発電電流や、センサ53ごとの消費電力の相違(
図17参照)を加味して行われる。そして、指示部111が、センシング間隔を決定後の間隔に変更するようにセンサデバイス30に指示する。
【0176】
これにより、夜間にセンサデバイス30を駆動するのに十分な電力が蓄電素子32に蓄電され、夜間のうちに蓄電素子32の残量が枯渇するのを防止できる。
【0177】
一方、ステップS51においてNOと判断された場合には、センサデバイス30が夜間に運用されていることになる。よって、この場合には、ステップS53に移り、決定部112が、蓄電素子32の残量を加味しつつ、その残量が夜間のうちに枯渇しないようにセンシング間隔を決定する。なお、送信パケット75に含まれる情報が運用情報である場合には、蓄電素子32の残量を示す残量情報がその運用情報に含まれる。よって、決定部112は、その残量情報を参照することによりセンシング間隔を決定できる。なお、残量情報として、
図15(b)のように蓄電電位を採用する。
【0178】
更に、ステップS52と同様に、本ステップにおいても、センサ53ごとの消費電力の相違を加味してセンシング間隔を決定する。そして、指示部111が、センシング間隔を決定後の間隔に変更するようにセンサデバイス30に指示する。
【0179】
上記のようにステップS52やステップS53を行った場合には、ステップS54に移る。ステップS54においては、指示部111が認識信号フィールド75dを参照することにより、前述の認識信号SRAや認識信号SRBが変化したかどうかを判断する。
【0180】
ここでYESと判断された場合には、センサデバイス30のセンサモジュール51、52が着脱された可能性があるため、ステップS50からやり直す。
【0181】
一方、ステップS54でNOと判断された場合には、センサモジュール51、52は着脱されていないため、ステップS50をスキップしてステップS51に戻る。
以上により、センシング間隔の決定方法の基本ステップを終了する。
【0182】
上記したセンシング間隔の決定方法によれば、ステップS52やステップS53において蓄電素子32の残量が枯渇しない間隔にセンシング間隔を決定するため、昼夜を問わずにセンサデバイス30を安定して運用できる。
【0183】
また、ステップS51において、発電電流が基準値以上かどうかを判断することにより、現在の時間帯が昼間と夜間のどちらかを判断できる。これにより、昼間の場合(ステップS52)と夜間の場合(ステップS53)の各々に適したセンシング間隔を決定することができる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0184】
(付記1) 一以上のセンサを備えたセンサモジュールが着脱されるコネクタと、
前記コネクタへの前記センサモジュールの装着を認識する認識部と、
前記センサモジュールの装着が認識された場合に、前記センサモジュールに含まれる前記センサの探索を行う探索部と、
前記探索部によって探索された前記センサのリストを作成する作成部と、
前記リストに含まれる前記センサから測定データを読み出す読出部と、
を有することを特徴とするセンサデバイス。
(付記2) 信号線と、
正電圧が印加された電源線と、
一端が接地され、かつ他端が前記信号線に接続された抵抗素子とを更に有し、
前記コネクタに前記センサモジュールが装着されたときに前記信号線と前記電源線とが電気的に接続されて前記信号線が前記正電圧にプルアップされ、前記コネクタから前記センサモジュールが外されたときに前記信号線が接地電位にプルダウンされ、
前記認識部は、前記信号線が前記正電圧のときに前記センサモジュールの装着を認識し、前記信号線が前記接地電位のときに前記コネクタに前記センサモジュールが装着されていないと認識することを特徴とする付記1に記載のセンサデバイス。
(付記3) 前記探索部は、前記認識部が前記センサモジュールの装着を認識していない場合には、前記探索を行わないことを特徴とする付記1に記載のセンサデバイス。
(付記4) 前記読出部は、前記認識部が前記センサモジュールの装着を認識していない場合には、前記測定データを読み出さないことを特徴とする付記1に記載のセンサデバイス。
(付記5) 前記探索を行った後に、前記認識部が前記センサモジュールの装着を認識している状態が継続しているときには、前記探索部は、新たな前記探索を行わないことを特徴とする付記1に記載のセンサデバイス。
(付記6) 前記センサを識別する識別子と、前記センサから読み出された前記測定データとを無線送信する送信部を更に有することを特徴とする付記1に記載のセンサデバイス。
(付記7) センサデバイス、ゲートウェイ装置、及び端末を備えたセンサシステムであって、
前記センサデバイスは、
一以上のセンサを備えたセンサモジュールが着脱されるコネクタと、
前記センサのリストを作成する作成部と、
前記リストにある前記センサから測定データを読み出す読出部と、
前記センサモジュールが装着されているかどうかを示す情報を前記ゲートウェイ装置に送信する第1の送信部とを有し、
前記ゲートウェイ装置は、
前記情報に変化があったときに、前記センサモジュールに設けられている前記センサの種類を送信するように依頼する送信依頼を前記端末に通知する通知部と、
前記送信依頼に対する応答に基づいて前記リストを更新するように前記作成部に指示する指示部とを有し、
前記端末は、
前記送信依頼を受けたときに、前記センサモジュールに設けられている前記センサの前記種類の入力を作業者に要求する入力部と、
前記入力部に入力された前記センサの前記種類を前記応答として前記ゲートウェイ装置に送信する第2の送信部とを有することを特徴とするセンサシステム。
(付記8) 前記指示部は、前記リストにある前記センサから前記測定データを読み出すセンシング間隔を前記センサデバイスに指示することを特徴とする付記7に記載のセンサシステム。
(付記9) 前記センサデバイスは、
前記センサを駆動する蓄電素子と、
前記蓄電素子を充電する発電素子とを有し、
前記第1の送信部は、前記蓄電素子の残量を示す残量情報と、前記発電素子の発電電流を示す発電情報とを前記ゲートウェイ装置に通知し、
前記指示部は、前記残量情報と前記発電情報とに基づいて、前記センシング間隔を前記蓄電素子の前記残量が枯渇しない間隔に更新するように前記センサデバイスに指示することを特徴とする付記7に記載のセンサシステム。
(付記10) 前記発電素子は太陽電池であり、
前記発電情報は、前記センサデバイスが置かれている環境の照度であることを特徴とする付記9に記載のセンサシステム。
(付記11) 前記残量情報は、前記蓄電素子の蓄電電位であることを特徴とする付記9に記載のセンサシステム。
(付記12) 前記指示部は、
前記発電情報が示す前記発電電流が基準値以上の場合には、前記センシング間隔を、前記蓄電素子の残量が増える間隔に更新するように指示し、
前記発電情報が示す前記発電電流が前記基準値よりも少ない場合には、前記センシング間隔を、前記蓄電素子の前記残量が夜間のうちに枯渇しない間隔に更新するように前記センシングデバイスに指示することを特徴とする付記9に記載のセンサシステム。
【符号の説明】
【0185】
1…センサシステム、10…センサデバイス、11…発電素子、12…蓄電素子、13…電源制御回路、14…RFモジュール、15…制御マイコン、16…センサモジュール、16a~16c…センサ、20…ゲートウェイ装置、21…ネットワーク、22…管理サーバ、25…第1のコネクタ、26…第2のコネクタ、30…センサデバイス、31…発電素子、32…蓄電素子、33…電源制御回路、34…無線部、34a…アンテナ、35…制御マイコン、36…メモリ、39…リスト、39a…センサリスト、39b…センサリスト、41…第1の着脱部、42…第2の着脱部、43…デバイス側コネクタ、43a…電源端子、43b…接地端子、43c…データ信号端子、43d…認識信号端子、44…電源線、45…接地線、46…データ信号線、47…認識信号線、48…抵抗素子、51…第1のセンサモジュール、52…第2のセンサモジュール、53…センサ、54…センサ側コネクタ、54a…電源端子、54b…接地端子、54c…データ信号端子、54d…認識信号端子、55…電源線、56…接地線、57…データ信号線、58…ジャンパ配線、61…認識部、62…探索部、63…リスト作成部、64…読出部、65…パケット作成部、66…制御部、70…センサシステム、71…ゲートウェイ装置、72…ネットワーク、73…管理サーバ、75a…データ識別フィールド、75b…機器情報フィールド、75c…カウント値フィールド、75d…認識信号フィールド、75e…データフィールド、75f…センサ識別フィールド、75g…センサデータフィールド、80…センサシステム、90…ゲートウェイ装置、95…ネットワーク、96…管理サーバ、97…記憶部、98…メモリ、99…プロセッサ、100…無線部、100a…アンテナ、101…ネットワークインターフェース、102…バス、103…管理プログラム、104…センサライブラリ、105…デバイスドライバライブラリ、110…通知部、111…指示部、112…決定部、120…端末、121…記憶部、122…メモリ、123…プロセッサ、124…入力部、125…表示部、126…無線部、126a…アンテナ、127…バス、128…端末制御プログラム。