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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】ガラス板のエッチング方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 15/00 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
C03C15/00 B
C03C15/00 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019141057
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021024747
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100129148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 淳也
(72)【発明者】
【氏名】中堀 宏亮
(72)【発明者】
【氏名】坂出 喜之
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-055889(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179283(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/044757(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 15/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸塩系のガラス板をエッチング液に浸漬してエッチング処理を行うエッチング工程を備え、
前記エッチング液は、アルカリ成分としてキレート剤のアルカリ塩を含み、前記アルカリ塩の濃度は、アルカリ塩換算で、質量%で5%以上とされており、
前記エッチング工程において、複数の前記ガラス板を支持するホルダを前記エッチング液に浸漬し、前記ホルダを回転させるとともに、前記ホルダを超音波発生装置により振動させることを特徴とする、ガラス板のエッチング方法。
【請求項2】
前記エッチング工程では、10℃以上の前記エッチング液に前記ガラス板を浸漬した状態で、前記エッチング液を前記ガラス板の表面と相対的に流動させることにより、前記エッチング処理を行う、請求項1に記載のガラス板のエッチング方法。
【請求項3】
前記エッチング工程における前記エッチング液の温度が15℃以上25℃以下であり、前記エッチング液における前記アルカリ塩の前記濃度が質量%で8%以上18%以下である、請求項1又は2に記載のガラス板のエッチング方法。
【請求項4】
前記エッチング工程における前記エッチング液の温度が15℃以上20℃未満である、請求項1又は2に記載のガラス板のエッチング方法。
【請求項5】
前記ガラス板は、組成として質量%でPを25%以上含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス板のエッチング方法。
【請求項6】
前記エッチング工程において、前記エッチング液を振動させる、請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス板のエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩系のガラス板をエッチングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等においては、CCDやCMOS等の固体撮像素子デバイスが用いられている。これらの固体撮像素子デバイスは、広範囲の受光感度を有しているので、人間の視覚に合わせるため、赤外域の光を除去する必要がある。下記の特許文献1では、赤外域の光を除去するための近赤外線カットフィルタとして、フツリン酸塩系ガラスからなる赤外線吸収ガラス板が開示されている。特許文献1では、両面研磨機を用いた物理研磨などによりガラス板の厚みが薄くされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-168262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、固体撮像素子においては、より一層の小型化が求められている。そのため、固体撮像素子デバイスを構成する赤外線吸収ガラス板においても一層の薄型化が求められる。しかしながら、特許文献1のように物理研磨により薄くする方法では、ガラス板の厚みを薄くしすぎると、ガラス板の割れが生じる場合があった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、ガラス板に割れを発生させることなく当該ガラス板の厚みを薄くすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガラス板のエッチング方法は上記の課題を解決するためのものであり、リン酸塩系のガラス板をエッチング液に浸漬してエッチング処理を行うエッチング工程を備え、前記エッチング液は、アルカリ成分としてキレート剤のアルカリ塩を含み、前記アルカリ塩の濃度は、アルカリ塩換算で、質量%で5%以上とされていることを特徴とする。
【0007】
アルカリ塩の濃度が5%以上とされたエッチング液にガラス板を浸漬させることで、前工程においてガラスに存在していたマイクロクラック等の欠陥が除去される。これにより、物理研磨の場合と比較して、ガラス板に割れを発生させることなく当該ガラス板の厚みを薄くすることが可能になる。また、偏肉が少なく、高い寸法精度を有する薄型ガラス板を形成できる。
【0008】
前記エッチング工程では、10℃以上の前記エッチング液に前記ガラス板を浸漬した状態で、前記エッチング液を前記ガラス板の表面と相対的に流動させることにより、前記エッチング処理を行うことができる。
【0009】
かかる構成によれば、ガラス板の表面に沿ってエッチング液を相対的に流動させることにより、エッチング液を流動させない場合と比較して、ガラス板の表面に対して均一にエッチング処理を行うことができる。
【0010】
前記エッチング工程における前記エッチング液の温度は、15℃以上25℃以下であり、前記エッチング液における前記アルカリ塩の前記濃度は、8%以上18%以下であってもよい。
【0011】
また、前記エッチング工程における前記エッチング液の温度は、15℃以上20℃未満であってもよい。
【0012】
本方法によりエッチング処理される前記ガラス板は、組成として質量%でPを25%以上含むものであってもよい。
【0013】
本発明に係るガラス板のエッチング方法では、前記エッチング工程において、前記エッチング液を振動させてもよい。これにより、ガラス板の表面に対するエッチング液の相対的な流動を促進させることができる。
【0014】
また、前記エッチング工程において、複数の前記ガラス板を支持するホルダを前記エッチング液に浸漬してもよい。これにより、多数のガラス板に対して効率良くエッチング処理を施すことができる。
【0015】
また、前記エッチング工程において、前記エッチング液に浸漬される前記ホルダを振動させてもよい。これにより、ガラス板の表面に対するエッチング液の相対的な流動を促進させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ガラス板に割れを発生させることなく当該ガラス板の厚みを薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】エッチング処理装置の斜視図である。
図2】エッチング処理装置の正面断面図である。
図3】ホルダの正面図である。
図4】ホルダの側面図である。
図5】ホルダの平面図である。
図6図3のVI-VI線断面図である。
図7】ガラス板のエッチング方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図7は、本発明に係るガラス板のエッチング方法の一実施形態を示す。
【0019】
図1及び図2に示すように、本方法に使用されるエッチング処理装置1は、ガラス板Gを保持するホルダ2と、エッチング液Eを収容するエッチング槽3と、振動発生装置4とを備える。また、エッチング処理装置1は、エッチング槽3にエッチング液Eを供給する供給装置と、エッチング液Eの温度を調整する温度調節装置とを備える。
【0020】
ガラス板Gは、四角形状に構成されるが、この形状に限定されない。ガラス板Gは、表裏二面からなる主表面(以下、単に「表面」という)MSと、表面MS同士を繋ぐ端面ESとを有する。端面ESは、四角形状のガラス板Gの各辺において、表面MSとほぼ直交するように形成される。
【0021】
本実施形態では、赤外線吸収機能に優れるリン酸塩系のガラス板Gにエッチング処理を施す例を示す。
【0022】
エッチング処理後のガラス板Gの厚みは、0.2mm以下であり、好ましくは0.19mm以下であり、より好ましくは、0.15mm以下、さらに好ましくは0.12mm以下である。ガラス板Gは、例えば固体撮像素子デバイスの赤外線カットフィルタとして使用される。ガラス板Gは、厚みが0.2mm以下と薄いため、固体撮像素子デバイスの小型化に大きく寄与し得る。なお、厚みが薄すぎると、搬送工程でガラス板Gを持ち上げる際に割れが生じ易くなる場合がある。このため、ガラス板Gの厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、0.08mm以上であることがより好ましい。
【0023】
ガラス板Gにおける各表面MSの面積は、100mm以上25000mm以下とすることができる。各表面MSの面積の好ましい範囲は、400mm以上25000mm以下、より好ましくは1000mm以上25000mm以下、さらに好ましくは2500mm以上25000mm以下、特に好ましくは5000mm以上25000mm以下である。
【0024】
以下、赤外線吸収機能を有するガラス板Gの特徴について、詳細に説明する。ガラス板Gに用いられるリン酸塩系ガラスは、F(フッ素)を実質的に含んでいないことが望ましい。ここで、「実質的に含んでいない」とは、質量%で0.1%以下のフッ素を含んでいてもよいことを意味している。
【0025】
このようなリン酸塩系ガラスとしては、例えば、質量%で、P 25~60%、Al 2~19%、RO(ただしRは、Mg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも一種) 5~45%、ZnO 0~13%、KO 8~20%、NaO 0~12%、及びCuO 0.3~20%を含有し、フッ素を実質的に含んでいない、ガラスを用いることができる。
【0026】
は、ガラス骨格を形成する成分である。Pの含有量は、質量%で、好ましくは25~60%であり、より好ましくは30~55%であり、さらに好ましくは40~50%である。Pの含有量が少なすぎると、ガラス化が不安定になる場合がある。一方、Pの含有量が多すぎると、耐候性が低下し易くなることがある。
【0027】
Alは、耐候性をより一層向上させる成分である。A1の含有量は、質量%で、好ましくは2~19%であり、より好ましくは2~15%であり、さらに好ましくは2.8~14.5%であり、特に好ましくは3.5~14.0%である。Alの含有量が少なすぎると、耐候性が十分でないことがある。一方、Alの含有量が多すぎると、溶融性が低下して溶融温度が上昇する場合がある。なお、溶融温度が上昇すると、Cuイオンが還元されてCu2+からCuにシフトし易くなるため、所望の光学特性が得られ難くなる場合がある。具体的には、近紫外~可視域における光透過率が低下したり、赤外線吸収特性が低下し易くなったりすることがある。
【0028】
RO(ただしRは、Mg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも一種)は、耐候性を改善するとともに、溶融性を向上させる成分である。ROの含有量は、質量%で、好ましくは5~45%であり、より好ましくは7~40%であり、さらに好ましくは10~35%である。ROの含有量が少なすぎると、耐候性及び溶融性が十分でない場合がある。一方、ROの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易く、RO成分起因の結晶が析出し易くなることがある。
【0029】
なお、ROの各成分の含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
【0030】
MgOは、耐候性を改善させる成分である。MgOの含有量は、質量%で、好ましくは0~15%であり、より好ましくは0~7%である。MgOの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなることがある。
【0031】
CaOは、MgOと同様に耐候性を改善させる成分である。CaOの含有量は、質量%で、好ましくは0~15%であり、より好ましくは0~7%である。CaOの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなることがある。
【0032】
SrOは、MgOと同様に耐候性を改善させる成分である。SrOの含有量は、質量%で、好ましくは0~12%であり、より好ましくは0~5%である。SrOの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなることがある。
【0033】
BaOは、ガラスを安定化するとともに、耐候性を向上させる成分である。BaOの含有量は、質量%で、好ましくは1~30%であり、より好ましくは2~27%であり、さらに好ましくは3~25%である。BaOの含有量が少なすぎると、十分にガラスを安定化できなかったり、十分に耐候性を向上できなかったりする場合がある。一方、BaOの含有量が多すぎると、成形中にBaO起因の結晶が析出し易くなることがある。
【0034】
ZnOは、ガラスの安定性及び耐候性を改善させる成分である。ZnOの含有量は、質量%で、好ましくは0~13%であり、より好ましくは0~12%であり、さらに好ましくは0~10%である。ZnOの含有量が多すぎると、溶融性が低下して溶融温度が高くなり、結果として所望の光学特性が得られ難くなる場合がある。また、ガラスの安定性が低下し、ZnO成分起因の結晶が析出し易くなる場合がある。
【0035】
以上のように、RO及びZnOはガラスの安定化を改善する効果があり、特にPが少ない場合に、その効果を享受し易い。
【0036】
なお、ROに対するPの含有量の比(P/RO)は、好ましくは1.0~1.9であり、より好ましくは、1.2~1.8である。比(P/RO)が小さすぎると、液相温度が高くなってRO起因の失透が析出し易くなる場合がある。一方、P/ROが大きすぎると、耐候性が低下し易くなる場合がある。
【0037】
Oは、溶融温度を低下させる成分である。KOの含有量は、質量%で、好ましくは8~20%であり、より好ましくは12.5~19.5%である。KOの含有量が少なすぎると、溶融温度が高くなって所望の光学特性が得られ難くなることがある。一方、KOの含有量が多すぎると、KO起因の結晶が成形中に析出し易くなり、ガラス化が不安定になることがある。
【0038】
NaOも、KOと同様に溶融温度を低下させる成分である。NaOの含有量は、質量%で、好ましくは0~12%であり、より好ましくは0~7%である。NaOの含有量が多すぎると、ガラス化が不安定になることがある。
【0039】
CuOは、近赤外線を吸収するための成分である。CuOの含有量は、質量%で、好ましくは0.3~20%であり、より好ましくは0.3~15%であり、さらに好ましくは0.4~13%である。CuOの含有量が少なすぎると、所望の近赤外線吸収特性が得られない場合がある。一方、CuOの含有量が多すぎると、紫外~可視域の光透過性が低下し易くなることがある。また、ガラス化が不安定になる場合がある。なお、所望の光学特性を得るためのCuOの含有量は、板厚によって適宜調整することが好ましい。
【0040】
また、上記成分以外にも、B、Nb、Y、La、Ta、CeO又はSb等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよい。具体的には、これらの成分の含有量は、それぞれ、質量%で、好ましくは0~3%であり、より好ましくは0~2%である。
【0041】
また、ガラスは、組成としてカチオン%表示で、P5+ 5~50%、Al3+ 2~30%、R’(R’は、Li、Na及びKから選択される少なくとも一種) 10~50%、及び、R2+(R2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+から選択される少なくとも一種) 20~50%、Cu2+ 0.5~15%かつ、アニオン%表示で、F 5~80%、及び、O2- 20~95%を含有する。
【0042】
上記組成に加えさらに、アニオン%表示で、F 5~80%を含有する組成としても良い。
【0043】
より好ましくは、組成としてカチオン%表示で、P5+ 40~50%、Al3+ 7~12%、K 15~25%、Mg2+ 3~12%、Ca2+ 3~6%、Ba2+ 7~12%、Cu2+ 1~15%かつ、アニオン%表示で、F 5~80%、及び、O2- 20~95%を含有するリン酸塩ガラスを用いることができる。
【0044】
好ましい他の組成のガラスとしては、カチオン%表示で、P5+ 20~35%、Al3+ 10~20%、Li 20~30%、Na 0~10%、Mg2+ 1~8%、Ca2+ 3~13%、Sr2+ 2~12%、Ba2+ 2~8%、Zn2+ 0~5%、Cu2+ 0.5~5%かつ、アニオン%表示で、F 30~65%、及び、O2- 35~75%を含有するフツリン酸ガラスを用いることができる。
【0045】
好ましい他の組成のガラスとしては、カチオン%表示で、P5+ 35~45%、Al3+ 8~12%、Li 20~30%、Mg2+ 1~5%、Ca2+ 3~6%、Ba2+ 4~8%、Cu2+ 1~6%かつ、アニオン%表示で、F 10~20%、及び、O2- 75~95%を含有するフツリン酸ガラスを用いることができる。
【0046】
好ましい他の組成のガラスとしては、カチオン%表示で、P5+ 30~45%、Al3+ 15~25%、Li 1~5%、Na 7~13%、K 0.1~5%、Mg2+ 1~8%、Ca2+ 3~13%、Ba2+ 6~12%、Zn2+ 0~7%、Cu2+ 1~5%かつ、アニオン%表示で、F 30~45%、及び、O2- 50~70%を含有するフツリン酸ガラスを用いることができる。
【0047】
ガラス板Gを上記組成とすることにより、可視域におけるより一層高い光透過率と赤外域におけるより一層優れた光吸収特性の両者を達成することが可能となる。具体的には、波長400nmにおける光透過率は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、波長500nmにおける光透過率は、好ましくは83%以上、より好ましくは85%以上である。一方、波長700nmにおける光透過率は、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下であり、波長800nmにおける光透過率は、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
【0048】
上記の組成のガラス板Gは、例えば、鋳込み法、ロールアウト法、ダウンドロー法、又はリドロー法等の成形方法によって板状に成形される。
【0049】
以下、エッチング処理装置1の詳細な構成について説明する。図1乃至図5に示すように、ホルダ2は、複数のガラス板Gを所定の間隔をおいて保持するように構成される。ホルダ2は、エッチング液Eに対する耐食性に優れた金属(例えばステンレス鋼)により構成されるが、この材質に限定されるものではない。ホルダ2は、昇降装置及び移動機構(図示せず)を介して上下方向及び水平方向に移動可能に構成される。ホルダ2は、複数のガラス板Gを保持した状態で、エッチング槽3に収容されたエッチング液Eに浸漬される。ホルダ2は、エッチング液Eに浸漬された状態で、その自転により各ガラス板Gを回転させる。
【0050】
図3乃至図5に示すように、ホルダ2は、一対のベース部材5と、当該一対のベース部材5を繋ぐ連結部材6と、ガラス板Gを保持する保持部7,8と、保持部7を固定するロック部9と、当該ホルダ2を回転(自転)させる軸部10と、を備える。
【0051】
一対のベース部材5は、長方形状の板部材により構成される。各ベース部材5は、連結部材6を介して、所定の間隔をおいて互いに対向するように配置される。以下、各ベース部材5において、互いに向き合う面を内面5aといい、内面5aとは反対側の面を外面5bという。
【0052】
連結部材6は、断面視円形の棒状部材であるが、この形状に限定されるものではない。本実施形態では、複数の連結部材6によって一対のベース部材5が連結される。
【0053】
保持部7,8は、四角形状のガラス板Gにおいて対向する二辺(平行な二辺)を保持する第一保持部7と、他の二辺(平行な二辺)を保持する第二保持部8とを含む。
【0054】
ベース部材5には、複数(図例では四個)の第一保持部7が設けられる。第一保持部7は、ベース部材5に回動自在に支持される。各第一保持部7は、一対の基板11と、基板11同士を繋ぐ連結部材12a,12bと、ガラス板Gの位置決めを行う第一固定部13とを備える。
【0055】
基板11は、ベース部材5の外面5b側に配置される。図3に示すように、基板11は、長尺状に構成される第一の部分11aと、この第一の部分11aの一端部から、直角に突出する第二の部分11bとを備える。
【0056】
第一の部分11aは、ロック部9の一部が係合する開口部11cを有する。開口部11cは、四角形状に構成されるが、この形状に限定されない。
【0057】
第二の部分11bは、その一端部が第一の部分11aと一体に構成され、他端部がベース部材5に固定される。詳細には、第二の部分11bは、支持軸14を介してベース部材5に回動自在に支持される。これにより、第一保持部7は、図3に示すように、実線で示す第一の姿勢と、二点鎖線で示す第二の姿勢とに姿勢変更可能に構成される。第一の姿勢は、ガラス板Gを保持可能な姿勢(保持姿勢)であり、第二の姿勢は、ガラス板Gの保持を解除するとともに、ホルダ2の内側の空間(一対のベース部材5における内面5a間の空間)に対してガラス板Gを出し入れすることを可能にする姿勢(退避姿勢)である。
【0058】
図3に示すように、支持軸14は、第一保持部7を所定の方向に付勢する付勢部材15を支持する。付勢部材15は、ねじりコイルばねにより構成されるが、これに限定されるものではない。付勢部材15は、一端部が第一保持部7の連結部材12bに固定され、他端部が第二保持部8の一部(後述する連結部材17)に固定されている。付勢部材15は、第一の部分11aがベース部材5から離れるように、第一保持部7を付勢する。すなわち、付勢部材15は、第一保持部7が第一の姿勢(保持姿勢)から第二の姿勢(退避姿勢)に向かうように、当該第一保持部7を付勢する。
【0059】
連結部材12a,12bは、断面視円形の棒状部材により構成されるが、この形状に限定されない。連結部材12a,12bは、一対の基板11に係る第一の部分11a同士を連結する。本実施形態では二本の連結部材12a,12bによって基板11同士が連結されるが、連結部材12a,12bの数はこれに限定されない。連結部材12a,12bは、第一の部分11aの一端部同士を連結する第一連結部材12aと、他端部(第二の部分11b側の端部)同士を連結する第二連結部材12bとを含む。
【0060】
第一固定部13は、第一連結部材12aに設けられる。第一固定部13は、合成樹脂により構成されるが、この材質に限定されない。第一固定部13は、第一連結部材12aの長手方向に沿う長尺状の板部材として構成される。図4に示すように、第一固定部13は、ガラス板Gの一辺に接触可能な複数の凹部16を有する。各凹部16は、ホルダ2の長手方向に沿って一定の間隔(ピッチ)で形成される。
【0061】
図4及び図5に示すように、第二保持部8は、一対のベース部材5の間に設けられる。第二保持部8は、一対のベース部材5を繋ぐ一対の連結部材17と、ガラス板Gの位置決めを行う第二固定部18と、を備える。
【0062】
一対の連結部材17は、軸部10の中心を通る軸線Oに対して線対称となるように配置される(図5参照)。第二固定部18は、合成樹脂により板状に構成されるが、この材質に限定されない。第二固定部18は、各連結部材17に固定される。一方の連結部材17に固定される第二固定部18と、他方の連結部材17に固定される第二固定部18とは、互いに対向するように配置される(図5参照)。
【0063】
図5に示すように、第二固定部18は、ガラス板Gの端部に接触する複数の凹部19を有する。凹部19は、第一固定部13の凹部16と同じ構成を有する。すなわち、複数の凹部19は、ホルダ2の長手方向に沿って一定の間隔(ピッチ)で形成されており、この間隔は、第一固定部13における凹部16の間隔と等しい。
【0064】
図6に示すように、ロック部9は、ロック部材20と、このロック部材20を回動自在に支持する支持部材21とを有する。
【0065】
ロック部材20は、棒状部材により構成されるが、この形状に限定されない。ロック部材20は、一端部がベース部材5の一辺から突出し、他端部がベース部材5の外面5bと重なるように配置される。ロック部材20は、第一保持部7を固定する姿勢(固定姿勢、図6において実線で示す)と、第一保持部7の固定を解除するように固定姿勢から退避する姿勢(退避姿勢、図6において二点鎖線で示す)とに姿勢変更可能に構成される。ロック部材20は、付勢部材21bによって、退避姿勢から固定姿勢に向かう方向に付勢されている。したがって、ロック部材20は、第一保持部7を保持していない状態であっても、固定姿勢を維持するように構成される。
【0066】
ロック部材20は、第一保持部7を退避姿勢から固定姿勢へと姿勢変更する場合に当該第一保持部7の第一の部分11aに接触する傾斜面22と、第一の部分11aの開口部11cに挿入されて当該第一の部分11aを係止する係止面23と、支持部材21の一部が挿入される孔24とを備える。
【0067】
傾斜面22は、第一保持部7を固定する場合に、ロック部材20を固定姿勢から退避姿勢へと姿勢変更させるための案内面である。傾斜面22は、係止面23と繋がっている。係止面23は、傾斜面22に対して所定の角度を為すように構成される面である。この構成により、係止面23と傾斜面22との間には、突起部25が形成される。
【0068】
ロック部材20に形成される孔24は、ベース部材5の厚さ方向に直交する方向において、当該支持部材21を貫通するように形成される円形の孔である。
【0069】
支持部材21は、ベース部材5の外面5bに固定される。支持部材21は、ロック部材20を支持する軸部21aを有する。軸部21aは、ロック部材20の孔24に挿通されている。軸部21aは、ロック部材20を付勢する付勢部材21bを支持する。付勢部材21bは、ねじりコイルばねにより構成されるが、これに限定されるものではない。付勢部材21bは、その一端部がロック部材20に接触し、その他端部がベース部材5の外面5bに接触している。付勢部材21bは、ロック部材20を退避姿勢から固定姿勢へと向かう方向に付勢する。
【0070】
ホルダ2を回転させるための軸部10は、一対のベース部材5に固定される。一対の軸部10は、各ベース部材5の外面5bから突出するように設けられる。各軸部10は、電動モータその他の駆動源に接続される。駆動源によって軸部10が回転することで、ホルダ2は、当該軸部10まわりに回転(自転)する。
【0071】
エッチング槽3は、ホルダ2をエッチング液Eに浸漬したときに、当該ホルダ2及び軸部10と接触しない程度の容積を有する。エッチング槽3に収容されるエッチング液Eは、処理対象のガラス板Gが上述のようなリン酸塩系ガラスである場合には、例えばアルカリ洗剤により構成される。アルカリ洗剤としては、特に限定されないが、例えば、Na、Kなどのアルカリ成分や、トリエタノールアミン、ベンジルアルコール又はグリコール等の界面活性剤や、水又はアルコール等を含有する洗剤を使用できる。
【0072】
アルカリ洗剤に含まれるアルカリ成分として、アミノポリカルボン酸などのキレート剤のアルカリ塩が含まれることが好ましい。アミノポリカルボン酸のアルカリ塩としては、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ニトリロ三酢酸などのナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。これらの中でも、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、トリエチレンテトラアミン六酢酸六ナトリウム、ニトリロ三酢酸三ナトリウムが好ましく使用され、特にジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムが好ましく使用される。
【0073】
エッチング液Eにおけるアルカリ塩の濃度は、アルカリ塩換算で、質量%で5%以上とされることが好ましく、より好ましくは、8%以上18%以下である。エッチング液Eの残部は、水であることが望ましいが、これに限らず、他の成分が含まれても良い。エッチング液Eは、強酸、強アルカリとならないことが望ましい。エッチング液EのpHは、好ましくは7.1以上、より好ましくは8.0以上11.0以下である。
【0074】
振動発生装置4は、超音波発生装置により構成されるが、この構成に限定されるものではない。振動発生装置4は、エッチング槽3の外面に固定されているが、この態様に限定されず、ホルダ2に固定されてもよい。振動発生装置4は、エッチング槽3の外面に固定される場合には、エッチング槽3内のエッチング液Eに超音波振動を生じさせる。振動発生装置4は、ホルダ2に固定される場合には、当該ホルダ2に振動を生じさせる。ホルダ2は、その振動により、保持している複数のガラス板Gを振動させる。
【0075】
以下、上記構成のエッチング処理装置1によって、ガラス板Gをエッチング処理する方法(エッチング方法)について説明する。
【0076】
本方法は、図7に示すように、ガラス板Gをホルダ2内に収容する準備工程S1と、ガラス板Gを保持するホルダ2をエッチング槽3内のエッチング液Eに浸漬してエッチング処理を行うエッチング工程S2と、エッチング処理されたガラス板Gを洗浄する洗浄工程S3と、を主に備える。
【0077】
準備工程S1では、図3に示すように、近接する二個(一対)の第一保持部7を二点鎖線で示す第二の姿勢に設定し、残りの二個の第一保持部7を第一の姿勢に設定する。このように、一部の第一保持部7が第二の姿勢となることで、ホルダ2は、その内部(一対のベース部材5の内面5a間の空間)にガラス板Gを収容することが可能な状態となる。
【0078】
次に、ホルダ2内にエッチング処理の対象となるガラス板Gを収容する。ガラス板Gをホルダ2に収容するには、四角形状のガラス板Gの一辺を、第一の姿勢となっている二個の第一保持部7に支持させるとともに、当該一辺に直交する二辺を一対の第二保持部8に支持させる。より具体的には、第一の姿勢にある第一保持部7における第一固定部13の凹部16と、一対の第二保持部8における第二固定部18の凹部19とによって、ガラス板Gの三辺を支持する。所定数のガラス板Gがホルダ2に収容されると、第二の姿勢とされていた二個の第一保持部7が第一の姿勢に変更される。このとき、ロック部9のロック部材20は、突起部25が第一保持部7の開口部11cに係合することで、当該第一保持部7を第一の姿勢(保持姿勢)に固定する。
【0079】
上記のように第一保持部7が第一の姿勢に設定されると、当該第一保持部7における第一固定部13の凹部16に、ガラス板Gの残りの一辺が接触する。以上により、四角形状のガラス板Gの全ての辺が、第一保持部7に係る四個の第一固定部13及び第二保持部8に係る二個の第二固定部18によって支持される。この場合、各ガラス板Gは、ホルダ2における一対の軸部10を結ぶ軸線Oに対してほぼ直交する方向に沿う直立姿勢となって、当該ホルダ2に保持される。これにより、複数のガラス板Gは、一定の間隔でホルダ2に支持される。以上により準備工程S1が終了し、次のエッチング工程S2が実行される。なお、ガラス板Gは、エッチング工程S2前において、0.2mmよりも大きな厚み寸法を有する。ガラス板Gの厚み寸法は、このエッチング工程S2を経て、0.2mm以下となる。
【0080】
図2に示すように、エッチング工程S2では、ホルダ2をエッチング槽3内のエッチング液Eに浸漬する。この場合において、ガラス板Gの全体がエッチング液Eに浸漬されるように、ホルダ2全体をエッチング液Eに浸漬させることが望ましい。エッチング工程S2におけるエッチング液Eの温度は、温度調節装置により、10℃以上25℃以下とされ、好ましくは15℃以上25℃以下とされる。また、エッチング液Eの温度は、10℃以上19℃未満とされてもよい。
【0081】
その後、エッチング処理装置1は、振動発生装置4を始動させ、エッチング槽3内のエッチング液Eに超音波振動を生じさせる。あるいは、エッチング処理装置1は、振動発生装置4がホルダ2に固定されている場合には、当該振動発生装置4の始動によってホルダ2に振動を生じさせる。
【0082】
さらにエッチング処理装置1は、軸部10を駆動することにより、ホルダ2を回転させる。これにより、ガラス板Gはホルダ2とともに回転する。このとき、ガラス板Gは、その表面MSに直交する軸線(一対の軸部10を結ぶ軸線O)まわりに回転する。これにより、エッチング液Eは、ガラス板Gの表面MSに沿って、当該表面MSに対して相対的に流動することになる。
【0083】
なお、エッチング液Eをガラス板Gの表面MSに対して相対的に流動させる速度は、10m/sec以下であることが好ましく、より好ましくは、5m/sec以下、さらに好ましくは3m/sec以下である。
【0084】
ガラス板Gの回転速度は、10rpm以下とされることが望ましいが、この範囲に限定されず、ガラス板Gの大きさや板厚、処理枚数等の各種条件に応じて適宜調整される。本実施形態では、ガラス板Gは、例えば一時間当たり一回転(約0.017rpm、360°/h)の速度で回転駆動される。ガラス板Gの回転は連続的に行われてもよく、間欠的に行われてもよい。
【0085】
なお、エッチング工程S2における、ガラス板Gのエッチングレートは、1μm/h以上100μ/h以下に設定されることが望ましい。
【0086】
所定時間が経過し、十分なエッチング処理が行われると、エッチング工程S2が終了し、次の洗浄工程S3が実行される。
【0087】
洗浄工程S3では、ホルダ2は、エッチング槽3から取り出され、別途用意される洗浄槽に移動する。洗浄槽では、洗浄液(例えば純水)を、ノズルを通じてホルダ2に向かって噴射することで、ホルダ2に保持されているガラス板Gを洗浄する。
【0088】
以上説明した本実施形態に係るエッチング方法によれば、エッチング工程S2中に、ガラス板Gの表面MSに直交する軸線O(軸部10)まわりに当該ガラス板Gを回転させることで、ガラス板Gの表面MSに沿ってエッチング液Eを相対的に流動させることが可能になる。これにより、エッチング液Eを流動させない場合と比較して、ガラス板Gの表面MSに対して均一にエッチング処理を行うことができる。このエッチング処理によって、前工程においてガラス板Gに形成されるマイクロクラック等の欠陥を除去できる。これにより、物理研磨の場合と比較して、ガラス板Gに割れを発生させることなく当該ガラス板Gの厚みを薄くすることが可能になる。
【0089】
また、エッチング液Eにおけるアルカリ塩の濃度を5%以上とし、10℃以上のエッチング液にガラス板Gを浸漬させることで、従来の研磨では実現し得なかった薄肉のガラス板Gを形成できる。例えば、上述した組成を有するリン酸塩系のガラス板Gは、珪酸塩ガラスに比べ脆く、研磨加工により0.2mm以下に薄肉化することは困難であったが、本発明のエッチング方法によれば、平均厚さを0.2mm以下、好ましくは0.07~0.15mm程度に薄肉化可能である。
【0090】
また、本発明に係るエッチング方法によれば、エッチング処理後のガラス板Gの偏肉を極めて小さくすることができ、例えば、15μm以下、好ましくは9μm以下、より好ましくは6μm以下とすることができる。また、エッチング処理前後の偏肉の変化量は、15μm以下、好ましくは9μm以下、より好ましくは6μm以下とすることができる。なお、偏肉の値は、ガラス板Gにおける最大肉厚と最小肉厚との差により求めることができる。
【0091】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0092】
上記の実施形態に係るエッチング処理装置1では、ホルダ2(ガラス板G)を回転させ、エッチング液Eを当該ガラス板Gの表面MSに対して相対的に流動させることでエッチング処理を行う例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、ホルダ2(ガラス板G)をエッチング液Eに浸漬させた状態で、ガラス板Gの表面MSと平行な方向に沿って直線的に往復移動させることで、エッチング液Eを当該ガラス板Gの表面MSに対して相対的に流動させてもよい。あるいは、ホルダ2をエッチング液E内で停止させた状態で、エッチング液Eを攪拌することで、ガラス板Gの表面MSに対して当該エッチング液Eを相対的に流動させてもよい。
【0093】
上記の実施形態では、エッチング工程S2において、振動発生装置4によって、エッチング液E又はホルダ2を振動させる例を示したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。エッチング工程S2は、振動発生装置4を使用することなく実行されてもよい。
【実施例
【0094】
以下、本発明に係る実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0095】
本発明者は、本発明の効果を確認するための試験を行った。この試験では、上記構成のエッチング装置を使用し、エッチング液の温度、エッチング液におけるアルカリ塩の濃度、及びエッチングレートを異ならせ、複数のリン酸系のガラス板にエッチング処理を施した。エッチング液としては、キレスト株式会社製、キレスト(登録商標)Pの水溶液を使用した。
【0096】
また、本発明者は、エッチング処理後の各ガラス板について、割れの有無を確認するとともに偏肉値を測定した。各実施例に係るエッチング処理前のガラス板は、一辺が70mmの正方形であり、厚みが200μmである。この試験では、厚みが100μmとなるように、各ガラス板に対してエッチング処理が行われた。試験結果を表1に示す。
【表1】
【0097】
この試験により、本発明を実施することで、実施例1~4のように、割れを生じることなく偏肉の少ないガラス板を製造できることが確認された。
【符号の説明】
【0098】
2 ホルダ
E エッチング液
G ガラス板
MS ガラス板の表面
S2 エッチング工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7