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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】表示システムおよび撮影システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/222 20060101AFI20230412BHJP
   G03B 15/10 20210101ALI20230412BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
H04N5/222
G03B15/10
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/00 530H
G09G5/00 530T
G09G5/00 550C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020044845
(22)【出願日】2020-03-14
(65)【公開番号】P2021150653
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-11-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520090837
【氏名又は名称】金久保 いづみ
(73)【特許権者】
【識別番号】520090848
【氏名又は名称】渡邉 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】金久保 いづみ
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一成
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-112334(JP,U)
【文献】特表2008-546326(JP,A)
【文献】特開2007-304248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222
G03B 15/10
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示物の表示を行う第1の表示体と、
第2の表示物の表示を行う第2の表示体と、を有し、
前記第1の表示体と前記第2の表示体は、前記第1の表示体と前記第2の表示体との間にユーザが侵入可能な所定のスペースが介在するように配置され
前記第1の表示体は、透過可能に構成され、
前記第1の表示体の高さ寸法は、ユーザの身長よりも高い寸法に設定されていることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記第1の表示体および/または前記第2の表示体の寸法を変更する寸法変更機構を有し、
前記寸法変更機構は、少なくとも前記第1の表示体および/または前記第2の表示体の前記高さ寸法を変更することを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記第1の表示体の前記高さ寸法は、1.5m~4mであることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
第1の表示物の表示を行う第1の表示体と、
第2の表示物の表示を行う第2の表示体と、を有し、
前記第1の表示体と前記第2の表示体は、前記第1の表示体と前記第2の表示体との間にユーザが侵入可能な所定のスペースが介在するように配置され、
前記第1の表示体および/または前記第2の表示体における前記表示物の表示の制御を行う表示制御部と、を有し、
前記表示制御部は、前記第1の表示物の前記第1の表示体における表示の変化が前記第2の表示物の前記第2の表示体における表示の変化よりも大きくなるように前記表示の制御を行うことを特徴とする表示システム。
【請求項5】
第1の表示物の表示を行う第1の表示体と、
第2の表示物の表示を行う第2の表示体と、を有し、
前記第1の表示体と前記第2の表示体は、前記第1の表示体と前記第2の表示体との間にユーザが侵入可能な所定のスペースが介在するように配置され、
前記第1の表示体および/または前記第2の表示体における前記表示物の表示の制御を行う表示制御部と、を有し、
前記第1の表示物および/または前記第2の表示物は、前記表示体に光の投射および/または映像の投影を行う表示器により表示され、前記表示制御部は、前記表示器を介して前記表示物の表示の制御を行い、
前記表示器は、第1の表示器と第2の表示器を有し、前記第1の表示器は、前記第1の表示体の前方に配置されて前方から後方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第1の表示体に対して行い、前記第2の表示器は、前記第2の表示体の後方に配置されて後方から前方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第2の表示体に対して行い、
前記第1の表示器による表示と前記第2の表示器による表示を所定に切り換える切り換え部を有し、
前記切り換え部は、前記スペースにおけるユーザの位置に応じて前記第1の表示器による表示と前記第2の表示器による表示を切り換えることを特徴とする表示システム。
【請求項6】
第1の表示物の表示を行う第1の表示体と、
第2の表示物の表示を行う第2の表示体と、を有し、
前記第1の表示体と前記第2の表示体は、前記第1の表示体と前記第2の表示体との間にユーザが侵入可能な所定のスペースが介在するように配置され、
前記第1の表示体および/または前記第2の表示体における前記表示物の表示の制御を行う表示制御部と、を有し、
前記第1の表示物および/または前記第2の表示物は、前記表示体に光の投射および/または映像の投影を行う表示器により表示され、前記表示制御部は、前記表示器を介して前記表示物の表示の制御を行い、
前記表示器は、第1の表示器と第2の表示器を有し、前記第1の表示器は、前記第1の表示体の後方に配置されて後方から前方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第1の表示体に対して行い、前記第2の表示器は、前記第2の表示体の後方に配置されて後方から前方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第2の表示体に対して行い、
前記第1の表示器による表示と前記第2の表示器による表示を所定に切り換える切り換え部を有し、
前記切り換え部は、前記スペースにおけるユーザの位置に応じて前記第1の表示器による表示と前記第2の表示器による表示を切り換えることを特徴とする表示システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表示システムと、前記表示システムにおける前記第1の表示体、前記第2の表示体、および前記ユーザを撮影するための撮影器を備えることを特徴とする撮影システム

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システムおよび撮影システムに関し、特に、第1の表示物の表示を行う第1の表示体と、第2の表示物の表示を行う第2の表示体と、を有する表示システムおよび撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像等の所定の表示物を表示することができるスクリーン等の表示体を有する表示システムが広く一般に利用されている。このような表示システムは、例えば特許文献1乃至特許文献4に開示された技術を参照することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-535811号公報
【文献】特開2013-521276号公報
【文献】特開2011-546942号公報
【文献】特開2008-537370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年は、上述した表示体に表示物を表示しつつこれを背景として、ユーザが被写体となって撮影を行ったり、或いは娯楽に興じたりすることがあるが、例えば、2枚の表示体を用いてその間にユーザが侵入する等して更に撮影や娯楽を楽しむことができるシステムの開発が望まれていた。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、表示体間にユーザが侵入可能な所定のスペースを有する表示システムおよび撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る表示システムは、第1の表示物の表示を行う第1の表示体と、第2の表示物の表示を行う第2の表示体と、を有し、
前記第1の表示体と前記第2の表示体は、前記第1の表示体と前記第2の表示体との間にユーザが侵入可能な所定のスペースが介在するように配置されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、前記第1の表示体と前記第2の表示体は、前記第1の表示体と前記第2の表示体との間にユーザが侵入可能な所定のスペースが介在するように配置されることとしたので、表示体間にユーザが侵入可能な所定のスペースを有する表示システムを提供することができる。
【0008】
前記第1の表示体は、透過可能に構成されることとすれば、例えば、第1の表示体と第2の表示体が、相互に所定の距離を置いて離間し、前記第1の表示体が前記第2の表示体に対し相対的に前方に配置される場合において、第1の表示体を介してもユーザに対して所定の光を照射することができる。
【0009】
第2の表示体の寸法は、前記第1の表示体の寸法よりも大きい寸法に設定されることとすれば、例えば、第2の表示体が第1の表示体に対し後方に配置される場合において、第1の表示体を第2の表示体が包含するように配置することができ、遠近感を演出することができる。
【0010】
前記寸法は、少なくとも高さ寸法を含むこととすることができる。
前記第1の表示体の寸法および/または前記第2の表示体の寸法を変更する寸法変更機構を有することとすれば、第1の表示体および/または第2の表示体の寸法を変更することができる。
【0011】
前記寸法変更機構により変更する寸法は、少なくとも高さ寸法を含むことができる。
【0012】
前記第2の表示体における前記第2の表示物の表示面積は、前記第1の表示体における前記第1の表示物の表示面積よりも大きい面積に設定されることとすれば、更に遠近感を演出することができる。
【0013】
前記第1の表示体と前記第2の表示体との間に介在する所定のスペースを外部から遮蔽するための遮蔽体を有することとすれば、スペースより詳しくはスペースに侵入するユーザを外部から遮蔽することができる。
【0014】
前記第1の表示体および/または前記第2の表示体における前記表示物の表示の制御を行う表示制御部を有することができる。
【0015】
前記表示制御部は、前記第1の表示物の表示の制御と前記第2の表示物の表示の制御を関連させて行うことができる。
【0016】
前記表示制御部は、前記第1の表示物の前記第1の表示体における表示の変化が前記第2の表示物の前記第2の表示体における表示の変化よりも大きくなるように前記表示の制御を行うこととすれば、更にまた遠近感を演出することができる。
【0017】
前記第1の表示物および/または前記第2の表示物は、前記表示体に光の投射および/または映像の投影を行う表示器により表示され、前記表示制御部は、前記表示器を介して前記表示物の表示の制御を行うことができる。
【0018】
前記表示器は、前記第1の表示体の前方または後方に配置されることができる。また、前記表示器は、前記第2の表示体の後方に配置されることができる。
【0019】
前記表示器は、第1の表示器と第2の表示器を有し、前記第1の表示器は、前記第1の表示体の前方に配置されて前方から後方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第1の表示体に対して行い、前記第2の表示器は、前記第2の表示体の後方に配置されて後方から前方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第2の表示体に対して行うことができる。
また、前記表示器は、第1の表示器と第2の表示器を有し、前記第1の表示器は、前記第1の表示体の後方に配置されて後方から前方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第1の表示体に対して行い、前記第2の表示器は、前記第2の表示体の後方に配置されて後方から前方に向かって前記光の投射および/または前記映像の投影を前記第2の表示体に対して行うことができる。
【0020】
前記第1の表示器による表示と前記第2の表示器による表示を所定に切り換える切り換え部を有することとすれば、前記第1の表示器による表示と前記第2の表示器による表示を切り換えることができる。
【0021】
前記切り換え部は、前記スペースにおけるユーザの位置に応じて前記第1の表示器による表示と前記第2の表示器による表示を切り換えることとすれば、例えば、ユーザと表示物との位置関係による影の影響を調節することができる。
【0022】
前記第1の表示体および/または前記第2の表示体により表示される表示物を選択するための選択部を有することとすれば、表示物の選択をすることができる。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮影システムは、前記表示システムにおける前記第1の表示体、前記第2の表示体、および前記ユーザを撮影するための撮影器を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成により、表示体間のスペースにユーザが侵入した状態で所定の撮影を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、表示体間にユーザが侵入可能な所定のスペースを有する表示システムおよび撮影システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る表示システムの構成を示す正面図である。
図2】同表示システムの構成を示す側面図である。
図3】同表示システムにおける第1の表示体の構成を示す正面図である。
図4】同表示システムにおける第2の表示体の構成を示す正面図である。
図5】同表示システムにおける表示体の寸法変更機構を説明するための側面図である。
図6】同表示システムにおける制御装置の構成を説明するためのブロック図である。
図7】同表示システムにおける制御装置のコンピュータの構成を説明するためのブロック図である。
図8】同表示システムにおける配置方法および制御方法を説明するためのフローチャートである。
図9】同表示システムにおける配置方法を示す正面図である。
図10】同表示システムにおける配置方法を示す図9に続く正面図である。
図11】同表示システムにおける配置方法を示す図10に続く正面図である。
図12】同表示システムにおける配置方法を示す図11に続く正面図である。
図13】本発明の変形例の構成を示す側面図である。
図14】本発明の実施形態に係る撮影システムの構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[表示システム]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る表示システム1の構成を示す正面図、図2は、同表示システム1の構成を示す側面図、図3は、同表示システム1における第1の表示体10の構成を示す正面図、図4は、同表示システム1における第2の表示体20の構成を示す正面図、図5は、同表示システム1における表示体10,20の寸法変更機構10B,20Bを説明するための側面図、図6は、同表示システム1における制御装置50の構成を説明するためのブロック図、図7は、同表示システム1における制御装置50のコンピュータの構成を説明するためのブロック図である。なお、以下の説明においては、スペースAに侵入したユーザUから見て第1の表示体10が配置される方向を前方、第2の表示体20が配置される方向を後方、ユーザUが起立した状態において頭部側を上方、脚部側を下方、表示システム1を正面から見て向かって右側を右方、左側を左方として説明するものとし、図において各方向を示すものとする。
【0027】
図1および図2を参照して本発明の表示システム1の概要を説明すると、表示システム1は、第1の表示体10、第2の表示体20、遮蔽体30、表示器40、および制御装置50を有している。第1の表示体10と第2の表示体20は、相互に所定の距離を置いて離間し、第1の表示体10が前方側に配置され、第2の表示体20が後方側に配置されている。第1の表示体10と第2の表示体20は、第1の表示体10と第2の表示体20との間に、ユーザUが侵入可能な所定のスペースAが介在するように配置されている。
【0028】
第1の表示体10と第2の表示体20とが離間する距離(位置によって異なる場合は最小の距離)は、ユーザUが侵入可能な距離であればよい。ただし、前記距離は、多様な体型のユーザUやより多くの数のユーザUが侵入可能となるように、50cm~10mが好ましく、70cm~10mがより好ましく、90cm~10mが更に好ましく、また、設置スペースが限られている場合は、50cm~2mが好ましく、50cm~1.5mがより好ましく、50cm~1mが更に好ましい。
【0029】
第1の表示体10は、パネル状であり、矩形状となっている。第1の表示体10は、所定の映像で構成される第1の表示物11の表示を行うことができる。第1の表示体10は、所定の光が透過可能に構成されており、透明な材料または半透明な材料により構成される。第1の表示体10は、光や映像の透過率が50%以上とすることができ、ハーフミラー、ガラス、およびアクリルのうち少なくともいずれかにより構成することができる。第1の表示体10の高さ寸法L1は、図3に示すように、ユーザUの身長L0よりも高い寸法に設定されている。多様な身長のユーザUを覆うことができるように、高さ寸法L1は、1.5m~4mが好ましく、2m~4mがより好ましく、3m~4mが更に好ましく、また、設置スペースが限られている場合は、1.5m~3mが好ましく、2m~3mがより好ましく、2.5m~3mが更に好ましい。
【0030】
また、同じく図3に示すように、第1の表示体10の幅寸法W1も、ユーザUの幅寸法W0よりも大きい寸法に設定されている。すなわち、第1の表示体10は、正面から見たときに、ユーザUを透過しつつユーザUの全面を覆うことができる。多様な体型のユーザUやより多くの数のユーザUを覆うことができるように、幅寸法W1は、1m~10mが好ましく、2m~15mがより好ましく、3m~20mが更に好ましく、また、設置スペースが限られている場合は、1m~3mが好ましく、1m~2.5mがより好ましく、1m~2mが更に好ましい。なお、ユーザUの身長L0および幅寸法W0は、複数のユーザUの平均的な身長および幅寸法とすることができる。複数のユーザUの平均的な身長は、統計的なデータに基づく人の身長L0および幅寸法W0の平均値とすることとしてもよい。
【0031】
第1の表示体10は、図5に示すように、第1の寸法変更機構10Bを有しており、第1の表示体10の寸法は、第1の寸法変更機構10Bにより変更可能に構成されている。より詳しくは、第1の寸法変更機構10Bは、矩形状となっており、第1の表示体10の高さ寸法を変更することができる。すなわち、第1の表示体10は、本体10Aと、本体10Aの上部側に第1の寸法変更機構10Bをなすスライド移動体10Bを有しており、スライド移動体10Bは、本体10Aに対し上下方向にスライド移動可能となっている。本体10Aの外面側とスライド移動体10Bの内面側は相互に滑動可能なスライド面となっている。
【0032】
第1の表示体10により表示される第1の表示物11は、木、草、花、イラスト、アニメーション、動物等の映像とすることができる(図では木、草の映像を第1の表示物11としている)。
【0033】
第2の表示体20は、第1の表示体10と対向しかつ並行するように配置されている。第2の表示体20は、所定の映像で構成される第2の表示物21の表示を行うことができる。第2の表示体20は、所定の光や映像が透過可能に構成されており、透明な材料または半透明な材料により構成される。第2の表示体20は、光や映像の透過率が50%以上とすることができ、ハーフミラー、ガラス、およびアクリルのうち少なくともいずれかにより構成することができる。
【0034】
第2の表示体20の寸法は、第1の表示体10の寸法よりも大きい寸法に設定されている。より詳しくは、第2の表示体20の高さ寸法および幅寸法は、図4に示すようにそれぞれL2、W2に設定されており、第2の表示体20の高さ寸法L2は、第1の表示体10の高さ寸法L1よりも高い寸法に設定され、第2の表示体20の幅寸法W2は、第1の表示体10の幅寸法W1よりも大きい寸法に設定されている。すなわち、第2の表示体20は、背面から見たときに、ユーザUおよび第1の表示体10を透過しつつユーザUおよび第1の表示体10の全面を覆うことができる。
【0035】
また、第2の表示体20は、図5に示すように、第2の寸法変更機構20Bを有しており、第2の表示体20の寸法は、第2の寸法変更機構20Bにより変更可能に構成されている。より詳しくは、第2の寸法変更機構20Bは、矩形状となっており、第2の表示体20の高さ寸法L2を変更することができる。すなわち、第2の表示体20は、本体20Aと、本体20Aの上部側に第2の寸法変更機構20Bをなすスライド移動体20Bを有しており、スライド移動体20Bは、本体20Aに対し上下方向にスライド移動可能となっている。本体20Aの外面とスライド移動体20Bの内面は相互に滑動可能なスライド面となっている。
【0036】
第2の表示体20は、第2の表示物21を表示し、第2の表示物21は、第1の表示体10に表示される第1の表示物11に対する背景となる映像を表示することができる。第2の表示物21より詳しくは背景となる映像は、空、海、山、森、建物、天体、草、イラスト、アニメーション、動物等の映像とすることができる(図においては、第2の表示物21として山、天体(太陽)、草の映像を背景としている)。すなわち、ユーザUが、実際の風景等を見たときに前方に見えるものに対応するものを第1の表示物11として第1の表示体10により表示し、後方に見えるものに対応するものを第2の表示物21として第2の表示体20に表示させることができる。
【0037】
第2の表示体20における第2の表示物21の表示面積(図においては山、天体、草からなる第2の表示物21の全ての表示面積を足し合わせた総和)は、第1の表示体10における第1の表示物11の表示面積(図においては草、木からなる第1の表示物11の全ての表示面積を足し合わせた総和)よりも大きい面積に設定されている。
【0038】
遮蔽体30は、第1の表示体10と第2の表示体20との間に介在する所定のスペースAを外部から遮蔽することができる。すなわち、遮蔽体30は、スペースAに侵入したユーザUを外部から遮蔽する目隠しとして機能することができる。遮蔽体30は、スペースAの側方側を遮蔽することができ、スペースAの右側を遮蔽する右側遮蔽体31とスペースAの左側を遮蔽する左側遮蔽体32を有している。
【0039】
遮蔽体30の高さ寸法L3は、第1の表示体10の高さ寸法L1と同等の寸法となっており、ユーザUの身長L0よりも高い寸法に設定されている。また、遮蔽体30の奥行き寸法X3は、ユーザUの奥行き寸法X0よりも大きい寸法に設定されている。ユーザUの身長L0および奥行き寸法X0は、複数のユーザUの平均的な身長および奥行き寸法とすることができる。遮蔽体30は、光や映像の透過率が50%以下より詳しくは光や映像の透過率が0%とすることができる。すなわち、遮蔽体30は、側方側から見て、ユーザUの全面を覆い隠すことができる。
【0040】
また、遮蔽体30は、図5に示すように、遮蔽体寸法変更機構31B,32Bを有しており、遮蔽体30の寸法は、遮蔽体寸法変更機構31B,32Bにより変更可能に構成されている。より詳しくは、遮蔽体寸法変更機構31B,32Bは、矩形状となっており、遮蔽体30の高さ寸法を変更することができる。すなわち、遮蔽体30は、本体31A,32Aと、本体31A,32Aの上部側に遮蔽体寸法変更機構31B,32Bをなすスライド移動体31B,32Bを有しており、スライド移動体31B,32Bは、本体31A,32Aに対し上下方向にスライド移動可能となっている。本体31A,32Aの外面とスライド移動体31B,32Bの内面は相互に滑動可能なスライド面となっている。
【0041】
表示器40は、第1の表示器41と第2の表示器42を有している。
第1の表示器41は、第1の表示体11に光の投射および映像の投影を行うことができる。つまり、第1の表示物11は、第1の表示体10に光の投射および映像の投影を行う第1の表示器41により表示される。第1の表示器41は、第1の表示体10の前方に配置されている。より詳しくは、第1の表示器10は、第1の表示体11の前方に配置されて前方から後方に向かって光の投射および映像の投影を第1の表示体10に対して行うことができる。
【0042】
第2の表示器42は、第2の表示体21に映像の投射を行うことができる。つまり、第2の表示物21は、第2の表示体20に光の投射および映像の投影を行う第2の表示器42により表示される。第2の表示器42は、第2の表示体20の後方に配置されている。より詳しくは、第2の表示器42は、第2の表示体42の後方に配置されて後方から前方に向かって光の投射および映像の投影を第2の表示体20に対して行うことができる。第1の表示器41および第2の表示器42は、所定の光の投射および映像の投影が可能なプロジェクターとすることができる。第1の表示器41および第2の表示器42は、光の投射を行うことができる所定の光源を有している。
【0043】
第2の表示器42により第2の表示体20に投射された光および投影された映像は、第2の表示体20の透過率が所定の値を超えたときに前方からも見ることができる。すなわち、第1の表示体11および第2の表示体20の透過率は所定の値を超えるように設定することとすれば、第1の表示体11の前方から見たときに第1の表示物11および第2の表示物21の両方を同時に見ることができる。また、第2の表示器42を第2の表示体20の後方に配置することにより、ユーザUがスペースAに侵入しても、第2の表示体20に光が投射または映像が投影される前に光または映像がユーザUに当たり遮られることを防ぐことができる。
【0044】
制御装置50は、図6に示すように、表示内容記憶部51、選択部52、表示制御部53、および切り換え部54を有している。制御装置50は、図7に示すように、コンピュータとしての一般的構成を備えている。制御装置50は、相互にバス50Aを介して接続された中央処理装置(CPU)50B、記憶装置(メモリ)50C、入力装置(キーボード、マウス、タッチパネル、リモートコントローラ)50D、表示装置(液晶ディスプレー)50E等を有している。
【0045】
表示内容記憶部51は、第1の表示物11の表示内容(例えば、木、草、花等の表示内容)と第2の表示物21の表示内容(例えば、空、海、山、森、建物、天体、草等)を主に映像データおよび音声データとして記憶することができる。より詳しくは、表示内容記憶部51は、第1の表示物11の表示内容と第2の表示物21の表示内容を相互に関連した表示内容として記憶することができる。
【0046】
例えば、表示内容記憶部51は、一体の映像を第1の表示物11と第2の表示物21に分けて記憶し表示させることができる。すなわち、図の例においては、第1の表示物11および第2の表示物21をなしている山、太陽、草、木は、そもそも一体の映像であり、この一体の映像において前方側にある草、木を前方側の第1の表示体10が表示する第1の表示物11として記憶し、後方側にある草、山、太陽を後方側の第2の表示体20が表示する第2の表示物21として記憶する構成となっている。一体の映像は、所定のドラマや映画の映像とすることができ、表示内容記憶部51は、第1の表示物11と第2の表示物21を所定のストーリーを介して相互に関連した表示内容として記憶することができる。
【0047】
表示内容記憶部51は、第1の表示物11の第1の表示体10における表示の変化が第2の表示物21の第2の表示体20における表示の変化よりも大きくなるように記憶することができる。
【0048】
すなわち、図の例においては、第1の表示物11および第2の表示物21はいずれも草を有することとしているが、第1の表示物11として草の風により靡く速度が、第2の表示物21として草の風により靡く速度よりも大きくなるように表示内容記憶部51に記憶されている。また、映像の送り速度(再生速度)や映像の切り換わりの速度、更には映像の切り換わり頻度が第2の表示物21よりも第1の表示物11の方が大きくなるように記憶されている。このように、靡く速度、送り速度、切り換わり速度、切り換わり頻度が大きくなるように設定する等、第1の表示物11の第1の表示体10における表示の変化が第2の表示物21の第2の表示体20における表示の変化よりも大きくなるように設定されている。
【0049】
なお、表示内容記憶部51は、第1の表示体10における第1の表示物11の表示位置の座標データ、第2の表示体20における第2の表示物21の表示位置の座標データを記憶することができる(第1の表示体10、第2の表示体20、第1の表示器41、および第2の表示器42は、固定した位置に配置されている)。
【0050】
選択部52は、第1の表示体10および第2の表示体20により表示される表示物11,21を選択することができる。選択部52は、表示内容記憶部51に記憶された表示内容の中から所定の表示物11,21を選択することができる。選択部52による選択は、ユーザUがコントローラ等の入力装置50Dを所要に操作することにより行うことができる。
【0051】
表示制御部53は、表示内容記憶部51から所定の表示内容を読み出して第1の表示体10および第2の表示体20における表示物11,21の表示の制御を行うことができる。表示制御部53は、選択部52により選択された表示物11,21の表示の制御を行うことができる。
【0052】
すなわち、表示制御部53は、表示内容記憶部51に記憶された内容にしたがって、第1の表示物11の表示の制御と第2の表示物20の表示の制御を関連させて行うことができる。また、表示制御部53は、表示内容記憶部51に記憶された内容にしたがって、第1の表示物11の第1の表示体10における表示の変化が第2の表示物21の第2の表示体20における表示の変化よりも大きくなるように表示の制御を行うことができる。表示制御部53は、表示器41,42を介して表示物11,21の表示の制御を行うことができる。
【0053】
また、表示制御部53は、スペースAにおけるユーザUの位置に応じてより詳しくは表示物11,21とスペースAにおけるユーザUの位置関係に応じて第1の表示物11の表示および第2の表示物21の表示を所定に制御することができる。
更に、表示制御部53は、光の投射の制御を行うことができる。つまり、表示制御部53による表示の制御には、光の投射の制御および映像の投影の制御のいずれも含むことができる。
【0054】
すなわち、本表示システム1は、ユーザUの位置を検出する位置検出器(図示せぬ)を有している。つまり、表示制御部53は、位置検出器により検出されたユーザUの位置データと表示内容記憶部51に記憶された表示物11,21の表示位置の座標データとの相関関係に基づいて第1の表示物11の表示と第2の表示物21の表示を制御することができる。
【0055】
例えば、表示制御部53は、ユーザUと表示物11,21の位置が所定の方向から見て重なったとき、またはユーザUと表示物11,21の距離が所定に離間しているときに、ユーザUと表示物11,21との位置が重ならないように、または、ユーザUと表示物11,21の距離が所定に接近するように、表示物11,21の表示を制御することができる。この表示物11,21の表示の制御は、表示体10,20と表示物11,21との相対位置関係を変更することによる表示の制御と表示物11,21を表示体10,20に表示する表示器41,42の位置を変更することによる表示の制御のいずれによっても行うことができる。
【0056】
切り換え部54は、第1の表示器41による表示と第2の表示器42による表示を所定に切り換えることができる。切り換え部54は、スペースAにおけるユーザUの位置に応じてより詳しくは表示物11,21とスペースAにおけるユーザUの位置関係に応じて第1の表示器41による表示と第2の表示器42による表示を切り換えることができる。
【0057】
すなわち、切り換え部54は、位置検出器により検出されたユーザUの位置データと表示内容記憶部51に記憶された表示物11,21の表示位置の座標データとの相関関係に基づいて第1の表示器41による第1の表示物11の表示と第2の表示器42による第2の表示物21の表示を切り換えることができる。
【0058】
例えば、切り換え部54は、ユーザUと表示物11,21のうちいずれか一方の位置が所定の方向から見て重なったときにいずれか一方の表示物11,21を表示する表示器41,42を停止することができる。そして、ユーザUの位置と重ならないいずれか他方の表示物11,21を表示する表示器41,42の表示を維持しつつ他方の表示器41,42に停止した側の一方の表示物11,21を表示することができる。また、切り換え部54は、ユーザUが動作してユーザUと表示物11,21のうちいずれか一方の位置の重なりが解消したときにいずれか一方の表示器41,42による表示物11,21の表示を再開(いずれか他方の表示器41,42による一方の表示物11,21の表示は停止する)する等、表示器41,42による表示物11,21の表示を所定に切り換えることができる。
【0059】
次に、本発明の表示システム1による配置方法および制御方法を図8のフローチャートおよび図9乃至図12に基づいて説明する。
【0060】
すなわち、ますステップS10において、図9に示すように、第1の表示体10を前方側に配置する。
【0061】
次いで、ステップS20において、図10に示すように、第2の表示体20を、第1の表示体10と所定に離間するように、第1の表示体10の後方側に配置する。この配置は、第1の表示体10と第2の表示体20との間にユーザUが侵入可能な所定のスペースAが介在するように行う。
【0062】
続いて、ステップS30において、図11および図12に示すように、ユーザUが、スペースAに侵入する。
【0063】
次に、ステップS40において、図1および図2に示すように、スペースAの側方側すなわちユーザUの右側に第1の遮蔽体31を配置し、ユーザUの左側に第2の遮蔽体32を配置する。
【0064】
次いで、ステップS50において、選択部52が、表示内容記憶部51に記憶された表示内容の中から所定の表示物を選択する。この選択部52による選択は、ユーザUが入力装置50D(コントローラ)を所要に操作することにより行うことができる。
【0065】
続いて、ステップS60において、表示制御部53が、選択部52により選択された表示物11,21の表示の制御を行う。すなわち、表示制御部53は、表示内容記憶部51に記憶された内容にしたがって、第1の表示物11の表示の制御と第2の表示物20の表示の制御を関連させて行う。また、表示制御部53は、第1の表示物11の第1の表示体10における表示の変化が第2の表示物21の第2の表示体20における表示の変化よりも大きくなるように表示の制御を行う。更に、表示制御部53は、スペースAにおけるユーザUの位置に応じてより詳しくは表示物11,21とスペースAにおけるユーザUの位置関係に応じて第1の表示物11の表示および第2の表示物21の表示を所定に制御することができる。
【0066】
次に、ステップS70において、切り換え部54が、表示物11,21とスペースAにおけるユーザUの位置関係に応じて第1の表示器41による表示と第2の表示器42による表示を所定に切り換える。
【0067】
以上説明したように、本発明によれば、第1の表示体10と第2の表示体20は、第1の表示体10と第2の表示体20との間にユーザUが侵入可能な所定のスペースAが介在するように配置することとしたので、表示体10,20間にユーザUが侵入可能な所定のスペースAを有する表示システム1を提供することができる。
【0068】
また、第1の表示体10および第2の表示体20は、所定の光や映像が透過可能に構成されることとしたので、第1の表示体10および第2の表示体20を介してもユーザUに対して所定の光や映像を照射することができる。
【0069】
更に、第2の表示体20の寸法は、第1の表示体10の寸法よりも大きい寸法に設定することとしたので、第1の表示体10を背景側の第2の表示体20が包含するように配置することができ、遠近感を演出することができる(スペースAに侵入したユーザUを視認することができる)。
【0070】
更にまた、第2の表示体20における第2の表示物21の表示面積は、第1の表示体10における第1の表示物11の表示面積よりも大きい面積に設定することとしたので、更に遠近感を演出することができる。
【0071】
また更に、第1の表示体10と第2の表示体20との間に介在する所定のスペースAを外部から遮蔽するための遮蔽体30を有することとしたので、スペースAより詳しくはスペースAに侵入するユーザUを外部から遮蔽することができる(外部の側方側からはユーザUを視認することはできない)。
【0072】
また、表示制御部53は、第1の表示物11の第1の表示体10における表示の変化が第2の表示物21の第2の表示体20における表示の変化よりも大きくなるように表示の制御を行うこととしたので、更にまた遠近感を演出することができる。
【0073】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく特許請求の範囲内において種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
すなわち、例えば、上述した実施形態にあっては、表示物11,21は、映像とすることとしているが、表示体10,20に固定して描かれた絵や写真とすることとしてもよい。この場合にあっては、表示器41,42から光のみを投射して固定して描かれた絵や写真を光によって浮き上がらせるように表示することとしたり、更に表示器41,42により映像も投影して絵や写真とともに表示体10,20に表示することとしてもよい。すなわち、第1の表示物10および第2の表示物20は、表示体10,20に光の投射および/または映像の投影を行う表示器41,42により表示されることとすれば本発明の効果を奏することができる。また、表示体10,20に複数の光源を取り付け、表示物11,21を当該光源からの光とし、模様や絵等のように表してもよい。更に、表示器41,42により表示される映像は動画であっても静止画であってもよい。
【0074】
なお、表示体10,20に絵や写真を固定して描いた場合、正面や背面から見たときに、その位置関係によりユーザUに絵や写真による影が映ることがあるが、この場合にあっては、切り換え部54により表示器41,42の切り換えることとすれば、ユーザUと表示物11,21との位置関係による影の影響を調節することができる。
【0075】
また、上述した実施形態にあっては、スペースAを外部から遮蔽する遮蔽体30を有することとしているが、遮蔽体30を省略して、ユーザUがスペースAを左右に通り抜けできるように構成することとしてもよい。
更に、上述した実施形態にあっては、第1の表示体10、第2の表示体20、および遮蔽体30のいずれにも寸法変更機構10B,20B,31B,32Bを有することとしているが、遮蔽体30のいずれかに一つに寸法変更機構10B,20B,31B,32Bを有することとしても所要の効果を奏することができる。
【0076】
更にまた、上述した実施形態にあっては、表示制御部53は、第1の表示体10および第2の表示体20における表示物11,21の表示の制御をいずれも行うこととしているが、第1の表示体10および第2の表示体20のいずれか一方のみにおける表示物11,21の表示の制御を行うこととしても所要の効果を奏することができる。すなわち、表示制御部53は、第1の表示体10および/または第2の表示体20における表示物11,21の表示の制御を行うこととすれば、所要の効果を奏することができる。
【0077】
また更に、第1の表示物11および第2の表示物21の表示体10,20における表示はいずれも表示器40により行うこととしているが、第1の表示物11および第2の表示物21の表示体10,20における表示のうちいずれか一方のみを表示器40により行うこととしても所要の効果を奏することができる。すなわち、第1の表示物11および/または第2の表示物21は、表示体10,20に光の投射および/または映像の投影を行う表示器41,42により表示されることとすれば、所要の効果を奏することができる。
【0078】
また、選択部52は、第1の表示体10および第2の表示体20により表示される表示物11,21のいずれも選択することとしているが、第1の表示体10および第2の表示体20により表示される表示物11,21のいずれか一方のみを選択することとしても所要の効果を奏することができる。すなわち、選択部52は、第1の表示体10および/または第2の表示体20により表示される表示物11,21を選択することとすれば、所要の効果を奏することができる。
【0079】
更に、上述した実施形態にあっては、表示体10,20は、ハーフミラー、ガラス、およびアクリルのうち少なくともいずれかにより構成することとしているが、このような構成に限定されず岩や屏風等自然物や他の物品としても所要の効果を奏することができる。
【0080】
更にまた、上述した実施形態にあっては、遮蔽体30は、側方側から見て、ユーザUの全面を覆い隠すこととしているが、ユーザUの一部のみ(上半身のみ、顔のみ等)を隠すこととしてもよく、遮蔽体30は、のれんやカーテン等であってもよい。
【0081】
また更に、上述した実施形態にあっては、第1の表示器41は、第1の表示体10の前方に配置されて前方から後方に向かって光の投射および/または映像の投影を第1の表示体10に対して行い、第2の表示器42は、第2の表示体20の後方に配置されて後方から前方に向かって光の投射および/または映像の投影を第2の表示体20に対して行うこととしているが、図13に示すように、第1の表示器41は、第1の表示体10と第2の表示体20との間に侵入するユーザUの前方であって第1の表示体10の後方に配置されて後方から前方に向かって光の投射および/または映像の投影を第1の表示体10に対して行い、第2の表示器42は、第2の表示体20の後方に配置されて後方から前方に向かって光の投射および/または映像の投影を第2の表示体20に対して行うこととしてもよい(すなわち、第1の表示器41は、第1の表示体10の前方または後方に配置する構成とすることができる)。このように第1の表示器41を配置することで、第1の表示器41からの光や映像によるユーザUの影の発生を防止することができる(図13においては遮蔽体30を省略した構成を示している)。
【0082】
[撮影システム]
次に、本発明の撮影システム100について図14を参照して説明する。図13は、本発明の実施形態に係る撮影システム100の構成を示す側面図である。すなわち、撮影システム100は、表示システム1と撮影器110を備えており、撮影器110は、第1の表示体10、第2の表示体20、およびユーザUを撮影するための撮影器110を備えることとしている。撮影器110は、本体110aにレンズ部110bを備えた構成となっており、第1の表示体10の前方に配置されている。撮影器110は、カメラ、ビデオ等の音声とともに静止画像や動画を含む映像を撮影することが撮影器とすることができる。
【0083】
このように撮影システム100を構成することにより、表示体10,20間のスペースAにユーザUが侵入した状態で所定の撮影を行うことができる。なお、撮影器110は、第2の表示体20の後方に配置することとしたり、第1の表示体10の前方および第2の表示体20の後方のいずれにも配置することとしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
A:スペース
L0:ユーザの身長
L1:高さ寸法
L2:高さ寸法
L3:高さ寸法
W0:幅寸法
W1:幅寸法
W2:幅寸法
X0:奥行き寸法
X3:奥行き寸法
U:ユーザ
1:表示システム
10:第1の表示体
10A:本体
10B:スライド移動体(寸法変更機構)
11:第1の表示物
20:第2の表示体
20A:本体
20B:スライド移動体(寸法変更機構)
21:第2の表示物
30:遮蔽体
31:右側遮蔽体
31A:本体
31B:スライド移動体(寸法変更機構)
32:左側遮蔽体
32A:本体
32B:スライド移動体(寸法変更機構)
40:表示器
41:第1の表示器
42:第2の表示器
50:制御装置
50A:バス
50B:中央処理装置
50C:記憶装置
50D:入力装置
50E:表示装置
51:表示内容記憶部
52:選択部
53:表示制御部
54:切り換え部
100:撮影システム
110:撮影器
110a:本体
110b:レンズ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14