(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】ケーブルクランプ仮預け工具及び工事用ケーブル接続方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20230412BHJP
H02G 7/00 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
H02G1/02
H02G7/00
(21)【出願番号】P 2019027854
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】591095823
【氏名又は名称】株式会社九電工
(73)【特許権者】
【識別番号】591083772
【氏名又は名称】株式会社永木精機
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】澤部 満
(72)【発明者】
【氏名】武田 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】桑野 泰行
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212773(JP,A)
【文献】特開2000-23324(JP,A)
【文献】特開2003-189433(JP,A)
【文献】特開2000-209726(JP,A)
【文献】特開平8-145123(JP,A)
【文献】特開2018-57198(JP,A)
【文献】特開2009-165241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
H02G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱の間の配電線に対して着脱可能な配電線保持部と、
電気絶縁性を有し、細長く形成された連結部材と、
ケーブルクランプを着脱可能なケーブルクランプ保持部と、
変形可能な細長い吊り部材と、
を備え、
前記連結部材の一端部が前記配電線保持部に回転可能に取り付けられることで、前記配電線保持部に対する当該連結部材の姿勢が変更可能であり、
前記ケーブルクランプ保持部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動し、
前記吊り部材の端部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動することを特徴とするケーブルクランプ仮預け工具。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブルクランプ仮預け工具であって、
短絡接地クランプを着脱可能な短絡接地クランプ保持部を備えることを特徴とするケーブルクランプ仮預け工具。
【請求項3】
請求項2に記載のケーブルクランプ仮預け工具であって、
前記ケーブルクランプ保持部と、前記短絡接地クランプ保持部とが、電気的に導通していることを特徴とするケーブルクランプ仮預け工具。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のケーブルクランプ仮預け工具であって、
前記ケーブルクランプ保持部と、前記短絡接地クランプ保持部とが、前記連結部材を挟んで互いに反対側に配置されていることを特徴とするケーブルクランプ仮預け工具。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載のケーブルクランプ仮預け工具であって、
前記連結部材が前記配電線保持部に対して回転する回転軸は、前記配電線保持部が前記配電線を保持する場所と、平面視で異なる位置に配置されていることを特徴とするケーブルクランプ仮預け工具。
【請求項6】
電柱の間の配電線に対して着脱可能な配電線保持部と、
電気絶縁性を有し、細長く形成された連結部材と、
ケーブルクランプを着脱可能なケーブルクランプ保持部と、
変形可能な細長い吊り部材と、
を備え、
前記連結部材の一端部が前記配電線保持部に回転可能に取り付けられることで、前記配電線保持部に対する当該連結部材の姿勢が変更可能であり、
前記ケーブルクランプ保持部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動し、
前記吊り部材の端部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動するケーブルクランプ仮預け工具を用いた工事用ケーブル接続方法であって、
電柱の間の前記配電線に前記ケーブルクランプ仮預け工具の前記配電線保持部が取り付けられた状態で、前記ケーブルクランプ保持部に取り付けられている前記ケーブルクランプを、前記ケーブルクランプ保持部から取り外して前記配電線に接続するケーブルクランプ接続工程を含み、
前記ケーブルクランプ接続工程において、前記ケーブルクランプに接続されている工事用ケーブルの中途部が、前記吊り部材によって支持されていることを特徴とする工事用ケーブル接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、ケーブルクランプを電線に仮預けするための仮預け工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電柱と電柱の間に架設した配電線に対して工事を行う場合において、近年は、特許文献1に示すような、活線切分工法と無停電バイパス工法を組み合わせた工事方法が普及している。
【0003】
この工法について説明すると、先ず、配電線に通電された状態(活線状態)で、この配電線において工事区間の両外側の箇所の間を、バイパス電路によって電気的に接続する。その後、工事区間の両端で配電線をそれぞれ切断する。この切断は、活線状態で、かつ、切断後も電柱と電柱の間で配電線の張力を保持できるように行われる。特許文献1には、配電線に張力が掛かったままで配電線を切断できる工具が開示されている。
【0004】
次に、切断された2箇所の間で停電した配電線に、接地短絡器具を電気的に接続する。接地短絡器具は、例えば特許文献2に開示されている。この状態で、工事区間の配電線に対する作業が行われる。
【0005】
バイパス電路の両端には、工事用ケーブルとしてのバイパスケーブルがそれぞれ配置される。バイパスケーブルの一側の端部には、電柱と電柱の間の配電線に接続するためのケーブルクランプが取り付けられる。例えば特許文献3には、配電線の絶縁被覆の剥ぎ取りが不要なケーブルクランプが開示されている。このケーブルクランプは、接触刃を備えた可動体を配電線側に押し付けて配電線を挟み込む構成となっている。これにより、接触刃が絶縁被覆を貫通することで、バイパスケーブルが配電線に電気的に接続される。
【0006】
バイパスケーブルにおいてケーブルクランプと反対側の端部は、電柱に取り付けられた工事用開閉器に接続される。工事用開閉器は、例えば特許文献4に開示されている。これにより、バイパス電路を電気的に開閉することができる。
【0007】
従来、配電線に接続される前のケーブルクランプは、工事用開閉器が取り付けられた電柱に、一時的に支持させていた(仮預け)。具体的に説明すると、例えば特許文献5に示されるような仮支持クリートを電柱の適宜の場所に事前に取り付けておき、この仮支持クリートにケーブルクランプを仮預けする。その後、仮預けされているケーブルクランプを、電柱と電柱の間の配電線に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開昭62-31312号公報
【文献】特開2009-177898号公報
【文献】特許第5917661号公報
【文献】特開2017-130295号公報
【文献】特開2006-318720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の工法では、ケーブルクランプを仮預けした電柱から、配電線の接続対象箇所(電柱と電柱の間の部分)まで、ケーブルクランプを作業者が高所作業車のバケットで運ぶ必要がある。通常、配電線は3相3線式であるので、作業者は電柱から配電線の中途部まで、バケットで3往復する必要があった。ケーブルクランプを配電線に接続した後は、作業者は、下に凸となるように湾曲するバイパスケーブルに対して、常に十分に離れていなければならない。このため、バケットを大きく迂回させながら移動する必要があり、時間が更に多く掛かっていた。
【0010】
また、工事用開閉器と、そこから離れた配電線への接続箇所と、の間をバイパスケーブルでつなぐと、バイパスケーブルは配電線に対して、垂直ではなく斜め下方に垂れ下がるようにして接続される形となる。従って、バイパスケーブルの重量のうち相当の部分が、ケーブルクランプを介して配電線に加わる。従って、配電線がケーブルクランプによって斜め下方に強く引っ張られるため、配電線の横加重負担が増大し、配電線に損傷等が生じる原因となっていた。また、配電線とバイパスケーブルの接続部に斜め方向の力が加わるため、電気的接続の信頼性が低下する原因となっていた。
【0011】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、工事用ケーブルを配電線へ取り付けたときの配電線の横加重負担を低減するとともに、作業性を向上させるケーブルクランプ仮預け工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0013】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のケーブルクランプ仮預け工具が提供される。即ち、このケーブルクランプ仮預け工具は、配電線保持部と、連結部材と、ケーブルクランプ保持部と、吊り部材と、を備える。前記配電線保持部は、電柱の間の配電線に対して着脱可能である。前記連結部材は、電気絶縁性を有し、細長く形成される。前記ケーブルクランプ保持部は、ケーブルクランプを着脱可能である。前記吊り部材は、変形可能であり、細長く構成される。前記連結部材の一端部が前記配電線保持部に回転可能に取り付けられることで、前記配電線保持部に対する当該連結部材の姿勢が変更可能である。前記ケーブルクランプ保持部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動する。前記吊り部材の端部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動する。
【0014】
これにより、電柱の間の配電線に固定したケーブルクランプ仮預け工具に、ケーブルクランプを仮預けすることができる。従って、電柱に仮預けする場合と比較して、仮預けしたケーブルクランプを配電線に接続するまでに移動させなければならない距離を短縮することができる。また、ケーブルクランプ保持部にケーブルクランプを仮預けした状態で、又は、工事用ケーブルの中途部にロープを固定した状態で、連結部材の姿勢を配電線保持部に対して変更することができる。従って、工事用ケーブルを無理に曲げることなく支持することができる。更に、工事用ケーブルの中途部にロープを固定することで、工事用ケーブルの重量のうち相当の部分を、ケーブルクランプ仮預け工具によって支持することができる。従って、配電線の横加重負担を軽減できる。言い換えれば、ケーブルクランプを配電線に接続した状態で工事用ケーブルによってケーブルクランプが斜め下方に強く引っ張られることによる配電線の損傷等を防止できる。
【0015】
前記のケーブルクランプ仮預け工具においては、短絡接地クランプを着脱可能な短絡接地クランプ保持部を備えることが好ましい。
【0016】
これにより、ケーブルクランプに加えて、短絡接地クランプをケーブルクランプ仮預け工具に仮預けすることもできる。従って、作業性が更に向上する。
【0017】
前記のケーブルクランプ仮預け工具においては、前記ケーブルクランプ保持部と、前記短絡接地クランプ保持部とが、電気的に導通していることが好ましい。
【0018】
これにより、ケーブルクランプをケーブルクランプ保持部に取り付け、短絡接地クランプを短絡接地クランプ保持部に取り付けることで、工事用ケーブルの放電を容易に行うことができる。
【0019】
前記のケーブルクランプ仮預け工具においては、前記ケーブルクランプ保持部と、前記短絡接地クランプ保持部とが、前記連結部材を挟んで互いに反対側に配置されていることが好ましい。
【0020】
これにより、ケーブルクランプ仮預け工具の小型化を実現できる。また、コンパクトなスペースに、ケーブルクランプ及び短絡接地クランプを仮預けすることができる。
【0021】
前記のケーブルクランプ仮預け工具においては、前記連結部材が前記配電線保持部に対して回転する回転軸は、前記配電線保持部が前記配電線を保持する場所と、平面視で異なる位置に配置されていることが好ましい。
【0022】
これにより、連結部材と配電線保持部の間に適宜の隙間を形成できる。従って、連結部材が姿勢を変更するときに配電線保持部が邪魔になりにくい構成を実現できる。
【0023】
本発明の第2の観点によれば、以下の工事用ケーブル接続方法が提供される。即ち、この工事用ケーブル接続方法では、配電線保持部と、連結部材と、ケーブルクランプ保持部と、吊り部材と、を備えるケーブルクランプ仮預け工具を用いる。前記配電線保持部は、電柱の間の配電線に対して着脱可能である。前記連結部材は、電気絶縁性を有し、細長く形成される。前記ケーブルクランプ保持部は、ケーブルクランプを着脱可能である。前記吊り部材は、変形可能であり、細長く構成される。前記連結部材の一端部が前記配電線保持部に回転可能に取り付けられることで、前記配電線保持部に対する当該連結部材の姿勢が変更可能である。前記ケーブルクランプ保持部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動する。前記吊り部材の端部の位置が、前記連結部材の姿勢の変更に伴って移動する。前記工事用ケーブル接続方法は、ケーブルクランプ接続工程を含む。このケーブルクランプ接続工程では、電柱の間の前記配電線に前記ケーブルクランプ仮預け工具の前記配電線保持部が取り付けられた状態で、前記ケーブルクランプ保持部に取り付けられている前記ケーブルクランプを、前記ケーブルクランプ保持部から取り外して前記配電線に接続する。前記ケーブルクランプ接続工程において、前記ケーブルクランプに接続されている工事用ケーブルの中途部が、前記吊り部材によって支持されている。
【0024】
これにより、電柱の間の配電線に固定したケーブルクランプ仮預け工具に、ケーブルクランプを仮預けすることができる。従って、電柱に仮預けする場合と比較して、仮預けしたケーブルクランプを配電線に接続するまでに移動させなければならない距離を短縮することができる。また、ケーブルクランプ保持部にケーブルクランプを仮預けした状態で、又は、工事用ケーブルの中途部にロープを固定した状態で、連結部材の姿勢を配電線保持部に対して変更することができる。従って、工事用ケーブルを無理に曲げることなく支持することができる。更に、工事用ケーブルの中途部にロープを固定することで、工事用ケーブルの重量のうち相当の部分を、ケーブルクランプ仮預け工具によって支持することができる。従って、配電線の横加重負担を軽減できる。言い換えれば、ケーブルクランプを配電線に接続した状態で工事用ケーブルによってケーブルクランプが斜め下方に強く引っ張られることによる配電線の損傷等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る径間クリートの全体的な構成を示す斜視図。
【
図5】配電線に径間クリートを取り付けた状態を示す模式図。
【
図6】ケーブルクランプを径間クリートに仮預けした状態を示す模式図。
【
図7】短絡接地クランプを径間クリートに仮預けした状態を示す模式図。
【
図8】バイパスケーブルの中途部をロープで吊った状態を示す模式図。
【
図9】ケーブルクランプを配電線に接続した状態を示す模式図。
【
図11】切断された配電線に短絡接地クランプを接続した状態を示す模式図。
【
図12】ケーブルクランプを配電線から取り外して径間クリートに仮預けする前に、3つの径間クリートにそれぞれ短絡接地クランプを仮預けした状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る径間クリート1の全体的な構成を示す斜視図である。
図2は、ケーブルクランプ60を示す斜視図である。
図3は、短絡接地クランプ70を示す斜視図である。
【0027】
図1に示す径間クリート(ケーブルクランプ仮預け工具)1は、配電線90のうち電柱と電柱の間の部分に着脱可能に取り付けられる工具である。径間クリート1は、配電線90に取り付けられた状態で、
図2に示すケーブルクランプ60、及び、
図3に示す短絡接地クランプ70を一時的に支持することができる(仮預け)。
【0028】
径間クリート1は、
図1に示すように、配電線保持部4と、連結部材5と、ケーブルクランプ保持部6と、短絡接地クランプ保持部7と、ロープ(吊り部材)8と、を備える。
【0029】
配電線保持部4は、配電線90を上下から挟んで保持する。これにより、径間クリート1を配電線90に固定することができる。
【0030】
配電線保持部4は、クランプ本体10と、ネジボス13と、ネジ軸11と、可動部材12と、操作ジョイント16と、オフセットアーム17と、を備える。
【0031】
クランプ本体10は、略C字状に形成され、その内部に配電線90を入れることができる。クランプ本体10の上部はフック状に形成されているので、クランプ本体10を配電線90に引っ掛けることができる。
【0032】
ネジボス13は、クランプ本体10の下部に固定されている。ネジボス13には、貫通状のネジ孔が形成されている。このネジ孔は、クランプ本体10を配電線90に引っ掛けた状態で、上下方向に向くように配置されている。
【0033】
ネジ軸11は、ネジボス13のネジ孔に捩じ込まれている。ネジ軸11の一端(上端)は、クランプ本体10の内部に突出している。ネジ軸11の他端(下端)には、操作ジョイント16が形成されている。
【0034】
可動部材12は、クランプ本体10の内部に配置されている。可動部材12は、ネジ軸11の端部に、回転可能に取り付けられている。クランプ本体10を配電線90に引っ掛けた状態で、可動部材12は配電線90の下方に位置している。
【0035】
可動部材12は、クランプ本体10に対して、ネジ軸11と平行な方向に移動可能となるように案内されている。また、可動部材12は、クランプ本体10に対して回り止めがされている。
【0036】
操作ジョイント16は、ネジ軸11の下端にボス状に形成されている。操作ジョイント16には、ホットスティック50を着脱可能に接続することができる。ホットスティック50は、間接活線工法において遠隔操作のために用いられる公知の絶縁棒である。操作ジョイント16にホットスティック50を接続した状態でホットスティック50を回転させることで、ネジ軸11を回転させることができる。
【0037】
オフセットアーム17は、クランプ本体10に固定されている。オフセットアーム17は、配電線保持部4が配電線90に取り付けられた状態で、配電線90の長手方向と平行に細長く延びている。詳細は後述するが、このオフセットアーム17に、連結部材5が取り付けられる。
【0038】
以上の構成で、ホットスティック50を操作ジョイント16に接続した状態で回転させると、ネジ軸11が回転し、可動部材12がネジ送りされる。これにより、可動部材12は、クランプ本体10の内部空間に進出/退避する。この結果、配電線90のクランプ/クランプ解除を行うことができる。
【0039】
連結部材5は、電気絶縁性を有する部材により、細長い丸棒状に形成されている。
【0040】
連結部材5の長手方向一端部は、配電線保持部4が備えるオフセットアーム17に対して、ピン23により回転可能に連結される。配電線保持部4を配電線90に取り付けた状態で、ピン23の軸線(言い換えれば、連結部材5の回転軸線)は、水平であり、かつ、平面視で配電線90に対して直交した向きとなっている。
【0041】
連結部材5において、配電線保持部4に連結される側と反対側の端部(配電線保持部4から遠い側の端部)には、接続部材19が固定される。この接続部材19に、ケーブルクランプ保持部6及び短絡接地クランプ保持部7が取り付けられている。
【0042】
ケーブルクランプ保持部6は、直線状に細長い丸棒状に形成されている。ケーブルクランプ保持部6の長手方向一端が、接続部材19を介して連結部材5に取り付けられている。ケーブルクランプ保持部6には、ケーブルクランプ60を着脱可能に固定することができる。
【0043】
本実施形態では、ケーブルクランプ60は、
図2に示すように接触刃62を有するものが用いられている。ケーブルクランプ60の詳細については後述する。
図1に示すように、ケーブルクランプ保持部6には、ケーブルクランプ60でクランプしたときに接触刃62が変形しないように、リング状の溝29が形成されている。
【0044】
短絡接地クランプ保持部7は、直線状に細長い丸棒状に形成されている。短絡接地クランプ保持部7の長手方向一端が、接続部材19を介して連結部材5に取り付けられている。短絡接地クランプ保持部7には、短絡接地クランプ70を着脱可能に固定することができる。短絡接地クランプ70の詳細については後述する。
【0045】
ケーブルクランプ保持部6及び短絡接地クランプ保持部7は、接続部材19(連結部材5の端部)を挟んで互いに反対側に配置されている。また、ケーブルクランプ保持部6及び短絡接地クランプ保持部7は、全体として1本の直線をなすように並べて配置されている。ケーブルクランプ保持部6及び短絡接地クランプ保持部7の長手方向は、上述のピン23の軸線と平行に配置されている。
【0046】
ケーブルクランプ保持部6及び短絡接地クランプ保持部7は、電気の良導体(例えば、金属)で形成されている。ケーブルクランプ保持部6と短絡接地クランプ保持部7は、同様に電気の良導体で形成された接続部材19を介して、電気的に導通している。
【0047】
接続部材19は、U字状に形成されている。接続部材19の一側の側面にケーブルクランプ保持部6が取り付けられ、他側の側面に短絡接地クランプ保持部7が取り付けられる。
【0048】
U字状の接続部材19の内側には、プーリ31が回転可能に支持されている。このプーリ31に、ロープ8の一端側に形成されているループ部が巻き回されている。これにより、ロープ8は、連結部材5の端部に対して回転可能に取り付けられている。
【0049】
ロープ8は、電気絶縁性を有する材料によって細長く形成されている。ロープ8は、可撓性を有しており、適宜変形可能である。詳細は後述するが、ロープ8の先端を、
図2に示すバイパスケーブル(工事用ケーブル)65の中途部に連結することで、バイパスケーブル65の重量の一部を支持することができる。
【0050】
本実施形態では、
図1に示すように、ケーブルクランプ保持部6及び短絡接地クランプ保持部7が、連結部材5のうち配電線保持部4から遠い側の端部に取り付けられている。また、ロープ8の端部も同様に、連結部材5のうち配電線保持部4から遠い側の端部に取り付けられている。従って、
図1の矢印で示すように連結部材5が姿勢を変更するのに伴って、ケーブルクランプ保持部6の位置、短絡接地クランプ保持部7の位置、及びロープ8の端部の位置が、円弧状の軌跡を描いて移動する。これにより、仮預けされたケーブルクランプ60及び短絡接地クランプ70に加わる力、又は、ロープ8に加わる力に応じて、連結部材5の姿勢を柔軟に変更することができる。この結果、ケーブルクランプ60及びバイパスケーブル65等の重量を無理なく支持することができる。
【0051】
更に、本実施形態では、ピン23がオフセットアーム17の先端に配置されているので、連結部材5の回転軸は、配電線保持部4が配電線90を保持する場所から少し離れている。これにより、連結部材5と配電線保持部4との間に適宜の隙間を形成することができるので、連結部材5が姿勢を変更するときに配電線保持部4との間で干渉しにくくなっている。また、配電線保持部4についてクランプ/クランプ解除の操作を行うときに、連結部材5がホットスティック50の邪魔になりにくいので、作業性が良好である。
【0052】
次に、ケーブルクランプ60について説明する。
【0053】
図2に示すように、バイパスケーブル65の先端には、ケーブルクランプ60が固定されている。ケーブルクランプ60は、クランプ部61を備える。クランプ部61は、径間クリート1における配電線保持部4と同様に、配電線90を上下方向で挟んでクランプすることができる。クランプ部61の構成は、径間クリート1の配電線保持部4と同様であるため、説明を省略する。ただし、このクランプ部61には、配電線90をクランプしたときに絶縁被膜を切り込んで心線に接触するための接触刃62が設けられている。この結果、クランプ部61と配電線90の心線とが電気的に導通する。クランプ部61は電気の良導体から構成されており、バイパスケーブル65の心線と電気的に接続されている。
【0054】
クランプ部61の下端部には、ジョイント部材63が設けられている。このジョイント部材63にホットスティック50を接続してネジ軸を回転させることで、ケーブルクランプ60のクランプ/クランプ解除を行うことができる。クランプ部61の周囲は、絶縁カバー64によって覆われている。
【0055】
次に、短絡接地クランプ70について説明する。
【0056】
図3に示すように、短絡接地器具78は、短絡接地ケーブル75と、短絡接地クランプ70と、を備える。短絡接地ケーブル75の一側の端部は、地面に埋め込まれた図略の接地端子に電気的に接続される。短絡接地クランプ70は、短絡接地ケーブル75のうち接地端子と反対側の端部に固定されている。
【0057】
短絡接地クランプ70は、クランプ部71を備える。クランプ部71は、径間クリート1における配電線保持部4と同様に、配電線90を上下方向で挟んでクランプすることができる。クランプ部71の構成は、径間クリート1の配電線保持部4と同様であるため、説明を省略する。配電線90において、クランプ部71によってクランプする箇所の絶縁被覆は、事前に剥ぎ取られ、心線が露出している。従って、クランプ部71によって配電線90をクランプすることで、クランプ部71と配電線90の心線とが電気的に導通する。クランプ部71は電気の良導体から構成されており、短絡接地ケーブル75の心線と電気的に接続されている。
【0058】
短絡接地クランプ70の下端部には、ジョイント部材73が設けられている。このジョイント部材73にホットスティック50を接続してネジ軸を回転させることで、短絡接地クランプ70のクランプ/クランプ解除を行うことができる。
【0059】
3相のうち1相の短絡接地クランプ70の下部には、クランプ取付棒74が設けられている。このクランプ取付棒74には、
図3の鎖線で示すように、他の2相の短絡接地クランプ70を仮固定することができる。これにより、3相3線分の短絡接地クランプ70及び短絡接地ケーブル75をまとめて取り扱うことが容易となっている。
【0060】
次に、径間クリート1を用いてバイパスケーブル65を配電線90に取り付ける作業について、
図4から
図11までを参照して詳細に説明する。
【0061】
図4には、配電線90について設定された工事区間90aの一側の端部が概略的に示されている。工事区間90aの外側において配電線90にバイパスケーブル65を取り付ける際には、予め、電柱41に取り付けられた工事用開閉器42に、3本のバイパスケーブル65の長手方向一端部をそれぞれ接続しておく。ただし、
図4から
図9まで及び
図11では、配電線90、バイパスケーブル65、及び径間クリート1等は1つだけ示している。工事用開閉器42は、予めOFFとしておく。
【0062】
次に、作業者は、
図5に示すように、径間クリート1の配電線保持部4によって配電線90をクランプする。径間クリート1を配電線90に取り付ける向きは、連結部材5が配電線保持部4よりも工事区間90aに近い側(工事用開閉器42に近い側)となる向きとする。これにより、径間クリート1が配電線90に固定され、連結部材5がほぼ真下を向いた状態になる。
【0063】
径間クリート1を取り付ける操作は、径間クリート1の操作ジョイント16にホットスティック50を取り付け、このホットスティック50を回転させることにより行うことができる。作業者は、図示しない高所作業車のバケットに乗った状態で、各種の作業を行う。
【0064】
径間クリート1を取り付ける作業は、3相3線の配電線90に対してそれぞれ行われる。従って、径間クリート1は3つ必要になる。
【0065】
続いて、作業者は、
図6に示すように、3つの径間クリート1のそれぞれについて、ケーブルクランプ保持部6にケーブルクランプ60を取り付ける。具体的には、ケーブルクランプ60のクランプ部61によって、ケーブルクランプ保持部6をクランプさせる。この操作は、ケーブルクランプ60にホットスティック50を接続した状態で行う。これにより、ケーブルクランプ60が径間クリート1に仮預けされる。
【0066】
径間クリート1に固定されたケーブルクランプ60と、工事用開閉器42と、の間では、バイパスケーブル65が下方に湾曲しながら垂れ下がった状態となる。ケーブルクランプ保持部6は、配電線保持部4に対して姿勢を変更可能な連結部材5の下端部に配置されているので、ケーブルクランプ60は、例えば
図6の鎖線で示すように移動可能である。これにより、ケーブルクランプ60と工事用開閉器42との間で、バイパスケーブル65を自然に屈曲させた状態とすることができる。従って、バイパスケーブル65の無理な曲げによる損傷等を防止することができる。
【0067】
次に、作業者は、
図7に示すように、3つのうち1つの径間クリート1において、短絡接地クランプ保持部7に、3相3線分がまとめられた短絡接地器具78を取り付ける。具体的には、短絡接地クランプ70のクランプ部71によって、短絡接地クランプ保持部7をクランプさせる。この操作は、短絡接地クランプ70にホットスティック50を接続した状態で行う。ただし、
図7以降では、図が複雑になるのを避けるため、短絡接地クランプ70に接続されるホットスティック50は描かれていない。これにより、短絡接地クランプ70が径間クリート1に仮預けされる。
【0068】
その後、作業者は、バイパスケーブル65の中途部を径間クリート1側に近づけるようにある程度引き寄せ、当該中途部とケーブルクランプ60との間で、バイパスケーブル65を適宜の量だけ弛ませる。この状態で、
図8に示すように、バイパスケーブル65の中途部が、径間クリート1のロープ8に結び付けられる。この作業は、3つのバイパスケーブル65(径間クリート1)に対してそれぞれ行われる。
【0069】
図1に示すように、径間クリート1において、ロープ8の端部が連結部材5に取り付けられる場所は、短絡接地クランプ保持部7よりも、ケーブルクランプ保持部6に近くなっている。従って、ロープ8をバイパスケーブル65に固定する場合に、短絡接地クランプ保持部7に仮預けされている短絡接地クランプ70等にロープ8が引っ掛かりにくくすることができる。これにより、作業を円滑に行うことができる。
【0070】
次に、作業者は、ホットスティック50を操作して、径間クリート1のケーブルクランプ保持部6からケーブルクランプ60を取り外す。その後、
図9に示すように、ケーブルクランプ60が配電線90に取り付けられる。具体的には、ケーブルクランプ60のクランプ部61によって、配電線90をクランプさせる。この結果、配電線90とバイパスケーブル65が電気的に導通する。ケーブルクランプ60への配電線90の取付箇所は、径間クリート1の配電線90への取付箇所よりも、工事区間90aから遠い側となっている。
【0071】
この作業は、3つのケーブルクランプ60のそれぞれについて行われる。
図10には、3つのケーブルクランプ60を配電線90に接続した状態が示されている。
【0072】
図9の状態では、ケーブルクランプ60と工事用開閉器42との間のバイパスケーブル65の重量のうち相当の部分が、ロープ8及び連結部材5を介して、径間クリート1によって支持される。従って、配電線90に接続しているケーブルクランプ60が、バイパスケーブル65の重量によって斜め下方向に強く引っ張られなくなる。従って、ケーブルクランプ60の接続箇所における配電線90の折れを防止することができる。更には、配電線90の横加重負担を軽減できるので、配電線90の損傷を防止できる。また、ケーブルクランプ60の接触刃62によって配電線90の絶縁被覆に開けられる孔の歪みを防止することができる。
【0073】
更には、バイパスケーブル65の重量を、径間クリート1とケーブルクランプ60の2つで分担して支持しているので、配電線90に対して局所的に大きな負荷が掛かるのを防止できる。
【0074】
ロープ8は、配電線保持部4に対して姿勢を変更可能な連結部材5の下端部に連結されている。従って、連結部材5の姿勢を柔軟に変更しながら、バイパスケーブル65の中途部を吊って支持することができる。この結果、バイパスケーブル65の無理な曲げを防止することができる。
【0075】
上述のとおり、ケーブルクランプ60を配電線90へ接続する作業は、3つのケーブルクランプ60についてそれぞれ行われる。この点、本実施形態では、3つのケーブルクランプ60は、配電線90への接続箇所に近い場所に固定された径間クリート1にそれぞれ仮預けされている。従って、配電線90に対する接続箇所へ径間クリート1からケーブルクランプ60を動かす距離を短くすることができる。ケーブルクランプ60の接続作業は3回繰り返すことになるので、上記の距離短縮の効果は特に大きい。
【0076】
1つ目のケーブルクランプ60を配電線90に接続した後は、当該ケーブルクランプ60に繋がっているバイパスケーブル65は充電状態となる。しかしながら、バイパスケーブル65の中途部がロープ8によって吊られているので、ケーブルクランプ60の近傍で、バイパスケーブル65が下側に大きく垂れ下がることがない。従って、2つ目以降のケーブルクランプ60を配電線90に接続する場合に、大きく迂回して移動する必要がない。この意味でも、全体としての作業性を向上させることができる。
【0077】
以上により、ケーブルクランプ60の配電線90への接続作業が完了する。なお、工事区間90aの反対側の端部についても、上記と実質的に同様の作業が行われる。これにより、工事区間90aをバイパスするバイパス電路が構成される。その後、工事用開閉器42がONに操作される。
【0078】
続いて、適宜の切断工事用工具を用いて、
図11に示す切分箇所49において、配電線90を切断する。切断工事用工具としては、例えば特許文献1に示すものを用いることができる。配電線90の切断は、工事区間90aの反対側においても同様に行われる。これにより、工事区間90aの配電線90が停電する。
【0079】
その後、工事区間90aの配電線90において、切分箇所49に近い部分の絶縁被覆を剥ぎ取り、3つのうち1つの径間クリート1に固定されていた短絡接地クランプ70を取り付ける。この作業は、3つの配電線90に対してそれぞれ行われる。その後、工事区間90aの配電線90に対する作業が、工事の目的に応じて適宜行われる。
【0080】
工事区間90aでの工事が完了した後は、上述と逆の手順でバイパスケーブル65及び径間クリート1を取り外せば良い。ただし、
図12に示すように、3つの配電線90のそれぞれから取り外した短絡接地クランプ70は、1つにまとめずに、3つの径間クリート1のそれぞれに仮預けする。この状態で、3つのケーブルクランプ60を取り外してそれぞれの径間クリート1に仮預けすると、ケーブルクランプ保持部6と短絡接地クランプ保持部7が電気的に導通しているので、3つのケーブルクランプ60のそれぞれを、短絡接地クランプ70を介して放電することができる。このように、本実施形態の径間クリート1は、ケーブルクランプ60の放電を容易に行うことができる。
【0081】
以上に説明したように、本実施形態の径間クリート1は、配電線保持部4と、連結部材5と、ケーブルクランプ保持部6と、ロープ8と、を備える。配電線保持部4は、電柱41の間の配電線90に対して着脱可能である。連結部材5は、電気絶縁性を有し、細長く形成される。ケーブルクランプ保持部6は、ケーブルクランプ60を着脱可能である。ロープ8は、変形可能であり、細長く構成される。連結部材5の一端部が配電線保持部4に回転可能に取り付けられることで、配電線保持部4に対する連結部材5の姿勢が変更可能である。ケーブルクランプ保持部6の位置が、連結部材5の姿勢の変更に伴って移動する。ロープ8の端部が、連結部材5の姿勢の変更に伴って移動する。
【0082】
また、本実施形態では、以下に示す方法で、バイパスケーブル65が配電線90に接続される。即ち、このバイパスケーブル接続方法は、ケーブルクランプ接続工程を含む。このケーブルクランプ接続工程では、電柱41の間の配電線90に径間クリート1の配電線保持部4が取り付けられた状態で、ケーブルクランプ保持部6に取り付けられているケーブルクランプ60を、ケーブルクランプ保持部6から取り外して配電線90に接続する。ケーブルクランプ接続工程において、ケーブルクランプ60に接続されているバイパスケーブル65の中途部が、ロープ8によって支持されている。
【0083】
これにより、電柱41の間の配電線90に固定した径間クリート1に、ケーブルクランプ60を仮預けすることができる。従って、電柱41に仮預けする場合と比較して、仮預けしたケーブルクランプ60を配電線90に接続するまでに移動させなければならない距離を短縮することができる。また、ケーブルクランプ保持部6にケーブルクランプ60を仮預けした状態で、又は、バイパスケーブル65の中途部にロープ8を固定した状態で、連結部材5の姿勢を配電線保持部4に対して変更することができる。従って、バイパスケーブル65を無理に曲げることなく支持することができる。更に、バイパスケーブル65の中途部にロープ8を固定することで、バイパスケーブル65の重量のうち相当の部分を、径間クリート1によって支持することができる。従って、配電線90の横加重負担を軽減できる。言い換えれば、ケーブルクランプ60を配電線90に接続した状態でバイパスケーブル65によってケーブルクランプ60が斜め下方に強く引っ張られることによる配電線90の損傷等を防止できる。
【0084】
また、本実施形態の径間クリート1は、短絡接地クランプ70を着脱可能な短絡接地クランプ保持部7を備える。
【0085】
これにより、ケーブルクランプ60に加えて、短絡接地クランプ70を径間クリート1に仮預けすることもできる。従って、作業性が更に向上する。
【0086】
また、本実施形態の径間クリート1において、ケーブルクランプ保持部6と、短絡接地クランプ保持部7とが、電気的に導通している。
【0087】
これにより、ケーブルクランプ60をケーブルクランプ保持部6に取り付け、短絡接地クランプ70を短絡接地クランプ保持部7に取り付けることで、バイパスケーブル65の放電を容易に行うことができる。
【0088】
また、本実施形態の径間クリート1において、ケーブルクランプ保持部6と、短絡接地クランプ保持部7とが、連結部材5を挟んで互いに反対側に配置されている。
【0089】
これにより、径間クリート1の小型化を実現できる。また、コンパクトなスペースに、ケーブルクランプ60及び短絡接地クランプ70を仮預けすることができる。
【0090】
また、本実施形態の径間クリート1において、連結部材5が配電線保持部4に対して回転する回転軸は、配電線保持部4が配電線90を保持する場所と、平面視で異なる位置に配置されている。
【0091】
これにより、連結部材5と配電線保持部4の間に適宜の隙間を形成できる。従って、連結部材5が姿勢を変更するときに配電線保持部4が邪魔になりにくい構成を実現できる。
【0092】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0093】
オフセットアーム17を省略して、連結部材5をクランプ本体10に対して直接取り付けることもできる。
【0094】
ケーブルクランプ保持部6は、ケーブルクランプ60によってクランプすることが可能であれば、形状を適宜変更することができる。短絡接地クランプ保持部7も同様である。
【0095】
短絡接地クランプ保持部7を省略しても良い。
【0096】
径間クリート1がロープ8を複数本備えても良い。ロープ8に代えて、例えば鎖等を用いても良い。
【0097】
上述の実施形態では、ロープ8の先端をバイパスケーブル65に結び付ける構成となっている。ただし、ロープ8の先端にクランプ等を設けて、バイパスケーブル65をクランプすることで固定する構成としてもよい。
【0098】
本発明のケーブルクランプ仮預け工具は、無停電バイパス工法以外の工事にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 径間クリート(ケーブルクランプ仮預け工具)
4 配電線保持部
5 連結部材
6 ケーブルクランプ保持部
7 短絡接地クランプ保持部
8 ロープ(吊り部材)
41 電柱
60 ケーブルクランプ
65 バイパスケーブル(工事用ケーブル)
70 短絡接地クランプ
90 配電線