(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】二連型薬液注入ポンプ
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
E02D3/12 101
(21)【出願番号】P 2018244842
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】317006339
【氏名又は名称】SOEIホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516074171
【氏名又は名称】双栄基礎工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】寺島 昭司
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特許第4830050(JP,B1)
【文献】特開2010-053821(JP,A)
【文献】特開2013-047424(JP,A)
【文献】特公平07-111051(JP,B2)
【文献】特開昭56-012417(JP,A)
【文献】特開昭58-218511(JP,A)
【文献】特開2005-120619(JP,A)
【文献】特開2013-221035(JP,A)
【文献】特開2006-028768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地質改良をするための
二連型の薬液注入ポンプであって、
2台のモーターのインバーターとボリュームとを接続する2本の回路の一方に他方の回路への接続を可能にする切替リレーを備えて、
2台のモーターを別々に運転し1台のクランクケースで2ラインの吐出を制御する機能と、2台のモーターを1つのボリュームで吐出変更・運転停止する機能と、を
切替リレーを切り替える切替スイッチ1つで変更可能にすることを特徴とする
二連型薬液注入ポンプ。
【請求項2】
切替スイッチを制御盤に備えていることを特徴とする請求項1記載の
二連型薬液注入ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、地質改良をするための薬液注入ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地質改良をするための二連型ポンプ(吸引口と吐出口を二連備えたポンプ)としては、これまでに種々のものが開発されてきた(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ダブルパッカー工法に使用できる「2台のモーターを別々に運転し1台のクランクケースで2ラインの吐出を制御する機能」と、二液等量や普通注入などに使用できる「2台のモーターを1つのボリュームで吐出変更・運転停止する機能」と、を兼ね備えた薬液注入ポンプは、これまでにあまり開発されていなかった。
【0005】
そこで、本願発明者は、鋭意試験・研究を進め、両機能を兼ね備えて、それを切替スイッチ1つで変更可能にする薬液注入ポンプを完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、地質改良をするための薬液注入ポンプであって、2台のモーターを別々に運転し1台のクランクケースで2ラインの吐出を制御する機能と、2台のモーターを1つのボリュームで吐出変更・運転停止する機能と、を切替スイッチ1つで変更可能にすることを特徴とする薬液注入ポンプである。
第2の発明は、切替スイッチを制御盤に備えていることを特徴とする同薬液注入ポンプである。
第3の発明は、メーター及びスイッチを共有することを特徴とする同薬液注入ポンプである。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)1台で2台の役割(等量とDP)を果たすことができる。
(2)切替スイッチのみで切り換え可能なので、極めて簡単に操作できる。
(3)装置をコンパクトにできる。
(4)粘性の異なる液体を等量で吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願発明に係る薬液注入ポンプの制御システムを示す説明図。
【
図2】本願発明に係る薬液注入ポンプの制御システムを示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、
図1は、本願発明に係る薬液注入ポンプの制御システムを示す説明図である。
図1に図示するように、本願発明に係る薬液注入ポンプ(二連型ポンプ)は、制御盤内に備えた切替スイッチ10で、二連型ポンプA・Bを等量(2台のモーターを1つのボリュームで吐出変更・運転停止する機能)とDP(2台のモーターを別々に運転し1台のクランクケースで2ラインの吐出を制御する機能)に切り替えることができるものである。
【0010】
等量モードに切り替えることで、1.5ショット注入(主剤と硬化剤を送液ポンプで個別に注入管に送り注入管の頭部で2液を合わせて、混合された薬液を注入管の先端から吐出して地盤に注入する方式)や2ショット注入(主剤と硬化剤を送液ポンプで個別に注入管に送り、注入管の先端から吐出される瞬間に2液を合わせて混合する方式)が可能になり、二重管ストレーナ工法に使用できる。
【0011】
DPモードに切り替えることで、1ショット注入(主剤と硬化剤を所定の配合比率で薬液ミキサーによって予め撹拌混合しておき、主剤と硬化剤を混合した1液状態の薬液を圧送して地盤に注入する方式)が可能になり、ダブルパッカー工法に使用できる。
【0012】
また、等量で使用時には、ポンプBの遠隔ボックス30内のボリュームで、ポンプAの遠隔ボックス20内及びポンプBの遠隔ボックス30内のHzメーターが連動する。これにより、ポンプBの遠隔ボックス30内のボリューム調整でポンプA・Bの双方を制御できる。
【0013】
次に、
図2は、本願発明に係る薬液注入ポンプの制御システムを示す回路図である。
図2に図示する回路図により、
図1で説明した切替スイッチ10による等量とDPの切り替えを実現することができる。
制御盤と遠隔ボックスをコンパクトに、又、電気トラブルを回避する為に回路をシンプルにすることによって、スイッチ、ボリューム、信号線を極力減らし、視認性、操作性を向上させた。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本願発明は、地質改良をするための利便性の高い二連型の薬液注入ポンプとして、広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0015】
10:切替スイッチ
20:ポンプAの遠隔ボックス
30:ポンプBの遠隔ボックス