(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】内角調整機能付機器取付金具
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20230412BHJP
H01Q 3/04 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
H01Q1/12 A
H01Q1/12 E
H01Q3/04
(21)【出願番号】P 2020132346
(22)【出願日】2020-08-04
【審査請求日】2022-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】511113785
【氏名又は名称】株式会社ミライト・ワン
(73)【特許権者】
【識別番号】592157076
【氏名又は名称】イワブチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】村松 正則
(72)【発明者】
【氏名】山田 琢
(72)【発明者】
【氏名】根本 拓海
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/048624(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/288292(US,A1)
【文献】実開昭60-082810(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01Q 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に機器を取付けるための内角調整機能付機器取付金具であって、
支柱に固定される支柱固定金具と、
前記支柱固定金具に固定され、一方の端部には中短金具連結軸が挿入される中短金具連結軸孔が設けられている一方、他方の端部には長中金具連結軸が挿入される長中金具連結軸孔が設けられた中尺金具と、
前記中尺金具の長さよりも短く、一方の端部には前記中短金具連結軸が挿入される中短金具連結軸孔が設けられている一方、他方の端部には長短金具連結軸が挿入される長短金具連結軸孔が設けられ、機器が取り付けられる短尺金具と、
前記中尺金具および短尺金具の長さよりも長い長尺金具とを備え、
前記長尺金具は、
一方の端部には前記長短金具連結軸が挿入される長短金具
主連結軸孔が設けられている一方、
他方の端部には前記中尺金具と前記短尺金具とが前記中短金具連結軸によって直線状に延びた状態で連結し
て前記長尺金具に前記中尺金具および前記短尺金具
が重なっ
た際に前記中尺金具の長中金具連結軸孔に挿入された前記長中金具連結軸が挿入される長中金具主連結軸孔が設けられ、
前記長短金具
主連結軸孔と前記長中金具主連結軸孔との間には、前記中尺金具の長中金具連結軸孔に挿入された前記長中金具連結軸が挿入され、前記長尺金具と前記中尺金具と前記短尺金具とで形状が異なる複数の三角形を構成して機器の水平角を変更するための水平角変更用副連結軸孔が設けられていることを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【請求項2】
請求項1に記載の内角調整機能付機器取付金具において、
前記長尺金具には、前記長尺金具と前記中尺金具と前記短尺金具とが直線状に重なって連結された際に前記中短金具連結軸との干渉を防ぐ中短金具連結軸逃し溝が設けられていることを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の内角調整機能付機器取付金具において、
前記中尺金具には、
前記長尺金具と前記短尺金具とを連結する前記長短金具連結軸を前記長尺金具から取外すと共に、前記中尺金具と前記短尺金具とを前記中短金具連結軸を中心に回動して重ねた際に、前記短尺金具側に残る前記長中金具連結軸との干渉を防ぐ長中金具連結軸逃し溝が設けられていることを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載の内角調整機能付機器取付金具において、
さらに、機器側に予め取付けられる仮掛け金具を有し、
前記仮掛け金具には、前記短尺金具に掛止する主掛止部が設けられている一方、
前記短尺金具には、前記仮掛け金具の主掛止部が掛止する被主掛止部が設けられていることを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【請求項5】
請求項4記載の内角調整機能付機器取付金具において、
前記仮掛け金具は、
前記短尺金具の上面に載置される仮掛け金具本体と、前記掛止部とを備え、
前記掛止部は、
前記仮掛け金具本体における機器側から反対側に設けられており、前記短尺金具の厚さだけ下方に曲げられた後、当該掛止部先端の上面が前記短尺金具の下面に接触するように延びて構成されている一方、
前記短尺金具には、前記仮掛け金具の主掛止部が掛止する被主掛止部として、前記掛止部が挿入された後、前記掛止部先端の上面が当該短尺金具の下面に接触するように主掛止孔が設けられていることを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の内角調整機能付機器取付金具において、
前記短尺金具には、前記仮掛け金具に掛止する副掛止部が設けられている一方、
前記仮掛け金具には、前記短尺金具の副掛止部が掛止する副掛止孔が設けられていることを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか一の請求項に記載の内角調整機能付機器取付金具において、
前記支柱固定金具は、
支柱の両側に設けた一対の支柱挟持金具を支柱の両側から通した挟持金具同士締結ボルトおよびナットにより締結して支柱を挟持して支柱に固定するように構成されており、
前記一対の支柱挟持金具の内、少なくとも一方の支柱挟持金具には、
前記挟持金具同士締結ボルトが通る挟持金具同士締結ボルト孔と、
前記挟持金具同士締結ボルトが通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から前記挟持金具同士締結ボルトが入出自在の正面視、U字形状の側方開口ボルト孔とが設けられていることを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【請求項8】
請求項7記載の内角調整機能付機器取付金具において、
さらに、
前記側方開口ボルト孔を覆い、かつ、前記挟持金具同士締結ボルトが通る挟持金具同士締結ボルト孔が設けられたコ字形状の補強用金具を有することを特徴とする内角調整機能付機器取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱に対しアンテナ等の機器を取付けることが出来ると共に、その水平角(内角)を簡単に変更することが出来る内角調整機能付機器取付金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機器取付金具として、例えば、金具に設けた湾曲した長穴によってアンテナ等の機器の水平角を変更(調整)できるようにした機器取付金具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1に記載の機器取付金具では、金具に設けた湾曲した長穴によってアンテナ等の機器の水平角(内角)を変更(調整)するため、水平角(内角)の変更範囲が長穴の長さによって制限され、アンテナ等の機器の水平角(内角)の自由度が小さいと共に、アンテナ等の機器の設置やメンテナンス等の作業を行う場合、作業性が悪いというという問題があった。
【0005】
特に、機器が5G通信用のアンテナである場合、最近は新たな通信事業者が参入して通信事業者の数が増加傾向にあると共に、アンテナの指向範囲が狭いためビルの屋上等に設置するアンテナの数が増大する傾向にあるため、最適な位置にアンテナを確保することが非常に困難で、アンテナの水平角を大きく、かつ、確実に変更(調整)可能な機器取付金具が望まれている。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、アンテナ等の機器の水平角を大きく、かつ、確実に変更(調整)して、アンテナ等の機器の設置やメンテナンス等の作業の作業性を向上させることができる内角調整機能付機器取付金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具は、支柱に機器を取付けるための内角調整機能付機器取付金具であって、支柱に固定される支柱固定金具と、
前記支柱固定金具に固定され、一方の端部には中短金具連結軸が挿入される中短金具連結軸孔が設けられている一方、他方の端部には長中金具連結軸が挿入される長中金具連結軸孔が設けられた中尺金具と、前記中尺金具の長さよりも短く、一方の端部には前記中短金具連結軸が挿入される中短金具連結軸孔が設けられている一方、他方の端部には長短金具連結軸が挿入される長短金具連結軸孔が設けられ、機器が取り付けられる短尺金具と、前記中尺金具および短尺金具の長さよりも長い長尺金具とを備え、前記長尺金具は、一方の端部には前記長短金具連結軸が挿入される長短金具主連結軸孔が設けられている一方、他方の端部には前記中尺金具と前記短尺金具とが前記中短金具連結軸によって直線状に延びた状態で連結して前記長尺金具に前記中尺金具および前記短尺金具が重なった際に前記中尺金具の長中金具連結軸孔に挿入された前記長中金具連結軸が挿入される長中金具主連結軸孔が設けられ、前記長短金具主連結軸孔と前記長中金具主連結軸孔との間には、前記中尺金具の長中金具連結軸孔に挿入された前記長中金具連結軸が挿入され、前記長尺金具と前記中尺金具と前記短尺金具とで形状が異なる複数の三角形を構成して機器の水平角を変更するための水平角変更用副連結軸孔が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、前記長尺金具には、前記長尺金具と前記中尺金具と前記短尺金具とが直線状に重なって連結された際に前記中短金具連結軸との干渉を防ぐ中短金具連結軸逃し溝が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、前記中尺金具には、前記長尺金具と前記短尺金具とを連結する前記長短金具連結軸を前記長尺金具から取外すと共に、前記中尺金具と前記短尺金具とを前記中短金具連結軸を中心に回動して重ねた際に、前記短尺金具側に残る前記長中金具連結軸との干渉を防ぐ長中金具連結軸逃し溝が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、さらに、機器側に予め取付けられる仮掛け金具を有し、前記仮掛け金具には、前記短尺金具に掛止する主掛止部が設けられている一方、前記短尺金具には、前記仮掛け金具の主掛止部が掛止する被主掛止部が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、前記仮掛け金具は、前記短尺金具の上面に載置される仮掛け金具本体と、前記掛止部とを備え、前記掛止部は、前記仮掛け金具本体における機器側から反対側に設けられており、前記短尺金具の厚さだけ下方に曲げられた後、当該掛止部先端の上面が前記短尺金具の下面に接触するように延びて構成されている一方、前記短尺金具には、前記仮掛け金具の主掛止部が掛止する被主掛止部として、前記掛止部が挿入された後、前記掛止部先端の上面が当該短尺金具の下面に接触するように主掛止孔が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、前記短尺金具には、前記仮掛け金具に掛止する副掛止部が設けられている一方、前記仮掛け金具には、前記短尺金具の副掛止部が掛止する副掛止孔が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、前記支柱固定金具は、支柱の両側に設けた一対の支柱挟持金具を支柱の両側から通した挟持金具同士締結ボルトおよびナットにより締結して支柱を挟持して支柱に固定するように構成されており、前記一対の支柱挟持金具の内、少なくとも一方の支柱挟持金具には、前記挟持金具同士締結ボルトが通る挟持金具同士締結ボルト孔と、前記挟持金具同士締結ボルトが通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から前記挟持金具同士締結ボルトが入出自在の正面視、U字形状の側方開口ボルト孔とが設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、さらに、前記側方開口ボルト孔を覆い、かつ、前記挟持金具同士締結ボルトが通る挟持金具同士締結ボルト孔が設けられたコ字形状の補強用金具を有することも特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る内角調整機能付機器取付金具では、長さが大中小と異なる長尺金具と中尺金具と短尺金具とを備え、長尺金具と中尺金具と短尺金具とが直線状に重なって連結したり、長尺金具と中尺金具と短尺金具とが形状の異なる複数の三角形を構成して連結することによって機器の水平角を変更できるように構成されているため、機器の水平角を大きく、かつ、確実に変更(調整)して、アンテナ等の機器の設置やメンテナンス等の作業の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具の使用例を示す斜視図である
【
図2】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具の使用例を示す
図1とは反対方向の斜視図である
【
図3】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具をアンテナの前面側から見た際の正面図、その背面側から見た際の背面図である。
【
図4】(a),(b)それぞれ、
図2(a)におけるA-A線断面図、A-A線断面図の要部拡大断面図である。
【
図5】(a)~(c)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する支柱固定金具の平面図、正面図、背面図である。
【
図6】(a)~(c)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する支柱固定金具の底面図、左側面図、右側面図である。
【
図7】(a)~(c)、それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する第1支柱挟持金具の斜視図、平面図、正面図である。
【
図8】(a)~(c)、それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する第1支柱挟持金具の底面図、背面図、左側面図である。
【
図9】(a)~(c)、それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する第2支柱挟持金具の斜視図、正面図、平面図である。
【
図10】(a)~(c)、それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する第2支柱挟持金具の背面図、底面図、左側面図である。
【
図11】(a)~(d)、それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する補強用金具の斜視図、背面図、底面図、側面図である。
【
図12】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する中尺金具の斜視図である。
【
図13】(a)~(d)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する中尺金具の平面図、背面図、正面図、右側面図である。
【
図14】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する短尺金具の斜視図である。
【
図15】(a)~(d)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する短尺金具の平面図、正面図、底面図、右側面図である。
【
図16】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する長尺金具の斜視図である。
【
図17】(a)~(d)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する長尺金具の平面図、正面図、底面図、右側面図である。
【
図18】(a)~(c)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する仮掛け金具の斜視図、平面図、正面図である。
【
図19】(a)~(d)それぞれ、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を構成する仮掛け金具の底面図、背面図、右側面図である。
【
図20】アンテナの設置時や保守点検時等における本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具の状態を示す平面図である。
【
図22】(a),(b)それぞれ、アンテナの設置時や保守点検時等における本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具の状態から中短金具連結用角根ボルトを中心にアンテナが取り付けられた短尺金具を60度回転させた状態、180度回転させた状態を示す平面図である。
【
図23】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を使用してアンテナを建物の外壁面に対し0度の角度で設置した場合を示す要部平面図である。
【
図24】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を使用してアンテナを建物の外壁面に対し60度の角度で設置した場合を示す要部平面図である。
【
図25】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を使用してアンテナを建物の外壁面に対し90度の角度で設置した場合を示す要部平面図である。
【
図26】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を使用してアンテナを建物の外壁面に対し120度の角度で設置した場合を示す要部平面図である。
【
図27】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具を使用してアンテナを建物の外壁面に対し150度の角度で設置した場合を示す要部平面図である。
【
図28】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具の使用例であって、仮掛け金具とアンテナとの間にアンテナの仰角を一定角度(例えば、30度。)に傾斜させる仰角調整金具を設けた場合の使用例を示す斜視図である。
【
図29】本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具の使用例であって、仮掛け金具とアンテナとの間にアンテナの仰角を任意の角度に調整可能な仰角調整機構を設けた場合の使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る内角調整機能付機器取付金具の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、下記に説明する実施形態はあくまで本発明の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0011】
<実施形態の内角調整機能付機器取付金具1の構成>
本実施形態の内角調整機能付機器取付金具1は、
図1~
図3に示すように支柱2に第5世代通信用アンテナ等のアンテナ3を取付けるための金具であって、支柱固定金具11と、中尺金具12と、短尺金具13と、長尺金具14と、仮掛け金具15等を備えて構成されており、通常は、
図1および
図2に示すように、内角調整機能付機器取付金具1を2セット(2組)用意して、上下方向に所定間隔離して支柱2に固定してアンテナ3を取付ける。
【0012】
(支柱固定金具11)
支柱固定金具11は、
図2や
図5および
図6等に示すように、アンテナ3側に予めネジ等によって固定される第1支柱挟持金具11aと、第1支柱挟持金具11aと対向して設けられ支柱2を挟持する第2支柱挟持金具11bと、補強用金具11cと、挟持金具同士締結ボルト11dおよびナット11e等から構成されている。
【0013】
(第1支柱挟持金具11a)
第1支柱挟持金具11aは、
図7や
図8等に示すように、アンテナ3に固定される機器固定面11a1と、機器固定面11a1に連続し機器固定面11a1の端部から90度折れ曲がる第1水平面11a2と、第1水平面11a2に連続し第1水平面11a2の端部から90度折れ曲がり第1支柱挟持金具11の中継面11cに対向する中継面11a3と、中継面11a3の端部から90度折れ曲がり第1水平面11a2と対向する第2水平面11a4とを有する。
【0014】
機器固定面11a1には、アンテナ3をビス等で固定するためのアンテナ3側の複数のビス孔に応じた位置に複数のビス孔11a11が設けられている。ここでは、4個のビス孔11a11が形成されている。
【0015】
第1水平面11a2および第2水平面11a4には、支柱2の径が変わった場合でも支柱2の外周面に確実に当接できるよう湾曲形状に凹んで4か所の角部で支柱2表面に確実に当接できるよう支柱当接挟持部11a21,11a41が設けられている。
【0016】
また、中継面11a3には、第1支柱挟持金具11の中継面11cと同様に、挟持金具同士締結ボルト11dが通る正方形状の挟持金具同士締結ボルト孔11a31,11a31が設けられている。よって、挟持金具同士締結ボルト11dは、正方形状の挟持金具同士締結ボルト孔11a31,11a31に角根部が嵌る角根ボルトである。
【0017】
(第2支柱挟持金具11b)
第2支柱挟持金具11bは、
図9や
図10等に示すように、上下方向に所定の間隔を空けて平行に設けた上側面11b1および下側面11b2と、上側面11b1と下側面11b2との間に設けられた中継面11b3とにより断面コ字形状に形成されている。
【0018】
上側面11b1および下側面11b2には、それぞれ、支柱2の径が変わった場合でも支柱2の外周面に確実に当接できるよう湾曲形状に凹んで、2か所の角部で支柱2表面に確実に当接できるように支柱当接挟持部11b11,11b21が設けられている。
【0019】
中継面11b3には、挟持金具同士締結ボルト11dが通る丸孔形状の挟持金具同士締結ボルト孔11b31と、挟持金具同士締結ボルト11dが通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から挟持金具同士締結ボルト11dが入出自在である正面視、U字形状の側方開口ボルト孔11b32が設けられている。
【0020】
(補強用金具11c)
補強用金具11cは、
図11等に示すように、上下方向に所定の間隔を空けて平行に設けた上側面11c1および下側面11c2と、上側面11c1と下側面11c2との間に挟持金具同士締結ボルト11dが通る挟持金具同士締結ボルト孔11c31が形成された中継面11c3とにより断面コ字形状に形成され、
図5や
図6に示すように第2支柱挟持金具11bの側方開口ボルト孔11b32を覆うように取付けられ、U字形状の側方開口ボルト孔11b32を補強したり、側方開口ボルト孔11b32の開口側から挟持金具同士締結ボルト孔11c31を入れて作業性を向上させるために使用する金具である。
【0021】
(中尺金具12)
中尺金具12は、
図1や
図2に示すように支柱固定金具11に固定される金具であり、
図12および
図13(a)~(d)に示すように、水平面12aと、鉛直面12bとを備えて側面視、L字形状に形成されている。
【0022】
水平面12aには、
図3(a),(b)や
図12、
図13(a)~(d)に示すように、一端側に短尺金具13が中短金具連結軸である中短金具連結用角根ボルト17aおよびナット18a等によって回動可能に連結される中短金具連結軸孔12a1が設けられている一方、他端側には長尺金具14が長中金具連結軸である長中金具連結用角根ボルト17bおよびナット18b等によって回動可能に連結される長中金具連結軸孔12a2が設けられている。
【0023】
また、水平面12aには、
図12および
図13(a)~(d)に示すように、長中金具連結軸孔12a2と中短金具連結軸孔12a1との間には、後述する
図20や
図21、
図22等に示すように長尺金具14と短尺金具13とを連結する長短金具連結用角根ボルト17cを長尺金具14から取外すと共に、中尺金具12と短尺金具13とを中短金具連結用角根ボルト17aを中心に回動して重ねた際に、短尺金具13側に残る長短金具連結用角根ボルト17cとの干渉を防ぐ長短金具連結用角根ボルト逃し溝12a3が設けられている。尚、長中金具連結用角根ボルト逃し溝12a4は、長中金具連結軸孔12a2に短尺金具13を回動可能に連結する一方、中短金具連結軸孔12a1に長尺金具14を回動可能に連結した場合に、短尺金具13側に残る長短金具連結用角根ボルト17cとの干渉を防ぐ長中金具連結用角根ボルト逃し溝となる。
【0024】
鉛直面12bには、
図12や
図13(b)等に示すように、支柱固定金具11の第1支柱挟持金具11aに固定するための主ボルト孔12b1が設けられていると共に、後述する
図29に示すように2つの支柱固定金具11の第1支柱挟持金具11aに固定するための2段の副ボルト孔12b2,12b3が設けられている。
【0025】
(短尺金具13)
短尺金具13は、
図1および
図2や
図3等に示すように、中尺金具12の長さよりも短く、アンテナ3に予め装着された仮掛け金具15が仮掛けされた後に固定される金具で、
図14および
図15(a)~(d)に示すように、一方の端部には中短金具連結軸である中短金具連結用角根ボルト17aが挿入される中短金具連結軸孔13aが設けられている一方、他方の端部には長短金具連結軸である長短角根ボルト17cが挿入される長短金具連結軸孔13bが設けられている。
【0026】
また、短尺金具13には、
図14および
図15(a)~(d)に示すように、仮掛け金具15を固定するための仮掛け金具固定用角根ボルト17dが挿入され、ナット18dにより締結される仮掛け金具固定用角根ボルト孔13cが2か所設けられていると共に、中央には、仮掛け金具15の主掛止部が掛止される主掛止孔13dと、L字形状に突出した副掛止部13eが設けられている。尚、短尺金具13の左右両端部には、それぞれ、強度を向上させるため上方に折り曲げたフランジ部13fが設けられている。
【0027】
(長尺金具14)
長尺金具14は、
図1等に示すように中尺金具12および短尺金具13よりも長い側面視L字形状の金具であって、
図16および
図17(a)~(d)に示すように一方の端部には長短金具連結軸である正方形状の長短金具連結用角根ボルト17cが挿入されて短尺金具13と連結される長短金具
主連結軸孔14aが設けられている一方、他方の端部には中尺金具12と短尺金具13とが中短金具連結軸である中短金具連結用角根ボルト17aおよびナット18aによって直線状に延びた状態で連結した際に中尺金具12および短尺金具13に重なって中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結軸である長中金具連結用角根ボルト17bが挿入される正方形状の長中金具主連結軸孔14bが設けられている。
【0028】
また、長尺金具14の長短金具主連結軸孔14aと長中金具主連結軸孔14bとの間には、中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入され、長尺金具14と中尺金具12と短尺金具13とで形状が異なる複数の三角形を構成してアンテナ3の水平角(内角)を変更するための5つの水平角変更用副連結軸孔14c~14gが設けられている。
【0029】
水平角変更用副連結軸孔14cは、中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入されて長尺金具14と連結された場合、後述する
図24に示すようにアンテナの水平角を60度前後に設定でき、水平角変更用副連結軸孔14dは、中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入されて長尺金具14と連結された場合、後述する
図25に示すようにアンテナの水平角を90度前後に設定できる。
【0030】
また、水平角変更用副連結軸孔14eは、中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入されて長尺金具14と連結された場合、後述する
図26に示すようにアンテナの水平角を120度前後に設定でき、水平角変更用副連結軸孔14fは、中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入されて長尺金具14と連結された場合、後述する
図27に示すようにアンテナの水平角を150度前後に設定でき、水平角変更用副連結軸孔14gは、中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入されて長尺金具14と連結された場合、図示しないがアンテナの水平角を180度前後に設定できる。
【0031】
また、長尺金具14の長手方向の中央には、
図1~
図3や後述する
図23等に示すように中尺金具12と短尺金具13とが中短金具連結用角根ボルト17aによって直線状に延びた状態で連結した際に中尺金具12および短尺金具13に重なって連結された際に中短金具連結用角根ボルト17aとの干渉を防ぐ中短金具連結用角根ボルト逃し溝14h,14iが設けられている。
【0032】
(仮掛け金具15)
仮掛け金具15は、予めアンテナ3側に取付けられ、短尺金具12に仮掛けした後、短尺金具12に固定される金具であって、
図18(a)~(c)および
図19(a)~(c)に示すように、側面視、L字形状の仮掛け金具本体15aと、仮掛け金具本体15aの上面側に設けられ、アンテナ3を運搬等する際等に作業員が掴む正面視、U字形状の把持部15bとから構成されている。
【0033】
仮掛け金具本体15aは、アンテナ3や後述する
図28や
図29等に示す仰角調整金具5,5’等に取付けるための丸孔形状のボルト孔15a11や角孔形状のボルト孔15a12が設けられた鉛直方向のアンテナ固定板15a1と、アンテナ固定板15a1の上端部からほぼ90度折り曲げて形成され、把持部15bが取り付けられていると共に、
図1や
図2等に示すように短尺金具13や固定するためのボルトが挿入されるボルト孔15a21が設けられ、短尺金具13の上面に載置される短尺金具載置板15a2とから構成されている。
【0034】
短尺金具載置板15a2の中央先端には、短尺金具13の厚さだけ下方に曲げられた後、先端部の上面が短尺金具13の下面に接触するように延びて構成された主掛止部15a22が設けられていると共に、アンテナ固定板15a1と短尺金具載置板15a2との境界であり折曲り部分には、副掛止孔15a23が設けられている。
【0035】
<実施形態の内角調整機能付機器取付金具1の機能等>
次に、以上のように構成された実施形態の内角調整機能付機器取付金具1の機能等について、図面を参照して説明する。尚、支柱2は、
図20および
図21に示すように建物4の屋上に立設されているものとする。
【0036】
(アンテナ3の設置時や保守点検時等;
図20、
図21)
アンテナ3の設置時や保守点検時等の場合は、アンテナ3の設置や保守点検を行い易いようにすると共に、アンテナ3の部品や取付金具等が落下しないように、例えば、
図20に示すように、支柱2を介しアンテナ3を取付けたビル等の建物4側に向けて作業する。
【0037】
尚、この場合は、
図20に示すように、長尺金具14と短尺金具13とは長短金具連結用角根ボルト17cおよびナット18c等によって連結されてなく、ここでは、長短金具連結用角根ボルト17cおよびナット18cは短尺金具13に残している。中尺金具12と短尺金具13とは中短金具連結用角根ボルト17aおよびナット18a等によって連結され、アンテナ3および短尺金具13は中短金具連結用角根ボルト17aを回転軸として回動可能な状態にある一方、中尺金具12と長尺金具14とは長中金具連結用角根ボルト17bおよびナット18b等によって連結され、長尺金具14は長中金具連結用角根ボルト17b回転軸として回動可能な状態にある。
【0038】
そのため、作業員は、ビル等の建物4の屋上に上がり、
図20に示すようにアンテナ3をビル等の建物4の屋上側を向け、建物4の屋上等で、実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を介し支柱2に対しアンテナ3の設置作業を行なったり、アンテナ3の保守点検作業等を行うことができる。
【0039】
その結果、作業員は、危険作業であるハシゴやハシゴ車等を使用し、外を背にしての作業をする必要がなくなるので、作業効率が向上すると共に、その作業時に部品の落下等も極力防止することができる。
【0040】
図21は、
図20に示すアンテナ3の設置時や保守点検時等における実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を構成する中尺金具12、短尺金具13、長尺金具14および仮掛け金具15の重なり状態を拡大して示す説明図である。
【0041】
図20および
図21に示すように中尺金具12と短尺金具13とを重ねても、中尺金具12の水平面12aには、上述した
図12および
図13(a)~(d)に示すように長短金具連結用角根ボルト逃し溝12a3を設けているため、短尺金具13側に長短金具連結用角根ボルト17cを残していても、
図21に示すように長短金具連結用角根ボルト17cが中尺金具12の長短金具連結用角根ボルト逃し溝12a3に逃げるので、短尺金具13側に残る長短金具連結用角根ボルト17cと中尺金具12との干渉を防止することが可能となり、アンテナ3を確実に建物側に向けることができ、アンテナ3の設置作業や保守点検作業等を効率良く行うことができる。
【0042】
また、
図21に示すように短尺金具13側に残した長短金具連結用角根ボルト17cを中尺金具12の長短金具連結用角根ボルト逃し溝12a3に逃がした後、ナット18c(図示せず。)で長短金具連結用角根ボルト逃し溝12a3に締結すれば、短尺金具13と中尺金具12とを仮固定すれば、短尺金具13側に残る長短金具連結用角根ボルト17cと中尺金具12との干渉を防止できるだけでなく、
図20等に示すように支柱2に固定された中尺金具12にアンテナ3が固定された短尺金具13を確実に仮固定することが可能となり、さらにアンテナ3の設置作業や保守点検作業等を効率良く行うことが可能となる。
【0043】
(アンテナ3の使用状態1(0度取付け);
図22、
図23)
図23は、実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を使用してアンテナ3を建物4の外壁面に対し0度、すなわち建物4の外壁面に対し直交する方向を向けて設置した場合を示している。
【0044】
図23に示す状態にするためには、
図20および
図21に示すアンテナ3の設置時や保守点検時等の状態から、
図22(a)に示すように中短金具連結用角根ボルト17aを回転軸として短尺金具13を中尺金具12に対し時計回りに180度回転させて、
図22(b)に示すように中尺金具12と短尺金具13とが直線上に並ぶようにすると共に、長中金具連結用角根ボルト17bを回転軸として長尺金具14も中尺金具12に対し時計回りに回転させて、
図23に示すように長尺金具14が直線状に並んだ中尺金具12と短尺金具13に重ね、長尺金具14と短尺金具13とを長短金具連結用角根ボルト17cおよびナット18cで連結する。尚、長尺金具14は長中金具主連結軸孔14bに挿入された長中金具連結用角根ボルト17b(
図15および
図17参照。)によって中尺金具12と連結されている。
【0045】
その際、長尺金具14には、
図15や
図17に示すように中短金具連結用角根ボルト17aとの干渉を防ぐ中短金具連結用角根ボルト逃し溝14hが設けられているため、中短金具連結用角根ボルト逃し溝14hによって長尺金具14と中尺金具12および短尺金具13とを直線状に重ねて連結した場合でも中短金具連結用角根ボルト17aとの干渉を防止することができる。
【0046】
これにより、
図20および
図21に示す状態から短尺金具13を中尺金具12に対し時計回りに180度回転したことになるため、アンテナ3も
図20および
図21に示す状態から180度回転して、建物4の外壁面に対し直交する方向を向けることができる。
【0047】
(アンテナ3の使用状態2(60度取付け);
図24)
図24は、実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を使用してアンテナ3を建物4の外壁面に対し60度傾けて設置した場合を示している。
【0048】
この場合は、アンテナ3を建物4の外壁面に対し0度の角度で設置した
図23に示す状態から中短金具連結用角根ボルト17aを回転軸として、アンテナ3が取り付けられた短尺金具13を中尺金具12に対し反時計回りに60度回転させた場合である。
【0049】
そのため、この場合は、中尺金具12と短尺金具13と長尺金具14とによって平面視、少なくとも一つの内角が120度の3角形が形成され、
図21および
図23に示す場合であれば、長尺金具14は長中金具主連結軸孔14bに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bおよびナット18bによって中尺金具12と連結されていたが、この場合には、長尺金具14は水平角変更用副連結軸孔14cに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bおよびナット18bによって中尺金具12と連結される。
【0050】
(アンテナ3の使用状態3(90度取付け);
図25)
図25は、実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を使用してアンテナ3を建物4の外壁面に対し90度傾けて設置した場合を示している。
【0051】
この場合は、アンテナ3を建物4の外壁面に対し0度の角度で設置した
図23に示す状態から中短金具連結用角根ボルト17aを回転軸として、アンテナ3が取り付けられた短尺金具13を中尺金具12に対しさらに反時計回りに90度回転させた場合である。
【0052】
そのため、この場合は、中尺金具12と短尺金具13と長尺金具14とによって平面視、直角3角形が形成され、
図21および
図23に示す場合であれば、長尺金具14は長中金具主連結軸孔14bに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bによって中尺金具12と連結されていたが、この場合には、長尺金具14は水平角変更用副連結軸孔14dに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bによって中尺金具12と連結される。
【0053】
(アンテナ3の使用状態4(120度取付け);
図26)
図26は、実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を使用してアンテナ3を建物4の外壁面に対し120度傾けて設置した場合を示している。
【0054】
この場合は、アンテナ3を建物4の外壁面に対し0度の角度で設置した
図23に示す状態から中短金具連結用角根ボルト17aを回転軸として、アンテナ3が取り付けられた短尺金具13を中尺金具12に対しさらに反時計回りに120度回転させた場合である。
【0055】
そのため、この場合は、中尺金具12と短尺金具13と長尺金具14とによって平面視、正3角形に近似した三角形が形成され、
図21および
図23に示す場合であれば、長尺金具14は長中金具主連結軸孔14bに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bによって中尺金具12と連結されていたが、この場合には、長尺金具14は
図26では隠れているが水平角変更用副連結軸孔14eに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bによって中尺金具12と連結される。
【0056】
(アンテナ3の使用状態5(150度取付け);
図27)
図27は、実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を使用してアンテナ3を建物4の外壁面に対し150度傾けて設置した場合を示している。
【0057】
この場合は、アンテナ3を建物4の外壁面に対し0度の角度で設置した
図23に示す状態から中短金具連結用角根ボルト17aを回転軸として、アンテナ3が取り付けられた短尺金具13を中尺金具12に対しさらに反時計回りに150度回転させた場合である。
【0058】
そのため、この場合は、中尺金具12と短尺金具13と長尺金具14とによって平面視、三角形が形成され、
図21および
図23に示す場合であれば、長尺金具14は長中金具主連結軸孔14bに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bによって中尺金具12と連結されていたが、この場合には、長尺金具14は水平角変更用副連結軸孔14fに挿入された長中金具連結用角根ボルト17bによって中尺金具12と連結される。
【0059】
<実施形態の内角調整機能付機器取付金具1のまとめ>
以上説明したように、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1は、支柱2に固定される支柱固定金具11と、支柱固定金具11に固定され、一方の端部には中短金具連結軸である中短金具連結用角根ボルト17aが挿入される中短金具連結軸孔12a1が設けられている一方、他方の端部には長中金具連結軸である長中金具連結用角根ボルト17bが挿入される長中金具連結軸孔12a2が設けられた中尺金具12と、中尺金具12の長さよりも短く、一方の端部には中短金具連結用角根ボルト17aが挿入される中短金具連結軸孔13aが設けられている一方、他方の端部には長短金具連結軸である長短金具連結用角根ボルト17cが挿入される長短金具連結軸孔13bが設けられ、アンテナ3が取り付けられる短尺金具13と、短尺金具13および中尺金具12の長さよりも長い長尺金具14とを備え、長尺金具14は、一方の端部に長短金具連結用角根ボルト17cが挿入される長短金具主連結軸孔14aが設けられている一方、他方の端部には中尺金具12と短尺金具13とが中短金具連結用角根ボルト17aによって直線状に延びた状態で連結した際に中尺金具12および短尺金具13に重なって中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入される長中金具主連結軸孔14bが設けられ、長尺金具14の長短金具主連結軸孔14aと長中金具主連結軸孔14bとの間には、中尺金具12の長中金具連結軸孔12a2に挿入された長中金具連結用角根ボルト17bが挿入され、長尺金具14と中尺金具12と短尺金具13とで形状が異なる複数の三角形を構成してアンテナ3の水平角を変更するための水平角変更用副連結軸孔14c~14gを設ける。
【0060】
そのため、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1によれば、長尺金具14と中尺金具12と短尺金具13との連結方法を変更することで、
図20や
図21等に示すように支柱2を介しアンテナ3を取付けたビル等の建物4側に向けてアンテナ3の設置時や保守点検時等の利便性を向上させたり、さらには、
図23~
図27に示すように、アンテナ3を建物4の外壁面に対し0度、60度、90度、120度、150度傾けて設置することが可能となり、アンテナ3の水平角を大きく、かつ、確実に変更(調整)することができる。
【0061】
その結果、ビル等の建物4の屋上等に設置するアンテナ3の数が増大し、最適な位置にアンテナ3を確保することが困難な場合でも、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1を使用することによってアンテナ3の水平角を大きく、かつ、確実に変更(調整)することができるので、アンテナ等の機器の設置やメンテナンス等の作業の作業性を向上させることができる。
【0062】
特に、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、
図20や
図21等に示すように支柱2を介しアンテナ3を、ビル等の建物4側に向けることができるので、アンテナ3の設置時や保守点検時等の利便性を向上させることが出来ると共に、その作業時に部品の落下等も極力防止することができる。
【0063】
また、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、長尺金具14には、長尺金具14と中尺金具12および短尺金具13とが直線状に重なって連結された際に中短金具連結用角根ボルト17aとの干渉を防ぐ中短金具連結用角根ボルト逃し溝14h,14iを設けている。
【0064】
そのため、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1によれば、長尺金具14に中短金具連結用角根ボルト逃し溝14hを設けたため、長尺金具14と中尺金具12および短尺金具13とを直線状に重ねて連結した場合でも、長尺金具14と中短金具連結用角根ボルト17aとの干渉を防止することができ、アンテナ3を建物4の外壁面に対し0度、すなわち建物4の外壁面に対し直交する方向を向けて設置することができる。
【0065】
また、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、中尺金具12には、長尺金具14と短尺金具13とを連結する長短金具連結用角根ボルト17cを長尺金具14から取外すと共に、中尺金具12と短尺金具13とを中短金具連結用角根ボルト17aを中心に回動して重ねた際に、短尺金具13側に残る長短金具連結用角根ボルト17cとの干渉を防ぐ長短金具連結用角根ボルト逃し溝12a3を設けている。
【0066】
そのため、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、
図20および
図21に示すように長尺金具14と短尺金具13との連結で使用する長短金具連結用角根ボルト17cおよびナット18cを短尺金具13側に残して中尺金具12と短尺金具13とを重ねても、中尺金具12の水平面12aには、長短金具連結用角根ボルト17cが中尺金具12の長短金具連結用角根ボルト逃し溝12a3に逃げるので、短尺金具13側に残る長短金具連結用角根ボルト17cと中尺金具12との干渉を防止することが可能となり、アンテナ3を確実に建物側に向けることができ、アンテナ3の設置作業や保守点検作業等を効率良く行うことができる。
【0067】
また、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、さらに、アンテナ3側に予め取付けられる仮掛け金具15を有し、仮掛け金具15の短尺金具載置板15a2の中央先端には、短尺金具13の厚さだけ下方に曲げられた後、先端部の上面が短尺金具13の下面に接触するように延びて構成された主掛止部15a22を設けると共に、アンテナ固定板15a1と短尺金具載置板15a2との境界であり折曲り部分には、副掛止孔15a23を設けている一方、短尺金具13には、仮掛け金具15の主掛止部15a22が掛止する被主掛止部として、主掛止部15a22が挿入された後、主掛止部15a22先端の上面が当該短尺金具13の下面に接触するように主掛止孔13dを設けている。
【0068】
そのため、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1によれば、アンテナ3側に予め取付けられる仮掛け金具15の主掛止部15a22を、短尺金具13の主掛止孔13dに挿入して仮掛けした際、主掛止部15a22先端の上面が当該短尺金具13の下面に接触するため、仮掛け金具15と短尺金具13とが水平状態を保持したまま安定した状態で確実に仮掛けすることが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0069】
また、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、短尺金具13には、仮掛け金具15に掛止する副掛止部13eが設けられている一方、仮掛け金具15には、短尺金具13の副掛止部13が掛止する副掛止孔15a23が設けられている。
【0070】
そのため、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1によれば、仮掛け金具15の主掛止部15a22と短尺金具13の主掛止孔13dの掛止だけでなく、短尺金具13の副掛止部13eと仮掛け金具15の副掛止部15a23との掛止によっても仮掛けされるので、仮掛け金具15と短尺金具13とが水平状態を保持したままさらに安定した状態で確実に仮掛けすることが可能となり、作業効率さらに向上させることができる。
【0071】
また、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、支柱固定金具11を構成する第1挟持金具11aおよび第2挟持金具11bの内、少なくとも第2挟持金具11bには、挟持金具同士締結ボルト11dが通る挟持金具同士締結ボルト孔11b31と、挟持金具同士締結ボルト11dが通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から挟持金具同士締結ボルト11dが入出自在である正面視、U字形状の側方開口ボルト孔11b32とを有する。
【0072】
そのため、側方開口ボルト孔11b32側の挟持金具同士締結ボルト11dは、挟持金具同士締結ボルト11dが挿入される第1挟持金具11aの挟持金具同士締結ボルト孔11a31の遊びによって横方向に傾斜可能であるため、外側に傾斜させて側方から側方開口ボルト孔11b32に挟持金具同士締結ボルト11dを入れ内側に戻すことが可能となり、ナット11eや補強用金具11cを取り外すことなく作業して締結することが可能となり、この点でも作業効率を向上させることができる。
【0073】
また、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1では、さらに、第2挟持金具11bには、側方開口ボルト孔11b32を覆い、かつ、挟持金具同士締結ボルト11dが通る挟持金具同士締結ボルト孔11c31が設けられた
図11に示すような側面視、コ字形状の補強用金具11cを有する。
【0074】
そのため、本発明に係る実施形態の内角調整機能付機器取付金具1によれば、側方開口ボルト孔11b32は丸孔形状の挟持金具同士締結ボルト孔11b31とは異なり、端部が開口しているため強度的に弱いが、コ字形状の補強用金具11cによって補強されるため、確実かつ安定した状態で筐体3を支柱2に取付けることができる。
【0075】
尚、上記実施形態の説明では、アンテナ3の仰角は調整しないように説明したが、本発明ではこれに限らず、例えば、
図28に示すように仮掛け金具15とアンテナ3との間にアンテナ3の仰角を一定角度(例えば、30度。)に傾斜させる仰角調整金具16を設けても勿論良いし、
図29に示すように仮掛け金具15とアンテナ3との間にアンテナ3の仰角を任意の角度に調整可能な仰角調整機構16’を設けるようにしても勿論良い。
【0076】
図29の場合、アンテナ3が大型であり、仰角調整機構16’も
図28に示す仰角調整金具16よりも重量が大きいため、支柱2との連結に使用する支柱固定金具11は、
図1および
図2や、
図28に示す場合と異なり、上下それぞれで2セット(2組)ずつ使用すると共に、下側で使用する支柱固定金具11は上下反転して、中尺金具12の鉛直面12bの2段の副ボルト孔12b2,12b3に2セットの支柱固定金具11それぞれの第1支柱挟持金具11aを固定する。
【0077】
また、上記実施形態の説明では、支柱固定金具11は、アンテナ3側に予めネジ等によって固定される第1支柱挟持金具11aと、第1支柱挟持金具11aと対向して設けられ支柱2を挟持する第2支柱挟持金具11bと、補強用金具11cと、挟持金具同士締結ボルト11dおよびナット11e等で構成し、第1支柱挟持金具11aと第2支柱挟持金具11bとで支柱2を挟持して固定するように説明したが、本発明ではこれに限らず、支柱固定金具11は支柱2に固定可能な構成であれば十分であり、例えば、孔が複数設けられたいわゆる自在バンド等を使用して支柱2に固定する構成の物であって勿論良い。
【0078】
また、上記実施形態の説明では、内角調整機能付機器取付金具1で支柱2に取付ける機器として、5G通信用アンテナ等のアンテナ3を一例に説明したが、本発明ではこれに限らず、支柱2に取付ける機器であれば、アンテナ3以外の機器でも勿論と対象とすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 内角調整機能付機器取付金具
11 支柱固定金具
11a 第1支柱挟持金具
11b 第2支柱挟持金具
11c 補強用金具
11d 挟持金具同士締結ボルト
11e ナット
12 中尺金具
12a 水平面
12a1 中短金具連結軸孔
12a2 長中金具連結軸孔
12a3 長短金具連結用角根ボルト逃し溝(長短金具連結軸逃し溝)
12a4 長中金具連結用角根ボルト逃し溝(長金具連結軸逃し溝)
12b 鉛直面
12b1 主ボルト孔
12b2,12b3 副ボルト孔
13 短尺金具
13a 中短金具連結軸孔
13b 長短金具連結軸孔
13c 仮掛け金具固定用角根ボルト孔
13d 主掛止孔13d
13e 副掛止部13e
13f フランジ部
14 長尺金具
14a 長短金具主連結軸孔
14b 長中金具主連結軸孔
14c~14g 水平角変更用副連結軸孔
14h,14i 中短金具連結用角根ボルト逃し溝(中短金具連結軸逃し溝)
15 仮掛け金具
15a 仮掛け金具本体
15a1 アンテナ固定板
15a11 丸孔形状のボルト孔
15a12 角孔形状のボルト孔
15a2 短尺金具載置板
15a21 ボルト孔
15a22 主掛止部
15a23 副掛止孔
15b 把持部
16 仰角調整金具(仰角調整手段)
16’ 仰角調整機構(仰角調整手段)
17a 中短金具連結用角根ボルト(中短金具連結軸)
17b 長中金具連結用角根ボルト(長中金具連結軸)
17c 長短金具連結用角根ボルト(長短金具連結軸)
17d 仮掛け金具固定用角根ボルト
18a~18d ナット
2 支柱
3 アンテナ(機器)
4 建物