(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】車輌のヘッドレストサポート(サポートとする)の構造と、この車輌のサポート用のブラケットの構造
(51)【国際特許分類】
B60N 2/897 20180101AFI20230412BHJP
A47C 7/38 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
B60N2/897
A47C7/38
(21)【出願番号】P 2018206535
(22)【出願日】2018-11-01
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】593141090
【氏名又は名称】日本テクニカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】山田 伸雄
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-031244(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第19954862(DE,A1)
【文献】特開2012-121465(JP,A)
【文献】特開2004-261325(JP,A)
【文献】特開2015-091687(JP,A)
【文献】特開2009-125398(JP,A)
【文献】特開2015-208438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0136924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/897
A47C 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパフレームの嵌合孔に支持される方形状ブラケットに差込み支持されるヘッドレストサポートは、方形状の頭部と、この頭部の下部に繋がり、かつ前記頭部の下部断面より小径で、かつ前記ブラケットの上面に添設される首部、及びこの首部の下部に繋がり、かつ前記首部の下部断面より小径で、かつ前記ブラケットに差込み支持される胴体部で構成し、
かつ前記首部に、舌形状の弾性片を設け、かつこの弾性片の自由端は、前記首部外周面より外方に延設形成したことで、
前記自由端は、前記ブラケットの上端に添接支持し、前記ヘッドレストサポートにクッション性を担持可能とし、
併せて、前記胴体部の外周面には、
掛け止め片を、また前記首部には
突起を、それぞれ形成し、
前記掛け止め片を前記ブラケットの切欠き窓に掛け止め可能とし、前記突起を前記ブラケットの切欠きに係止可能とし、
たことを特徴とした車輌のヘッドレストサポートの構造。
【請求項2】
前記首部の角隅部位、及び/又は前記胴体部の胴体部位、又は前記掛け止め片の一方部位には、前記ブラケットの形状に対応し、それぞれ肉盛り形成することを特徴とした請求項1に記載の車輌のヘッドレストサポートの構造。
【請求項3】
シートフレームがパイプ使用の例においては、プレス加工(押潰し加工)で、ブラケット取付け部を形成し、かつ押潰し深さを選択し、前記ブラケットの強度調整と、衝撃対応を可能とした請求項1に記載の車輌のヘッドレストサポートの構造。
【請求項4】
前記ブラケットの何れかの側面と、前記嵌合孔の内側面を、溶接加工する請求項1~請求項3の何れか一項に記載の車輌のヘッドレストサポートの構造。
【請求項5】
請求項1に記載の車輌のヘッドレストサポートの構造において、シートフレームの対の嵌合孔に嵌合支持されるブラケットは、板材の両端に、三つの山部と、この山部を繋ぐ傾斜部、及び/又は、前記両端の直線部の組合せからなり、かつ前記直線部が異なる位相、又は、同じ位相である構造を設けたクリンチ切欠きに、コーキング加工を施し、かつこのクリンチ切欠きに施す前記コーキング加工は、前記車輌の前進側、後退側、及び/又は、左右側の何れか一方側、又は双方側に設けた構成とする車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造。
【請求項6】
前記ブラケットは、異形形状であって、対で設けられており、この対のブラケットは、
前記シートフレームの前記嵌合孔に、それぞれ間違いなく挿入可能とする請求項5に記載の車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造。
【請求項7】
前記ブラケットは、筒形状であって、対で設けられており、この対のブラケットは、前記シートフレームの前記嵌合孔に、それぞれ嵌合可能とする請求項5に記載の車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造。
【請求項8】
前記ブラケットは、異形形状であって、絞込み側に、溶接の容易性を担持する凸部、及び/又は、凹部を形成する請求項5に記載の車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌のサポートの構造と、このサポート用のブラケットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガソリン車以外のEV(電気自動車)、HV(ハイブリット)等の車輌が好評である。そして、この種のEV、HVに関しては、種々の改良が要望されている。例えば、軽量化による燃料消費低減化確保と、車内の静寂性確保等である。
【0003】
本発明は、軽量化に関しては、サポートの軽量化と、併せて、サポートの縦寸法の短尺化である。関連する発明として、特許第6238453号公報に記載の「ヘッドレストサポート」において、サポートの本体部をテーパー形状とし軽量化を図る構造である。また、この発明は、サポートの太さを工夫し、かつブラケットとの弾性嵌合の利用と、併せて、ブラケットとサポートの良好な嵌合を利用し、ガタ防止を図る構造である。その他の関連する発明として、特許第5877635号公報に記載の「ヘッドレストの支持構造と、その製造する方法」において、異形ブラケット、異形脚部を備えたサポートと、異形ステーの形状を、シートの前後側において、幅寸法に対し、縦寸法を長く形成し、端面視で、長方形状、楕円形状か、又は擬似長方形状、擬似楕円形状とする小型化と薄肉化により、軽量化とコストの低廉化を図る発明である。
【文献】特許第6238453号公報
【文献】特許第5877635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、文献1及び2は、本発明が意図するガソリン車以外のEV、HV等の車輌に好適な、サポート、及びサポートを嵌合するブラケットの構造とは考えられない。その理由は、下記の特徴を達成できないことである。
:1) 首部、及び胴部(サポート全体)の縦寸法の短尺化、及び軽量化、並びに経済性(材料節約化、搬送容易化)の向上確保、及び/又は、走行距離の向上を確保する(燃料消費低減化を確保できる)。
:2) サポートの、ブラケットへの確実、かつ容易な嵌合が図れ、作業の容易性と品質確保の達成、併せて、両者の嵌合性、及び/又は、嵌り具合、即ち、相性の向上が達成され、ガタ防止効果(静寂性)が達成できる。
:3) ブラケットは、方形筒状であって、その縦方向にクリンチ切欠き、及びコーキング加工を施し、短尺化と、経済性(材料節約化、搬送容易化)の向上を確保できること、及び/又は、走行距離の向上を確保できる。
:4) サポートとブラケットの嵌合性、及び/又は、嵌り具合と、両者間の弾性片による衝撃伝播と、両者間のガタ防止等を図り得る。即ち、両者間の相性の向上を介し、衝撃伝播回避とガタ防止を確保できる。
:5) ブラケットに設けたクリンチ切欠き、及びコーキング加工は、前進側/後退側、又は左右側の何れか一方側、及び/又は、双方側か、又は複数側に設けた構成とし、全方向(前進側/後退側、又は左右側の何れか)からの衝撃吸収効果が達成できる。
:6) シートフレーム(アッバフレーム)がパイプ使用の例で、プレス加工(押潰し加工)で、ブラケット取付け部を形成し、かつ押潰し深さを選択し、ブラケットの強度調整と、前記:5)と同じ特徴が図れる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記:1)-:6)を達成するために、請求項1-10を提案する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明は、
アッパフレームの嵌合孔に支持される方形状ブラケットに差込み支持されるヘッドレストサポートは、方形状の頭部と、この頭部の下部に繋がり、かつ頭部の下部断面より小径で、かつブラケットの上面に添設される首部、及びこの首部の下部に繋がり、かつ首部の下部断面より小径で、かつブラケットに差込み支持される胴体部で構成し、
かつ首部に、舌形状の弾性片を設け、かつ弾性片の自由端は、首部外周面より外方に延設形成したことで、
自由端は、ブラケットの上端に添接支持し、ヘッドレストサポートにクッション性を担持可能とし、
胴体部の外周面には、掛け止め片を、また首部には突起を、それぞれ形成し、掛け止め片をブラケットの切欠き窓に掛け止め可能とし、突起をブラケットの切欠きに係止可能とし、
たことを特徴とした車輌のヘッドレストサポートの構造である。
【0007】
請求項1では、前記:1)、:2)と、:4)の特徴が達成できる。
【0012】
請求項2の発明は、首部の角隅部位、及び/又は胴体部の胴体部位、又は掛け止め片の一方部位には、ブラケットの形状に対応し、それぞれ肉盛り形成する車輌のヘッドレストサポートの構造である。
【0013】
請求項2では、請求項1の特徴と、併せて、サポートの首部、及び/又は、胴体部、又は掛け止め片の、好ましい、一例を提供できる。
【0014】
請求項3の発明は、シートフレームがパイプ使用の例においては、プレス加工(押潰し加工)で、ブラケット取付け部を形成し、かつ押潰し深さを選択し、ブラケットの強度調整と、衝撃対応を可能とした車輌のヘッドレストサポートの構造である。
【0015】
請求項3では、請求項1の特徴と、併せて、パイプ使用の例においては、プレス加工(押潰し加工)で、ブラケット取付け部を形成し、かつ押潰し深さを選択可能な、好ましい、一例を提供できる。
【0016】
請求項4の発明は、ブラケットの何れかの側面と、嵌合孔の内側面を、溶接加工する車輌のヘッドレストサポートの構造である。
【0017】
請求項4では、請求項1の特徴と、併せて、サポート、及び/又は、ブラケットの強度の向上と、接合の正確性を担持できる、好ましい、一例を提供できる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1に記載の車輌のヘッドレストサポートの構造において、シートフレームの対の嵌合孔に嵌合支持されるブラケットは、板材の両端に、三つの山部と、この山部を繋ぐ傾斜部、及び/又は、両端の直線部の組合せからなり、かつ直線部が異なる位相、又は、同じ位相である構造を設けたクリンチ切欠きを利用して方形筒状に形成され、かつクリンチ切欠きにコーキング加工は、車輌の前進側、後退側、及び/又は、左右側の何れか一方側、又は双方側に設けた構成とする車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造である。
【0019】
請求項5では、前記:1)-:6)の特徴が達成できる。
【0020】
請求項6の発明は、ブラケットは、異形形状であって、対で設けられており、この対のブラケットは、シートフレームの嵌合孔に、それぞれ間違いなく挿入(嵌合)可能とする
車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造である。
【0021】
請求項6では、請求項5の特徴と、併せて、ブラケットは、シートフレームの嵌合孔に、それぞれ間違いなく挿入可能な構成の一例を提供できる。
【0022】
請求項7の発明は、ブラケットは、筒形状であって、対で設けられており、対のブラケットは、シートフレームの嵌合孔に、それぞれ挿入可能とする車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造である。
【0023】
請求項7では、請求項5の特徴と、併せて、ブラケットは、シートフレームの嵌合孔に、それぞれ容易に挿入可能な構成の一例を提供できる。
【0024】
請求項8の発明は、ブラケットは、異形形状であって、絞込み側に、溶接の容易性を担持する凸部、及び/又は、凹部を形成する車輌のヘッドレストサポート用のブラケットの構造。
【0025】
請求項8では、請求項5の特徴と、併せて、サポート、及び/又は、ブラケットの強度の向上と、接合の正確性を担持でき、かつブラケットの取付の容易性が図れる構成の一例を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1-1】鋼板使用のシートフレーム要部の縮尺正面図(後退側に向かった)
【
図1-2】鋼板使用のシートフレーム要部の縮尺背面図(前進側に向かった)
【
図3-1】パイプ使用のシートフレーム全体の縮尺正面斜視図(後退側に向かった)
【
図3-2】パイプ使用のシートフレーム全体の縮尺背面斜視図(前進側に向かった)
【
図7-1】サポートの首部から切断俯瞰し、前側より見た要部の拡大図
【
図7-2】サポートの首部から切断俯瞰し、左側より見た要部の拡大図
【
図7-3】サポート全体であって、左側より見た仰視図
【
図8】第1例のブラケットの後側より見た俯瞰斜視図
【
図8-1】第1例のブラケットとサポートの後側より見た俯瞰斜視図
【
図9】第2例のブラケットの後側より見た俯瞰斜視図
【
図9-1】第2例のブラケットとサポートの後側より見た俯瞰斜視図
【
図10-1】シートフレームに押潰し加工で成形したブラケット取付け部に、(クリンチ切欠きにコーキング加工は、車輌の前進側とした)ブラケット取付け部に、ブラケットを溶接固定した正面図
【
図10-2】シートフレームに押潰し加工で成形したブラケット取付け部に(クリンチ切欠きにコーキング加工は、車輌の前進側とした)ブラケットを溶接固定した背面図
【
図11-1】シートフレームに押潰し加工で成形したブラケット取付け部に、(クリンチ切欠きにコーキング加工は、車輌の後退側とした)ブラケット取付け部に、ブラケットを溶接固定した正面図
【
図11-2】シートフレームに押潰し加工で成形したブラケット取付け部に(クリンチ切欠きにコーキング加工は、車輌の後退側とした)ブラケットを溶接固定した背面図
【
図12】パイプ使用のシートフレームの各箇所に、ブラケットを取付ける各一例を示しており、(イ)はシートフレームの横断方向中心まで、押潰したブラケット取付け部に、ブラケットを溶接固定した平面模式図、(ロ)はシートフレームの横断方向中心の前側(手前側)まで、押潰したブラケット取付け部に、ブラケットを溶接固定した平面模式図、(ハ)はシートフレームの横断方向中心の後側(奥面側)まで、押潰したブラケット取付け部に、ブラケットを溶接固定した平面模式図
【
図13】弾性片と、サポートの本体との関係を模式的に説明するための拡大図
【
図14】従来例のサポート首部の縦寸法X1を示した拡大模式図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を示してある図面を参照して説明する。
【0028】
図1-1~
図3-2において、この実施形態は、本発明のポート(後述する)を、自動車用フロントシート(以下、単にシートとする)に採用した一例であって、図中1はシートで、このシート1は、図示しない、シートクッションとシートバックの組み合わせであり、シートバックは、シートフレーム2と、左右のサイドフレーム3、3、及びアッパフレーム4、ロアフレーム(符号なし)とで枠状構成される。尚、シートフレーム2は
図1-1~
図2のフレーム形状、
図3-1、
図3-2のパイプ形状とか、図示しないが、パネル形状等も有り得る。
【0029】
アッパフレーム4の嵌合孔400、400には、方形状ブラケット5、5(異形形状のブラケット50、50)が差込み支持される。ブラケット5、50は、
図8~
図9に示すように、アッパフレーム4の水平部位401の対の嵌合孔400に、嵌合支持される。ブラケット5は、車輌の前進方向(
図1の手前方向)となる後側5a、又は前側5bと、図示しないが、車輌の幅方向(
図1の左右方向)の左側5cと右側5dでなる、原則として、平面視すると方形状である。先ず、第1例は、
図8に示した一例では、ブラケット5は方形状であり、精度向上、又は操作荷重の安定性に有益である。後側5a、及び又は、前側5bから、又は車輌の左右側5c、5dの何れか一方に、対の形態(対峙形態)となるクリンチ切欠き500が形成される。切欠き500は、例えば、三つの山部500a(山受け部500a1)と、この山部500aを繋ぐ傾斜部500b(傾斜受け部500b1)、並びに両端の直線部500c(直線受け部500c1)の組合せ構造であり、かつ直線部500cは位相が異なる。そして、前記山部500aと山受け部500a1の繋ぎ箇所、及び/又は、傾斜部500bと傾斜受け部500b1の連繋箇所で形成されるクリンチ切欠き500には、コーキング加工501が複数個設けられる。前述の如く、板材を、例えば、ブラケット5を成形後に、クリンチ切欠き500、及びコーキング加工501を行う理由は、例えば、強度の向上と、ガタ防止を図ることにある。次の第2例として、
図9~
図9-1~
図9-4に示した一例では、ブラケット50は異形形状であり、平面視し、例えば、車輌の前進方向(
図1の手前方向)の一方端側(左側50c)から他方端側(右側50d)に対して傾斜するとともに、前進方向において、他方端側が前進方向に向かって突出する形状である(左側50c<右側50d)。そして、ブラケット50は左側50cと右側50dを備えており、これらと後前側50a、50bで枠組みされるが、この中で、後前側50a、50bの幅(車輛の幅方向)の何れか一方が、長い構造を採用することで、異形形状を呈する。この異形形状の利点は、サポート(構造は後述する)の挿入(差込み)の容易化(挿入間違いを無くす)と、精度向上、又は操作荷重の安定性に有益である。前側50a、又は後側50bの何れか一方に、対の形態(対峙形態)となる異形形状のクリンチ切欠き5000が形成される。クリンチ切欠き5000は、例えば、三つの山部5000a(山受け部5000a1)と、この山部5000aを繋ぐ直線部5000c(直線受け部5000c1)の組合せ構造とし、直線部5000cは位相が同じである。また、ブラケット50は左側50cと右側50dを備えており、これらと前記後前側50a、50bで枠組みされる。そして、山部5000aと山受け部5000a1の繋ぎ箇所、及び/又は、直線部5000cと直線受け部5000c1の連繋箇所で形成されるクリンチ切欠き5000には、コーキング加工50001が複数個設けられる。前述の如く、板材を、ブラケット50を成形後に、クリンチ切欠き5000、及びコーキング加工50001を行う理由は、例えば、強度、及び/又は、精度の向上と、ガタ防止を図ることにある。
【0030】
前述した、方形状のブラケット5のクリンチ切欠き500とコーキング加工501は、異形形状のブラケット50のクリンチ切欠き部5000とコーキング加工50001に代替することも可能である。また、同様に、異形形状のブラケット50のクリンチ切欠き部5000とコーキング加工50001は、方形状のブラケット5のクリンチ切欠き部500とコーキング加工501に代替することも可能である。
図4-1~
図7-2等に示す異形形状のサポート100(このサポート100は、後側100-1、前側100-2、左側100-3、右側100-4と、傾斜面100-5、フラット面100-6とする)は、貫通孔11を備える。頭部100aには操作釦(図示せず)の差込み孔12を有する。また、首部100bには、板状の弾性片13を備える。この弾性片13には、前記ブラケット50の上端50eが添接される。弾性片13
の添設によりサポート100に発生する衝撃を緩和し(ブラケット50とサポート100との間に生ずるガタ防止)、それにより生ずると考えられるガタ音発生を回避する。さらには、ヘッドレストサポート100への衝撃伝播を無くすこと等が可能となる。この弾性片13は、サポート100の首部100bの前側100b1に形成した切欠き部100b2で、首部100bと切り離された形態となる。従って、弾性片13は、可撓性を備える。即ち、弾性片13は、少なくとも、上下方向に可撓可能に形成されるとともに、弾性片13の少なくとも自由端13aは、首部100の前側100b1より、突き出た形態である。このように、弾性片13の自由端13aは、首部100bの外周面より外方に延設形成される。そして、この延設形成した、少なくとも、自由端13aは、シートフレーム2(アッパフレーム4)に設けたブラケット50の上端50eに添接支持される。また、首部100b(サポート100の後側100-1)の突起14はブラケット50の後側50bに設けた切欠き50gに差込み係止される。この首部100bの縦寸法Xは、
図14に示した従来例首部の縦寸法X1に対し、縦寸法X<従来例首部の縦寸法X1の関係を確保し、サポート100の縦寸法の短尺化を図り、少なくとも、軽量化に貢献する。次に、胴体部100c(サポート100の左側100-3と、右側100-4)には、掛け止め片15、16が外方に向かって、弁状に膨出形成されており、掛け止め片15、16は、ブラケット50の切欠き窓5002、5003に差込み、かつ係止される。また、
図9に示したブラケット50とサポート100の一体化に寄与している。前側100-2の掛け止め片15は、前側100-2が傾斜面100-5であることで、傾斜形態である。即ち、例えば、
図4-1、
図4-2において、矢印Y方向(前側100-2の前方方向で、シートの着座方向)は膨出する。図のように、向かって、右側の脚(脚部15b)が、左側の脚(脚部15a)に対して、前面に膨出し、かつ下方に長く、アッパフレーム4の異形の嵌合孔400に整合することを意図する。また、後側100-1の掛け止め片16は、後側100-1がフラット面100-6であることで、例えば、
図4-3において、矢印Z方向はフラット面100-6である。図のように、向かって、右側の脚(右脚)と、左側の脚(左脚)は、同じ対応であり、かつ膨出、及び下方への長さ等も同じあって、フラット面100-6の嵌合孔400に整合することを意図する。尚、
図8に示したブラケット5は方形状であり、このブラケット5に挿入するサポート(図示せず)は、方形状の端面を有する。この方形状サポート(図示せず)は、前述の異形形状のサポート100に準ずる。
【0031】
図8に示した方形状サポート10では、異形形状のサポート100の部品名を示し、符号の数字は桁を下げる。例えば、掛け止め片15、16は、ブラケット5の切欠き窓502、503に差込み、かつ形成される。また、切欠き5g、クリンチ切欠き500とする。
【0032】
尚、異形形状のサポート100では、肉盛り箇所を設ける。即ち、首部100bの前側100-2の左側100-3を起点に、順次、右側100-4に向かって競上がった肉盛りとなり、右側100-4が最も高い肉盛りとなる(以下同じである)。例えば、胴体部100cの前側100-2の左側100-3を起点に、順次、右側100-4に向かって競上がった肉盛りとなり、右側100-4が最も高い肉盛りとなる(以下同じである)。掛け止め片15でも同様である。従って、掛け止め片15の脚部15a、15bにおいて、長さが異なり、脚部15a<脚部15bの寸法関係である。これは、膨出寸法が、脚部15a<脚部15bの寸法関係となることに対応する。この例では、異形形状に鑑み、説明は割愛するが、関連個所も同様な肉盛り構造である。方形形状のサポート10においては、膨出した肉盛りはない。
【0033】
尚、
図10-1と
図102においては、シートフレーム2に押潰し加工で成形したブラケット取付け部200に、クリンチ切欠き5000にコーキング加工5001は、車輌の前進側とする。そして、ブラケット取付け部200に、ブラケット5、50(以下、ここでは5とする)を溶接18して固定する。溶接18は、シートフレーム2の押潰し片(嵌合孔400の内周面)と、ブラケット50の左右側50d、50e(側面に相当する)と、する。尚、溶接18の長さは、
図10-2に一例として示すが、押潰し加工の長さDに対して、D+αとする。
【0034】
また、
図11-1と
図11-2においては、
図10-1等と同じであるが、クリンチ切欠き5000にコーキング加工5001は、車輌の後退側とする。その他は、
図10-1等に準ずる。
【0035】
図12は、パイプ使用のシートフレーム2の各箇所に、異形形状のブラケット50を取付ける、それぞれ、好ましい、一例を示しており、例えば、(イ)はシートフレーム2の横断方向Aにおいて、中心201まで、押潰Bしたブラケット取付け部200に、ブラケット50を溶接固定した平面模式図である。この例では、ブラケット取付け部200の、例えば、両左右側面200c、200dと、ブラケット50の、例えば、両左右側面50c、50dとの間に、ギャップC、C´(以下、Cとする)が形成されることに鑑み、少なくとも、ブラケット取付け部200の左側面200cとブラケット50の、両左側面50cのギャップCをカバーする目的で、ブラケット50の左側50cに凸部5004を形成する。この凸部5004(突出位置は変更できる)は、ギャップCの隙間の保護と、溶接量(溶接部材)の軽減化、又は溶接強度向上等に有効である。この例では、例えば、ブラケット取付け部200(ブラケット5)の左右側200c、200d(5c、5d)、及び/又は、後側200bで、例えば、その縦方向の上側(上端5e)、及び/又は、下側(下端5f)を溶接18する。この実施例は、図示しないが、尚、鋼材使用のシートフレーム2に関し、異形形状のブラケット50を採用することは可能であり、同じような効果が期待できる。或いは、方形状のブラケット5でも、同様である。次に、(ロ)はシートフレーム2の横断方向Cにおいて、中心201の前側(手前側)まで、押潰したブラケット取付け部2000に、ブラケット2を溶接固定した平面模式図、その構成と効果等は、全て、前記(イ)に準ずる。更に、(ハ)はシートフレーム2の横断方向Cにおいて、中心201の後側(奥面側)まで、押潰したブラケット取付け部200に、ブラケット2を溶接固定した平面模式図、その構成と効果等は、全て、前記(イ)に準ずる。
【0036】
尚、
図13は、弾性片13と、サポート100の本体100-7との関係を模式的に説明するための図であり、(イ)は、基本体であって、弾性片13が均等幅で形成された考えかたである。また、(ロ)は先端に向かって上方が先下り、下方かフラットとした形態であって、B1/B2の関係であって、最適な形態であり、応力の一定化に寄与できる(ニ)の図表を参照されたい。また、(ハ)は、(ロ)のその他の例であって、(ロ)と同じ効果が期待できる。図中Lは、片持ち長さを示している。
【0037】
【0038】
以上で説明した各実施例は、好ましい一例を示したものであり、同様な効果と特徴を有する他の構造、手段は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0039】
1 シート
2 シートフレーム
200 ブラケット取付部
200a 後側
200b 前側
200c 左側
200d 右側
201 中心
3 サイドフレーム
4 アッパフレーム
400 嵌合孔
401 水平部位
5 ブラケット
5a 後側
5b 前側
5c 左側
5d 右側
5e 上端
5f 下端
5g 切欠き
500 クリンチ切欠き
500a 山部
500a1 山受け部
500b 傾斜部
500b1 傾斜受け部
500c 直線部
500c1 直線受け部
501 コーキング加工
502、503 切欠き窓
50 ブラケット
50a 前側
50b 後側
50c 左側
50d 右側
50e 上端
50f 下端
50g 切欠き
5000 クリンチ切欠き
5000a 山部
5000a1 山受け部
5000c 直線部
5000c1 直線受け部
50001 コーキング加工
5002、5003 切欠き窓
5004
10サポート
100 サポート
100-1 後側
100-2 前側
100-3 左側
100-4 右側
100-5 傾斜面
100-6 フラット面
100-7 本体
100a 頭部
100b 首部
100b1 前側
100b2 切欠き部
100c 胴体部
11 貫通孔
12 差込み孔
13 弾性片
13a 自由端
14 突起
15 掛け止め片
15a 脚部
15b 脚部
16 掛け止め片
A 横断方向