(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】保護フィルム貼付器具
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
G09F9/00 342
G09F9/00 302
(21)【出願番号】P 2019197561
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2022-02-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年9月11日販売、販売場所 株式会社エフテル商事、他(証明書の別紙1参照) 令和1年9月11日掲載、掲載アドレス https://www.owltech.co.jp/product/guib58、他(証明書の別紙2参照)
(73)【特許権者】
【識別番号】501035848
【氏名又は名称】株式会社オウルテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 一
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-097007(JP,A)
【文献】特開2017-130907(JP,A)
【文献】特開2016-098028(JP,A)
【文献】特開2010-134117(JP,A)
【文献】中国実用新案第206750242(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護フィルム貼付器具であって、
窓部を有する略矩形状の平面部と、前記平面部の外周縁から前記平面部と略直交する方向に立ち上がる周壁部とを有し、前記平面部の内面と前記周壁部の内面とにより電子機器を収容可能な収容空間を構成するケースと、
前記平面部の内面に沿うように配置され、前記平面部の内面に沿う面と反対側に粘着面を有する保護フィルムと、
前記ケースの前記窓部と前記窓部の周縁部とを覆うように前記平面部の外面に剥離可能に貼り付けられ、前記保護フィルムと前記平面部とを連結する保護シートと
、
前記窓部の内側に設けられ、前記保護シートと前記保護フィルムとの間に挟まれて、前記保護シート及び前記保護フィルムに貼り付けられる粘着シートとを備える、保護フィルム貼付器具。
【請求項2】
前記平面部の一辺と平行な方向及びこれと直交する方向における前記窓部の外周縁から前記平面部11の外周縁までの距離が10mm以上である、請求項1に記載の保護フィルム貼付器具。
【請求項3】
前記平面部の面積に対する前記窓部の面積の割合が50%以下である、請求項1または2に記載の保護フィルム貼付器具。
【請求項4】
前記平面部の内面に前記保護フィルムを位置決めするための位置決め部が設けられる、請求項1~3のいずれかに記載の保護フィルム貼付器具。
【請求項5】
前記保護フィルムの前記粘着面に剥離可能に貼り付けられ、前記粘着面の全体を覆う離型シートを更に備える、請求項1~
4のいずれかに記載の保護フィルム貼付器具。
【請求項6】
前記ケースの前記平面部の外面または前記保護シートに、前記ケースの前記収容空間に前記電子機器を収納する際における前記電子機器の向きを表すマークが設けられる、請求項1~
5のいずれかに記載の保護フィルム貼付器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の電子機器の表示画面に保護フィルムを貼り付けるために用いる保護フィルム貼付器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット等の電子機器が普及しており、表示画面を保護するために、ガラス及び/または樹脂からなる保護フィルムが広く用いられている。保護フィルムは、一方面に粘着層と離型フィルムが設けられた構成が一般的であり、使用時には離型フィルムを剥離した後、粘着層を介して保護フィルムを電子機器の表示画面に貼り付ける。
【0003】
保護フィルムを手作業で貼り付ける場合、電子機器の表示画面に対して保護フィルムを位置決めすることが難しいため、位置決めを容易にできる貼付器具が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、モバイル機器の周縁部に沿って嵌め合わせ可能なフレームを備えた保護フィルムの貼り付け補助具が記載されている。特許文献1には、モバイル機器に嵌め合わせたフレームの内枠をガイドとして利用することにより、保護フィルムを位置決めできることが記載されている。
【0005】
また、特許文献2は、フレーム構造の本体に予め保護フィルムを取り付けた保護フィルム貼付装着装置が記載されている。特許文献2に記載の保護フィルムは、電子機器に貼り付けられる粘着フィルム層と、粘着フィルム層の粘着面に設けられる離型層と、粘着フィルム層の他方面(貼付後に最外面となる面)を保護する保護層とを備える。特許文献2においては、保護層の寸法を粘着フィルム層より大きくし、粘着フィルム層の外側に延伸した保護層の側辺部をフレーム構造の本体の上面に貼り付けることにより、本体と保護フィルムとが一体化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6090915号公報
【文献】特許第6382504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の構成では、フレームと保護フィルムとが別体であるため、保護フィルムの離型フィルムを剥離した後、粘着層が露出した保護フィルムを手で保持する必要がある。この際、保護フィルムの粘着層に指が触れて指紋が付着する可能性がある。また、保護フィルムを電子機器の表示画面に貼り合わせる際に、表示画面に指が触れて指紋が付着する可能性がある。
【0008】
特許文献2に記載の構成では、フレームと保護フィルムとが一体化されているため貼り合わせ時における指紋の付着は抑制されるものの、枠形状のフレームは剛性が高くないため、貼り合わせ時にフレームが変形しやすく、粘着層と表示画面との間に気泡が入るなどの貼り付けミスが生じやすい。また、特許文献2に記載されるような、フレームの上面に保護層を貼り付ける構成では、フレーム上面の面積が限られるために保護層の貼り付けが難しく、製造効率が低下する可能性がある。
【0009】
それ故に、本発明は、保護フィルムの貼り付け時における指紋の付着を抑制できると共に、電子機器への保護フィルムの貼り付けミスを低減でき、更に、製造効率が良好な保護フィルム貼付器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る保護フィルム貼付器具は、窓部を有する略矩形状の平面部と、平面部の外周縁から平面部と略直交する方向に立ち上がる周壁部とを有し、平面部の内面と周壁部の内面とにより電子機器を収容可能な収容空間を構成するケースと、平面部の内面に沿うように配置され、平面部の内面に沿う面と反対側に粘着面を有する保護フィルムと、ケースの窓部と窓部の周縁部とを覆うように平面部の外面に剥離可能に貼り付けられ、保護フィルムと平面部とを連結する保護シートと、窓部の内側に設けられ、保護シートと保護フィルムとの間に挟まれて、保護シート及び保護フィルムに貼り付けられる粘着シートとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、保護フィルムの貼り付け時における指紋の付着を抑制できると共に、電子機器への保護フィルムの貼り付けミスを低減でき、更に、製造効率が良好な保護フィルム貼付器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る保護フィルム貼付器具の斜視図
【
図2】
図1に示した保護フィルム貼付器具のケース内側を示す平面図
【
図3】
図1に示した保護フィルム貼付器具の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る保護フィルム貼付器具の斜視図であり、
図2は、
図1に示した保護フィルム貼付器具のケース内側を示す平面図であり、
図3は、
図1に示した保護フィルム貼付器具の分解斜視図である。尚、
図2は、離型シート6が剥離された状態を示しており、離型シート6の貼付位置を二点鎖線で特定している。
【0014】
保護フィルム貼付器具1は、ケース2と、保護フィルム3と、保護シート4と、粘着シート5と、離型シート6とを備える。保護フィルム貼付器具1は、保護フィルム3とこの貼付に用いる治具とを一体化したものであり、スマートフォンやタブレット等の電子機器の表示画面に保護フィルム3を位置決めして貼り付けるために用いられる。保護フィルム3の貼付対象となる電子機器は、表示画面を有しているものであれば特に限定されない。
【0015】
ケース2は、略矩形状の平面部11と、平面部11の外周縁に接続され、平面部11と略直交する方向に立ち上がる周壁部12とを備える。ケース2は、例えば、樹脂の一体成形品として形成される。平面部11の内面は、貼付対象の電子機器の表示画面を含む面と略同一形状かつ同寸法に構成されており、平面部11の内面と周壁部12の内面とで電子機器を収容可能な収容空間を構成している。ケース2の収容空間内部に電子機器を嵌め込んだ状態では、平面部11の内面が電子機器の表示画面を含む面に沿い、周壁部12の内面が電子機器の側面に沿った状態となる。平面部11には、略矩形状の開口部である窓部13が設けられている。ただし、窓部13の形状は、特に限定されない。平面部11の外面には、窓部13を取り囲む浅い凹部14(
図1及び
図3において、凹部14の外周縁を細線で示す)が設けられている。凹部14は、窓部13の周縁部に設けられており、後述する保護シート4の周縁部が貼り付けられる部分である。平面部11の内面には、保護フィルム3を収容するための浅い凹部19が設けられている。凹部19の高さ及び幅は、保護フィルムの高さ及び幅と略等しく、凹部19の深さは、保護フィルム3の厚みと同じであることが好ましい。凹部19は、保護フィルム貼付器具1の組み立て時に、ケース2に対して保護フィルム3を位置決めする位置決め部として機能する。凹部19に収容された保護フィルム3は、凹部19の外周縁部分の段差によって平面方向への移動が規制される。
【0016】
周壁部12には、切欠15a、15b及び16が設けられている。切欠15a及び15bは、
図2に示すように、互いに対向する位置に設けられている。切欠15a及び15bは、保護フィルム3を電子機器に貼り付けた後、ケース2を電子機器から取り外す際の手掛かりとして用いることができる。また、切欠16は、後述する離型シート6のタブ20を周壁部12より外側に引き出すためのものである。その他、図示を省略しているが、周壁部12には、電子機器の側面に設けられたボタン等の突出部を収容するための凹部や切欠等が適宜設けられる。
【0017】
保護フィルム3は、電子機器の表示画面の保護や画像の視認性の向上等を目的として、表示画面に貼り付けられる部材である。保護フィルム3としては、例えば、薄膜状のガラスと1層以上の樹脂層を積層した複合フィルム(「ガラスフィルム」とも称される)や、複数の樹脂層を積層した樹脂フィルム等を例示できるが、保護フィルム3の材質は特に限定されない。保護フィルム3の一方の面は、保護フィルム3を表示画面に貼合するための粘着面である。この粘着面は、例えば、粘着剤を塗布することによって形成することができる。保護フィルム3は、粘着面が平面部11の内面と反対側(ケース2の収容空間の外側)を向き、粘着面と反対側の面が平面部11の内面に沿った状態で、平面部11の内面に設けられた凹部19に収容されている。
【0018】
保護シート4は、平面部11の外面に剥離可能に接着され、保護フィルム3と平面部11とを連結する。また、保護シート4は、窓部13とその周縁部とを覆うことにより、窓部13から露出した保護フィルム3を保護することができる。保護シート4は、保護フィルム3の貼り付け時に、保護フィルム3をケース2から分離するために剥離される部材であり、その一部に剥離時に用いられるタブ17が設けられている。タブ17は、保護シート4を剥離する際の起点として把持される部分であり、平面部11に接着されていない。
【0019】
また、保護シート4には、マーク18が設けられている。このマーク18は、ケース2の収容空間に電子機器を嵌め込む際の電子機器の向きを示すものである。本実施形態におけるマーク18は、矢印の図形からなり、矢印が指し示す方向が電子機器の上側に対応することを表している。マーク18が設けられていることにより、保護フィルム貼付器具1を電子機器に装着する際に両者の向きを容易に合わせることができ、貼り付け時の作業性が向上する。尚、マーク18は必ずしも矢印である必要はなく、電子機器の向きを特定できるものであれば、他の図形や文字であっても良い。
【0020】
粘着シート5は、窓部13から露出した保護フィルム3の一部と保護シート4との間に挟まれ、保護シート4及び保護フィルム3のそれぞれに貼り付けられる。粘着シート5は、窓部13から露出した保護フィルム3の一部と保護シート4の粘着面とが直接接着する部分の面積を小さくし、保護シート4の粘着剤が保護フィルム3の表面に残ってしまうことを抑制するために設けられる。粘着シート5は、窓部13の内側に設けられていれば良いが、保護シート4から保護フィルム3への粘着剤移りをできるだけ低減するために、粘着シート5は、窓部13と略同一形状であって、窓部13と同じ寸法もしくは窓部13より僅かに小さい寸法を有することが好ましい。また、保護シート4の剥離時に、粘着シート5を保護シート4と共に保護フィルム3から剥離できるように、弱粘着の粘着剤を使用するなどして、保護フィルム3に対する粘着シート5の粘着強度が調整される。
【0021】
離型シート6は、保護フィルム3の粘着面を保護するためのものであり、保護フィルム3の粘着面に剥離可能に貼り付けられる。離型シート6には、剥離時に把持するためのタブ20が設けられており、タブ20は、ケース2の周壁部12に設けられた切欠16から外部へと突出するように配置される。離型シート6は、保護フィルム3の粘着面に埃等が付着することを防止するためのものであるので、保護フィルム3の粘着面の全体を覆うことができる形状に形成される。離型シート6のタブ20を除く部分は、保護フィルム3と同一形状であっても良いが、
図2に示すように、保護フィルム3の外周縁の全周に渡って、離型シート6の外周縁が保護フィルム3の外周縁より外側に位置するよう、保護フィルム3より大きく形成することが好ましい。本実施形態では、
図2に示すように、離型シート6のタブ20を除く部分は、平面部11の内面と略同一形状を有しており、保護フィルム3の外周縁より外側に延伸した離型シート6の一部が、平面部11の内面のうち、凹部19の周縁部分に貼り付けられている。このように、保護フィルム3の外周縁より外側に延伸した離型シート6の一部を平面部11に貼り付けると、保護シート4に支持されていない保護フィルム3の外周縁部分を平面部に固定できるので、ケース2に対する保護フィルム3の取り付け状態を安定させることができる。また、保護フィルム3と平面部11との隙間を離型シート6で塞ぐことにより、保護フィルム貼付器具1の使用前に保護フィルム3と平面部11の内面との間に埃等が侵入することを防止できる。本実施形態では、保護フィルム3を位置決めするための凹部19の深さを保護フィルム3の厚みと等しくしていることで、保護フィルム3の粘着面と凹部19の周縁部とが面一となるので、皺を生じさせることなく離型シート6を平面部11に貼り付けることができ、上述した取り付け状態の安定性と埃の侵入抑制の面でより好ましい。
【0022】
ここで、保護フィルム貼付器具1の使用方法を説明する。
【0023】
まず、
図1に示す状態の保護フィルム貼付器具1から離型シート6を剥離し、
図2に示すように、保護フィルム3の粘着面を露出させる。離型シート6には、切欠16を通じて周壁部12の外側に延伸するタブ20が設けられているので、タブ20を把持することにより離型シート6を容易に剥離することができる。
【0024】
次に、離型シート6を剥離した状態の保護フィルム貼付器具1と電子機器の向きを合わせると共に、露出した保護フィルム3の粘着面と電子機器の表示画面とを対向させ、ケース2の収容空間に電子機器を嵌め込む。保護シート4には、電子機器の向きを示すマーク18が設けられているので、保護フィルム貼付器具1と電子機器の向きを容易に合わせることができる。ただし、電子機器の表示画面における非貼付面が対称であり、保護フィルム3の貼り付け方向に制限がない場合には、保護フィルム貼付器具1と電子機器の向きを合わせる作業を省略することができる。
【0025】
次に、電子機器をケース2の収容空間に嵌め込んだまま、保護シート4と粘着シート5とを剥離する。保護シート4には、平面部11に接着されていないタブ17が設けられているので、タブ17を把持することにより保護シート4を容易に剥離することができる。保護シート4及び粘着シート5を剥離した状態で、保護フィルム3を電子機器側に押圧するなどして、保護フィルム3を電子機器の表示画面に密着させる。
【0026】
その後、ケース2のみを電子機器から分離することによって、保護フィルム3の貼付作業が完了する。保護シート4及び粘着シート5を剥離することにより、保護フィルム3とケース2との連結が解除されているので、保護フィルム3が貼り付けられた電子機器からケース2を容易に分離することができる。
【0027】
上述の通り、本実施形態に係る保護フィルム貼付器具1においては、ケース2に平面部11が設けられている。平面部11によりケース2の剛性が向上するので、ケース2に電子機器を嵌め込む際や、ケース2に電子機器を嵌め込んだ状態でのケース2の変形を抑制することができる。ケース2の変形が抑制されることにより、保護フィルム3の粘着面を電子機器の表示画面に接触させる際の保護フィルム3の撓みを小さくできるので、保護フィルム3と表示画面との間への気泡の混入を低減できる。また、ケース2の剛性が高いことにより、保護フィルム3の貼り付け時における位置決め精度も向上できる。したがって、本実施形態に係る保護フィルム貼付器具1を用いることにより、電子機器への保護フィルム3の貼付ミスを低減することが可能となる。
【0028】
また、本実施形態に係る保護フィルム貼付器具1では、電子機器の表示画面に保護フィルム3の粘着面が接触するまで、ケース2に保護フィルム3が保持され、粘着面が露出した保護フィルム3を手で直接把持する必要がないため、保護フィルム3の貼り付け時に粘着面や表示画面に指紋を付着させてしまうことを抑制することができる。
【0029】
また、本実施形態に係る保護フィルム貼付器具1は、保護フィルム3の表面を保護するための保護シート4を備えるが、この保護シート4はケース2の周壁部12ではなく、平面部11に貼り付ければ良いため、保護シート4の貼り付け位置の精度を厳密に管理する必要がなく、保護シート4の貼付作業も容易である。したがって、本実施形態に係る保護フィルム貼付器具1であれば、組み立て製造時における製造効率も良好である。
【0030】
以下、
図3を参照して、平面部11の寸法について好ましい条件を説明する。
【0031】
平面部11の一辺と平行な方向D1及びこれと直交する方向D2における窓部13の外周縁から平面部11の外周縁までの距離L1~L4(すなわち窓部13の外周縁から平面部11の外周縁までの最短距離)は、どの部分においても10mm以上であることが好ましい。窓部13の外周縁から平面部11の外周縁までの距離L1~L4が10mm以上となるように平面部11を構成すると、ケース2の剛性をより向上させてケース2の変形を十分に抑制できるのでより好ましい。窓部13の外周縁から平面部11の外周縁までの距離が10mm未満の場合、ケース2の剛性を担保する部分が少なくなるため、使用時にケース2が変形しやすくなる可能性がある。
【0032】
また、平面部11の面積に対する窓部13の面積の割合が50%以下であることが好ましい。平面部11の面積は、ケース2を平面視したときの面積であって、窓部13とその周囲の実態のある部分との面積である。窓部13の面積が平面部11の面積の50%以下であれば、平面部11に対して窓部13が十分に小さくなることにより、ケース2の剛性をより一層向上させてケース2の変形を更に抑制することができるので更に好ましい。また、窓部13の大きさを十分に小さくすることにより、組み立て製造時における保護シート4の貼り付け位置の調整を更に容易とすることができる。窓部13の面積が平面部11の面積の50%を超える場合、窓部13の外周縁から平面部11の外周縁までの距離が短くなり、ケース2の剛性を担保する部分が少なくなるため、使用時にケース2が変形しやすくなる可能性がある。また、窓部13の外周縁から平面部11の外周縁までの距離が短くなり、保護シート4の貼り付けやすさにも影響する可能性がある。
【0033】
以上説明したように、本発明によれば、保護フィルムの貼り付け時に気泡が混入したり指紋が付着したりすることを低減でき、製造効率も良好な保護フィルム貼付器具を実現できる。
【0034】
(その他の変形例)
上記の実施形態では、保護フィルム3と保護シート4との間に粘着シート5を挟んだ構成を例示したが、粘着シート5は省略しても良い。この場合、保護シート4の粘着面の粘着強度を調整するなどして、保護シート4から保護フィルム3への粘着剤が移ることを抑制することが好ましい。
【0035】
また、上記の実施形態では、保護シート4にマーク18を設けた構成を例示したが、マーク18は省略しても良い。また、電子機器の向きを示すマークは、ケース2に設けても良いし、ケース2と保護シート4の両方に設けても良い。
【0036】
また、上記の実施形態では、平面部11の内面に設けた凹部19により保護フィルム3を位置決めする構成を説明したが、ケース2に対する保護フィルム3の位置を規定し、保護フィルム3の平面方向の移動を規制できるものであれば、平面部11の内面に設けた凸部等により位置決め部を構成しても良い。また、平面部11の内面には凹部19等の位置決め部がなくても良い。平面部11の内面に位置決め部がない場合、保護フィルム貼付器具1の組み立て時に治具等を用いてケース2内における保護フィルム3の位置決めを行い、保護シート4を貼り付けることによって保護フィルム3をケース2に固定すれば良い。
【0037】
また、上記の実施形態では、平面部11の外面に凹部14を設けた構成例を例示したが、平面部11の外面の凹部14はなくても良い。ただし、凹部14を設けることによって、保護シート4の貼り付けがしやすくなるという利点がある。
【0038】
また、上記の実施形態では、離型シート6にタブ20を設けた構成例を例示したが、タブ20はなくても良い。離型シート6にタブ20を設けない場合、例えば、離型シート6とは別体のシール等の部材を離型シート6の表面に部分的に貼り付け、この部材をタブの代わりに用いることで離型シート6の剥離を容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、スマートフォンやタブレット等の電子機器の表示画面に保護フィルムを貼り付けるための保護フィルム付き貼付器具として利用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 保護フィルム貼付器具
2 ケース
3 保護フィルム
4 保護シート
5 粘着シート
6 離型シート
11 平面部
12 周壁部
13 窓部
18 マーク
19 凹部