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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】什器転用型化粧箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20230412BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
B65D5/52 C
B65D5/54 301F
B65D5/54 301D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019018121
(22)【出願日】2019-02-04
(65)【公開番号】P2020125128
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】307013857
【氏名又は名称】株式会社ロッテ
(73)【特許権者】
【識別番号】000166258
【氏名又は名称】古林紙工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂東 陽子
(72)【発明者】
【氏名】君野 勝巳
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-112071(JP,A)
【文献】特開2012-136226(JP,A)
【文献】特開2007-297131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/52
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
型抜きされた1枚の厚紙ブランクにより形成された直方体状の化粧箱であって、
矩形の底面板、矩形の上面板、相対向する一対の第1側面板、及び相対向する一対の第2側面板を有し、
各前記第2側面板は、前記底面板から張り出した下フラップ、前記上面板から張り出した上フラップ及び前記一対の第1側面板から張り出した端フラップの対が、それぞれ折り曲げられ、部分的に重ね合わされることによって形成されており、
前記上フラップ及び下フラップ間には、横長の隙間が空いており、
一方の前記第1側面板及び当該第1側面板から両側へ張り出した各前記端フラップには、上下方向中央部に、箱を上下に分断するための第1の開封帯が形成されており、
他方の前記第1側面板及び当該第1側面板から両側へ張り出した各前記端フラップには、前記他方の第1側面板の一部を連結部として残した状態で箱を上下に分断するための第2の開封帯が形成されており、
前記第1の開封帯及び前記第2の開封帯に沿って箱を上下に分断でき、かつ、分断した箱の上部を前記連結部を介して箱の下部の下に台として折り返せるものであり、
前記分断した箱の上部は、前記他方の第1側面板の下辺であって、前記底面板と繋がった部分に沿って天地逆になるように折り返せることを特徴とする、什器転用型化粧箱。
【請求項2】
前記第2の開封帯は、前記他方の第1側面板の各端フラップを上下に分断し、かつ、前記他方の第1側面板の上部が前記底面板と繋がった状態を維持する連結部を生じるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の什器転用型化粧箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関し、特に、出荷、運搬、店舗への搬入時は、複数の商品を収容して包装する化粧箱として機能し、商品を店頭で陳列する際には、商品陳列用の什器として活用することのできる包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧箱を開封し、化粧箱に入れた状態のまま商品を店頭で陳列する際に、商品の高さが低いと商品名や商品の種類等を視認することが困難になるという問題があった。
係る問題を解決するための従来技術として、例えば特許文献1に記載のラップラウンドケースが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-105314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたラップラウンドケースは、飲料缶等の商品の包装に使用されるものである。このラップラウンドケースは、ケース上部をケース下部の下方に置いて底上げの補助台として用いる際に、ケース上部を補強して、ケース下部に収容された商品の重みに耐えられる強度にしなければならないという課題がある。
また、ケース下部の下方に置かれたケース上部は、配置位置がずれないように位置決めをし、その上にケース下部を適切に乗せなければならないという課題もある。
【0005】
一方、菓子等の商品は、特許文献1に開示された飲料缶等のためのラップラウンドケースとは異なり、段ボール紙ではなく、厚紙で形成された化粧箱に収容される。そして、店頭で化粧箱が開封されて、化粧箱内に収容された商品が、商品棚等に陳列される。その際に、商品の陳列高さが低い場合、プライスカードなどで商品の正面部分が隠れてしまい、商品名やパッケージデザインの視認、確認が困難になるといった問題点が、店舗などから挙がっているという現状がある。
【0006】
本発明は、係る背景の元になされたものであり、商品を陳列する際に、簡便に、化粧箱を商品陳列用什器に転用することのできる什器転用型化粧箱を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、型抜きされた1枚の厚紙ブランクにより形成された直方体状の化粧箱であって、矩形の底面板、矩形の上面板、相対向する一対の第1側面板、及び相対向する一対の第2側面板を有し、各前記第2側面板は、前記底面板から張り出した下フラップ、前記上面板から張り出した上フラップ及び前記一対の第1側面板から張り出した端フラップの対が、それぞれ折り曲げられ、部分的に重ね合わされることによって形成されており、前記上フラップ及び下フラップ間には、横長の隙間が空いており、一方の前記第1側面板及び当該第1側面板から両側へ張り出した各前記端フラップには、上下方向中央部に、箱を上下に分断するための第1の開封帯が形成されており、他方の前記第1側面板及び当該第1側面板から両側へ張り出した各前記端フラップには、前記他方の第1側面板の一部を連結部として残した状態で箱を上下に分断するための第2の開封帯が形成されており、前記第1の開封帯及び前記第2の開封帯に沿って箱を上下に分断でき、かつ、分断した箱の上部を前記連結部を介して箱の下部の下に台として折り返せるものであり、前記分断した箱の上部は、前記他方の第1側面板の下辺であって、前記底面板と繋がった部分に沿って天地逆になるように折り返せることを特徴とする、什器転用型化粧箱である。
【0008】
請求項記載の発明は、前記第2の開封帯は、前記他方の第1側面板の各端フラップを上下に分断し、かつ、前記他方の第1側面板の上部が前記底面板と繋がった状態を維持する連結部を生じるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の什器転用型化粧箱である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1の開封帯及び第2の開封帯を切り離すことにより、一側面の一部が繋がった状態で、化粧箱を上部と下部とに分断することができる。そして、一側面の端縁を中止に化粧箱の上部を約360度回動させて折り返すことにより、化粧箱の上部を下部の下に適切に配置することができる。
これにより、商品が収容されていた化粧箱を、非常に簡便な方法で、商品陳列用の什器に転用することができる。そして、化粧箱に収容されている商品が高さの低い商品であっても、陳列時に、商品の正面が隠れたりすることを防止できる。よって、商品の特長を消費者に訴求できる。また、商品の残数の把握が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の平面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の正面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の背面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の右側面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の左側面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の底面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の展開図(化粧箱10を形成する厚紙ブランク1)である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の正面側だけを開封した状態を化粧箱10の正面側から見た斜視図である。
図9図9は、図8のように正面側を開封した化粧箱10に対し、さらに、背面側を開封した状態を化粧箱10の背面側から見た斜視図である。
図10図10は、化粧箱10の上部を折り返して下部の下に位置させて什器として使用した状態を示す背面側から見た斜視図である。
図11図11は、化粧箱10の上部を折り返して下部の下に位置させて什器として使用した状態を示す正面側から見た斜視図である。
図12図12は、この発明の他の実施形態に係る化粧箱60の背面図である。
図13図13は、図12に示す化粧箱60を開封し、箱の上部を折り返して下部の下に位置させて什器として使用する場合を背面側から見た斜視図である。
図14図14は、この発明のさらに他の実施形態に係る化粧箱70の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明をする。
図1ないし図6は、本発明の一実施形態に係る化粧箱10の六面図を示す。また、図7は、化粧箱10の展開図であり、当該展開図に示す厚紙ブランク1を組み立てることにより、化粧箱10を形成することができる。
図1ないし図7を参照して、化粧箱10は、矩形の底面板11、矩形の上面板12、正面板13、背面板14、右側面板15及び左側面板16を含み、直方体状をなしている。
【0012】
正面板13及び背面板14が、特許請求の範囲で特定する相対向する一対の第1側面板を構成している。
図2を参照して、正面板13には、化粧箱10を開封する際に引き千切る開封帯17が形成されている。開封帯17を引き千切ることにより、化粧箱10(の正面板13)は、上下に分断される。開封帯17は、正面板13の上下方向の中央部に、右端から左端まで横方向に延びる帯である。開封帯17を区画する上切目線18は横方向の水平線であり、下切目線19は、左右両側において帯幅が狭く、中央部において帯幅が広くなるように、左端から右端に向かって、短い水平線19a、斜め下方に延びる斜線19b、水平に延びる水平線19c、斜め上方へ延びる斜線19d、及び短い水平線19eを含む折れ線を有している。上切目線18及び下切目線19は、任意形状の短い切込を断続的に入れて作られた切目線によって構成されている。
【0013】
正面板13に形成した開封帯17を、上切目線18を水平線とし、下切目線19を折れ線としたことにより、正面板13の上部下端辺は水平になり、下部上端辺は、中央部が凹み、箱の内方を視認しやすい形状となる。
しかし、正面板13に形成する開封帯17の形状は、上記の形状に限定されるものではない。例えば、開封帯17の上切目線18は水平線のまま、下切目線19を下方に向かって凹湾曲した曲線としてもよいし、下切目線19も、水平線としてもよい。あるいは、下切目線19を、波状のうねり線や山がつらなったギザギザ形状としてもよい。要は、開封帯17を引き千切って正面板13を上下に分断した際に、正面板13の下部上端辺を通して箱の内側が見易い、又は、正面板13の下部上端辺が装飾的形状を呈し、箱に入った商品の見映えがよくなる形状であればよい。
【0014】
図3を参照して、背面板14にも、化粧箱10を開封する際に引き千切る開封帯20と、背面板14の上部14Uと底面板11との連結を維持するための連結部21が形成されている。
より詳細には、開封帯20は背面板14の左右両側部において、上下方向中央位置に形成されている。開封帯20の上線22及び下線23は、任意形状の短い切込を断続的に入れて作られた切目線によって構成されている。連結部21の上縁は、背面板14の上部14Uと折り目線24で繋がっている。連結部21の左右側方は、背面板14の下辺中央に向かって斜めに延びる左右一対の切目線25によって区画されている。さらに連結部21の左右両側において、開封帯20との間は、切目線26で区画されている。また、連結部21には、その下辺から略開封帯20の帯幅分上がった位置に、横方向に延びる折り目線27が形成されている。
【0015】
図4及び図5を参照して、右側面板15及び左側面板16は、左右対称な構成であり、単一のシート(紙板)ではなく、複数のシート(紙板)により形成されており、隙間(窓)35を有している点で共通している。なお、図4及び図5では、隙間(窓)35をわかり易く示すために、隙間(窓)35をグレーに着色している。
詳細に説明すると、右側面板15は、底面板11の右側辺から張り出した下フラップ31が折り曲げられ、上面板12の右側辺から張り出した上フラップ32が折り曲げられ、正面板13の右側辺から張り出した端フラップ33及び背面板14の右側辺から張り出した端フラップ34がそれぞれ折り曲げられ、各フラップ31、32、33、34の重なり合った部分が接着されることにより形成されている。そして、右側面板15には、下フラップ31の先端辺、上フラップ32の先端辺及び端フラップ33、34の先端辺によって区画される横長の隙間(窓)35が備えられている。
【0016】
左側面板16も、右側面板15と同様に、底面板11の左側辺から張り出した下フラップ31が折り曲げられ、上面板12の左側辺から張り出した上フラップ32が折り曲げられ、正面板13の左側辺から張り出した端フラップ33及び背面板14の左側辺から張り出した端フラップ34がそれぞれ折り曲げられ、各フラップ31、32、33、34の重なり合った部分が接着されることにより形成されている。そして、左側面板16には、下フラップ31の先端辺、上フラップ32の先端辺及び端フラップ33、34の先端辺によって区画される横長の隙間(窓)35が備えられている。
【0017】
右側面板15及び左側面板16において、各端フラップ33及び34には、上下方向の中央部に、各端フラップ33及び34の先端辺から内方へと水平方向に延びる開封帯36及び37が形成されている。この化粧箱10を開封する際には、各開封帯36及び37を引き千切る。そうすると、開封帯36に連設された正面板13の開封帯17を引き続いて引き千切ることができる。また、開封帯37に連設された背面板14の開封帯20を引き続いて引き千切ることができる。
【0018】
開封帯36及び開封帯37は、開封帯17や開封帯20と同様に、上下方向に所定の幅を有し、横方向に延びる帯であり、上下に形成された任意形状の短い切込を断続的に入れて作られた切目線によって構成されている。
図6を参照して、底面板11には背面板14が繋がった一端辺側の中央部に、半円形に切目線38が入れられている。この切目線38は、背面板14の連結部21を、開封された化粧箱10の下部から切り離したい場合に活用される。切目線38に沿って底面板11から半円形部39を切り離すと、半円形部39は背面板14の連結部21の下端と接続しているので、連結部21を介して化粧箱10の下部と繋がっている背面板14の上部14Uを、化粧箱10の下部(下半分)から完全に分離することができる。化粧箱10を、什器として使用しない場合、つまり、化粧箱10の上部を台として折り返して配置しない場合には、切目線38に沿って半円形部39を底面板11から外すことにより、化粧箱10の上部を下部から完全に分離することができる。
【0019】
なお、底面板11に表われている小窓40は、底面側から化粧箱10内の商品を確認等する際に利用される窓である。(例えば、商品の賞味期限の確認に使用される。)この小窓40については、なくしてもかまわない。
図7を参照して、底面板11の一端辺に連設されたのり代片29を正面板13の一端辺側と接続することによって、底面板11、正面板13、上面板12及び背面板14によって環状リング状の化粧箱10が形成される。そして、右側面板15及び左側面板16が後に閉じられて封箱される構成とされており、いわゆるラップラウンド箱となっている。
【0020】
図8は、化粧箱10の正面側を開封し、その開封した状態の化粧箱10を正面側から見た斜視図である。
図8に示すように、正面側の開封は、左右両側の端フラップ33の開封帯36を引き千切り、かつ正面板13に形成された開封帯17を引き千切ることにより行う。これによって、化粧箱10は、その正面板13および左右側面板15、16が上下に分離される。
【0021】
なお、図8においては、説明の便宜上、化粧箱10内に整列して収容されている複数個の商品50(一例として、箱入りチョコレート)をグレーに着色し、破線で示している。
図9は、図8のように正面側を開封した化粧箱10に対し、さらに、背面側を開封した状態を、背面側から見た斜視図である。
図9に示すように、背面側の開封は、端フラップ34の開封帯37を引き千切り、かつ背面板14に形成されている開封帯20を引き千切ることにより行われる。これによって、化粧箱10は、その背面板14の左右両側部分が上下に分離される。しかし、背面板14の上部14Uは、連結部21を介して底面板11と繋がった状態が保たれている。
【0022】
なお、図9においても、説明の便宜上、化粧箱10内に整列して収容されている複数個の商品50(一例として、箱入りチョコレート)をグレーに着色し、破線で示している。
図10は、化粧箱10の上部10Uを折り返し、什器として使用する状態を示す図であり、背面側から見た什器転用した化粧箱10の斜視図である。
図10においても、化粧箱10の下部に整列して収容されている複数個の商品50(一例として、箱入りチョコレート)が、グレーに着色して破線で示されている。
【0023】
化粧箱10を什器に転用するには、図9に示す正面側及び背面側を開封した状態から、化粧箱10の上部10Uを連結部21の下端縁を中心に回動させるように折り返し、かつ、連結部21の上下方向の長さの余剰分を吸収するように、連結部21を折り目線27に沿って折り曲げる。そして、折り返した化粧箱10の上部10Uを、化粧箱10の下部10Dの下に位置させることによりなされる。
【0024】
図11は、化粧箱10の上部10Uを化粧箱10の下部10Dの下に位置させて什器として用いた状態を正面側から見た斜視図である。
図10及び図11に示すように、化粧箱10の下部10Dは、折り返して配置した上部10Uによって底面板11が上方へ持ち上げられ、商品50の視認位置が上る。よって、化粧箱10に収容された商品50が、たとえ高さの低い商品であっても、商品陳列時に、プライスカードなどで商品50の正面部分が隠れてしまわないように陳列できる。よって、商品50の特長を消費者に訴求することができる。また、商品50の残数が容易に把握できる。
【0025】
このように、化粧箱10は、什器に転用することができ、それによって、商品50を効果的に陳列できる。
図12は、この発明の他の実施形態に係る化粧箱60の背面図である。図12を参照して、化粧箱60の背面板14には、化粧箱60を開封する際に引き千切る開封帯20と、背面板14の上部14Uと底面板との連結を維持するための連結部21とが形成されている。
【0026】
詳細には、開封帯20は背面板の左右両側部において、上下方向中央位置に形成されている。開封帯20の上線22及び下線23は、任意形状の短い切込を断続的に入れて作られた切目線によって構成されている。連結部21の上部は、背面板14の上部14Uと、背面板14の上下方向中央位置に形成された折り目線61で連結されている。連結部21の左右側方は、背面板14の下辺中央に向かって斜めに延びる左右一対の切目線25によって区画されている。さらに、連結部21の左右両側において、開封帯20との間は、切目線26で区画されている。
【0027】
なお、図3を参照して説明した背面図との差異は、連結部21と背面板14の上部14Uとの境界を形成する折り目線61の位置であり、かつ、図3においては連結部21に設けられていた折り目線27が、図12の連結部21においては、設けられておらず、図12の背面板14は、連結部21の下辺62を中心に折り返されるようになっている点である。
【0028】
その余の構成については、先に図1~7を参照して説明した化粧箱10の構成と同じであり、同一部分には同一の参照符号を付して、重複した説明は省略する。
図13は、図12に示す化粧箱60を開封し、化粧箱10の上部60Uを折り返して什器として使用する場合を背面側から見た斜視図である。
図13に示すように、化粧箱60を什器に転用して使用する際には、連結部21の上部の折り目線61に沿った部分が、化粧箱60の背面板上部14Uより下方に突出する。そして、この突出部分と、それに対向する上部14Uの突出部分とが、什器の背面側脚部61Aとして働く。そして、化粧箱60の下部60Dの背面側を、前面側に比べてわずかに上方へ持ち上げる。よって、什器転用された化粧箱60に入った商品50は、正面側からの視認性が向上する。
【0029】
また、什器に転用された化粧箱60は、その背面が平坦になり、連結部21が後方へ折れ曲がって突出しないので、背面を壁にくっつけることができ、什器の配置がしやすいという利点がある。
図14は、この発明のさらに他の実施形態に係る化粧箱70の背面図である。この化粧箱70の背面板14には、左右一対の開封帯20と、背面板14の上部14Uと底面板11との連結を維持するための連結部21が形成されており、連結部21の左側方は、背面板14の下辺に向かって垂下する切目線25′によって区画されているものである。
【0030】
その余の構成については、図3を参照して説明した背面板の構成と同じであり、同一部分には同一の参照符号を付して、重複した説明は省略する。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 厚紙ブランク
10、60、70 化粧箱
10U 化粧箱の上部
10D 化粧箱の下部
60U 化粧箱の上部
60D 化粧箱の下部
11 底面板
12 上面板
13 正面板
14 背面板
14U 背面板の上部
15 右側面板
16 左側面板
17、20、36、37 開封帯
18 上切目線
19 下切目線
21 連結部
22 上線
23 下線
24、27、61 折り目線
25、25′、26、38 切目線
29 のり代片
31 下フラップ
32 上フラップ
33、34 端フラップ
35 隙間(窓)
39 半円形部
40 小窓
50 商品
61A 脚部
62 下辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14