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特許7261034シャープペンシルユニット及び出没式筆記具並びにシャープペンシルユニットの製造方法
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  • 特許-シャープペンシルユニット及び出没式筆記具並びにシャープペンシルユニットの製造方法 図1
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  • 特許-シャープペンシルユニット及び出没式筆記具並びにシャープペンシルユニットの製造方法 図3
  • 特許-シャープペンシルユニット及び出没式筆記具並びにシャープペンシルユニットの製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】シャープペンシルユニット及び出没式筆記具並びにシャープペンシルユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B43K 21/24 20060101AFI20230412BHJP
   B43K 24/18 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
B43K21/24
B43K24/18 100
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019024604
(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公開番号】P2020131468
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000108328
【氏名又は名称】ゼブラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】月岡 之博
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-042449(JP,A)
【文献】特開2018-176742(JP,A)
【文献】特開2013-215935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 21/00-21/26
B43K 24/00-24/18
B43K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オス側筒部と、拡径した状態で前記オス側筒部の端側に環状に嵌め合わせられているメス側筒部と、これら二つの筒部を付勢部材により軸方向へ弾発している鉛芯繰出し機構とを備えたシャープペンシルユニットにおいて、
前記オス側筒部には、前記メス側筒部の内周面に嵌合した嵌合外周面部と、この嵌合外周面部に連続するとともに前記端側へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面とが設けられ、
前記メス側筒部は、拡径前の内径を、前記環状傾斜面に仮嵌合するように設定していることを特徴とするシャープペンシルユニット。
【請求項2】
前記オス側筒部は、前記環状傾斜面よりも前記端側に、筒状のガイド面部を有することを特徴とする請求項1記載のシャープペンシルユニット
【請求項3】
前記オス側筒部の軸心を基準にした前記環状傾斜面の傾斜角度が、15°未満の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシャープペンシルユニット。
【請求項4】
請求項1~3何れか1項記載のシャープペンシルユニットを具備した出没式筆記具。
【請求項5】
前記メス側筒部内に、前記付勢部材を装着する工程と、この後に、前記オス側筒部に相対し前記メス側筒部を移動して前記オス側筒部の前記環状傾斜面に前記メス側筒部を仮嵌合し、前記移動を一時的に停止して前記付勢部材を圧縮状態に保持する工程と、この後に、前記移動を再開して前記オス側筒部の前記嵌合外周面部に前記メス側筒部を本嵌合する工程とを含むことを特徴とする請求項1~3何れか1項記載のシャープペンシルユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャープペンシル用リフィールやシャープペンシル等を構成するシャープペンシルユニット、及び該シャープペンシルユニットを具備した出没式筆記具、並びに該シャープペンシルユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明に関連し、例えば特許文献1には、チャック部により挟持した鉛芯を所定の操作により前方へ繰り出す鉛芯繰出し機構と、前記鉛芯繰出し機構を内在するとともに前記チャック部を進退可能に保持する保持筒と、前記鉛芯繰出し機構に対し後方側から鉛芯を供給するとともに前記保持筒に対し所定量進退するように接続された芯タンク部と、前記芯タンク部に相対し前記チャック部を予め設定された筆圧よりも強い付勢力で前方へ付勢する第1の付勢部材と、第1の付勢部材の前端部に相対し保持筒を前方へ付勢するとともに第1の付勢部材よりも付勢力の小さい第2の付勢部材とを備えたシャープペンシルユニットが記載されている。そして、このシャープペンシルユニットを軸筒に収容すれば、容易に出没式筆記具を構成することができる。
この出没式筆記具によれば、鉛芯に対し後方への過剰な押圧力が加わった際に、チャック部を後退させて第1の付勢部材が収縮するとともに第2の付勢部材が伸長し、鉛芯の折れや損傷を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-165096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来技術によれば、上述した複雑な機構を内在するために前記保持筒を複数の筒部(具体的には第1~第3の筒部)の接続により構成するとともに、これら複数の筒部内に、複数の付勢部材を弾発状態で内在している。
このため、前記複数の筒部を接続する際に、前記付勢部材の弾発力が作用して、その接続作業に支障をきたすおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
オス側筒部と、拡径した状態で前記オス側筒部の端側に環状に嵌め合わせられているメス側筒部と、これら二つの筒部を付勢部材により軸方向へ弾発している鉛芯繰出し機構とを備えたシャープペンシルユニットにおいて、前記オス側筒部には、前記メス側筒部の内周面に嵌合した嵌合外周面部と、この嵌合外周面部に連続するとともに前記端側へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面とが設けられ、前記メス側筒部は、拡径前の内径を、前記環状傾斜面に仮嵌合するように設定していることを特徴とするシャープペンシルユニット。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、弾発状態の付勢部材が組み込まれた複数の筒部の接続作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るシャープペンシルユニットの一例を示す縦断面図である。
図2】第1の筒部に対し第2の筒部を接続する直前の状態を示している。
図3】第1の筒部に対し第2の筒部を仮嵌合する様子を(a)~(b)に順次に示す要部拡大縦断面図である。
図4】第1の筒部に対し第2の筒部を本嵌合する様子を(a)~(b)に順次に示す要部拡大縦断面図である。
図5】同シャープペンシルユニットを具備した筆記具の一例を示す内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第1の特徴は、オス側筒部と、拡径した状態で前記オス側筒部の一端側に環状に嵌め合わせられているメス側筒部と、これら二つの筒部を付勢部材により軸方向へ弾発している鉛芯繰出し機構とを備えたシャープペンシルユニットにおいて、前記オス側筒部には、前記メス側筒部の内周面に嵌合した嵌合外周面部と、この嵌合外周面部に連続するとともに前記一端側へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面とが設けられ、前記メス側筒部は、拡径前の内径を、前記環状傾斜面に仮嵌合するように設定している。(図1図4参照)。
この構成によれば、オス側筒部の環状傾斜面にメス側筒部を仮嵌合して、内在する付勢部材の弾発状態を保持し、この後でオス側筒部の嵌合外周面部にメス側筒部を本圧入することができる。したがって、付勢部材の弾発力により複数の筒部の接続作業に支障をきたすようなことを防ぐことができる。
【0009】
第2の特徴として、前記オス側筒部は、前記環状傾斜面よりも前記一端側に、筒状のガイド面部を有する(図3参照)。
【0010】
第3の特徴は、前記オス側筒部の軸心を基準にした前記環状傾斜面の傾斜角度が、15°未満の範囲内に設定されている(図3参照)。
【0011】
第4の特徴は、上記シャープペンシルユニットを具備して出没式筆記具を構成した(図5参照)。
【0012】
第5の特徴は、上記シャープペンシルユニットの製造方法であって、前記メス側筒部内に、前記付勢部材を装着する工程と、この後に、前記オス側筒部に相対し前記メス側筒部を移動して前記オス側筒部の前記環状傾斜面に前記メス側筒部を仮嵌合し、前記移動を一時的に停止して前記付勢部材を圧縮状態に保持する工程と、この後に、前記移動を再開して前記オス側筒部の嵌合外周面部に前記メス側筒部を本嵌合する工程とを含む(図3及び図4参照)。
【0013】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。本明細書中、軸方向とは、保持筒10の中心線の延びる方向を意味する。また、「前」とは、前記軸方向の一方側であって鉛芯が繰り出される方向を意味する。また、「後」とは、前記一方側に対する逆方向側を意味する。
【0014】
図1に示すシャープペンシルユニット1は、保持筒10と、保持筒10内の後部側で挟持した鉛芯xを前方へ繰出す鉛芯繰出し機構M1と、繰出す鉛芯繰出し機構M1から繰り出される鉛芯xを挿通して前端開口部から突出するホルダー20と、ホルダー20に加わる径方向の力成分により保持筒10に相対しホルダー20を前進させる運動方向変換機構M2と、保持筒10の後端側に接続された芯タンク部60とを具備し、芯タンク部60を進退させる操作により鉛芯xを繰り出す。
【0015】
保持筒10は、ホルダー20を前端開口部に挿通して前方へ突出する第1の筒部11と、この第1の筒部11の後端側に同芯状に接続された第2の筒部12(オス側筒部)と、第2の筒部12の後端側に同芯状に接続された第3の筒部13(メス側筒部)とを一体的に具備している。
【0016】
第2の筒部12は、金属等の硬質材料により前後方向へわたる筒状に形成され、その前端側が、第1の筒部11に対し、圧入嵌合又は螺合接続されている。
【0017】
第2の筒部12は、第3の筒部13の前端側に挿入されて嵌合するオス側筒部として機能する。
詳細に説明すれば、第2の筒部12の後端側には、第3の筒部13の前端側内周面に重なり合って嵌合する円筒状の嵌合外周面部12aと、この嵌合外周面部12aに連続するとともに後方へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面12bと、環状傾斜面12bよりも後側に連続する円筒状のガイド面部12cと、嵌合外周面部12aに嵌合した第3の筒部13の前端部に当接して第2の筒部12を位置決めする環状の段部12dと、段部12dと嵌合外周面部12aの間に設けられて第3の筒部13前端のバリ等を逃がす環状凹部12eとが設けられる。
【0018】
環状傾斜面12bは、第3の筒部13の前端内縁に対し、全周にわたって接触可能な環状の傾斜面である。
この環状傾斜面12bは、第2の筒部12の軸心を基準にした傾斜角度が、1°から15°未満に設定される。
【0019】
第3の筒部13は、金属等の硬質材料により前後方向へわたる筒状に形成され、第2の筒部12の後端側に環状に嵌め合わせられるメス側筒部として機能する。
第3の筒部13の拡径前の初期内径Dは、第3の筒部13の前端内縁が環状傾斜面12bの前後方向の途中箇所に接するように設定される。
この第3の筒部13は、拡径した状態で、第2の筒部12(オス側筒部)の後端側の嵌合外周面部12aに環状に圧接される。
【0020】
なお、図3中、符号13aは、第2の筒部12に対し第3の筒部13を嵌め合わせる際の作業性を向上する環状の面取り部である。この面取り部13aは、図示例ではC面取り状に形成されるが、R面取り状に形成することも可能である。
【0021】
また、鉛芯繰出し機構M1は、第2の筒部12内の前端側に保持された芯ブレーカ30と、芯ブレーカ30よりも後側で進退運動するチャック部40と、チャック部40に対し後側から環状に嵌り合うクラッチリング41と、クラッチリング41をその後方側から受ける略筒状のクラッチ受け42と、チャック部40の後端側を支持する支持部材43と、支持部材43の後端側に接続されて芯タンク部60の進退を案内するガイド筒部44と、第1~第3の付勢部材51~53とを備える。
この鉛芯繰出し機構M1は、芯タンク部60から伝達される進退運動により、チャック部40に挟持した鉛芯xを繰り出す。また、この鉛芯繰出し機構M1は、チャック部40に挟持した鉛芯xに予め設定された筆圧よりも強い後向きの付勢力が加わった際に、鉛芯xと共にチャック部40等を後退させる。
【0022】
第1の付勢部材51は、芯タンク部60に相対し、クラッチ受け42を、予め設定された通常の筆圧よりも強い力で前方へ付勢する。
【0023】
第2の付勢部材52は、その付勢力がホルダー付勢部材23よりも大きい圧縮コイルスプリングであり、その前端側を第2の筒部12に係止し、後端側をクラッチ受け42に係止して、これら部材間を弾発している。この第2の付勢部材52の付勢力は、芯ブレーカ30と鉛芯xとの間の摩擦等による進退方向の抵抗力よりも大きく設定されている。
【0024】
第3の付勢部材53は、前端側をクラッチ受け42に係止し、後端側を支持筒部43に係止した圧縮コイルスプリングであり、チャック部40、支持部材43及びガイド筒部44等を後方へ付勢している。
【0025】
したがって、第2の筒部12と第3の筒部13には、第1の付勢部材51及び第2の付勢部材52の弾発力により、軸方向の引張力が作用する。
【0026】
ホルダー20は、カム斜面21aを有するホルダー本体部21と、ホルダー本体部21の後側に接続された受け部22とから一体的に構成され、保持筒10に対し進退可能に支持される。なお、ホルダー本体部21と受け部22は、一体の部材とすることが可能である。
【0027】
運動方向変換機構M2は、第1の筒部11、ホルダー20のカム斜面21a、ホルダー20を後方へ付勢するホルダー付勢部材23等によって構成され、鉛芯xを介してホルダー20に加わる径方向の力成分により、鉛芯x及び保持筒10等に相対しホルダー20を前進させる。
【0028】
なお、鉛芯繰出し機構M1及び運動方向変換機構M2の基本構造には、特許文献1のものを適用することが可能である。
【0029】
また、芯タンク部60は、前端部を開口した略筒状に構成され、鉛芯繰出し機構M1に対し後方側から鉛芯xを供給する。この芯タンク部60は、保持筒10の後端側に進退可能に係合したスライド筒部61と、このスライド筒部61に接続されて後方へ延設された円筒状のタンク本体部62とから構成される。これらスライド筒部61とタンク本体部62は、一体の部材から形成することが可能である。
【0030】
次に、上記構成のシャープペンシルユニット1について、その製造方法上の特徴を説明する。
【0031】
シャープペンシルユニット1の製造方法では、第3の筒部13(メス側筒部)内に第1の付勢部材51及び第2の付勢部材52を含む構成部品を装着する工程と、この後に、第2の筒部12に相対し第3の筒部13(メス側筒部)を前進して第2の筒部12の環状傾斜面12bに第3の筒部13の前端内縁を仮嵌合し、前記移動を一時的に停止して第1の付勢部材51及び第2の付勢部材52を圧縮状態に保持する工程と、この後に、前記移動を再開して第2の筒部12の嵌合外周面部12aに第3の筒部13の前端側を本嵌合する工程とを含む。
【0032】
詳細に説明すれば、第3の筒部13(メス側筒部)は、その前方側から、第1の付勢部材51及び第2の付勢部材52を含む構成部品が挿入されることで、図2右下側に示す一体ユニット状に構成される。
【0033】
この後、第2の筒部12のガイド面部12cに、第3の筒部13が環状に遊嵌される(図3(a)参照)。
そして、第2の筒部12に相対し、第3の筒部13を前進させて、第2の筒部12の環状傾斜面12bに、第3の筒部13の前端内縁を押し付けて仮嵌合し(図3(b)参照)、第3の筒部13の移動を一時的に停止する。この仮嵌合状態では、第1の付勢部材51及び第2の付勢部材52が圧縮状態に保持される。
【0034】
次に、第2の筒部12に相対する第3の筒部13の前進を再開し、この第3の筒部13を、拡径させて、第2の筒部12の嵌合外周面部12aに本嵌合する(図4(a)(b)参照)。そして、第3の筒部13は、さらに前進し、その前端部が段部12dに当接することで、位置決めされる。
これら本嵌合の作業は、例えば、周知の圧入機械等を用いて行う。
【0035】
一方、第1の筒部11は、ホルダー20及びホルダー付勢部材23を内在して、図2左上側に示す一体ユニット状に構成される。この第1の筒部11は、第2の筒部12の前端側に螺合又は嵌合等により接続される。
なお、第1の筒部11を第2の筒部12に接続する工程は、第2の筒部12と第3の筒部13を接続する工程の後とすればよいが、前とすることも可能である。
【0036】
よって、上記実施態様のシャープペンシルユニット1及びその製造方法によれば、第2の筒部12と第3の筒部13を仮嵌合により一体化した後、これら第2の筒部12及び第3の筒部13を圧入機械にセットして本嵌合することができ、その作業性が良好である。
すなわち、例えば、前記仮嵌合を行うことなく第2の筒部12を第3の筒部13に挿入した場合には、内在する付勢部材の弾発力により離れてしまい、その後の圧入機械を用いた作業へスムーズに移行できないことが想定されるが、上記実施態様では、このような不具合を無くして、スムーズに作業を行うことができる。
【0037】
そして、上記構成のシャープペンシルユニット1は、図5に例示するように、多機能出没式筆記具Aに組み込まれる。
多機能出没式筆記具Aは、複数の駒a2,a3を選択的に前進させる操作により、前進した駒a2(又はa3)に接続されたリフィールの前端筆記部を、軸筒a1前端から前方へ突出させる。前記リフィールは、図示例によれば、シャープペンシルユニット1又はボールペンリフィール9である。
例えば、開閉機能付きクリップa6を有する駒a2が、コイルスプリングa4の付勢力に抗して前進操作され、この駒a2に接続されたシャープペンシルユニット1(リフィール)の前端筆記部が、軸筒a1の前端開口部から前方へ突出すると、駒a2が軸筒a1内に設けられる係止部a5に係止され、この突出状態が維持される。
この突出状態において、クリップa6を前進させる操作を行えば、シャープペンシルユニット1の前端から鉛芯xが繰り出される。
この多機能出没式筆記具Aには、例えば特開2014-198439号公報に示される基本構造を適用することが可能である。
【0038】
なお、上記実施態様では、第2の筒部12(オス側筒部)と第3の筒部13(メス側筒部)の接続構造及び接続方法等を、運動方向変換機構M2を具備するシャープペンシルユニット1に適用したが、他例としては、前記接続構造及び接続方法等を、運動方向変換機構M2を具備しないシャープペンシルユニットに適用することも可能である。
【0039】
また、上記実施態様では、第2の筒部12をオス側筒部とし、第3の筒部13をメス側筒部としたが、他例としては、そのオスメス関係を逆にすることも可能である。
【0040】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0041】
1:シャープペンシルユニット
10:保持筒
11:第1の筒部
12:第2の筒部(オス側筒部)
12a:嵌合外周面部
12b:環状傾斜面
12c:ガイド面部
13:第3の筒部(メス側筒部)
20:ホルダー
60:芯タンク部
A:多機能出没式筆記具
M1:鉛芯繰出し機構
M2:運動方向変換機構
図1
図2
図3
図4
図5