(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】予め定められた運転状況に応じて車両のユーザの意図を自律的に示すための運転者支援システム
(51)【国際特許分類】
B60W 50/08 20200101AFI20230412BHJP
B60W 50/00 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
B60W50/08
B60W50/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019072681
(22)【出願日】2019-04-05
【審査請求日】2022-04-05
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100214798
【氏名又は名称】栗山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】豊田 平司郎
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9868391(US,B1)
【文献】特開2016-222171(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015201767(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のためのコンピューティングシステムであって、前記コンピューティングシステムは、前記コンピューティングシステムの動作を制御するための一つ又は複数のプロセッサと、前記一つ又は複数のプロセッサによって使用可能なデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、を備え、
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるときを判定し、
一つの動作モードにおいて、前記車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、
選択された車両応答モードの一つ又は複数のコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために車両の動作を制御することと、
前記車両の人間の運転者に対する触覚フィードバックを生成するために前記車両の動作を制御することであって、前記触覚フィードバックは、前記車両応答モードの一つ又は複数の他のコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために、前記車両の少なくとも一部を動作させるように前記人間の運転者に指示するように構成されることと、
によって前記ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた
、コンピュータ選択の車両応答モードを実行するために前記車両の動作を制御する、
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成され、
前記一つ又は複数のコンピュータシステム選択の最初のインジケータのそれぞれは前記車両の外部の人によって知覚可能であるように構成され、
前記一つ又は複数のプロセッサは、別の動作モードにおいて、
前記車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、前記ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた、前記ユーザ選択の予め定められた車両応答モードの一つ又は複数のユーザ選択の最初のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御し、
前記一つ又は複数のユーザ選択の最初のインジケータの生成の開始後の所定の第一期間の経過に応じて、前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し、
前記所定の第一期間の経過後に前記車両が前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、前記ユーザ選択の車両応答モードの一つ又は複数のユーザ選択の二番目のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御する
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成され、
前記一つ又は複数のユーザ選択の最初のインジケータ及び前記一つ又は複数のユーザ選択の二番目のインジケータは前記車両の外部の人によって知覚可能であるように構成される、コンピューティングシステム。
【請求項2】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記車両が現在のところ前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて且つ車両応答モードを実行するために前記車両の動作を制御することの前に、
前記ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられるべき前記車両応答モードを選択し、
前記車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを選択し、
前記車両応答モードの一つ又は複数の二番目のインジケータを選択する
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項3】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記車両が現在のところ前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定の前に、
前記予め定められた運転状況のユーザ選択を可能にし、
前記ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたユーザ選択の予め決められた車両応答モードを提供するための車両応答モードのユーザ選択を可能にし、
前記ユーザ選択の予め決められた車両応答モードの実行中に、前記コンピューティングシステムによる前記車両の制御により自律的に生成されるべき少なくとも一つの最初のインジケータのユーザ選択を可能にし、
前記ユーザ選択の予め決められた車両応答モードの実行中に、前記コンピューティングシステムによる前記車両の制御により自律的に条件付きで生成されるべき少なくとも一つの二番目のインジケータのユーザ選択を可能にする、
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記一つ又は複数のプロセッサは、前記所定の第一期間をユーザに選択可能にするように前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項5】
前記一つ又は複数のプロセッサは、第一の速度での前記車両のヘッドライトの点滅が最初のインジケータとして指定されているとき、前記車両応答モードの最初のインジケータとして前記第一の速度で前記車両のヘッドライトを断続的に点滅させるように前記車両を自律的に制御するために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項6】
前記一つ又は複数のプロセッサは、前記第一の速度よりも速い第二の速度での前記車両のヘッドライトの点滅が二番目のインジケータとして指定されているとき、前記車両応答モードの二番目のインジケータとして前記第二の速度で前記車両のヘッドライトを断続的に点滅させるように前記車両を自律的に制御するために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項5に記載のコンピューティングシステム。
【請求項7】
前記一つ又は複数のプロセッサは、前記車両の停止が最初のインジケータとして指定されているとき、前記車両応答モードの最初のインジケータとして前記車両を停止するように前記車両を自律的に制御するために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項8】
前記一つ又は複数のプロセッサは、停止条件における前記車両の維持が二番目のインジケータとして指定されているとき、前記車両応答モードの二番目のインジケータとして停止条件において前記車両を維持するように前記車両を自律的に制御するために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項7に記載のコンピューティングシステム。
【請求項9】
前記一つ又は複数のプロセッサは、警笛の動作が二番目のインジケータとして指定されているとき、前記車両応答モードのインジケータとして前記車両の警笛を動作させるように前記車両を自律的に制御するために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項10】
車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて前記車両によって実行されるべき車両応答モードの一つ又は複数のインジケータを生成するために車両を制御するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
前記車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあると判定するステップと、
前記ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた車両応答モードの一つ又は複数のコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、
前記車両の人間の運転者に対する触覚フィードバックを生成するために前記車両の動作を制御するステップあって、前記触覚フィードバックは、前記車両応答モードの一つ又は複数の他のコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために、前記車両の少なくとも一部を動作させるように前記人間の運転者に指示するように構成されるステップと、を備え、
前記コンピュータシステム選択の一つ又は複数の最初のインジケータのそれぞれは前記車両の外部の人によって知覚可能であるように構成され、
別の動作モードにおいて、
前記車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、前記ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた、前記ユーザ選択の予め定められた車両応答モードの一つ又は複数のユーザ選択の最初のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、
前記一つ又は複数のユーザ選択の最初のインジケータの生成の開始後の所定の第一期間の経過に応じて、前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定するステップと、
前記所定の第一期間の経過後に前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、前記ユーザ選択の車両応答モードの一つ又は複数のユーザ選択の二番目のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、を備え、
前記一つ又は複数の最初のインジケータ及び前記一つ又は複数のユーザ選択の二番目のインジケータは、前記車両の外部の人によって知覚可能に構成されている、方法。
【請求項11】
前記一つ又は複数の最初のインジケータを生成するステップの前に、
前記車両の外部環境における車両の動作状態及び条件のうちの少なくとも一つに応じて一つ又は複数の最初のインジケータを判定するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記選択された車両応答モードの一つ又は複数のコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために、前記車両の動作の制御に割り込むように構成された割り込みの起動後に前記触覚フィードバックの生成を続けるために前記車両の動作を制御するステップを更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記最初のインジケータの生成の開始後に前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定するステップと、
前記最初のインジケータの生成の開始後に前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、前記最初のインジケータの生成の開始後に第一の所定の期間が経過したか否かを判定するステップと、
前記最初のインジケータの生成の開始後に前記第一の所定の期間が経過していない場合、前記車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御することと、前記車両の応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを生成するために前記車両の少なくとも一つの部分を作動させるべく前記人間の運転者に指示するために前記人間の運転者への触覚フィードバックを生成することと、を継続するステップと、
前記最初のインジケータの生成の開始後に前記第一の所定の期間が経過した場合、
前記ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた前記車両応答モードの一つ又は複数のコンピュータシステム選択の二番目のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、
前記人間の運転者への触覚フィードバックを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、
をさらに備え、
前記触覚フィードバックは、前記車両応答モードの一つ又は複数のコンピュータシステム選択の二番目のインジケータを生成するために、前記車両の少なくとも一部を動作させるように前記人間の運転者に指示するように構成され、前記一つ又は複数の二番目のインジケータは前記車両の外部の人によって知覚可能に構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記二番目のインジケータの生成の開始後に前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定するステップと、
前記二番目のインジケータの生成の開始後に前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、前記二番目のインジケータの生成の開始後に第二の所定の期間が経過したか否かを判定するステップと、
前記二番目のインジケータの生成の開始後に前記第二の所定の期間が経過していない場合、前記二番目のインジケータの生成を継続するステップと、
前記第二の所定の期間が前記二番目のインジケータの生成の開始後に経過した場合、前記二番目のインジケータの生成を中止するステップと、
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記二番目のインジケータの生成の開始後に前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にない場合、前記車両が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定するステップと、
前記車両が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にない場合、前記最初のインジケータの生成を中止するステップと、
前記車両が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、前記車両が前記他のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて実行されるべき車両応答モードを判定するステップと、
前記車両が前記他のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて実行されるべき前記車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを生成するステップと、
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記コンピュータ選択の車両応答モードの自律的な実行の前に現在の車両及び/又は環境条件を評価し、
現在の車両及び/又は環境条件に応じて、前記コンピュータ選択の車両応答モードの実行を断念する
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成される、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項17】
前記一つ又は複数のプロセッサは、一つの作動モードにおいて、
一つ又は複数の最初のインジケータの生成の開始後に所定の第一期間が経過したことに応答して、前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し、
前記所定の第一期間の経過後に前記車両が前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、
前記選択された車両応答モードの一つ又は複数のコンピュータシステム選択の二番目のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御し、
前記車両の人間の運転者への触覚フィードバックを生成するために前記車両の動作を制御する、
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックは、前記コンピュータシステム選択の車両応答モードのコンピュータシステム選択の一つ又は複数のコンピュータシステム選択の二番目のインジケータを生成するために、前記車両の少なくとも一部を動作させるように前記人間の運転者に指示するように構成され、
前記一つ又は複数の二番目のインジケータは、前記車両の外部の人間によって知覚可能であるように構成される、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記一つ又は複数のプロセッサは、前記選択された車両応答モードの前記一つ又は複数の二番目のインジケータの生成の開始後の第二の所定の期間の経過後に前記車両が依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、前記車両応答モードの前記一つ又は複数の二番目のインジケータの生成及び前記車両の人間の運転者への前記触覚フィードバックの生成を中止するために、前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されている、請求項17に記載のコンピューティングシステム。
【請求項19】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記車両が前記一つ又は複数の最初のインジケータの生成の開始後の第一の所定の期間の経過後に依然として前記ユーザ選択の予め定められた運転状況にないとの判定に応じて、前記車両が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し、
前記車両が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、前記他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた車両応答モードを実行するために前記車両の動作を制御する、
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成され、
前記他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた前記車両応答モードは、前記他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた前記車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを指定する最初の制御モードと、前記他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた前記車両応答モードの一つ又は複数の二番目のインジケータを指定する条件付きの二番目の制御モードと、を含み、前記他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた前記車両応答モードの前記一つ又は複数の最初のインジケータ及び前記一つ又は複数の二番目インジケータは、前記車両の外部の人によって知覚可能に構成されている、請求項17に記載のコンピューティングシステム。
【請求項20】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記選択された車両応答モードの実行中のいつでも、前記選択された車両応答モードを実行するために前記車両の動作のコンピュータシステム制御に割り込むように構成されたユーザの割り込みのユーザ起動を可能にし、
前記割り込みの起動の前に生成される触覚フィードバックの生成を、前記割り込みの起動の後にも継続するために前記車両の動作を制御する
ために前記メモリに記憶された命令を実行するように構成される、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項21】
車両がユーザ選択の予め定められた運転状況にあるときに前記車両を制御するコンピュータ実装方法であって、
前記運転状況に関連付けられるコンピュータ選択の車両応答モードにおいて、
車両応答モードの知覚可能なコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、
前記応答モードの別の知覚可能なコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために前記車両を動作させるべく前記車両の運転者に指示するために、前記運転者への触覚フィードバックを生成するために前記車両を制御するステップと、
前記運転状況に関連付けられたユーザ選択の車両応答モードにおいて、
前記応答モードの知覚可能なユーザ選択の最初のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、
前記ユーザ選択の最初のインジケータの生成の開始後に第一の所定の期間が経過した後に前記車両が依然として前記運転状況にあるとの判定に応じて、前記応答モードの知覚可能なユーザ選択の第二のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップと、を備える方法。
【請求項22】
前記コンピュータ選択の車両応答モード及び前記ユーザ選択の車両応答モードのいずれにおいて最初のインジケータを生成するために前記車両の動作を制御するステップの前に、前記車両の外部環境における車両の動作状況及び条件の少なくとも一つに応じて前記最初のインジケータを判定するステップを更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記選択された車両応答モードのコンピュータシステム選択の最初のインジケータを生成するために前記車両の動作の制御に割り込むように構成された割り込みの起動後に触覚フィードバックの生成を継続すべく前記車両の動作を制御するステップをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の自律的な制御に関し、より詳細には、車両の外部の人間によって知覚可能であり且つ所与の運転状況に応じてユーザの意図を示す特定のインジケータを生成するために、特定の運転状況において車両を自律的に制御するために車両のユーザによって構成可能なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律的及び半自律的な車両は、多くの運転状況において人間の操作者からの入力なしで自動運転のために構成され得る。車両のユーザは、特定のタイプの予め定められた運転状況に対して一貫した手法で且つ特定の意図をもって応答することを望み得る。ユーザは、予め定められた運転状況に対して一貫した手法で自律的に応答するように且つ/又は応答の選択された手法をユーザに思い出させるように、車両を構成することを望み得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載される実施形態の一態様では、車両のためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピューティングシステムの動作を制御するための一つ又は複数のプロセッサと、一つ又は複数のプロセッサによって使用可能なデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、を含む。一つ又は複数のプロセッサは、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるときを判定し、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた車両応答モードを実行するように車両の動作を制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成されている。車両応答モードは、車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを指定する最初の制御モードと、車両応答モードの一つ又は複数の二番目のインジケータを指定する条件付きの二番目の制御モードと、を含む。一つ又は複数の最初のインジケータ及び一つ又は複数の二番目のインジケータは、車両の外部の人によって知覚可能に構成されている。
【0004】
本明細書に記載される実施形態の他の態様では、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて車両によって実行されるべき車両応答モードの一つ又は複数のインジケータを生成するように車両を制御するために、コンピュータ実装方法が提供される。本方法は、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあると判定するステップと;車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて実行されるべき車両応答モードを判定するステップと;車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを指定する最初の制御モードを実行するステップと;車両応答モードの一つ又は複数の二番目のインジケータを指定する二番目の制御モードを条件付きで実行するステップと、を含む。一つ又は複数の最初のインジケータ及び一つ又は複数の二番目のインジケータは、車両の外部の人によって知覚可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本明細書に記載された実施形態に係る、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて車両によって実行されるべき車両応答モードの一つ又は複数のインジケータを生成するために構成されたシステムを組み込む車両の概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の一つ又は複数の例示的な実施形態に係る、車両のコンピューティングシステム14のブロック図である。
【
図3】
図3は、ユーザ選択の予め定められた運転状況に対するユーザ選択の応答を車両の外部の人に示すための、本明細書に記載された実施形態に係るコンピューティングシステムの動作を示すフロー図である。
【
図4A】
図4Aは、本明細書に記載された実施形態に係る、ユーザ選択の予め定められた運転状況を可能にするように操作可能な双方向HMI(ヒューマンマシンインターフェース)画面の例示的な実施形態の概略図である。
【
図4B】
図4Bは、本明細書に記載された実施形態に係る、予め決められた車両応答モードのユーザ選択を可能にするように操作可能な双方向HMIの例示的な実施形態の概略図である。
【
図4C】
図4Cは、本明細書に記載された実施形態に係る、選択された車両応答モードの予め決められた最初のインジケータのユーザ選択を可能にするように操作可能な双方向HMIの例示的な実施形態の概略図である。
【
図4D】
図4Dは、本明細書に記載された実施形態に係る、選択された車両応答モードの予め決められた二番目のインジケータのユーザ選択を可能にするように操作可能な双方向HMIの例示的な実施形態の概略図である。
【
図5A】
図5Aは、車両11が応答するように構成され得る予め定められた運転状況の第一の例を示す平面概略図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aの予め定められた運転状況に応じて意図された車両応答モードの最初のインジケータとして歩行者のために停止した車両11を示す
図5Aの図である。
【
図5C】
図5Cは、
図5Aの予め定められた運転状況に応じて意図された車両応答モードの二番目のインジケータとして歩行者のために停止し且つヘッドライトを断続的に点滅させている車両11を示す
図5Aの図である。
【
図6A】
図6Aは、車両11が応答するように構成され得る予め定められた運転状況の第二の例を示す平面概略図である。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aの予め定められた運転状況に応じて意図された車両応答モードの最初のインジケータとして車間距離を増大させ且つヘッドライトを断続的に点滅させている車両11を示す
図6Aの図である。
【
図6C】
図6Cは、
図6Aの予め定められた運転状況に応じて意図された車両応答モードの二番目のインジケータとしてヘッドライトを断続的に点滅させ且つ車両の警笛を動作させている車両11を示す
図6Aの図である。
【
図7A】
図7Aは、車両11が応答するように構成され得る予め定められた運転状況の第三の例を示す平面概略図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aの予め定められた運転状況に応じて意図された車両応答モードの最初のインジケータとしてヘッドライトを断続的に点滅させている車両11を示す
図7Aの図である。
【
図7C】
図7Cは、
図7Aの予め定められた運転状況に応じて意図された車両応答モードの二番目のインジケータとしてヘッドライトを断続的に点滅させ且つ車両の警笛を動作させている車両11を示す
図7Aの図である。
【
図8A】
図8Aは、ユーザ選択の予め定められた運転状況の検出後、コンピュータ選択の車両応答モードを実行するために用いられるべき車両応答モードと最初のインジケータ及び二番目のインジケータとを選択するためのコンピューティングシステムの実施形態の動作を示すフロー図である。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aに示されるブロック1320における最初の制御モードの実行及びブロック1335における二番目の制御モードの実行を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付の図面は、本明細書に記載された実施形態の原理を説明する役割を果たす詳細な説明と共に、本明細書に記載された実施形態を例示する。
【0007】
本明細書に記載された実施形態は、車両が予め定められた運転状況にあるときに特定の手法で応答するように車両を制御するためにユーザによって構成可能な車両のコンピューティングシステムに関する。第一操作モードでは、ユーザは、車両がその運転状況に遭遇したときに車両が自律的に応答することになる一つ又は複数の予め定められた運転状況を選択し得る。また、ユーザは、所与の運転状況に応じて車両によって実行されることになる車両応答モードを選択し得る。また、ユーザは、ユーザ選択の車両応答モードを実行し且つ運転状況に応じて意図された応答を車両の外部の人に示す際に使用するために、車両によって自律的に生成されることになる最初のインジケータを選択し得る。また、ユーザは、ユーザ選択の車両応答モードを実行し且つ運転状況に応じて意図された応答を車両の外部の人にさらに示す際に使用するために、車両のコンピューティングシステムによって自律的に生成されることになる二番目のインジケータを選択し得る。これら選択は、関連付けられた予め定められた運転状況に車両が遭遇する前にユーザによってなされ及び記憶され得る。第二動作モードでは、車両応答モードと最初のインジケータ及び二番目のインジケータとは、車両が予め定められた運転状況に遭遇したとき又は車両が予め定められた運転状況に入っているときを検出したときにコンピューティングシステムによって選択され得る。車両応答モードと最初のインジケータ及び二番目のインジケータとは、運転状況のタイプ、車両の操作要因及び車両の環境要因に基づいて選択され得る。二番目の操作モードでは、コンピューティングシステムは、車両を制御して人間の運転者に対する触覚フィードバックを生成し、車両を制御して車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータ及び/又は二番目のインジケータを生成するように人間の運転者に促し得る。
【0008】
ユーザは、予め定められた運転状況に対してユーザが応答することを望む手法を車両の外部の人に対して伝達するように車両の動作の様々な態様を制御するために、車両のコンピューティングシステムを構成し得る。予め定められた運転状況は、例えば、他の車両の運転者として又は歩行者として車両の外部の人に関与し得る。車両応答モードは、ユーザによって及び本明細書に記載されたコンピューティングシステムのうちの一方によって、車両応答モードがその運転状況に対する応答として選択されたときに予め定められた運転状況に関連付けられるようになり得る。車両のコンピューティングシステムは、車両が関連付けられた予め定められた運転状況にあるときにコンピューティングシステムによって実行され得る予め決められた車両応答モードを提供するために、ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた複数の車両応答モードのうちの任意の一つのユーザ選択を可能にするように構成され得る。車両応答モードの選択後、ユーザは、応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータ及び二番目のインジケータを選択し得る。応答モード及びインジケータは、予め定められた運転状況に応じてユーザの意図を反映するように選択され得る。コンピューティングシステムは、車両の要素(例えば、ヘッドライト、ブレーキ、スロットル)を制御して様々なインジケータを生成する。インジケータの生成は、その運転状況に応じてユーザの意図を車両の外部の人に対して伝達するように意図され、車両の外部の人はユーザの意図に対して期待される又はユーザ所望の手法で反応し得るようになる。最初のインジケータは、車両が関連付けられた予め定められた運転状況にあると判定されるとすぐに自動的に生成され得る。二番目のインジケータは、所定の期間の経過後、車両が依然として予め定められた運転状況にあると判定された場合(すなわち、車両の外部の人が最初のインジケータに対してユーザ予想の手法で反応していないと判定された場合)に生成され得る。車両の外部の人が特定の期間内に最初のインジケータに対して所望の手法で反応しない場合、車両の制御は、(車両の自律動作のための)デフォルトの車両制御ルーチン又は(車両が手動又は半自律運転モードで動作している場合には)人間の運転者に戻り得る。
【0009】
図1は、本明細書に記載された実施形態に係る、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて車両によって実行されるべき選択された車両応答モードの一つ又は複数のユーザ選択の予め決められたインジケータを生成するために構成されたシステムを組み込む車両の概略ブロック図である。車両11は、車、トラック、又は本明細書に記載された動作を実行することが可能な任意の他の車両の形態をとり得る。車両11は、自律運転用に構成されてもよく、完全又は部分的に自律モードで動作してもよい。自律モードの間、車両11は、人間との対話なしで動作するように構成され得る。例えば、本明細書に記載されたようにユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた選択された車両応答モードを実行するように車両11の動作が自律的に制御される自律モードでは、車両は、予め定められた運転状況に関連付けられた選択された車両応答モードの様々なインジケータを生成するように、スロットル、ブレーキ、ヘッドライト及び/又は他の車両システム及び要素を操作するために制御され得る。これらインジケータは、車両が予め定められた運転状況にあるときの期間中に車両の乗員からの入力なしで生成され得る。また、車両11は、例えば、ナビゲーション部又はシステム23によって決定された経路に沿って出発場所から所与の目的地への完全な自律運転動作のために(すなわち、運転者の存在又は運転者の入力なしでの自動運転のために)構成され得る。
【0010】
車両11は、センサシステム又はアレイ28、コンピューティングシステム14、一つ又は複数の通信インターフェース16、ステアリングシステム18、スロットルシステム20、ブレーキシステム22、動力システム26及び本明細書に記載された車両を操作するために必要とされる他のシステム及び構成要素など、互いに動作可能に通信する様々なシステム、サブシステム及び構成要素を含み得る。車両11は、
図1に示されるこれらよりも多い又は少ないサブシステムを含み得る。各サブシステムは、複数の要素を含み得る。さらに、車両11のサブシステム及び要素の各々は、相互接続され得る。車両11の記載された機能のうちの一つ又は複数のパフォーマンスは、互いに連動して動作する複数の車両システム及び/又は構成要素によって実行され得る。様々な車両システムは、コンピューティングシステム14によって制御され得る(又はそうでなければ、コンピューティングシステム14と対話し得る)。
【0011】
また、
図1は、本明細書に記載された目的のために、車両11の完全な又は部分的な自律制御を可能にするように構成された車両11の主制御サブシステム18、20、22、26の概略的な配置を示す。主制御サブシステムは、コンピューティングシステム14、センサシステム28、ナビゲーションシステム23、並びに必要に応じて車両の他のシステム及び/又は構成要素に、適切なCANバス33を介して、又は有線若しくは無線を問わずに任意の他の適切な方法を用いて、通信可能に結合され得る。
【0012】
「主制御サブシステム(primary control sub-system)」は、本明細書に記載されるように、主要な車両制御(すなわち、ブレーキ、ステアリング、スロットル及び動力)のうちの一つの制御及び動作をもたらすように設計されたシステムである。主制御サブシステム18、20、22、26の各々は、サブシステムの制御のために特化された関連付けられたコントローラ(図示せず)の指示の下での完全な又は部分的な自律動作のために構成され得る。例えば、ブレーキシステム22は、ブレーキシステムコントローラ(図示せず)と、ブレーキ制御コマンドを実行するために必要であり且つブレーキコントローラから受信した制御コマンドに応じて動作可能に構成される様々な作動可能な要素(ブレーキ等(図示せず)と、を含み得る。ステアリングシステム18は、ステアリング制御コマンドを実行するために必要な関連付けられた作動可能なステアリング構成要素(図示せず)と動作可能に通信するステアリングシステムコントローラ(図示せず)を含み得る。スロットルシステム20は、スロットル制御コマンドを実行するために必要な関連付けられた作動可能なスロットル構成要素(図示せず)と動作可能に通信するスロットルコントローラ(図示せず)を含み得る。動力システム26は、動力制御コマンドを実行するために必要な関連付けられた作動可能な動力構成要素(図示せず)と動作可能に通信する動力システムコントローラ(図示せず)を含み得る。或いは、主制御サブシステム18、20、22、26のうちの一つ又は複数は、車両のコンピューティングシステム14による完全な又は部分的な自律制御のために構成され得る。また、主制御サブシステム18、20、22、26の各々は、本明細書に記載されるように、選択された車両応答モードの一つ又は複数のインジケータを生成するために車両制御コマンドを実行する目的のために、車両のコンピューティングシステム14による制御のために構成され得る。
図1に示される車両の実施形態は、四つの主制御サブシステム(ステアリング制御システム18、ブレーキ制御システム22、スロットル制御システム20及び動力制御システム26)を含む。
図1は、車両に組み込まれ得る車両サブシステム18、20、22、26のいくつかの例を単に示す。特定の車両は、示されるシステムのうちの一つ又は複数に加えて、これらシステム又は他のシステムのうちの一つ又は複数を組み込み得る。
【0013】
ステアリングシステム18は、車両の車輪、サーボ機構、ギア、ステアリングナックル、及び/又は車両11の方位の自律調整を可能にするように動作可能とし得る(任意のコンピュータシステム制御可能な機構又は要素を含む)他の要素若しくは要素の組み合わせなどの要素を含み得る。動力システム26は、車両11の動力を提供するように動作可能な構成要素を含み得る。例示的な実施形態では、動力システム26は、エンジン(図示せず)、エネルギー源(ガソリン、ディーゼル燃料、又はハイブリッド車両の場合における一つ若しくは複数のバッテリなど)、及びトランスミッション(図示せず)を含み得る。ブレーキシステム22は、車両11を減速するように構成された任意の要素の組み合わせ及び/又は任意のコンピュータシステム制御可能な機構を含み得る。スロットルシステム20は、要素及び/又は機構(例えば、アクセルペダル、及び/又は例えばエンジンの動作速度を制御し、ひいては車両11の速度を制御するように構成された任意のコンピュータシステム制御可能な機構)を含み得る。
【0014】
一つ又は複数の配置構成では、車両11の様々な要素は、人間の運転者に対する触覚フィードバックの生成を可能にするように、車両のコンピューティングシステム14によって制御可能であるように構成され得る。例えば、主制御サブシステム18、20、22、26の要素は、人間の運転者に対する触覚フィードバックの生成を可能にするように、車両のコンピューティングシステム14によって制御可能であるように構成され得る。人間の運転者に対して提供される触覚フィードバックは、検出された予め定められた運転状況に応じて、コンピューティングシステムが意図された車両応答モードの関連付けられた最初のインジケータ及び二番目のインジケータを生成するために実行しようとしている最初の制御コマンド及び/又は二番目の制御コマンドを表し得る(及び、それと一致し得る)。この触覚フィードバックは、コンピューティングシステム14が実行しようとしているコマンドの性質を運転者に知らせることを目的とすることができ、また運転者の行動を導くことを目的とすることもでき、運転者が触覚フィードバックによって車両のコンピューティングシステムによりコマンドを実行すること及び/又はコマンドの実行を黙認することを促されるようになる。また、このようにして、触覚フィードバックは、予め定められた運転状況に対する車両11の応答を導くために、コンピューティングシステム14によって選択された車両応答モードに反するか又は矛盾する制御コマンドを人間の運転者が実行するのを抑制するのに役立ち得る。
【0015】
一例では、運転者は、アクセルペダルを介してスロットル制御システム20を通して触覚フィードバックを受け得る(すなわち、車両のコンピューティングシステム14は、運転者に触覚フィードバックを提供するように、車両選択の応答モードの態様を実行するように構成されたスロットルコマンドと一致する手法でアクセルペダル20aの物理的な動作を制御し得る)。アクセルペダルのこの動作は、コンピュータ選択の車両応答モードを反映する制御コマンドを実行するために運転者がとるべき行動の触覚インジケータとして運転者によって知覚され得る。運転者は、この触覚フィードバックに応じてアクセルペダル上での彼の圧力を調整し得る。
【0016】
他の例では、運転者は、ブレーキペダルを介してブレーキシステム22を通して触覚フィードバックを受け得る(すなわち、車両のコンピューティングシステム14は、運転者に触覚フィードバックを提供するように、車両選択の応答モードの態様を実行するように構成されたブレーキコマンドと一致する手法でブレーキペダルの物理的な動作を制御し得る)。運転者は、この触覚フィードバックに応じてブレーキペダル上での彼の圧力を調整し得る。
【0017】
他の例では、運転者は、ステアリングホイールを介してステアリングシステム22を通して触覚フィードバックを受け得る(すなわち、車両のコンピューティングシステム14は、運転者に触覚フィードバックを提供するように、車両選択の応答モードの態様を実行するように構成されたステアリングコマンドと一致する手法でステアリングホイールの物理的な動作を制御し得る)。運転者は、この触覚フィードバックに応じてステアリングホイールの角度を調整し得る。
【0018】
自律車両制御を容易にするために車両11に組み込まれ得る特定のシステム及び/又は機能の例には、アダプティブクルーズコントロール(adaptive cruise control)、横滑り防止装置(electronic stability control)、自動レーンセンタリング(automated lane centering)、前方車接近警報(forward collision warning)、車線逸脱警告(lane departure warning)及びブラインドスポットモニタリング(blind spot monitoring)を含む。本明細書に記載された機能を実行するために必要な場合、追加の制御、システム及び/又は機能が、特定の車両の設計に依存して提供され得る。本明細書に記載された車両の実施形態は、一つ又は複数の車両操作を実行するために又はそうでなければ車両応答モードがユーザによって又はコンピューティングシステム14によって選択され得る予め定められた運転状況に応答するために必要な全てのコマンドを自律的に実行するために十分な自律システム及び/又は機能を含むように仮定される。
【0019】
車両は、車両応答モードのインジケータとして機能し得る任意の車両操作を実行することを含む、選択された車両応答モードのインジケータを自律的に(すなわち、人間の入力なしで)生成することが可能であり得る。
【0020】
一つ又は複数の配置構成では、車両の様々なシステム及び/又は要素は、選択された車両応答モードの一つ又は複数のインジケータを生成するためにコンピューティングシステム14によって、コントローラ(図示せず)によって、又は他の手段によって自律的に制御可能であり得る。例えば、車両の様々な光又は音発生要素は、選択された車両応答モードの一つ又は複数のインジケータを生成するために自律的に制御可能であり得る。一態様では、車両のヘッドライト73及び/又はハイビームライトは、選択された車両応答モードを車両11の外部の人に示すために異なる速度で点滅又は断続的に点滅するように制御可能であり得る。
【0021】
同様に、車両の走行用ライト71は、選択された車両応答モードを車両11の外部の人に示すために異なる速度で点滅又は断続的に点滅するように制御可能であり得る。加えて、車両の警笛75は、選択された車両応答モードを車両11の外部の人に示すように制御可能であり得る。
【0022】
一つ又は複数の配置構成では、スロットル制御システム20及びブレーキシステム22などの主要な車両制御は、例えば、選択された車両応答モードを車両11の外部の人に示すように制御可能であり得る。また、選択された車両応答モードの人間が知覚可能なインジケータを生成するために使用され得る車両の他の任意の要素又はシステムは、ユーザ又は車両システム若しくは要素に関する動作モードのコンピューティングシステム14による選択及び/又は指定に応じて、車両による自律動作又は制御のために構成され得る。
【0023】
図2は、本開示の一つ又は複数の例示的な実施形態にしたがって用いられ得る車両のコンピューティングシステム14のブロック図である。コンピューティングシステム14は、他の車両システム及び要素に動作可能に接続されてもよく、そうでなければ本明細書に記載されるような車両11及びその構成要素の部分的又は完全な自律制御及び動作に影響を及ぼすように構成されてもよい。コンピューティングシステム14は、任意の通信インターフェース16から、様々なサブシステム(例えば、動力システム26、センサシステム28、ステアリングシステム18など)から、センサシステム28から、及び/又は任意の他の適切な情報源から、受信した入力及び/又は情報に基づいて、車両11の機能を制御し得る。コンピューティングシステム14は、
図2に示される要素のいくつか又は全てをし得る。加えて、コンピューティングシステム14はまた、特定の用途に対して必要とされるか又は望まれるような追加の構成要素を含み得る。
【0024】
コンピューティングシステム14は、RAM50、ROM52、入力/出力モジュール又はヒューマンマシンインターフェース(HMI)109、コンピュータ可読記憶装置又はメモリ54、及び他の任意の要素を含む、コンピューティングシステム14の全体的な動作を制御するための一つ又は複数のプロセッサ58及びその関連する構成要素を含み得る。コンピューティングシステム14は、メモリ54などの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行し得る。「プロセッサ」は、本明細書に記載されたプロセス及び/又はプロセスステップのいずれか、又はそのようなプロセス/プロセスステップを実行するための若しくはそのようなプロセス/プロセスステップを実行させるための命令の任意の形態を実行するように構成された任意の構成要素又は構成要素のグループを意味する。プロセッサ58は、一つ若しくは複数の汎用プロセッサ及び/又は一つ若しくは複数の専用プロセッサを用いて実装され得る。適切なプロセッサの例は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、及びソフトウェアを実行することができる他の回路を含む。本明細書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって使用される又はそれらに関連して使用されるためのプログラムを含む若しくは記憶することができる任意の有形の媒体であり得る。プロセッサ58は、プログラムコードに含まれる命令を実行するように構成された少なくとも一つのハードウェア回路(例えば集積回路)を含むことができる。複数のプロセッサ58がある配置構成では、斯かるプロセッサは互いに独立して動作することができ、又は一つ若しくは複数のプロセッサは互いに組み合わせて動作することができる。一つ又は複数の配置構成では、プロセッサ58は、車両11のメインプロセッサであり得る。コンピューティングシステム14は、任意の追加のコンピューティングシステム(例えば、任意の特化された主要なサブシステムのコントローラ)(図示せず)及び他のデバイスと共に、自律的に(すなわち、車両の操作者又は乗員の入力なしで)車両全体又は車両の特定の部分を操作するなどの機能のために本明細書に記載されるように構成された任意の複数のシステム又はデバイスに対応し得る。
【0025】
コンピューティングシステム14は、ステアリング、ブレーキなどを含むすべての自律運転動作を制御する(又はそれらの協調制御を支援する)などの機能を実行する、自律車両コントローラとして機能するように構成され得る。また、コンピューティングシステム14は、例えば車線変更、合流、及び旋回などの様々な自律的コマンド又は操作を実行するように様々な車両システム及び構成要素を操作する(及び/又はそれらの動作を調整する)ように構成され得る。また、コンピューティングシステム14は、センサアレイ15から、並びに/又は車両の動作に関連する任意の他の車両構成要素から、情報を受信及び記憶するように構成され得る。また、コンピューティングシステム14は、情報の全てを時間に相関させ且つ診断目的のために処理され得るように、情報を受信及び記憶するように構成され得る。
【0026】
メモリ54は、1つ又は複数のコンピュータ可読メモリを含み得る。コンピュータ可読記憶装置又はメモリ54は、コンピュータによって読み取られ得るデータ(例えば命令)を提供することに関与する任意の媒体を含み得る。斯かる媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体などを含む多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、光又は磁気ディスクと、他の永続的メモリと、を含む。揮発性媒体は、典型的には、メインメモリを構成するダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含み得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EEPROM、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、又はコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体を含む。
【0027】
メモリ54は、車両11の様々な機能を実行するためにプロセッサ58によって実行可能なデータ60及び/又は命令56(例えばプログラムロジック)を含み得る。メモリ54は、本明細書に記載された車両システム及び/又は構成要素(例えば、動力システム26、センサシステム28、コンピューティングシステム14、及び通信インターフェース16)の一つ又は複数にデータを送信し、そこからデータを受信し、それと対話し、又は制御する命令を含む追加の命令を含み得る。命令56に加えて、メモリ54は、他の情報と共に、道路地図、進路情報などのデータを記憶し得る。斯かる情報は、経路計画のために、並びにそうでなければ自律、半自律、及び/又は手動モードでの車両11の動作中に、車両11及びコンピュータシステム14によって使用され得る。
【0028】
コンピューティングシステム14は、自動運転機能69などの車両制御機能及び/又は様々な自律運転支援機能を含む一つ若しくは複数の自律運転機能(概して62で示される)を実行するように、様々な作動可能な車両システム及び構成要素の制御を調整するように構成され得る。これら自律機能62は、メモリ54及び/又は他のメモリに記憶され、且つプロセッサによって実行されるとき、本明細書に記載された様々なプロセス、命令又は機能のうちの一つ若しくは複数を実行するコンピュータ可読なプログラムコードの形態で実装され得る。本明細書に記載された様々な機能のいずれも、ソフトウェア、適切なハードウェア、及び/又はハードウェアとソフトウェアとの両方の組合せにおいて具現化され得る。運転支援機能は、機能が存在しないか又は無効にされた場合に運転者によって実行され得る一つ又は複数の機能を実行することによって運転者が車両を操作するのを支援する機能として定義され得る。運転支援機能の例は、アダプティブクルーズコントロール(ACC)63及びレーンキーピング64を含む。自動運転機能は、第一場所又は出発場所から所定の目的地まで車両を自律的に(すなわち、人間の入力又は対話なしに)運転するのに必要な全ての運転動作を実行するために車両の能力として定義され得る。本明細書に記載された様々な自律運転支援機能は、自動運転機能69の一部であり得るか、又は本明細書に記載された様々な自律運転支援機能は、第一場所若しくは出発場所から所定の目的地まで車両を運転するように車両を制御するための自動運転機能69によって作動若しくは利用され得る。
【0029】
アダプティブクルーズコントロール機能(ACC)63は、車載の車両センサからの情報に基づいて、前方の車両からの安全な距離を維持するために車両速度を自動的に調整するクルーズコントロールシステムとして定義され得る。従って、車両のセンサからの入力に応じて、例えば、計算システム14は、スロットルシステム、ブレーキシステム、動力システム、及びACC機能を実行するために必要とされる他の関連システムを制御し得る。自律的レーンキーピング機能64は、車両が走行している車線の境界に対する車両の相対位置を監視し、スロットルシステム、ステアリングシステム、車両11を現在の車線に維持するために必要とされるような他の関連システムを制御するように設計されたシステムとして定義され得る。車線の境界は、車両のセンサによって、又は他の任意の適切な方法によって検出され得る。加えて、自律的レーンキーピング機能64の要素及びレーンキーピング機能のために使用可能な様々なセンサは、本明細書に記載されるように、車線変更又は交通合流動作に従って車両が自律的に操舵されるべき目標車線を検出又は判定する際に使用可能であり得る。
【0030】
コンピューティングシステム14は、自動運転機能69を用いて、出発場所から、出発位置から遠く位置付けられた目的地又は終点場所まで、車両を運転するように車両11を自律的に操作するように構成され得る。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/789,004号は、出発場所から指定された終点場所まで走行しながら自律運転可能な車両を制御するために使用可能な方法およびシステムを記載する。'004出願に記載されているように構成された自律車両は、出発場所と終点場所との間の指定された経路に沿って車両を運転するように(ナビゲーションユニット又はシステム23と共に)動作可能であり得る。コンピューティングシステム14は、(カメラなどのセンサ28からナビゲーションシステムへの入力に応じて)計画経路に沿って信号機及び交通標識に従って車両11を操作し、出発場所と終点場所との間で車両を自動運転するのに必要な任意の他の動作及び機能を実行するように構成され得る。一つ又は複数の配置構成では、本明細書に記載されたコンピューティングシステム14は、例えば概して17で示されるニューラルネットワーク又は他の機械学習アルゴリズムなどの人工知能要素又は計算知能要素を組み込み得る。さらに、一つ又は複数の配置構成では、本明細書に記載された特定の機能又は動作を実行するように構成されたハードウェア及び/又はソフトウェア要素は、複数の要素及び/又は場所の間で分散され得る。コンピューティングシステム14に加えて、車両は、コンピューティングシステム14によって実行される制御機能を増強又はサポートするために、又は他の目的のために、追加のコンピューティングシステム及び/又はデバイス(図示せず)を組み込み得る。
【0031】
車両内及び車両外部におけるセンサ及び他の情報源からの情報は、様々な車両システム及び構成要素を制御するために処理及び使用され得る。例えば、様々な道路状態センサは、コンピューティングシステムが記憶されたプロセッサ実行可能命令に従って道路状態情報を処理し、ステアリング、スロットル、及びブレーキシステムに対する適切な制御コマンドを作成することを可能にするために、コンピューティングシステム14に情報を供給するために設けられ得る。コンピューティングシステム14は、センサシステム28から及び他の情報源から継続的又は連続的な情報の流れを連続的に受信及び処理し得る。この情報は、本明細書に記載された手法で且つその目的のために、メモリに記憶された命令に従って処理及び/又は評価され得る。本明細書に記載された任意のデータ、情報又は他のパラメータの受信、収集、監視、処理、及び/又は判定を参照するときの「連続的(continuously)」の使用は、情報が存在するか若しくは検出されるとすぐに、又はセンサの取得及びプロセッサの処理サイクルに従って可能な限りすぐに、コンピューティングシステム14がこれらパラメータに関連する任意の情報を受信及び/又は処理するように構成されることを意味する。
【0032】
本明細書に記載された実施形態では、車両のコンピューティングシステム14は、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるときを判定するように構成され得る。コンピューティングシステムは、車両が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて、ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた選択された車両応答モードを実行するために車両の部分の動作を自律的に制御するようにユーザによって構成可能であり得る。選択された車両応答モードは、最初の制御モードと条件付きの二番目の制御モードとを含み得る。最初の制御モードは、選択された車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータを指定し得る。一つ又は複数の配置構成では、最初のインジケータはユーザ選択とし得る。或いは、最初のインジケータは、コンピューティングシステム14によって選択されてもよい。条件付きの二番目の制御モードは、選択された車両応答モードの一つ又は複数の二番目のインジケータを指定し得る。特定の条件が満たされる場合に、二番目のインジケータが実行され得る。一つ又は複数の配置構成では、二番目のインジケータはユーザ選択とし得る。或いは、二番目のインジケータは、コンピューティングシステム14によって選択され得る。加えて、一つ又は複数の最初のインジケータ及び一つ又は複数の二番目のインジケータは、車両の外部の人によって知覚可能であるように構成される。
【0033】
本明細書で用いられるとき、用語「知覚可能(perceivable)」は、視覚又は聴覚などの一つ又は複数の人間の感覚によって検出可能であることを意味すると理解される。車両の外部の人は、例えば、歩行者又はユーザの車両の近くの道路上の他の車両の乗員であり得る。本明細書に記載された最初の制御モード及び二番目の制御モードに対して指定された車両応答モード並びに/又は最初のインジケータ及び二番目のインジケータは、関連付けられた予め定められた運転状況に車両が入る前にこれらのパラメータがユーザによって選択されていてもよいという点で「予め決められ(predetermined)」得る。予め定められた運転状況、車両の応答モード及び車両の応答モードに関連付けられ得る様々なインジケータは、例えばメニューからのユーザによる選択のためにコンピューティングシステム14に記憶され得る。ユーザは、車両11(すなわち、自車両)の現在の乗員及び/又は車両11が応答するように指示されている一つ又は複数の予め定められた運転状況を選択した人であり得る。ユーザによる選択の後、これらパラメータは、車両が関連付けられた予め定められた運転状況にあると判定されたときに、コンピューティングシステムによる自律的な実行のためにメモリに記憶され得る。
【0034】
「予め定められた運転状況(predefined driving situation)」は、例えば通常運転中に車両が遭遇する可能性がある運転状況である。予め定められた運転状況は、様々な特性及びパラメータによって定義されることができ、様々な特性及びパラメータによって識別可能とすることができ、その値は、車両が予め定められた運転状況にあるときを可能な限りすぐに判定することを補助するために、車両の現在の運転状況との継続的な比較のために、メモリに記憶され得る。一つ又は複数の配置構成では、予め定められた運転状況は、予め定められた運転状況(例えば、メニューから)を選択するユーザによって「ユーザ選択(user-selected)」されることができ、その車両11は、本明細書に記載された手法で、予め定められた運転状況にユーザによって関連付けられた予め決められたユーザ選択の車両応答モードを自律的に実行することによって応答することになる。車両が応答することになる予め定められた運転状況は、車両がその運転状況に遭遇する前に、タッチ画面メニューから又は他の手段によって選択され得る。
【0035】
また、一つ又は複数の配置構成では、予め定められた運転状況は、本明細書に記載された手法で、予め定められた運転状況に対する車両の応答を導くために車両応答モードを選択するコンピューティングシステム14によって車両11が応答することになる予め定められた運転状況を(例えば、メニューから)選択するユーザによって、「ユーザ選択(user-selected)」され得る。コンピュータ選択の車両応答モードを実行する際に、コンピューティングシステム14は、車両の特定の動作を自律的に制御して、応答モードの最初のインジケータ及び(必要であれば)二番目のインジケータを生成し得る。また、コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように人間の運転者に触覚フィードバックを生成し、車両11の外部に存在する人に車両応答モードのインジケータを提供するように設計された制御コマンド(例えば、ブレーキ)を運転者に実行させることを促す及び/又は思い出させるために、車両の制御要素を制御し得る。
【0036】
車両応答モードは、車両の外部の人が関与する関連付けられた予め定められた運転状況に応じてユーザの意図(又は車両の目的)を車両の外部の人に伝達するように構成された一つ又は複数の車両制御コマンドを備え得る。システムの実行の一例では、車両11は、(例えば、
図7Aに示すように)それが交差路上に存在する他の車両と共に交差点で停止した運転状況に遭遇し得る。この運転状況に遭遇する前に、ユーザは、メニューからこの運転状況を選択し且つ車両が予め定められた運転状況にあるときはいつでも車両11が自律的に実行し得る車両応答モードを選択し得る。一例では、ユーザの意図は、車両11が交差点を通過する前に他の車両に交差点を通過させることであり得る。この場合、ユーザは、車両11による実行のために、この意図を他の車両を運転している人に示すように構成された車両応答モードを選択(又は「予め決め(predetermine)」)得る。車両11によって実行されることになる車両応答モードは、車両11が運転状況に遭遇する前に、タッチ画面メニューから、又は他の手段によって選択され得る。
【0037】
最初の制御モードは、選択された車両応答モードの最初の指標として車両によって生成されるべき一つ又は複数の最初のインジケータを備え得る。最初のインジケータは、ユーザ選択の車両応答モードの最初の指標として車両によって自律的に生成されるべき一つ又は複数のユーザ選択の最初のインジケータを備え得る。或いは、最初のインジケータは、車両によって自律的に生成されることができ且つ/又は車両のコンピューティングシステムによって生成される触覚フィードバックに応じて人間の運転者によって生成されることができる、一つ又は複数のコンピュータ選択の最初のインジケータを備え得る。触覚フィードバックは、所望のインジケータを生成するために人間の運転者に車両11を操作するように指示(prompt)し、思い出させ、及び/又は促し得る。インジケータは、コンピューティングシステム14による又は車両の外部の人に知覚された人間の運転者による車両の操作とし、その人が関与する予め定められた運転状況に対する意図された応答をその人に伝達するように構成され得る。最初の制御モードは、車両11が現在のところ関連付けられた予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて生成されることになる最初のインジケータを指定し得る。最初のインジケータは、車両が現在のところ予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて生成されることになる一番目のインジケータである。
【0038】
一例として、一つ又は複数の配置構成では、車両のコンピューティングシステム14は、選択された車両応答モードの最初のインジケータとして第一の速度で車両のヘッドライトを断続的に点滅させるように車両を自律制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成され得る。別の例として、コンピューティングシステムは、選択された車両応答モードの最初のインジケータとして第一の速度で車両の走行用ライトを断続的に点滅させるように車両を自律制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成され得る。
【0039】
別の例として、コンピューティングシステムは、選択された車両応答モードの最初のインジケータとして車両を停止させるように車両を自律的に制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成され得る。一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステムは、選択された車両応答モードの最初のインジケータとして車両の警笛を動作させるように車両を自律的に制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成され得る。
【0040】
二番目の制御モードは、最初のインジケータの後に生成される二番目のインジケータを指定し得る。二番目の制御モードの実行は、条件付きとすることができる。すなわち、二番目の制御モードは、一つ又は複数の条件が満たされる場合にのみ実行され得る。例えば、一つ又は複数の配置構成では、二番目の制御モードは、最初の制御モードの実行の開始後の第一の所定の期間の経過後に車両が依然として予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて実行され得る。斯かる場合、それは、最初のインジケータが向けられている車両11の外部の人が最初のインジケータを知覚していないか、又は何らかの他の理由で最初のインジケータに応じて予想される若しくはユーザの所望の手法で行動することに失敗したと仮定され得る。例えば、車両11及び別の車両は、両方とも交差点で停止され得る。最初のインジケータは、車両11が待機している間にユーザが他の車両のために交差点を進むことを望むことを車両11の外部の人(他の車両の運転者など)に示すために、車両11によって生成され得る。最初のインジケータの生成の開始(すなわち、最初の制御モードの実行の開始)後の特定の期間内に交差点を通過し始める他の車両のその後の失敗は、二番目の制御モード及びその関連付けられた二番目のインジケータの実行をトリガし得る。
【0041】
二番目のインジケータは、以前に実行された最初のインジケータによって表される意図を強調するように構成され得る。一つ又は複数の配置構成では、本明細書で説明された例に記載されるように、二番目の制御モードは、実行時に、(a)最初のインジケータの生成を継続又は繰り返すこと;(b)一つ又は複数の最初のインジケータの発生率又は発生強度を変更すること;並びに(c)追加のインジケータを追加するか、又はそうでなければ生成されたインジケータの数及び/若しくは性質を修正すること、のいずれかのように作用する二番目のインジケータを指定し得る。
【0042】
一例として、一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステムは、選択された車両応答モードの二番目のインジケータとして、最初のインジケータとして用いられる第一の速度よりも大きい第二の速度で車両のヘッドライトを断続的に点滅させるように車両を自律的に制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成され得る。別の例として、コンピューティングシステムは、選択された車両の二番目のインジケータとして、第一の速度よりも大きい第二の速度で車両のヘッドライトを断続的に点滅させるように車両を自律的に制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成され得る。
【0043】
一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステムは、車両応答モードの二番目のインジケータとして、車両を停止条件において維持するように車両を自律的に制御するためにメモリに記憶された命令を実行するように構成され得る。また、一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステム14は、選択された車両応答モードの二番目のインジケータとして、車両の警笛を動作させるように車両を自律的に制御するためにメモリに記憶される命令を実行するように構成され得る。
【0044】
コンピューティングシステム14は、車両の該当部分を操作又は制御することによって様々なインジケータを生成するように構成された一つ又は複数の車両制御コマンドを生成するように構成され得る。従って、ユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたユーザ選択又はコンピュータ選択の車両応答モードは、最初の制御モード及び(任意選択で)選択された車両応答モードに関連付けられた二番目の制御モードを実行することによって実行され得る。最初の制御モードは、最初のインジケータを生成する車両制御コマンドを実行することによって実行され得る。二番目の制御モードは、二番目のインジケータを生成する車両制御コマンドを実行することによって実行され得る。
【0045】
コンピューティングシステムは、最初のインジケータ及び二番目のインジケータを生成するために必要な全ての車両コマンドを識別、生成、及び/又は実行するように構成され得る。従って、最初の制御モード及び二番目の制御モードのために必要とされるコマンドの性質は、最初のインジケータ及び二番目のインジケータのユーザ選択又はコンピュータ選択によって決定され得る。従って、最初の制御モード及び二番目の制御モードは、関連付けられた最初のインジケータ及び二番目のインジケータのユーザ選択又はコンピュータ選択によって効果的に選択される。
【0046】
再び
図2を参照すると、本明細書に記載された車両のコンピューティングシステム14の実施形態は、車両11がユーザによって選択された一つ又は複数の予め定められた運転状況のいずれかになるか又は近づいているときを検出及び/又は判定するように構成される、予め定められた運転状況判定機能201を組み込み得る(又はそれにアクセスし得る)。運転状況判定機能201は、車両11が現在のところ予め定められた運転状況にあるときはいつでも判定するように構成され得る。
【0047】
車両は、本明細書に記載されるように、ユーザ選択の手法で各々の予め定められた運転状況に応答するようにユーザによって構成され得る。或いは、また本明細書に記載されるように、車両のコンピューティングシステムは、予め定められた運転状況に応答するために用いられることになる車両応答モード並びに関連付けられた最初のインジケータ及び二番目のインジケータを選択し得る。
【0048】
本明細書に記載されるように、(予め定められた運転状況判定機能201を用いる)コンピューティングシステム14は、車両11が応答することになる一つ又は複数の予め定められた運転状況のユーザ選択を(例えばHMI109を用いて)可能にするように構成され得る。(予め定められた運転状況判定機能201を用いる)コンピューティングシステム14は、車両が自律的に応答するように構成され得る予め定められた運転状況のうちのいずれかに現在のところ車両があるときを判定又は検出するように構成され得る。
【0049】
一つ又は複数の配置構成では、予め定められた運転状況は、該当するセンサデータパラメータの値、車両環境内の検出可能な条件、及び/又は他の測定可能なパラメータによって識別可能とすることができ且つ/又は定義され得る。例えば、該当するパラメータの値は、該当するセンサデータパラメータの値が所定の範囲内に入ると、車両11が関連付けられた予め定められた運転状況にあるとコンピューティングシステム14によって判定されることになるように定められた所定の範囲を有し得る。また、一つ又は複数の配置構成では、車両環境内の特定の条件の検出は、車両11がユーザ選択の予め定められた運転状況のうちの一つにあることを示すのに役立ち得る。
【0050】
車両11が応答するようにプログラムされ得る予め定められた運転状況の非排他的な例は、別の車両が別の車線から車両11が現在運転中の車線に車線を変更しようとしている状況と、車両11と一つ又は複数の他の車両が交差点で同時に停止している状況と、歩行者が車両11の前方の道路に立っているが車両の経路内に直接いない状況と、を含み得る。また、他の予め定められた運転状況及びそれに対するユーザ選択可能な所定の応答は、コンピューティングシステム14に組み込まれ得る。
【0051】
車両のセンサ及び/又は他の手段によって検出可能な一つ又は複数のユーザ選択可能な予め定められた運転状況及び/又は他の状況認識因子を定義する条件及びセンサデータパラメータの値を含むユーザ選択可能な予め定められた運転状況の記録は、車両11が予め定められた運転状況のうちの一つにあるときを判定する際に使用するために、コンピューティングシステム14のメモリに記憶され得るか、又はコンピューティングシステムによってアクセス可能とされ得る。或いは、一つ又は複数の予め定められた運転状況を定義する条件及びセンサデータパラメータの値は、車外又は遠隔に配置されたメモリに記憶され得る。また、本明細書に記載された、予め定められた運転状況のユーザ選択、関連付けられた応答モードのユーザ選択、及び/又は車両制御コマンドの生成を可能にするために使用される様々な機能は、車外で一つ又は複数の処理施設(図示せず)に存在し得る。斯かる場合、HMI109は、通信インターフェース16及び適切な通信ネットワーク101を介してユーザと様々な機能との間の対話を可能にするインターフェースを提供し得る。予め定められた運転状況の存在を判定するようなデータ及び情報は、センサ28によって継続的に収集され、車両11が予め定められた運転状況にあると判定された場合、関連付けられたインジケータを生成するための車両制御コマンドの解釈及び定式化のために処理施設に継続的に送信され得る。生成された制御コマンドは、車両のコンピューティングシステム14による実行のために、通信ネットワーク101を介して車両11に送信され得る。このプロセスは、車両が予め定められた運転状況にある間、リアルタイムで連続的に起こり得る。
【0052】
また、
図4A~
図4Dに関して図示及び記載されたような予め定められた運転状況並びに最初のインジケータ及び二番目のインジケータのユーザ選択は、コンピューティングシステム14又は遠隔コンピューティングシステム若しくは車外のコンピューティングシステム(図示せず)と通信する車両のHMI109を使用して実行され得る。遠隔コンピューティングシステムを使用して本明細書に記載された予め定められた運転状況応答機能を選択及び実行する能力は、本明細書に記載された予め定められた運転状況応答機能を、それらを車両のコンピューティングシステム(コンピューティングシステム14など)に後付けること又は組み込むことなく、利用することを可能にする。
【0053】
また、予め定められた運転状況判定機能は、車両が自律的に応答するように構成され得る予め定められた運転状況のいずれかに車両が近づいているか又は遭遇することになるときを(可能な限り事前に通知して)判定するように構成され得る。また、予め定められた運転状況判定機能201は、車両が予め定められた運転状況に遭遇するときを判定又は推定するように構成され得る。車両11が近づいているか又は事前定義された運転状況に遭遇することになるとき状況を(可能な限り事前に通知して)判定又は検出する能力は、車両11と、遠隔の予め定められた運転状況判定機能と、任意の関連付けられたコマンド生成設備との間の通信リンクを予め定められた運転状況に応じた車両制御コマンドのための実際の必要性に先立って確立することを可能にする。これは、起こり得る無線又は他の通信問題の解決を容易にし得る。例えば、四方向の交差点で停止するなどの状況は、ナビゲーションシステムによって定式化された計画経路を参照することによって、前もって判定され得る。この決定は、予め定められた運転状況に入る前に、車両と任意の車外設備との間に適切な通信リンクを確立することを可能にし得る。他の場合には、予め定められた運転状況の突然の発生又は予期せぬ発生が生じ得る。その場合、車両のコンピューティングシステム14は、予め定められた運転状況判定機能と任意の関連付けられたコマンド生成設備との通信の必要性をできるだけ早く判定及び確立し得る。
【0054】
予め定められた運転状況の記録は、できるだけ早く各運転状況を識別する際に各予め定められた運転状況を定義することを補助するため且つコンピューティングシステム(車両のコンピューティングシステム14など)を支援するために用いられ得る、パラメータ、状況、並びに/又は車両のセンサ及び/若しくは他の手段によって検出可能な他の状況認識因子を含み得る。また、計画された経路の様々な特性が、ナビゲーションシステム23を通して車両のコンピューティングシステム14に利用可能とし得る。或いは、車両11は、カメラと、画像/ビデオ処理機能と、道路標識を読み取り且つ遠隔入力が要求され得る予め定められた運転状況に関連し得る情報をそこから抽出するように構成された文字認識機能203と、を備え得る。一例では、車両11が四方向の交差点に近づいていることを示す道路標識が、車両11によって不意に遭遇され得る。車両のセンサ28及びコンピューティングシステム14は、(例えば、コンピューティングシステム14の文字認識機能203を使用して)斯かる標識を検出及び解釈するように構成され得る。必要であれば、コンピューティングシステム14は、予め定められた運転状況に応じて制御コマンドが必要となり得る場合には、その後、遠隔施設との通信を開始し得る。
【0055】
車両のコンピューティングシステム14は、車両応答モード選択機能207を組み込み得る(又はそれにアクセスし得る)。(車両応答モード選択機能207を介する)コンピューティングシステム14は、予め定められた運転状況のユーザ選択に応じて、選択された予め定められた運転状況に関連付けられた車両応答モードのユーザ選択を可能にするように構成され得る。本明細書に記載されるような任意のユーザ選択は、例えば、HMI109を用いてなされ得る。また、以下により詳細に記載されるように、(車両応答モード選択機能207を用いる)コンピューティングシステム14は、予め定められた運転状況に応じて実行されるべき車両応答モードを選択又は判定するように構成され得る。
【0056】
車両のコンピューティングシステム14は、最初のインジケータ選択機能209を組み込み得る(又はそれにアクセスし得る)。(最初のインジケータ選択機能209を介する)コンピューティングシステム14は、選択された車両応答モードに従って一つ又は複数の関連付けられた最初の車両制御コマンドの車両実行によって自律的に生成される少なくとも一つの最初のインジケータのユーザ選択を可能にするように構成され得る。
【0057】
また、(最初のインジケータ選択機能209を介する)コンピューティングシステム14は、選択された車両応答モードの一部として生成されるべき少なくとも一つの最初のインジケータの計算による選択を可能にするように構成され得る。一つ又は複数の最初のインジケータは、一つ又は複数の関連付けられた最初の車両制御コマンドの車両実行によって車両のコンピューティングシステム14によって生成され得る。また、一つ又は複数の最初のインジケータは、人間の運転者に対する触覚フィードバックに応じて人間の運転者によって生成され得る。
【0058】
車両のコンピューティングシステム14は、二番目のインジケータ選択機能211を組み込み得る(又はそれにアクセスし得る)。(二番目のインジケータ選択機能211を介する)コンピューティングシステム14は、選択された車両に従って、一つ又は複数の関連付けられた二番目の車両制御コマンドの条件付きの車両実行によって自律的に生成される少なくとも一つの二番目のインジケータのユーザ選択を可能にするように構成され得る。また、(二番目のインジケータ選択機能211を介する)コンピューティングシステム14は、選択された車両応答モードの一部として生成されるべき少なくとも一つの二番目のインジケータのコンピューティングシステムによる選択を可能にするように構成され得る。一つ又は複数の二番目のインジケータは、一つ又は複数の関連付けられた最初の車両制御コマンドの車両実行によって車両のコンピューティングシステム14によって生成され得る。また、一つ又は複数の二番目のインジケータは、人間の運転者に対する触覚フィードバックに応じて、人間の運転者によって生成され得る。
【0059】
車両のコンピューティングシステム14は、車両制御コマンド生成機能213を組み込み得る(又はそれにアクセスし得る)。車両制御コマンド生成機能213は、ユーザによって又はコンピューティングシステムによって選択された最初のインジケータ及び二番目のインジケータを生成することを目的とする車両制御コマンドを生成するように構成され得る。車両応答モード並びに最初のインジケータ及び二番目のインジケータのユーザ選択に応じて、適切な車両制御コマンド及びコマンド文字列は、実行されるべきコマンドのための必要性に先立って生成及び記憶され得る。また、車両応答モードがコンピューティングシステム(コンピューティングシステム14など)によって選択される場合、コンピューティングシステムは、選択された車両応答モードを示すために用いられるべき最初のインジケータ及び二番目のインジケータを選択し得る。コンピューティングシステムによる車両応答モード並びに最初のインジケータ及び二番目のインジケータの選択は、本明細書の他の箇所に記載されるように、車両の動作状態及び環境条件に応じて、リアルタイムで又はリアルタイムに近い状態でなされ得る。
【0060】
一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステム14は、(例えばHMI109を介して)車両11のユーザに、ユーザ選択の車両応答モードが選択されているユーザ選択の予め定められた運転状況に車両11が近づいているように見える(又は現在いる)ことを知らせるように構成され得る。コンピューティングシステム14は、ユーザ選択の車両応答モード及び任意の関連付けられたユーザ選択のインジケータの性質をユーザに知らせるように構成され得る。コンピューティングシステム14は、例えば、音声コマンド又はHMI109上のタッチ画面によって、ユーザが車両応答モードの実行を無効にすることを可能にするように構成され得る。車両11がユーザ選択の予め定められた運転状況に近づいている(又は現在いる)ように見え、コンピューティングシステム14が車両応答モード並びに関連付けられた最初のインジケータ及び二番目のインジケータを選択するような配置構成では、コンピューティングシステム14は、ユーザに予め定められた運転状況を知らせ、ユーザがコンピューティングシステムによる車両応答モードの選択を断念することを可能にするように構成され得る。これは、ユーザが予め定められた運転状況の間に車両全体を通した完全な制御を実行することを可能にする。
【0061】
また、一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステム14は、任意の最初のインジケータ又は二番目のインジケータの生成を含む、車両応答モードの任意のインプロセス実行の実行のユーザのオーバーライド又は割り込みを可能にするように構成され得る。ユーザ割り込みは、割り込みがユーザによって選択されるとすぐに応答モードの実行を停止するように動作し得る。次に、車両が自律モードで運転されているか又は手動モードで運転されているかに応じて、制御は、(ブロック350における)デフォルトの車両制御ルーチン又は(ブロック1350における)人間の運転者に移行し得る。
【0062】
一つ又は複数の配置構成では、車両応答モードの実行が開始されるとすぐに双方向割り込みプロンプトがHMI109に表示され得る。或いは、ユーザが車両応答モードのユーザ割り込みを選択することを可能にするために、他の任意の適切な方法が提供され得る。その後、応答モードの実行中の任意の時点で、ユーザは割り込みを起動することができ、それにより車両の応答モードの車両実行を停止する。例えば、意図された車両応答モードがユーザの意思を車外の人に効果的に伝達していないとユーザが判断した場合、又は車外の人からの期待される応答を待つのにうんざりしている場合、ユーザは割り込みを起動し得る。
【0063】
インジケータを生成するように運転者に特定の手法で車両を制御することを指示又は促すためにコンピューティングシステムが人間の運転者に対する触覚フィードバックを生成している実施形態では、コンピューティングシステムは、割り込みの起動後であっても触覚フィードバックを生成し続け得る。これは、コンピューティングシステムが判定し且つ関連付けられた予め定められた運転状況に応じて従うべきである一連の行動に関して、コンピューティングシステムが運転者に、指示、案内及び/又は教育を提供し続けることを可能にし得る。しかしながら、ユーザ割り込みの起動後、触覚フィードバックを受けている人間の運転者は車両の完全な制御を有することができ、車両11はもはや自動的又は自律的にインジケータを生成することができず、そうでなければインジケータが関連付けられた車両応答を実行することもできない。
【0064】
一つ又は複数の配置構成では、ユーザ割り込みの起動は、現在進行中の車両応答モードのみの実行をキャンセルし得る。その後の予め定められた運転状況に起因して実行される任意の後続の車両応答モードは、影響を受けない場合がある。その後の車両応答モードの任意のキャンセルは、後続の車両応答モードの実行中に、ユーザ割り込みを再び起動することによってなされ得る。
【0065】
車両11が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定する目的のために、又は運転状況に応じて適切な車両制御コマンドを生成若しくは判定する目的のために、遠隔施設との通信を確立することが可能ではない状況では、コンピューティングシステム14は、(例えば、デフォルトの自律型車両制御ルーチンなどの)適切なデフォルトの制御ルーチン(図示せず)に従って車両11を制御するように構成され得る。車両が手動で操作されている場合、車両の制御は運転者に留まる。
【0066】
デフォルトの車両制御ルーチンは、車両のメモリに記憶され得る。デフォルトの車両制御ルーチンは、任意の予め定められた運転状況及び車両応答モードのユーザ選択とは別に、通常の車両の使用中に車両が通常自律的に制御され得る制御ルーチンとし得る。デフォルトの車両制御ルーチンは、予め決められた車両応答モードを使用して応答するためにユーザによって選択されていない全ての予め定められた運転状況において車両11を制御するように構成され得る。従って、本明細書に記載されるように、ユーザが予め定められた運転状況及び関連付けられた予め決められた車両応答モードを事前に選択している場合、車両がユーザ選択の予め定められた運転状況にあると判定されたときに車両の制御はデフォルトの車両制御ルーチンから移行し得る。斯かる場合、本明細書に記載されるように、車両11がもはやユーザ選択の予め定められた運転状況ではなくなるまで、又は一つ若しくは複数の所定の期間の経過まで、車両は選択された車両応答モードに従って制御され得る。
【0067】
また、車両のAI/機械学習機能17は、前述のように、ユーザ選択の車両応答モード又はユーザ選択の最初のインジケータ及び/若しくは二番目のインジケータの自律的な実行の前に現在の車両及び環境条件を評価するように構成され得る。ユーザ選択の車両応答モードは、ユーザの好みに基づいて裁量になり得るため、コンピューティングシステムは、特定の条件下では、ユーザによって選択された車両応答モードの実行を断念し得る。例えば、既に説明したように、ユーザは、車両応答モードの実行を無効にすることによって、所与の運転状況において以前に選択された車両応答モードの実行を断念することを選択し得る。
【0068】
加えて、車両が不必要に減速したり又は停止したりすることが望ましくない状況(凍った又は視界の悪い状況など)にある場合、コンピューティングシステム14は、運転状況に特化したユーザ選択の車両応答モードを実行することによって検出された予め定められた運転状況に応答しないことを選択し得る。例えば、車両のAI/機械学習機能17は、所与の予め定められた運転状況に対する可能な車両応答モードの安全性を推定する目的のために、センサデータから導出されるような、車両の機械的な状態(例えば、ブレーキ摩耗)、他の車両動作パラメータ、道路及び気象条件、並びに他の車両環境条件などの要因を評価するように構成され得る。また、車両のAI/機械学習機能17は、現在の車両動作状態及び環境条件を所与の車両応答モードが過去に実行されたときに存在する斯かる条件と比較して、考慮される車両応答モードが実行される場合の成功の可能性、又はその運転状況において別の車両の運転者に所望の意図を伝達する際に特定の最初のインジケータ又は二番目のインジケータの成功の可能性を推定するように構成され得る。コンピューティングシステムは、様々な運転条件下で、車両応答モード、最初のインジケータ及び二番目のインジケータを実行する過去の成功率に関する統計及び他の情報を記憶するか、又はそれらにアクセスし得る。
【0069】
車両の通信インターフェース16は、車両11及び外部センサと、他の車両と、他のコンピュータシステムと、様々な外部コンピューティング及び通信システム及びネットワーク(通信ネットワーク101、衛星システム、携帯電話/無線通信システムなど)と、さらには本明細書に記載された一つ又は複数の機能を組み込み且つ本明細書に記載された一つ又は複数の機能を実行するために使用可能な車外の設備と、の間の継続的且つ中断のない対話を確立及び可能にするように構成され得る。
【0070】
車両のコンピューティングシステム14は、他のコンピューティングシステム、端末、及び/又は携帯デバイス(例えば、携帯電話、短距離車両通信システム、車両テレマティックスデバイス及び車両間通信システム)(図示せず)などの一つ又は複数の遠隔のコンピュータへの接続をサポートするネットワーク環境において(車両の通信インターフェース16を介して)動作し得る。車両内の他の任意のコンピューティングシステム又はデバイスと、車両のコンピューティングシステム14と動作可能に通信する任意の関連端末又はデバイスとは、車内に設置されたデバイス、車内を移動し得る携帯デバイス、又は車両及び運転データを受信及び処理するように構成された車外のデバイスを含み得る。従って、コンピューティングシステム14と通信する任意の端末又はデバイスは、それぞれ、パーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップ、デスクトップ、又はタブレットコンピュータ)、サーバ(例えば、ウェブサーバ、データベースサーバなど)、及び他の端末又はデバイスを含み得る。
【0071】
通信インターフェース16は、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線電気通信ネットワーク、及び/又は他の任意の適切な通信ネットワーク(例えば、ネットワーク101など)における通信を可能にするインターフェースを含み得る。通信ネットワークは、有線通信リンク及び/又は無線通信リンクを含み得る。通信ネットワークは、上記のネットワーク及び/又は他の種類のネットワークの任意の組み合わせを含み得る。通信ネットワークは、一つ又は複数のルータ、スイッチ、アクセスポイント、無線アクセスポイントなどを含み得る。一つ又は複数の配置構成では、通信ネットワークは、任意の近接車両間、及び車両11と任意の近接路側通信ノード及び/又はインフラストラクチャとの間の通信を可能にし得る(路車間(V2I)及び車車間(V2V)技術を含む)車車間・路車間(V2X)技術を含み得る。
【0072】
WANネットワーキング環境で使用されるとき、車両のコンピューティングシステム14は、ネットワーク(例えば、インターネット)などのWANを介して通信を確立するためのモデム又は他の手段を含み得る(又はそれらに動作可能に接続され得る)。無線電気通信ネットワークで使用されるとき、コンピューティングシステム14は、一つ又は複数のトランシーバ、デジタル信号プロセッサ、並びに無線ネットワーク内の一つ又は複数のネットワークデバイス(例えば、無線基地局)を介して無線コンピューティングシステム(図示せず)と通信するための追加の回路及びソフトウェアを含み得る(又はそれらに動作可能に接続され得る)。これら構成は、様々な外部ソースから一定の流れの情報を受信する(及びそれらに一定の流れの情報を送信する)様々な方法を提供する。通信インターフェース16は、コンピューティングシステム14に組み込まれてもよく、又はコンピューティングシステムから離れて配置されてコンピューティングシステムに通信可能に結合されてもよい。
【0073】
車両のナビゲーションモジュール又はシステム23は、例えば、GPSシステム又は他の情報源から車両位置情報を受信するように構成された既知のナビゲーションシステム受信機(例えばGPS受信機)を含み得る。しかしながら、車両のナビゲーションシステム23は、本明細書に記載された目的に適した任意の代替的な形態又は構成を有し得る。また、車両のナビゲーションシステム23は、本明細書に記載された目的のために、車両のナビゲーション情報を提供するためにコンピューティングシステム14と動作可能に通信するように構成され得る。また、車両のナビゲーションシステム23は、例えば、既知の手法で車両の乗員の目的地入力を使用して、車両のための任意の所望の経路計画を実行し得る(又は実行を支援し得る)。コンピューティングシステム14は、必要に応じて車両ナビゲーションシステム23との動作可能な通信を容易にするために、適切なナビゲーションシステムインターフェース(
図2には示さず)を組み込み得る。
【0074】
車両のナビゲーションシステム23は、車両11の地理的位置を推定するように構成された任意の一つ若しくは複数のセンサを含むか、又はそれらと動作可能に通信し得る。また、車両のナビゲーションシステム23は、当該技術分野において既知の手法で、記憶され且つ/又は利用可能なマップを用いて、所与の出発点(例えば、車両11の現在の位置又は別の指定された出発位置)からの運転経路を決定又は計画するように構成され得る。これら目的のために、車両のナビゲーションシステム23は、地球に対する車両11の位置及び/又は移動に関する情報を提供するように動作可能なトランシーバを含む、一つ又は複数のトランシーバを含み得る。車両ナビゲーションシステム23は、他の情報の中でも、道路地図及び進路情報などのデータを記憶し得る。斯かる情報は、車両11によって自律的に運転され得る様々な経路を計算及び評価する際に、(単独で、又は車両のナビゲーションシステム23と共に)コンピューティングシステム14によって用いられ得る。
【0075】
再び
図1を参照すると、車両11は、様々な車両の動作状態パラメータ及び車外の環境条件を監視するように設計された車両のセンサのアレイ28を含み得る。既知の方法で、車両センサは、車両システム18、20、22、26において適切な制御コマンドを定式化及び実行する際に車両のコンピューティングシステム14によって用いられるデータを提供する。例えば、慣性センサ、車輪速度センサ、道路状態センサ及び操舵角センサからのデータは、車両を旋回させるためのステアリングシステム18におけるコマンドを定式化及び実行する際に処理され得る。半自律型又は完全自律型車両のセンサアレイに組み込まれ得るセンサの例(図示せず)は、レーダ及びライダシステム、レーザスキャナ、ビジョン/カメラシステム、GPSシステム、ジャイロスコープ及び加速度計などの様々な慣性センサ、車両の車輪速度センサ、道路状態センサ、サスペンション高さセンサ、操舵角センサ、ステアリングトルクセンサ、ブレーキ圧センサ、アクセル又はペダル位置センサ、並びにタイヤ空気圧センサを含む。
【0076】
センサアレイ28は、車両の動作上のフィードバックを提供するために、他の車両構成要素と通信する様々な種類のセンサを含み得る。例えば、センサ28は、車両の位置(例えば、GPS座標)、速度及び方向、加速度及び/又は制動速度、並びに急な加速、制動、及び旋回の特定の例に対応するデータを検出及び記憶し得る。また、センサ28は、車両の内部システムから受信したデータを検出及び記憶し得る。センサ28は、外部の運転条件、例えば、外気温、雨、雪、光のレベル及び運転者の視認性のための太陽の位置に関する情報を検出及び記憶し得る。例えば、外部カメラ及び近接センサ、レーダ、ライダ並びに他の種類のセンサは、他の近隣の車両、交通レベル、道路状態、交通障害物、動物、サイクリスト、歩行者、及び運転イベントデータ分析に組み込み得る他の状態を検出し得る。センサ28は、エンジンの状態、オイルレベル、エンジンの冷却水温、走行距離計の読み込み、燃料タンク内の燃料のレベル、毎分のエンジン回転速度(RPM)、及び/又はタイヤの空気圧などの、車両のメンテナンスに関するデータを検出及び記憶し得る。また、車両センサ28は、車両の内側又は外側の追加の状態を記録することができるカメラ及び/又は近接センサを含み得る。また、特定の車両のセンサ28は、運転者の経路に関する情報を決定及び収集し得る。
【0077】
車両のセンサ28によって収集されたデータは、車両内に記憶及び/若しくは分析されてもよく、並びに/又は一つ若しくは複数の外部のデバイスに送信されてもよい。例えば、センサデータは、テレマティックスデバイスを介して、携帯デバイスなどの一つ若しくは複数の遠隔のコンピューティングシステム、又は前述したような車外設備に送信され得る。また、車両のセンサ28によって収集された任意のデータは、本明細書に記載された目的のために、データを必要とするか又は利用する任意の車両システム又は構成要素に送信され得る。例えば、車両のセンサ28によって収集されたデータは、コンピューティングシステム14、又は一つ若しくは複数の専用のシステム若しくは構成要素のコントローラ(図示せず)に送信され得る。
【0078】
センサシステム28は、車両11の外部の環境についての情報を感知するように構成された多くのセンサを含み得る。例えば、センサシステム28は、全地球測位システム(GPS)などのナビゲーション部と、例えば、慣性測定部(IMU)(図示せず)、レーダ部(図示せず)、レーザ距離計/ライダ部(図示せず)、並びに車両の内部及び/又は車両11の外部の環境の複数の画像を取り込むように構成されたデバイスを備える一つ又は複数のカメラ(図示せず)などの他のセンサを含むことができ、経路、車線位置、及び他の車両位置/場所データを決定するために用いられ得る。カメラは、スチルカメラ又はビデオカメラとし得る。IMUは、慣性加速度に基づいて車両11の位置及び向きの変化を感知するように構成されたセンサ(例えば、加速度計及びジャイロスコープ)の任意の組み合わせを組み込み得る。例えば、IMUは、車両のロールレート、ヨーレート、ピッチレート、前後方向の加速度、横方向の加速度、及び上下方向の加速度などのパラメータを感知し得る。ナビゲーション部は、車両11の地理的な位置を推定するように構成された任意のセンサとし得る。この目的のために、ナビゲーション部は、地球に対する車両11の位置に関する情報を提供するように動作可能なトランシーバを含む、一つ又は複数のトランシーバを含み得る。また、ナビゲーション部は、当該技術分野で既知の手法で、記憶された及び/又は利用可能なマップを用いて、所与の出発点(例えば、車両の現在の位置)から選択された目的地までの走行経路を決定又は計画するように構成され得る。また、センサシステム28は、車両11の内部システム、構成要素、及び/又は状態を監視するように構成されたセンサ(例えば、O2モニタ、残量計、エンジン油温)を含み得る。他のセンサも可能である。センサシステム28に含まれるセンサのうちの一つ又は複数は、一つ又は複数のセンサの位置、向き、又はその両方を修正するために別々に又はまとめて作動されるように構成され得る。
【0079】
既知の手法で、車両センサ28は、様々な車両システムのための適切な制御コマンドを定式化及び実行する際にコンピューティングシステム14によって使用可能なデータを提供し得る。例えば、慣性センサ、車輪速度センサ、道路状態センサ及び操舵角センサからのデータは、車両を旋回させるためのステアリングシステム18におけるコマンドを定式化及び実行する際に処理され得る。車両センサ28は、車両11に組み込まれた任意の運転者支援機能をサポートするのに必要な任意のセンサを含み得る。センサシステム28が複数のセンサを含む配置構成では、センサは互いに独立して動作し得る。或いは、二つ以上のセンサは、互いに組み合わせて動作し得る。センサシステム28のセンサは、コンピューティングシステム14及び/又は車両11の任意の他の要素に動作可能に接続され得る。
【0080】
センサ28のうちの追加のものは、外部の運転条件、例えば、外気温、雨、雪、光のレベル及び運転者の視認性のための太陽の位置に関する情報を検出及び記憶し得る。例えば、外部カメラ及び近接センサは、他の近隣の車両、交通レベル、道路状態、交通障害物、動物、サイクリスト、歩行者及び運転イベントデータ分析に組み込まれ得る他の状態を検出し得る。追加のセンサ28は、エンジンの状態、オイルレベル、エンジンの冷却水温、走行距離計の読み込み、燃料タンク内の燃料レベル及び/若しくはガソリンハイブリッド車両におけるバッテリ若しくは電力レベル、毎分のエンジン回転速度(RPM)、並びに/又はタイヤの空気圧などの車両のメンテナンスに関するデータを検出及び記憶し得る。
【0081】
センサ28は、車両11から特定の距離内にある、移動中又は静止中の、他の車両、歩行者、動物及び他の物体を検出するように構成されたセンサを含み得る。センサは、車両及び他の物体の様々な特性を検出及び/又は推定するように構成され得る。例えば、センサ28は、車両又は他の物体が周囲に対して移動中であるか又は静止中であるかを検出するように構成され得る。センサ28は、車両11に対する、及び周囲の比較的静的な特性(例えば、木又は交通標識)に対する、移動中の車両又は物体の方向及び速度を検出及び/又は推定するように構成され得る。センサ28は、他の車両が方向指示器を作動させているか否かを検出するように構成され得る。
【0082】
追加の特定の種類のセンサは、本明細書に記載された機能及び動作を実行するために必要な任意の他の種類のセンサを含み得る。一般に、センサは、コンピューティングシステム14によって用いられ得るデータを検出及び/又は推定(及び/又は取得して、車両11がユーザ選択の予め定められた運転状況のうちの一つにあるか否かを決定する際に用いられることができ且つ関連付けられた選択された車両応答モードに従って予め定義された運転状況に応答するのに適した車両制御コマンドを定式化又は選択する際に使用可能であり得るパラメータ及び状態のいずれかの値を推定又は判定するように構成され得る。
【0083】
コントローラ又はコンピューティングシステム14が複数の個々のセンサの出力から形成された統合又は合成信号の処理を必要とする可能性がある場合、車両11は、コンピューティングシステム14、センサシステム28、及び他の車両システムなどの他の関連する車両システムと通信する(例えば、適切なセンサフュージョンアルゴリズムを組み込む又は具体化する適切なカルマンフィルタ及び/又は別の要素を組み込む)既知のセンサフュージョン手段138を組み込み得る。センサフュージョン手段138は、(例えば、複数の個々のセンサの出力から形成された)統合又は合成信号を生成するために、様々な車両センサから受信したデータを処理し得る。さらに、センサフュージョン手段138は、センサシステム28からのデータに基づいて様々な査定(assessment)を提供し得る。例示的な実施形態では、その査定は、車両11の環境内における個々の物体又は特徴の評価、特定の状況の評価、及び特定の状況に基づいて起こり得る影響の評価を含み得る。また、他の査定も可能である。
センサフュージョン手段138は、コンピューティングシステム14に組み込まれているか又はコンピューティングシステム14と動作可能に通信するメモリ(メモリ54など)に記憶されることができ、当該技術分野において既知の手法でコンピューティングシステムによって動作され得る。
【0084】
また、センサ出力信号がコントローラ又はコンピューティングシステム14による使用前に前処理を必要とする場合、既知の前処理手段(図示せず)(例えば、A/D変換器)は、例えば、コンピューティングシステム14、センサシステム28、及び他の車両システムなどの他の関連する車両システムと通信し得る。同様に、任意の作動可能なサブシステム構成要素又は他の車両構成要素(例えば、ステアリングシステム又はスロットルシステムの構成要素)の動作がコントローラから受信した制御信号の処理を必要とすることになる場合、既知の後処理手段(例えば、D/A変換器)が、コンピューティングシステム14、センサシステム28、及び他の車両システムなどの他の関連する車両システムと通信するように設けられ得る。
【0085】
車両11は、システムの様々なコントローラ、センサ及び他の要素がコントローラエリアネットワーク(CAN)バス33(
図1)などを用いて互いに通信することができるように構成され得る。CANバス及び/又は他の有線若しくは無線機構を介して、コンピューティングシステム14は、車内の例えばコントローラ、アクチュエータ、センサなどの様々なデバイスにメッセージを送信し且つ/又は様々なデバイスからメッセージを受信し得る。或いは、本明細書に記載された要素及び/又はシステムのいずれかは、バスを使用せずに互いに直接的に接続され得る。また、本明細書に記載された要素間及び/又はシステム間の接続は、(有線接続などの)他の物理的媒体を介してもよく、又はその接続は無線接続としてもよい。
【0086】
図3は、ユーザ選択の予め定められた運転状況に対するユーザ選択の応答を車両の外部の人に示す目的のために、コンピューティングシステムの実施形態(例えば、オンボードコンピューティングシステム14又は車外コンピューティングシステムなど)の動作を示すフロー図である。
【0087】
ブロック310では、コンピューティングシステムは、センサデータ及び/又は他の関連パラメータの査定に基づいて、車両11が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあると判定し得る。
【0088】
ブロック315では、ブロック310で検出されたユーザ選択の予め定められた運転状況が、ユーザ選択の予め決められた車両応答モードを判定する目的のために、最新のユーザ選択の予め定められた運転状況になる。
【0089】
ブロック317では、コンピューティングシステムは、最新の予め定められた運転状況のために以前に選択されたユーザ選択の予め決められた車両応答モードを識別し得る。
【0090】
ブロック318では、コンピューティングシステムは、前述のように、安全性及び他の考慮事項についてユーザ選択の車両応答モードを評価し得る。選択された車両応答モードが実行されるべきではないとコンピューティングシステムが判定した場合、コンピューティングシステムは、HMI109を介してユーザと通信して、以前に選択された車両応答モードが現在又は保留中(pending)の予め定められた運転状況において実行されるべきではないことをユーザに知らせ得る。さらに、ブロック319では、コンピューティングシステムは、現在又は保留中の予め定められた運転状況において、ユーザが以前に選択された車両応答モードの実行を無効にすることを望むか否かを判定するためにユーザに問い合わせ得る。ブロック318及び319は同時に実行されてもよい。
【0091】
ブロック390では、コンピューティングシステムは、コンピューティングシステム14又はユーザによって、以前に選択された車両応答モードの実行が無効にされているか否かを判定し得る。以前に選択された車両応答モードが無効にされている場合、車両制御は(ブロック350において)前述のようにデフォルトの車両制御ルーチンに移行し得る。しかしながら、以前に選択された車両応答モードが無効にされていない場合、コンピューティングシステムは、最新の予め定められた運転状況のためのユーザ選択の予め決められた車両応答モードに関連付けられたユーザ選択の最初の制御モードを実行し得る(ブロック320)。ユーザ選択の最初の制御モードを実行するために、コンピューティングシステムは、最初の制御モードに関連付けられたユーザ選択の最初のインジケータ(例えば、ヘッドライトの点滅又は車両の警笛の作動)を生成するように設計された車両制御コマンドを生成及び実行し得る。
【0092】
ブロック325では、コンピューティングシステムは、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し得る。車両センサデータ及び他の運転状況パラメータは、それが発生するとすぐに運転状況の変化を検出するように連続的な方式でコンピューティングシステムによって監視され得る。
【0093】
運転状況の変化を示し得るセンサデータ又はパラメータの変化は、センサ28を使用して監視し得る。コンピューティングシステムは、運転状況の変化を検出するために取得した情報を解釈するように構成され得る。コンピューティングシステムは、他の車両又は車両11の外部の人による動作に応じて運転状況の変化を記録するように構成され得る。例えば、車両11と別の車両の両方が交差点で停止している状況では、コンピューティングシステムは、最初の車両応答モードの実行の開始後に他の車両が交差点を通過し始めたときに運転状況が変化したと判定し得る。別の例では、歩行者が車両11の前方の道路にいる
図5A~5Dに示されるような状況では、コンピューティングシステムは、最初の制御モードの実行の開始後、歩行者が道路を横断し始めたときに運転状況が変化したと判定し得る。運転状況の斯かる変化は、コンピューティングシステム14によって、他の人が最初のインジケータを知覚し、ユーザによって望まれ及び予測される手法で行動することによってインジケータを認識したことの兆候として解釈され得る。同様に、最初の制御モードの実行の開始後に他の車両又は歩行者の移動が検出されない場合、コンピューティングシステムは、他の人が最初のインジケータを知覚していないか、又は何らかの他の理由で、車両11のユーザによって意図された手法でインジケータに対して応答していないと判定し得る。
【0094】
ブロック330では、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、コンピューティングシステムは、最初の制御モードの実行の開始後に第一の所定の期間が経過したか否かを判定し得る。車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にあり且つ最初の制御モードの実行の開始後に第一の所定の期間が経過していない場合、コンピューティングシステムは、ブロック320に記載されるように、最初の制御モードの実行を継続し得る。
【0095】
ブロック335では、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にあり且つ第一の所定の期間が経過したとコンピューティングシステムが判定した場合、予め定められた運転状況は、最初の制御モードの実行の開始後の期間中に変化していない。次に、ブロック335では、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にあり且つ第一の所定の期間が経過したとコンピューティングシステムが判定した場合、コンピューティングシステムは、ユーザ選択の最初の制御モードを実行する代わりに、最新の予め定められた運転状況のためのユーザ選択の予め決められた車両応答モードに関連付けられたユーザ選択の二番目の制御モードを実行し得る。
【0096】
一つ又は複数の配置構成では、ユーザ選択の二番目の制御モードは、ユーザ選択の最初の制御モードによって指定されるのと同じインジケータを同じ強度レベルで指定し得る。従って、ユーザ選択の二番目の制御モードは、インジケータの生成を継続することによって、ユーザ選択の最初の制御モードにおいて見られる同じ強度レベルで実行され得る。
【0097】
一つ又は複数の配置構成では、ユーザ選択の二番目の制御モードは、最初の制御モードにおいて指定されたものとは異なる強度レベルで、ユーザ選択の最初の制御モードと同じインジケータのうちの一つ又は複数を指定し得る。従って、ユーザ選択の二番目の制御モードは、ユーザ選択の最初の制御モードにおいて見られるインジケータの一つ又は複数の生成を継続することによって、しかし、また一つ又は複数のインジケータの強度レベルを変えることによっても、実行され得る。例えば、第一の比較的遅い速度での車両のヘッドライト73の断続的な点滅が最初のインジケータとして指定されている場合、車両の外部の人の注意を引き付けるため且つ予め定められた運転状況に対するユーザの意図した応答を強調するためのさらなる試みとして、第二の比較的速い速度での車両のヘッドライト73の断続的な点滅が二番目のインジケータとして指定され得る。
【0098】
一つ又は複数の配置構成では、ユーザ選択の二番目の制御モードは、ユーザ選択の最初の制御モードと同じインジケータのいくつか(又はなし)を指定することができ、さらには一つ又は複数の追加のインジケータ又は異なるインジケータを指定することができる。従って、ユーザ選択の二番目の制御モードは、ユーザ選択の最初の制御モードにおいて指定された一つ又は複数の最初のインジケータの生成を継続することによって実行されることができ、また追加のインジケータ又は異なるインジケータを生成することによっても、実行されることができる。例えば、車両のヘッドライトの断続的な点滅が最初のインジケータとして指定されている場合、車両の外部の人の注意を引き付けるため且つ予め定められた運転状況に対するユーザの意図した応答を強調するための更なる試みとして、車両のヘッドライトの断続的な点滅及び音を出すための車両の警笛の操作の両方が二番目のインジケータとして指定され得る。
【0099】
ブロック340では、コンピューティングシステムは、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し得る。車両11が依然として最新のユーザ選択した予め定められた運転状況にある場合、コンピューティングシステムは、(ブロック345において)二番目の制御モードの実行の開始後に第二の所定の期間が経過したか否かを判定し得る。車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にあり且つ第二の所定の期間が二番目の制御モードの実行の開始後に経過していない場合、コンピューティングシステムは、ブロック335に記載されるように、二番目の制御モードの実行を継続し得る。
【0100】
しかしながら、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にあり且つ第二の所定の期間が二番目の制御モードの実行の開始後に経過した場合、コンピューティングシステムは、車両の外部の人が、最初のインジケータ及び/若しくは二番目のインジケータを依然として知覚していないか、又は何らかの他の理由のために、所望の手法でインジケータに対して応答することを計画していないと判定し得る。この場合、コンピューティングシステムは、(ブロック350において)条件付きの二番目の制御モードの実行を中止し(すなわち、二番目のインジケータの生成を停止し)、車両制御をデフォルトの車両制御ルーチンへと移行し得る。
【0101】
ブロック325に戻り、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にはない場合、コンピューティングシステムは、(ブロック355において)車両11が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し得る。他のユーザ選択の予め定められた運転状況は同じ種類の状況であってもよいし、又は他の状況は異なる種類の状況であってもよい。
【0102】
コンピューティングシステムは、車両11が別のユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたユーザ選択の予め決められた車両応答モードを実行するように構成され得る。他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた予め決められた車両応答モードは、他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたユーザ選択の予め決められた車両応答モードの一つ又は複数のユーザ選択の最初のインジケータを指定する最初の制御モードを含み得る。また、他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた予め決められた車両応答モードは、他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたユーザ選択の予め決められた車両応答モードの一つ又は複数のユーザ選択の二番目のインジケータを指定する条件付きの二番目の制御モードを含み得る。他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたユーザ選択の予め決められた車両応答モードの一つ又は複数の最初のインジケータ及び一つ又は複数の二番目のインジケータは、車両の外部の人によって知覚可能であるように構成され得る。
【0103】
車両11が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、コンピューティングシステムは、関連付けられたユーザ選択の予め決められた応答モードに従って運転状況に対して応答する目的のために、(ブロック360において)他のユーザ指定の予め定められた運転状況を新しい最新のユーザ指定の予め定められた運転状況として設定し得る。次に、制御がブロック317へ進み、最新の(他の)予め定められた運転状況に関するユーザ選択の車両応答モードが判定される。しかしながら、車両11が別のユーザ選択の予め定められた運転状況にないと判定された場合、制御は、最初の制御モードの実行を中止し(すなわち、最初のインジケータの生成を停止し)、(ブロック350において)前述したようなデフォルトの車両制御ルーチンに移行し得る。
【0104】
ちょうど記載されたステップ310~390と並行して、コンピューティングシステム14は、前述した車両応答モードのユーザ割り込み機能のユーザ選択を監視するように構成され得る。すなわち、ブロック320における車両応答モードの実行の開始と同時に、コンピューティングシステムは、(ブロック307において)ユーザ選択のためにユーザ割り込みの選択を可能にする双方向プロンプトを表示し得る。
図3に示される他のブロックの実行中、コンピューティングシステムは、割り込みのユーザ選択を継続的に監視し得る。割り込みが選択されるとすぐに(選択される場合)、コンピューティングシステムは、直ちに(ブロック308において)車両応答モードの実行を中止し、(ブロック350において)車両制御をデフォルトの車両制御ルーチンに移行し得る。
【0105】
図4A~
図4Dは、本明細書に記載の実施形態に係る、予め定められた運転状況及び予め決められた車両応答モードの最初のインジケータ及び二番目のインジケータのユーザ選択を可能にするように動作可能なHMI双方向ユーザインターフェース画面(タッチ画面など)の例示的な実施形態の概略図である。HMI109は、車両が応答することになる予め定められた運転状況を車両11のユーザが指定することを可能にするために、コンピューティングシステム14と連携して(又はその一部として)動作するように構成され得る。
【0106】
図4Aにおいて、ユーザは、自律的な応答のために予め定められた運転状況を選択し得る。
図4Aにおいて利用可能である選択可能な予め定められた運転状況は、別の車両が別の車線から車両11が運転している車線に、そして車両11の前方の位置に車線を変更している状況401;車両11と一つ又は複数の他の車両とが交差点で同時に停止している状況403;並びに、歩行者が車両11の前方の道路上に立っているが、車両11の進路内に直接いない状況405と、を含む。一例として、ユーザは、車両11と一つ又は複数の他の車両とが交差点で同時に停止している状況403を選択し得る。
【0107】
状況403の選択に応答して、コンピューティングシステム14及びHMI109は、
図4Bに示される画面を表示することができ、それによりユーザが所望の車両応答モードを選択することが可能となる。
図4Bに列挙されたユーザ選択可能な車両応答モードは、
図4Aに示される画面から選択されるように、所与の予め定められた運転状況に対して特有なものとし得る。例えば、
図4Bに示される選択可能な応答モードは、
図4Aにおいて選択された特定の選択された予め定められた運転状況に対して応答する際のユーザの意図を表し得る。
【0108】
ユーザは、コンピューティングシステム14が本明細書に記載された手法で且つ車両が選択された予め定められた運転状況にあるとの判定に応じて自律的に車両応答モードを選択することを可能にするオプション410を与えられ得る。このオプションが選択された場合、車両応答モード並びに関連付けられた最初のインジケータ及び二番目のインジケータの選択が予め定められた運転状況に応じてコンピューティングシステムによって行われ得るため、コンピューティングシステムはHMI109を制御してメニューを終了し得る。そうでなければ、ユーザは、提示された車両応答モードのオプションのうちの1つを手動で選択してもよく、その後の画面で続行して予め定められた運転状況に応じて生成されるべき関連付けられた最初のインジケータ及び二番目のインジケータを選択してもよい。
【0109】
ユーザ選択可能な車両応答モードのオプションは、車両11の右に位置付けられた車両が車両11の前の交差点を通過することを可能にすること(オプション411);車両11の左に位置付けられた車両が車両11の前の交差点を通過することを可能にすること(オプション413);交差点で停止した全ての他の車両が車両11の前を進むこと(オプション415);及び車両11が交差点を通過する前に左折させるために反対側の車線において車両11に面して左折すること(オプション417)を含み得る。
図4A~
図4Dに示される各画面上のユーザ作動可能なリセット機能は、ユーザが画面によって制御されるパラメータをリセット又は「ゼロ化(zero out)」することを可能にし得る。これは、ユーザがパラメータ選択を変更することを可能にする。例えば、
図4Cにおける最初の応答モードのインジケータは、リセット機能を作動させて「ヘッドライトの点滅(遅い)」を取り消し、次いで「警笛を作動させる」を選択することにより、「ヘッドライトの点滅(遅い)」から「警笛を作動させる」に変更され得る。
【0110】
一例では、ユーザは、交差点において車両11の右側にある車両を先に進ませることを許容するオプション411を選択し得る。オプション411の選択に応答して、コンピューティングシステム14及びHMI109は、
図4Cに示される画面を表示し得る。これは、ユーザが、
図4Bに示される画面から選択されたユーザ選択の予め決められた車両応答モードに関連付けられた最初の制御モードのインジケータを選択することを可能にする。ユーザは、車両による生成のために一つ又は複数の最初のインジケータを選択し得る。複数の最初のインジケータが選択され且つ特定のインジケータが別のインジケータと競合している場合、この趣旨のメッセージがHMI画面に表示され得る。示される例では、ユーザは、第一の比較的遅い速度での車両のヘッドライトの点滅(421)と;第一の比較的遅い速度での車両のハイビームの点滅(423)と;車両の警笛の作動(425)と、を含む最初のインジケータから選択し得る。また、必要に応じて、選択のために他の最初のインジケータが提供され得る。一例では、ユーザは、最初のインジケータとして比較的遅い速度での車両のヘッドライトの断続的な点滅のためのオプション421を選択し得る。また、ユーザは、最初のインジケータが生成されることになる所定の期間427を選択し得る。一つ又は複数の配置構成では、ユーザは、3~5秒の範囲内の所定の期間を指定し得る。ユーザが期間の長さを指定しない場合、コンピューティングシステムは、デフォルトの長さ(例えば3秒)の所定の期間を実行するように構成され得る。
【0111】
ユーザが最初のインジケータの選択を終えたとき、ユーザは「完了」にタッチし得る。次いで、コンピューティングシステム14及びHMI109は、
図4Dに示される画面を表示することができ、二番目の制御モードのインジケータのユーザ選択が可能となる。ユーザが二番目のインジケータを指定することを望まない場合、ユーザは「完了」を押すか又は起動し得る。示される例では、ユーザは、第二の比較的速い速度での車両のヘッドライトの点滅(431)と;第二の比較的速い速度での車両のハイビームの点滅(433)と;車両の警笛の作動(435)と、を含む二番目のインジケータから選択し得る。また、必要に応じて、他の二番目のインジケータも選択のために提供され得る。一例では、ユーザは、より速い速度でのヘッドライトの断続的な点滅(431)及び車両の警笛の作動(435)を二番目のインジケータとして選択し得る。ユーザは、
図4Dの画面上で「完了」をタッチし得る。車両11と一つ又は複数の他の車両の両方が交差点で同時に停止している状況にあると車両11が判定されたとき、コンピューティングシステムは、最初のインジケータ及び二番目のインジケータを直ちに実行するように構成されている。(車両11及び一つ又は複数の他の車両が交差点で同時に停止している)予め定められた運転状況403及び(交差点において車両11の右側の車両を許容する)応答モード411のユーザの選択に応答して、車両11のセンサ及びコンピューティングシステムが、一つ又は複数の他の車両が車両11と交差路の交差点で同時に停止していること及び他の車両の一つが車両11の右の交差点で停止されることを検出した場合、ユーザ選択の車両応答モードがトリガされることになり、選択された応答モード411に関連し且つ
図4C及び
図4Dに示されるメニュー画面からユーザによって選択されたインジケータが生成されることになる。従って、選択された車両応答モードは、選択された予め定められた運転状況が検出されたときにのみ起動される。
【0112】
図5A~
図5Dは、車両の進路506に直接いるわけではないが、車両11の前方の道路504内に立っている歩行者502を検出すると、そのちょうど記載されたのと同じ手法で車両11を自律的に制御するように構成されたコンピューティングシステムの動作の例を示す。
図5Aでは、車両センサ28は、車両11が予め定められた運転状況にあるとの判定のために、道路504内の歩行者502及び運転状況の他の態様を検出するように構成され得る。ユーザの意図した応答の最初のインジケータとして、コンピューティングシステムは、歩行者502から所定の距離d1で停止し、この場所で停止したままになるように車両11を時間内に減速させるように構成され得る。
図5(b)では、車両11は、歩行者から所定の距離d1で停止している。一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステム14及びHMI109は、ユーザが距離d1を指定することを可能にするように構成され得る。一つ又は複数の配置構成では、ユーザが値を指定しない場合、コンピューティングシステムは、デフォルトの値を距離d1に割り当て得る。一つ又は複数の特定の配置構成では、デフォルトの値は、例えば、30メートル又は他の任意の適切な値とし得る。歩行者502は、歩行者502が通りを横切ることができるように、車両が停止し続けるとの指標として車両11の停止を知覚し得る。歩行者502が(例えば、歩行者502の不確実性又は注意散漫のために)通りを横切らない場合、コンピューティングシステムは、車両11が前進する前に歩行者502が道路504を横切るのを車両11が待っている(
図5C)ことを示すために歩行者502にヘッドライト73を断続的に点滅させることを含むユーザ選択の二番目のインジケータを自律的に生成し得る。その後、歩行者502は、通りを横切り得る(
図5D)。前述したように、コンピューティングシステム(例えば、コンピューティングシステム14など)は、インジケータのユーザ選択及びインジケータを生成するように設計された車両制御コマンドのその後のコンピュータシステム生成又は選択によって、本明細書に記載された様々なインジケータを生成するように構成され得る。
【0113】
図6A~
図6Dは、車両11が走行しており且つ車両11の前方にある隣接車線604から車線606へ移動しようと試みている別の車両602の検出時に、そのちょうど記載されたのと同じ手法で車両11を自律的に制御するように構成されたコンピューティングシステムの動作の一例を示す。車両センサ28は、他の車両602が車線を変更しようと試みているとの判定を可能にするために運転状況の識別態様を検出するように構成され得る。例えば、センサ28は、車線変更を希望することを示す車両602上の方向指示器の操作を検出し得る。或いは、センサ及びコンピューティングシステムは、車両11の前方を走行している間に、他の車両602が車両602の動きから車線606に向かって車線を変更しようと試みていると判定し得る。
【0114】
コンピューティングシステム14は、安全な車線変更を可能にするのに十分なスペースを他の車両602に提供することを車両11のユーザが望むことを車両602の運転者に伝達するように設計された応答モードを実行するように構成され得る。この意図を車両602の運転者に伝達するために、コンピューティングシステム14は、ユーザの意図の最初のインジケータとして、車両602による試みられた車線変更の判定時に減速するように構成され得る。これは、
図6Bに示されるように、車両11と車両11が追従している車両608との間の追従距離を増大させ得る。車両11が減速して追従距離を増大させた後、車両11は、最初のインジケータとして第一の速度でヘッドライト73を断続的に点滅させるように制御され得る。
【0115】
最初の制御モードの実行の開始後に第一の所定の期間が経過した後(すなわち、第一の速度でヘッドライトを点滅させる)、他の車両602が車線を車線606に変更し損なった場合、コンピューティングシステム14は、車両11が同じ予め定められた運転状況にあると判定し得る。これは、二番目の制御モードの実行の開始を指示し得る。
図6Cでは、このモードのために、コンピューティングシステム14は、二番目のインジケータとして、第一の速度よりも大きい第二の速度でヘッドライト73を断続的に点滅させるように車両11を制御するように構成され得る。また、コンピューティングシステム14は、警笛75を二番目のインジケータとして動作させるように車両11を制御するように構成され得る。二番目の制御モードのこの実行は、第二の所定の期間、又は(例えば、
図6Dに見られるように車両602が車線を変更したため)車両11がもはや同じ予め定められた運転状況にないとコンピューティングシステムが判定するまで、継続し得る。コンピューティングシステム14が、第二の所定の期間が終了したこと、又は(例えば、他の車両602がもはや隣接車線になく、車線変更を試みていると判定されたため)車両11がもはや同じ予め定められた運転状況にないことを検出したとき、条件付きの二番目の制御モードの実行は中止されることができ、車両制御が前述したようなデフォルト車両制御ルーチンに移行され得る。
【0116】
図7A~
図7Dは、
図7Aに示されるように、車両11と1つ又は複数の他の車両とが交差点702で停止していると判定されたときに、そのちょうど記載したのと同じ手法で車両11を自律制御するように構成されたコンピューティングシステムの動作の一例を示す。車両センサ28は、交差点702内の車両11の存在と、さらには交差路706内又は交差点702の反対側の車線710内に停止した一つ若しくは複数の他の車両(車両704など)の存在と、交差点で停止した車両に関する運転状況の他の態様と、を検出するように構成され得る。コンピューティングシステム14は、車両11が車両708に車両11の手前の交差点702を通過させるためのユーザの意図を車両11の右の停止車両708に伝達する車両応答モードを実行するように構成され得る。
図7Aでは、車両11は、その右の交差点において他の車両708を検出する。
図7Bでは、コンピューティングシステムは、最初の制御モードを実行することによって車両応答モードを実行するように車両11を制御する。一例では、最初の制御モードは、最初のインジケータとして、第一の速度でのヘッドライト730の断続的な点滅を指定するようにユーザによって構成され得る。最初の制御モードの実行の開始後に第一の所定の期間が経過した後、他の車両708が交差点702を通過し損なった場合、コンピューティングシステム14は、車両11が同じ予め定められた運転状況にあると判定し得る。これは、二番目の制御モードの実行の開始を指示し得る。このモードのために、コンピューティングシステム14は、二番目のインジケータとして、第一の速度よりも大きい第二の速度でヘッドライト73を断続的に点滅させること及び警笛75を動作させることの両方のために車両11を制御するように構成され得る。二番目の制御モードのこの実行は、第二の所定の期間、又は(例えば、
図7Dに見られるように、車両708が交差点に移動し始めたため)車両11がもはや同じ予め定められた運転状況にないとコンピューティングシステムが判定するまで、継続し得る。コンピューティングシステム14が、第二の所定の期間が終了したこと、又は車両11がもはや同じ予め定められた運転状況にないことを検出したとき、条件付きの二番目の制御モードの実行は中止されることができ、車両制御が前述したようなデフォルトの車両制御ルーチンに移行され得る。
【0117】
本発明のシステム及び方法の様々な態様が様々な特定の予め定められた運転状況の例を用いて説明されてきたが、本明細書に記載された原理は、望まれるように他の予め定められた運転状況に適合及び適用され得ることが理解されよう。
【0118】
一つ又は複数の配置構成では、車両11は、手動操作と少なくとも半自律操作との両方のために構成され得る。車両のコンピューティングシステム14は、ユーザによって選択可能な一つ又は複数の主要なインジケータ及び/又は二番目のインジケータを自律的に生成するように、車両のシステム及び要素がコンピューティングシステムによって制御可能とし得る限りにおいて、本明細書に記載されるようにユーザによって構成可能とし得る。例えば、車両11は、ユーザ選択の予め決められた車両応答モードに応じて車両のヘッドライト、ハイビーム及び警笛がコンピューティングシステム14によって自律的に制御され得る一方で、そうでなければ応答モードのインジケータのために使用可能な他の車両のシステム又は要素がコンピューティングシステムによって自律的に制御可能ではない場合があるように構成され得る。斯かる場合、ユーザは、ヘッドライト、ハイビーム、警笛、任意の他の利用可能な自律的に生成可能なインジケータを含む最初の制御モード及び二番目の制御モード(選択的)を含む車両応答モードを事前に選択し得る。
【0119】
一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステム14は、車両11がユーザ選択の予め定められた運転状況に入っているように見える(又は入った)ことを示す警告を車両11の運転者又は他のユーザに生成するように構成され得る。また、運転者が車両の制御を維持することができるように、又はデフォルトの車両制御ルーチンを用いて車両11が運転状況に自律的に応答することができるように、ユーザは以前に選択された予め決められた車両応答モードを無効にするオプションを提供され得る。
【0120】
一つ又は複数の配置構成では、コンピューティングシステム及びHMI109は、ユーザが最初の制御モードのみの動作を選択することを可能にするように構成され得る。次に、最初の制御モードの実行の開始後から所定の期間が経過した後、車両の制御は、二番目の制御モードを実行せずにデフォルトの車両制御ルーチンに移行し得る。
【0121】
別の動作モードでは、ユーザは、車両がその運転状況に遭遇したときに車両が自動的に応答することになる予め定められた運転状況を選択し得る。次に、車両が予め定められた運転状況のうちの一つに遭遇すると、コンピューティングシステム(車両のコンピューティングシステム14又は他のコンピューティングシステムなど)は、(車両応答モードの選択機能207を用いて)その特定の時間にその特定の予め定められた運転状況に応答するために用いられる車両応答モードを判定し得る。また、コンピューティングシステムは、コンピュータ選択の車両応答モードを実行する際に使用するためにコンピューティングシステムによって生成されることになる最初のインジケータを選択し得る。また、コンピューティングシステムは、コンピュータ選択の車両応答モードを実行する際に使用するためにコンピューティングシステムによって生成されることになる二番目のインジケータを選択し得る。この動作モードでは、コンピューティングシステムによって選択された一つ又は複数の最初のインジケータ及び/又は二番目のインジケータ(ヘッドライトなど)は、前述したように、車両の様々な部分でのコンピューティングシステムの動作によって実行され得る。さらに、コンピューティングシステムによって選択された一つ又は複数の最初のインジケータ及び/又は二番目のインジケータは、半自律又は手動運転モードで車両11を運転している人間の運転者によって実行され得る。これらインジケータは、コンピューティングシステムによる運転者への指示に応じて運転者によって実行され得る。その指示は、前述したように触覚フィードバックの性質のものとし得る。すなわち、コンピューティングシステムは、車両の運転者に対して触覚フィードバックを生成するように車両の動作を制御し得る。その触覚フィードバックは、運転者に車両の少なくとも一部を操作して車両応答モードの最初のインジケータの一つ又は複数及び/又は二番目のインジケータの一つ又は複数を生成するよう指示するように構成される。
【0122】
一つ又は複数の配置構成では、車両の人工知能(AI)及び/又は機械学習機能17は、所与の運転状況に応じて実行されることになる車両応答モード、最初のインジケータ及び二番目のインジケータのコンピュータ選択を補助するように構成され得る。車両動作パラメータ(ブレーキ状態など)及び環境状態(氷、霧、及び道路状態など)は、コンピューティングシステムによる最初のインジケータ及び/又は二番目のインジケータの選択に影響を与えることができ、また車両応答モードが運転状況に応じてコンピューティングシステムによって実行されることになるか否かにも影響を与えることができる。例えば、車両が交差点で停止している
図7A~
図7Dに示されるような運転状況では、コンピューティングシステム14による最初のインジケータの選択は、車両のセンサ28によって検出される周囲の光のレベルによって影響を受け得る。交差点における周囲の光のレベルが特に高い場合、コンピューティングシステム14は、車両11のヘッドライトの点滅が車両708の運転者に見えていない可能性があると判定し得る。この場合、高い周囲の光のレベルのために、コンピューティングシステムは、通常のヘッドライトの点滅ではなく、車両11のハイビームライトの点滅を最初のインジケータとして選択し得る。また、コンピューティングシステムは、(又は或いは)車両708の運転者の注意ができるだけ早く車両11に引き寄せられるようになることを確実にするのを助けるために、最初のインジケータとして車両の警笛の動作を選択し得る。
【0123】
別の例では、車両選択の車両応答モードが特定の手法で所与の運転状況に応答するための意図(必要ではないが)に基づいて裁量に任せられる応答とし得るため、コンピューティングシステムは、モードの実行が車両11及び/又は他の車両に対するリスクを増大させ得るような状態である場合、車両応答モードの選択を断念することを選択することができる。例えば、車両が不必要に減速又は停止することが勧められない状況(凍った又は視界の悪い状況など)にある場合、コンピューティングシステム14は、運転状況に特化した関連付けられた車両応答モードを選択及び実行することによって、検出された予め定められた運転状況に応答しないことを選択し得る。
【0124】
図8A及び
図8Bは、車両応答モードと、ユーザ選択の予め定められた運転状況の検出後に選択された車両応答モードを実行するために使用されるべき最初のインジケータ及び二番目のインジケータを選択する目的のために、コンピューティングシステムの実施形態(例えば、オンボードのコンピューティングシステム14又はオフボードのコンピューティングシステムなど)の動作を示すフロー図である。また、
図8A及び
図8Bは、ユーザ選択の予め定められた運転状況に対する選択された応答モードを車両の外部の人に示すためのコンピューティングシステムの動作を示す。
【0125】
ブロック1310では、コンピューティングシステムは、センサデータ及び/又は他の関連パラメータの査定に基づいて、車両11が現在のところユーザ選択の予め定められた運転状況にあると判定し得る。
【0126】
ブロック1315では、ブロック1310で検出されたユーザ選択の予め定められた運転状況は、コンピューティングシステムが車両応答モードを判定又は選択する目的のために、最新のユーザ選択の予め定められた運転状況になる。
【0127】
ブロック1317では、コンピューティングシステムは、前述した選択基準(又は他の基準)に従って、最新の予め定められた運転状況のための車両応答モードを選択し得る。また、コンピューティングシステムは、コンピュータ選択の車両応答モードの車両のユーザ又は乗員に警告し得る。
【0128】
ブロック1371では、コンピューティングシステムは、前述した選択基準(又は他の基準)に従って、選択された車両応答モードのための最初のインジケータを判定し得る。
【0129】
ブロック1372では、コンピューティングシステムは、前述した選択基準(又は他の基準)に従って、選択された車両応答モードのための二番目のインジケータを判定し得る。
【0130】
ブロック1373では、コンピューティングシステムは、前述したように、安全性及び他の考慮事項について、(選択された最初のインジケータ及び二番目のインジケータを含む)ユーザ選択の車両応答モードを評価し得る。選択された車両応答モードが実行されるべきではないとコンピューティングシステムが判定した場合、コンピューティングシステムは、HMI109を介してユーザと通信して、現在又は保留中の予め定められた運転状況では以前に選択された車両応答モードが実行されるべきではないことをユーザに知らせ得る。さらに、ブロック1375では、コンピューティングシステムは、ユーザ/乗員が現在又は保留中の予め定められた運転状況において選択された車両応答モードの実行を無効にすることを望むか否かを判定するために、車両のユーザ又は乗員に問い合わせ得る。ブロック1373及び1375は、同時に実行されてもよい。
【0131】
ブロック1377では、コンピューティングシステムは、コンピューティングシステム14によって又はユーザによって、選択された車両応答モードの実行が無効にされているか否かを判定し得る。
【0132】
選択された車両応答モードが無効にされている場合、車両制御は、(ブロック1350において)半自律モード又は手動モードで人間の運転者に移行し得る。しかしながら、選択された車両応答モードが無効にされていない場合、コンピューティングシステムは、(ブロック1320において)最新の予め定められた運転状況のためのコンピュータ選択の車両応答モードに関連付けられたコンピュータ選択の最初の制御モードを実行し得る。選択された最初の制御モードを実行するために、コンピューティングシステムは、最初の制御モードに関連付けられたコンピュータ選択の最初のインジケータ(例えば、点滅するヘッドライト又は車両の警笛の動作)を生成するように設計された車両制御コマンドを生成及び実行し得る。
【0133】
ブロック1325では、コンピューティングシステムは、車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し得る。車両のセンサデータ及び他の運転状況パラメータは、それが発生するとすぐに運転状況の変化を検出するために連続的にコンピューティングシステムによって監視され得る。運転状況の変化を示し得るセンサデータ又はパラメータの変化は、センサ28を用いて監視され得る。コンピューティングシステムは、運転状況の変化を検出するために取得した情報を解釈するように構成され得る。コンピューティングシステムは、他の車両又は車両11の外部の人による動作に応じて運転状況の変化を記録するように構成され得る。例えば、車両11と別の車両の両方が交差点で停止している状況では、コンピューティングシステムは、最初の車両応答モードの実行の開始後に他の車両が交差点を通過し始めたときに運転状況が変化したと判定し得る。別の例では、歩行者が車両11の前方の道路にいる
図5A~5Dに示されるような状況では、コンピューティングシステムは、最初の制御モードの実行の開始後に歩行者が道路を横断し始めたときに運転状況が変化したと判定し得る。運転状況の斯かる変化は、コンピューティングシステム14によって、他の人が最初のインジケータを知覚し且つユーザによって所望及び予測される手法で行動することによってインジケータを認識したことの兆候として解釈され得る。同様に、最初の制御モードの実行の開始後に他の車両又は歩行者の動きが検出されない場合、コンピューティングシステムは、他の人が最初のインジケータを知覚していないか、又は何らかの他の理由で、車両11のユーザによって意図された手法でインジケータに対して応答していないと判定し得る。
【0134】
ブロック1330では、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、コンピューティングシステムは、最初の制御モードの実行の開始後に第一の所定の期間が経過したか否かを判定し得る。車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にあり且つ最初の制御モードの実行の開始後に第一の所定の期間が経過していない場合、コンピューティングシステムはブロック1320に記載されるように最初の制御モードの実行を継続し得る。
【0135】
ブロック1335では、車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にあり且つ第一の所定の期間が経過したとコンピューティングシステムが判定した場合、予め定められた運転状況は最初の制御モードの実行の開始後の期間中に変化していない。次に、ブロック1335では、車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にあり且つ第一の所定の期間が経過したとコンピューティングシステムが判定した場合、コンピューティングシステムは、最初の制御モードを実行する代わりに、最新の予め定められた運転状況のための車両応答モードに関連付けられたコンピュータ選択の二番目の制御モードを実行し得る。二番目の制御モードは、ブロック1372においてコンピューティングシステムによって選択された二番目のインジケータを備え得る。
【0136】
一つ又は複数の配置構成では、二番目の制御モードは、コンピュータ選択の最初の制御モードによって指定されたものと同じインジケータを同じ強度レベルで指定し得る。したがって、二番目の制御モードは、最初の制御モードで見られるインジケータの生成を継続することによって、最初の制御モードで見られるのと同じ強度レベルで実行し得る。
【0137】
一つ又は複数の配置構成では、二番目の制御モードは、最初の制御モードで指定されたものとは異なる強度レベルで、最初の制御モードと同じインジケータのうちの一つ又は複数を指定し得る。したがって、二番目の制御モードは、最初の制御モードに見られる一つ又は複数のインジケータの生成を継続することによって実行され得るが、一つ又は複数のインジケータの強度レベルを変えることによっても実行され得る。例えば、第一の比較的遅い速度での車両のヘッドライト73の断続的な点滅が最初のインジケータとして指定される場合、車両の外部の人の注意を引き付けるため且つ最新の予め定められた運転状況に対するユーザの意図した応答を強調するための更なる試みとして、第二の比較的速い速度での車両のヘッドライト73の断続的な点滅ことが二番目のインジケータとして指定され得る。
【0138】
一つ又は複数の配置構成では、二番目の制御モードは、最初の制御モードと同じインジケータのいくつか(又はなし)、また一つ又は複数の追加のインジケータ又は異なるインジケータを指定し得る。したがって、二番目の制御モードは、最初の制御モードで指定された一つ又は複数の最初のインジケータの生成を継続することによって、また追加のインジケータ又は異なるインジケータを生成することによっても実行され得る。例えば、車両のヘッドライトの断続的な点滅が最初のインジケータとして指定されている場合、車両の外部の人の注意を引き付けるため且つ最新の予め定められた運転状況に対するユーザの意図した応答を強調するための更なる試みとして、車両のヘッドライトの断続的な点滅、及び音を出すための車両の警笛の操作の両方が二番目のインジケータとして指定され得る。
【0139】
ブロック1340では、コンピューティングシステムは、車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し得る。車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にある場合、コンピューティングシステムは、(ブロック1345において)二番目の制御モードの実行の開始後に第二の所定の期間が経過したか否かを判定し得る。車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にあり且つ第二の所定の期間が二番目の制御モードの実行の開始後に経過していない場合、コンピューティングシステムはブロック1335に記載されるように二番目の制御モードの実行を継続し得る。
【0140】
しかしながら、車両11が依然として最新の予め定められた運転状況にあり且つ二番目の制御モードの実行の開始後に第二の所定の期間が経過した場合、コンピューティングシステムは、車両の外部の人が依然として最初のインジケータ及び/若しくは二番目のインジケータを知覚していないか、又は、他の何らかの理由で、望ましい手法でインジケータに対して応答することを計画していないと判定し得る。この場合、コンピューティングシステムは、(ブロック1350において)条件付きの二番目の制御モードの実行を中止し(すなわち、二番目のインジケータの生成を停止する)、手動又は半自律運転モードで、人間の運転者に車両制御を移行し得る。
【0141】
ブロック1325に戻って、車両11が依然として最新のユーザ選択の予め定められた運転状況にない場合、コンピューティングシステムは、(ブロック1355において)車両11が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にあるか否かを判定し得る。他のユーザ選択の予め定められた運転状況は同じ種類の状況でもあってもよいし、又は他の状況は異なる種類の状況でもあってもよい。
【0142】
コンピューティングシステムは、車両11が別のユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたコンピュータ選択の車両応答モードを実行するように構成され得る。他のユーザ選択の既定の運転状況に関連付けられた車両応答モードは、他のユーザ選択の既定の運転状況に関連付けられた選択された車両応答モードの一つ又は複数のコンピュータ選択の最初のインジケータを指定する最初の制御モードを含み得る。また、他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた車両応答モードは、他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられたコンピュータ選択の車両応答モードのための一つ又は複数のコンピュータ選択の二番目のインジケータを指定する条件付きの二番目の制御モードを含み得る。他のユーザ選択の予め定められた運転状況に関連付けられた選択された車両応答モードのための一つ又は複数の最初のインジケータ及び一つ又は複数の二番目のインジケータは、車両の外部の人によって知覚可能であるように構成され得る。
【0143】
車両11が現在のところ別のユーザ選択の予め定められた運転状況にある場合、コンピューティングシステムは、関連付けられたコンピュータ選択の応答モードに従って運転状況に対して応答する目的のために、(ブロック1360において)他のユーザ指定の予め定められた運転状況を新しい最新のユーザ指定の予め定められた運転状況として設定し得る。制御は次にブロック1317に進むことができ、最新の(他の)予め定められた運転状況のための車両応答モードがコンピューティングシステムによって判定される。
【0144】
しかしながら、車両11が別のユーザ選択の予め定められた運転状況にないと判定された場合、最初の制御モードの実行は中止されることができ(すなわち、最初のインジケータの生成が停止され)、制御は(ブロック1350において)手動又は半自律運転モードにおいて人間の運転者に移行し得る。
【0145】
図8Bは、上述のように、ブロック1320における最初の制御モードの実行及びブロック1335における二番目の制御モードの実行を示すフロー図である。前述したように、最初の制御モードは、(ブロック1320bにおいて)車両の部分を自律的に制御することによって又は(ブロック1320aにおいて)最初のインジケータを生成するように車両を制御することを(触覚フィードバック又は他のフィードバックを通じて)運転者に指示することによって、最初のインジケータを生成することによって実行され得る。同様に、二番目の制御モードは、(ブロック1335bにおいて)車両の部分を自律的に制御することによって又は(ブロック1335aにおいて)最初のインジケータを生成するように車両を制御することを人間の運転者に指示することによって、二番目のインジケータを生成することによって実行され得る。運転者に対する触覚フィードバックは、ハンドル、ブレーキ及びアクセルペダル、車両シート、並びに運転者と通常接触する車両の任意の他の部分などの要素を介して生成され得る。さらに、他の種類のフィードバック(聴覚又は視覚など)が、HMI109又は他の手段を介して提供され得る。他の種類のフィードバックは、一つ又は複数の最初のインジケータ又は二番目のインジケータを生成するように、他の車両要素又はシステムの運転者の操作を指示し得る。例えば、聴覚メッセージは、車両応答モードの最初のインジケータ又は二番目のインジケータとして、車両のヘッドライトを点滅させるように運転者に指示するHMIを通して生成され得る。
【0146】
一例として、
図5A~
図5Bにおいて、コンピューティングシステムは、運転者に、アクセルペダル20aから圧力を除去し且つ歩行者502からの距離d1又はその近くで車両11を停止させるのに十分な圧力をブレーキペダル22aに加えるように指示することを目的として、アクセルペダル20a及び/又はブレーキペダル22aを通じて、人間の運転者に触覚フィードバックを生成し得る。
図5cに示されるように、コンピューティングシステムは次に、ヘッドライト73を作動させて、車両11が停止したままであり且つ歩行者が通りを横切って進むべきであることを歩行者502に示し得る。
【0147】
別の例では、
図6A及び
図6Bにおいて、コンピューティングシステムは、車両11が減速し且つ車両608の後方の車間距離が増加するように人間の運転者にアクセルへの圧力を下げるよう促すために、アクセルペダル20a及び/又はブレーキペダル22aを通じて人間の運転者に対する触覚フィードバックを生成し得る。コンピューティングシステムは、増大した追従距離を維持するように人間の運転者に促すために、アクセルペダル20a及び/又はブレーキペダル22aを通じて運転者に対する触覚フィードバックを生成し得る。また、コンピューティングシステムは、(
図6Bにおいて)車両のヘッドライトを操作して、彼が車線を車線604から車線606に変更していることを車両602の運転者にさらに示し得る。
【0148】
また、ちょうど説明したステップ1310~1377と並行して、コンピューティングシステム14は、前述した車両応答モードのユーザ割り込み機能のユーザ選択を監視するように構成され得る。すなわち、ブロック1320における車両応答モードの実行の開始と同時に、コンピューティングシステムは、(ブロック1307において)ユーザ割り込みの選択を可能にする双方向プロンプトをユーザ選択のために表示し得る。
図8及び
図8Aに示される他のブロックの実行中、コンピューティングシステムは、割り込みのユーザ選択を継続的に監視し得る。割り込みが選択されるとすぐに(選択される場合)、コンピューティングシステムは直ちに(ブロック1308において)車両応答モードの実行を中止することができ、(ブロック1350において)車両制御を人間の運転者に移行することができる。
【0149】
前述の開示を読めば当業者には理解されるように、本明細書に記載された様々な態様は、方法、コンピュータシステム、又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、それら態様は、完全なハードウェアの実施形態、完全なソフトウェアの実施形態、又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとり得る。さらに、斯かる態様は、本明細書に記載された機能を実行するための記憶媒体内又は上に具体化された、コンピュータ可読プログラムコード又は命令を有する一つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体によって記憶されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置、磁気記憶装置、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体が利用され得る。さらに、本明細書に記載されるようなデータ又はイベントを表す様々な信号は、金属ワイヤ、光ファイバ、及び/又は無線伝送媒体(例えば、空気及び/又は空間)などの信号伝達媒体を通って電磁波の形態で発信源と宛先との間で転送され得る。
【0150】
上記は本発明の様々な実施形態の単なる詳細な説明であり、開示された実施形態に対する多数の変更が本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく本明細書の開示に従ってなされ得ることを理解されたい。したがって、本開示は、これら実施形態に限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる様々な修正形態及び等価の構成を網羅することが意図され、その範囲は法律下で許容される全ての斯かる修正形態及び等価な構造を包含するように最も広い解釈を与えられるべきである。