(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】光線方向制御装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/167 20190101AFI20230412BHJP
G02F 1/1676 20190101ALI20230412BHJP
【FI】
G02F1/167
G02F1/1676
(21)【出願番号】P 2019110965
(22)【出願日】2019-06-14
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2018199435
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303018827
【氏名又は名称】Tianma Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】塩田 国弘
(72)【発明者】
【氏名】住吉 研
(72)【発明者】
【氏名】城川 政宜
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062091(JP,A)
【文献】特開2016-062092(JP,A)
【文献】国際公開第2015/141740(WO,A1)
【文献】特開2012-022295(JP,A)
【文献】特開2002-162650(JP,A)
【文献】特開2007-206373(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0173030(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0007487(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0027259(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0002220(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/15-1/19
G02F 1/13
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過する光の角度範囲を制御する光線方向制御装置であって、
第1の方向において交互に配列された、第1上部電極及び第2上部電極と、
前記第1の方向と交差する第2の方向において交互に配列された、第1下部電極及び第2下部電極と、
前記第1上部電極と前記第2上部電極からなる上部電極群と、前記第1下部電極と前記第2下部電極からなる下部電極群と、の間に
前記第1の方向及び前記第2方向に配列されている、
複数の光透過領域と、
前記
複数の光透過領域の間の空間に収容されている有色電気泳動粒子及び分散媒と、
を含み、
前記第1上部電極は、それぞれ、前記
複数の光透過領域の間の空間に沿って延び、
前記第2上部電極は、それぞれ、前記
複数の光透過領域内の光透過領域の列に沿って延び、
前記第1下部電極は、それぞれ、前記
複数の光透過領域内の光透過領域の間の空間に沿って延び、
前記第2下部電極は、それぞれ、前記
複数の光透過領域の列に沿って延びている、
光線方向制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光線方向制御装置であって、
前記第1上部電極と前記第2上部電極とは異なる層に配置されており、
前記第1上部電極と前記第2上部電極との間に、絶縁層が配置されている、
光線方向制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光線方向制御装置であって、
隣接する前記第1上部電極の一部と前記第2上部電極の一部とは、平面視において、重なっている、
光線方向制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の光線方向制御装置であって、
前記第1上部電極、前記第2上部電極、及び前記第1上部電極と前記第2上部電極との間に配置されている前記絶縁層とを覆うように、絶縁層が配置されている、
光線方向制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光線方向制御装置であって、
前記第1下部電極と前記第2下部電極とは異なる層に配置されており、
前記第1下部電極と前記第2下部電極との間に、絶縁層が配置されている、
光線方向制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光線方向制御装置であって、
隣接する前記第1下部電極の一部と前記第2下部電極の一部とは、平面視において、重なっている、
光線方向制御装置。
【請求項7】
請求項5に記載の光線方向制御装置であって、
前記第1下部電極、前記第2下部電極、及び前記第1下部電極と前記第2下部電極との間に配置されている前記絶縁層とを覆うように、絶縁層が配置されている、
光線方向制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の光線方向制御装置であって、
前記第1上部電極は第1上部櫛状電極の一部であり、
前記第2上部電極は第2上部櫛状電極の一部であり、
前記第1下部電極は第1下部櫛状電極の一部であり、
前記第2下部電極は第2下部櫛状電極の一部である、
光線方向制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の光線方向制御装置であって、
前記光透過領域それぞれの平面視における形状は、直角と異なる内角を有する平行四辺形である、
光線方向制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載の光線方向制御装置であって、
電圧印加回路をさらに含み、
前記電圧印加回路は、
第1モードにおいて、前記第1上部電極、前記第2上部電極及び前記第1下部電極に第1電位を与え、前記第2下部電極に前記第1電位と異なる第2電位を与え、
第2モードにおいて、前記第1上部電極、前記第1下部電極及び前記第2下部電極に第3電位を与え、前記第2上部電極に前記第3電位と異なる第4電位を与え、
第3モードにおいて、前記第1上部電極、前記第2上部電極、前記第1下部電極及び前記第2下部電極に同電位を与え、
第4モードにおいて、前記第1上部電極及び前記第2上部電極に第5電位を与え、前記第1下部電極及び前記第2下部電極に前記第5電位と異なる第6電位を与える、
光線方向制御装置。
【請求項11】
請求項1に記載の光線方向制御装置と、
前記光線方向制御装置を制御する制御回路と、を含む電子機器であって、
前記制御回路は、
前記電子機器の姿勢を検出し、
前記姿勢に基づき、前記光線方向制御装置の前記第1上部電極、前記第2上部電極、前記第1下部電極及び前記第2下部電極に印加する電位を制御する、
電子機器。
【請求項12】
請求項1に記載の光線方向制御装置であって、
前記第1上部電極と前記第2上部電極とを覆うように、絶縁層が配置されている、
光線方向制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光線方向制御装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ATM(Automatic Teller Machine)、パーソナルコンピュータ等といった種々の情報処理装置において用いられており、近年では、可視範囲の広い表示装置が実用化されている。
【0003】
こうした表示装置としては、例えば液晶表示装置やOLED(Organic Light Emitting Diode)表示装置がある。例えば、情報漏洩の観点から、他人に覗き込まれないように可視範囲を制限したいという要求や、不必要な方向には光を出射しないようにしたいとの要求がある。これに応える光学素子としては、表示装置の可視範囲(又は出射範囲)を制限することが可能な光学フィルムが提案され実用化されている。
【0004】
しかし、上記光学フィルムを採用した液晶表示装置においては、複数の方向から同時に表示装置を見る場合に、該光学フィルムをその都度取り外す必要がある。このことは、ユーザに煩雑な処理を課すと共に時間のロスを招くため、取り外す手間を掛けることなく、広い可視範囲と狭い可視範囲の各状態を容易に実現したい、という要求が高まっている。
【0005】
このため、かかる要求に応じて、表示装置の可視範囲を広視野角と狭視野角との間で切り替え可能な光線方向制御素子が提案されている。このような光線方向制御素子に関する技術として、米国特許第7751667号(特許文献1)、及び国際公開第2015/122083号(特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7751667号
【文献】国際公開第2015/122083号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表示装置や光源装置は様々な態様で利用され得るため、表示装置の可視範囲や光源装置の照射範囲を、複数の軸に沿って制御することができる光線方向制御装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示における一態様は、透過する光の角度範囲を制御する光線方向制御装置であって、前記第1の方向において交互に配列された、第1上部電極及び第2上部電極と、前記第1の方向と交差する第2の方向において交互に配列された、第1下部電極及び第2下部電極と、前記第1上部電極と前記第2上部電極からなる上部電極群と、前記第1下部電極と前記第2下部電極からなる下部電極群と、の間に配置されている、光透過領域と、前記光透過領域の間の空間に収容されている有色電気泳動粒子及び分散媒と、を含む。前記第1上部電極は、それぞれ、前記光透過領域の間の空間に沿って延びている。前記第2上部電極は、それぞれ、前記光透過領域の列に沿って延びている。前記第1下部電極は、それぞれ、前記光透過領域の間の空間に沿って延びている。前記第2下部電極は、それぞれ、前記光透過領域の列に沿って延びている。
【発明の効果】
【0009】
本開示における一態様の光線方向制御装置は、複数の軸に沿って透過光の角度範囲を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】広視野角状態の光線方向制御パネルを示す断面図である。
【
図1B】狭視野角状態の光線方向制御パネルを示す断面図である。
【
図2】光線方向制御パネルが示すことができる異なる視野角モードを示す。
【
図3A】光線方向制御パネルに含まれる、上部櫛状電極、下部櫛状電極及び光透過領域の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図3B】
図3Aにおける上部櫛状電極及び下部櫛状電極の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図3C】
図3Aにおける光透過領域の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図3D】
図3Aにおける光透過領域の構成を模式的に示す平面図である。
【
図4A】第1上部櫛状電極、第2上部櫛状電極、第1下部櫛状電極、及び第2下部櫛状電極を模式的に示す平面図である。
【
図4B】
図4Aにおける第1上部櫛状電極及び第2上部櫛状電極を示す平面図である。
【
図4C】
図4Aにおける第1下部櫛状電極及び第2下部櫛状電極を示す平面図である。
【
図5】
図4Aに示すV-V切断線での、光線方向制御パネルの断面構造を模式的に示す。
【
図6】
図4Aに示すVI-VI切断線での、光線方向制御パネルの断面構造を模式的に示す。
【
図7】1D左右狭視野角モードにおける光吸収部の平面図である。
【
図8】1D左右狭視野角モードにおける光吸収部の斜視図である。
【
図9】
図8のIX-IX切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図10】
図8のX-X切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図11】1D上下狭視野角モードにおける光吸収部の平面図である。
【
図12】1D上下狭視野角モードにおける光吸収部の断面図である。
【
図13】
図12のXIII-XIII切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図14】
図12のXIV-XIV切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図15】2D狭視野角モードにおける光吸収部の平面図である。
【
図16】2D狭視野角モードにおける光吸収部の断面図である。
【
図17】
図16のXVII-XVII切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図18】
図16のXVIII-XVIII切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図19】広視野角モードにおける光吸収部の平面図である。
【
図20】広視野角モードにおける光吸収部の断面図である。
【
図21】
図20のXXI-XXI切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図22】
図20のXXII-XXII切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図23】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図24】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図25】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図26】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図27】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図28】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図29】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図30】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図31】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図32】光線方向制御パネルの他の構成例の断面図を示す。
【
図33】光線方向制御パネルの他の構成例における、第1上部櫛状電極、第2上部櫛状電極、第1下部櫛状電極、及び第2下部櫛状電極を模式的に示す平面図である。
【
図34】
図33のXXVIII-XXVIII切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図35】
図33のXXIX-XXIX切断線における、光線方向制御パネルの断面図である。
【
図36】光線方向制御パネルの他の構成例における光透過領域を模式的に示す平面図である。
【
図37】光線方向制御パネルの他の構成例における、第1上部櫛状電極、第2上部櫛状電極、第1下部櫛状電極、及び第2下部櫛状電極を模式的に示す平面図である。
【
図38A】表示パネル及び光線方向制御パネルを含む携帯端末の機能を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を説明する。本実施形態は本開示を実現するための一例に過ぎず、本開示の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。各図において共通の構成については同一の参照符号が付されている。また、図面に描かれた形状は、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致しない。各図において、複数の同一種構成要素において、それらの一部のみが符号で指示されることがある。
【0012】
〔光線方向制御パネルの動作原理〕
図1A及び1Bは、光線方向制御パネル(光線方向制御装置の例)の動作原理を模式的に示す断面図である。光線方向制御パネルは、透過する光の角度範囲を制御する。
図1Aは、広視野角状態の光線方向制御パネル10を示す断面図である。
図1Bは、狭視野角状態の光線方向制御パネル10を示す断面図である。X軸は、光線方向制御パネル10の主面(光が出射する面)に平行であり、Z軸は主面に垂直であって、積層方向に沿っている。
【0013】
光線方向制御パネル10は、例えば、表示装置に実装される。光線方向制御パネル10は、表示パネルの前側又はバックライトユニットと表示パネルとの間に配置される。光線方向制御パネル10は、広視野角状態と狭視野角状態とを切り替えることで、表示装置の視野角を変更することができる。
【0014】
なお、以下において、画像がユーザによって視認される側、つまり、光が向かって行く側を前側、その反対側を後側と呼ぶ。また、前側の面つまり前面の反対面を、後面又は背面と呼ぶ。光線方向制御パネル10の積層構造において、前側を上側、後側を下側と呼ぶ。なお、光線方向制御パネル10は、表示装置と異なる装置、例えば光源装置の調光装置に適用してもよい。
【0015】
図1A及び1Bに示すように、光線方向制御パネル10は、電極12及び15を含む。後述するように、本実施形態の光線方向制御パネル10は、特定構成の電極を有する。
図1A及び1Bにおいて、電極12及び15は、光線方向制御パネル10の動作の概要を説明するために、簡略化して示されている。
【0016】
相互に対向する電極12と電極15の間に、光透過領域13と透過光制御領域14が配置されている。光透過領域13は透明材料、例えば透明樹脂で構成されている。透過光制御領域14は光透過領域13の間の領域であり、それぞれ光透過領域13の間に形成されている複数の溝で構成されている。透過光制御領域14は、有色の電気泳動粒子140及びその分散媒141を収容している。電気泳動粒子140は、例えば黒であり、正又は負に帯電している。
【0017】
上述のように、
図1Aは広視野角状態を示す。電気泳動粒子140は、電極15近傍において集中している。
図1Bは狭視野角状態を示す。電気泳動粒子140は、分散媒141(透過光制御領域14)内で略均等に分散している。光線方向制御パネル10は、電気泳動粒子140の分布状態を変化させることで、表示画像が観察できる視野角の狭視野角と広視野角とを切り替える。
【0018】
上述のように、電気泳動粒子140は、正又は負に帯電している。光線方向制御パネル10は、透明電極12及び15の間に電界を印加し、電気泳動粒子140を一方の電極、
図1Aの例において電極15の近傍に集中させることにより広視野角状態を達成する。例えば、電気泳動粒子140が負に帯電している場合、電位が低い電極(負極)から離れ、電位が高い電極(正極)の近傍に集中する。一方、透明電極12及び15の間に電界が存在しない場合、電気泳動粒子140は互いの反発力により分散媒141(透過光制御領域14)において拡散し、狭視野角状態が達成される。
【0019】
〔視野角モード〕
図2は、本実施形態の光線方向制御パネル10が示すことができる異なるモード(視野角モード)を示す。本実施形態の光線方向制御パネル10は、複数の軸に沿って透過光の角度範囲を制御することができる。具体的には、光線方向制御パネル10は、
図2に示す四つのモード20A~20Dの任意のモードから他の任意のモードに切り替わることができる。
【0020】
図2において、Y軸は、光線方向制御パネル10の主面に沿ってX軸に垂直である。
図2に示す例において、透過光制御領域14は、X軸に沿った方向の延び、Y軸に沿った方向に配列された溝と、Y軸に沿った方向の延び、X軸に沿った方向に配列された溝とを含む。
【0021】
モード20Aにおいて、光線方向制御パネル10の可視範囲(視野角)は、
図2における左右方向(X軸に沿った方向)において狭く、上下方向(Y軸に沿った方向)において広い。つまり、光線方向制御パネル10は、左右方向において狭視野状態であり、上下方向において広視野状態である。このモードを、1D左右狭視野角モード(第1モード)と呼ぶ。
【0022】
モード20Aにおいて、透過光制御領域14における一部が光吸収状態であり、他の一部が光透過状態である。
図2において、複数の光吸収部145Aは、左右方向に配列されており、それぞれ上下方向に直線状に延びている。
【0023】
モード20Bにおいて、光線方向制御パネル10の可視範囲(視野角)は、
図2における上下方向において狭く、左右方向において広い。つまり、光線方向制御パネル10は、上下方向において狭視野状態であり、左右方向において広視野状態である。このモードを、1D上下狭視野角モード(第2モード)と呼ぶ。
【0024】
モード20Bにおいて、透過光制御領域14における一部が光吸収状態であり、他の一部が光透過状態である。
図2において、複数の光吸収部145Bは、上下方向に配列されており、それぞれ左右方向に直線状に延びている。
【0025】
モード20Cにおいて、光線方向制御パネル10の可視範囲(視野角)は、
図2における上下方向及び左右方向において狭い。つまり、光線方向制御パネル10は、上下方向及び左右方向において狭視野状態である。このモードを、2D狭視野角モード(第3モード)と呼ぶ。状態20Cにおいて、透過光制御領域14の全域が光吸収状態である、つまり、光吸収部145Cである。光吸収部145Cは格子状であり、光吸収部145A及び光吸収部145Bで構成されている。
【0026】
モード20Dは、光線方向制御パネル10の可視範囲(視野角)は、左右方向及び上下方向の双方(任意方向)において広い。つまり、光線方向制御パネル10は、上下方向及び左右方向において広視野状態である。このモードを、広視野角モード(第4モード)と呼ぶ。モード20Dにおいて、透過光制御領域14の全域が光透過状態である。
【0027】
〔光線方向制御パネルの構成〕
図3Aは、光線方向制御パネル10に含まれる、上部櫛状電極、下部櫛状電極及び光透過領域の構成を模式的に示す斜視図である。
図3Bは、
図3Aにおける上部櫛状電極及び下部櫛状電極の構成を模式的に示す斜視図である。
図3C及び3Dは、それぞれ、
図3Aにおける光透過領域の構成を模式的に示す斜視図及び平面図(上面図)である。
【0028】
光線方向制御パネル10は、第1上部櫛状電極(導電膜パターン)201、第2上部櫛状電極(導電膜パターン)202、第1下部櫛状電極(導電膜パターン)203、及び第2下部櫛状電極(導電膜パターン)204を含む。
【0029】
第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202は前側(光出射側)の電極であり、第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204は後側(光入射側)の電極である。上部櫛状電極群と下部櫛状電極群の間に、複数の光透過領域13が及びそれらの間の透過光制御領域14が存在している。第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202は上部櫛状電極群に含まれ、第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204は下部櫛状電極群に含まれる。
【0030】
第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204は、例えば、それぞれ透明電極である。
図3A及び3Bに示す構成例において、第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204は、それぞれ、櫛状である。
【0031】
第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202はX軸に沿って向かい合っている。それぞれの歯(電極)212及び222は、X軸に沿って(第1の方向において)延びており、Y軸にそって交互に配列されている。後述するように、歯212及び222は、それぞれ、電気泳動粒子140への電界を生成するための電極である。
【0032】
第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204はY軸に沿って向かい合っている。それぞれの歯(電極)232及び242が、Y軸に沿って(第2の方向において)延びており、X軸にそって交互に配列されている。後述するように、歯232及び242は、それぞれ、電気泳動粒子140への電界を生成するための電極である。
【0033】
歯212及び222は、それぞれ上部電極であり、上部電極群に含まれる。例えば、歯212は第1上部電極であり、歯212は第2上部電極である。歯232及び242は、それぞれ下部電極であり、下部電極群に含まれる。例えば、歯232は第1下部電極であり、歯242は第2下部電極である。
【0034】
第1上部櫛状電極201の歯212は、透過光制御領域14に沿って延びている。第2上部櫛状電極202の歯222は、光透過領域13の列に沿って延びている。第1下部櫛状電極203の歯232は、透過光制御領域14に沿って延びている。第2下部櫛状電極204の歯242は、光透過領域13の列に沿って延びている。
【0035】
光透過領域13は、可視光に対して透明な領域であり、例えば、透明樹脂の柱である。
図3A、3C及び3Dに示すように、複数の光透過領域13は、マトリックス状に配置されている。本例において、光透過領域13は、上下面が正方向の柱状である。光透過領域13の間の領域が透過光制御領域14であり、分散媒141及び電気泳動粒子140からなる電気泳動材料で満たされている。
【0036】
図3A、3C及び3Dに示す例において、光透過領域13は同一形状を有し、上下左右方向に等しいピッチで配置されている。平面視における光透過領域13のパターンは、
図3Dに示す例に限定されない。例えば、光透過領域13の上下面は円形又は4より多くの角を持つ多角形であってもよく、辺の長さも任意である。光透過領域13の一部の形状は、他の一部の形状と異なっていてもよい。光透過領域13は、例えば、千鳥配置されていてもよい。
【0037】
図4Aは、第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204を模式的に示す平面図である。
図4Bは、
図4Aにおける第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202を示す平面図である。
図4Cは、
図4Aにおける第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204を示す平面図である。
【0038】
第1上部櫛状電極201は、離間してY軸に沿って配列された歯212と、歯212を連結する連結部211とを含む。歯212は同一形状であり等ピッチで配列されている。連結部211は、Y軸に沿って延びている。歯212は、それぞれ、連結部211から対向する第2上部櫛状電極202に向かってX軸に沿って延びている。歯212は、直線状である。
【0039】
第1上部櫛状電極201は連続する1枚の透明導電膜であって、歯212及び連結部211は、その一部である。各歯212も、電極と呼ぶ。なお、連結部211は省略され、歯212それぞれの電位が個別に制御されてもよい。歯212の形状は共通でなくともよく、隣接する歯212の間隔は一定でなくてもよい。
【0040】
第2上部櫛状電極202は、離間してY軸に沿って配列された歯222と、歯222を連結する連結部221とを含む。歯222は同一形状であり等ピッチで配列されている。連結部221は、Y軸に沿って延びている。歯222は、それぞれ、連結部221から対向する第1上部櫛状電極201に向かってX軸に沿って延びている。歯222は、直線状である。
【0041】
第2上部櫛状電極202は連続する1枚の透明導電膜であって、歯222及び連結部221は、その一部である。各歯222も、電極と呼ぶ。なお、連結部221は省略され、歯222それぞれの電位が個別に制御されてもよい。歯222の形状は共通でなくともよく、隣接する歯222の間隔は一定でなくてもよい。
【0042】
第1上部櫛状電極201の歯212及び第2上部櫛状電極202の歯222は、Y軸に沿って交互に配列されている。上述のように、歯212は透過光制御領域14に沿って延びており、歯222は光透過領域13の列に沿って延びている。
【0043】
第1下部櫛状電極203は、離間してX軸に沿って配列された歯232と、歯232を連結する連結部231とを含む。歯232は同一形状であり等ピッチで配列されている。連結部231は、X軸に沿って延びている。歯232は、それぞれ、連結部231から対向する第2下部櫛状電極204に向かってY軸に沿って延びている。歯232は、直線状である。
【0044】
第1下部櫛状電極203は連続する1枚の透明導電膜であって、歯232及び連結部231は、その一部である。各歯232も、電極と呼ぶ。なお、連結部231は省略され、歯232それぞれの電位が個別に制御されてもよい。歯232の形状は共通でなくともよく、隣接する歯232の間隔は一定でなくてもよい。
【0045】
第2下部櫛状電極204は、離間してX軸に沿って配列された歯242と、歯242を連結する連結部241とを含む。歯242は同一形状であり等ピッチで配列されている。連結部241は、X軸に沿って延びている。歯242は、それぞれ、連結部241から対向する第1下部櫛状電極203に向かってY軸に沿って延びている。歯242は、直線状である。
【0046】
第2下部櫛状電極204は連続する1枚の透明導電膜であって、歯242及び連結部241は、その一部である。各歯242も、電極と呼ぶ。なお、連結部241は省略され、歯242それぞれの電位が個別に制御されてもよい。歯242の形状は共通でなくともよく、隣接する歯242の間隔は一定でなくてもよい。
【0047】
第1下部櫛状電極203の歯232及び第2下部櫛状電極204の歯242は、X軸に沿って交互に配列されている。上述のように、歯232は透過光制御領域14に沿って延びており、歯242は光透過領域13の列に沿って延びている。
【0048】
本例において、第1上部櫛状電極201の歯212及び第1下部櫛状電極203の歯232は、直線状であるが、例えば屈曲しつつ、透過光制御領域14に沿って延びていてもよい。また、本例において、第2上部櫛状電極202の歯222及び第2下部櫛状電極204の歯242は直線状であるが、屈曲する光透過領域13の列に沿って延びていてもよい。
【0049】
図5は、
図4Aに示すV-V切断線での、光線方向制御パネル10の断面構造を模式的に示す。
図5において、電気泳動粒子140及びその分散媒141は省略されている。光線方向制御パネル10は、対向する透明基板11及び16を含む。本例において、透明基板11が前側であり、透明基板16が後側である。透明基板11が後側であり、透明基板16が前側であってもよい。X軸は、透明基板11及び16それぞれの主面に沿っていている。Z軸は、透明基板11及び16の主面の法線方向に沿っている。
【0050】
透明基板11及び16の形状は典型的には四角形であるが、それらの形状は任意である。透明基板11及び16の材料は、例えば、ガラス、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、PC(Poly Carbonate)、PEN(Poly Ethylene Naphthalate)、又はCOT(Cyclo OlefinPolymer)である。
【0051】
透明基板16の透明基板11に対向する面上において、第1下部櫛状電極203の歯232及び第2下部櫛状電極204の歯242が、X軸に沿って交互に配列されている。歯232及び歯242は、光線方向制御パネル10の積層構造において、同一の層位置に形成されている。例えば、歯232及び歯242は、同一材料で同時にパターニングされてもよい。
【0052】
歯232は透過光制御領域14と、Z軸に沿った方向において、重なっている。歯232は光透過領域13と、Z軸に沿った方向において、重なっている。歯232の間隔は、透過光制御領域14を構成する溝の間隔と一致し、その幅は溝の幅よりも小さい。歯242の間隔は、光透過領域13の間隔と一致し、歯242の幅は光透過領域13の幅(X軸に沿った長さ)と一致している。
【0053】
第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)、又は金属ナノワイヤー層で形成することができる。歯232及び歯242膜厚は、例えば、10[nm]から1000[nm]である。
【0054】
光透過領域13は光を透過する透明材料(例えば感光性樹脂)で形成される。光透過領域13の高さは、例えば、3[μm]~300[μm]である。光透過領域13のX軸に沿った長さは、例えば、1[μm]~150[μm]であり、X軸に沿って隣接する光透過領域13の間の幅は、例えば、0.25[μm]~40[μm]である。
【0055】
歯232又は歯242は、透過光制御領域14において、絶縁膜で覆われていてもよい。絶縁膜は、例えば、SiO2で形成されている。これにより、電気泳動粒子140が、歯232又は歯242に固着するのを防ぐことができる。
【0056】
透明基板11の透明基板16に対向する面上において、第1上部櫛状電極201の歯212がX軸に沿って延びている。第1上部櫛状電極201(歯212)は、第1下部櫛状電極203(歯213)と同一の材料及び膜厚で形成することができる。
【0057】
図6は、
図4Aに示すVI-VI切断線での、光線方向制御パネル10の断面構造を模式的に示す。
図6において、電気泳動粒子140及びその分散媒141は省略されている。Y軸は、透明基板11及び16それぞれの主面に沿っていている。
【0058】
透明基板16の透明基板11に対向する面上において、第1下部櫛状電極203の歯232がY軸に沿って延びている。透明基板11の透明基板16に対向する面上において、第1上部櫛状電極201の歯212及び第2上部櫛状電極202の歯222が、Y軸に沿って交互に配列されている。歯212及び歯222は、光線方向制御パネル10の積層構造において、同一の層位置に形成されている。例えば、歯212及び歯222は、同一材料で同時にパターニングされてもよい。
【0059】
歯212は透過光制御領域14と、Z軸に沿った方向において、重なっている。歯222は光透過領域13と、Z軸に沿った方向において、重なっている。歯212の間隔は、透過光制御領域14を構成する溝の間隔と一致し、その幅は溝の幅より小さい。歯222の間隔は、光透過領域13の間隔と一致し、歯222の幅は光透過領域13の幅(Y軸に沿った長さ)と一致している。
【0060】
第2上部櫛状電極202(歯222)は、例えば、第2下部櫛状電極204(歯242)と同一の材料及び膜厚で形成することができる。光透過領域13のY軸に沿った長さは、例えば、1[μm]~150[μm]であり、Y軸に沿って隣接する光透過領域13の間の幅は、例えば、0.25[μm]~40[μm]である。
【0061】
歯212又は歯222は、透過光制御領域14において、絶縁膜で覆われていてもよい。絶縁膜は、例えば、SiO2で形成されている。これにより、電気泳動粒子140が、歯212又は歯222に固着するのを防ぐことができる。
【0062】
〔視野角モードにおける電極電位関係〕
以下において、光線方向制御パネル10が示すことができる視野角モードそれぞれにおける、電極電位関係を説明する。電気泳動粒子140は負に帯電しているものとする。まず、1D左右狭視野角モードを説明する。
図7は、1D左右狭視野角モードにおける光吸収部145Aの平面図である。
図8は、1D左右狭視野角モードにおける光吸収部145Aの斜視図である。
図9は、
図8のIX-IX切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
図10は、
図8のX-X切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
【0063】
1D左右狭視野角モードにおける電極電位の関係の一例は、次のようになっている。第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202及び第1下部櫛状電極203の電位は同一である。これらの電位は、第2下部櫛状電極204の電位よりも高い。つまり、歯212、222及び232の電位は同一であり、これらの電位は、歯242の電位よりも高い。
【0064】
光吸収部145Aは、1D左右狭視野角モードにおいて、Y軸に沿って延びX軸に沿って配列されている。左右方向(X軸に沿った方向)に広がる光401は、光吸収部145Aに吸収され、左右方向において狭視野角状態が実現される。一方、上下方向(Y軸に沿った方向)に広がる光402は、光吸収部145Aに吸収されることなく光線方向制御パネル10を通過し、上下方向において広視野角状態が実現される。
【0065】
図9及び10に示すように、各光吸収部145Aは、第1下部櫛状電極203の歯232と第1上部櫛状電極201の歯212との間、及び、第1下部櫛状電極203の歯232と第2上部櫛状電極202の歯222との間に形成されている。歯212、222及び232の電位は同一であるので、電気泳動粒子140は、歯232及212の間、並びに、歯232及222の間において、分散している。
【0066】
一方、第2下部櫛状電極204の歯242の電位は、第1上部櫛状電極201の歯212の電位より低い。そのため、
図9に示すように、電気泳動粒子140は、歯212及び歯242の間において、歯212の近傍に集中し、透過光制御領域14(電気泳動粒子140)は光透過状態である。第2上部櫛状電極202の歯222と第2下部櫛状電極204の歯242との間の空間は、光透過領域13で埋められており、電気泳動粒子140は存在しない。
【0067】
なお、第2下部櫛状電極204(歯242)の電位は、他の電極201、202及び203(他の歯212、222及び232)の電位よりも高くてもよい。電気泳動粒子140は、第2下部櫛状電極204(歯242)の近傍に集中する。
【0068】
次に、1D上下狭視野角モードを説明する。
図11は、1D上下狭視野角モードにおける光吸収部145Bの平面図である。
図12は、1D上下狭視野角モードにおける光吸収部145Bの断面図である。
図13は、
図12のXIII-XIII切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
図14は、
図12のXIV-XIV切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
【0069】
1D上下狭視野角モードにおける電極電位の関係の一例は、次のようになっている。第1上部櫛状電極201、第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204の電位は同一である。これらの電位は、第2上部櫛状電極202の電位よりも高い。つまり、歯212、232及び242の電位は同一であり、これらの電位は、歯222の電位よりも高い。
【0070】
光吸収部145Bは、1D上下狭視野角モードにおいて、X軸に沿って延びY軸に沿って配列されている。上下方向(Y軸に沿った方向)に広がる光402は、光吸収部145Bに吸収され、上下方向において狭視野角状態が実現される。一方、左右方向(X軸に沿った方向)に広がる光401は、光吸収部145Bに吸収されることなく光線方向制御パネル10を通過し、左右方向において広視野角状態が実現される。
【0071】
図13及び14に示すように、各光吸収部145Bは、第1上部櫛状電極201の歯212と第1下部櫛状電極203の歯232との間、及び、第1上部櫛状電極201の歯212と第2下部櫛状電極204の歯242との間に形成されている。歯212、232及び242の電位は同一であるので、電気泳動粒子140は、歯212及232の間、並びに、歯212及242の間において、分散している。
【0072】
一方、第2上部櫛状電極202の歯222の電位は、第1下部櫛状電極203の歯232の電位より低い。そのため、
図14に示すように、電気泳動粒子140は、歯222及び歯232の間において、歯232の近傍に集中し、透過光制御領域14(電気泳動粒子140)は光透過状態である。第2上部櫛状電極202の歯222と第2下部櫛状電極204の歯242との間の空間は、光透過領域13で埋められており、電気泳動粒子140は存在しない。
【0073】
なお、第2上部櫛状電極202(歯222)の電位は、他の電極201、203及び204(他の歯212、232及び242)の電位よりも高くてもよい。電気泳動粒子140は、第2上部櫛状電極202(歯222)の近傍に集中する。
【0074】
次に、2D狭視野角モードを説明する。
図15は、2D狭視野角モードにおける光吸収部145Cの平面図である。
図16は、2D狭視野角モードにおける光吸収部145Cの断面図である。
図17は、
図16のXVII-XVII切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
図18は、
図16のXVIII-XVIII切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
【0075】
2D狭視野角モードにおける電極電位の関係は、次のようになっている。第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204の電位は同一である。つまり、歯212、222、232及び242の電位は同一である。
【0076】
光吸収部145Cは、X軸に沿って延びY軸に沿って配列されている部分と、Y軸に沿って延びX軸に沿って配列されている部分とで構成された、格子形状を有する。上下方向(Y軸に沿った方向)に広がる光402は、光吸収部145Cに吸収され、上下方向において狭視野角状態が実現される。さらに、左右方向(X軸に沿った方向)に広がる光401は、光吸収部145Cに吸収され、左右方向において狭視野角状態が実現される。
【0077】
図17及び18に示すように、光吸収部145Cは、第1上部櫛状電極201の歯212と第1下部櫛状電極203の歯232との間、及び、第1上部櫛状電極201の歯212と第2下部櫛状電極204の歯242との間に形成されている。光吸収部145Cは、さらに、第1下部櫛状電極203の歯232と第2上部櫛状電極202の歯222との間に形成されている。
【0078】
歯212、222、232及び242の電位は同一であるので、電気泳動粒子140は、歯212及232の間、歯212及242、並びに、歯213及び222の間において、分散している。第2上部櫛状電極202の歯222と第2下部櫛状電極204の歯242との間の空間は、光透過領域13で埋められており、電気泳動粒子140は存在しない。
【0079】
次に、広視野角モードを説明する。
図19は、広視野角モードにおける透過光制御領域14の平面図である。
図20は、広視野角モードにおける透過光制御領域14の断面図である。
図21は、
図20のXXI-XXI切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
図22は、
図20のXXII-XXII切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
【0080】
広視野角モードにおける電極電位の関係は、次のようになっている。第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202の電位は同一であり、第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204の電位は同一である。第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204の電位は、第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202の電位よりも高い。つまり、歯212及び歯222の電位は同一であり、歯232及び歯242の電位は同一である。歯2
32及び歯242の電位は、歯212及び歯222の電位より高い。
【0081】
透過光制御領域14の全域が、光透過状態である。上下方向(Y軸に沿った方向)に広がる光402及び左右方向(X軸に沿った方向)に広がる光401は、光線方向制御パネル10を通過し、上下左右方向において広視野角状態が実現される。
【0082】
第1上部櫛状電極201の歯212の電位は、第1下部櫛状電極203の歯232及び第2下部櫛状電極204の歯242の電位より低い。そのため、
図21に示すように、電気泳動粒子140は、歯212と歯232及び242の列との間において、歯232及び242の近傍に集中する。第1下部櫛状電極203の歯232の電位は、第1上部櫛状電極201の歯212及び第2上部櫛状電極202の歯222の電位より高い。そのため、
図22に示すように、電気泳動粒子140は、歯232と歯212及び222の列との間において、歯232の近傍に集中する。
【0083】
このように、電気泳動粒子140は、下部櫛状電極203及び204(下部歯232及び242)の近傍に集中し、透過光制御領域14の全域が、光透過状態となる。なお、第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204の電位は、第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202の電位よりも低くてもよい。つまり、歯232及び歯242の電位は、歯212及び歯222の電位より低くてもよい。電気泳動粒子140は、上部櫛状電極201及び202(上部歯212及び222)の近傍に集中する。
【0084】
上述のように、電極201~204の電位を制御することで、光線方向制御パネル10の視野角モードを四つのモードの間で切り替えることができる。
【0085】
〔光線方向制御パネルの他の構成例〕
次に、光線方向制御パネル10の他の構成例を説明する。本構成例の第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204の平面図は、
図4Aと同様である。
図23及び24は、本構成例の断面図を示す。
図23及び24が示す断面の位置は、それぞれ、
図5及び6が示す断面の位置(V-V切断線及びVI-VI切断線で示す)と同様である。
【0086】
以下において、
図5及び
図6に示す構成との相違点を主に説明する。
図23の光線方向制御パネル10は、絶縁層503及び絶縁層504を含む。絶縁層503は第1上部櫛状電極201(歯212)および第2上部櫛状電極202(歯222)を覆うようにして形成される。また、絶縁層504は、第1下部櫛状電極203(歯232)および第2下部櫛状電極204(歯242)を覆うようにして形成される。
【0087】
本実施例の光線方向制御パネル10は、第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204を覆うようにして絶縁層が配置されることにより、電気泳動粒子と電極との接触が回避可能となり、動作安定性がさらに高い光線方向制御パネル10を実現することができる。
【0088】
光線方向制御パネル10の他の構成例を説明する。本構成例の第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204の平面図は、
図4Aと同様である。
図25及び26は、本構成例の断面図を示す。
図25及び26が示す断面の位置は、それぞれ、
図5及び6が示す断面の位置(V-V切断線及びVI-VI切断線で示す)と同様である。以下において、
図5及び
図6に示す構成との相違点を主に説明する。
【0089】
図25に示すように、第1上部櫛状電極201(歯212)と透明基板11との間に絶縁層501が存在する。さらに、第1下部櫛状電極203(歯232)と第2下部櫛状電極204(歯242)とは異なる層に配置されており、それらの間に絶縁層502が存在している。本構成例においては、第1下部櫛状電極203は、第2下部櫛状電極204よりも上層に配置されている。絶縁層501及び502は、有機又は無機絶縁材料で形成することができる。
【0090】
図26に示すように、第1下部櫛状電極203(歯232)と透明基板16との間に絶縁層502が存在する。さらに、第1上部櫛状電極201(歯212)と第2上部櫛状電極202(歯222)とは異なる層に配置されており、それらの間に絶縁層501が存在している。本構成例においては、第1上部櫛状電極201は、第2上部櫛状電極202よりも下層に配置されている。
【0091】
上述のように、第1上部櫛状電極201(歯212)と第2上部櫛状電極202(歯222)とを異なる層に配置し、さらに、第1下部櫛状電極203(歯232)と第2下部櫛状電極204(歯242)とを異なる層に配置することで、上部櫛状電極間及び下部櫛状電極間のショートの可能性を小さくすることができる。
【0092】
光線方向制御パネル10の他の構成例を説明する。
図27及び28は、本構成例の断面図を示す。
図27及び28が示す断面の位置は、それぞれ、
図25及び26が示す断面の位置と同様である。以下において、
図25及び
図26に示す構成との相違点を主に説明する。
【0093】
図27に示すように、第1上部櫛状電極201(歯212)と、光透過領域13及び透過光制御領域14と、の間に絶縁層501が存在する。さらに、第1下部櫛状電極203(歯232)と第2下部櫛状電極204(歯242)とは異なる層に配置されており、それらの間に絶縁層502が存在している。本構成例においては、第1下部櫛状電極203は、第2下部櫛状電極204よりも下層に配置されている。
【0094】
図28に示すように、第1下部櫛状電極203(歯232)と、光透過領域13及び透過光制御領域14と、の間に絶縁層502が存在する。さらに、第1上部櫛状電極201(歯212)と第2上部櫛状電極202(歯222)とは異なる層に配置されており、それらの間に絶縁層501が存在している。本構成例においては、第1上部櫛状電極201は、第2上部櫛状電極202よりも上層に配置されている。
【0095】
上述のように、第1上部櫛状電極201(歯212)と第2上部櫛状電極202(歯222)とを異なる層に配置し、さらに、第1下部櫛状電極203(歯232)と第2下部櫛状電極204(歯242)とを異なる層に配置することで、上部櫛状電極間及び下部櫛状電極間のショートの可能性を小さくすることができる。なお、上部櫛状電極201及び202又は下部櫛状電極203及び204の一方のみが、異なる層に配置されていてもよい。
【0096】
光線方向制御パネル10の他の構成例を説明する。本構成例の第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204の平面図は、
図4Aと同様である。
図29及び30は、本構成例の断面図を示す。
図29及び30が示す断面の位置は、それぞれ、
図25及び26が示す断面の位置(V-V切断線及びVI-VI切断線で示す)と同様である。以下において、
図25及び
図26に示す構成との相違点を主に説明する。
【0097】
図29及び30の光線方向制御パネル10は、絶縁層505及び絶縁層506を含む。絶縁層505は第1上部櫛状電極201(歯212)を覆うようにして形成される。また、絶縁層506は、第1下部櫛状電極203(歯232)を覆うようにして形成される。本実施例の光線方向制御パネル10は、第1上部櫛状電極201及び第1下部櫛状電極203を覆うようにして絶縁層が配置されることにより、電気泳動粒子と第1上部櫛状電極201及び第1下部櫛状電極203との接触が回避可能となり、動作安定性がさらに高い光線方向制御パネル10を実現することができる。
【0098】
光線方向制御パネル10の他の構成例を説明する。本構成例の第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204の平面図は、
図4Aと同様である。
図31及び32は、本構成例の断面図を示す。
図31及び32が示す断面の位置は、それぞれ、
図27及び28が示す断面の位置(V-V切断線及びVI-VI切断線で示す)と同様である。
【0099】
以下において、
図27及び
図28に示す構成との相違点を主に説明する。
図31及び32の光線方向制御パネル10は、絶縁層507及び絶縁層508を含む。絶縁層507は第2下部櫛状電極204(歯242)を覆うようにして形成される。また、絶縁層506は、第2上部櫛状電極202(歯222)を覆うようにして形成される。
【0100】
本実施例の光線方向制御パネル10は、第2下部櫛状電極204及び第2上部櫛状電極202を覆うようにして絶縁層が配置されることにより、電気泳動粒子と第2下部櫛状電極204及び第2上部櫛状電極202との接触が回避可能となり、動作安定性がさらに高い光線方向制御パネル10を実現することができる。
【0101】
光線方向制御パネル10の他の構成例を説明する。
図33は、第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204を模式的に示す平面図である。
図34は、
図33のXXVIII-XXVIII切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
図35は、
図33のXXIX-XXIX切断線における、光線方向制御パネル10の断面図である。
【0102】
以下において、
図4A、25及び26に示す構成例との相違点を主に説明する。本構成例において、第1上部櫛状電極201及び第2上部櫛状電極202は、
図25及び26を参照して説明した構成と同様に、異なる層に配置されている。さらに、第1下部櫛状電極203及び第2下部櫛状電極204は、異なる層に配置されている。
【0103】
図33及び35に示すように、隣接する第1上部櫛状電極201の歯212と第2上部櫛状電極202の歯222とは、平面視において部分的に重複している。歯212の端部は、透過領域13と平面視において重なっており、歯222の端部は、透過光制御領域14と平面視において重なっている。
図33及び34に示すように、隣接する第1下部櫛状電極203の歯232と第2下部櫛状電極204の歯242とは、平面視において部分的に重複している。歯232の端部は、透過領域13と平面視において重なっており、歯242の端部は、透過光制御領域14と平面視において重なっている。
【0104】
隣接する歯212と歯222とが部分的に重複することで、歯212と歯222と間に、面内方向(Y軸に沿った方向)における隙間が形成される可能性を低減し、電気泳動粒子140に対してより適切に電界を与えることができる。また、隣接する歯232と歯242とが部分的に重複することで、歯232と歯242と間に、面内方向(X軸に沿った方向)における隙間が形成される可能性を低減し、電気泳動粒子140に対してより適切に電界を与えることができる。なお、隣接する歯212と歯222、又は、隣接する歯232と歯242の一方のみが、部分的に重なっていてもよい。
【0105】
光線方向制御パネル10の他の構成例を説明する。
図36は、本構成例における光透過領域13を模式的に示す平面図である。
図37は、第1上部櫛状電極201、第2上部櫛状電極202、第1下部櫛状電極203、及び第2下部櫛状電極204を模式的に示す平面図である。以下において、
図3D及び4Aに示す構成例との差異を主に説明する。
【0106】
図36に示すように、平面視において、光透過領域13の形状は、直角と異なる内角を有する平行四辺形である。光透過領域13の形状はX軸に沿った2辺と、Y軸から傾いて延びる2辺とで構成されている。光透過領域13は、X軸に沿って配列されており、Y軸から傾いた方向に配列されている。本例において、光透過領域13は、その平行四辺形の辺に平行に配列されている。
【0107】
図37に示すように、電極の歯212、222、232及び242は、光透過領域13の形状及び配置に合うような形状を有し、配置されている。具体的には、上部櫛状電極の歯212及び222は、X軸に沿って延びている。上述のように、歯212は透過光制御領域14に沿って延びており、歯222は光透過領域13の列に沿って延びている。連結部211及び221は、光透過領域13の形状及び配置合わせて、Y軸から傾いた方向に延びている。
【0108】
下部櫛状電極の歯232及び242は、光透過領域13の形状及び配置合わせて、Y軸から傾いた方向(第2の方向)に延びている。上述のように、歯232は透過光制御領域14に沿って延びており、歯242は光透過領域13の列に沿って延びている。平面視において、歯222及び歯242の交差部の形状は、平行四辺形である。
【0109】
一般に、表示パネルの画素は長方形であり、マトリックス状に配置されている。上述のように、光透過領域13が平面視において直角と異なる内角を有する平行四辺形であることで、表示パネルのブラックマトリックスと光線方向制御パネル10の光吸収部との間の干渉によるモアレの発生を抑制することができる。なお、上部櫛状電極の歯212及び222がX軸から傾いた方向に延びており、下部櫛状電極の歯232及び242はY軸に沿って延びていてもよい。上部櫛状電極の歯212及び222がX軸から傾いた方向に延びており、下部櫛状電極の歯232及び242はY軸から傾いた方向に沿って延びていてもよい。
【0110】
〔視野角モード制御〕
次に、光線方向制御パネル10の適用した携帯端末の例を説明する。携帯端末は、例えば、スマートフォンやタブレット計算機である。なお、以下の説明は、携帯端末と異なる電子機器にも適用することができる。
図38A、38B及び38Cは、表示パネル及び光線方向制御パネル10を含む携帯端末700の機能を模式的に示す。
図38A、38B及び38Cにおいて、上から下に向かう方向が鉛直方向であるとする。
【0111】
光線方向制御パネル10は、表示パネルの前側又はバックライトと表示パネルの間に配置される。光線方向制御パネル10は、上述のように、広視野角モード、1D左右狭視野角モード、1D上下狭視野角モード、及び2D狭視野角モードを有する。携帯端末700は、ユーザ設定に従って、光線方向制御パネル10の視野角モードを制御する。
【0112】
図38Aにおいて、光線方向制御パネル10は、広視野角モードに設定されている。携帯端末700の鉛直方向に対する向きに関わらず、広視野角モードが維持される。
図38Bにおいて、光線方向制御パネル10は、2D狭視野角モードに設定されている。携帯端末700の鉛直方向に対する向きに関わらず、2D狭視野角モードが維持される。
【0113】
図38Cにおいて、光線方向制御パネル10は、携帯端末700の姿勢に応じて、1D左右狭視野角モードと1D上下狭視野角モードとを切り替える。
図38Cにおいて、携帯端末700の長手方向が光線方向制御パネル10の上下方向(Y軸に沿った方向)であり、短手方向が光線方向制御パネル10の左右方向(X軸に沿った方向)であるとする。
図38Cにおいて、携帯端末700は、水平方向における狭い視野角と、鉛直方向における視野角を広くするように、視野角モードを制御する。
【0114】
携帯端末700が縦向き、つまり、その短手方向が水平である場合、光線方向制御パネル10は1D左右狭視野角モードである。携帯端末700が横向きになるように回転されると、光線方向制御パネル10は1D上下狭視野角モードに変化する。さらに、携帯端末700が縦向きになるように回転されると、光線方向制御パネル10は1D左右狭視野角モードに変化する。
【0115】
図38Cの例において、携帯端末700は、鉛直方向における視野角を狭くし、水平方向における視野角を広くするように、光線方向制御パネル10の視野角モードを制御してもよい。携帯端末700が縦向きである場合、光線方向制御パネル10は1D上下狭視野角モードであり、携帯端末700が横向きである場合、光線方向制御パネル10は1D左右狭視野角モードである。
【0116】
図39は、携帯端末700の論理構成を模式的に示す。携帯端末700は、表示パネル711と、当該表示パネルを駆動する表示パネル駆動回路712を含む。表示パネル711は、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)表示パネルや液晶表示パネルである。表示パネル駆動回路712は、走査線ドライバ回路及びデータ線ドライバ回路を含み、表示パネル711に画像を表示するために表示パネルを駆動する。
【0117】
携帯端末700は、さらに、制御回路721及び検出回路722を含む。制御回路721は、ユーザインタフェースを含み、また、携帯端末700内の他の構成要素を制御する。検出回路722は、携帯端末700の姿勢(向き)を検出する。例えば、携帯端末700は、3軸加速度センサを含む。検出回路722は、3軸加速度センサの値から、鉛直方向(重力方向)に対する携帯端末700の姿勢を検出する。
【0118】
携帯端末700は、さらに、光線方向制御パネル10及び電圧印加回路731を含む。電圧印加回路731は、制御回路721からの制御信号に応じて、視野角モードに応じた電位(電圧)を電極201~204に印加する。制御回路721は、ユーザ設定及び検出回路722が検出した携帯端末700の姿勢に応じて、視野角モードを決定し、それを指示する制御信号を電圧印加回路731に送信する。光線方向制御パネル10、光線方向制御パネル10及び電圧印加回路731の組、並びに、光線方向制御パネル10、電圧印加回路731及び制御回路721の組は、それぞれ光線方向制御装置である。
【0119】
以上、本実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本開示はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。
【符号の説明】
【0120】
10 光線方向制御パネル、11、16 透明基板、13 光透過領域、14 透過光制御領域、12、15 透明電極、140 電気泳動粒子、141 分散媒、145A、145B、145C 光吸収部、201 第1上部櫛状電極、202 第2上部櫛状電極、203 第1下部櫛状電極、204 第2下部櫛状電極、211、221、231、241 連結部、212、222、232、242 歯、401、402 光、501、502、503、504、505、506、507、508 絶縁層、700 携帯端末、711 表示パネル、712 表示パネル駆動回路、721 制御回路、722 検出回路、731 電圧印加回路