(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】カビ抑制システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/63 20180101AFI20230412BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20230412BHJP
F24F 110/12 20180101ALN20230412BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20230412BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F110:10
F24F110:12
F24F110:20
(21)【出願番号】P 2019118830
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊埜御堂 令
(72)【発明者】
【氏名】七岡 寛
(72)【発明者】
【氏名】黒木 洋
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】夜久 幸希
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0340701(US,A1)
【文献】特開2019-086268(JP,A)
【文献】特開2002-195631(JP,A)
【文献】特表2016-527471(JP,A)
【文献】特開2003-130424(JP,A)
【文献】特開2003-130423(JP,A)
【文献】特開2001-041542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/63
F24F 110/10
F24F 110/12
F24F 110/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内のカビを抑制するためのカビ抑制システムであって、
時間ごとの室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度と、各時間の所定期間前の室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度とを機械学習させて生成された予測モデルを記憶するモデル記憶部と、
室内温度および室内の絶対湿度を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された室内温度および室内の絶対湿度と、そのときの外気温度と、前記所定期間後の予報外気温度とを前記予測モデルに入力して、前記所定期間後の室内温度および室内の絶対湿度を予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された室内温度および室内の絶対湿度に基づいて、前記所定期間後のカビ指数を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定されたカビ指数の推移に応じて、室内に設置された湿度調整装置の運転スケジュールを決定するスケジュール決定手段とを備える、カビ抑制システム。
【請求項2】
前記予測モデルを生成するパラメータは、時間ごとの空調機の使用状況をさらに含む、請求項1に記載のカビ抑制システム。
【請求項3】
前記スケジュール決定手段は、前記所定期間内において、前記推定手段により推定されたカビ指数が閾値以上である時間が一定時間以上である場合に、前記湿度調整装置の運転スケジュールを決定する、請求項1または2に記載のカビ抑制システム。
【請求項4】
前記湿度調整装置は、外気を室内に給気する換気運転機能、暖房運転機能、および除湿運転機能を含む複数種類の運転機能を有しており、
前記スケジュール決定手段は、前記推定手段により推定されたカビ指数、室内外の絶対湿度、および外気温度に基づいて、前記複数種類の運転機能のなかから作動させる運転機能を選択する、請求項1~3のいずれかに記載のカビ抑制システム。
【請求項5】
前記スケジュール決定手段は、省エネモードおよび時短モードを含む複数の除湿モードのうちユーザに選択された除湿モードに従って、作動させる運転機能を決定する、請求項4に記載のカビ抑制システム。
【請求項6】
前記複数の除湿モードは、前記湿度調整装置の運転時間を設定時間以下とするハイブリッドモードをさらに含む、請求項5に記載のカビ抑制システム。
【請求項7】
前記スケジュール決定手段は、前記湿度調整装置の運転時間を計算し、計算した運転時間に基づいて前記湿度調整装置の運転開始時間を決定する、請求項1~6のいずれかに記載のカビ抑制システム。
【請求項8】
前記スケジュール決定手段により決定された運転スケジュールに従って、前記湿度調整装置の運転を制御する運転制御手段をさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載のカビ抑制システム。
【請求項9】
前記所定期間は24時間であり、
前記予測モデルは、一年における月単位で学習して生成されている、請求項1~8のいずれかに記載のカビ抑制システム。
【請求項10】
室内のカビを抑制するためのカビ抑制プログラムであって、
時間ごとの室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度と、各時間の所定期間前の室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度とを機械学習させて生成された予測モデルを、記憶部から読み出すステップと、
検知手段により検知された室内温度および室内の絶対湿度と、そのときの外気温度と、前記所定期間後の予報外気温度とを前記予測モデルに入力して、前記所定期間後の室内温度および室内の絶対湿度を予測するステップと、
予測された室内温度および室内の絶対湿度に基づいて、前記所定期間後のカビ指数を推定するステップと、
推定されたカビ指数の推移に応じて、室内に設置された湿度調整装置の運転スケジュールを決定するステップとをコンピュータに実行させる、カビ抑制プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内のカビを抑制するためのカビ抑制システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008-121973号公報(特許文献1)には、カビ抑制モードを有する空気調和機が開示されている。この空気調和機は、カビ抑制モードが選択された場合に、現在の室外の温度に応じて暖房運転または除湿運転を行い、暖房運転時においては、室内外の絶対湿度に応じて適宜換気運転を行っている。
【0003】
特開平6-113886号公報(特許文献2)には、ある雰囲気における温度および相対湿度の組み合わせによって、カビの生育速度を推定できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-121973号公報
【文献】特開平6-113886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の空気調和機は、カビ抑制モードにおいて、現在の室内外の空気環境に応じて、作動させる運転機能(暖房運転、除湿運転)を選択している。このように、現在の空気環境だけで運転機能を選択する場合、カビ対策としては不十分である。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、効率的にカビを抑制することのできるカビ抑制システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある局面に従うカビ抑制システムは、室内のカビを抑制するカビ抑制システムであって、モデル記憶部と、検知手段と、予測手段と、推定手段と、スケジュール決定手段とを備える。モデル記憶部は、時間ごとの室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度と、各時間の所定期間前の室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度とを機械学習させて生成された予測モデルを記憶する。検知手段は、室内温度および室内の絶対湿度を検知する。予測手段は、検知手段により検知された室内温度および室内の絶対湿度と、そのときの外気温度と、所定期間後の予報外気温度とを予測モデルに入力して、所定期間後の室内温度および室内の絶対湿度を予測する。推定手段は、予測手段により予測された室内温度および室内の絶対湿度に基づいて、所定期間後のカビ指数を推定する。スケジュール決定手段は、推定手段により推定されたカビ指数の推移に応じて、室内に設置された湿度調整装置の運転スケジュールを決定する。
【0008】
好ましくは、予測モデルを生成するパラメータは、時間ごとの空調機の使用状況をさらに含む。
【0009】
スケジュール決定手段は、所定期間内において、推定手段により推定されたカビ指数が閾値以上である時間が一定時間以上である場合に、湿度調整装置の運転スケジュールを決定することが望ましい。
【0010】
好ましくは、湿度調整装置は、外気を室内に給気する換気運転機能、暖房運転機能、および除湿運転機能を含む複数種類の運転機能を有している。この場合、スケジュール決定手段は、推定手段により推定されたカビ指数、室内外の絶対湿度、および外気温度に基づいて、複数種類の運転機能のなかから作動させる運転機能を選択することが望ましい。
【0011】
また、スケジュール決定手段は、省エネモードおよび時短モードを含む複数の除湿モードのうちユーザに選択された除湿モードに従って、作動させる運転機能を決定することが望ましい。
【0012】
複数の除湿モードは、湿度調整装置の運転時間を設定時間以下とするハイブリッドモードをさらに含んでいてもよい。
【0013】
スケジュール決定手段は、湿度調整装置の運転時間を計算し、計算した運転時間に基づいて湿度調整装置の運転開始時間を決定することがより望ましい。
【0014】
好ましくは、カビ抑制システムは、スケジュール決定手段により決定された運転スケジュールに従って、湿度調整装置の運転を制御する運転制御手段をさらに備える。
【0015】
好ましくは、上記所定期間は24時間である。好ましくは、予測モデルは、一年における月単位で学習して生成されていることが望ましい。
【0016】
カビ抑制システムは、予測モデルを機械学習により生成する学習装置をさらに備えていてもよい。
【0017】
この発明のある局面に従うカビ抑制プログラムは、時間ごとの室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度と、各時間の所定期間前の室内温度、室内の絶対湿度、および外気温度とを機械学習させて生成された予測モデルを、記憶部から読み出すステップと、検知手段により検知された室内温度および室内の絶対湿度と、そのときの外気温度と、所定期間後の予報外気温度とを予測モデルに入力して、所定期間後の室内温度および室内の絶対湿度を予測するステップと、予測された室内温度および室内の絶対湿度に基づいて、所定期間後のカビ指数を推定するステップと、推定されたカビ指数の推移に応じて、室内に設置された湿度調整装置の運転スケジュールを決定するステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、効率的にカビを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(A)は、本発明の実施の形態に係るカビ抑制システムの機能構成を示すブロック図であり、(B)は、学習装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】(A)は、カビ抑制システムによる湿度調整対象となる部屋を模式的に示す図であり、(B)は、学習装置による学習対象となる部屋を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態における予測モデルの予測精度を説明するための図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るカビ抑制システムの制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】一日におけるカビ指数の推定値の推移例を模式的に示すグラフである。
【
図6】本発明の実施の形態において、省エネモードの運転スケジュール決定処理(
図4のステップS13)を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態において、時短モードの運転スケジュール決定処理(
図4のステップS15)を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態において、ハイブリッドモードの運転スケジュール決定処理(
図4のステップS17)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0021】
<カビ抑制システムの構成例>
図1(A)は、本実施の形態に係るカビ抑制システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2(A)は、カビ抑制システム1による湿度調整対象となる部屋9を模式的に示す図である。部屋9は、典型的には住宅の居室(リビング、寝室など)であり、部屋9内にはエアコン91が設置されている。エアコン91は、部屋9内の空気の温度を調整する空調機である。なお、部屋9が設けられる建物は住宅以外であってもよい。
【0022】
図2(A)に示されるように、カビ抑制システム1は、制御装置10と、部屋9内に設けられた温度センサ71および湿度センサ72と、屋外に設けられた外気温センサ73と、部屋9内に設置された湿度調整装置8とを備えている。
【0023】
制御装置10は、メモリおよびプロセッサを含むコンピュータであり、インターネットなどのネットワーク11に接続されている。温度センサ71は、部屋9内の温度(室温)を検知する。湿度センサ72は、部屋9内の絶対湿度を検知する。外気温センサ73は、外気温度を検知する。
【0024】
湿度調整装置8は、外気を給気することで部屋9を換気する換気運転機能、部屋9の空気中の水分を取り除く除湿運転機能、および部屋9の空気を暖める暖房運転機能を含む複数種類の運転機能を有している。本実施の形態では、理解を容易にするために、部屋9内に換気装置81と除湿装置82と暖房装置83とが設けられた例が示されている。これらの装置81~83のうちの全部または一部が、一つの装置に一体的に搭載されていてもよい。また、少なくとも暖房装置83の機能は、部屋9内に設置されたエアコン91により実現されてもよい。
【0025】
図1(A)を参照して、カビ抑制システム1は、その機能として、モデル記憶部2と、予測部3と、カビ指数推定部4と、スケジュール決定部5と、運転制御部6とを含む。これらの各部は、制御装置10に搭載されている。なお、モデル記憶部2は、制御装置10がアクセスできるサーバ上に設けられていてもよい。
【0026】
モデル記憶部2は、翌日(すなわち24時間後)の室内温度および室内の絶対湿度を予測するための予測モデル20を予め記憶している。この予測モデル20は、事前に、
図1(B)に示す学習装置100が、
図2(B)に示す部屋109(部屋9相当)の空気環境データを機械学習することによって生成されたものである。学習装置100による学習方法については後述する。
【0027】
予測部3は、センサ71~73それぞれから得られる当日の室内温度、絶対湿度、および、外気温度と、ネットワーク11を介して得られる翌日の予報外気温度(天気予報)とを予測モデル20に入力して、翌日の室内温度および絶対湿度を予測する。つまり、予測対象日の1日前の空気環境履歴を利用して、室内温度および絶対湿度を予測する。
【0028】
当日の室内温度、絶対湿度、および、外気温度の実測データは、データ記憶部30に時系列に(時刻ごとに)一時記憶される。予測部3が翌日の室内温度および絶対湿度を予測するときに、データ記憶部30から、一日分の実測データが読み出される。予測部3は、データ記憶部30から読み出した時間ごとの実測値と、翌日の時間ごとの予報外気温度(予報値)とを、予測モデル20に入力することで、翌日の時間ごとの室内温度および絶対湿度を予測(計算)する。これにより、翌日の室内温度および絶対湿度の時間ごとの推移が予測される。室内温度および絶対湿度は、たとえば1時間単位で予測される。
【0029】
なお、本実施の形態では、当日の外気温度は実測されることとするが、当日の外気温度もネットワーク11から得られてもよい。この場合、外気温センサ73はカビ抑制システム1に含まれなくてもよい。
【0030】
カビ指数推定部4は、予測部3により予測された翌日の室内温度および絶対湿度に基づいて、翌日のカビ指数を推定する。予測部3において翌日の室内温度および絶対湿度の推移が予測されるため、カビ指数推定部4は、翌日のカビ指数の推移を推定することができる。カビ指数は、カビの発生しやすさを予測する指標であり、たとえば0~200の数値で表される。
【0031】
スケジュール決定部5は、カビ指数推定部4により推定されたカビ指数の推移に応じて、部屋9内に設置された湿度調整装置8の運転スケジュールを決定する。スケジュール決定部5は、湿度調整装置8の運転時間を計算し、計算した運転時間に基づいて湿度調整装置8の運転開始時間を決定することが望ましい。
【0032】
本実施の形態において、スケジュール決定部5は、湿度調整装置8の複数種類の運転機能のなかから作動させる運転機能を選択するとともに、その運転機能の運転時間を決定する。運転時間は、運転開始時間(時刻)と、運転を継続する時間とを含む。
【0033】
運転制御部6は、スケジュール決定部5により決定された運転スケジュールに従って、湿度調整装置8の運転を制御する。つまり、決定された運転時間に従って、換気装置81、除湿装置82、および暖房装置83のいずれかを作動させる制御を行う。
【0034】
一般的に、カビ指数が100以上の時間が6時間以上連続すると、カビが発生するといわれている。本実施の形態では、カビ指数の推移を予測できるため、カビ指数が100以上である時間が目標時間(少なくとも、6時間よりも短い時間)以内となるように、カビ対策を行うことができる。目標時間は、たとえば2時間である。
【0035】
本実施の形態におけるスケジュール決定部5は、カビ指数が100以上である時間が連続して2時間以上である場合にのみ、湿度調整装置8の運転スケジュールを決定する。つまり、カビが発生する可能性が極めて低い場合には、湿度調整装置8による除湿を行わない。このようにすることで、無駄な電力消費を抑えつつ、効果的なカビ対策を施すことができる。なお、目標時間は、3時間以下であることが望ましいものの、1時間以上6時間未満の範囲内で定められればよい。
【0036】
また、スケジュール決定部5は、ユーザに選択された除湿モードに従って、作動させる運転機能を決定することが望ましい。除湿モードは、省エネモードと、時短モードと、ハイブリッドモードとを含む。省エネモードは、水分量が多く危険な状態(カビ発生の危険度が高い状態)から目標環境(カビ発生の危険度が低い状態)まで除湿するのに、最も省エネギー効果が高いモードである。時短モードは、水分量が多く危険な状態から目標環境まで除湿するのに、最も時間がかからないモードである。ハイブリッドモードは、ユーザが設定した設定時間内で、水分量が多く危険な状態から目標環境まで除湿するのに、最も省エネルギー効果が高いモードである。ユーザによる除湿モードの選択は、図示しない操作部(たとえばリモコン)を介して行われる。ハイブリッドモードの場合、ユーザは、6時間以下の任意の時間を設定可能である。
【0037】
制御装置10に含まれる、予測部3、カビ指数推定部4、スケジュール決定部5、および運転制御部6の機能は、典型的にはソフトウェアにより実現される。なお、これらのうちの少なくとも1つについては、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0038】
<学習装置の構成例>
図1(B)は、本実施の形態に係る学習装置100の機能構成を示すブロック図である。
図2(B)は、学習装置100による学習対象となる部屋109を模式的に示す図である。部屋109は、カビ抑制システム1の部屋9を模した部屋である。部屋109には、上述の湿度調整装置8が設置されていなくてもよい。なお、部屋109は部屋9と同一であってもよい。
【0039】
図1(B)を参照して、学習装置100は、その機能として、モデル生成部101と、データ記憶部102と、モデル記憶部103とを含む。
【0040】
データ記憶部102には、
図2(B)に示すセンサ71~73それぞれから得られる室内温度、絶対湿度、および、外気温度が時系列で(時刻ごとに)記憶され、蓄積される。また、データ記憶部102には、部屋109に設置されたエアコン91の使用状況が時系列で記憶(蓄積)される。エアコン91の使用状況には、エアコン91のON/OFF情報、および、設定温度情報が含まれる。なお、学習装置100においても、外気温度はネットワーク11を介して得られてもよい。
【0041】
モデル生成部101は、データ記憶部102に蓄積された空気環境データに基づいて、予測モデル130を生成する。具体的には、時間ごとの室内温度、絶対湿度、外気温度、およびエアコン91の使用状況を、前日の室内温度、絶対湿度、および外気温度と関連付けて機械学習することにより、予測モデル130を生成する。これにより、ある時間(時刻)の室内温度、絶対湿度、および外気温度の実測値と、その24時間後の予報外気温度とをキーとして、24時間後の室内温度および絶対湿度を予測できるように、予測モデル130が生成される。なお、エアコン91の使用状況は、予測モデル130の精度を向上させるために用いられるパラメータであり、室内温度および室内の絶対湿度の予測に、間接的に寄与する。
【0042】
モデル生成部101は、複数日に亘って(望ましくは一年以上)これらの空気環境データを機械学習することで、予測モデル130を更新する。機械学習は、たとえば重回帰分析により行われる。このようにして生成された予測モデル130が、予測モデル20としてカビ抑制システム1のモデル記憶部2に格納されている。予測モデル130は、一年における月単位で学習して生成されていることが望ましい。
【0043】
予測モデル130(20)を用いた予測部3による予測精度について、
図3を参照して説明する。
図3には、予測モデル130による室内温度の予測条件およびその比較例が示されている。
図3(A)に示す「Case1」および「Case3」は、比較例であり、「Case2」が、本願の実施形態に対応する。
【0044】
「Case1」には、過去の室内温度および外気温度の履歴データを用いることなく、室内温度を予測する場合の予測条件が示されている。この場合、室内温度を予測する予測モデルのパラメータは、月・時と、その時の外気温度およびエアコンの使用状況のみである。
【0045】
「Case2」には、一日前の室内温度および外気温度の履歴データを用いて、室内温度を予測する場合の予測条件が示されている。この場合、室内温度を予測する予測モデルのパラメータは、月・時と、その時の外気温度およびエアコンの使用状況と、一日前の同じ時間の室内温度および外気温度である。
【0046】
「Case3」には、10分前の履歴データを用いて、室内温度を予測する場合の予測条件が示されている。この場合、室内温度を予測する予測モデルのパラメータは、月・時と、その時の外気温度およびエアコンの使用状況と、10分前の室内温度および外気温度である。
【0047】
図3(B)に示されるように、Case1の決定係数は0.1(温度誤差:約±3℃)であり、過去の履歴データを用いない場合の予測精度は極めて低い。これに対し、Case2の決定係数は0.48(温度誤差:約±1.5℃)となっていることから、Case1に比べて予測精度が向上していることが分かる。
【0048】
Case3の決定係数は0.98(温度誤差:約±0.3℃)であり、予測精度は非常に高いものの、この場合、10分後のカビ指数を計算することになるため、カビ対策を効率的に行うことができない。
【0049】
室内の絶対湿度の予測精度についても、一日前の絶対湿度および外気温度の履歴データを用いて予測する場合に、Case2と同等の決定係数(0.4~0.6)が示された。そのため、予測モデル130(20)に従うことで、24時間後の室内温度および絶対湿度を大まかに予測することが可能である。このように、24時間後の室内温度および絶対湿度を大まかに予測することで、24時間後のカビ指数を推定(計算)できるため、本実施の形態によれば、1日単位で最適なカビ対策を施すことが可能である。
【0050】
なお、予測モデル130(20)を生成するパラメータは、決定係数が0.5以上(望ましくは0.6以上)となるように、たとえば天気(雨、晴れ、曇)など、上記以外のパラメータ(空気環境データ)を含んでいてもよい。あるいは、予測モデル20(130)を生成するパラメータは、エアコン91の使用状況を含まなくてもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、室内温度および絶対湿度の予測に、共通の予測モデル20が用いられることとするが、限定的ではない。つまり、モデル記憶部2に記憶される予測モデルは、室内温度用の予測モデルと絶対湿度用の予測モデルとで構成されていてもよい。室内温度用の予測モデルは、時間ごとの室内温度、外気温度、およびエアコン91の使用状況と、各時間の24時間前の室内温度および外気温度とを機械学習させて生成される。絶対湿度用の予測モデルは、時間ごとの絶対湿度、外気温度、およびエアコン91の使用状況と、各時間の24時間前の絶対湿度および外気温度とを機械学習させて生成される。
【0052】
<カビ抑制システムの動作について>
本実施の形態に係るカビ抑制システム1の動作について説明する。
図4は、カビ抑制システム1の制御装置10が実行する処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図4に示す処理は、午前0時など毎日同時刻に、制御装置10のプロセッサがメモリに予め記憶されたプログラムを読み出して実行することで開始される。また、
図4に示す処理に平行して、制御装置10は、センサ71~73により検知される実測値、すなわち、室内温度、絶対湿度、および外気温度を、データ記憶部30に時系列に記憶する処理を行っているものとする。
【0053】
図4を参照して、はじめに、制御装置10の予測部3は、モデル記憶部2に記憶された予測モデル20を読み出す(ステップS1)。また、データ記憶部30に記憶された前日一日分の実測値を読み出す(ステップS2)。具体的には、前日の時間ごとの室内温度、絶対湿度、および外気温度を読み出す。
【0054】
さらに、予測部3は、ネットワーク11を介して今日一日分の予報外気温度を取得する(ステップS3)。つまり、天気予報情報に含まれる時間ごとの外気温度を取得する。なお、ステップS1~S3の順序は特に限定されない。
【0055】
続いて、予測部3は、ステップS2で読み出した昨日の実測値、および、ステップS3で取得した今日の予報外気温度に基づいて、今日一日分の室内温度および絶対湿度を予測する(ステップS5)。すなわち、昨日の実測値および今日の予報外気温度、ならびに今日の月(たとえば3月)を、ステップS1で読み出した予測モデル20に入力することにより、今日の室内温度の予測値、および、今日の絶対湿度の予測値が得られる。これらの予測値は、たとえば1時間ごとに得られる。
【0056】
室内温度および絶対湿度が予測されると、カビ指数推定部4は、部屋9内の相対湿度を時間ごとに算出し(ステップS7)、算出した相対湿度(予測値)に基づいて時間ごとのカビ指数を算出(推定)する(ステップS9)。これにより、今日一日分のカビ指数の推移が推定される。
【0057】
図5のグラフには、一日におけるカビ指数の推移例が実線で示されている。この例では、6時から13時までの時間帯において、カビ指数が100以上を示している。この場合、カビ指数が100以上の時間が6時間以上継続しているため、カビが発生する可能性が極めて高い。
【0058】
再び
図4を参照して、カビ指数が推定されると、スケジュール決定部5は、ユーザに選択された除湿モードが、省エネモード、時短モード、およびハイブリッドモードのいずれであるかを判定し(ステップS11)、判定した除湿モードに応じて運転スケジュール決定処理を実行する(ステップS13,S15,S17)。各運転スケジュール決定処理については、サブルーチンを挙げて後述する。
【0059】
運転スケジュール決定処理において運転スケジュールが決定されると、運転制御部6は、運転スケジュールに従って、湿度調整装置8を作動させる(ステップS19)。
【0060】
(省エネモードの運転スケジュール決定処理)
図6は、省エネモードの運転スケジュール決定処理(
図4のステップS13)を示すフローチャートである。
【0061】
スケジュール決定部5は、まず、
図4のステップS9で推定されたカビ指数が100(閾値)以上か否かを判断し(ステップS101)、そうであれば(ステップS101にてYES)、ステップS103に進む。これに対し、カビ指数が100未満であれば(ステップS101にてNO)、運転スケジュールを決定することなく、処理はメインルーチンに戻される。
【0062】
ステップS103では、カビ指数100以上が継続する時間が、目標時間である2時間(一定時間)以上であるか否かが判断される。そうであれば(ステップS103にてYES)、ステップS105に進み、カビ対策のための運転スケジュールを決定する。これに対し、カビ指数100以上が継続する時間が2時間未満であれば(ステップS103にてNO)、カビが発生する可能性は極めて低いため、運転スケジュールを決定することなく、処理はメインルーチンに戻される。
【0063】
ステップS105において、スケジュール決定部5は、カビ指数が100以上の時間帯(
図5に示す例では、6時~13時の時間帯)における、室内の絶対湿度と屋外の絶対湿度の大小関係を判断する。絶対湿度の比較は、たとえばその時間帯の平均値を用いて行われる。室内の絶対湿度は、
図4のステップS5において予測された絶対湿度である。屋外の絶対湿度は、予報外気温度とともに、ネットワーク11を介して得られる。
【0064】
屋外の絶対湿度が室内の絶対湿度よりも小さい場合(ステップS105にてYES)、換気装置81を用いて除湿する場合の所要運転時間(換気運転時間)を計算する(ステップS107)。換気運転時間は、カビ指数から推定される処理対象の水分量と、換気装置81の能力とに基づいて計算される。処理対象の水分量は、推定されたカビ指数がたとえば150の場合に、カビ指数が100未満となるように計算された量である。
【0065】
換気運転時間が閾値(たとえば12時間)以内であれば(ステップS109にてYES)、換気運転に要する消費電力を計算した後(ステップS111)、ステップS113に進む。換気運転時間が閾値を超えていれば(ステップS109にてNO)、消費電力を計算することなくステップS113に進む。また、屋外の絶対湿度が室内の絶対湿度以上の場合に(ステップS105にてNO)、ステップS113に進む。
【0066】
ステップS113では、カビ指数が100以上の時間帯の外気温(たとえば平均値)が、閾値(たとえば20℃)以上であるかを判断する。そうであれば(ステップS113にてYES)、除湿装置82を用いて除湿する場合の所要運転時間(除湿運転時間)を計算する(ステップS115)。除湿運転時間は、カビ指数から推定される処理対象の水分量と、除湿装置82の能力とに基づいて計算される。除湿運転時間が閾値(たとえば6時間)以内であれば(ステップS117にてYES)、除湿運転に要する消費電力を計算する(ステップS119)。除湿運転時間が閾値を超えていれば(ステップS117にてNO)、人為的な対策が必要と判断し、警告を表示する(ステップS130)。
【0067】
外気温が閾値未満である場合に(ステップS113にてNO)、ステップS121に進む。ステップS121では、スケジュール決定部5は、暖房装置83を用いて除湿する場合の所要運転時間(暖房運転時間)を計算する。暖房運転時間は、カビ指数から推定される処理対象の水分量と、暖房装置83の能力とに基づいて計算される。暖房運転時間が閾値(たとえば6時間)以内であれば(ステップS123にてYES)、暖房運転に要する消費電力を計算する(ステップS125)。暖房運転時間が閾値を超えていれば(ステップS123にてNO)、人為的な対策が必要と判断し、警告を表示する(ステップS130)。
【0068】
換気装置81、除湿装置82、および暖房装置83の少なくともいずれかの消費電力が計算されると、最小となる消費電力を判断し(ステップS129)、消費電力が最小となる運転機器を選択する(ステップS131)。また、その運転機器にて除湿するのに要する時間(所要運転時間)に基づいて、その機器の運転開始時間を決定する(ステップS133)。具体的には、カビ指数が100以上の時間が2時間以下となるように計算した所要運転時間に基づいて、運転開始時間を決定する。
【0069】
このように、省エネモードの場合、換気運転をメインの除湿対策としながら、換気運転時間が長すぎて換気運転に要する消費電力の方が除湿運転または暖房運転に要する消費電力よりも大きくなる場合には、除湿運転または暖房運転を選択する。これにより、消費電力を抑えた状態で、カビ対策を施すことができる。
図5のグラフには、対策後のカビ指数変化の一例が、破線にて示されている。この例では、対策なしの状態では、カビ指数が100以上の時間が6時間以上継続していたのに対し、対策後、カビ指数が100以上の時間が2時間以下となっている。
【0070】
(時短モードの運転スケジュール決定処理)
図7は、時短モードの運転スケジュール決定処理(
図4のステップS15)を示すフローチャートである。
【0071】
スケジュール決定部5がはじめに行う処理は、省エネモードと同じであり、カビ指数が100以上の時間が連続して2時間以上であるか否かを判断することで、カビ対策が必要か否かを判断する(ステップS101,S103)。
【0072】
カビ対策が必要と判断された場合に、上記ステップS113と同様に、スケジュール決定部5は、カビ指数が100以上の時間帯の外気温(たとえば平均値)が、閾値(たとえば20℃)以上であるかを判断する(ステップS213)。そうであれば(ステップS213にてYES)、除湿装置82を用いて除湿する場合の所要運転時間(除湿運転時間)を計算する(ステップS215)。外気温が閾値未満である場合に(ステップS213にてNO)、スケジュール決定部5は、暖房装置83を用いて除湿する場合の所要運転時間(暖房運転時間)を計算する(ステップS221)。
【0073】
ステップS215またはS221で計算された所要運転時間が閾値(たとえば6時間)以内であれば(ステップS223にてYES)、所要運転時間を計算した機器(除湿装置82または暖房装置83)を運転機器として選択し(ステップS231)、計算した所要運転時間に基づいて、その機器の運転開始時間を決定する(ステップS233)。ステップS215またはS221で計算された所要運転時間が閾値を超えていれば(ステップS223にてNO)、人為的な対策が必要と判断し、警告を表示する(ステップS230)。
【0074】
このように、時短モードの場合には、除湿装置82または暖房装置83が選択される。したがって、省エネモードよりも確実に、部屋9内の除湿に要する時間を短縮することができる。
【0075】
(ハイブリッドモードの運転スケジュール決定処理)
図8は、ハイブリッドモードの運転スケジュール決定処理(
図4のステップS17)を示すフローチャートである。
【0076】
スケジュール決定部5がはじめに行う処理は、省エネモードおよび時短モードと同じであり、カビ指数が100以上の時間が連続して2時間以上であるか否かを判断することで、カビ対策が必要か否かを判断する(ステップS101,S103)。
【0077】
カビ対策が必要と判断された場合、スケジュール決定部5はまず、省エネモードと同様に、室内の絶対湿度と屋外の絶対湿度の大小を判断する(ステップS305)。屋外の絶対湿度が室内の絶対湿度よりも小さい場合(ステップS305にてYES)、換気装置81を用いて除湿する場合の所要運転時間(換気運転時間)を計算する(ステップS307)。換気運転時間が、ユーザにより設定された設定時間以内であれば(ステップS309にてYES)、ステップS331に進む。
【0078】
換気運転時間が設定時間を超えていれば(ステップS309にてNO)、ステップS313に進む。また、屋外の絶対湿度が室内の絶対湿度以上の場合に(ステップS305にてNO)、ステップS313に進む。
【0079】
ステップS313では、カビ指数が100以上の時間帯の外気温(たとえば平均値)が、閾値(たとえば20℃)以上であるかを判断する。そうであれば(ステップS313にてYES)、除湿装置82を用いて除湿する場合の所要運転時間(除湿運転時間)を計算する(ステップS315)。
【0080】
外気温が閾値未満である場合に(ステップS113にてNO)、スケジュール決定部5は、暖房装置83を用いて除湿する場合の所要運転時間(暖房運転時間)を計算する(ステップS321)。
【0081】
計算した除湿運転時間または暖房運転時間が閾値(たとえば6時間)以内であれば(ステップS323にてYES)、ステップS325に進む。そうでなければ(ステップS323にてNO)、人為的な対策が必要と判断し、警告を表示する(ステップS330)。
【0082】
ステップS325において、スケジュール決定部5は、設定時間から除湿運転時間または暖房運転時間(計算時間)を引いた時間内において、換気運転にて排出できる水分量を試算する。そして、残りの水分量に対して必要な運転時間(除湿運転時間または暖房運転時間)を再計算する(ステップS327,S329)。再計算が終わると、ステップS331に進む。
【0083】
ステップS331において、スケジュール決定部5は、機器運転時間を決定する。たとえば、設定時間内において、換気装置81を何時間運転し、除湿装置82または暖房装置83を何時間運転するかについて、決定する。一例として、設定時間が5時間であると仮定した場合に、はじめの1時間は除湿装置82を運転し、残りの4時間は換気装置81を運転する、といった運転スケジュールを決定する。なお、換気装置81による除湿を先に行うように、運転スケジュールを決定してもよい。
【0084】
このように、ハイブリッドモードの場合、設定時間内において可能な限り換気運転で除湿するように、運転スケジュールが決定される。したがって、除湿に要する時間を設定時間以内としながら、トータルの消費電力を低減することができる。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態によれば、1日分の空気環境データの実測値に基づいて、翌日のカビ指数の推移が推定できるため、どの機器を何時間運転させれば危険度が低い状態(安全領域)に改善できるかを事前に求めることができる。したがって、効率的にカビを抑制することができる。
【0086】
また、本実施の形態では、推定されたカビ指数だけでなく、予測される室内外の絶対湿度および外気温度に基づいて、作動させる運転機器(運転機能)を選択するため、部屋9で過ごすユーザの快適性を損なうことなく、効率的にカビを抑制することができる。
【0087】
また、本実施の形態では、ユーザが選択した除湿モードに応じて運転機器および運転時間を決定するため、利便性および省エネルギー効果を高めることができる。そのため、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0088】
(変形例)
本実施の形態では、3種の除湿モードが設けられていることとしたが、限定的ではない。除湿モードは、少なくとも省エネモードおよび時短モードの2種を含んでいればよい。
【0089】
また、本実施の形態では、湿度調整装置8が換気運転機能、暖房機能、および除湿運転機能を有することとしたが、限定的ではない。湿度調整装置8は、たとえば除湿運転機能だけを有していてもよい。
【0090】
また、本実施の形態では、1日前の履歴データを用いて予測モデル20(130)が生成されることとしたが、限定的ではない。つまり、空気環境データが測定された時間から遡る期間(所定期間)は、24時間に限定されない。上述の決定係数が0.5以上(望ましくは0.6以上)となるように、たとえば半日前の履歴データを用いて予測モデル20(130)が生成されてもよい。この場合、予測部3は、半日後の室内温度および絶対湿度を予測する。
【0091】
また、本実施の形態に係るカビ抑制システム1のモデル記憶部2には、学習装置100で事前に生成された予測モデル20(130)が格納されることとしたが、カビ抑制システム1が学習装置100を備えていてもよい。つまり、カビ抑制システム1は、室内温度および絶対湿度の実測と予測とを繰り返すことで、モデル記憶部2に記憶された予測モデル20を更新してもよい。この場合、本システムの使用に伴って、予測モデル20による予測精度を向上させることが可能である。
【0092】
なお、上述のカビ抑制方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD-ROMなどの光学媒体やメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体にて記録させて提供することができる。この場合、制御装置10は、記録媒体(図示せず)からプログラムやデータを読み出し/書き込み可能な駆動装置(図示せず)を備える。また、ネットワーク11を介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0093】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0094】
1 カビ抑制システム、2,103 モデル記憶部、3 予測部、4 カビ指数推定部、5 スケジュール決定部、6 運転制御部、8 湿度調整装置、9,109 部屋、10 制御装置、11 ネットワーク、20,130 予測モデル、71 温度センサ、72 湿度センサ、73 外気温センサ、81 換気装置、82 除湿装置、83 暖房装置、91 エアコン(空調機)、100 学習装置、101 モデル生成部。