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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】再封可能な柔軟包装材
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/58 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
B65D75/58
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019544701
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 US2017064594
(87)【国際公開番号】W WO2018156233
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】15/442,779
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599057065
【氏名又は名称】ソノコ・デヴェロップメント,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ハファー,スコット・ウィリアム
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-039494(JP,A)
【文献】特開2000-229681(JP,A)
【文献】特開2013-151329(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0122109(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板ベース層と、
感圧接着剤層を介して前記基板ベース層に少なくとも部分的に剥離可能に付着されたフィルム層であって、前記感圧接着剤層は、
少なくとも1つの接着剤区域と、
少なくとも1つの非接着剤区域であって、縦方向に連続的に延在する少なくとも1つの非接着剤区域と、
を備える、フィルム層と、
を備える柔軟包装材であって、
前記フィルム層は、前記少なくとも1つの非接着剤区域内に配置される少なくとも1つのプルタブを形成するように切り込まれており、
前記基板ベース層は、前記少なくとも1つの非接着剤区域の両側にそれぞれ隣接して配置される少なくともつの空洞を形成するように切り込まれている、
柔軟包装材。
【請求項2】
前記フィルム層は、少なくとも2つのプルタブと連続する少なくとも2つの再封可能なフラップを形成するように切り込まれている、請求項に記載の柔軟包装材。
【請求項3】
前記少なくとも2つの再封可能なフラップは、前記感圧接着剤層を介して、前記少なくとも2つの空洞を画定する前記基板ベース層の一部に再封可能に付着されるようになっている、請求項に記載の柔軟包装材。
【請求項4】
前記少なくとも1つの連続的な非接着剤区域は、前記2つの空洞間に配置され、前記2つの空洞間の距離よりも小さい幅を有している、請求項に記載の柔軟包装材。
【請求項5】
基板ベース層と、
感圧接着剤層を介して前記基板ベース層に少なくとも部分的に剥離可能に付着されたフィルム層であって、前記感圧接着剤層は、
少なくとも1つの接着剤区域と、
少なくとも1つの非接着剤区域であって、縦方向に連続的に延在し、前記フィルム層の中心に配置された少なくとも1つの非接着剤区域と、
を備える、フィルム層と、
を備える柔軟包装材であって、
前記フィルム層は、前記少なくとも1つの非接着剤区域内に配置されるプルタブを形成するように切れ込まれ、前記プルタブは、その中心に沿って切り込まれ、2つのプルタブに分割されており、
前記フィルム層は、前記2つのプルタブの各々と連続する2つの再封可能なフラップを形成するように付加的に切り込まれており、
前記基板ベース層は、前記少なくとも1つの非接着剤区域の両側に前記2つの再封可能なフラップと合わされるように配置される2つの空洞を形成するように切り込まれている、
柔軟包装材。
【請求項6】
前記少なくとも1つの接着剤区域は、前記再封可能なフラップを前記2つの空洞を画定する前記基板ベース層の一部に剥離可能に付着させるように配置されている、請求項に記載の柔軟包装材。
【請求項7】
柔軟包装材を形成するための方法であって、
基板ベース層を供給するステップと、
フィルム層を供給するステップと、
感圧接着剤を用いて前記基板ベース層を前記フィルム層に積層するステップであって、
前記感圧接着剤は、前記基板ベース層と前記フィルム層との間に接着剤区域及び少なくとも1つの非接着剤区域を形成するように配置され、前記少なくとも1つの非接着剤区域が縦方向に連続的に延在する、ステップと、
前記非接着剤区域内の少なくとも1つのプルタブ及び前記少なくとも1つのプルタブと連続する少なくとも1つの再封可能なフラップを形成するように、前記フィルム層を切り込むステップと、
前記少なくとも1つの非接着剤区域の両側に前記再封可能なフラップと合わされるように配置される少なくともつの空洞を形成するように、前記基板ベース層を切り込むステップと、
を含む方法。
【請求項8】
前記フィルム層及び前記基板ベース層を切り込むために、打抜機が利用される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記フィルム層及び前記基板ベース層を切り込むために、レーザーが利用される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記接着剤区域は、前記非接着剤区域を避けるようにパターン塗布される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記感圧接着剤は、前記基板ベース層及び前記フィルム層の全体にわたって配置され、前記感圧接着剤は、前記縦方向において連続的に部分的非活性化され、これによって、前記非接着剤区域を形成する、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、再封可能な柔軟包装材に関する。
【発明の概要】
【0002】
一態様によれば、本発明は、基板ベース層と、感圧接着剤層を介して基板ベース層に少なくとも部分的に剥離可能に付着されたフィルム層であって、感圧接着剤層は、少なくとも1つの接着剤区域と、機械方向に連続的に延在する少なくとも1つの非接着剤区域とを備えるフィルム層と、を備える柔軟包装材であって、フィルム層は、少なくとも1つの非接着剤区域内に配置される少なくとも1つのプルタブを形成するように、切り込まれており、基板ベース層は、少なくとも1つの非接着剤区域に隣接して配置される少なくとも1つの空洞を形成するように切り込まれている、柔軟包装材を提供する。
【0003】
他の態様によれば、本発明は、基板ベース層と、感圧接着剤層を介して基板ベース層に少なくとも部分的に剥離可能に付着されたフィルム層であって、感圧接着剤層は、少なくとも1つの接着剤区域と、機械方向に連続的に延在し、フィルム層の中心に配置された少なくとも1つの非接着剤層とを備えるフィルム層と、を備える柔軟包装材であって、フィルム層は、少なくとも1つの非接着剤区域内に配置されるプルタブを形成するように切れ込まれ、プルタブは、その中心に沿って切り込まれ、2つのプルタブに分割されており、フィルム層は、2つのプルタブの各々と連続する2つの再封可能なフラップを形成するように切り込まれており、基板ベース層は、少なくとも1つの非接着剤区域の両側に2つの再封可能なフラップと合わされるように配置される2つの空洞を形成するように、切り込まれている、柔軟包装材も提供する。
【0004】
更に他の態様によれば、本発明は、柔軟包装材を形成するための方法であって、シート形態にある基板ベース層を供給するステップと、シート形態にあるフィルム層を供給するステップと、感圧接着剤を用いて基板ベース層をフィルム層に積層するステップであって、感圧接着剤は、ベース層とフィルム層との間に接着剤区域及び非接着剤区域を形成するように配置され、非接着剤区域が機械方向に連続的に延在するステップと、非接着剤区域内の少なくとも1つのプルタブ及び少なくとも1つのプルタブと連続する少なくとも1つの再封可能なフラップを形成するように、フィルム層を切り込むステップと、再封可能なフラップと合わされるように配置される少なくとも1つの空洞を形成するように、ベース層を切り込むステップと、を含む方法も提供する。
【0005】
本明細書に含まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の1つ又は複数の実施形態を示し、該実施形態の記載と一緒になって本発明の原理を説明するためのものである。
【0006】
当業者に向けられる本発明の最良のモードを含む本発明の完全且つ実施可能な開示が、添付の図面を参照して本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の転写テープ及びロールストック層の実施形態の上面図である。
図1B】本発明の積層フィルムの実施形態の断面図である。
図2】本発明の柔軟包装材の実施形態の上面図である。
図3】本発明の柔軟包装材の他の実施形態の上面図である。
図4】本発明の包装体の実施形態の斜視図である。
図5】本発明の包装体の他の実施形態の斜視図である。
図6】本発明の柔軟包装材の他の実施形態の上面図である。
図7】本発明の実施形態による柔軟包装材の作製を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び図面における参照符号の繰返し使用は、本発明の同一又は同様の特徴又は要素を示すことが意図されている。
【0009】
以下、添付の図面に示される1つ又は複数の実施例を含む本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。各実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するためのものではない。実際、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明に対して修正及び変更がなされ得ることは、当業者にとって明らかだろう。例えば、一実施形態の一部として図示又は記載される特徴を他の実施形態に用いることによって、更に他の実施形態をもたらすことができる。従って、本発明は、添付の請求項及びそれらの等価物の範囲内に含まれるこのような修正及び変更を包含することが意図されている。
【0010】
様々な食品及び非食品が、一種又は複数種のポリマーフィルム、金属化ポリマーフィルム、紙、金属箔、等の積層化によって主に形成される柔軟包装材料を用いて包装されている。多くの場合、包装体は、一度に僅か使用又は消費される物品を含み、該物品は、周囲環境に晒されることによって悪影響を受ける傾向(例えば、湿っぽくなる傾向又は干からびる傾向)にある。従って、最初の開封後に包装体を再封し、包装体内の物品を新鮮に保つことを可能にすることが望まれている。
【0011】
柔軟包装材に対して、種々の開封及び再封構成が開発されてきている。多くの場合、再封能力は、物品包装体の外面の開封箇所に隣接して取付けられる感圧接着剤ラベルを用いることによって達成される。このようなラベルは、多くの場合、包装構造と別に形成され、次いで、包装構造に取り付けられるようになっている。この種のラベルは、典型的には、包装構造上に付着されるまでラベルの接着層を保護するように設計された剥離ライナーを備えている。この剥離ライナーは、包装構造への付着時に除去され、且つ廃棄されねばならなく、これによって、無駄及び不必要な経費が生じることになる。加えて、別に形成されたライナー付きラベルは、典型的には、剥離ライナーの分離点から90°の角度でラベルを分配するのに十分な剛性を有していなければならない。これによって、ラベルの厚みが制限される。
【0012】
代替的に、ライナーを用いることなくラベルを包装フィルム又は包装構造に接着するために、転写テープを利用することができる。転写テープは、典型的には、包装構造にその連続体の中心に沿って機械方向に付着される。転写テープ及び包装構造の積層の後、転写テープ及び包装構造は、それぞれ、上側及び底側から切り込まれ、再封可能なラベルを形成する。しかし、包装構造及びラベルの繰返し長さのばらつき並びにウエブ基板の拡張性によって、多くの場合、包装構造の表面の図形に対する転写テープのパターン塗布された接着区域の位置がずれることがある。転写テープ及び包装構造の適切な位置合わせを確実にするために、包装材製造機械は、多くの場合、エラー検出及び補正のためにサーボ機構を用いる必要がある。
【0013】
対照的に、一実施形態では、本発明は、包装材料への付着中に機械方向における位置合わせを必要としないライナレスフィルム又は転写テープを備えている。このフィルム又は転写テープは、機械方向に連続する非接着剤区域を備えている。このフィルム又は転写テープは、感圧接着剤を用いて別のロールストックフィルムに接着され、積層フィルムを形成する。次いで、積層フィルムが上から及び下から切込まれ、柔軟包装材を形成する。柔軟包装材は、該柔軟包装材の開口及び包装体の空洞を覆う再封可能なフラップを備えている。包装体を形成するために、この柔軟包装材を用いることができる。非接着剤区域と真っ直ぐに並ぶプルタブを用いることによって、エンドユーザーは、再封可能なフラップを包装体から離れる方に持ち上げ、包装体から所望の内容物を取出し、次いで、再封可能なフラップを包装体上に再び押し付け、感圧接着剤によってフラップを包装体に再接着させ、これによって、包装体を再封することになる。このようにして、包装体は、繰返し開封及び再封されることが可能になる。
【0014】
本発明の包装体、柔軟包装材、積層フィルム、及び転写テープは、食品及び非食品の包装と関連して用いられる。種々の例において、本発明の包装体、柔軟包装材、積層フィルム、及び転写テープは、(開封及び再封されることが望ましい、すなわち、周囲の環境に晒されることによって悪影響を受ける傾向のある)クッキー、クラッカー、乾物類、洗浄剤、又は任意の他の物品を貯蔵するために用いられるとよい。
【0015】
図面を参照すると、図1Aは、一実施形態による本発明の転写テープ11及び(本明細書ではロールストックとも呼ばれる)基板ベース層12の上面図を示している。転写テープ11は、非接着剤区域27及び1つ又は複数の接着剤区域13を有しているとよい。いくつかの実施形態では、転写テープ11の非接着剤区域27は、機械方向24に連続している。一実施形態では、転写テープ11及びロールストック12は、一緒に積層され、積層フィルム10を形成するようになっている。
【0016】
図1Bの断面図に示されるように、一実施形態では、本発明の積層フィルム10は、多数の層を備えている。一実施形態では、積層フィルム10は、転写テープ11及びロールストック層12を備えている。転写テープ11は、多数の層を付加的に備えていてもよい。
【0017】
一実施形態では、転写テープ11は、その最上層又は最外層として、任意選択的な剥離皮膜15を備えていてもよい。一実施形態では、剥離皮膜15は、転写テープ11がオフラインでロールストックに付着される場合に利用されるとよい。この実施形態では、剥離皮膜15は、フィルム14の上面に塗布されるとよく、ロールストック12への付着中に転写テープ11の安定した巻戻しを確実にするように設計されているとよい。
【0018】
しかし、他の実施形態では、転写テープ11は、プレスによってロールストック12に付着されるようになっている。この実施形態では、転写テープ11は、剥離皮膜15を備えていてもよいし、又は備えていなくてもよい。転写テープ11が剥離皮膜15を備えていない場合、フィルム14は、剥離物として機能する追加物を備えているとよい。
【0019】
フィルム14の例として、当業界において周知のどのような柔軟包装材フィルム、例えば、制限されないが、ポリマーフィルム、金属化ポリマーフィルム、紙、金属箔、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(OPP)フィルム、金属化ポリエステルフィルム(MPET)フィルム、これらの任意の組み合わせ、又は当業界において周知の任意の他の適切なフィルムが挙げられる。種々の実施形態において、フィルム14は、多層フィルムであってもよい。一実施形態では、フィルム14は、印刷済みフィルムを含んでいる。
【0020】
転写テープ11の一部として、任意選択的なプライマー層16がフィルム14の底側に隣接して配置されていてもよい。プライマー層16は、転写テープ11に利用される接着剤13の保持力を増大させることが意図されている。一実施形態では、プライマー層16は、フィルム14の底側及び/又はロールストック12の上側に被覆される液状物質とすることができる。他の実施形態では、プライマー層16は、フィルム14の底側及び/又はロールストック12の上側に施される物理的処理、例えば、コロナ処理又は火炎処理によるものとすることもできる。
【0021】
転写テープ11の底側は、接着剤13を用いることによって、ロールストック12の上側の領域に剥離可能に付着されるようになっている。一実施形態では、転写テープ11のフィルム14の底側(場合によっては、任意選択的なプライマー層16)は、このようにして、ロールストック12に付着される。いくつかの実施形態では、接着剤13は、感圧接着剤(PSA)からなっているとよい。当業界において周知のどのような適切なPSAが本発明に利用されてもよい。例えば、接着剤13の例として、アクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系、ブチル系、又はエチレンビニルアセテート(EVA)系が挙げられる。
【0022】
一実施形態では、PSA13は、場合に応じて、転写テープ11又はフィルム14をロールストック12の特定領域に剥離可能に固定するように、選択される。任意選択的に、一種又は複数種の接着剤13が用いられてもよい。具体的には、接着剤13は、ロールストック12に対する転写テープ11又はフィルム層14の結合親和性のレベルを場合に応じて異ならせることが可能である。場合に応じて、例えば、不正開封明示インジケータ20が配置される特定領域において転写テープ11又はフィルム14をロールストック12に接着するために、より大きい結合親和性を有する接着剤13が選択され、且つ利用されるとよい。転写テープ11又はフィルム14を場合に応じてロールストック12に固定するために接着剤13を用いることによって、積層フィルムが得られる。一実施形態では、用いられる接着剤13によって、エンドユーザーは、ロールストック12に対して転写テープ11又はフィルム14を場合に応じて多数回分離及び再封することが可能になる。
【0023】
一実施形態では、ロールストック12の例として、当業界において周知のどのような柔軟包装フィルム、例えば、制限されないが、ポリマーフィルム、金属化ポリマーフィルム、紙、金属箔、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、PETフィルム、OPPフィルム、MPETフィルム、これらの任意の組み合わせ、又は当業界において周知の任意の他の適切なフィルムが挙げられる。種々の実施形態では、ロールストック12は、多層フィルムであってもよい。一実施形態では、ロールストック12は、印刷済みの柔軟包装材料から構成されている。一実施形態では、ロールストック12及びフィルム14は、同一材料から構成されている。
【0024】
一実施形態では、積層フィルム10は、内から外の順序で、ロールストック12、接着剤13、任意選択的なプライマー層16、フィルム層14、及び外層又は最外層としての任意選択的な剥離皮膜15を備えている。
【0025】
いくつかの実施形態では、本発明の積層フィルム10は、酸素及び/又は湿気の通過に対して障壁をもたらすバリア層を付加的に備えていてもよい。他の実施形態では、積層フィルム10は、レーザー又は打抜機がフィルム14又はロールストック12の全厚みを貫通するのを阻止するのを妨げる1つ又は複数の金属化層又は金属箔層を付加的に備えていてもよい。
【0026】
図2は、積層フィルム10が切り込まれている本発明の柔軟包装材100を示している。図1A及び図2に示されるように、本発明の実施形態では、柔軟包装材100は、転写テープ11又はフィルム14とロールストック12とに間に非接着剤区域27を備えている。一実施形態では、非接着剤区域27は、機械方向24に連続的に配置されている。この実施形態では、非接着剤区域27は、柔軟包装材100及び(製造時に柔軟包装材100を包囲する)マトリックス又は骨格21の両方を連続的に通って配置されている。この実施形態では、非接着剤区域27が機械方向24に連続的に配置されているので、機械方向24において位置合せが必要とされない。他の実施形態では、非接着剤区域27は、柔軟包装材100及び/又はマトリックス21を通って連続していなくてもよい。
【0027】
一実施形態では、転写テープ11は、機械方向24に連続的な非接着剤区域27を含むように設計されている。従って、転写テープ11がロールストック12に付着された時、非接着剤区域27において2つの層(転写テープ11及びロールストック12)間に接着剤が存在していない。
【0028】
一実施形態では、非接着剤区域27は、機械方向24において柔軟包装材100の中心に配置されている。この実施形態では、プルタブ22,32も、非接着剤区域27と真っ直ぐに並んで柔軟包装材100の中心に配置されている。この実施形態では、柔軟包装材100及びプルタブ22,32は、機械方向24において互いに真っ直ぐに並び、これによって、プルタブ22,32及び剥離可能なフラップ42が持ち上げられると、空洞29,62が現れるが、このような持上げは、図2図5に示されるように機械方向24において行なわれることになる。この実施形態では、柔軟包装材100は、少なくとも2つの空洞29を有している。この実施形態では、非接着剤区域27の幅は、少なくとも2つの空洞29間の距離と等しいか又はそれよりも小さくなっているとよい。
【0029】
他の実施形態では、非接着剤区域27は、柔軟包装材100の範囲内において左右方向のどの位置に配置されていてもよい。特定の実施形態では、非接着剤区域27は、(図6に示されるように)、機械方向24において中心の左側又は右側に連続的に配置されている。この実施形態では、プルタブ61も、機械方向において中心の左側又は右側に配置され、非接着剤区域27と真っ直ぐに並ぶように配置されているとよい。特定の実施形態では、柔軟包装材100及びプルタブ61は、機械方向24と直交するように配置されていてもよく、この場合、プルタブ61及び対応する剥離可能なフラップが持ち上げられると、空洞62が現れるが、このような持上げは、図6に示されるように、機械方向24に対して直交する方向において行なわれることになる。一実施形態において、多数の非接着剤区域27が柔軟包装材100内に配置されてもよい。
【0030】
一実施形態では、非接着剤区域27は、当業界において周知の任意の方法を用いて、塗布された接着剤13を消失又は非活性化させることによって形成されるとよい。他の実施形態では、非接着剤区域27は、1つ又は複数の非接着剤区域27を形成するように、接着剤13を転写テープ11又はフィルム14にパターン塗布することによって形成されてもよい。この実施形態では、接着剤13は、本質的に機械方向24に少なくとも1つの連続的な非接着剤区域27を画定する1つ又は複数の接着剤ラインを生成するように、機械方向24に連続的にパターン塗布されるとよい。他の実施形態では、接着剤13は、ランナーレスラベル10内に接着剤部分及び非接着剤部分を交互に画定するように選択的にパターン塗布されてもよい。一実施形態では、非接着剤区域27は、ロールストック12への転写テープ11の付着又は積層の前に生成されるようになっている。
【0031】
一実施形態では、柔軟包装材100は、不正開封明示インジケータ20を付加的に備えているとよい。不正開封明示インジケータ20は、包装体がすでに開封されたかどうか又は包装体の完全性が損なわれたどうかどうかを示すために用いられる当業界において周知のどのような形態を備えていてもよい。一実施形態では、開封された時に途切れのないフィルム領域を包装体40に残すように構成されている限り、当業界において周知のどのような不正開封明示インジケータ20が利用されてもよい。一実施形態では、不正開封明示インジケータ20は、例えば、切込ライン、ミシン目ライン、又は薄肉ラインによって生じる脆弱領域を備えていてもよいし、又は破断線に沿って二分割する傾向を有する高配向材料から形成されていてもよい。例えば、図2は、不正開封明示インジケータにおける脆弱領域を生じるミシン目23を示している。これによって、開封された後、不正開封明示インジケータ20は、ミシン目23に沿って2分割し、包装体40上に不正開封明示インジケータ20の上部を残すことになる。一実施形態では、本発明は、Gagneに付与された米国特許出願第15/017,743号に更に十分に記載される不正開封明示インジケータ20を利用してもよい。なお、この文献は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【0032】
図2図5に更に示されるように、一実施形態では、柔軟包装材100及び包装体40は、食品又は他の物品を貯蔵するための多数の空洞29を画定しているとよい。この実施形態では、例えば、包装体40の左側及び右側に別々の空洞29が配置されてもよい。任意選択的に、これらの空洞29は、内部仕切りによって分離されてもよい。
【0033】
図2及び図4に示される実施形態では、柔軟包装材100は、単一のプルタブ22を備えている。この実施形態では、単一のプルタブ22を用いることによって、両方の空洞29が同時に開封する。他の実施形態では、柔軟包装材100は、(図3及び図5に示される)二重プルタブ又は分割プルタブを備えている。この実施形態では、空洞29の各々を同時に開封するために、プルタブ32の両側が同時に引っ張られてもよい。代替的に、一実施形態では、プルタブ32が2つのプルタブに分割され、各々が個別の空洞29に対応するようになっていてもよい。分割プルタブ32の各々が独立して引っ張られ、これによって、各空洞39を独立して開封する。この実施形態では、各空洞29内に含まれる物品は、個別にアクセスされ、フラップが再封され、これによって、各空洞29の内容物を更に効果的に保存することができる。
【0034】
[製造の方法]
一実施形態では、積層フィルム10、柔軟包装材100、及び包装体40を作製するために、第1のステップにおいて、(任意選択的に、種々のレベルの結合親和性を有する)PSA13が、非接着剤区域27を残す所定のパターンでフィルム14とロールストック12との間に塗布されるとよい。代替的に、(任意選択的に、種々のレベルの結合親和性を有する)PSA13を非接着剤区域27を残す所定のパターンでフィルム14に塗布することによって、転写テープ11がオフラインで形成されてもよい。いずれの実施形態においても、次いで、フィルム14(又は、場合によっては転写テープ11)及びロールストック12が一緒に積層され、積層フィルム10を形成することになる。
【0035】
いったん積層フィルム10が形成されたなら、積層フィルム10の両側に対して正確な切込作業(レーザー加工、打抜き、又は当業界において周知の任意の他の方法)が行なわれるとよい。とりわけ、切込作業は、連続的な非接着剤区域27に起因して接着剤パターンと位置合わせする必要がない。一実施形態では、各切込作業は、積層フィルム10の1つの層のみを貫通するようになっている。
【0036】
更に具体的には、一実施形態では、積層フィルム10、柔軟包装材100、及び包装体40は、以下の方法によって行なわれるとよい。
【0037】
最初に、フィルム14及びロールストック12が(図1Aに示される)シート形態で準備される。PSA13がフィルム14の底面46の所定の領域にパターン塗布される。パターンは、どのような適切なパターンであってもよいが、一実施形態では、フィルム14は、機械方向24に少なくとも1つの連続的な非接着剤区域27が残るパターンであるとよい。PSA13は、乾燥ステーション、例えば、炉等において乾燥されるとよい。
【0038】
一実施形態では、PSA13よりも高レベルの結合親和性を有する接着剤が(PSA13を覆わないように、プルタブ22(又は32)が切り込まれる領域を覆わないように、且つフィルム14の機械方向24に少なくとも1つの連続的な非接着剤区域27が残るように)、フィルム14の底面46の所定の領域にパターン塗布されてもよい。代替的に、転写テープ11が、前述のように個別に準備されてもよい。
【0039】
次に、図7に示されるように、フィルム14又は転写テープ11及びロールストック12は、箇所71において、PSA13を介して接着結合され、積層フィルム10を形成する。これは、ニップが介在する2つのローラを備える積層機を用いることによって達成されるとよい。一実施形態では、フィルム14及びロールストック12は、積層プロセス中に、実質的に同一の拡がりを有するべきである。例えば、もしフィルム14及びロールストック12が矩形であったなら、フィルム14の幅及び長さは、ロールストック12の幅及び長さと一致するべきである。積層フィルム10は、矩形であってもよいし、又は所望の柔軟包装体40を形成するためのどのような適切な形状であってもよい。
【0040】
次に、積層フィルム10のロールは、第1の切込ステーション72に送られ、該ステーションにおいてアンダーカット44,63がロールストック12に切り込まれる。アンダーカット44,63は、レーザー、打抜機、又は任意の適切な手段によって、ロールストック12の全厚み又は全厚みの殆どを貫通するように、形成されるとよい。一実施形態では、アンダーカット44,63は、2つ以上の空洞29を画定するものであるとよい。一実施形態では、アンダーカット44,63は、PSAパターンの内側境界45と位置合わせされている。包装体完全性特徴部20も、このステップ中にローストック12に切り込まれるとよい。一実施形態では、アンダーカット44は、(図3に示される)ヒンジ33を含んでいてもよく、これによって、ラベルの開封時に、ラベルフラップは、包装体への接着を維持しながら、切抜線間でヒンジ運動することができる。一実施形態では、ヒンジ33は、「Jフック」状ヒンジ又はオーバカットによるバックヒンジであってもよいが、物品包装体からのラベルフラップの完全な切離しを阻止する停止点をもたらすどのような機構が利用されてもよいことを理解されたい。
【0041】
次いで、積層フィルム10のロールは、第2の切込ステーション73に送られ、該ステーションにおいて、オーバカット28,64がフィルム14の外面に形成される。オーバカット28,64は、好ましくは、PSA13の外側境界47と実質的に位置合わせして形成されるとよいが、PSA13に重なってもよい。オーバカット28,64は、レーザ、打抜機、又は任意の適切な手段によって、フィルム14の全厚み又は全厚みの殆どを貫通するように形成されるとよい。アンダーカット44,63及びオーバカット28,64の完成によって、柔軟包装材100が形成される。一実施形態では、この時点で、柔軟包装材100を包囲するマトリックス又は骨格21が取り外され、廃棄されることになる。
【0042】
次いで、柔軟包装材100は、包装体40の形成に用いられるために巻き取られる。例えば、制限されないが、柔軟包装材100は、クッキー又はクラッカー製造設備において、クッキー又はクラッカーを包むのに用いられる。内容物が柔軟包装材100の内側に配置された後、一端又は両端41が密封され、充填された包装体が得られることになる。密封は、両端41の圧着、折畳、又はそれ以外にの閉鎖によって行なわれ、次いで、熱融着が用いられる場合、柔軟包装材100を少なくとも部分的に溶融するのに十分な温度に両端41を晒し、該両端41を一緒に融合又は溶着し、これによって、ヒートシールが形成されるとよい。代替的に、制限されないが、両端41がコールドシールを用いて密封されてもよい。
【0043】
[使用の方法]
図4図5は、本発明の包装体40の実施形態の斜視図である。柔軟包装体40は、(ロールストック12に接着されないように、フィルム14に形成された)単一プルタブ(図4)を引っ張ることによって、開封される。感圧接着剤13の接着の程度がわずかであることによって、再封可能なフラップ42がロールストック12から剥離する。更に具体的には、プルタブ22が持ち上げられると、フィルム14がオーバカット28に沿って離脱し、この時、PSA13を介してロールストックに付着していたフィルム14の部分が遊離する。このプロセスによって、包装体40の少なくとも1つの空洞29がアンダーカット44の存在に部分的に起因して開封され、この空洞29を介して、内容物にアクセスすることが可能になる。再封可能なフラップをめくることによって、すなわち、フィルム層14が取り去られ又はめくられる時に、ロールストック層12の一部を開くことによって、空洞29が現れる。このように、アンダーカット44は、包装体40の空洞29を画定しており、再封可能なフラップ42のオーバカット28の内側に形成されている。図4図5において、ユーザーが再封可能なフラップ42をめくることによって、(アンダーカット44によって画定された)空洞29が現れている。
【0044】
同様に、図5に示される柔軟包装材40は、(ロールストック12に接着しないようにフィルム14に形成された)分割プルタブ32のいずれかを引っ張ることによって、開封される。感圧接着剤13の接着の程度がわずかであることによって、一方の再封可能なフラップ42がロールストック12から剥離する。これによって、包装体40の多数の空洞29の1つがアンダーカット44の存在に部分的に起因して開封され、この空洞29を通して内容物にアクセスすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、プルタブ22,32は、オーバカット28,64によって、該オーバカット28,64の残りの一般形状から外方に延在する半円又は半楕円形状を有するように、画定されている。一実施形態では、プルタブ22,32の内面及びロールストック12の対応する外面は、接着剤を有していない。従って、プルタブ22,32は、(例えば、ユーザーがプルタブ22,32,61と包装体40の残りとの間に指を入れることによって)、包装体40から容易に分離される。このようにして、ユーザーは、図4図5に示されるように、プルタブ22,32を掴み、再封可能なフラップ42を包装体40の本体48から離れる方に引っ張ることができる。
【0046】
本発明のこれらの及び他の修正及び変更は、添付の請求項に更に具体的に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施可能である。加えて、種々の実施形態の態様は、全体的に又は部分的に互いに置き換えられてもよいことを理解されたい。更に、当業者であれば、前述の説明が単なる例示にすぎず、添付の請求項に更に記載される本発明を制限するものではないことを理解するだろう。それ故、添付の請求項の精神及び範囲は、本明細書に含まれる態様の記載に制限されるべきではない。


図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7