(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】繊維質フィルターセグメントを有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 3/17 20200101AFI20230412BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20230412BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D1/20
(21)【出願番号】P 2019564524
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2018065229
(87)【国際公開番号】W WO2018224679
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-31
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503335(JP,A)
【文献】特表2015-508992(JP,A)
【文献】実開昭62-086894(JP,U)
【文献】特開2012-065633(JP,A)
【文献】国際公開第2016/207192(WO,A1)
【文献】特表2015-523857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/17
A24D 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
ラッパー内で組み立てられ、口側の端と前記口側の端の上流の遠位端とを有するロッドを形成する複数の構成要素を含み、
前記複数の構成要素が、
植物材料およびエアロゾル形成体を備えるエアロゾル形成基体であって、前記基体が乾燥質量基準で、5~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、エアロゾル形成基体と、
前記エアロゾル形成基体の下流のフィルターセグメントであって、フィラメント当たり、少なくとも約12デニールの繊維を含む、フィルターセグメントと、を含む、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記フィルターセグメントの前記繊維が、フィラメント当たり、約120以下のデニールを有する、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記フィルターセグメントの前記繊維が、フィラメント当たり、約30~約80デニールを有する、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記フィルターセグメントが、約6,000~約240,000の総デニールを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記フィルターセグメントが、長さ1ミリメートル当たり、約1mm H
2O~約3mm H
2Oの引き出し抵抗を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記フィルターセグメントが、少なくとも10ミリメートルの長さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記エアロゾル形成基体のすぐ下流に位置する支持要素をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記エアロゾル形成基体と前記フィルターセグメントとの間に位置するエアロゾル冷却要素をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記エアロゾル冷却要素が、7ミリメートル未満の長さを有する、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記エアロゾル冷却要素の前記長さが、前記フィルターセグメントの前記長さの25パーセント以下である、請求項8または9に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記フィルターセグメントが、前記支持要素のすぐ下流に位置する、請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
くぼみが前記フィルターセグメントと前記支持要素との間に提供され、かつ前記支持要素から前記フィルターセグメントに延びる、請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記フィルターセグメントの前記繊維が、実質的に楕円形の断面を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記エアロゾル形成基体が、例えば均質化したたばこのシートの集合体などのエアロゾル形成材料のシートの集合体、またはニコチン塩およびエアロゾル形成体を含むシートの集合体を含むロッドの形態である、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記フィルターセグメントの総デニールが、約24,000~約60,000である、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項16】
前記フィルターセグメントの長さが、前記エアロゾル発生物品の長さの少なくとも10パーセントである、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項17】
前記フィルターセグメントが、フィラメント当たり少なくとも12デニールの繊維を重量で少なくとも50%含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項18】
前記フィルターセグメントと前記エアロゾル形成基体との間にくぼみが設けられている、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項19】
前記エアロゾル発生物品の長さと前記くぼみの長さの比が、少なくとも3:1である、請求項18に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項20】
前記エアロゾル形成基体が、加熱時に吸入可能なエアロゾルを発生するよう構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項21】
電気的に作動するエアロゾル発生装置および請求項1~
20のいずれかに定義されるエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱時に吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品に関連する。たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体が、燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品が当業界で公知である。このような加熱式エアロゾル発生物品の目的は、従来的な紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成される公知の有害な煙成分を減少させることである。
【背景技術】
【0002】
従来的な紙巻たばこは、ユーザーが炎を紙巻たばこの一方の端に付けて、他方の端を通して空気を吸う時に点火される。炎と紙巻たばこを通して吸われた空気中の酸素によって提供される局部的な熱が、紙巻たばこの端部を着火させ、その結果生じる燃焼が吸入可能な煙を発生する。それに対して、加熱式エアロゾル発生物品では、吸入可能なエアロゾルは、熱源の内部、周囲、または下流に位置し得る、熱源から物理的に離れたエアロゾル形成基体または材料への熱伝達によって典型的に生成される。消費中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を介して吸われた空気中に取り込まれる。放出された化合物が冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。
【0003】
こうした冷却を支援するために、エアロゾル発生物品は、エアロゾル冷却要素およびエアロゾル形成基体の下流にあるフィルターセグメントをも典型的に含む。しかしながら、エアロゾル冷却要素は、製造するのが比較的複雑または高価である場合がある。結果として、当技術分野の特性を有するが、エアロゾル冷却要素の必要性が低減された、または必要のない、エアロゾル発生物品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、口側の端および口側の端から上流にある遠位端を有するロッドを形成するためにラッパー内に組み立てられた複数の構成要素を備えるエアロゾル発生物品が提供される。複数の構成要素は、エアロゾル形成基体およびエアロゾル形成基体の下流にあるフィルターセグメントを備え、フィルターセグメントはフィラメント当たり少なくとも約12デニールの繊維を含む。フィルターセグメントは、フィラメント当たり少なくとも約12デニールの繊維の数で少なくとも50%を含むことが好ましい。フィルターセグメントは、フィラメント当たり少なくとも約12デニールの繊維の数で少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%を含むことがより好ましい。フィルターセグメントは、フィラメント当たり少なくとも約12デニールの繊維の重量で少なくとも50%を含むことが好ましい。フィルターセグメントは、フィラメント当たり少なくとも約12デニールの繊維の重量で少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%を含むことがより好ましい。
【0005】
公知のエアロゾル発生物品とは対照的に、本発明による物品は、フィラメント当たり少なくとも約12デニールの繊維を含むフィルターセグメントを有する。これは、エアロゾル発生物品のための公知のフィルターセグメントで使用される繊維のものよりも、フィラメント当たりのデニールがより大きい。こうしたデニール繊維は、十分に高い濾過効率を提供できないと考えられるため、通常、エアロゾル発生物品の分野に適しているとは考えられない。こうしたデニール繊維は、通常、紙巻たばこなどの可燃性エアロゾル発生物品に適しているとは考えられないため、タールなどの粒子状物質の濾過は多くの場合、非常に望ましい。
【0006】
しかし、本発明の発明者らは、本発明によるフィルターセグメントを利用することによって、特定の有利な効果を得られることを認識した。特に、エアロゾル形成基体が燃焼するのではなく加熱される物品については、タールなどの成分の生成がより少ない場合があるため、粒子効率を比較的低くすることが望ましい場合がある。このタイプのエアロゾル発生物品では、従来的な濾過繊維の比較的短いフィルターセグメントが、望ましい粒子効率を維持するために使用されてきた。しかし、本発明による繊維を有するフィルターセグメントを利用することによって、フィルターセグメントの長さを増加させることによって、同一の粒子効率および引き出し抵抗を得ることができる。これは、エアロゾル冷却要素などの物品を巻き付けられたロッド内の他の複雑なまたは高価な構成要素の必要性を低減または排除するという有利な効果をもたらす。
【0007】
したがって、本発明の発明者らは、本発明による繊維を含むフィルターセグメントを利用することによって、エアロゾル冷却要素の必要性を低減または排除することが可能であることを認識した。したがって、本発明は、エアロゾル発生物品に含まれる冷却要素のサイズを減少させるか、または物品の望ましい引き出し抵抗および濾過効率を維持しながら、その必要性を完全に排除する方法を提供することができる。本発明のエアロゾル発生物品は、既存の技術を使用して製造することができ、冷却要素が提供されていない場合、製造工程が少なくてもよい。
【0008】
フィルターセグメントの繊維は、フィラメント当たり、約120以下のデニールを有することが好ましい。フィルターセグメントの繊維は、フィラメント当たり、約20~約100のデニールを有することが好ましく、約30~約80であることがより好ましく、約40~約80であることがさらにより好ましく、約40~約60であることがさらにより好ましい。フィルターセグメントの該繊維は、フィルターセグメント内の総繊維の数で少なくとも50%を占めることが好ましい。フィルターセグメントは、該フィラメント当たりのデニールを有する繊維の数で、少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%を含むことがより好ましい。フィルターセグメントの該繊維は、フィルターセグメント内の総繊維の重量で少なくとも50%を占めることが好ましい。フィルターセグメントは、該フィラメント当たりのデニールを有する繊維の重量で、少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%を含むことがより好ましい。
【0009】
フィルターセグメントの総デニールは、約6,000~約240,000であることが好ましく、約24,000~約60,000であることがより好ましい。
【0010】
フィルターセグメントの引き出し抵抗は、長さ1ミリメートル当たり、約0.4mm H2O~約3mm H2Oであることが好ましい。エアロゾル発生物品の総引き出し抵抗は、長さ1ミリメートル当たり、約0.6mm H2O~約1.5mm H2Oであることが好ましく、長さ1ミリメートル当たり、約0.8mm H2O~約1.2mm H2Oであることがより好ましい。
【0011】
上述の通り、フィルターセグメントの濾過効率および引き出し抵抗を増加させるために、フィルターセグメントの長さを、そうでなければ使用されていた可能性のある長さから増加させることが望ましい場合がある。したがって、フィルターセグメントの長さは少なくとも10ミリメートルであることが好ましく、少なくとも15ミリメートルであることがより好ましく、少なくとも20ミリメートルであることがさらにより好ましい。フィルターセグメントの長さは25ミリメートル以下であることが好ましい。フィルターセグメントの長さは、エアロゾル発生物品の長さの少なくとも10パーセントであることが好ましく、エアロゾル発生物品の長さの少なくとも20パーセントであることがより好ましく、エアロゾル発生物品の長さの少なくとも50パーセントであることがさらにより好ましい。
【0012】
本発明の繊維は、特定の断面形状で提供され、フィルターセグメントの濾過効率および引き出し抵抗を望ましい値に較正することができる。フィルターセグメントの繊維は、実質的に楕円形断面形状を有することが好ましい。フィルターセグメントの繊維は、実質的に円形断面形状を有することが好ましい。
【0013】
フィルターセグメントはロッドの口側の端に位置することが好ましい。フィルターセグメントは、プラグの形態であることが好ましい。フィルターセグメントの繊維は、酢酸セルロースを含むことが好ましい。
【0014】
本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を含む。「エアロゾル形成基体」という用語は、本明細書で使用される場合、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体の加熱によって放出させることができる。エアロゾル形成基体は、担体または支持体の上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填されていてもよい。エアロゾル形成基体は、好都合なことにエアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0015】
本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置と共に使用するために構成されてもよい。本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。別の方法として、本発明のエアロゾル発生物品は、それ自体、熱源および熱源から物品のエアロゾル形成基体へ熱を伝達するための少なくとも一つの熱伝導性要素を備えうる。
【0016】
エアロゾル形成基体は、植物材料およびエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0017】
植物材料は、アルカロイドを含む植物材料であることが好ましく、ニコチンを含む植物材料であることがより好ましく、たばこ含有材料であることがより好ましい。
【0018】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で、植物材料の70重量パーセントを含むことが好ましく、少なくとも植物材料の90重量パーセントを含むことがより好ましい。エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で、植物材料の90~95重量パーセントなど、乾燥質量基準で、植物材料の95重量パーセント未満を含むことが好ましい。
【0019】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で、少なくともエアロゾル形成体の5重量パーセントを含むことが好ましく、少なくともエアロゾル形成体の10重量パーセントを含むことがより好ましい。エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で、重量で5~30パーセントのエアロゾル形成体など、乾燥質量基準で、重量で30パーセント未満のエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0020】
一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、植物材料およびエアロゾル形成体を含み、基体は乾燥質量基準で、重量で5%~30%のエアロゾル形成体含有量を有する。植物材料は、アルカロイドを含む植物材料であることが好ましく、ニコチンを含む植物材料であることがより好ましく、たばこ含有材料であることがより好ましい。
【0021】
アルカロイドは、天然の窒素含有有機化合物の部類である。アルカロイドは主に植物に見出されるが、細菌、真菌および動物にも見出される。
【0022】
アルカロイドの例には、カフェイン、ニコチン、テオブロミン、アトロピン、およびツボクラリンが含まれるがこれらに限定されない。好ましいアルカロイドはニコチンであり、これはたばこ中に見いだされうる。
【0023】
エアロゾル形成基体はニコチンを含む場合がある。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよく、例えば、加熱するとエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料、例えばキャストリーフたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0024】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で5~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する均質化したたばこ材料のテクスチャードシートを含みうる。
【0025】
均質化したたばこ材料のきめのあるシートの使用は、均質化したたばこ材料シートの集結を有利に容易にしてエアロゾル形成基体を形成してもよい。
【0026】
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起またはしわを有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品内に含むための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。
【0027】
エアロゾル形成基体は、紙またはその他のラッパーによって取り囲まれたエアロゾル形成材料を含むプラグの形態であってもよい。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含めてプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられる。
【0028】
本発明のエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体を含むことが好ましい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用において、エアロゾルの形成を容易にし、実質的にエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。
【0029】
適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0030】
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
【0031】
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0032】
エアロゾル形成基体が、エアロゾル形成材料のシートの集合体、例えば均質化したたばこのシートの集合体、またはニコチン塩およびエアロゾル形成体を含むシートの集合体を含むロッドの形態であることが好ましい。
【0033】
エアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこのシートの集合体を含むエアロゾル形成基体は、当業界で周知の、例えばWO2012/164009A2号で開示されている方法によって製造しうる。
【0034】
エアロゾル形成基体の外径は少なくとも5ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル形成基体の外径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートル、例えば、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートル、またはおよそ6ミリメートル~およそ8ミリメートルでもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は7.2ミリメートル、±10%の外径を有する。
【0035】
エアロゾル形成基体の長さは、およそ5ミリメートル~およそ15ミリメートル、例えば約8ミリメートル~約12ミリメートルとしうる。一つの実施形態において、エアロゾル形成基体は、およそ10ミリメートルの長さを有しうる。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体はおよそ12ミリメートルの長さを有する。エアロゾル形成基体は実質的に円柱状であることが好ましい。
【0036】
支持要素はエアロゾル形成基体のすぐ下流に位置することができ、またエアロゾル形成基体に隣接することができる。
【0037】
支持要素は任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース、ボール紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態において、支持要素は酢酸セルロースから形成される。
【0038】
支持要素は中空の管状要素を含んでもよい。好ましい実施形態において、支持要素は中空の酢酸セルロース管を備える。
【0039】
支持要素はエアロゾル発生物品の外径とほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0040】
支持要素は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの間、例えばおよそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの間またはおよそ6ミリメートル~およそ8ミリメートル間の外径を有してもよい。好ましい実施形態において、支持要素は7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0041】
支持要素は、およそ5ミリメートル~およそ15ミリメートルの間の長さを有してもよい。好ましい実施形態において、支持要素は、およそ8ミリメートルの長さを有する。
【0042】
エアロゾル冷却要素はエアロゾル形成基体の下流に位置することができるが、例えばエアロゾル冷却要素は支持要素のすぐ下流に位置することも、また支持要素と当接することもできる。
【0043】
本明細書で使用される「エアロゾル冷却要素」は、使用中に、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物によって形成されたエアロゾルが、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素を通過し、かつエアロゾル冷却要素によって冷却されるように、エアロゾル形成基体の下流に位置するエアロゾル発生物品の構成要素を指す。エアロゾル冷却要素は、エアロゾル形成基体とマウスピースの間に位置することが好ましい。エアロゾル冷却要素は広い表面積を有するが、低い圧力降下を生じさせる。高い圧力降下を生じさせるフィルターおよびその他のマウスピース、例えば、繊維の束で形成されたフィルターは、エアロゾル冷却要素とはみなされない。また、エアロゾル発生物品内のチャンバーおよびくぼみは、エアロゾル冷却要素であるとは見なされない。
【0044】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円筒形の要素を示すために使用される。
【0045】
複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、ギャザー付け、折り畳みの加工がなされて経路を形成するシート材料によって画定されうる。複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、ギャザー付け、折り畳みの加工がなされて複数の経路を形成する単一のシートによって画定されうる。シートは捲縮されていてもよい。別の方法として、複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、ギャザー付け、折り畳みの加工がなされて複数の経路を形成する複数のシートによって画定されうる。
【0046】
本明細書に使用される「シート」という用語は、実質的にその厚さより大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
【0047】
本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、ロッドの円筒軸に沿って、またはそれと平行に延びる方向を意味する。
【0048】
本明細書に使用される「捲縮」という用語は、シートが複数の実質的に平行した隆起またはしわを有することを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、ロッドに対して長軸方向に延びることが好ましい。
【0049】
本明細書で使用される場合、「ギャザー付け」、「ひだ付け」、または「折り畳み」という用語は、材料シートが、ロッドの円筒軸に対して実質的に横方向に巻き込まれるか、折り畳まれるか、またはさもなくば、圧縮または収縮されていることを示す。シートは、ギャザー付け、ひだ付け、または折り畳みの前に捲縮されうる。シートは、事前に捲縮されることなく、ギャザー付け、ひだ付け、または折り畳みされうる。
【0050】
エアロゾル冷却要素は、当業界で公知のエアロゾル冷却要素に対して減少した長さを有することが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素の長さは約15ミリメートル以下であることが好ましく、長さが10ミリメートル以下であることがより好ましく、7または5ミリメートル以下であることがより好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、少なくとも1ミリメートルであってもよい。エアロゾル発生物品の長さとエアロゾル冷却要素の長さの比は、少なくとも3:1、または4:1であることが好ましく、少なくとも5:1であることがより好ましく、少なくとも6:1であることがさらにより好ましい。
【0051】
別の方法として、エアロゾル発生物品はエアロゾル冷却要素を有さない場合がある。この場合、フィルターセグメントは、エアロゾル形成基体のすぐ下流に、または支持要素(存在する場合)のすぐ下流に位置しうる。くぼみは、フィルターセグメントとエアロゾル形成基体との間の、またはフィルターセグメントと支持要素(存在する場合)との間のエアロゾル発生物品内に提供されうる。くぼみは、エアロゾル発生基体からフィルターセグメントまで、または支持要素(存在する場合)からフィルターセグメントに延びることが好ましい。くぼみの長さは約15ミリメートル以下であることが好ましく、長さが約10ミリメートル以下であることがより好ましく、約7または約5ミリメートル以下であることがより好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、少なくとも1ミリメートルであってもよい。エアロゾル発生物品の長さとくぼみの長さの比は、少なくとも3:1、または4:1であることが好ましく、少なくとも5:1であることがより好ましく、少なくとも6:1であることがさらにより好ましい。
【0052】
エアロゾル冷却要素が存在する場合、フィルターセグメントの長さのエアロゾル冷却要素の長さに対する比は、少なくとも1:1、または2:1であることが好ましく、少なくとも3:1であることがより好ましく、少なくとも4:1であることがさらにより好ましい。フィルターセグメントの長さのエアロゾル冷却要素の長さに対する比は、少なくとも5:1、少なくとも15:2、または少なくとも10:1であることがより好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、フィルターセグメントの長さの50パーセント以下であることが好ましく、フィルターセグメントの長さの25パーセント以下であることがより好ましく、フィルターセグメントの長さの20パーセント以下であることがさらにより好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、フィルターセグメントの長さの15パーセント以下であることが好ましく、フィルターセグメントの長さの10パーセント以下であることがより好ましく、フィルターセグメントの長さの5パーセント以下であることがさらにより好ましい。
【0053】
エアロゾル冷却要素が存在する場合、エアロゾル冷却要素は、支持要素とエアロゾル発生物品の最端の下流端に位置するフィルターセグメントとの間に位置してもよい。
【0054】
エアロゾル冷却要素が存在しない場合、およびフィルターセグメントとエアロゾル形成基体の間のエアロゾル発生物品内にくぼみが提供されている場合、くぼみの長さに対するフィルターセグメントの長さの比は、少なくとも1:1、または少なくとも2:1であることが好ましく、少なくとも3:1であることがより好ましく、少なくとも4:1であることがさらにより好ましい。フィルターセグメントの長さとくぼみの長さの比は、少なくとも5:1であることがより好ましく、少なくとも15:2であることがさらにより好ましく、少なくとも10:1であることがさらにより好ましい。くぼみの長さは、フィルターセグメントの長さの50パーセント以下であることが好ましく、フィルターセグメントの長さの25パーセント以下であることがより好ましく、フィルターセグメントの長さの20パーセント以下であることがさらにより好ましい。くぼみの長さは、フィルターセグメントの長さの15パーセント以下であることが好ましく、フィルターセグメントの長さの10パーセント以下であることがより好ましく、フィルターセグメントの長さの5パーセント以下であることがさらにより好ましい。
【0055】
エアロゾル冷却要素は、長さ1ミリメートル当たり、およそ300平方ミリメートルから、長さ1ミリメートル当たり、およそ1000平方ミリメートルの間の総表面積を有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、長さ1ミリメートルあたり、およそ500平方ミリメートルの総表面積を有する。一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、実質的に円形断面および約5ミリメートル~約10ミリメートルの直径を有しうる。例えば、エアロゾル冷却要素は約7ミリメートルの直径を有しうる。
【0056】
エアロゾル冷却要素は、あるいは熱交換器と称され得る。
【0057】
エアロゾル冷却要素は低引き出し抵抗を有するのが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品を介して空気の通過に低抵抗性を提供することが好ましい。エアロゾル冷却要素はエアロゾル発生物品の引き出し抵抗に実質的に影響を及ぼさないことが好ましい。
【0058】
エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延在するチャネルを含んでもよい。複数の長手方向に延在する経路は、捲縮、ひだ付け、ギャザー付け、折り畳みのうち一つ以上の加工がなされて経路を形成するシート材料によって画定されうる。複数の長手方向に延在する経路は、捲縮、ひだ付け、ギャザー付け、折り畳みのうち一つ以上の加工がなされて複数の経路を形成する単一のシートによって画定され得る。複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、ギャザー付け、折り畳みのうち一つ以上の加工がなされて複数の経路を形成する複数のシートによって画定されうる。
【0059】
エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0060】
エアロゾル冷却要素は、生物分解性物質のシートの集合体を含むのが好ましい。例えば、非空隙性の紙のシートの集合体、またはポリ乳酸またはMater-Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料シートの集合体である。
【0061】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸のシートの集合体を含む。
【0062】
エアロゾル冷却要素は、重量ミリグラム当たり、およそ10平方ミリメートルから、重量ミリグラム当たり、およそ100平方ミリメートルの間の比表面積を有する材料シートの集合体から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル冷却要素は、およそ35ミリメートル2/mgの比表面積を有する材料シートの集合体から形成されてもよい。
【0063】
本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置と共に使用して、エアロゾルを発生させることができる。すなわち、ユーザーは、エアロゾル形成基体と相互作用して、エアロゾルを生成する装置を使用しうる。装置は、電源からエアロゾル形成基体にエネルギーを供給してエアロゾルを生成するために使用される一つ以上の構成要素を備えうる。エアロゾル発生装置は、ヒーターを含むエアロゾル発生装置である加熱式エアロゾル発生装置として記述されうる。ヒーターは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生させるために使用されるのが好ましい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生させるために、電力によって動作するヒーターを備えたエアロゾル発生装置である、電気加熱式のエアロゾル発生装置としうる。エアロゾル発生装置は、ガス加熱式エアロゾル発生装置としうる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの肺にユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。
【0064】
本発明のエアロゾル発生物品は、それ自体、熱源および熱源から物品のエアロゾル形成基体へ熱を伝達するための少なくとも一つの熱伝導性要素を備えうる。熱源は、可燃性であることが好ましい。熱源はエアロゾル形成基体の上流にあることが好ましい。具体的には、好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の上流の可燃性炭素質熱源を備える。本明細書に使用される場合、「炭素質」という用語は、炭素を含む可燃性熱源を説明するために使用される。熱伝導性要素は、可燃性熱源の少なくとも後方部分およびラッパーの少なくとも前方部分の周りにあり、かつそれと接触することが有利である。熱伝導性要素は、可燃性熱源の少なくとも後方部分およびラッパーの少なくとも前方部分の周りにあり、かつそれと直接接触することが有利である。こうした実施形態において、熱伝導性要素は、エアロゾル発生物品の可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間に熱リンクを提供する。有利には、これは、許容されるエアロゾルを提供するための可燃性熱源からエアロゾル形成基体への適切な熱伝達の促進を助ける。可燃性熱源はエアロゾル発生物品の遠位端、またはその近傍に位置する。可燃性熱源は実質的に円筒形であることが好ましい。
【0065】
可燃性熱源は、約7ミリメートル~約17ミリメートルの長さ、例えば約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さ、または約7ミリメートル~約13ミリメートルの長さを有してもよい。
【0066】
可燃性熱源は、約5ミリメートル~約9ミリメートルの直径、例えば約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0067】
エアロゾル発生物品は、可燃性熱源の前方部分を少なくとも部分的に覆うように構成されるキャップを備えうる。こうした実施形態では、キャップは、取り外し可能であり、それにより、エアロゾル発生物品の使用前に可燃性熱源の前方部分が露出される。
【0068】
本明細書に使用される場合、「キャップ」という用語は、可燃性熱源の前方部分を実質的に囲むエアロゾル発生物品の遠位端における保護カバーを説明するために使用される。
【0069】
エアロゾル発生物品は、可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを備えうる。
【0070】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることにより、可燃性熱源の点火および燃焼の間にエアロゾル形成基体が曝される温度が、有利に抑制されうる。これは、エアロゾル発生物品の使用時にエアロゾル形成基体の熱劣化または燃焼を回避または低減するのに役立ちうる。
【0071】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることにより、エアロゾル発生物品の貯蔵および使用中、可燃性熱源へのエアロゾル形成基体の構成要素の移動が、有利に実質的に防止または阻害されうる。
【0072】
本明細書に使用される場合、「不燃性」という用語は、その点火および燃焼の間に可燃性熱源によって到達される温度で実質的に不燃性であるバリアを説明するために使用される。
【0073】
可燃性熱源の前端面は可燃性熱源の上流端にある。可燃性熱源の上流端は、エアロゾル発生物品の近位端から最も遠い可燃性熱源の末端である。可燃性熱源の後端面は可燃性熱源の前端面と向かい合う。可燃性熱源の後端面は可燃性熱源の下流端にある。可燃性熱源の下流端は、エアロゾル発生物品の近位端に最も近い可燃性熱源の末端である。
【0074】
バリアは可燃性熱源の後端面およびエアロゾル形成基体の一方または両方に隣接してもよい。あるいは、バリアは可燃性熱源の後端面およびエアロゾル形成基体の一方または両方から間隙を介していてもよい。
【0075】
有利には、バリアは、可燃性熱源の後方端面に接着される、またはさもなくば、貼り付けられる。
【0076】
当然のことながら、上述の各特徴は、本発明の態様の一つ以上に同様に適用可能でありうる。好ましい特徴は、任意の適切な組み合わせで互いに組み合わせることができることがさらに理解されるであろう。
具体的な実施形態について、ここで図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】
図1は、従来技術のエアロゾル発生物品の概略断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1は、従来技術のエアロゾル発生物品100を図示する。物品1は、四つの要素を含む。要素は、エアロゾル発生基体2、支持要素3、エアロゾル冷却要素104、およびフィラメント当たり、約8デニールを有する酢酸セルロース繊維を含むフィルターセグメント105である。
【0079】
四つの要素は順に同軸の配置で並べられ、紙巻たばこ用紙6によって組み立てられ、ロッドを形成する。ロッドは口側の端7を有し、ユーザーは使用中にそれを口の中に挿入し、遠位端8は口側の端7に対してロッドの反対側の端に位置する。口側の端7と遠位端8の間に位置する要素は、口側の端7の上流にある、または別の方法で遠位端8の下流にあると説明することができる。組み立てられた時、ロッドは長さ52ミリメートルおよび直径7.2ミリメートルである。フィルターセグメント105は8ミリメートルの長さを有し、エアロゾル冷却要素104は17ミリメートルの長さを有する。
【0080】
図2は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品1を図示したものである。物品は、フィルターセグメント5が、フィラメント当たり、30デニールを有する酢酸セルロース繊維を含むことで、
図1の従来技術物品100とは異なる。
図2のフィルターセグメント5はまた、
図1のセグメント105も長く、20ミリメートルの長さを有する。結果として、
図2のエアロゾル冷却要素の長さは5ミリメートルである。
【0081】
図3は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品1を図示する。物品は実質的に
図2の物品と同一である。しかし、
図3の物品はエアロゾル冷却要素を含まない。代わりに、くぼみ9はフィルターセグメント5と支持要素3との間に提供され、支持要素3からフィルターセグメント5に延びる。
【0082】
図4は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生物品1を図示する。物品は実質的に
図2および
図3の物品と同一である。しかし、
図4の物品は、支持要素3とフィルターセグメント5との間にくぼみまたはエアロゾル冷却要素を有さない。代わりに、フィルターセグメント5の長さは25ミリメートル増加し、支持要素3まで延びる。すなわち、フィルターセグメント5は、支持要素3のすぐ下流に位置する。
【0083】
図2~4のそれぞれは、
図1の物品と同じ濾過効率および引き出し抵抗を提供することができるエアロゾル発生物品1をもたらし、エアロゾル冷却要素の必要性が低減または排除された
図1の物品と同じ長さを有する。