(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】発光ダイオード
(51)【国際特許分類】
H01L 33/40 20100101AFI20230412BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20230412BHJP
H01L 29/43 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
H01L33/40
H01L29/44 L
H01L29/46
(21)【出願番号】P 2020033011
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2020-02-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】201911089309.1
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598098331
【氏名又は名称】ツィンファ ユニバーシティ
(73)【特許権者】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 金
(72)【発明者】
【氏名】魏 洋
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 守善
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】金高 敏康
【審判官】松川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-6754(JP,A)
【文献】特開2005-116618(JP,A)
【文献】特開2004-171903(JP,A)
【文献】特開2018-6755(JP,A)
【文献】特開2018-198314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00 - 31/0392
H01L 31/08 - 31/119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一半導体層と、活性層と、第二半導体層と、第一電極と、第二電極と、を含む発光ダイオードにおいて、
前記第一半導体層は、対向する第一表面及び第二表面を有し、
前記第二半導体層は、対向する第三表面及び第四表面を有し、
前記活性層は前記第一半導体層と前記第二半導体層との間に設置され、前記活性層は前記第二表面と前記第四表面とそれぞれ直接に接触して設置され、
前記第一電極は前記第一半導体層の前記第一表面に設置され、且つ前記第一表面と直接に接触され、
前記第二電極は前記第二半導体層の前記第三表面に設置され、且つ前記第三表面と直接に接触され、
前記第一電極は一本の第一カーボンナノチューブであり、前記第二電極は一本の第二カーボンナノチューブであり、前記第一カーボンナノチューブの延伸方向は前記第二カーボンナノチューブの延伸方向と交差して設置され、
前記第一カーボンナノチューブが前記第二カーボンナノチューブと交差するところに、前記第一カーボンナノチューブ、前記第一半導体層、前記活性層、前記第二半導体層、及び前記第二カーボンナノチューブが積層して設置されて、多層構造体が形成され、
前記多層構造体に、光子を生成するp-n接合又はp-i-n
接合が点状に形成されることを特徴とする発光ダイオード。
【請求項2】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは金属性のカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項3】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項4】
前記多層構造体の横方向断面の面積は1nm
2~100nm
2であることを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項5】
前記第一カーボンナノチューブの延伸方向と前記第二カーボンナノチューブの延伸方向とは互いに垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードに関し、特に、ナノサイズの発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の発光ダイオードは一般に、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層とP型半導体層の間に配置された活性層、P型半導体層に設置されたP型電極(通常は透明電極である)及びN型半導体層に設置されたN型電極を含む。発光ダイオードが動作する際、P型半導体層に正の電圧が印加され、N型半導体層に負の電圧が印加される。これにより、P型半導体層に存在する正孔とN型半導体層に存在する電子が活性層に光子が生成され、光子は発光ダイオードから放出される。
【0003】
しかし、従来の発光ダイオードは一般にサイズが比較的大きく、ナノサイズの発光ダイオードはまだいないため、発光ダイオードの使用が大幅に制限されている。加えて、従来の発光ダイオードのP型電極及びN型電極は、光の比較的深刻な吸収または反射を有し、それにより、発光ダイオードの発光効果は悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、発光効率の高いナノサイズの発光ダイオードを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一半導体層と、活性層と、第二半導体層と、第一電極と、第二電極と、を含む発光ダイオードにおいて、前記第一半導体層は、対向する第一表面及び第二表面を有し、前記第二半導体層は、対向する第三表面及び第四表面を有し、前記活性層は前記第一半導体層と前記第二半導体層との間に設置され、前記活性層は前記第二表面と前記第四表面とそれぞれ直接に接触して設置され、前記第一電極は前記第一半導体層の前記第一表面に設置され、且つ前記第一表面と直接に接触され、前記第二電極は前記第二半導体層の前記第三表面に設置され、且つ前記第三表面と直接に接触され、前記第一電極は一本の第一カーボンナノチューブであり、前記第二電極は一本の第二カーボンナノチューブであり、前記第一カーボンナノチューブの延伸方向は前記第二カーボンナノチューブの延伸方向と交差して設置され、前記第一カーボンナノチューブが前記第二カーボンナノチューブと交差するところに、前記第一カーボンナノチューブ、前記第一半導体層、前記活性層、前記第二半導体層、及び前記第二カーボンナノチューブが積層して設置されて、多層構造体が形成される。
【0006】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは金属性のカーボンナノチューブである。
【0007】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブである。
【0008】
前記多層構造体の横方向断面の面積は1nm2~100nm2である。
【0009】
前記第一カーボンナノチューブの延伸方向と前記第二カーボンナノチューブの延伸方向とは互いに垂直である。
【発明の効果】
【0010】
従来技術と比べて、第一に、発光ダイオードは、二本のカーボンナノチューブが交差して、二次元の半導体層と活性層を挟んで形成される。二本のカーボンナノチューブはナノサイズであるため、二本のカーボンナノチューブと半導体層と活性層の重なり合う領域には、ナノサイズのp-n接合またはp-i-n接合を形成できる。これにより、発光ダイオードのサイズをナノスケールに縮小できる。これは、ディスプレイ及び近接場光学の分野で広く応用できる。第二に、発光ダイオードの二つの電極は一本のカーボンナノチューブであり、カーボンナノチューブは光の吸収または反射を無視できるため、カーボンナノチューブの光透過率が高くなる。これにより、本発明の一形態の発光ダイオードは、従来の電極を用いた発光ダイオードと比較して、高い発光効率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第一実施例の発光ダイオードの構造を示す図である。
【
図2】本発明の第一実施例の発光ダイオードの側面を示す図である。
【
図3】本発明の第二実施例の発光ダイオードの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0013】
図1を参照すると、本発明の第一実施例は、発光ダイオード10を提供する。発光ダイオード10は、第一半導体層110と、活性層120と、第二半導体層130と、第一電極140と、第二電極150と、を含む。第一半導体層110と、活性層120と、第二半導体層130とは順に積層して設置される。第一半導体層110及び第二半導体層130は、第一半導体層110及び第二半導体層130に垂直な方向にp-n接合またはp-i-n接合が形成される。第一半導体層110は、対向する第一表面(図を示せず)及び第二表面(図を示せず)を有し、第一電極140は、第一半導体層110の第一表面に設置され、第一表面と直接に接触される。第一半導体層110の第二表面は活性層120と直接に接触される。第二半導体層130は、対向する第三表面(図を示せず)及び第四表面(図を示せず)を有し、第二電極150は、第二半導体層130の第三表面に設置され、且つ第三表面と直接に接触される。第二半導体層130の第四表面は活性層120と接触して設置される。第一電極140は一本の第一カーボンナノチューブであり、第二電極150は一本の第二カーボンナノチューブである。第一カーボンナノチューブの延伸方向は第二カーボンナノチューブの延伸方向と交差して設置される。
【0014】
第一半導体層110及び第二半導体層130は二次元材料からなる。二次元材料とは、電子がナノメートルスケール(1~100nm)の二次元のみで自由に移動(平面移動)できる材料を指す。例えば、二次元材料は、ナノフィルム、超格子、量子井戸などであってもよい。第一半導体層110及び第二半導体層130はそれぞれ、2種類のN型半導体層及びP型半導体層のいずれかである。具体的には、第一半導体層110がN型半導体層である場合、第二半導体層130はP型半導体層であり、第一半導体層110がP型半導体層である場合、第二半導体層130はN型半導体層である。N型半導体層は電子を提供するように機能し、P型半導体層は正孔を提供するように機能する。P型半導体層及びN型半導体層の材料が制限されず、無機化合物半導体、元素半導体、有機半導体又はこれらの材料がドープされた材料でもよい。例えば、N型半導体層の材料は、N型窒化ガリウム、N型ヒ化ガリウム、N型リン化銅、及び硫化モリブデン(MoS2)のうちの一つ以上を含む。P型半導体層の材料は、P型窒化ガリウム、P型ヒ化ガリウム、P型リン化銅、及びセレン化タングステン(WSe2)のうちの一つ以上を含む。好ましくは、第一半導体層110の厚さは0.5nm~100nmである。より好ましくは、第一半導体層110の厚さは0.5nm~50nmである。本実施例において、第一半導体層110の厚さは16nmであり、第一半導体層110はN型半導体層でありN型半導体層の材料は硫化モリブデン(MoS2)である。
【0015】
好ましくは、活性層120は第一半導体層110の全体の第二表面120を被覆する。活性層120は、量子井戸構造(Quantum Well)を含む。量子井戸構造は一つ以上の量子井戸層を備える。活性層120は光子を提供する。活性層120の材料は窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化インジウムガリウム、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウム、リン化インジウムガリウム、リン化インジウムヒ素、またはヒ化インジウムガリウムの中のいずれの一種又は多種である。活性層120の厚さは10nm~100nmである。本実施例において、活性層120は窒化ガリウム層であり、その厚さは30nmである。
【0016】
好ましくは、第二半導体層130は、活性層120の第一半導体層110と離れる完全の表面を覆う。好ましくは、第二半導体層130の厚さは0.5nm~100nmである。より好ましくは、第二半導体層130の厚さは0.5nm~50nmである。第二半導体層130は、N型半導体層またはP型半導体層であってもよい。第二半導体層130は第一半導体層110とは異なる種類の半導体層である。第二半導体層130の第三表面は、発光ダイオード10の出光面として機能する。第二半導体層130の材料はセレン化タングステン(WSe2)であり、その厚さは14nmである。
【0017】
第一電極140は一本の第一カーボンナノチューブであり、第一カーボンナノチューブが金属性のカーボンナノチューブである。第一カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、または多層カーボンナノチューブであってもよい。 第一カーボンナノチューブの直径は制限されず、0.5nm~100nmであってもよい。一つの例において、第一カーボンナノチューブの直径は0.5nm~10nmである。 好ましくは、第一カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブであり、その直径が0.5nm~2nmである。本実施例において、カーボンナノチューブの直径が1nmである。
【0018】
本実施例において、カーボンナノチューブ102は内殻カーボンナノチューブである。内殻カーボンナノチューブとは、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブの最も内側のカーボンナノチューブを指す。内殻カーボンナノチューブは、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブから引き抜くことにより得られる。超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブとは、長さが150ミクロン以上である二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブを指す。好ましくは、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブの長さは150ミクロン~300ミクロンである。具体的に、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの両端を伸ばして、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの外壁はすべて破損しており、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの中央部にある最も内側のカーボンナノチューブ(すなわち、内殻カーボンナノチューブ)のみが残される。外壁とは、最も内側のカーボンナノチューブの壁を除いたカーボンナノチューブの壁を指す。内殻カーボンナノチューブの表面がきれいであり、その表面に不純物がないため、第一カーボンナノチューブ1は第一半導体層110と良好に接触することができる。もちろん、第一カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブに制限されず、他の単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブであってもよい。
【0019】
第二電極150は一本の第二カーボンナノチューブであり、第二カーボンナノチューブは金属性のカーボンナノチューブである。第二カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、または多層カーボンナノチューブであってもよい。第二カーボンナノチューブの直径は制限されず、0.5nm~100nmであってもよい。一つの例において、第二カーボンナノチューブの直径は0.5nm~10nmである。好ましくは、第二カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブであり、その直径が0.5nm~2nmである。本実施例において、第二カーボンナノチューブの直径が1nmである。本実施例において、第二カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブである。内殻カーボンナノチューブの表面がきれいであり、その表面に不純物がないため、第二カーボンナノチューブは第二半導体層130と良好に接触することができる。もちろん、第二カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブに制限されず、他の単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブであってもよい。
【0020】
第一カーボンナノチューブの延伸方向と第二カーボンナノチューブの延伸方向とは交差して角が形成される。この角は、0°~90°(0°は含まず)である。本実施例において、第一カーボンナノチューブの延伸方向と第二カーボンナノチューブの延伸方向とは互いに垂直であり、すなわち、角は90°である。
【0021】
図2を参照して、第一カーボンナノチューブが第二カーボンナノチューブと交差するところに、第一カーボンナノチューブ、第一半導体層110、活性層120、第二半導体層130、及び第二カーボンナノチューブが積層して設置されて、多層構造体160が形成される。多層構造体160は、横方向断面及び縦方向断面を定義して、横方向断面が第一半導体層110の表面に平行する断面であり、縦方向断面が第一半導体層110の表面に垂直する断面である。第一半導体層110に対する第一カーボンナノチューブ及び第二カーボンナノチューブのサイズは小さく、第一半導体層110の表面には第一カーボンナノチューブ及び一つの第二カーボンナノチューブのみが設置されるため、横方向断面の面積が第一カーボンナノチューブ又は第二カーボンナノチューブの直径によって決まる。第一カーボンナノチューブ及び第二カーボンナノチューブの直径は両方ともナノメートルであるため、多層構造体160の横方向断面の面積もナノメートルである。縦方向断面の面積は、第一カーボンナノチューブと第二カーボンナノチューブとの直径、第一半導体層110と活性層120と第三半導体層130との厚さによって決定される。第一カーボンナノチューブ及び第二カーボンナノチューブの直径はそれぞれナノスケールであり、第一半導体層110と活性層120と第三半導体層130との厚さもそれぞれナノスケールであるため、多層構造体160の縦方向断面の面積もナノスケールである。好ましくは、多層構造体160の横方向断面の面積は1nm
2~100nm
2である。第一半導体層110及び第三半導体層130は、多層構造体160に垂直点p-n結合または垂直点p-i-n結合を形成する。
【0022】
発光ダイオード管10が応用される時には、発光ダイオード管10に正方向の電圧を加えた後、P領域からN領域に注入された正孔と、N領域からP領域に注入された電子とに垂直に接続される。または、垂直点p-n結合または垂直点p-i-n結合の近くで、N領域の電子及びP領域の正孔がそれぞれ結合し、活性層120には光子を生成させ発光する。半導体構造100の有効な部分は、第一カーボンナノチューブ、第一半導体層110、活性層120、第三半導体層130、及び第二カーボンナノチューブが積層して形成される多層構造体160である。発光ダイオード10の全体の寸法は、多層構造体160の寸法よりも大きいことを保証できればよい。これにより、発光ダイオード10のサイズをナノサイズにまで小さくすることができる。ナノサイズの発光ダイオードは、将来の表示、近距離光学などの分野で応用できる。
【0023】
発光ダイオード10は、基板170をさらに含むことができる。第一電極140、第一半導体層110、活性層120、第二半導体層130、および第二電極150は、基板170の表面に順に積層して設置される。基板170は主に支持に使用される。基板170の材料は、透明で非光吸収性の材料である。基板170の材料は、例えば、SOI(silicon on insulator)、LiGaO2、LiAlO2、Al2O3、Si、GaAs、GaN、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlP、AlAs、AlSb、AlN、GaP、SiC、SiGe、GaMnAs、GaAlAs、GaInAs、GaInN、AlInN、GaAsP、InGaN、AlGaInN、AlGaInP、GaP:Zn又はGaP:Nである。本実施例において、基板170の材料はシリコンである。
【0024】
さらに、基板170の活性層120と離れる表面に反射層が設置されることができる。反射層の材料はチタン、銀、アルミニウム、ニッケル、金、またはそれらの任意の組み合わせである。 活性層120で生成された光子が反射層に到達した後、反射層は光子を反射することができるので、光子は発光ダイオード10の出光面から放出される。これにより、発光ダイオード10の発光効率を高める。
【0025】
さらに、第二半導体層130の活性層120と離れる第三表面は、複数の三次元ナノ構造体をさらに含むことができる。三次元ナノ構造体は、発光ダイオード10の発光効率を高める。
【0026】
本発明の発光ダイオードが以下の効果がある。第一に、発光ダイオードは、二本のカーボンナノチューブが交差して、二次元の半導体層と活性層を挟んで形成される。二本のカーボンナノチューブはナノサイズであるため、二本のカーボンナノチューブと半導体層と活性層の重なり合う領域には、ナノサイズのp-n接合またはp-i-n接合を形成できる。これにより、発光ダイオードのサイズをナノスケールに縮小できる。これは、ディスプレイ及び近接場光学の分野で広く応用できる。第二に、発光ダイオードの二つの電極は一本のカーボンナノチューブであり、カーボンナノチューブは光の吸収または反射を無視できるため、カーボンナノチューブの光透過率が高くなる。これにより、本発明の発光ダイオードは、従来の電極を用いた発光ダイオードと比較して、高い発光効率を有する。第三に、カーボンナノチューブは優れた導電性を持つため、カーボンナノチューブを発光ダイオードの電極として使用すると、発光ダイオードの実効動作電流が増加し、電流損失を減少できる。
【符号の説明】
【0027】
10 発光ダイオード
110 第一半導体層
120 活性層
130 第二半導体層
140 第一電極
150 第二電極
160 多層構造体
170 基底