(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】仮想現実/拡張現実迅速配備システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20230412BHJP
A63G 31/00 20060101ALI20230412BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
A63G31/00
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2020539209
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(86)【国際出願番号】 US2018064539
(87)【国際公開番号】W WO2019143421
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-11-10
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】コートニー ジェイムズ ジェフリー
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-506283(JP,A)
【文献】特開2017-134283(JP,A)
【文献】特開平08-146340(JP,A)
【文献】特開平07-250291(JP,A)
【文献】特開平08-237575(JP,A)
【文献】特表2017-532825(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0252658(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0253574(US,A1)
【文献】特開2005-244919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
A63G 31/00
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含む頭部装着型仮想現実/拡張現実(VR/AR)ディスプレイシステムであって、前記プロセッサは、画像を前記頭部装着型VR/ARディスプレイシステムのグラフィックディスプレイ上に表示するように構成される、頭部装着型仮想現実/拡張現実(VR/AR)ディスプレイシステムと、
ユーザーが装着するように構成されたヘッドピースを含む骨組みシステムであって、前記ヘッドピースは、前記頭部装着型VR/ARディスプレイシステムを前記骨組みシステムの前記ヘッドピースに締結及び締結解除するように構成された少なくとも1つの締結具を含み、前記少なくとも1つの締結具は、ヘッドギアを前記骨組みシステムの前記ヘッドピースに締結及び締結解除するように構成される、骨組みシステムと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記ヘッドピースは、一体成形の無調整式のヘッドピースを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一体
成形の無調整式ヘッドピースは、ヘッドバンドセクションと、前記ヘッドバンドセクションから外向きに延びる少なくとも1つの湾曲突起セクションとを含み、前記少なくとも1つの湾曲突起セクションは、前記ユーザーの頭部の一部分の上方に位置するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ヘッドピースは、調整式ヘッドバンド構成要素を有する複数構成要素ヘッドピースを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの締結具は、磁気締結具、機械的締結具、又はその組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ヘッドギアは、前記ヘッドギアを前記骨組みシステムにしっかり固定するために、前記少なくとも1つの締結具と結合するように構成された第2の締結具を有するキャップ、帽子、頭装着傘、又はその組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記頭部装着型VR/ARシステムを有する乗客車両を備え、前記頭部装着型VR/ARディスプレイシステムは、仮想環境を提供するように構成されたVRシステム、コンピュータから引き出された視界で拡張された実世界視界を提示するように構成されたARシステム、又はその組み合わせを備え、前記ヘッドギアは、前記少なくとも1つの締結具で締結された場合、前記ヘッドピースの少なくとも一部分を覆うよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記乗客車両は、前記ユーザーを前記乗客車両にしっかり固定するように構成された乗客座席システムを備え、前記頭部装着型VR/ARシステムは、前記乗客座席システム内に配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記乗客座席システムは、前記ユーザーを前記乗客車両にしっかり固定するのを助けるために前記ユーザーの膝の上に配置されるように構成されたカマーバンドシステムを備え、前記頭部装着型VR/ARディスプレイシステムは、前記カマーバンドシステム内に配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記乗客座席システムは、前記ユーザーが前記乗客座席システムに着座した場合に、前記ユーザーの頭上に配置される棚状突起を備え、前記頭部装着型VR/ARディスプレイシステムは、前記頭上棚状突起の中に配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記頭部装着型VR/ARディスプレイシステムは、乗客車両との間でVRデータ、電力、又はその組み合わせを伝えるように構成されたアンビリカルコンジットシステムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
仮想現実/拡張現実(VR/AR)ディスプレイシステムを備える乗客車両であって、
前記仮想現実/拡張現実(VR/AR)ディスプレイシステムは、
画像を前記VR/ARディスプレイシステムのグラフィックディスプレイ上に表示するように構成されたプロセッサと、
ヘッドピースを備える骨組みシステムと、
頭部装着型VR/ARディスプレイシステムを前記骨組みシステムのヘッドピースに締結及び締結解除するように構成された前記骨組みシステムの第1の締結具
であって、前記ヘッドピースは前記乗客車両のユーザーによって装着されるように構成された、第1の締結具と、
ヘッドギアを前記ヘッドピースに締結及び締結解除するように構成された前記骨組みシステムの第2の締結具
であって、前記ヘッドギアは前記第2の締結具で締結される場合、前記ヘッドピースの少なくとも一部を覆うように構成される、第2の締結具と、
を備える乗客車両。
【請求項13】
前記ユーザーを前記乗客車両にしっかり固定するように構成された乗客座席システムを備え、前記VR/ARディスプレイシステムは、乗客座席システム内に配置される、請求項12に記載の乗客車両。
【請求項14】
前記乗客座席システムは、前記ユーザーを前記乗客車両にしっかり固定するのを助けるために前記ユーザーの膝の上に配置されるように構成されたカマーバンドシステムを備え、前記VR/ARディスプレイシステムは、前記カマーバンドシステム内に配置される、請求項13に記載の乗客車両。
【請求項15】
前記乗客座席システムは、前記ユーザーが前記乗客座席システムに着座した場合に、前記ユーザーの頭上に配置される棚状突起を備え、前記VR/ARディスプレイシステムは、前記頭上棚状突起の中に配置される、請求項13に記載の乗客車両。
【請求項16】
前記VR/ARディスプレイシステムは、仮想環境を提供するように構成されたVRディスプレイシステム、コンピュータから引き出された視界で拡張された実世界視界を提示するように構成されたARディスプレイシステム、又はその組み合わせを備える、請求項12に記載の乗客車両。
【請求項17】
前記VR/ARディスプレイシステムは、乗客車両とVRデータ、電力、又はその組み合わせをやりとりするように構成されたアンビリカルコンジットシステムを備える、請求項12に記載の乗客車両。
【請求項18】
ユーザーが装着するように構成されたヘッドピースを含む骨組みシステムを備えるシステムであって、前記ヘッドピースは、
頭部装着型VR/ARディスプレイシステムを前記ヘッドピースに締結及び締結解除するように構成された少なくとも1つの締結具と、
ヘッドギアを前記ヘッドピースに締結及び締結解除するように構成されたヘッドギア接合特徴部と、
を備え、
前記ヘッドギアは、前記ヘッドギア接合特徴部で締結される場合、前記ヘッドピースの少なくとも一部を覆うように構成される、システム。
【請求項19】
前記ヘッドピースは、ヘッドバンドセクションと、前記ヘッドバンドセクションから外向きに延びる少なくとも1つの湾曲突起セクションとを含む一体成形の無調整式のヘッドピースを含み、前記少なくとも1つの湾曲突起セクションは、前記ユーザーの頭部の一部分の上方に位置するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記骨組みシステムは、前記VR/ARディスプレイシステムと通信するように構成されたプロセッサを備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記骨組みシステムの前記プロセッサは、前記骨組みシステムに結合された前記ヘッドギアのタイプを、前記ヘッドギアに関連するタグから特定するように構成される、請求項
20に記載のシステム。
【請求項22】
前記VR/ARディスプレイシステムは、前記骨組みシステムから前記特定されたヘッドギアのタイプを受け取り、前記VR/ARディスプレイシステム上での表示を開始して前記特定されたヘッドギアのタイプを示すように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記骨組みシステムの前記プロセッサは、前記特定されたヘッドギアのタイプと通信して、前記ヘッドギア上に又は前記ヘッドギア上のトラックポイント上の表示をもたらす、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記ヘッドギア接合特徴部は、前記VR/ARディスプレイシステムと互換性がなく、前記VR/ARディスプレイシステムは、前記ヘッドギア接合特徴部に結合しない、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年1月19日出願の米国特許仮出願第62/619,618号「仮想現実/拡張現実迅速配備システム」の優先権及び利益を主張するものであり、その開示内容全体が全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般に仮想現実及び/又は拡張現実の分野に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、仮想現実及び拡張現実体験の迅速な配備を可能にするために利用されるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本セクションは、本開示の様々な態様に関係すると考えられる従来技術の様々な態様を紹介することを目的とし、これは以下に説明される及び/又はクレームされる。この説明は、本開示の様々な態様をより良く理解するのを容易にするための背景情報を提供するのを助けると考える。従って、これらの記載は、この観点から読む必要があり、従来技術の自認ではないことが理解される。
【0004】
様々な娯楽用乗物は、乗客に特有の運動体験及び視覚体験を提供するために作り出されてきた。例えば、仮想現実及び/又は拡張現実システムは、テーマ乗物(themeride)と一緒に使用することができ、決まった経路に沿って進む複数乗客車両で実施することができる。車両が経路に沿って移動する際の車両の速度又は方向変化によって引き起こされる興奮に加えて、仮想現実及び拡張現実システム自体は、乗客に提示される特殊効果(例えば、グラフィック及び/又は音響効果)を生成することができる。リピートする乗客は、乗物の全体的経路を熟知している場合があるが、特殊効果は、2回目及びそれ以降の乗車の間に興味を引き起こすことができる。別の例において、特定の乗物は、乗客車両が経路に沿って進む際に様々な風景及び動きを作り出すための仮想投影要素を実装して、没入型体験をもたらすことができる。乗客が仮想現実及び/又は拡張現実システムを装着し、その後に取り外すには時間かかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、より迅速に配備することができる改良された仮想現実及び/又は拡張現実システムの必要性があることが認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
当初クレームに記載された主題に相当する特定の実施形態は以下に要約される。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することが意図されておらす、むしろこれらの実施形態は、特定の開示された実施形態の概要を提示することのみが意図されている。実際には、本開示は、以下に記載の実施形態に類似する又はそれとは異なる場合がある種々の形態を包含することができる。
【0007】
1つの実施形態において、システムは、プロセッサを含む頭部装着型仮想現実/拡張現実(VR/AR)ディスプレイシステムを含み、プロセッサは、画像を頭部装着型VR/ARディスプレイシステムのグラフィックディスプレイ上に表示するように構成される。システムは、ユーザーが装着するように構成されたヘッドピースを含む骨組みシステムをさらに含み、ヘッドピースは、頭部装着型VR/ARディスプレイシステムをヘッドピースに締結及び締結解除するように構成され、かつヘッドギアをヘッドピースに締結及び締結解除するように構成された少なくとも1つの締結具を含む。
【0008】
他の実施形態において、乗客車両は、頭部装着型仮想現実/拡張現実(VR/AR)ディスプレイシステムを含む。頭部装着型仮想現実/拡張現実(VR/AR)ディスプレイシステムは、プロセッサを含み、プロセッサは、画像を頭部装着型VR/ARディスプレイシステムのグラフィックディスプレイ上に表示するように構成される。頭部装着型VR/ARディスプレイシステムは、骨組みシステムに含まれるヘッドピースに頭部装着型VR/ARディスプレイシステムを締結及び締結解除するように構成された締結具をさらに含み、ヘッドピースは、乗客車両のユーザーが装着するように構成される。
【0009】
他の実施形態において、システムはユーザーが装着するように構成されたヘッドピースを含む骨組みシステムを含む。ヘッドピースは、頭部装着型仮想現実/拡張現実(VR/AR)システムをヘッドピースに締結及び締結解除するように構成され、かつヘッドギアをヘッドピースに締結及び締結解除するように構成された少なくとも1つの締結具を含む。
【0010】
本開示の上記及び他の特徴、態様、及び利点は、全体を通じて同じ符号が同じ部品を示す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むとより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の態様による、遊園地乗物との関連における迅速配備仮想現実/拡張現実システムの実施形態の概略図である。
【
図2】本開示の態様による、ユーザーの頭部上で
図1の迅速配備仮想現実/拡張現実システムと共に使用するのに適した骨組みシステム(scaffolding system)ヘッドピースの実施形態の斜視図である。
【
図3】本開示の態様による、
図2のヘッドピースの実施形態の上面図である。
【
図4】本開示の態様による、
図2のヘッドピースの実施形態の側面図である。
【
図5】本開示の態様による、ユーザーの頭部上に配置された
図2のヘッドピースの実施形態の斜視図である。
【
図6】本開示の態様による、骨組みシステムヘッドピースの実施形態を調整するユーザーの斜視図である。
【
図7】本開示の態様による、ユーザーが装着する
図1の迅速配備仮想現実/拡張現実システムの実施形態の斜視図である。
【
図8】本開示の態様による、乗客座席システムに組み込まれた、
図1の迅速配備仮想現実/拡張現実システムの構成要素を含むラップロックバーの実施形態の斜視正面図である。
【
図9】本開示の態様による、
図1の迅速配備仮想現実/拡張現実システムの構成要素を含む乗客座席システムの実施形態の斜視後面図である。
【
図10】本開示の態様による仮想現実/拡張現実ディスプレイシステムの実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態について以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を与えるために、本明細書では実際の実施構成の全ての特徴を説明するわけではない。このようないずれかの実際の実施構成の開発においては、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合のように、システム関連及び業務関連の制約の遵守等の開発者の特定の目標を達成するために、多くの実施構成特有の決定を行う必要があることを理解されたい。さらに、このような開発努力は、複雑で時間がかかることがあるが、それにも関わらず、本開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な仕事であることは理解されたい。
【0013】
本開示の本実施形態は、例えば、遊園地乗物又はアトラクションの一部として使用することができる迅速配備仮想/拡張現実(VR/AR)システムに関する。遊園地乗物は、単一乗客及び/又は複数乗客車両が固定軌道に沿って乗客を運ぶ乗客車両乗物を含むことができる。乗客は、乗客車両の内部に座り、乗客保持システムによってしっかり固定することができる。その後、乗客車両は、固定経路に沿って様々な速度で進むことができる。乗客の体験を高めるためにVR/ARシステムを追加することは有用であろう。しかしながら、VR/ARシステムを装着する、外す、及び次の乗車反復のための準備のための余分の時間は、乗車の総時間が仮想/拡張現実システムを使用するのを難しくする及び/又は財政的に実行可能でないほど長くなるという結果をもたらす可能性がある。
【0014】
本明細書で説明する迅速配備仮想現実/拡張現実システムは、乗客が乗客車両に着座する間により簡単に装着し外すことができ、次の乗物反復のために乗物要員がより簡単に準備することができる。特定の実施形態において、仮想現実/拡張現実システムは、様々なサイズで提供することができる一体成形のヘッドピース又は単一のヘッドピースを含む骨組みシステムを含むことができる。ヘッドピースは、乗客が乗客車両に着座する前に装着することができる。例えば、ヘッドピースは、乗物の出発前に提供することができ、乗客は乗客車両に入るために並んで待っている間に装着することができる。
【0015】
本明細書で詳細に説明するように、ヘッドピースは、特定の固定手法を使用して調整することができ、この固定手法は、VR/ARゴーグルなどのVR/ARディスプレイシステムの改良された嵌合及び取り外しを可能にすることができる。この固定手法は、追加的に、VR/ARディスプレイシステムが未使用の場合に、野球帽、帽子などなど非VR/ARヘッドギアの固定を可能にすることができる。実際には、ヘッドピースを使用して、VR/ARディスプレイシステムの両方、並びに他のヘッドギアを所望の用途に応じて支持することができる。ヘッドギアは、構成要素からの保護、並びにテーマパーク入場者による様々なファッション表現に有用な野球帽、カウボーイハット、他の帽子、頭装着傘(head umbrella)などを含むことができる。すなわち、ヘッドギアは、迅速配備仮想現実/拡張現実システムの一部とすることができ、乗車体験談全体を強化することができ(例えば、宇宙飛行士ヘルメット、安全帽)又はユーザー自身のヘッドギアとすることができる。従って、1つの実施形態において、迅速配備仮想現実/拡張現実システムは、ユーザーがより快適に感じるようにユーザー自身の野球帽又は他のヘッドギアと一緒に使用されるように構成することができる。本明細書で説明する手法は、迅速配備VR/ARシステムを提供することで、高速かつ効率の良いテーマ乗物を可能にすることができる。
【0016】
本開示の実施形態は、車両型乗物との関連で説明されるが、本明細書で開示する迅速配備VR/ARシステムは、開示された手法を利用して実現することができる、アトラクションの取り付け及び取り外しの高い効率の恩恵を受けると思われる他の形式の遊園地アトラクションと一緒に使用することができることを理解されたい。例えば、本発明の手法は、非車両型アトラクション又はショーに関連して使用することができる。1つの実施例において、迅速配備VR/ARシステムは、ショーの座席と共に使用することができる。
【0017】
図1は、本開示の態様による迅速配備VR/ARシステム10の概略図である。図示するように、骨組みシステム12が示されており、骨組みシステム12は、以下で詳細に説明するようにユーザーの頭部上の配置に適したヘッドピース50を含むことができる。骨組みシステムヘッドピース50は、様々な年齢の様々な乗客14による使用に適したさまざまなサイズ及び/又は形状で提供することができ、さらの調整可能とすることができる。特定の実施形態において、骨組みシステム12は、1又は2以上のプロセッサ16及び1又は2以上のメモリ装置18を含むことができる。プロセッサ16は、複数のマイクロプロセッサ、1又は2以上の他の集積回路(例えば、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、縮小命令セットプロセッサなど)又はその何らかの組み合わせを含むことができる。1又は2以上のプロセッサ16及び1又は2以上のメモリ装置18は、ヘッドピース50と一体とすること又は、装着すること及び外すこともできる別個の又は取り外し可能な構成要素の一部とすることもできる。
【0018】
1又は2以上のメモリ装置18としては、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))などの有形の非一時的機械可読媒体;読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、もしくは任意の他の適切な光記憶媒体、磁気記憶媒体又はソリッドステート記憶媒体を含むことができる1又は2以上の記憶装置(例えば、非揮発性記憶装置);又はその任意の組み合わせを挙げることができる。メモリ装置18は、様々な情報を記憶することができ、様々な目的に使用することができる。例えば、メモリ装置18は、インタフェース接続するVR/ARディスプレイシステム20の形式を判定する命令などの、プロセッサ16が実行する機械可読命令及び/又はプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェア又はソフトウェア)を記憶することができる。命令は、ユーザー情報(例えば、年齢、性別)及び/又はVR/ARディスプレイシステム20に関するユーザー選択(例えば、フォントサイズ、ボリューム、ディスプレイ解像度)を詳細に示すことができる各ユーザー14に特有のユーザプロファイルをさらに含むことができる。骨組みシステム12は、電力を骨組みシステム12及び/又はVR/ARディスプレイシステム20に供給するのに適したバッテリ電源22をさらに含むことができる。
【0019】
VR/ARディスプレイシステム20は、画像、映像、テキストなどの媒体を表示又は投影することができる、ゴーグルなどの画像表示システム24を含むことができる。VR/ARディスプレイシステム20は、例えば、バイノーラル方式で音をユーザーの耳に放出することができる音声システム26を含むこともできる。プロセッサ28及び1又は2以上のメモリ装置30を含めることもできる。プロセッサ28は、複数のマイクロプロセッサ、1又は2以上の他の集積回路(例えば、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、縮小命令セットプロセッサなど)又はその何らかの組み合わせを含むことができる。1又は2以上のメモリ装置30としては、揮発性メモリ(例えば、RAM)などの有形の非一時的機械可読媒体;ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、もしくは任意の他の適切な光記憶媒体、磁気記憶媒体又はソリッドステート記憶媒体を含むことができる1又は2以上の記憶装置(例えば、非揮発性記憶装置);又はその任意の組み合わせを挙げることができる。メモリ装置30は、様々な情報を記憶することができ、様々な目的に使用することができる。例えば、メモリ装置30は、画像、テキスト、映像、音声などをVR/ARディスプレイシステム20を介して表示又は放出する命令などの、プロセッサ28が実行する機械可読命令及び/又はプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェア又はソフトウェア)記憶することができる。
【0020】
VR/ARディスプレイシステム20は、有線技術(例えば、イーサネットコンジット、ユニバーサルシリアルバス(USB)コンジット、高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI)コンジットなど)及び/又は無線技術(例えば、WiFi、メッシュネットワーク、ブルートゥース、Zigbeeなど)を用いて外部システム(例えば、サーバー、ノートブック、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、スマートウォッチなどなどのコンピューティングシステム)と通信するのに適した通信インタフェース32を含むことができる。VR/ARディスプレイシステム20は、電力をVR/ARディスプレイシステム20及び/又は骨組みシステム12に供給する電源システム34を含むか又はこれと作動的に接続することもできる。
【0021】
VR/ARディスプレイシステム20は、VR手法、AR手法又はその組み合わせを使用することができることを理解されたい。例えば、VR手法は、ユーザー14を3次元(3D)(及び/又は2次元(2D))環境に没入させることができる感覚情報(例えば、映像、音、触覚フィードバック、力フィードバック、嗅覚を含む画像)を呈示することを含むことができる。AR手法は、2D環境及び/又は3D環境を実世界のユーザーの14の視界上へ重ね合わせ、その結果、複合視界(例えば、コンピュータから引き出した視界で拡張された実世界視界)を提示してテーマパークでの乗物利用を高めることを含むことができる。
【0022】
使用時、乗客14は、骨組みシステムヘッドピース50を頭部上へ置くことによって骨組みシステム12を装着し、その後、単一乗客車両又は複数乗客車両36に乗り込むために一列に並んで進むことができる。特定の実施形態において、VR/ARディスプレイシステム20は、乗客車両36内に配置することができる。従って、乗客14は、乗客車両36に乗り込む場合、既に骨組みシステムヘッドピース50を所定の位置に有することができ、その後、VR/ARディスプレイシステム20を骨組みシステム12と工具なしで接合することができる。例えば、工具なしの接合は、骨組みシステム12及びVR/ARディスプレイシステム20以外の何らかの追加の構成要素なしで良好に接合することを含む。すなわち、骨組みシステム12及びVR/ARディスプレイシステム20は、両システムの良好な接合を達成するための全ての構成要素を持っている(一体的に、さもなければ骨組みシステム12又はVR/ARディスプレイシステム20のうちの一方に結合する)。さらに、骨組みシステム12及びVR/ARディスプレイシステム20は、互いから工具なしで切り離されるように構成することもできる。
【0023】
以下で詳細に説明される手法は、乗客14の列がより効率的に移動できるように及びVR/ARディスプレイシステム20の再使用を改善できるように、骨組みシステム12とVR/ARディスプレイシステム20の接合を高速化して改善することを可能にする。さらに、本明細書で説明する手法は、野球帽38、頭装着傘、又はテニス帽40、ハット42などの非VR/ARヘッドギアに備える。非VR/ARヘッドギアとしては、様々なハット、帽子(例えば、野球帽、ゴルフ帽、バイザー、ヘッドカバーとして着用される小さな傘など)を挙げることができることを理解されたい。実際には、ユーザー14は、VR/ARディスプレイシステム20を骨組みシステム12に接合するために使用できるのと同じ接合手法のVR/ARヘッドギアを利用して骨組みシステム12と接合する、様々な非VR/ARヘッドギアを購入することができる。従って、骨組みシステム(例えば、ヘッドピース50)は、ヘッドギアと接合するように構成された別個の接合特徴部を含むことができる。誤結合を防ぐために、ヘッドギア接合特徴部は、VR/ARディスプレイシステム20に結合しないように構成することができる。特定の実施形態において、ヘッドギア38、40、42は、電子機器を含まない。他の実施形態において、ヘッドギア38、40、42は、ロゴ、アニメーションがなどを表示するのに有用な、ライト(例えば、LEDライト)、低電圧ディスプレイ(例えば、OLED、Eインクなど)などの特定の装置39を含むことができ、バッテリ電源システム22から給電することができる。装置39は、ヘッドギア38、40、42の形式を識別するのに有用な無線周波数識別(RFID)タグを含むこともできる。例えば、骨組みシステム12は、プロセッサ16によって装着されたヘッドギアが野球帽38であることを識別し、ヘッドギア上に特定のロゴを表示すること、販売時点管理端末で割引を行うこと、得意ユーザーポイントを追跡することができる。実施形態において、ヘッドギアは、ARディスプレイシステム20のAR特徴部の機能を果たすことができるので、ヘッドギアを装着しているユーザー14は、ARディスプレイによって特定の称号又は外観を有するように示される。
【0024】
図2は、骨組みシステム12のヘッドピース50の実施形態の斜視図である。図示の実施形態において、ヘッドピース50は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、フタル酸非含有ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、シリコーン、ポリアミド、様々な種類のプラスチック、金属などなどの様々な材料から、例えば、鋳造、押し出し成形、3D印刷することができる一体成形品(例えば、単一構成要素又は単一組立体)である。ヘッドピース50は、異なる頭部解剖学的構造のユーザー14に対応するために様々な形状及び/又はサイズ(例えば、小、中、大、特大)で製造することができる。従って、1つの実施形態において、ヘッドピース50は、ヘッドピースサイズ又は構成を変更する調整可能な構成要素(例えば、バックル、ストラップ)を有することができない。その代わりに、ユーザー14は、異なるヘッドピース50の中で最も近いサイズを選択する。
【0025】
ヘッドピース50は、ヘッドバンドセクション52を含むことができ、ヘッドバンドセクション52は、円形形状、長円形形状、楕円形状などで製造することができ、ユーザーの頭部の挿入に適した開口部54を形成することができる。図示の実施形態において、4つの湾曲突起セクション56、58、60、62は、ヘッドバンドセクション52から外方に延び、使用時にユーザーの頭部を取り囲みユーザーの頭部によって支持される。各湾曲突起セクション56、58、60、62は、ヘッドバンドセクション52からそれぞれの湾曲突起セクション56、58、60、62の先端65に向かって延びるスロット64を含むことができる。スロット64は、通気を行うのに及びヘッドピース50の全重量を低減するのに有用であろう。使用時、先端65はユーザーの頭部の頂上セクション上に配置することができる。図示の実施形態は、4つの湾曲突起セクション56、58、60、62を示すが、他の実施形態は、より少ないか又はより多い湾曲突起セクションを含むことができることを理解されたい。
【0026】
特定の実施形態において、特定の機械的及び/又は磁気的取付け手法を使用して、VR/ARディスプレイシステム20をヘッドピース50に接合することができる。例えば、棚状突起又は雌型受け部66を使用して、VR/ARディスプレイシステム20を支持すること、及び/又は、VR/ARディスプレイシステム20内に含まれた特定の突出部と接合することができる。付加的に又は代替的に、前部棚(forehead shelf)セクション68は、VR/ARディスプレイシステム20の取付け領域をもたらすことができ、使用時、ユーザーの14の前額に近接することができる。例えば、棚セクション68は、棚セクション68の長さに沿って配置された1又は2以上の磁石70(例えば、希土類磁石)を含むことができる。
【0027】
磁石70は、使用時にVR/ARディスプレイシステム20をしっかり固定する、例えば、工具なし様式で締結するのを助けるために、VR/ARディスプレイシステム20上の対応する磁石と磁気結合することができる。磁石70は、ヘッドピース50がユーザーの14の頭部上にある間に、VR/ARディスプレイシステム20を配置及び固定するために単純な動作を利用することができる改良された取付け機構を提供するのを助けることができる。実際には、磁石70は、磁気「吸引」によってVR/ARディスプレイ20をヘッドピース50上の所望の位置に案内することができる。磁石70は、ヘッドピース50の他のセクションに配置することもでき、例えば、ヘッドバンドセクション52の円周部に沿って、湾曲突起セクション56、58、60、62上に、及び/又は棚状突起66上に配置することができる。磁石70は、導電性とすることができるので、信号及び/又は電力は、VR/ARディスプレイシステム20を往復すること及び/又はヘッドギア38、40、42を往復することができる。このようにして、VR/ARディスプレイシステム20は、ユーザー14上に素早く取り付けることができる。さらに、ヘッドピース50は、別個に取り付ける、装着する、調整する、及び/又は固定することができ、VR/ARディスプレイシステム20のかさ及び重量は、ユーザー14が快適な装着を得るのを妨げない。加えて、骨組みシステム12の装着は、高価なVR/ARディスプレイシステムを収容する領域ほど安全ではない可能性がある別の待機領域で行うことができる。このことは、ユーザー14が、異なるヘッドピース50を調整又は選択する際に及び/又は家族を手伝う際に、より自由に動かすのを望むとうい理由で好都合であろう。さらに、ヘッドピース50の装着又は取り外しプロセスは、ヘッドピース50の落下をより引き起こす傾向があるであろう。このプロセスをVR/ARディスプレイシステム20の結合プロセスから除外することによって、ヘッドピースが装着又は取り外しの間に落下したとしてもVR/ARディスプレイシステム20損傷の原因とならないことになる。代わりに、VR/ARディスプレイシステム20は、骨組みシステム12のヘッドピース50がユーザー14上に既にしっかりと位置決めされている場合に固定され、同様に、ヘッドピース50自体をユーザーの頭部から取り去る前にヘッドピース50から取り外される。
【0028】
図3は、ヘッドピース50の実施形態の上面図である。上述したように、ヘッドピース50は、様々な材料から、例えば、鋳造、押し出し成形、3D印刷することができる一体成形品(又は、複数の組立部品)又は構成要素とすることができる。図示の実施形態において、ヘッドピース50は、開口部54を定める楕円形のヘッドバンドセクション52を含む。各々がスロット64及び棚状突起66を有する4つの湾曲突起セクション56、58、60、62も示されている。
【0029】
また、
図3は、磁石70を含むことができる前部棚セクション68を示す。上述したように、磁石70は、電気信号及び/又は電力の伝送のために導電性とすることができる。プロセッサ16、メモリ18、及び/又はバッテリ電源22を含むヘッドピース50の実施形態において、棚セクション68は、プロセッサ16、メモリ18、及び/又はバッテリ電源22の収納場所として利用することもできる。
【0030】
図4を参照すると、これはヘッドピース50の実施形態の側面図であり、ヘッドバンドセクション52並びにヘッドバンドセクション52から外方に延びる3つの湾曲突起セクション56、58及び62を示す。ヘッドバンドセクション52の周りに配置されてスロット64から延在する棚66も示されている。ヘッドピース50を装着するために、ユーザー14は、
図5に示すように、湾曲突起セクション56、58、60、62が頭部に当接するまで開口部54を貫通して頭部を挿入することができる。
【0031】
図5は、ユーザー頭部上に配置された骨組みシステムヘッドピース50の実施形態の斜視図である。図示するように、ヘッドピース50は、棚セクション68がユーザーの14の眼の上方に位置決めされるようにユーザー14の頭部上に配置されている。図示のヘッドピース50の実施形態は、VR/ARディスプレイシステム20の重量をさらに支持するのに使用することができる、鼻支持セクション74をさらに含む。また、図示の実施形態ではヘッドピース50上に配置された野球帽38が示されている。上述したように、野球帽38などの非VR/ARヘッドギアは、例えば、テーマパークを歩き回る場合に使用するために骨組みシステム12の相補的接合特徴部上に置くことができる。すなわち、ヘッドピース50、又はヘッドピース50を含む骨組みシステム12は、複数の乗物に使用することができる汎用ヘッドピース50とすることができる。ユーザー14は、遊園地が提供する借用ヘッドピース50を使用する代わりに、遊園地来園を通して装着され、様々なアトラクションの異なるVR/ARディスプレイシステム20に結合するヘッドピース50を含む個人用ヘッドピース50又は骨組みシステム12を有することができる。しかしながら、ユーザー14は、ヘッドピース50又はヘッドピース50を含む骨組みシステム12が見苦しいと思う場合があるので、様々なヘッドギアを提供して機能的特徴をカバーすることができる。ヘッドギアは、ユーザーの好みに応じて選択する及び/又は交換することができる。
【0032】
図示の実施形態において、ヘッドピース50は、ヘッドピース50のヘッドバンドセクション78の開口部76を含む。開口部76の一部は、こめかみセクション80の周りに形成することができる。こめかみセクション80及び棚状突起82は、VR/ARディスプレイシステム20の重量をさらに支持するのを助けることができる。雌型受け部84は、例えば、VR/ARディスプレイシステム20をヘッドピース50にさらに取り付けるためにVR/ARディスプレイシステム20の突出部と接合するために使用することもできる。また、頂上バンドセクション86が示されており、これは、ヘッドバンドセクション78から外方に延びてユーザーの頭部上方に配置することができる。一部の実施形態において、頂上バンドセクション86は、前端部88及び後端部でヘッドバンドセクション78に結合することができる。
【0033】
図6は、調整可能なヘッドバンド92を有する骨組みシステム12のヘッドピース50の一実施形態を鏡94の前で調整するユーザーの斜視図である。図示の実施形態において、ヘッドピース50は、一体のヘッドバンドであることとは対照的に、2又は3以上の構成要素から製作することができる。従って、ノブ96などの構成要素は、ヘッドピース50に含まれるヘッドバンド92のユーザーによる調整を可能にするために用いることができる。例えば、ノブ96を第1の方向(例えば、反時計回り)に回転させるとヘッドバンド92を締め付けることができ、一方でノブ96を第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、時計回り)に回転させるとヘッドバンド92を緩めることができる。
【0034】
図示の実施形態において、ヘッドピース50は、前方セクション100及び後方セクション102上でヘッドバンド92に接続された単一のバンド(例えば、頂上バンドセクション)98を含む。また、ヘッドピース50は、ヘッドピース50をユーザー14にしっかりと固定するのを助けるイヤーピースセクション104を含むこともできる。VR/ARディスプレイシステム20をヘッドピース50に磁気的に固定するために使用することができる磁石70が示されている。上述したように、磁石70は、導電性とすることができるので、信号及び/又は電力用のコンジットとして使用することができる。ユーザー14は、ヘッドピース(例えば、ヘッドピース50)を装着した後、帽子(例えば、帽子38)の1つを取り付けることができる。その後、ユーザー14は、例えば、テーマパークを歩き回り、VR/AR強化を含む乗物に属する乗客車両に進んで乗車することができる。その後、
図7に示すように、ユーザー14は、乗客車両36に着座するとVR/ARディスプレイシステム20をヘッドピース(例えば、ヘッドピース50)に取り付けることができる。
【0035】
図7は、ユーザー14が乗客車両36に着座した状態で娯楽用乗物の乗客車両36と共に使用されるVR/ARディスプレイシステム20の実施形態の斜視図である。図示するように、ユーザー14は、乗客車両36の内部にラップロックバー82、84を用いてしっかり固定される。図示するように、ロックバー80は、VR/ARディスプレイシステム20を乗客車両36の中に格納するのに適した空洞86の内部にしっかり固定されたVR/ARディスプレイシステム20を備える。より具体的には、空洞86は、ラップバー・カマーバンド88内に設けられている。ラップロックバー82を用いてしっかり固定され、VR/ARディスプレイシステム20を骨組みシステム12上に置くためにVR/ARディスプレイシステム20をラップロックバー82から取り外している乗客14が示されている。また、ラップロックバー82を用いてしっかり固定され、眼鏡(例えば、度付き眼鏡)90を含むヘッドピース50を装着している乗客14も示されており、ヘッドピース50は、装着したままで、骨組みシステム12及びVR/ARディスプレイシステム20と共に使用することができる。
【0036】
ラップロックバー84によってしっかり固定され、VR/ARディスプレイシステム20を骨組みシステム12と接合しているユーザー14が示されている。図示の実施形態において、VR/ARディスプレイシステム20は、複数乗客車両36の中に位置する又は複数乗客車両36に通信可能に及び/又は作動可能に接続された外部コンピューティングデバイスに電気信号及び/又は電力を送るために使用することができる1又は2以上のアンビリカルコンジット92を含む。アンビリカルコンジット92は、それぞれのラップロックバー80、82、84の中に、一部の実施形態において、ケーブルリザーバ94の中に格納することができる(例えば、ばね付勢機構、電動モーターアシスト、重力アシストなどを用いて)。より効率的なVR/ARディスプレイシステム20の格納及び配備を可能にすることで、本明細書で説明した手法は、VR/AR乗物を通る乗客14の流れをより良好にすることができ、ユーザー14のテーマパーク内での体験を向上させることができる。
【0037】
図8は、ラップロックバー80の実施形態の詳細を示す斜視図である。図示の実施形態において、VR/ARディスプレイシステム20は、ユーザー14によって使用される前に空洞86内に格納されるように示されている。上述したように、VR/ARディスプレイシステム20は、アンビリカルコンジット92を含むことができ、アンビリカルコンジット92は、VR/ARディスプレイシステム20を空洞86によりしっかりと取り付けるのを助ける、ばね付勢機構、電動モーターアシスト、重力アシストなどによってラップロックバー80、ラップバー・カマーバンド88、及び/又はケーブルリザーバ94の内部に格納することができる。VR/ARディスプレイ20を空洞86の内部に固定するために磁石を使用することもできる。
【0038】
ラップバー・カマーバンド88は、溝(例えば、湾曲溝)100を含むことができる。テーマ乗物の間に出くわす流出分や雨などは、溝100によってVR/ARディスプレイシステム20から離れて一ヵ所に集めることができる。溝100は、湾曲形状(例えば、ホタテガイ形状)なので、何らかの流出分を取り除いて保守の所要時間を向上させるのを助けることもできる。さらに、ラップバー・カマーバンド88は、金属、プラスチック又はその組み合わせから製作することができ、流出分、屋外暴露に耐えて清浄化を向上させるのに適した材料及び/又は表面被覆を有する。従って、保守要員は、複数乗客車両36をより素早く清浄化することができ、所要時間及び乗物利用可能時間を向上させることができる。
【0039】
ラップバー・カマーバンドは、ユーザー14をテーマ乗車の間にしっかり固定するためにユーザーの膝の上に配置された場合、簡単なアクセス及び配備のためにVR/ARディスプレイシステム20を図示のように位置付けることができる。実際には、ユーザー14は、乗客車両36に乗車し、ラップロックバー80をロックし、次に、膝上に位置付けられたVR/ARディスプレイシステム20の提示を受けることができる。VR/ARディスプレイシステム20を外向きに引き寄せると、骨組みシステム12と接合するために、VR/ARディスプレイシステム20を空洞86から取り外すことができる。従って、VR/ARディスプレイシステム20は、手動操作で容易に取り外して骨組みシステム12上に接合することができる。骨組みシステム12と接合すると、使用中に、データ、電力などは、アンビリカルコンジット92を介してVR/ARディスプレイシステム20に供給することができる。その後、VR/ARディスプレイシステム20は、ディスプレイ24によって視覚的感覚体験を提供すること及び音声システム26によって聴覚感覚体験を提供することができる。
【0040】
図9は、ラップロックバー112を有する乗客座席システム110の一実施形態の斜視後面図である。図示の実施形態において、VR/ARディスプレイシステム20は、頭上に、より具体的には乗客座席システム110の「張り出した」頭上棚状突起114上に格納される。使用時、ユーザー14は、乗客座席システム110に入って座席116に着座することになる。その後、ユーザー14は、ラップロックバー112によって所定の位置にしっかり固定され、その後、例えば、手を伸ばして下向きに引くことによってVR/ARディスプレイシステム20を引き出し、その後、VR/ARディスプレイシステム20を骨組みシステム12に接合することができる。上述したように、VR/ARディスプレイシステム20は、VR/ARディスプレイシステム20を頭上棚状突起114にしっかり固定するのを助けるためにばね付勢、電動モーターなどを使用することができる、アンビリカルコンジット92を含むことができる。付加的又は代替的に、VR/ARディスプレイシステム20を頭上棚状突起114にしっかり固定するのを助けるために磁石を使用することができる。
【0041】
また、乗客座席システム110内に配置することができる1又は2以上のコンピューティングデバイス118が示されている。コンピューティングデバイス118は、VR/ARディスプレイシステム20と通信可能に及び/又は作動可能にインタフェース接続して、ユーザー14がテーマパーク乗物を通過する際にユーザー14にVR環境及び/又はAR環境を提供することができる。図示の実施形態において、吸気口120は、作動中にコンピューティングデバイス118の温度を下げるのに適した冷却空気の流入を可能にする。次に、冷却空気は、熱風として排気口122を通って乗客座席システム110から出ることができる。テーマ乗車の終了後、ユーザー14は、VR/ARディスプレイシステム20を骨組みシステム12から取り外すことができ、その後、VR/ARディスプレイシステム20を清浄化のため及び/又はその後の使用のために頭上棚状突起114に戻すことができる。
【0042】
図10に示すように、VR/ARディスプレイシステム20は、利便性及び/又はメンテナンス性を向上させることができる特定の特徴部を含むことができる。例えば、ノブ130、132は、ディスプレイシステム24をより簡単にピント合わせ及び調整するために設けることができる。より具体的には、ノブ130は、ピント合わせに使用することができるが、ノブ132は、ユーザー14の瞳孔間距離の調整に使用することができる。ノブ130、132は、操作及び触覚フィードバックを改善するためのローレット134を含むことができる。ノブ130、132は、様々な人口統計及びユーザー14の出生国にわたる、より分かりやすい調整インタフェースを可能にする。
【0043】
音声システム26は、バイノーラル音声、サラウンド音声などを可能にするスピーカアレイ136、並びに1又は2以上のマイクを含むことができる。特定の実施形態において、音声システム26は、VR/ARディスプレイ20とは別個の独立したシステムとすることができる。すなわち、一部の実施形態において、音声システム26は、単独で装着することができるスピーカアレイ及び/又はマイクを含むことができる。VR/ARディスプレイ20に含まれるテンプル138は、スピーカアレイ136を乗客の耳に近接して固定するのに適すると共にVR/ARディスプレイ20を保持するか、もしくは操作するのに適するハンドルの機能を果たすこともできる。また、テンプル138は、1又は2以上の磁石70を含むことができ、磁石70は、VR/ARディスプレイシステム20を骨組みシステム12にしっかり固定するのを助けることができる。アンビリカルコンジットシステム92は、可撓性ブーツ140を含むことができ、これは、VR/ARディスプレイシステム20からのアンビリカルコンジットシステム92の素早い接続/切り離しを可能にすることができる。実際には、アンビリカルコンジットシステム92は、HDMIコネクタ、USB、USBC、Txhunderbolt又はその組み合わせなどのコネクタ142を含むことができる。従って、アンビリカルコンジットシステム92は、電力、映像、音声、テキスト、画像などをVR/ARディスプレイシステム20に送出することができる。また、アンビリカルコンジットシステム92は、ユーザー14が目を向けているディスプレイ24内の場所、瞳孔拡張、頭の動き、頭の角度などの、VR/ARディスプレイシステム20から送出された特定の情報を送ることができる。
【0044】
VR/ARディスプレイシステム20は、清浄化及びメンテナンスにおいて有用な特定の特徴部をさらに含むことができる。例えば、VR/ARディスプレイシステム20は、清浄化向上及び構成部品からの保護強化のために、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、フタル酸非含有ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、シリコーン、ポリアミド、様々な種類のプラスチック、金属などの材料で作られた外側シェル144を含むことができる。加えて、VR/ARディスプレイシステム20は、ユーザーのディスプレイ24の画面、電子機器、オーディオ機器などの特定の構成要素との接触を最小限にするか又は排除することができる。従って、VR/ARディスプレイシステム20は、改善された運転時間数を有することができる。
【0045】
本発明の開示のある特定の特徴のみを本明細書に図示して説明したが、当業者には多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正及び変更を本発明の開示の真の精神に該当するとして網羅するように意図していることを理解されたい。特定の開示された実施形態は、遊園地又はテーマパークとの関連で開示されているが、特定の実施形態は、他の用途に関連し得ることも理解されたい。さらに、開示された実施形態の特定の各要素は、互いに組み合わせること又は取り替えることができることを理解されたい。
【0046】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。